○
説明員(
伊東正義君) 坐りましたまま失礼させて頂きます。私
農林省の
会計課長の伊東でございます。
今
委員長から二十六
年度の
一般会計、
特別会計、
公共事業、それから二十五
年度、本
年度の
補正予算というお話がございましたが、まだ実は今やつておる最中なんで
数字が確定いたしておりませんのでその点は予め御了承願います。
新聞等でも御
承知と思うのでありますが、特に
公共事業等の
関係につきまして、いろいろな枠、
大蔵省の枠でありますとか、
安本の枠とか、いろいろなものが出ておりますが、まだこれが決定いたしませんので、まあかれこれ関連いたしまして
一般会計等につきましても未決定というものが
大分残つておるわけであります。何か明日の
閣議で
最終決定をしたいということを
大蔵省方面では言つておるのでありますが、今まで交渉いたしました点で残つております大きな点は別にいたしまし、大体簡單に御
説明申上げたいと思う次第であります。残つております一番大きいのは
公共事業費でございまして、お
手許にも
資料が差上げてありますが、
大蔵省は千四十五億と言い
安本は千三百五十億というような
数字が出ておるのでありますが、この
関係は今は決つておりません。それから
一般会計で私の方について申上げましてもこれも
新聞には
ちよい
ちよい出ておりましたが、
作報の問題でありますとか、そういう問題がまだ残つております。先ず
一般会計の残つております大きな問題を申上げますと、今申上げました私の方の
農作物調査関係でこれはまだ残つております。これは御
承知の今
作報では
供出割当をいたします際に
市町村單位の
数字を一応出しまして
割当をいたしておるのでありますが、
大蔵当局の見解がもう
事前割当は止めたのだから
市町村団体までの
数字は出さんでもいいのじやないか、
県單位の
数字でいいだろうというような
査定の方針でありまして、
人間も約七千名
足らずでありますがこれが今年の
定員から落されております。まあ金にしまして大体八億くらいになるのでありますが、これは相当大きな問題でまだ残されてあります。それから私の方から
要求しましたあれで残つておりますのは
農業協同組合関係の、これは
大分固定化しました資産に
金融いたしまして或る
程度利子補給をして
農業協同組合の再建を図つて行きたいというような
見地で、七億六千万円ばかりの
利子補給をいたしているのでありますが、これがまだ決りませんで残つております。それからこれも
新聞で御
承知の一割
増産の点でありますが、これの
活動費が約四億
薫千万ばかり予定いたしておりますがこの点がまだ決つておらない。それから
特別会計に関連することでございますが、
食管特別会計で国内産、それから
輸入の大筋を取扱うかどうかということが問題に
なつておりまして、私の方としましてはこれは来
年度は版扱つて行きたいということでやつているのでありますが、これが
大蔵省ではもう
食糧自給等の
関係から取扱わんでいいのじやないかというようなことで決つておりません。後まだ細かい点で二、三残つております。
農林省といたしまして
公共事業費の外に
閣議で
大臣から
一つ大蔵大臣によく話して貰つて解決して貰いたいというようなことで残つている大きい問題は、大体今申上げたような点でございます。
それで今申上げましたような点は、大体このお
手許に上げてあります
農林省所管一般会計の二十六
年度概算復活要求という中に
金額としては皆入つているわけなんでございます。でこの
一般会計について申上げますと、
最後の表を
ちよつと御覽願いたいのですが、トータルの
金額で申上げますと、今年の
予算が前
年度予算額として
最初の方に出ておりますが、
農林省の全部で
一般会計は二百九億二千八百九十八万五千円という
数字でございます。これは今年の議会で協賛を得ました
農林省の
一般会計の
総額でございます。これに対しまして当初
要求額で五百八十一億九千二百万というものを
要求いたしまして、その次が第一次
査定というので二百二十二億ということでやつております。尚その後
復活要求や何かいたしまして第二次
査定約九億三千九百万円、その後まだ折衝いたしておるのでありますが、全部で、これは少し
金額が動くかも知れませんが統計いたしますと、今まで
話合いがつきましたのは二百四十億七千九百万円、大体二百四十億八千万くらいの
数字までは話がついております。その
農林省所管の今年の二百九億に対しまして今話がついておりますのが二百四十億八千万でございます。お
手許に差上げました
資料はちよつと前でございますので
話合いのつきました
総額は出ておりませんが、第二次
