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1950-09-18 第8回国会 参議院 農林委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月十八日(月曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   委員の異動 八月二十五日委員江田三郎君及び野溝 勝君辞任につき、その補欠として三橋 八次郎君及び門田定藏君を議長におい て指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○新農業政策確立に関する調査の件  (農林省関係昭和二十五年度補正予  算及び昭和二十六年度予算に関する  件)  (昭和二十五年産米価格に関する  件)   —————————————
  2. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) これより農林委員会を開催いたします。御通知申上げましたように、本日は先ず第一に昭和二十六年度農林予算につきましてのいろいろ経緯がございますので、その予算編成経緯につきまして一応会計課長より説明を聽くことにいたします。尚引続きまして二十五年度補正予算につきまして会計課長よりの説明も併せて聽くことにいたします。伊東会計課長
  3. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 坐りましたまま失礼させて頂きます。私農林省会計課長の伊東でございます。  今委員長から二十六年度一般会計特別会計公共事業、それから二十五年度、本年度補正予算というお話がございましたが、まだ実は今やつておる最中なんで数字が確定いたしておりませんのでその点は予め御了承願います。新聞等でも御承知と思うのでありますが、特に公共事業等関係につきまして、いろいろな枠、大蔵省の枠でありますとか、安本の枠とか、いろいろなものが出ておりますが、まだこれが決定いたしませんので、まあかれこれ関連いたしまして一般会計等につきましても未決定というものが大分残つておるわけであります。何か明日の閣議最終決定をしたいということを大蔵省方面では言つておるのでありますが、今まで交渉いたしました点で残つております大きな点は別にいたしまし、大体簡單に御説明申上げたいと思う次第であります。残つております一番大きいのは公共事業費でございまして、お手許にも資料が差上げてありますが、大蔵省は千四十五億と言い安本は千三百五十億というような数字が出ておるのでありますが、この関係は今は決つておりません。それから一般会計で私の方について申上げましてもこれも新聞にはちよちよい出ておりましたが、作報の問題でありますとか、そういう問題がまだ残つております。先ず一般会計の残つております大きな問題を申上げますと、今申上げました私の方の農作物調査関係でこれはまだ残つております。これは御承知の今作報では供出割当をいたします際に市町村單位数字を一応出しまして割当をいたしておるのでありますが、大蔵当局の見解がもう事前割当は止めたのだから市町村団体までの数字は出さんでもいいのじやないか、県單位数字でいいだろうというような査定の方針でありまして、人間も約七千名足らずでありますがこれが今年の定員から落されております。まあ金にしまして大体八億くらいになるのでありますが、これは相当大きな問題でまだ残されてあります。それから私の方から要求しましたあれで残つておりますのは農業協同組合関係の、これは大分固定化しました資産に金融いたしまして或る程度利子補給をして農業協同組合の再建を図つて行きたいというような見地で、七億六千万円ばかりの利子補給をいたしているのでありますが、これがまだ決りませんで残つております。それからこれも新聞で御承知の一割増産の点でありますが、これの活動費が約四億薫千万ばかり予定いたしておりますがこの点がまだ決つておらない。それから特別会計に関連することでございますが、食管特別会計で国内産、それから輸入の大筋を取扱うかどうかということが問題になつておりまして、私の方としましてはこれは来年度は版扱つて行きたいということでやつているのでありますが、これが大蔵省ではもう食糧自給等関係から取扱わんでいいのじやないかというようなことで決つておりません。後まだ細かい点で二、三残つております。農林省といたしまして公共事業費の外に閣議大臣から一つ大蔵大臣によく話して貰つて解決して貰いたいというようなことで残つている大きい問題は、大体今申上げたような点でございます。  それで今申上げましたような点は、大体このお手許に上げてあります農林省所管一般会計の二十六年度概算復活要求という中に金額としては皆入つているわけなんでございます。でこの一般会計について申上げますと、最後の表をちよつと御覽願いたいのですが、トータルの金額で申上げますと、今年の予算が前年度予算額として最初の方に出ておりますが、農林省の全部で一般会計は二百九億二千八百九十八万五千円という数字でございます。これは今年の議会で協賛を得ました農林省一般会計総額でございます。これに対しまして当初要求額で五百八十一億九千二百万というものを要求いたしまして、その次が第一次査定というので二百二十二億ということでやつております。尚その後復活要求や何かいたしまして第二次査定約九億三千九百万円、その後まだ折衝いたしておるのでありますが、全部で、これは少し金額が動くかも知れませんが統計いたしますと、今まで話合いがつきましたのは二百四十億七千九百万円、大体二百四十億八千万くらいの数字までは話がついております。その農林省所管の今年の二百九億に対しまして今話がついておりますのが二百四十億八千万でございます。お手許に差上げました資料はちよつと前でございますので話合いのつきました総額は出ておりませんが、第二次査定のありました後に又九億一千万ばかり入りまして、今申上げました二百四十億八千万くらいという金額に想成つております。それで今年の予算と二十五年度比較いたしますと、ここで大体三十数億ですかまあ殖えておることになります。これは最後予算になりますと、これはこの中に後で申上げますところの農林金融金庫出資金が三十億入つておりますので、これは一応農林省から落ちますので、大蔵省予算最後に締めをいたしますときに、この中から三十億は大蔵省所管に上るということになります。この点は御了承願います。でここに載つております数字の外に、後は平衡交付金として農林省に入つておりました予算が二億くらい殖えますとか、或いは北海道開発庁が今度できました関係で、あそこに北海道関係の人を各省から抜いて北海道開発庁に計上するということになつておりますので、手数百省の人間が開発に関する予算の方に組まれるというようなことに相成ります。  それで総額は今申し上げたような点でありますが、この総額比較をされます場合に、大体今年の二百九億の中で、来年度は当然落ちるというような金が入つておりますので、それを御参考までに申上げておきます。二百九億の中で例の薪炭特別会計の整理の問題で約五億入つております。これは二十六年度から当然なくなります。それから物調関係で、これはいろいろ物資の統制が落ちました関係で、二億六千万円ばかり落ちる金があります。これは大体当然落ちる。それから林野庁で中金を通じまして証券造林というのを前にもやつたのでありますがこの制度を止めて、全部公共事業の方の融資と見返資金融資と別にいたしましたので、それは法律改正証券造林は段々なくなつて行くという関係で一億二千万円。それからこれは当然ではございませんが、本年度まで開拓者資金融通法の繰入は一般会計から十二億ばかりいたしたのでありますが、これを止めまして二十六年度には公債で行くというふうに一応なつておりますので、そういうものを引きますと約二十一億になります。それで大体二十一億になりますが、それは農林省の二百九億から二十六年度は落ちるということになりますので、これは百八十億くらいに対しまして今のところ二百四十億になつたというふうにお考え願えれば結構だと思います。  この一般会計につきましても特に細かい点は別にいたしまして、大雑把に見てみますと今年の二十六年度重要事項といいますか主な点を御説明申上げておきます。これは金融関係が今申上げましたように、農林漁業金融金庫関係で三十億入つております。農林省考え方といたしましては、最初要求当時はこの金庫是非作つ冊貰いたい、それで政府側一般会計への出資金の外に、或いは見返資金なり或いは預金部貸金から金を出して貰いまして、大体一年間二百億大くらいの融資をしたいと。それで融資対象としましては土地改良でありますとか、或いは造林であるとか、或いは漁港であるとか、大体公共事業で出ているような事業について融資をしたいと。これはまあ国からの補助のある部分にしてもいたしますし、補助のない土地改良なり造林方面についても融資をすると、ただその場合に利息を補助のあるものは七分にする、補助のないものは四分五厘にするということが書いてありますが、大体これで融資をする対象公共事業のような事業という考え方要求いたします。それからその外にこれは公共事業以外の関係で、例えば農業倉庫でありますとか或いは家畜を買う金でありますとか、或いは土地改良の一種になりますが炭カル利子補給というようなものを大体中金を通しまして、百億くらい大体共同施設融資をいたしまして、そうして三分五厘くらいの利子補給をしたいという考え方であります。それからもう一つは、先程申上げました協同組合の債券の利子補給というふうに金融につきましては、大体三本建で話を持つて行つたのでありますが、結局今残つております協同組合債券費を除きましては、大体出資金の三十億だけでやろう。それでその外二百億、これもはつきりは決まつておりませんが二百億融資できるくらいのものを、或いは見返資金なり預金部資金から出して融資をしたらどうかという話合いなつております。でありますので、最初はもつと利子補給等考えたのでありますが、結局今予算面で決まつておりますのは、金庫ができるようになつたという点でございます。利息等につきましては御質問に応じて後程お答えいたしたいと思つております。金融関係は大体この程度にしておきます。これは全然今年なかつたやつはそんなものでございます。  それから増産関係でこれは大篩いいたしますと、増産関係の金が二十五億八千四百万円ぐらいになつております。これは前年度比較いたしますと  一般会計に入つております増産関係では十二億七千六百万円ぐらいの増加なつております。それで主な点を申上げますと前年から入つております單作地帶対策関係、これはたしか五億数千万円農地局の方にありますが、五億数千万円になりまして今年の倍以上の金が入つております。それから種苗対策、これは今年度までは殆んどなかつたのでありますが、これにつきましても大体二億ぐらいの金が入つております。考え方といたしましては県でやつておりますところの米麦の減少について補助金を出しておる。それから米麦の採種圃につきまして或る程度補助金を出すというような考え方からいたしまして今年度までにありませんでした種苗対策費が二億ばかり殖えております。それから普及員関係、これは私共は増産対策一つ考えておりますが、農業技術普及員関係も来年度は一町村一人、市については二人でありますが一町村について一人ずつ置ける程度に増員いたしたと考えております。それからこれも増産対策一つといたしまして種子の消毒でありますとか、或いは病虫害予防に使う薬剤、そういうものの補助金が二億六千万ばかり新しく入つております。これはやはり薬剤関係でできる方でありますが、防疫の中に従来なかつたようないわゆる機動的に動けるような金が五千万円ばかり入つておるというような点が主なものであります。それからこれは特殊な北海道だけの問題でありますが、北海道につきましては従来の既墾地にも炭カルをやる、酸性土壌改良炭カルを出すというような途を講じたのでありますが、本年度からはむしろこれは大規模に取り上げ、深土耕用のトラクター、こういうものについて本年度より出すことになつております。今申上げたように増産関係については前年度比較して十二億ばかりのものが増額いたされてあります。それから大きく殖えたのは農業保険関係であります。これは全部入れますと七十三億ばかりになつております。本年度比較して二十六億ぐらいの増加なつております。それで農業保険関係で殖えましたのは米価が上ります関係一つありまして、従来消費者負担であつた部分増加された、これは当然の増でありますが、その外に殖えましたのは特別会計基金制度を設けるということで二十億の基金一般会計から繰入れております。これは新しい制度であります。今年は歳入下足補填金という意味で、予備費の二十五年度はたしか九億一千万円ばかり入れたのでありますが、この九億一千万円に見合うやつは借入で行くということをはつきりいたしましてそれを十二億にいたしております。十二億で借入をする、利子補給だけは一般会計に繰入れて行こうということになります。その外に新たに二十億の基金を入れておきまして早急に支拂ができる、この共済制度を堅実にして行くというような意味で二十億の基金が新しく入つております。それからもう一つ、これは共済団体事務費補助の問題でありますが、従来末端の職員は一人でありましたのを二人に増加する、この関係で四億七千万ばかりは金が入ります。大体農業保険につきましては今申上げました二点が大きくなりまして、金額も七十三億というふうに増額されております。  それから後大きく挙げますれば供出関係は二十九億九千四百万円くらいになります。前年度比較しまして六億八千八百円くらい減であります。これは先程申上げました作報関係が減つておりますので、この関係で六億数千万というものは減つております。農林省といたしましては、この作報につきましては事前割当は廃めましたが、事後割当をするから何ら作報の働く分野は減つておらん、むしろ今度は事後割当一本で作報の発表します数字と、それから自己保有を引いたもの即割当というようなものになりまして、なかなか供出割当もむしろ困難になるので、調査はしつかりして置かなければならんのじやないかというような私共は見地大蔵省に交渉いたしておるのでありますが、まだ大蔵省の方では県單位でいいじやないかというので現在では話合いがついておりません。その関係大分この経費が減つております。  それから農地調整関係で、農地調整関係といいますと十二億七千五百万円くらいになります。前年度比較しましてこれも十七億くらいの減少なつております。減りました主な点は特別会計に繰入れております自作農創設特別会計に繰入れた事務費等相当減つております点と、それからこれは既墾地職員、県並びに農林省職員大分大幅に切られておる点、それから従来ありました農地委員会の書記を〇・八人に切られております。後で申上げますが農業委員会が書紀二人を要求しておりましたのが、一・二というふうなことになつておりますのでその関係大分減つております。まあ大掴みにして申上げてみますと、こんなふうなことになつております。  それから又計算を実はいたしておりませんのですが、試験研究等につきましては可なり本年度よりは金額は、いわゆる試験研究費は相当殖えております。まだ金額として計算してありませんが、大体の考え方人件費四割、研究費六割くらいの程度であります。今年は五五くらいでありますが、農林省試験研究機関は、人件費を五、研究費を五くらいの比率で以てやつておりましたが、来年は人件費四、研究費六というくらいの比率にして段々研究費を上げて行くというふうなことをやりましたので、試験研究機関につきましては割合金額は殖えております。大きいところで申上げますと大体以上のような点になります。  局別には、或いは御質問に応じてお答え申上げますが、例えば蚕糸局の例をとつて見ますれば、蚕業技術指導員が従来兼任のような形でありましたが専任にして二千四百万円殖やしますとか、或いは畜産関係で御承知家畜衞生保險人口受精所が今日二百四十ヶ所ありましたものを一挙に五百ヶ所に設けますというふうに局々の御説明はいたしませんでしたが、局によりまして若干の増加いたしたものもございますが、これは御質問に応じてお答えいたしたいと思います。これはまだ実は決つておりませんで大分数字が動きますので、甚だなんでありますが、一般会計の主なものについては大体以上のくらいにいたしたいと思います。  定員、これは農林省定員でございますが、今作報減少六千八百人という定員の減があるのでありますが、その外には大体千人くらい減少農林省全部としまして今の査定では七千八百人くらい減少という査定にしております。一般会計についてはそのくらいにいたしたいと思います。  それから特別会計でございますが、これもまだはつきり確定はいたしておりませんが、大体大ざつぱに申上げます。特別会計資料は実は持つて来ておりませんで甚だ恐縮でございますが、本年と違いましたような点だけを申上げます。  第一番に食管特別会計の問題でございますが、これは取扱物資で今年と変りますものは砂糖を新しく取扱うという点が変つております。輸入食糧の外に砂糖を扱う。それから雑穀は止めまして大体大豆だけは輸入大豆を買いたいというので大蔵省要求いたしておりますが、これは先程申上げました通りまだこの点はペンデイングになつております。大蔵大臣が反対しておられますのでなかなか困難かと思いますが、農林大臣から一つ是非というので我々願いをいたしております。  それから米価は一応五千四百三十三円生産価格が来年度予算上のあれでございます。予算的には五千四百三十三円ということで組んでおります。消費者が六千九百九円、これは予算上の單価でございますのでその点はまだ決定しておりません。一応予算的にはこういうふうに組んでおるというわけであります。  それから数量等につきましてはこれは殆んど今年度と同様であります。輸入も三百四十万トンというふうに見ておりますし、米も今年四百五十万九千トンでありましたのを四百五十四万トンというのでありますから、殆んど数量につきましては今年と殆んど同様というような考えでやつております。それで持越しも大体四百六十四万九千石というのでやつておりますので、今年の持越が四百五十九万石でありますから、殆んど二十五年から二十六年、二十六年から三十七年への持越は殆んど同数量というようなことでやつております。  それから変りました点は超過供出奬励金は一応減つておりません。これは米価に〇・二五倍というふうにして米価で繰込んだという形で計算をいたしております。ただ早期供出につきましては今年六十億のものが三十億、今年の半分でございますが、三十億ということで予算には組まれております。  それからもう一点今年と違います点は輸人補給金を全部ここに計上いたしております。三百十二億くらいの輸入補給金食管特別会計に繰入れております。これは従来は繰入れなかつたのでありますが、来年は民間貿易も多くなりますしここに繰入れております。まあ大体食管につきましては今年度のものは以上のようなものでございます。それから林野特別会計伐採石数を六百万石くらいに減しまして、四千二百八十万石くらいにしまして、成るべく過伐を避けて行くというような形をとつております。それから見返資金からの繰入は今年同様三十億程度繰入れて貰う、林道でありますとか、透林とか、そういう治山的の方にこれを注ぎ込んで行くというような考え方でやつております。林野整備の問題につきましては大分御意見がありますが、一応二十六年度につきましては林野整備というような考えはとりませんで、従来通り考え林野の経営をやつて行きたいというような考えでやつております。それから保険会計でございますが、森林火災と漁船の再保険については殆んど同じでございます。それから農業共済保険は先程申上げましたように一般会計からの繰入が、基金二十億というのが入つて来るわけであります。その他は大体同じでありまして、麦の料率が二十四年度の大体三倍くらい、毎年背は赤字を出しますので料率を沢山上げてあります。單作地帶だけ補償限度を、公国平均五〇%でございますが七〇%に上げようとか、或いは国と農家の負担を国が三分の二負但して農家が三分の一負担するというような要求をしたのでありますが、これは大蔵省通りませんでその外の点につきましては大体本年度と同じであります。  それから競馬の特別会計はこれも一応国営でやつて行く、こういう形で組まれてあります。その後これは行政管理庁の機構改革の問題が出れば別でありますが、一応今のところは国営競馬という形で組まれております。それから自作農創設特別会計はこれは若干違いました点は、例の強制譲渡とか相続の関係土地取得関係につきましては、自作農創設特別会計融資をやつて行くというような法律を改正したらどうかというような考えでやつております。その点若干違つております。それからあともう一つあります。開拓資金融通特別会計につきましては、先程申上げました今年二十五年度までは一般会計から繰入れたのでありますが、これは二十五年度から公債にいたしまして、今までと違う点は金融機関自体におきましても若干見て行こう。従来の考え方は入つてから三年間営農資金融資していたのでありますが、三年間経つた人につきましても若干融資をして行く、これは例えば家畜を購入する金でありますとかそういう営農資金につきまして、或る程度融資をして行こうじやないか、そうして銀行融資のベースを或る程度上げて行く、こういう方向をとつております。ただここで問題になります点は入植戸数の問題がありまして、農林省は二十四年、二十五年とずつと一万戸入植の線でやつて来ておりまして、二十六年度も一万戸という要求をいたしたのでありますが、大蔵省査定では五千戸ということになつております、安本が七千戸足らずであります、両方共一万戸という線からは切込んだ数字なつております。これも大蔵省とまあ一万戸ということで話合つているのでありますが、実はまだこの点を解決いたしておりません。でありまするからして、特別会計について見ますとさつき申しました大豆とか今の開拓者の戸数、そういう問題についてはまだ解決せんで残つている問題があるわけであります。  それからついででありますが、公共事業資料がお手許に差上げてあると思います。二十五年度公共事業はここにありますように全部で九百九十億ということになつております。これに対しまして大蔵省経済安定本部査定額というのがございまして、経済安定本部の方は九百九十億に対して千三百五十億という案になつております。それから大蔵省の方は営繕等を入れまして千百三十億でありますから、八十五億を除きますと千四十五億ということになつております。でありますからして安本の千三百五十億に見合うという数字大蔵省は千四十五億であります。その点はこの表の上で見ますとちよつと比較がおかしくなりますので、比較は千四十五億と比較して頂きたいと思います。こういう案が出ておつて先程申上げましたようにまだ決まつておらん。で私共承わつておりますのは、これは枠については一つ閣議で決めよう、その上で事務的に、建設省関係は幾ら、或いは農林関係は幾らになるという分け方はそのあとで決めるというようなことになつておるそうでああります。それでこの案で一応行きますと、二十五年度予算額農林省関係だけにおいて見ますと、農業関係災害を入れまして百五十七億になります。それから林野関係が四十九億五千万、水産関係が十一億九千万となりまして、農林省公共事業の二十五年度総額は当初予算は二百十八億四千万ということになります。これが安定本部大蔵省の案で一応計算いたして見ますと、これは災害は前年度通りという仮定でやつておりますが、この一番上に災害復旧事業費というのがございまして今年四百七十億になつております。これが安本の案は四百八十億、大蔵省は四百七十億でありますので、大体前年度通りが計上されておりますからして、前年通り災害額の予算が来るであろうという仮定でやつておりますと、先程申上げました農業の百五十七億に対します数字安本の案は二百五十一億九百三十五万八千円になります。それから大蔵省の案で行きますと、百七十二億四百万という数字になります。それから林業をとつて見ますと二十五年度は先程申上げました四十九億五千万です。これが安本の案で行きますと九十一億三千六百十万七千円という数字になります。それから大蔵省の案で行きますと、これが七十九億三千百万という数字になります。それから水産は二十五年が十一億九千万です。これが安本の案は三十四億七千七百二十七万四千円という金になります。それから大蔵省の案で行まますと十三億四千万です。おのおの合計して見ますと、先程申上げましたように二十五年度は二百十八億四千万、それが安本の案で行きますと三百六十七億二千二百七十三万九千円というような金になります。それから大蔵省の案で行きますと二百六十四億七千五百万、これは一心計算して見たのですがそういう計算であります。  それから昨日新聞に何か大蔵大臣と党の方で話されて四十七億殖えるというようなことが出ていましたが、これはその大蔵省の案といいますのは、先程申上げました大蔵省数字土地改良、これは農業関係にあります、これに十億殖やそう、ですから百七十二億四千万が百八十二億四千万ということになるのです。農業関係土地改良に十億殖やす、それから漁港に三億殖やす、漁港は災害と両方入れまして十三億四千万であつたのを十六億四千万にしよう、それから林道に五千万というような大蔵省の原案になつております。御承知のように、これは御覽のように安本の案と比較しまして大蔵省の案は可なり低い。今のところで大体三百億低いような数字が出て参ります。それでこれはどう決まりますか、大体大蔵省考え方は、開拓については入植戸数、先程申上げました今までの一万戸を五千戸にしたらどうか、それであとは余り新規なところへ手をつけんでいいじやないかというようなこれは査定の方針になつております。  それから開拓等につきましても、大体従来通りのものを成るべく引上げてやるといいますか、新規なところへは手をつけないで、手をつけたものは早くやつたらどうかというようなことで査定しております。それから土地改良につきましては、国営等大規模なものは従来やつておるものは今度引上げてやるとか何とかして、新規なものは余り手をつけないで小規模で割合早く効果の挙がるものについては、新しい地区も五十地区くらいやつたらどうかというような大蔵省のこれは考え方なつております。それから林業にきましては、治山については大分従来よりも余計見ております。それから造林を大体二十五年度と同じくらいな造林面積。それから漁港につきましてはまだ漁港審議会もできておらんし、まあ従来よりちよつと程度殖やしていいのじやないかというような、これは大蔵省考え方なつております。まあこれにつきましては我々も枠が決まりましてその結果地方の公共事業がどういうことになりますか、一応これは数字を羅列して申上げただけであります。  それから一割増産、これは新聞に出ました一割増産関係でございますが、予算を皆関係方面、大蔵省なり安本へ出しました後で閣議決定になりましたので、一割増産農林省要求しております予算がぴつたり当嵌るというわけになつて参らんで、まあいろいろ公共事業がどのくらいの枠で決まつたら、どのくらいの枠の方向か、或いは一般会計の方でも種苗の問題でありますとか、或いは薬剤、農薬等の関係でどのくらい減産になるか或いは増産になるかというような数字を一応今やつてはおりますが、まだ公共事業が決まりませんので、この予算の経済効果はどうなるかというものは実はまだ彈いておりません。三十六年度予算で大体申上げたのであります。  それからついでで恐縮でありますが、補正予算のことを一言述べさして頂きます。補正予算はこれもお手許昭和二十五年度補正要求事別表として差上げてありますが、これはまだ実は表として差上げるのは間違つたのでありまして、まだ十分相談はいたしておりません。大蔵省も本予算ができたら直ぐに、大体今週中に補正予算も話をつけて、一緒に司令部に持込みたいというようなことを言つております。それでここに挙げました補正予算二十五億、これは大分前に一回出たものでありまして、その後の災害の問題でありますとか、或いは共済保険関係で、麦の赤字の補給とかいろいろ問題がありますので、ここにある要求とは大分変ります。その外に公共事業関係で、まだこれも十分業は練つておりませんが大体百億くらいのものが出るのではなかろうか、災害の問題或いは来年度の一割増産に、直ぐにこの冬の農閑期にやつて置けば間に合いますような土地改良の問題でありますとか、そういうようなものにつきましてやはり公共事業でも補正予算を出さなければならないということを考えております。ここに表として差上げてあります主なものは、この議会で実は農業委員会農地委員会を一本にするという法律を出したのでありますが、この前の前の国会でしたかで法律が不成立になりまして、今年度はずつと農業調整委員会と農地委員会を別々にいたして置きますところの関係上、当然予算を計上しなければなりませんのでその関係の、これは番号で申上げますと一番と四番というのは、これはどうしても出さなければならない補正予算と思つております。金額は若干違うかも知れませんがこれは出すつもりでおります。それから二番目の農業協同組合法の改正の問題でありますが、これも検査事業をやる関係で、どうしても出すことにいたしております。来年度予算大分殖えておりますが、これは本年度中にもやらなければならないと思いますので当然出すつもりでおります。それから大きい問題だけ申上げて行きますと、十番の農業協同組合の報奬物資の損失補填の問題でありまするが、これは司令部とも大体話もついておりますので当然出します。それから十一番の造林臨時措置法の問題も当然出します。それから十三番に水産資源維持に必要な経費とありますが、これは以西底曳の整理の補償の問題で当然出さなければならない大きな問題であります。それから十六番の漁業制限に伴う損失補償に必要な経費、これは連合軍の演習その他で漁業ができなくなりましてその損失の補償をするという金でありますが、これは終戰処理費の方で出して貰うように、金額はまだ決まつておりませんが話がついておりますので、補正予算という形でなくして終戰処理費の方で賄つて貰うということに今なつております。でありますので或いは補正予算には出さなくてもいい問題かと思つております。それから十七番の荒廃漁場復旧に要する経費これは当然今度の補正予算に出します。その内容は戰争で大分船を沈めたり兵器を沈めたりいたしまして網を曳く場合に切れるというようなことがありますので海の掃除をしよう、これは海上保安庁と農林省とでやる問題でありますが、これはまあ当然今度の議会にお願いする筋合になつております。それからさつまいもの統制緩和は或いはどうなりますか再検討する必要があると思つております。次の畑地灌がいに必要な計費、これは従来からいもの統制緩和の目安として問題となつていた点でありますが、これは公共事業で別途振替えて要求を出す考えでございます。それから農業共済保険はこれくらいの数字でありませんで、大体九億四千万くらいの数字になると思いますが、麦の異常災害の赤字補填を新しく補正予算として出さなければならんと考えております。  それからこの外に公共事業以外の問題でありまして、例の新潟県のいもちとか、或いは茨城の水害対策で三億二、三千万円、これは桑とか畜産の問題もあり、いろいろ入れまして今三億四、五千万の予算を作つておりますが、こういう災害対策予算も出さなければならないと思つております。それから食糧の一割増産に関連いたしまして、今年の麦の種子の消毒の問題とか、或いは土壌改良のために炭カルを入れて土壌を改良する等の問題、そういうようなものが四、五億円になるかと思いますが、この表に挙げてあります以外のものを追加して補正予算として出すつもりであります。それから先程申上げましたように、公共事業関係でも百億程度になるのではないかと思いますが、これも補正予算として一般会計公共事業共に大蔵省の方へ交渉したいというふうに考えております。  大体簡單でありますが、私から申上げる点は以上でありますので御質問等に応じてお答えいたしたいと思います。
  4. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今伊東会計課長から二十六年度予算についてのいろいろな御説明があり、又二十五年度補正予算要求額についての御説明がありました。これに対する御質問がありましたらして頂きたいと思います。御質問ございませんか。
  5. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 伊東君に御質問いたしますが、食管関係では大豆は違うが雑穀は外れるということになりますか。
  6. 伊東正義

    説明員伊東正義君) そういうわけで、輸入食糧は全部やる、内地の雑穀は大豆だけ取扱いたいという要求をいたしております。
  7. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それからこれは或いは大臣にお伺いした方がいいかと思いますが、先程も我々の間でも座談的に話が出ておつた問題でありますが、実は私の在職中に経験を持つておりますけれども、先程のお話を聞きますると統計調査なり或いは農地局関係等で約七千八百人というような人を減らす、これが決まつてしまいますると或いは農林省定員法はどうなるか、こういう場合にも予算が決まつてしまうと行政整理の場合には後はにつちもさつちも行かんということでありますが、そこで各省の人を減らすという問題は、予算を編成する前に或いは行政管理庁等が中心となつてやはり各省に十分話を付けた上でないと、後で行政管理庁と交渉をしてもいかんということになつてしまうとにつちもさつちもいかんということになる。昨年の食糧庁の人員整理の場合にあつたのですがそれはどんなふうになつているのですか、率直に一つ
  8. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 定員の点でございますが、一番大きいのは先程から申上げております作報の点であります。この問題は行政管理庁と大蔵省との関係はどうなるかという御質問かと思いますが、うちの大臣は丁度行政管理庁の長官を兼ねておられまして、行政管理庁の長官の名前で、実は各省の定員は二ヶ年間で三割ぐらい整理したいと思うがどうかというようなことを聞いておられます。これは行政管理庁長官の立場で各省大臣に聞いておられますがそれはそれとしまして、予算と行政管理庁の関係は大体二十五年度予算をやりましたときと同じでありまして、農林省だけではなくて各省共に定員の問題は予算と食い違うと非常にまずいので、定員法の関係の行政管理庁と予算関係大蔵省と一緒に定員の問題を査定して貰えんかという話を大分したのでありますが、その点まだ改善されておりませんで今大蔵省定員をやつておる、それで行政管理庁の方はまだ何も定員については触れておらんというようなことになつております。そういう関係で、今片柳委員がおつしやいましたように予算定員が非常に少くなつておりますと、実際問題として定員法で殖やそうと思つても殖やせんということになりますので、特に作報につきましてはこれは農林省としてはどうしても引けん、供出割当をやつている以上は今の市町村段階までの定員はどうしても置いておいて貰わなければ供出割当の責任が持てんということで、これは最後までやるつもりでおります。これについては定員予算の食違いというようなことは起したくないという考えでおります。それからあと大体千人くらいになりますが、その中で三百十五人ぐらいが試験、研究機関の改良実験所が県に移りますので、これは当然話合がついております。残ります問題は六百人ぐらいでありましてその中で大きな部分を占めるのは既墾地定員であります。これはなかなか話合がつきませんで或いはどうも若干予算と食違いができる虞れがあると今考えております。
  9. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それからもう一点開拓者金融ですが、これは今まで政府の特別会計融資をやつておつたのですが、政府の特別会計で国債を発行をするということになりますか。
  10. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その点お答えいたします。一般会計から開拓者資金融通特別会計に繰入れましたのは二十四年と三十五年でございます。その前は公債を発行しまして財源を作つてそれで融資をしていた。勿論公債大蔵省の方でやるわけでありますが、財源を公債に求めるか、一般会計に求めるかという違いであります。ドツジ予算が始まりましたときに、大体建設公債はいかんというようなので林野特別会計公債を止めたのであります。大蔵省としては二十六年度からもう一回一つ司令部に話をして、こういうものについては公債でやるという話に持つて行きたい、それがどうしても駄目ならば百金部資金から出すか、一般会計から繰入れるという形をとるか、そういう公債が駄目ならば振替えるということになつております。
  11. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 外に……。それではちよつと私から二、三お伺いしたいと思います。今の作報の人員問題ですが、司令部の天然資源局のウイリヤムソン氏からこの問題について廣川農林大臣に書簡が来ておりますが、この書簡は一体大蔵省の方ではどういうふうに取扱つておられますか。
  12. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 書簡の問題でありますが、書簡が来ておりますのは実は作報だけでなくて外にも来ております。それで従来毎年予算をやります場合にそれが問題になるのでありますが、大蔵省はスキヤツピンが来ておるならこれは仕方がないというのが大体従来の態度であります。正式な覚書であればこれは当然取上げなければならんが、そうでないものについては必ずしもその手紙が来たのでそれを取上げて行くということは従来からやつておりません。ものによつては取上げものによつては取上げないというような態度でおります。作報の問題についても大蔵省は当然知つておりまして、併しそれはそういうものが来ておるということは知つておりますが、まだ今の段階では取上げんでもいいんじやないか、自分の方で司令部へ話していいというようなことを言つております。
  13. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それからこれもやはり同じ問題でありますが、ESSの方でやはり食糧の輸入問題と関連して、国内における食糧の供出の数量を問題にしておると思います。それの確保についてESSの方はどう考えておりますか、それに対する方式として作報をどうするかという問題についてESSの方の関係はどういう意見でありますか。
  14. 伊東正義