査定のありました後に又九億一千万ばかり入りまして、今申上げました二百四十億八千万くらいという
金額に想成つております。それで今年の
予算と二十五
年度と
比較いたしますと、ここで大体三十数億ですかまあ殖えておることになります。これは
最後の
予算になりますと、これはこの中に後で申上げますところの
農林金融金庫の
出資金が三十億入つておりますので、これは一応
農林省から落ちますので、
大蔵省の
予算の
最後に締めをいたしますときに、この中から三十億は
大蔵省の
所管に上るということになります。この点は御了承願います。でここに載つております
数字の外に、後は
平衡交付金として
農林省に入つておりました
予算が二億くらい殖えますとか、或いは
北海道開発庁が今度できました
関係で、あそこに
北海道関係の人を各省から抜いて
北海道開発庁に計上するということに
なつておりますので、手数百省の
人間が開発に関する
予算の方に組まれるというようなことに相成ります。
それで
総額は今申し上げたような点でありますが、この
総額の
比較をされます場合に、大体今年の二百九億の中で、来
年度は当然落ちるというような金が入つておりますので、それを御参考までに申上げておきます。二百九億の中で例の
薪炭特別会計の整理の問題で約五億入つております。これは二十六
年度から当然なくなります。それから
物調関係で、これはいろいろ物資の統制が落ちました
関係で、二億六千万円ばかり落ちる金があります。これは大体当然落ちる。それから
林野庁で
中金を通じまして
証券造林というのを前にもやつたのでありますがこの
制度を止めて、全部
公共事業の方の
融資と見返
資金の
融資と別にいたしましたので、それは
法律改正で
証券造林は段々なく
なつて行くという
関係で一億二千万円。それからこれは当然ではございませんが、本
年度まで
開拓者資金融通法の繰入は
一般会計から十二億ばかりいたしたのでありますが、これを止めまして二十六
年度には
公債で行くというふうに一応
なつておりますので、そういうものを引きますと約二十一億になります。それで大体二十一億になりますが、それは
農林省の二百九億から二十六
年度は落ちるということになりますので、これは百八十億くらいに対しまして今のところ二百四十億に
なつたというふうにお
考え願えれば結構だと思います。
この
一般会計につきましても特に細かい点は別にいたしまして、大雑把に見てみますと今年の二十六
年度の
重要事項といいますか主な点を御
説明申上げておきます。これは
金融関係が今申上げましたように、
農林漁業金融金庫の
関係で三十億入つております。
農林省の
考え方といたしましては、
最初の
要求当時はこの
金庫は
是非作つ冊貰いたい、それで
政府側の
一般会計への
出資金の外に、或いは見返
資金なり或いは
預金部貸金から金を出して貰いまして、大体一年間二百億大くらいの
融資をしたいと。それで
融資の
対象としましては
土地改良でありますとか、或いは
造林であるとか、或いは漁港であるとか、大体
公共事業で出ているような
事業について
融資をしたいと。これはまあ国からの
補助のある
部分にしてもいたしますし、
補助のない
土地改良なり
造林方面についても
融資をすると、ただその場合に利息を
補助のあるものは七分にする、
補助のないものは四分五厘にするということが書いてありますが、大体これで
融資をする
対象は
公共事業のような
事業という
考え方で
要求いたします。それからその外にこれは
公共事業以外の
関係で、例えば
農業倉庫でありますとか或いは
家畜を買う金でありますとか、或いは
土地改良の一種になりますが
炭カルの
利子補給というようなものを大体
中金を通しまして、百億くらい大体
共同施設に
融資をいたしまして、そうして三分五厘くらいの
利子補給をしたいという
考え方であります。それからもう
一つは、先程申上げました
協同組合の債券の
利子補給というふうに
金融につきましては、大体三本建で話を持つて
行つたのでありますが、結局今残つております
協同組合の
債券費を除きましては、大体
出資金の三十億だけでやろう。それでその外二百億、これもはつきりは決まつておりませんが二百億
融資できるくらいのものを、或いは見返
資金なり
預金部資金から出して
融資をしたらどうかという
話合いに
なつております。でありますので、
最初はもつと
利子補給等を
考えたのでありますが、結局今
予算面で決まつておりますのは、
金庫ができるように
なつたという点でございます。
利息等につきましては御
質問に応じて後程お答えいたしたいと思つております。