    説明員伊東正義君) ESSの方からも実は大臣の秘書官が呼ばれまして、大蔵省の方で作報調査機関を減すということは怪しからんということで口頭で大臣の秘書官が呼ばれて言われております。これは予算をやります場合に毎年これは問題になるのでありますが、どうもその程度のことでありますとなかなかそれだけで大蔵省が取上げるということにも参らんのでありまして、我々はそれはそれとしまして、農林省独自としてもどうしてもこれは必要だというので、これは最後まできかんということでやつております。
  15. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 若しこの問題が大蔵省の言うようになつて七千人になりましたら、作物報告のいろいろな仕事というものはどのくらい影響を受けるのでありますか。それはどうもあなたでは無理かも知れんけれども。
  16. 伊東正義

    説明員伊東正義君) これは非常にむずかしい問題でありますが、大蔵省の言つておるような定員でやれということになりますと、結局府県段階しか数字が出て来ない。これは誤差率の問題が起きて来るわけでありますが可なり誤差率が高くなつて来る。そういう誤差率で府県に供出割当てをしました場合に、丁度知事さんがこれを引受けられる際に、末端の数字が出ておりませんと、従来の誤差率と大分違いますからして供出が降りて行くということは非常に困難になりはせんかというふうに考えております。それからこの職員を、作報としておりましても農作物調査の外に手のあいておるときには経済調査、いわゆる生産費の調査でありますとか、或いは農家経済の調査とか、そういうものもやつてつておるわけでありますが、傍系の産物としましてそういうこともできなくなつて来るというようなことになります。事務当局としてはこれはとても七千人の人を切られたのでは、供出割当の責任が持てんというので、大臣にお話申上げておるのでありますが、まあこれは恐らく相当大きな問題になるのではないかというふうに考えます。
  17. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 行政管理庁長官としての廣川氏はこの問題についてどう考えておりますか。
  18. 伊東正義

    説明員伊東正義君) さあ私からいたしかねますが、それは一つ大臣をお呼びになつてお伺いされたらと思います。
  19. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それはまああなたの問題じやないですが、行政管理庁の長官は、こういうような大きな問題が建つており、行政管理庁長官の権限をそれこそ大いに制限するというか蹂躙するような重大問題なのです。そういう立場からも当然行政管理庁長官としての廣川農林大臣は、この問題について大いに頑張らなければならんと思うのですが、その点農林大臣つておりますか。
  20. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その点は大胆もやつておられまして実は昨日も土曜の晩からずつとやつたのですが、まあ内輪話みたいになりますが、大蔵大臣は今七千人切つておりますが三千五百人ぐらいでどうかという話をされたそうであります。農林大臣としては三千五百人でもどうにもならん、それは考え方の問題なんでやはり市町村單位まで数字を出さなければ困るというので、又昨日も大臣から大蔵大臣に話して貰つておるというような状態なのでございます。
  21. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 農地局関係の方の人員減の問題は復活要求はしていないのですか。
  22. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 私共としては、閣議まで持つてつて争うというような問題には実はまだ入れておりませんのです。事務的に何とか話がつかんかということでいたしております。
  23. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) これはつく見込みがありますか。
  24. 伊東正義

    説明員伊東正義君) まあ八割切つておりますのをどこまで戻すかという問題なんですが、その程度の問題なのでございますが、私通は最惡の場合はまあ半分、今の八割を切れと言われておるのを半分ぐらいで止めて貰つたらどうかと交渉しております。
  25. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) この方は弱腰なのですね。
  26. 伊東正義

    説明員伊東正義君) まあ作報比較いたしますと若干そういう嫌いがあります。
  27. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 今委員長作報の問題でお尋ねして交渉中だというお答えですが、指導農場から更に作物報告事務所というふうに、農業の実態は敗戰後生産に対して即応するような、もつと端的に申すならば農家の実情に応じてそれぞれ農業経営の改善を目指して行くその途上におきまして、今のように急に七千人も減ずるというのは、大蔵当局が一体農業経営に対する認識がないという一端を露骨に現わしたと言われても過言ではなかろうと、かようなふうにも思われるのでありますが、又実際に日本の基本的農業経営の根本を定めて立ち上らなければならない現況から申しても甚だ当を得ない。今委員長の言われた通り生産をあずかる行政庁の長官として大臣は相当強腰に交渉しておるように御答弁がありましたけれども、これは日本の敗戰後におけるところの農業経営の基礎を固くする意味から申しましても、相当これは決意を持つて交渉願わなければならんので、予算の当事者としての課長の交渉の苦労もだが大臣、局長各一団となつて、そうしてこれを認識し供出に対しても一割以上増産をしなければならないという農林省の御方針だというふうに、新聞ラジオ等において我々伝え聞き又これは当然かくあるべきと称しておるこの見解から申してもこういうことが生ずるのでありますが、ひとり大臣のみならず次官局長、各位が一団となつて、大蔵当局にこの認識を高めることの交渉はどんな程度にやつておりますか、もう少し具体的にお話し下されば幸いと思います。
  28. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 池田さんのお出でになります前もちよつと話したのでありますが、これは今池田委員がおつしやいましたのと我々は同感でありまして、まあ最後閣議にまで持つてつてもどうしても農林省の意見を通して貰いたいというので、今おつしやいます通り次官、局長皆一本になりましてこれはやつております。おつしやいましたように片方では増産しまして割当も今年の麦の超過供出等につきましても相当嚴しく言われております際でありますので、我々としましては食糧事情というものはそうルーズに考えていいものではない、やはり朝鮮問題と関連しまして真剣に考えて行かなければならんので、大蔵省が言われるように事前割当を止めたということは、食糧の統制の緩和というのじやないという我々は見地でおりますので、今おつしやいましたように、まあ我々一本になつてこれを通したいと思つております。
  29. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 私共地方を廻つてつて、実際諸物価に比較して農産物価格の低下によつて、農村方面の負担は増し、又納税に対しても大蔵関係の税務署が非常なる強力を以てこれに臨んでおることは、御出席の皆さんも又天下の人々の周知の事実だと思う。生産指導面に大蔵当局が相当の理解がなかつたらただ農村を苦しませるところに追い込むという以外に何ものもないという声が、今日までますます地方においては高くなつておる実情であります。どうかこういうような実情からしてこの問題は我々委員もどしどし言うからうんと一つ頑張つて大蔵当局の税を取立てるその一面において、大蔵大臣の言われる農村の経済を潤沢、円滑ならしむというところに狙いを置いたら、これを認識するように、一つ総合して交渉して頂きたい。幸に農政局長も見えておりますから、農政という趣旨から申しましてもどうか一つこれに協力して強くこの際は出られんことをとくに希望を申上げる次第であります。
  30. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 むずかしいことを課長にお聞きしても無理ですからお聞きしませんが、二十五年度補正予算の問題です。災害復旧費が場合によれば二十六年度予算に盛られたものでも何か不便があると思いますが、そうでなしに補正予算でやらなければならん部面が非常に多いと思う。仮に茨城県の問題を見ますると殆んど二十五年度補正予算で大体見てやらなければ来年のやつはできんと思う。そこで今お話しになつたのですが三億六千万円ですか、どの程度予算面に見ておられるかちよつとお聞きしたい
  31. 伊東正義