金融関係は大体この
程度にしておきます。これは全然今年なかつたやつはそんなものでございます。
それから
増産関係でこれは大篩いいたしますと、
増産関係の金が二十五億八千四百万円ぐらいに
なつております。これは前
年度に
比較いたしますと
一般会計に入つております
増産関係では十二億七千六百万円ぐらいの
増加に
なつております。それで主な点を申上げますと前年から入つております
單作地帶の
対策の
関係、これはたしか五億数千万円
農地局の方にありますが、五億数千万円になりまして今年の倍以上の金が入つております。それから
種苗対策、これは今
年度までは殆んどなかつたのでありますが、これにつきましても大体二億ぐらいの金が入つております。
考え方といたしましては県でやつておりますところの米麦の
減少について
補助金を出しておる。それから米麦の
採種圃につきまして或る
程度の
補助金を出すというような
考え方からいたしまして今
年度までにありませんでした
種苗対策費が二億ばかり殖えております。それから
普及員の
関係、これは私共は
増産対策の
一つと
考えておりますが、
農業技術普及員の
関係も来
年度は一
町村一人、市については二人でありますが一
町村について一人ずつ置ける
程度に増員いたしたと
考えております。それからこれも
増産対策の
一つといたしまして種子の消毒でありますとか、或いは
病虫害予防に使う薬剤、そういうものの
補助金が二億六千万ばかり新しく入つております。これはやはり
薬剤関係でできる方でありますが、防疫の中に従来なかつたようないわゆる機動的に動けるような金が五千万円ばかり入つておるというような点が主なものであります。それからこれは特殊な
北海道だけの問題でありますが、
北海道につきましては従来の
既墾地にも
炭カルをやる、
酸性土壌の
改良に
炭カルを出すというような途を講じたのでありますが、本
年度からはむしろこれは大規模に取り上げ、深
土耕用のトラクター、こういうものについて本
年度より出すことに
なつております。今申上げたように
増産関係については前
年度と
比較して十二億ばかりのものが増額いたされてあります。それから大きく殖えたのは
農業保険の
関係であります。これは全部入れますと七十三億ばかりに
なつております。本
年度に
比較して二十六億ぐらいの
増加に
なつております。それで
農業保険の
関係で殖えましたのは
米価が上ります
関係も
一つありまして、従来
消費者負担であつた
部分が
増加された、これは当然の増でありますが、その外に殖えましたのは
特別会計に
基金制度を設けるということで二十億の
基金を
一般会計から繰入れております。これは新しい
制度であります。今年は
歳入下足の
補填金という
意味で、
予備費の二十五
年度はたしか九億一千万円ばかり入れたのでありますが、この九億一千万円に見合うやつは
借入で行くということをはつきりいたしましてそれを十二億にいたしております。十二億で
借入をする、
利子補給だけは
一般会計に繰入れて行こうということになります。その外に新たに二十億の
基金を入れておきまして早急に支拂ができる、この
共済制度を堅実にして行くというような
意味で二十億の
基金が新しく入つております。それからもう
一つ、これは
共済団体の
事務費の
補助の問題でありますが、従来末端の
職員は一人でありましたのを二人に
増加する、この
関係で四億七千万ばかりは金が入ります。大体
農業保険につきましては今申上げました二点が大きくなりまして、
金額も七十三億というふうに増額されております。
それから後大きく挙げますれば
供出関係は二十九億九千四百万円くらいになります。前
年度に
比較しまして六億八千八百円くらい減であります。これは先程申上げました
作報の
関係が減つておりますので、この
関係で六億数千万というものは減つております。
農林省といたしましては、この
作報につきましては
事前割当は廃めましたが、
事後割当をするから何ら
作報の働く分野は減つておらん、むしろ今度は
事後割当一本で
作報の発表します
数字と、それから
自己保有を引いたもの即
割当というようなものになりまして、なかなか
供出割当もむしろ困難になるので、
調査はしつかりして置かなければならんのじやないかというような私共は
見地で
大蔵省に交渉いたしておるのでありますが、まだ
大蔵省の方では
県單位でいいじやないかというので現在では
話合いがついておりません。その
関係で
大分この経費が減つております。
それから
農地調整の
関係で、
農地調整の
関係といいますと十二億七千五百万円くらいになります。前
年度に