    説明員伊東正義君) たまたま茨城の例をとられたのでありますが、三億数千万と申しましたのは公共事業、いわゆる土地関係以外のものでありまして、例えば薬剤の問題でありますとかそういうようなものが大部分なつておりまして、今の岡村委員のおつしやいます土地に関係しました公共事業的なものは全部別の方の予算なつております。それでこれも御承知の今年災害予備費公共事業で百億取つてあるわけなんですが、当然それから出し、足らん部分について農林省関係災害費として幾ら二十五年度に欲しいということをやらねばいかんと恩つております。今まあこれは農林省全部ではありませんが、相談してはおりませんが、局から出ておりますものは四十数億が二十五年度災害復旧のために農地関係で要るというような数字が今出ております。これは農林省としまして検討して今週中くらいに安本大蔵省へそれぞれ持つてつて補正予算として固めて貰うというつもりでおります。
  32. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 農林省では農業に関することには非常に努力をしておるがなかなか全般にうまく行かんようで残念ですが、二十五年の災害については課長の方で主として案を立てる仕組だと思いますが、一つ早急に全部の災害について農林省でやることになると思いますから早く立てて安心をさせないと今さまよつておるところがある。そこで来年の耕作にも支障があると思いますからどうぞ忙がしいのですが、刻も早く各県と御相談をされて災害復旧に対する公共事業でなしに、全体の予算を組んで貰いますことをお願い申上げます。
  33. 小林孝平

    ○小林孝平君 この予算の中に農業委員会の経費が計上されておるのですけれども、これは内容は私達未だはつきり存じておりませんけれども、農地委員会と農業調整委員会と農業改良委員会を一本にしてこの委員会ができる予定になつておるようでございますが、そこに書記が今までだと農地委員会では各市町村に一人、農業調整委員会の方も一人ずつ計二人がおつたわけですけれども、今度のこの委員会では結局書記は一人ということになるわけでございますね。
  34. 伊東正義

    説明員伊東正義君) お答えします。農業委員会の金はお手許資料の三頁の一番上ですか、農業委員会経費としてここに載つております。これは今小林委員から言われましたように従来、今年ありました農地委員会と農業調整委員会、それから全国にたしか二千ぐらいありましたか地区の改良委員会というものが合体いたしまして、農業委員会というふうにしたいつもりでおります。これについてはまあ單行法で法律を出して行きたい。食確法はやめまして供出関係食管法の改正でやつてそれで農業委員会法を單独で出したいという構想でおります。それで金額はここから大体一億ぐらい、大蔵省第一次査定に約一億ぐらい殖えておりますが、書記につきましては今小林委員からおつしやいましたが大体計算は一・二ということに今なつております。我々としましては二人そのままという要求通りになりますが一応今一・二という計算なつております。これは市町村農地委員会はたしか四ヶ月来年ありまして、それから県の農地委員会については五ヶ月来年ありまして、六ヶ月目からとの農地委員会に振替つて行くというような形で振替りを考えております。これはまあ余談になりますが、今まで農林省から出ておりました農村單位の農村だけ取つておりますと、そこにはこの農業調整委員会に書記一人、農地委員会に書記一人、それから共済組合の方の共済同体に書記一人、三人の補助をしておつたわけでありますが、来年度からは共済団体の方が二人、それから農業委員会の方が一・二というような計算になります。市町村だけを取つて見ますと……。
  35. 小林孝平

    ○小林孝平君 この農業委員会の方は共済の方に人が殖えるから、その振替える分については失職の虞れがないというようなお考えのようでありますけれども、この新しい農業委員会の仕事もやはり従来通り農業調整委員会の仕事もやるというわけで、その仕事の内容も可なり性質が違つておるのですから、やはり二人ずつ必要なんじやないかと思うのですがね。
  36. 伊東正義

    説明員伊東正義君) その点は交渉いたしておるのでありますが、まあさつきの既墾地の問題とも関連するのでありますが、なかなかこの書記の問題はむずかしくて、向うで一人というのを一、二まで戻して来ているような過程なんでありまして、今おつしやいました点についてはもう少しこれは努力して見たいというふうに考えます。
  37. 小林孝平

    ○小林孝平君 それに関連いたしましてこの農業委員会法案を今度臨時国会か或いは通常国会どちらにお出しになるのか知りませんけれども、仮にこれが通らんということになりましたらどういうことになるのですか
  38. 伊東正義

    説明員伊東正義君) この法律が若しも通りません場合には、やはり農地委員会の方はその儘恐らく継続してやるということに予算面なんかの措置でやらにやいかんと思います。それから従来の農業調整委員関係につきましては、これは予算面等から行きますとなかなか……。農地委員会のようにすぐ戻してこれは法律の基礎がなくなりますから……。一応食確法がなくなりますとすぐ予算で農業調整委員会のものが使えるというふうなことにはなりませんので、可なりそのときには問題が出て来るのではないかと思います。
  39. 小林孝平

    ○小林孝平君 僕はそういうことから考えますと同時に、この農業委員会というものはただこの農政局の方に加わつておりますが、如何にも農地委員会がなくなつて、農地改革も打切つてしまうというような感じを與えるから、むしろこれは農地局の方の、これはどちらでもいいんですけれども、仮になくなつたら農地委員会を残すというのなら、農地局の方に計上するのが穏当のように思うのですけれども、そこはどうですか。
  40. 山添利作

    説明員(山添利作君) そういう御意見とは反対です。それは今度の農業委員会の性格ということになりますと、今までの單なる農地委員会という意味ではないのは御承知通りで、そうしますとやはり農政局が予算の組み場所としてはいいんじやないか。こういうわけなんですが、小林さんの御質問は、若し次の国会に予定している法案が否決されて、そうして農地委員会ということのみになつた場合にどうするか、こういうことかと思いますけれども、そういうことは実は考えていないものですから、我々の方は我々の方の構想として行けば、農業委員会というような広い意味で打つた方がいいのではないか。元来農地委員会をこういうふうに発展させようというのは前からの構想で御存じの通りなんで、そういう思想の発展だというふうにお考え願いたい。
  41. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 さつき砂糖は政府が買う、大豆はまだ問題は大いに折衝中であるということですが、そうすると一つお聞きにしたいのは鯨油その他の油脂、これは相当金額が張るだろうと思いますがそれはどういうことになりますか。
  42. 山添利作

    説明員(山添利作君) 油糧公団は止めでしよう。それでそういう油脂原料というものにつきましては自由……。
  43. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 そういうことだというふうに思いますが、砂糖は大体政府が買うということですが、公団がこの間改組の場合にも、砂糖と油脂原料は大部分輸入関係になるだろうし、或いは南氷洋の捕鯨でも相当多量のものが入つて来る。ところで現在の民間企業ではちよつと買入或いは保管料を拂つて保管をする負担能力が俄にないのではないか。そこで砂糖は依然として買われますが油脂関係はどんなふうにされますか、大体やつて行けるというのですか。
  44. 山添利作

    説明員(山添利作君) これはやはり特別の、ファイナンスの関係につきましてはやはり制度的でなくても考えなければならんと思いますね。
  45. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それから先程次官のお出での前にも上げておつたのですが、今度の人員整理なんかも、去年も私が在職当時に行政整理の定員法が決る前に大蔵省はどんどん査定する、予算を組む、あとで行政管理庁でそこまで減らさんでもいいと、いうことになつても、実際上予算がそれ以上になつていると何ともできないということで、どうもあの辺が私の経験からやつぱり人員整理の大綱を先ず予算の編成前に拵えてやつて貰わんと非常に困りやせんかということを申上げるのですが如何ですか、今年は実際の実情がむづかしいようでありますけれども。  もう一つ米価なんかもこれはパリテイ計算で或る程度有利にはじくということから、時期を今まで遅らしておつたということは意味があるかと思いますけれども、食管関係予算を作る際にも米価が大体予算米価で決まつてしまうと、実際上は五千四百何十何円以上の米価は何か予算の編成の順序が逆のような感じを私は非常に受けたわけですが、これは俄かにむずかしいと思いますがそういうような行き方が私共望ましいということです。
  46. 山添利作

    説明員(山添利作君) 私共もそういうようなことで実は広川さんに注意したのですよ。早くやつて貰らわんと去年みたいな予算は貰らつたわ、あとで減らせと言つても問題を困難にするばかりだから困るという言をしたのですよ。そうしようというような話もされましたけれども結局今度の予算に組んで置きますのは、行政整理の考えは全然入れないで支出の減つた分だけはそれに見合う人間査定するという方針で考えております。従つて今後の行政整理という問題は起ることはありますけれども、これも少くとも私共の希望としてはまあ大体そう言つちや何ですが自然減耗というようなところで、機構が変ります分についての上級者に異動があつたらこれは止むを得ませんけれども、行政整理という意味じやまあそういうようなところを希望しているわけです。
  47. 西山龜七

    ○西山龜七君 私は澱粉のことと甘藷に関する予算のことについてお尋ねしたいと思いますが、澱粉が今年非常に過剩して前年のようであると非常な億十億という赤字が出るというような説明をしたことがありますが、最近の情勢は非常にそれがよく捌けて澱粉も政府の手持というものは相当なくなつでいるこういうようなことに対しましての予算関係はどういうことになるのでしよう。  もう一つは、本年の甘藷と馬鈴薯の買入を政府が予定しておるのでありますが、そのうち馬鈴薯は現在までのところ政府の予定をしておるような買入はなくて済んでおるように聞くのであります。そうしますと今後甘藷におきましてもやはり馬鈴薯のように買入をせずに済むというような情勢のよう私は見ておるのでありますが、そうしまずとこの予算関係というものはどういうようなことになりますか。その点をお伺いしでみたいと思います。
  48. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) ちよつと聞き洩らしましたけれども澱粉の買入についてどういう考え方をしているかこういうことでしようか。
  49. 西山龜七

    ○西山龜七君 そうではありません。昨年度から持越している澱粉が大部分捌けて今までどうも赤字がたくさん出やせんかと思いよつたものが、それが捌けたからして赤字が出ない。こういうことになると思いますが、そうしますとやはり予算関係はどういうことになりますか、その点。
  50. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 政府の手持澱粉は大体三千万貫であります。それで相当値下りをしてこの処分をどうしようかと実は心配しておつたわけでありますが、一種の澱粉の端境期みたいな状況になつて来て非常に値段もよく処分が今のところできている、大体一千万貫ぐらい処分いたしました。まだ手持が二千万貫くらいありますがそう澱粉については赤字を出さないで、これから先も処分できるのではないかと思つております。ただ全部政府の澱粉を処分し切つたという状態にはならない、相当在庫を減らしたという程度なんです。勿論今年の澱粉についてはこれを買う考えはございません。ただ政府が馬鈴薯なり甘藷なりを買いまして総合用に廻し切れない部分は政府の委託加工のような形で、澱粉の形で政府が手持して行くというふうにしなければならんと思つております。或いはお答えの点に外れておるがも知れません。そんな状況であります。
  51. 西山龜七

    ○西山龜七君 そうしますと三千万貫のうちで約一千万貫処分ができて二千万貫が未処分である。こういうようなお話でありますがそうしますとその二千万貫の処分が現在のようにできましたならば、この予算関係はやはりどういうようなことになりますか。
  52. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 予算関係は……、これは物として持つているわけでございますからね。勿論保管料だとか、その方面の予算は組んであるわけであります。それを処分すればストツクが現金收入の形で出て来るわけであります。支出予算の方には大して関係はなかろうと思います。
  53. 西山龜七

    ○西山龜七君 本年の馬鈴薯の買入予定が、買入れずに済みますと、どういう收支予算になりますか。それは別に買入れなくても予算には関係ないでしようか。又甘藷もやはり馬鈴薯と同じように買入れずに済んだ場合の予算関係はどうなりますか。
  54. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) それは御承知のように今年の馬鈴薯と甘藷で四億万貫買うという予算が作られております。四億万貫のうち馬鈴薯が一億三千万、甘藷が一億七千万、そういう見当でやつております。それで馬鈴薯の方はちよつと二十万賞足らずしか買わたかつた、内地馬鈴薯でございますけれども。北海道産の馬鈴薯は五千万貫買う予定にいたしております。どうも最近の状況では相当有利にも処分できておりますので或いは政府に持込まれるものは二三千万貫しかないのではないかという見方もあります。それから甘藷はやはり相当政府が買うことになみうと思います。結局予定数量として買わなかつた分は買入代金がそれだけ少くて済むという考えです。それから現在の予算からいいまして、四億万貫も買つて恐らくいもについては赤字を出すだろうというような予想を我々はいたしておつたのです。十四億ですか十七億ですね、十七億ばかりの赤字がいも類の買入については生ずるだろうという前提で消費者価格などに織込んであるわけです。でそれだけのものは四億万貫買わずに済めばその赤字がそれだけ少くなる、初め十何億予定したものが或いは五億か六億で済む、それだけ端的に申しますと食管特別会計としては健全な会計になるというような結果になると思うのです。でその分についてはまあ農家の立場も考えましてやはりそうそう叩いたような値段は我々は出せないと思います。内地産の馬鈴薯については相当まあ不作の関係もありましたが、高値につきましたので、政府に持込まれるものは極く少数ですから従つてそれに応じて考えておりました赤字というものはそれだけ少くて済むというような状況です。
  55. 土屋俊三