比較しましてこれも十七億くらいの
減少に
なつております。減りました主な点は
特別会計に繰入れております
自作農創設特別会計に繰入れた
事務費等が
相当減つております点と、それからこれは
既墾地の
職員、県並びに
農林省の
職員が
大分大幅に切られておる点、それから従来ありました
農地委員会の書記を〇・八人に切られております。後で申上げますが
農業委員会が書紀二人を
要求しておりましたのが、一・二というふうなことに
なつておりますのでその
関係で
大分減つております。まあ大掴みにして申上げてみますと、こんなふうなことに
なつております。
それから又
計算を実はいたしておりませんのですが、
試験研究等につきましては可なり本
年度よりは
金額は、いわゆる
試験研究費は相当殖えております。まだ
金額として
計算してありませんが、大体の
考え方は
人件費四割、
研究費六割くらいの
程度であります。今年は五五くらいでありますが、
農林省の
試験研究機関は、
人件費を五、
研究費を五くらいの
比率で以てやつておりましたが、来年は
人件費四、
研究費六というくらいの
比率にして段々
研究費を上げて行くというふうなことをやりましたので、
試験研究機関につきましては割合
金額は殖えております。大きいところで申上げますと大体以上のような点になります。
局別には、或いは御
質問に応じてお答え申上げますが、例えば
蚕糸局の例をとつて見ますれば、
蚕業技術指導員が従来兼任のような形でありましたが専任にして二千四百万円殖やしますとか、或いは
畜産関係で御
承知の
家畜衞生保險で
人口受精所が今日二百四十ヶ所ありましたものを一挙に五百ヶ所に設けますというふうに局々の御
説明はいたしませんでしたが、局によりまして若干の
増加いたしたものもございますが、これは御
質問に応じてお答えいたしたいと思います。これはまだ実は決つておりませんで
大分数字が動きますので、甚だなんでありますが、
一般会計の主なものについては大体以上のくらいにいたしたいと思います。
定員、これは
農林省の
定員でございますが、今
作報の
減少六千八百人という
定員の減があるのでありますが、その外には大体千人くらい
減少、
農林省全部としまして今の
査定では七千八百人くらい
減少という
査定にしております。
一般会計についてはそのくらいにいたしたいと思います。
それから
特別会計でございますが、これもまだ
はつきり確定はいたしておりませんが、大体大ざつぱに申上げます。
特別会計の
資料は実は持つて来ておりませんで甚だ恐縮でございますが、本年と違いましたような点だけを申上げます。
第一番に
食管の
特別会計の問題でございますが、これは
取扱物資で今年と変りますものは
砂糖を新しく取扱うという点が変つております。
輸入食糧の外に
砂糖を扱う。それから雑穀は止めまして大体
大豆だけは
輸入の
大豆を買いたいというので
大蔵省に
要求いたしておりますが、これは先程申上げました
通りまだこの点はペンデイングに
なつております。
大蔵大臣が反対しておられますのでなかなか困難かと思いますが、
農林大臣から
一つ是非というので我々願いをいたしております。
それから
米価は一応五千四百三十三円
生産価格が来
年度の
予算上のあれでございます。
予算的には五千四百三十三円ということで組んでおります。
消費者が六千九百九円、これは
予算上の單価でございますのでその点はまだ決定しておりません。一応
予算的にはこういうふうに組んでおるというわけであります。
それから
数量等につきましてはこれは殆んど今
年度と同様であります。
輸入も三百四十万トンというふうに見ておりますし、米も今年四百五十万九千トンでありましたのを四百五十四万トンというのでありますから、殆んど
数量につきましては今年と殆んど同様というような
考えでやつております。それで持越しも大体四百六十四万九千石というのでやつておりますので、今年の持越が四百五十九万石でありますから、殆んど二十五年から二十六年、二十六年から三十七年への持越は殆んど同
数量というようなことでやつております。
それから変りました点は
超過供出の
奬励金は一応減つておりません。これは
米価に〇・二五倍というふうにして
米価で繰込んだという形で
計算をいたしております。ただ
早期供出につきましては今年六十億のものが三十億、今年の半分でございますが、三十億ということで
予算には組まれております。
それからもう一点今年と違います点は
輸人補給金を全部ここに計上いたしております。三百十二億くらいの
輸入補給金を
食管の
特別会計に繰入れております。これは従来は繰入れなかつたのでありますが、来年は