    ○土屋俊三君 先程御説明の点に食管特別会計に二十億織込んでいるという……それで間違いありませんか
  56. 伊東正義

    説明員伊東正義君) それは食管特別会計ではなくて農業の方の特別会計です、共済保険の方です。食管特別会計とは関係ありません。
  57. 加賀操

    ○加賀操君 今のお話に関係してですが、いもが二億万貫という表がございますね。この二億万貫というのは会計の方からいえば分りましたが、物の方から考えたときに二億万貰が二合七勺の中に入つておるかどうですか、それを一つお伺いいたします。
  58. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 入つております。
  59. 加賀操

    ○加賀操君 そうするとこれは見通しの問題ですから何とも言えませんが、馬鈴薯については今までの実績から言えば可なり買入が少い、非常に少い。そうするとこれからあとは見通しですが、どうも思うように買入れられんのではないかというような私共の考えです。そうすると結局そのものの赤字です。この食管の方ではどのように考えておりますか。
  60. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) これはストツクが相当ございますので、ストツクに食込んで行く。手持の食糧、米麦ですね、その方で調整して行きます。
  61. 加賀操

    ○加賀操君 そうするとストツクでおやりになるのですね。輸入の食糧でそれをこれで補うというとは、まあストツクのときもあるでしようが、その場合に大体の見通しで輸入食糧でそれを補う場合の総価格と、二億万貫を大体予想されているいもの値段で買つて配給するときは大分相違がありますね。
  62. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) そうですね、私ちよつとその計算を彈いて見ませんが、彈きまして返答は明日でも御通知いたしたいと思います。
  63. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 ついでに長官にお聽きしましよう。今澱粉を処分されたようですがそれは国内向ですか輸出向ですか。
  64. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 国内向です。
  65. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 そうすると輸出はなかなか思うように行かんのですか。
  66. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 端的に申しますと輸出も相当やつたらいいじやないかということを積極的に推進したことがありますが、この値段が相当低いのです。引合う値段が余り低いと今後出ます馬鈴薯の取引価格にも影響しやしないかと思いまして相当チエツクをした。従つて今までのところは輸出はございません。今後の状況によりましてはまだ二千万貫の在庫もありますし新馬鈴薯も出て来ますので、新馬鈴薯の取引価格に惡影響を及ぼさないような見きわめがつきましたならば、やはり輸出も考えてストツクを処分する方がいいのじやなかろうかというふうに考えております。今後の状況の判断に……。
  67. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 今度は実は農林委員各位に私はお願いをしたいのですが、二十六年度予算の大体の目安の説明を課長からお聞きをしたのでありますが、実はここ二、三日の段階に予算なつておると思います。そこで日本政府の方で大体話がつきますと司令部の方にお出しになると思いますが、シヤウプさんもおいでになつておりますし、やがてドツジさんもおいでになるようでありますが、現在の二十六年度農林関係予算は表にもありますように要求額から見ますると現在の大蔵省査定の額というものは実に低いものであります。そこでここまで来ておりますと課長や局長を叱るように言うてお願いをしてもこれはとても駄目だ。そこで委員各位が一つ御熱心に大蔵、安本、農林建設という方面に要望をして貰いたいと思いまするが、殊に先程池田さんから課長にいろいろお話がありましたが、今の政府は自由党が大多数を持つておりましてえらい力があります関係で御迷惑でもありましようが、我々は不眠不休でやつております。今各省全部に亘つて責めております。そこで皆一緒になつてやることも結構ですが、自由党の委員の方々は御迷惑でも、もう今日になつて見ますると農林省の課長さんや局長さんを責めてもなかなか困難でありますから、一つ大蔵、それから安本、建設と、農林省のことは自分の役所のようでこれは御迷惑を申上げても、廣川農林大臣は全面的に受入をいたしましても、併し受入れてもその受入したことが捌かれるかどうかを疑問を持つて居ります。この予算が満足に取れませんと農林関係予算が駄目になります。御承知通り災害が非常に多くて今年の公共事業費などはこの災害方面に非常に多く取られる関係もありますので、災害を受けない方面は非常な痛手と申しますか、削減と申しますかそういうふうなことも十分ありますが、いずれにしましても減税をしてでも投資的の金を或る方面を制限をいたします関係で使うことかできない実情になりかけておると思います。これは我々議員が何も陳情や要請をする必要がないので、大臣を鞭韃してそうして我々の目的の達成されますように一段の、極く一両目に一つ御配慮を得なければ農林関係予算はなかなか廣川農林大臣を一人見ておつたのでは非常に困難と思いますが、甚だ御迷惑でもありますが一段の御努力をお願いしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  68. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 只今岡村さんから適切なお話でこれはもう超党派的農業政策をやらなければならないことでございまして、私共政府と最も関係ある党の一員といたしまして各位と御相談を申上げて各位の御賛成を必ず得まして、そうしてこの御方針に一段の努力をするについての決意を更に強くいたしたい、かように思う次第でございます。
  69. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今岡村さんから更に予算に対して努力する必要がある、池田さんからも御同様な御意見がありましたので、この予算に関する説明に対する質疑はこれで終えまして、尚それをどういうふうに大蔵省なり建設省なり安本なりに農林委員会として折衝するかという問題は後刻農林委員会を終えました後で御協議したいと思います。それではこれで予算に関する説明に対する質疑を終えまして……。
  70. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 先程定員法の問題で私さつきからいろいろ考えておるのですが、去年のときにはまだ各省の定員法がなかつたわけです。定員法が制定前に大蔵省予算査定した、これは法律がないときには或る程度行政官庁だけで各省の定員を決めることができた。ところが現在では各省の定員法ができておるわけです。農林省定員は例えば統計調査部では何千人というふうに国の法律で決つておりますると去年とはその模様が変るのではないか。法律が決つておれば法律が変更されない限りはやはり現行法律のものでやつて、それで国会でどうしてもこれだけの人が必要ないということで国会でその法律を改正して切れば、切つた以後に初めて予算が減らされるので、極端に言えば二割、三割減らして国会で定員法の改正が通らんという場合にはそこにギヤツプもできてしまうのである。先程来どうも考えておると去年は定員法成立前の問題であるのでこれは或る程度よかつたと思うのですが、現在では定員法がはつきりあるので、やはり定員法の定員予算を組むことが法律の正規の解釈ではないかと思うのですが、これは次官なり会計課長どんなような考えを持つておられますか、どうもそんなふうに私共思えてならないのですが。
  71. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) これは別なところで研究して頂いて……。
  72. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) いや研究の段階じやないんで……。
  73. 伊東正義

    説明員伊東正義君) 大蔵省と実は話したのですが、今のところ予算定員定員法の関係二つ事務的にやつておるわけでありますが、大蔵省の方では私共予算定員のことで話をしておるので財政面から予算定員をやつておるので、定員法の方には触れませんと、これは事務的な関係なんですが、今片柳さんのおつしやつたことは問題があると思うのですが、二十五年度予算をやるときにも定員法があつたのですからまあその関係は同じなんですけれども、二十五年度、二十六年度共に……。
  74. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは一つこの農林委員会を継続しております間に大蔵省側の方からどなたか御出席を求めましてその点についての関係を明らかにすることにいたします。
  75. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 事務次官がおいでになつておりますからお願いをして置きたいと思うのです。先程課長にそのお話を申上げて置きましたが、実は農業者災害復旧に対する復旧費でありまするが、これは公共事業費と本当の分とありましようが、是非補正予算に遺憾なく、それがとれるかとれんか分りませんが是非ここを細かく見て貰つて、つまり補正予算要求するような手運びをして置きますことをお願い申上げたい。そこでつぶさに調べにや分らん場合もあると存じます。茨城県だけの問題を見ますとこれは実に簡單なんで全滅というより方法がないので、ああいうような予算は実に組みやすいと思うのです。そこで今までなかなかそういうものがなかつたりして見通しもなかなか困難と思うのですが、それは普通の災害補償なんかではてんで話にならんので、恐らく来年の收穫期までを全部上げて見て貰わなければいかんと思いますので、一つ御迷惑でもよく課長とも御相談をされて遺憾のないようにお願い申上げて置きます。
  76. 飯島連次郎