民間貿易も多くなりますしここに繰入れております。まあ大体
食管につきましては今
年度のものは以上のようなものでございます。それから
林野特別会計は
伐採石数を六百万石くらいに減しまして、四千二百八十万石くらいにしまして、成るべく過伐を避けて行くというような形をとつております。それから見返
資金からの繰入は今年同様三十億
程度繰入れて貰う、林道でありますとか、透林とか、そういう治山的の方にこれを注ぎ込んで行くというような
考え方でやつております。
林野整備の問題につきましては
大分御意見がありますが、一応二十六
年度につきましては
林野整備というような
考えはとりませんで、従来
通りの
考えで
林野の経営をやつて行きたいというような
考えでやつております。それから
保険三
会計でございますが、
森林火災と漁船の再
保険については殆んど同じでございます。それから
農業共済保険は先程申上げましたように
一般会計からの繰入が、
基金二十億というのが入つて来るわけであります。その他は大体同じでありまして、麦の料率が二十四
年度の大体三倍くらい、毎年背は赤字を出しますので料率を沢山上げてあります。
單作地帶だけ
補償限度を、
公国平均五〇%でございますが七〇%に上げようとか、或いは国と農家の負担を国が三分の二負但して農家が三分の一負担するというような
要求をしたのでありますが、これは
大蔵省を
通りませんでその外の点につきましては大体本
年度と同じであります。
それから競馬の
特別会計はこれも一応国営でやつて行く、こういう形で組まれてあります。その後これは行政管理庁の
機構改革の問題が出れば別でありますが、一応今のところは
国営競馬という形で組まれております。それから
自作農創設特別会計はこれは若干違いました点は、例の
強制譲渡とか相続の
関係の
土地取得の
関係につきましては、
自作農創設特別会計で
融資をやつて行くというような法律を改正したらどうかというような
考えでやつております。その点若干違つております。それからあともう
一つあります。
開拓資金融通特別会計につきましては、先程申上げました今年二十五
年度までは
一般会計から繰入れたのでありますが、これは二十五
年度から
公債にいたしまして、今までと違う点は
金融機関自体におきましても若干見て行こう。従来の
考え方は入つてから三年間
営農資金を
融資していたのでありますが、三年間経つた人につきましても若干
融資をして行く、これは例えば
家畜を購入する金でありますとかそういう
営農資金につきまして、或る
程度の
融資をして行こうじやないか、そうして
銀行融資のベースを或る
程度上げて行く、こういう方向をとつております。ただここで問題になります点は
入植戸数の問題がありまして、
農林省は二十四年、二十五年とずつと一万戸入植の線でやつて来ておりまして、二十六
年度も一万戸という
要求をいたしたのでありますが、
大蔵省の
査定では五千戸ということに
なつております、
安本が七千戸
足らずであります、
両方共一万戸という線からは切込んだ
数字に
なつております。これも
大蔵省とまあ一万戸ということで話合つているのでありますが、実はまだこの点を解決いたしておりません。でありまするからして、
特別会計について見ますとさつき申しました
大豆とか今の
開拓者の戸数、そういう問題についてはまだ解決せんで残つている問題があるわけであります。
それからついででありますが、
公共事業の
資料がお
手許に差上げてあると思います。二十五
年度の
公共事業はここにありますように全部で九百九十億ということに
なつております。これに対しまして
大蔵省と
経済安定本部の
査定額というのがございまして、
経済安定本部の方は九百九十億に対して千三百五十億という案に
なつております。それから
大蔵省の方は
営繕等を入れまして千百三十億でありますから、八十五億を除きますと千四十五億ということに
なつております。でありますからして
安本の千三百五十億に見合うという
数字は
大蔵省は千四十五億であります。その点はこの表の上で見ますと
ちよつと
比較がおかしくなりますので、
比較は千四十五億と
比較して頂きたいと思います。こういう案が出ておつて先程申上げましたようにまだ決まつておらん。で私共承わつておりますのは、これは枠については
一つ閣議で決めよう、その上で事務的に、
建設省関係は幾ら、或いは
農林関係は幾らになるという分け方はそのあとで決めるというようなことに
なつておるそうでああります。それでこの案で一応行きますと、二十五
年度の
予算額で
農林省関係だけにおいて見ますと、
農業関係は
災害を入れまして百五十七億になります。それから
林野の
関係が四十九億五千万、
水産関係が十一億九千万となりまして、
農林省の
公共事業の二十五
年度総額は当初
予算は二百十八億四千万ということになります。これが
安定本部と
大蔵省の案で一応
計算いたして見ますと、これは
災害は前
年度通りという仮定でやつておりますが、この一番上に
災害復旧事業費というのがございまして今年四百七十億に
なつております。これが
安本の案は四百八十億、
大蔵省は四百七十億でありますので、大体前
年度通りが計上されておりますからして、前年
通りの
災害額の
予算が来るであろうという仮定でやつておりますと、先程申上げました農業の百五十七億に対します
数字が
安本の案は二百五十一億九百三十五万八千円になります。それから
大蔵省の案で行きますと、百七十二億四百万という
数字になります。それから林業をとつて見ますと二十五
年度は先程申上げました四十九億五千万です。これが
安本の案で行きますと九十一億三千六百十万七千円という
数字になります。それから
大蔵省の案で行きますと、これが七十九億三千百万という
数字になります。それから水産は二十五年が十一億九千万です。これが
安本の案は三十四億七千七百二十七万四千円という金になります。それから
大蔵省の案で行まますと十三億四千万です。おのおの合計して見ますと、先程申上げましたように二十五
年度は二百十八億四千万、それが
安本の案で行きますと三百六十七億二千二百七十三万九千円というような金になります。それから
大蔵省の案で行きますと二百六十四億七千五百万、これは一心
計算して見たのですがそういう
計算であります。
それから昨日
新聞に何か
大蔵大臣と党の方で話されて四十七億殖えるというようなことが出ていましたが、これはその
大蔵省の案といいますのは、先程申上げました
大蔵省の
数字に
土地改良、これは
農業関係にあります、これに十億殖やそう、ですから百七十二億四千万が百八十二億四千万ということになるのです。
農業関係の
土地改良に十億殖やす、それから漁港に三億殖やす、漁港は
災害と両方入れまして十三億四千万であつたのを十六億四千万にしよう、それから林道に五千万というような
大蔵省の原案に
なつております。御
承知のように、これは御覽のように
安本の案と
比較しまして
大蔵省の案は可なり低い。今のところで大体三百億低いような
数字が出て参ります。それでこれはどう決まりますか、大体
大蔵省の
考え方は、開拓については
入植戸数、先程申上げました今までの一万戸を五千戸にしたらどうか、それであとは余り新規なところへ手をつけんでいいじやないかというようなこれは
査定の方針に
なつております。
それから開拓等につきましても、大体従来
通りのものを成るべく引上げてやるといいますか、新規なところへは手をつけないで、手をつけたものは早くやつたらどうかというようなことで
査定しております。それから
土地改良につきましては、国営等大規模なものは従来やつておるものは今度引上げてやるとか何とかして、新規なものは余り手をつけないで小規模で割合早く効果の挙がるものについては、新しい地区も五十地区くらいやつたらどうかというような
大蔵省のこれは
考え方に
なつております。それから林業にきましては、治山については
大分従来よりも余計見ております。それから
造林を大体二十五
年度と同じくらいな
造林面積。それから漁港につきましてはまだ漁港審議会もできておらんし、まあ従来より
ちよつと
程度殖やしていいのじやないかというような、これは
大蔵省の
考え方に
なつております。まあこれにつきましては我々も枠が決まりましてその結果地方の
公共事業がどういうことになりますか、一応これは
数字を羅列して申上げただけであります。
それから一割
増産、これは
新聞に出ました一割
増産の
関係でございますが、
予算を皆
関係方面、
大蔵省なり
安本へ出しました後で
閣議決定になりましたので、一割
増産で
農林省の
要求しております
予算がぴつたり当嵌るというわけに
なつて参らんで、まあいろいろ
公共事業がどのくらいの枠で決まつたら、どのくらいの枠の方向か、或いは
一般会計の方でも種苗の問題でありますとか、或いは薬剤、農薬等の
関係でどのくらい減産になるか或いは
増産になるかというような
数字を一応今やつてはおりますが、まだ
公共事業が決まりませんので、この
予算の経済効果はどうなるかというものは実はまだ彈いておりません。三十六
年度の
予算で大体申上げたのであります。
それからついでで恐縮でありますが、
補正予算のことを一言述べさして頂きます。