    ○飯島連次郎君 補正予算と二十六年度予算の問題については事務的な説明を一応聽取したわけですが、私はこの予算の内容を細かく追及する前に農林大臣に特に質したいことがあるので、本日できなければ明日農林大臣に是非一つこの委員会に出席して貰いたいということを要求します。
  77. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今飯島さんから農林大臣の出席を求められましたが、委員長の方におきましても明日は出席をお願いしてありますので、明日一つ総括的にそういう問題についてお願いします。それでは予算説明に対する質疑はこれで終えることにいたします。   —————————————
  78. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 次に第二の二十五年度米価格に関する点に移つて行きたいと思います。今二十五年度産米につきましてはいろいろ価格についての案が出ておるようでありましてまだ決定に至るまでにはいろいろな経過があるだろうと思いますが、今までのところにつきまして一つこれは物価庁の第二部長がおいでになつておりますからその経過をお伺いしたいと思います。
  79. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 今年の米価に関しましては新聞ですでに御承知だと思いますが、実は大蔵省方面におきましても来年の予算を編成する関係もありまして、主として国際価格というような観点から五千五百円程度米価考えられておつたようであります。又農林省の方におかれましても昨年の生産費計算を基礎にいたされまして今年の価格はやはり五千五百円近い価格が望ましいというような御意見もあつたのでありますが、結局のところ農林大臣大蔵大臣安本官の間でいろいろ愼重に御研究に相成りました結果、大体本年産米の価格は五千二、三百円程度のところで決められることが適当なのではないだろうかというような結論に相成つたようであります。その価格を作ります決定方式でありまするが、御承知のように従来から、終戰後はいわゆるパリティ方式というもので米価決定しておつたのでありまするので、本年度もやはりその方式を踏襲をしようという考え方に落付いたのであります。ただパリティ計算ということになりますると御承知のように基準年次の米価にパリテイ指数を乗じまして出て来た結果を基本価格といたすのでありますが、本年の米価決定すべき基礎となります九月末の農業パリティ指数が幾らになるかということが従つてその重要な要素になるのであります。御承知のように、従来多くの価格は公定価格でとられておりました関係上、将来の価格、従つてそれから出て参りまするパリティ指数を予測することが容易でありましたけれども、最近は殆んど大部分のものが自由価格になりました関係上、現在のところ今月末のパリティ指数がどのくらいになるかということを推定いたしますことが、非常に困難な事情にあるのでありますが、併し大体のところ、一七五乃至一七八ぐらいのところに落着くであろうと考えられるのであります。その指数を二十七円十六銭に乗じますると大体四千七百円乃至四千八百円程度米価が出るのでありまするが、併し、それだけでは今申上げました三省の会議によつて五千二、三百円には到達しないのであります。従いましてここに何らかのプラス・アルファをつけ加える必要があるということに相成るのであります。このプラス・アルファの考え方でありまするが、これは実にこの前麦の値段を決定いたしました際に、麦の超過供出奬励金が従来予算には十割組まれておるものを二割五分に引下げるということに相成りました。米についても予算は十割組んでありましたのですが、これを麦と同様に二割五分に引下げるということにいたしますると、両方共七割五分というものが実質的に値下げになるという関係に相成るのでありまして、従つて麦の価格を決めます際におきましては、若し消費者価格を変えないという前提のもとにその七割五分の財源を考えられるならば、その余裕程度のものを米価に加算したらどうたろうかというふうに考えておるということを申上げたのでありますが、実はその当時考えておりました米のパリティ指数は一六九ということを前提に考えておつたのであります。然るにその後六月に朝鮮事変が起きて参りましていろいろの物価が相当上昇して参りましたことと、御承知のように八月から肥料の価格統制が廃止になりまして私達はその当時予想しておりました価格より若干高値に取引をされておるというような実情等がございまして、先程申上げましたように九月末の指数が相当上昇するということが明らかに相成りましたので、従つて消費者価格をこのまま維持するということが非常に困難であるということがはつきりして参つたのであります。従つて早晩何らかの機会に消費者価格も改訂しなければならないということが考えられますのでその点と、先程麦の価格決定のときに申上げましたような考え方とを併せ勘案いたしまして、何らかのプラス・アルファを考えたいというふうに考えた次第でありまして基本的には麦のときにも皆さんの方からいろいろお話もありましたように、最近の農家経済の実情が漸次困難を極めて来ておるような状況もあるのであります。少くとも米麦の価格におきましては、成るべく従来の收入を維持するというような考え方をパリティ方式に加える必要があるということが考えられますので、あれこれ考慮いたしまして現存のところ一応政府の考え方を取纏めて、数日前に関係方面に一つの案を提示いたしまして交渉を始めておるというような実情でございます。で、この具体的の数字につきましては実は正式に発表と申しまするか申上げることはどうかと思うのでありまするが、すでに新聞にも出ておるところでありますしその数字を申上げますると、一応パリテイの指数を一七八と推定をいたしますると、そのパリテイ価格は四千八百三十五円に相成ります。それからこのパリティ価格の外にいわゆるプラス・アルファといたしまして大体の考え方は早場木奬励金でありますとか或は米麦超過供出奬励金の二割五分の分その二つと、その外に今申上げます奬励金を合算いたしましたものが大体米麦のパリテイ価格の一割くらいに相当する金額という考え方でその金額を約三百三十六円と計算をいたし、これに俵代百九円を加算いたしまして俵込五千二百八十円というような案を以ちまして交渉をしておる次第であります。こうなりました場合に将来の消費者価格がどういうふうになるかという点につきましては尚二、三未決定の問題はありますけれども、例えば輸入補給金をどの程度考えるかとか、或いは中間経費の問題をどの程度考えるかというような点が残されておりまするけれども、これを想定をいたしまして彈きました一応の結論は、若し消費者価格を本年一月に改訂をするということにいたしますると、大体平均倍率におきまして四二%の値上げになるということであります。ただ実際に消費者価格を具体的に決めるにつきましては、今後は最近小麦粉等の配給辞退等が相当殖えて参りました点を考えまして、米、小麦粉、精麦、外米等のいわゆる対米価比率を若干変えまして外米は米の九五%、小麦粉は八五%、精麦は八〇%というような比率にいたしたいと考えるのでありまするが、そういう比率考えるということになりますれば、お米は大体一月から一割程度の値上げになる。但しそれ以外の外米でありますとか小麦粉、精麦というようなものは大体現存の価格をそのままに或いは若干下がるという程度になるのではないかというふうに考えておるのであります。一応そういう考え方で目下関係方面といろいろ折衝を始めておるのであります。尚御承知のように米価審議会という機関もありますので適当の機会にその委員会の御意見等も十分に承わりまして、最終的に決めて行きたい。こういうふうに考えておる次第であります。
  80. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今長谷川部長から本年度米価についての御説明がありましたが御質問ございませんか。
  81. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 米価問題は今までもしばしば我々の意見も申上げておりますが、そこでいろいろ御相談の結果従来通りの單純なるパリテイ方式によるということは私も四囲の情勢上止むを得ないような感じもいたしまするが、私の心配というのはパリティで行けば四千百三十五円で行ける。プラス・アルファの根拠を早場米奬励金とか超過供出奬励金の浮いた分を考えるのですが、これはなかなか通りが惡いのじやないかというように一応心配なところなんです。そこで生産主義で行けば一番私は本道だと思いまするが、パリテイ計算で行く場合でも何か今少し外の理由か何かないだろうかということでいろいろ私も考えておるわけですが、生産主義で行つても單純な生産主義ではこれは食糧の従来の生産関係がただ維持できるに過ぎない。そこで別途に食糧一割増産運動というような名を挙げでおりますけれども何か食糧の増産、積極的な拡大生産をするというようなところにその狙いとして、増産には従来よりも或いはいろいろな肥料なり動力をもつと投下しなければできないというようなこともお考えなつていると思いますが、そういう拡大再生産というような主義を或る程度プラス・アルファに根拠を求めて行けば、別途の増産運動ともなるのではないか。どうも私の経験でも奬励金の振替というものは非常にむずかしいのではないか。特にドツジさんも最近来られるというのでますますその心配を強くしておりますが、そういう何か拡大再生産のためにパリテイで行つても一応従来よりももつと資材なり動力か投下しなければならない。こういうようなアイデアか何か採用できないものかどうかという、甚だ未熟な意味でありますがそういう感じがいたすのであります。  それからこれは同じく政府部内でも研究されておるようでありますが、單純なパリティ方式以外に例の所得パリティという考え方、農業者以外の或る程度生産力が次第に復活して来た方面、工業方面の所得といいますかその購買力とのバランスをとる、そういう考え方を併用する。或る経度農業生産は殆んど回復している。他の産業分野は説明するまでもなく生産力が回復するにつれて生産單価が下つてくる。所得パリティ方式というようなものを或る程度併用するということですが一遍にはなかなか行かないでしようが、これを併用するという考えがありますかどうか。  それからもう一つはこれは結果においてはパリテイ方式をとつておりますからやや直接の問題ではありませんが、新聞等で拝見した農林省考え方が、これは飽くまで生産費を見ていいと思いますが、これが通れば私はいいと思いますが、ただあの農林省考え方を民間に下つていろいろ意見を聞いて見ますと、限界生産費というものを使つておりますがこれは頗る誤解を生むのではないかと思います。限界生殖費が僅か五千五百円というのですが我我話を聞けば分るのですが、限界という非常に一番最高の生産費をとつたところで五千五百円というのでは、如何にも看板に対して金額が少いというような気がする。今度のこれに関係はありませんがそういうようなアイデアをいろいろされているようでありますが、あの名称はやや看板倒れのような感じがする。勿論私にこの前の農地調整法の際にも申上げたのでありますが、私はやはり限界で行けばそれ以下の農家は相当の利潤なり資本が蓄積されて行く理屈になると思いますが、何かやはり正当な利潤というものを表面から加えて行くという考え方の方が何か増産の刺戟というものになるのではないか。これは直接限界生産費でやつておりませんから余計な心配かも知れませんが、どうもやや看板倒れで五千五百円で限界生産費というのはやや評判倒れというような感じがいたします。これは余計なことでありますが、むしろ今言つたプラス・アルフアの点を單なる超過供出奬励金なり特に早場米奬励金は一部に出ておるのでありますが、全体の米価に振替えるということもこれは一つの案になると思いますし、何かさつき言うたような増産運動と見合つての従来以上に資材、動力を投下するというような考え方か何か考えがたいものかどうか。もう一つは所得パリテイというような考え方、これは少くとも私は併用価値は若干ありはしないかと思いますが、その辺のところを一つ忌憚のない御意見を承わりたいと思います。
  82. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 実は先程申上げました点の一番心配な点は今片柳さんの御指摘されたところでありまして、さなきだに奬励金というものを好ましくない方面にそれを真正面に振りかさしたような関係なつておりまして、非常にその点を心配しているのであります。実は考え方の裏にはお話のような所得パリテイ的な考え方をこれに織込んだというところに出発点があるのであります。それ以外に実は何かいい所得パリテイ方式が考えられないかという点につきましては、この委員会でもたびたび御意見を承わつたこともございまするし、又政府部内でもいろいろの方面で又いろいろの専門家にお願いをいましましていろいろ研究はして頂いているのでございまするが、実際問題といたしまして農業と工業との所得をどの比率に置くのが適正であるのかということの理論を発見することはなかなか困難でございまするし、そうなりますると勢い過去の所得がこうであつたからこの程度は所得を維持しなければならないのではないかというような議論になるのではないかと思うのであります。そういたしまして、若しそういう考え方を取りまして所得パリテイを考えますると、勢い戰前の所得の比率ということになるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。御承知のように戰前の農家経済の状況、従つてそれを背景にいたしまする米価というようなもの、特にその中には御承知のように相当の小作料というようなものが含まれております点等を考えますると、なかなか数字的に過去に比較して現在の所得を論ずることが非常につらい問題にぶつかるように考えるのであります。勿論この点につきましては現在でもいろいろの資料その他で研究は続けておりますけれども、これを中心にいたしまして、これだからこのプラス・アルファを付けなければならないというような柱になる程の資料というようなものがなかなか得難い状態でありますので、実は取りたいのではありますけれども、それを取れなかつたのでありまして、勿論お話のようにこの案を主張しまする裏付の資料といいますか裏付の考え方からいたしますると、今のお話のような点を更に加えましてやつて行きたいというふうには考えております。何か又いい資料その他がございましたら我我にも一つお教えを願いたいというふうに思つておるのであります。  尚今回農林省考えておられまする一割増産運動との関係についてのプラス・アルフアというような御意見につきましても非常にいい御注意でございまするし、我々そういう点を更に付加えまして折角折衝を強くやつて見たいというふうに考えます。  尚生産費計算の点につきましては私から申上げるのはどうかと考えまするが、この点につきましても御意見のところそういうふうに私も思うのであります。特に今回の生産費計算と従来の生産費計算とはその調査の基礎、資料等にも相当の変更が前提になつております。従つて成る程形式的にはパリテイ価格で現存やつておりますけれども、我々といたしましてやはり生産費計算が結果的にどういうふうになるのかということは非常に重要な問題であるというふうに考えておるのでありまして、物価庁といたしましても尚生産費計算の内容等につきましては十分に研究をして行きたいというふうに考えております
  83. 小林孝平

    ○小林孝平君 今お話がありました三百三十六円のプラス・アルフアの問題でございまするけれども、一般の農民や関係者はプラス・アルフアというのは全く別個のものを加えられるかとこう思つて私達もおりますし、又大部分のものはそう思つておるのだろうと思います。ところが御説明を聞けばこれは超過供出の方からの振替、それから特に早場米奬励金の振替というのはこれはどこからこういう金が出て来るのか分りませんけれども、非常にそれは問題じやないかと思うのです。特定の地帶に出しておる金を、而も相当の制限を付けられて、早場米奬励金の金を制限してそれから更に出すということになれば非常に問題だろうと思うのです。その全般的に先ずプラス・アルフアに対する考え方が非常に農民に失望を與え今後問題になるということと、早場米奬励金というのにどういうふうにしてこちらの方に振替えることになつたのかということを御説明願いたいと思います。
  84. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 私の説明がまずかつたため十分に御理解願えなかつたと思いますのでもう一度申上げますが、考え方といたしましては先程片柳委員からお話のありましたように一種の所得パリテイ的な考え方考えまして、終戰後に農民が米麦の供出によつて得ました総收入というものを考えて見ますると、大体米麦の基本価格の一割程度の各種の奬励金を得ておつたのであります。その奬励金の中に早場米奬励金超過供出奬励命もある。或いは二十二年産米につきましてはパリテイ価格の外に五十円の特別奬励金というものが加えられたこともありますが、そういうふうな奬励金総額は大体その米麦の価格の一割ぐらいに相当をしておつたのであります。従つて本年も米麦の幕末価格の一割程度のものは何らかの形で農家の收入になるように考えたい。その一割程度の中にすでに政府として一応決められておりますものは早場米奬励金或いは超過供出奬励命だというようなものがありますが、これは一応計算上落しまして、後のものをその基本米価に織替えますると、結果的には大体従来通りの基本価格の一割程度のものが何らかの形において農家の收入になるという考え方計算をしたのであります。ただ計算が非常に数字的に細かくありますので何だか三百三十六円ぽかんと出たようでありますが、実は細かいいろいろの数字から彈き出しまして、それで仮に基本米価が今のように決つた、そうしてこの通りに決つたといたしますと、今年の農家米麦による收入は基本価格の外に一割くらいのものがプラス・アルフアになる、こういう考え方でございます
  85. 小林孝平

    ○小林孝平君 具体的に一つお尋ねいたしたいのは、そうしますと早場米奬励金の五十七億円のうちどれだけがこの三百三十六円のものが入つておりますか。
  86. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 一七%……。
  87. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) だから三百三十六円の外に早場米奬励金六十億くらいと、それから米、麦超過供出奬励金の二割五分というものは、現実に出るわけです。
  88. 小林孝平

    ○小林孝平君 さつきの御説明ちよつと違つたと思いますが。
  89. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 失礼ですが、三百三十六円という計算する基礎に引いたと申しましたから甚だ誤解を招いたと思いますが、結果的には早場米奬励金六十億と、米麦超過供出奬励金の二割五分、それから今の三百三十六円という、こういうものを加算しますると、大体基本米麦の価格の一割程度の金になる、こういうことであります。
  90. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 ちよつと小林さんと関連があるから部長、長官において一つ御研究の上御答弁を頂ければ仕合せだとこう思いますが、予算問題で新潟、富山、石川を調査に行つた際に、新潟の農家の方々からお聞きいたしたのでございますが、私共は米価の改訂をして価格を上げると、非常に部長の説明のごとく農村の收入が増すだろう、こういうふうに考えて、政府の方針も米価の改訂をして、価格を値上し農村の收入を増すということが、農村においても代表の方々がその喜ばないというふうな結果を聞いたのであります。それは昨年度の末において価格は上つたが検査が厳重になつてしまつた、検査が厳重になつたために皆格下げになつてしまつて等外品が沢山できて、実際の農家の收入は勘定合つて足らずという言葉がある通り、形式だけは整つたが勘定して見たところが農家の收入が割合少かつた。待つていましたといつて税務署はそれだけ米の値段の値上りに対して所得を上げられて算定してしまつた。これに伴つて所得を基本として各税が課せられるのでございますから事実においては收入が減つてしまつた。そこででき得るのは早場米に対する奬励及び超過供出に対するところの奬励の方針を存続して頂いて、実際において農家対して米価の改訂で価格の値上ができたら、それだけ農家の收入が増すような実際の一つ政治一をとつて貰いたい、この点一つ要望するところ言われたのでありますが、早場米供出に対する奬励金超過供出に対するところの奬励金、その点は二十六年度においてはとの程度であるか、又米価の改訂による所得について大蔵当局に対して折衝、及び地方税の改正に対しまして基礎の控除は農家の勤労者数によつて控除はされますけれども、併し相当これに対してあらゆる諸税が増加いたしますならば前申上げたような結果に陥るのでありまして、農家はただ苦労を増すのみで、あらゆる今日の農家の支出いわゆる肥料を始め農機具その地賃金等においての増額から申しますならば、米価の改訂が農家の支出と收入とを見比べますときに適切であるかないかといえば、むしろこれによつて苦しみを増すような結果になりがちなところも多々ありますのでございまして、この点を十分に御認識御研究になつたかどうかという点を、一つ長官、部長から御答弁を煩わしたいと、かようにお願いいたします。
  91. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 池田さんのお話ですが、検査の問題とそれから奬励金の問題はからみ合つて、総合的な判断から農家の経済が相当苦しくなつて来ておるという結論でありますが、この点は私共もいろいろの資料から見まして農家の経済が非常に窮乏化しつつあるという事実はこれは認めております。そのためにこれは循環論になるかとも思いますけれども、やはり米価はそういう意味からも相当高くしてやらなければならんのじやないかということを考えております。併しそれが又逆になつてそのために又税金が殖える、そうすると結局手取りにおいてどの程度農家に残るかというところの検討を十分しなければならんわけであります。池田さんも御承知のように、農家の勤労控除等については、経営主だけではなく勤労者については基礎控除をするというようなことと、それから超過供出奬励命については相当含みのある査定をするというようなことについては大蔵省と従前話を附けておりまして、そういうことで指導いたしておるわけであります。実際それからまく行つておるところもありますけれどもそうでないところもある。これはやはり協同組合等でもう一段と御努力を願いまして税務署との交渉等に力を入れて頂かなければならん部分があるのじやないかと思います。これは実際問題として私共いろいろ今後組合の方とよく連絡を取つて参りたいと思つております。それから尚それ以上に根本的に農村の税制なり税金をどうするかというような問題については、実は私共今のところ具体的に交渉いたしておるものはございません。官房の方でいろいろ御研究を願つておると思います。  それから検査の問題ですけれども昨年いろいろな問題を起こしていろいろ御批判を受けたのでありますが、今年は去年と同じ程度の規格にいたしております。昨年は越後あたりは相当長雨つづきで、作柄が惡かつた、粒の性質も惡かつたようです。それに検査が若干きつくなりましたので非常に生産者としては著しく感ぜられたと思うのです。今年は去年とほぼ同じような程度の検査規格にいたしておりますし、それから今年の米は私は非常に物はいいように実は考えております。それで昨年のような苦しさは恐らくないのじやないかというふうに考えております。検査の問題はもつとゆるめたらというお話もございますけれども、やはり順次正常取引へ持つて行くためには今程度の検査基準はやつぱり維持して行つた方がいいんじやないかという感じを持つておるわけであります。これは又事務的な話になりますけれども、今後公団が解消いたしまして末端は自由になり、卸しも民間企業になるというようなことになりますと、政府の売却いたしまする米なり麦なりについてのクレームが非常に附いて来るのじやないかと思うのです。斤量が不足であるとか品質がいたんでおるとか、或いは規格が合つていないとか、そういうクレームが現在は公団でもつてプールいたしておりますからそれ程問題にはなつておりませんけれども、来年以降はこれが非常に大きな問題になつて来るのじやないかと思います。そういたしますとやはり検査というものは一定の規格に基いて正しい検査をして受入れるという体制はこれは動かせないのじやないかと思うわけです。その点についても生産者の御協力を得なくちやならんわけです。ただ急速に品位を上げるとか何とかいうことは絶対いたさない、大体昨年の程度の規格でもつてやろうと思います。
  92. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 奬励金は二十六年度も相当出しますか。
  93. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 超過供出ですか
  94. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 ええ。
  95. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 二十六年は今まで大蔵省と話のついておりますのは早場米奬励金をやはり今の情勢から申しますと殆んど見込み薄であつた、早場米奬励金を今年で打切るという改正でありましたが、大体大蔵当局と三十億の早場米奬励金予算として織込むということに話が一応づいております。今年は六十億でございますから半分ですね。その代り一般会計の方で單作地帶に対するいろいろな助成対策増加をして呉れる。この三十億というのは予算運営上から申しますと、まあここだけの話でありますけれども相当実行の上においては又考えられもしないかというようなことに存じておりますが一応三十億の話がついておりますから……。  それから超過供出奬励金は後で議題になつておりますけれども事後割当制度に大体来年しよう、事前割当制度でなくというような関係もありまして超過供出奬励金という形は来年度予算には載つておりません。
  96. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 これは長谷川部長にお聞きしたいのですが、パリテイ方式を依然として取るということは不満であります。できるだけ何というか他の方面からパリテイ方式の不備なり欠点を是正するということが少くとも必要じやないか思います。そこでさつき言つたプラス・アルファも今少しく積極的た運営ができないかということを申上げたのですが、もう一つの私の考え方ではこれは今年の米価に直接影響がないと思いますが、この間例のポ勅で小作料なり農地価格を上げましたときに小作料乃至奬励金が上つておるわけであります。ところがパリテイで行けば一七八なら一七八の数まで行かんからそれ以下のものは小作料なり奬励金が上つて米価には影響がないということが今までのあれです。これが生産費で行けば当然或る程度小作料が上つたことが影響して来るわけです。そこで一七八以下のものについても米価決定された以後においては小作料が上るとか、或いは外の何か(公)についての物資が一七八には達せんけれども米価決定以後においては価格が上つたり、或いは対価が上つたという場合には、それで或る程度米価の補正がし得るというような考え方が取れないものでしようか。生産費の方も当然それは上つて来るわけであります。これは私まだ未熟な言い方なんですが、そこで例えば百七十八の総合パリテイ以下のものだつたら全部一七八とみなしておるという見方もできると思います。そこで例えば小作料が今度上がる、それで何か米価に当然影響があるという考え方をしませんと、要するに一七八のパリテイの品目に入つておるけれどもこれは影響はない。生産費理論からすればどうにもなるわけで、そこで何かパリテイ計算の品目には入つておらんが、米価決定以後に明瞭にこれが上つたというものについては、これが或る程度バツク・ペイ等の場合に参酌し得るという考え方ができないものか。どうもいよいよそういろ欠点を露呈してくると思うのですが、こういう考え方を何か入れておかんと……。その点お伺いしたい。
  97. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 実はパリティ価格というのはこれはまあ釈迦の説法で、少し酷なことを申しますと、いわば生産費パリテイが問題でありますので従つて農家が支出する価格が何倍上つておるかというふうに指数を見る。その指数を見まするにつきましては苟くも農家が支出するものにつきましては一々これを入れて行くのが正しいのですけれども、そういうことはなかなか何に影響し又実際問題としてもできないから、或る程度代行品目を作りましてそれで代行せしめるということをやつております。それで実は御指摘の小作料なり租税公課なり、こういうようなものも理論的には当然従来のパリティ計算にも織込むべき品目であるわけなのであります。ただ実際問題といたしまして、租税公課には農家の租税でございますが、基準年次に幾らで現在幾らだということが非常に調査が困難だから、仮に調査ができたにいたしましても、去年の例で申しますると租税公課は去年の米価が一六五で決つておるのでありますが、一六五倍にはなつていないと考えますので、むしろ入れない方が実質的には米価を上げる作用をなす。小作料につきましては基準年次が十七円五十銭で現存去年までは七十一円だつたのですからこれはもうはつきりしておるのですから本来ならば当然これは入れるべき品目であります。併しその倍率は今申しますようにほんの五倍にも足らないくらいの倍率であります。而も現在こそ小作料のウエイトというものは非常に少いのでありますけれども、基準年次ではも三分の一とか四分の一とかのウエイトを持つておりますので、そんなに大きなウエイトを持つておる小作料、而も倍率は五倍の小作料で計算いたしますと一六五になるべきパリテイが、恐らくその半分以下の八〇とか七〇とかいうパリテイになる。これは実際に計算してみるところなります。従つて、従つてといいますかそうなります。併しこの実は租税公課については実際調査の方法がない、資料が的確に掴めないという理由で落したのであります。小作料につきましては基準年次の小作料と現在の小作料が御承知のように農地改革という一大変革を経ておりますからその性質が全然違う。従つて性質の違うものを比較するということは意味がないという理由でこれを落しておるのであります。落した結果が去年の米価について申しますと一六五という指数になつておるのであります。言葉を換えて申しますと先程お話がありましたように落した結果は小作料も租税公課も結局一六五倍になつておるということが前提になるわけであります。従つて一六五で決めましたあとに小作料が若干或いは相当上りましても一六五倍以上にならない限りは決してその農家には不利に働いておらないというふうにお考え願う筋合のものじやないか、こういう考えを持つております。一つそこでその点で私常に思いますのは、即ち指紋そのものについてはそういうような関係がありまして、必ずしも農家に不利に指数が出るというふうには考えておらないのでありますが、ただいろいろそのパリテイ価格という問題がありますのは、恐らくその基礎になります基準年次の米価が二十七円十六銭といいものがいろんな理由で非常に低いものですから、指数として生じました結果がいろいろの見方からいたしますと安く出るというふうになるのではないかと。従いまして実はこういう議論もこれは内輪話でありまするが、奬励金を加算するという考え方それ自身につきましても先程お話がありましたように、なかなか難色があるわけでありますが、これは又考え方によると基準年次の価格を一割上げるという考え方にも通ずるわけでありまして、実はそういう方面からもいろいろな資料を集めて研究をしておるような次第でございます。指数それ自身といたしましてはどうも遺憾ながら今のようなことがありましてもどうもこれは出て来ないのじやないかというふうに考えております。
  98. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 それは私もよく分つておるが、ともかく米価を一六五倍なら一六五倍と決つておりますときに、小作料が七倍なら七倍になつた。その格付けをですからそういうマイナスに働くようなものを品目に加えるということを言つておるのでなくて、この決定した後とにかく百円の小作料が七百円に、なつたという場合、その関係を、ですからこれは或いは生産費の思想を或る程度加味することになるかも知れない。七倍に上げればとにかく支出が殖えて来る。それがなかなか一六五のパリテイに達せんから今まで有利に見ておつたのだから、それはもう構わないという、これはそこにやつぱりパリテイ計算の欠陷があるのであつて、ですから何かそれは今までのパリテイ方式の考え方では勿論これはむずかしいと思つております。何か一応米価決定後にあつたものについては一八五というものに達せんでもその生産費なり支出の絶対増を何か調整する考え方がないのかどうか。何かパリテイ方式がこういう小作料の改訂というようなことで何ら影響がないということになると、何か他の思想を入れることになるかも知れませんが、今までの考えで行けばお話のようなことになるのでありますが、むしろ入れれば総合パリティは下がるでしよう。それは困るから実質の点から何かできんものかというのですがね。ですから生産費で行けばこの問題は打開されるわけであります。
  99. 西山龜七

    ○西山龜七君 米麦の価格決定につきましてはいろいろ複雑な問題がありまして当局の御苦心は諒としますが、実際現実の問題といたしましては米以外の粉麦というようなものの配給の辞退の現実から考えますと、どうしてもこの米価と麦の価格との格差といいますか、その比率というものが国民の実際の生活にかなつておらないということは御当局もお認めになると思います。先程の御説明によりますと多少のそこに比率もお変えになつたと申されておりますけれども、到底これでは配給辞退は止るまいとかように見られるのであります。いずれ今後配給部面の改革によりまして配給を受持つものも政府もこう、いうようなことでありましたならば、やり切れないような結果になりはしまいかとかように思われるのであります。麦の価格からいいますと米が安いといいましようか、米の価格からいいますと麦が高いといいましようか、そこに実際の我々の生活と矛盾しておるところがありますので、この点を強く関係方面なんかにも御主張をせられて米価を一段と引上げるか麦を引下るか何とかしなければ、供出部面におきましても又需給方面におきましても又配給方面におきましても、ますます食糧が緩和に従つて收入がつかないという結果になると思いますが、これに対しましてその米価決定についてこの点をどの程度に御出張せられ交渉せられておるか、私はこれが米価決定の基本となるのではなかろうかと思いますので一つ経過を承わつて置きたいと思います。
  100. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) お話の麦と米との価格比率の点につきましては非常に重要な問題でありますし、結局今お話のように麦の値段が高いのか米の値段が安いのかというような議論になるのでありますが、従来は御承知のように消費者価格について申しますると、小麦粉は米の九五の比率で配給しておつたところが戰前は八五の比率なつております。今度一月に消費者価格が改訂になり八五の比率には少くともしたい、戰前並にはしたい、こういうふうに考えておるのであります。仮りに消費者価格はそういうふうにいたしたといたしますると、その枠における一体生産者価格の比率はどのくらいがいいのかということになりますと、これは戰前の比率は大体米が一〇〇のときに小麦は六三ぐらいの比率なつておりますが、理論的にといいますか歩留りとか中間経費とかいうようなものを逆算して行きますと、七〇ぐらいのところにあれば大体消費者価格を米一〇〇、小麦を八五ぐらいのところに行きそうです。従つて消費者価格を一〇〇対八五に置くためには生産者価格を一〇〇対七〇の比率に置くということが少くとも必要である、こういうことになると思うのであります。今度のこの米の価格は大体先般決りました小麦の価格に比較いたしまして大体七〇の線に一応来ております、これは結果的でございます。結果的にまあそういうふうにはなりましたが来年の米麦比率をどういうふうに特つて行くかという点につきましては、まだ最終的に決つているわけではありませんけれども、私個人の考え方を申上げまするとやはり少くともそのくらいの比率或いはむら少し六五とか、六五はちよつとひどいかも知れませんが七〇を少し割るくらいな比率に持つて行く、無論麦だけ下げるといろわけでもありませんし麦を下げれば米々上げる。これは比率の問題でありますから何かそういう線で来年の米価考えるのが適当ではないかというふうに考えております。本年はたまたま結果的に一応若しこれで決まるといたしますと比率は大体七〇になるのです。
  101. 西山龜七