補正予算はこれもお
手許に
昭和二十五
年度補正
要求事別表として差上げてありますが、これはまだ実は表として差上げるのは間違つたのでありまして、まだ十分相談はいたしておりません。
大蔵省も本
予算ができたら直ぐに、大体今週中に
補正予算も話をつけて、一緒に司令部に持込みたいというようなことを言つております。それでここに挙げました
補正予算二十五億、これは
大分前に一回出たものでありまして、その後の
災害の問題でありますとか、或いは共済
保険の
関係で、麦の赤字の補給とかいろいろ問題がありますので、ここにある
要求とは
大分変ります。その外に
公共事業関係で、まだこれも十分業は練つておりませんが大体百億くらいのものが出るのではなかろうか、
災害の問題或いは来
年度の一割
増産に、直ぐにこの冬の農閑期にやつて置けば間に合いますような
土地改良の問題でありますとか、そういうようなものにつきましてやはり
公共事業でも
補正予算を出さなければならないということを
考えております。ここに表として差上げてあります主なものは、この議会で実は
農業委員会と
農地委員会を一本にするという法律を出したのでありますが、この前の前の国会でしたかで法律が不成立になりまして、今
年度はずつと農業調整
委員会と
農地委員会を別々にいたして置きますところの
関係上、当然
予算を計上しなければなりませんのでその
関係の、これは番号で申上げますと一番と四番というのは、これはどうしても出さなければならない
補正予算と思つております。
金額は若干違うかも知れませんがこれは出すつもりでおります。それから二番目の
農業協同組合法の改正の問題でありますが、これも検査
事業をやる
関係で、どうしても出すことにいたしております。来
年度の
予算は
大分殖えておりますが、これは本
年度中にもやらなければならないと思いますので当然出すつもりでおります。それから大きい問題だけ申上げて行きますと、十番の
農業協同組合の報奬物資の損失補填の問題でありまするが、これは司令部とも大体話もついておりますので当然出します。それから十一番の
造林臨時措置法の問題も当然出します。それから十三番に水産資源維持に必要な経費とありますが、これは以西底曳の整理の補償の問題で当然出さなければならない大きな問題であります。それから十六番の漁業制限に伴う損失補償に必要な経費、これは連合軍の演習その他で漁業ができなくなりましてその損失の補償をするという金でありますが、これは終戰処理費の方で出して貰うように、
金額はまだ決まつておりませんが話がついておりますので、
補正予算という形でなくして終戰処理費の方で賄つて貰うということに今
なつております。でありますので或いは
補正予算には出さなくてもいい問題かと思つております。それから十七番の荒廃漁場復旧に要する経費これは当然今度の
補正予算に出します。その内容は戰争で
大分船を沈めたり兵器を沈めたりいたしまして網を曳く場合に切れるというようなことがありますので海の掃除をしよう、これは海上保安庁と
農林省とでやる問題でありますが、これはまあ当然今度の議会にお願いする筋合に
なつております。それからさつまいもの統制緩和は或いはどうなりますか再検討する必要があると思つております。次の畑地灌がいに必要な計費、これは従来からいもの統制緩和の目安として問題と
なつていた点でありますが、これは
公共事業で別途振替えて
要求を出す
考えでございます。それから
農業共済保険はこれくらいの
数字でありませんで、大体九億四千万くらいの
数字になると思いますが、麦の異常
災害の赤字補填を新しく
補正予算として出さなければならんと
考えております。
それからこの外に
公共事業以外の問題でありまして、例の新潟県のいもちとか、或いは茨城の水害
対策で三億二、三千万円、これは桑とか畜産の問題もあり、いろいろ入れまして今三億四、五千万の
予算を作つておりますが、こういう
災害対策の
予算も出さなければならないと思つております。それから食糧の一割
増産に関連いたしまして、今年の麦の種子の消毒の問題とか、或いは土壌
改良のために
炭カルを入れて土壌を
改良する等の問題、そういうようなものが四、五億円になるかと思いますが、この表に挙げてあります以外のものを追加して
補正予算として出すつもりであります。それから先程申上げましたように、
公共事業関係でも百億
程度になるのではないかと思いますが、これも
補正予算として
一般会計、
公共事業共に
大蔵省の方へ交渉したいというふうに
考えております。
大体簡單でありますが、私から申上げる点は以上でありますので御
質問等に応じてお答えいたしたいと思います。