    ○西山龜七君 只今御説明を聽きまして戰前の比率に段々鞘寄せて行くという気持は分りますが、私は戰前におきましては朝鮮と台湾から米が入つて参りまして米が多かつた。現在におきましてはその米が少い、その代りに麦、小麦が入つて来る、こういうようなことになつておりますので、戰前の比率以上に麦とか小麦粉を引下げて米を引上げなければこれは需給関係に非常に支障を来たす、かように思うのであります。戰前以上にそういうように引上げてこそ初めて食糧の供出、米麦の供出におきましても又配給面におきましても円滑にそれが行くと、かように思うのでありますから、戰前の比率にせずに戰前と現在とは環境が変つているということも御考慮せられまして、できるだけ米価を決める場合に今の米と麦との価格の戰前の比率以上に鞘を拡大してそこにはじめて食糧行政を円滑にやつて頂く、かような希望を申上げておく次第であります。
  102. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 二十五年度米価のお話を承わりましたが、大変苦心をされて現在五千二百八十円という価格を出しているようですが、その価格を出すのにいろいろ御苦心されたことは分るのですが、実際百姓はこの価格では理窟は抜きにしてやつて行かれんことになると思うのです。そこで大体反收三石と見ますと三石全部売つて一町耕作をやつてつて十五万八千二百円しかないのであります。そこで苦心されて石三百三十六円上げたこういうお話ですが、これは一反歩にやつてみると千八円の値が出ているわけです。そこで農家の收入に大影響のある所得税をえらい大蔵省は自慢にして控除を多くしたということを言つておられるが、我々計算して見ますとそれよりこの苦心をされて上げた一反歩について千八円を加算しても肥料の値上りの方が多い。そこで何もならんことになつておるのですが、これはこれより買われんということになれば止むを得ず売つて行かなければならんのだが、一体今までの日本の百姓は戰後何で生きて来たかということを考えると一番早い。これは闇で生きて来た、若し闇がないということになると非常な苦境に百姓は陥るということは事実です。僅かな奬励金はあつたが闇で売つていた、それが閥で売れなくなつて困つている、不便なところ程困つている。そういうわけで今後の百姓の生き方は非常に重要視され議論されておりますが、今西山さんから米と麦との格差を戰前或いは戰前以上に決めないと配給辞退が起きてどうもならんじやないかといろお話をされておりますが、大蔵大臣がそれと同じことを言つております。我々百姓は供出を政府から割当をしなくなつたらこれは自由で、売れなければそれでオーライで結構なのですが、供出をせよといううちは今のでさえも引合わないから、これ以上米と麦との差額を大きくすることは絶対に反対だ。これ以上の格差をつげることは甚だ適当でないということを考えておりますから、そのつもりで今後御心配になるとぎに、現在の価格では百姓は立つて行かないということと、米と麦との差額を今のよりも以上つける分には、供出は頼まず自由にしろといろときまではつけることは反対するというつもりでお考え願いたいと思います。
  103. 三好始

    ○三好始君 先程本年産出の米価の問題についていろいろ今日までの経過を承わつたのでありまするが、計算方式そのものとしては依然としてパリテイ方式が採られております。パリテイ計算の結果出て来た数字にプラスアルファとしての三百三十六円が加算されるような結果になつておりますけれども、このプラス・アルファは非常に懇意的なもので、決して計算の立場という理論的な要素は含んでおらないわけでありまして、計算方式としては依然としてパリテイ方式が採られておる。こういうことを結論的に言えるわけですが、私は今日の米価決定方式に理論的な立場としてパリテイ方式だけが採られたということを非常に不満と感ずるのであります。これは第八国会でも申上げたことなのでございますが、パリテイ方式だけで米価決定して行くことが曲りなりにも承認せられて来たのは、インフレ時代の米価決定方式として一応これを採るより外に他の適当な方法が実際問題として考えられなかつた出産費方式を採るとすれば闇価格を問題にせざるを得ない。又インフレ時代でありますと現実に要した生産費を以て米価を決めるということは農家のためには結局再生産ができないということになるわけですから、次の生産費を調達するときの値上り状態を現実に要した生産費の上に更に考慮しなければならない。つまり單純なる生産費計算ではなく初生産費計算でなければならない。こういつたような非常に計算上のむずかしい問題があるので、そうしたむずかしい問題を回避した極めて安易な計算方式としてのパリテイ方式を採らざるを得ないというような事情もあつたと思います。ところが今日は事情がすつかり変つて来たわけですから、依然としてパリティ方式だけを採つて米価を決めて行くということは到底承認できないやり方であります。先程来いろいろお話が出ましたけれども、やはり再生産を確保できるような生産費方式を米価決定一つの基本的な方式にしなければいかんじやないか、勿論米穀法時代にも生産費計算の外に率勢米価であるとか家計米価であるとかいろいろ問題が考えられて、総合的に米価決定されておつたわけであります。あの当時の率勢米価は今日のパリテイ方式と大体同じような考え方なのでありますが、私今年の米価を單に昔でいえば率勢米価、今の言葉でいえばパリティ方式だけで考えて行こうとしておる。これは非常に農家の実情からいつても困るわけでありまして、今日の段階もパリティ方式そのものの可否を根本的の問題にしなければならないときではないかと思うのであります。例えて申しますと、パリテイ方式というのは單に表面的な価格だけを問題にしておる。果して基準年次のそれぞれの品目の品質と今日の取上げておる品目の品質との間に相違あることを、パリティ方式は計算に入れておるだろうか、入れておらない筈なのであります。こういつたいろいろな点から考えてパリテイ方式そのものの可否を根本的の問題にしなければならないときに当つて、生産方式をすら全然考慮しないでパリティ方式だけで米価を決めようとしておる。これは非常に間違つておるのではないかと思う。農林省米価決定に当つて生産費計算を取上げたということは一応適切な態度であると私は思つておつたのですが、結局それは何ら考慮せられなかつたというふうに承わつたのでありますが、農林省側の今年度米価決定方式に対する今決められようとしておる米価決定方式に対するお考えはつきり承わりたい。
  104. 安孫子藤吉

    説明員(安孫子藤吉君) 農林省考え方といたしましては、今お話がございましたように、実は昨年来今のような情勢から申しますと、生産費主義を採ることが適切であろうというふうな考え方で終始一貫しておるわけであります。でそれにいたしましても本年度の生殖費は結局只今米価決定するとするならば、昨年度の生産費調査から推定をした一つの二十五年産米の推定生産費というものが出せるわけです。そういう作業もいたしたわけです。そういたしますと実はこれの平均生産費主義を採りますと、非常に端的に申しますがなかなか我々の常識的に考えておるような米価には到達しない。それでやはり来年は相当一割増産運動があることでありますし、それから供出農家の経営規模とその経営規模別の生産費との相関関係を検討いたして見ますと、そこに大きな相関関係がある。経営規模が小さい、言い換えますと一俵とか二俵とか三俵とかいうものを出す農家の生産費というものは、十俵なり三十俵なりを出す農家の生産費よりも相当高くつくというのが、まあ大体計数的にはつきりして来るわけなんです。それで仮に来年三千万石の供出を完遂させようということにすれば、どうしてもこの経営規模の小さい農家がコストが高く掛つておりますからそれをカバーする程度の生産費を出して貰わなければならん。そうすると規模の大きいところの農家は理論上余裕が出て来るわけであります。これは耕種改善でありますとか資本の蓄積という形において将来の健全な農家を育成して行く上において適当なことである。それで先程片柳さんからお話がありましたように限界という字を使つたわけであります。この限界は御指摘のように余り適切な言葉ではないと思いますけれども、そういう意味においての限界という言葉である。そうしてはじきますと人体五千四百七、八十円ちよつと欠ける程度の価格になる。全般の農村の状況からいたしましてもこの程度の価格並びにこうした方法論に基くことを人体主張すべきではなかろうかというようなお話を物価庁ともいたしたわけであります。物価庁の方のお考えを私から申上げますれば、今年の麦価を決めますときもいろいろな経緯もありまして、この米価を決める上について生産費主義を真つ向からかざして参りますことはいろいろな情勢からいたしまして非常に困難な事態にある。勿論将来の問題といたしましても十分生産費主義の長所短所を検討して何か方式を考えるべきであろうということについては同調しておるわけでありますけれども、本年の問題について生産費主義を表面に出して参りますことは主張を通す上においてなかなか困難であるという見解もありましたし、それからお話がございましたように三大臣の間で大体目標を五千二、三百円というところに置いて一つ問題を解決しようということにもなりましたので、この五千二、三百円の見当を指向するのに最もよい、目標を通しやすい理論構成をするということが当面の問題としては重要になつて来たわけであります。そんな関係からパリテイ計算を土台といたしまして、それに奬励金を付けて行くという説明が了解をしやすいというようなことになりまして今の段階に来ておるわけであります。生算費主義については尚これはいろいろ批判もありますが、併し私共としてはやはり生産者の立場からいえばこれが一番いい方法ではなかろうか。又我々としてもこうした長いことこの生産費主義によつて価格を決定して来ました経験も持つております。生産者の方も相当こうした方法については納得を得られるであろうというようにも思いますので、この点は今後共出張して参りたいと思つております。今年からの問題につきましては以上申上げましたような経過でさつき長谷川さんからお話があつたようなことになつた次第であります。
  105. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは私から一つちよつとお伺いして見ます。米価決定には物価庁ではパリティ方式プラス・アルフア、それから農林省では供出農家の限界生産費、それから大蔵省では国際価格への鞘寄せ、いろいろな理由から米価を算定してそれの政治折衝の結果のようなものが五千二、三百円こういうことになつておる。まあどの決定方式もこれははつきり理論的に一貫したものでないことは明らかであります。やはりこういうふうな米価決定をされる場合に、大体もう出て来たのですから一つ農林委員会の方へこの国際価格鞘寄せ論、それから農林省の生産費計算、それから物価庁のパリテイ計算プラス・アルフア方式論、それぞれ一つ資料を出して頂きたい、こういうふうに考える次第であります。その点如何でしよう、これはお出し下さいませんか。
  106. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 私の方のは事項別ということで一つ一お許しを願いたいと思うのですが、無論公式でない場合には幾らでもお話合いをいたしたいと思います。
  107. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは次にこれは長谷川さんにお伺いしたいのですが、米価審議会が諮問機関ではありますけれども去年設けられた、それで大体もろ政府側決定してしまつて司令部と折衝してそうして固まつたもので米価審議会に臨むというふうになつておると私は思つているのでありますが、先程長谷川さんの御説明ですと米価審議会にもかけていろいろ米価審議会の意見も聞いて取入れるのだが実際はそうなりそうもない。そういう点について一体米価審議会に対してどういうお考えでいるのか、そして米価審議会というものはうるさいものであるからこれはもう止めてしまおうと、そう、いうふうにお考えなつているのか、その点一つはつきりさしておきたいと思います。
  108. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 私が申上げるのは必ずしも当を得ておらないかと思いますが私の感じを申上げてお許しを願いたいと思います。米価は非常に関係方面が多いのでありますので、それぞれの専門各位の御意見を十分に拝聽いたしまして決めることが適当であろうというふうに考えておるのであります。そういう趣旨で恐らく米価審議会もできたのだろう思うのであります。ただその審議会に政府は正式に一つの見解を表明いたしまするために、現在我々が占領下にあるという特殊の事情のために、或る程度最終決定権者の恩恵をも、或る程度の知識を以てやることが必要ではないかというような感じもいたしますので、その方とも或る程度やつた上に正式に米価審議会にいろいろ御相談を申上げるというようなことに、どうも時間的にならざるを得ないような関係があるのではないだろうか。ただ併し米価審議会設置の趣旨は先程も申上げましたような点にあるのでございまするし我々もそう思うのでありますけれども、できるだけ各方面の御意見正式の委員会というものを開きませんでもいろいろの機会、いろいろの方法によりまして御意見を聞かして頂いて、実質的には十分連絡の上にやり得るような行き方でやつて行くのが適当ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  109. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) そうしますと司令部とも折衝を終えて大体政府案なるものが決り、米価審議会にかけてまあ米価審議会の方の答申案が政府案とは別なものが出た場合に司令部に対しまして折衝をするかどうか、その点を一つつておきたいと思います。
  110. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) それはいろいろそのときのまあ答申の結果にも無論よると思いまするが、そういう場合につきましては又その際十分に御相談をしてみたいというふうに考えております。
  111. 土屋俊三

    ○土屋俊三君 米価のことについて先程からいろいろ長い間質疑応答もあつたしこれはなかなか当局でも御苦労なさつていることと思います。併し今の米価で五千五百円になろうが日本の農家で大変高くなつたと喜ぶ農家は一人もないということは明らかだろうと思います。農家それ自身が農業生産に魂を打込むこの米と肥料との関係、長い間自由経済の時代からの統計の上からいつて、交換して硫酸アンモニアは四等米は五叺半、或いは今は建値がございませんが大豆粕ならば十枚が標準だ、十二枚が割がいい、最も割が惡いときでも八枚だとこういつたようなことに最も痛切に感ずることは、食糧に魂を打込む肥料との交換、こういうようなことの標準というようなことも物価庁で考え査定して頂いたならば、大変農家が喜ぶということでなければならないのが、農家が上げてやつても余り喜ばない、こういうところへ追込まれていやしないか、尚細かい職人を農家で一日頼んでも或いは闇取引が行われておるかも知れません、一升の米を職人に持つて行かれてしまう、或いは人夫を頼んでも従来ならばお米ならば一升五合か二升で間に合つたものを、五升のお米を代金に換算すれば支拂わなければならん。牛一匹を購うのでも何十俵という米を支拂わなければ一頭の牛が入らない。これらのことも考慮をされて物価庁で検討されて米価を定めて頂くことも必要だと思うのであります。お願い申上げます。
  112. 瀧井治三郎

    ○瀧井治三郎君 ちよつとお尋ねしたいのですが、大体五千二、三百円であればいろいろ各機関を通して米価が決まれば、不満でありながらも生産農家はそれについて供出は喜びはしないが併しずつとやつて参つたのでありますが、大体この許されておる保有米であるとかいろいろな制度がありますが、保有米や何かもこれはそういうふうなことになつておりますが、関西方面では殆んど名ばかりで保有米ができない。それは近畿の例でありますが京都の例を取りますと、大体農林省からは平均一反二石一斗で下りて来るらしい。ところが農林省調査と都道府県の反別の調査に相当大きな開きがある。その不足分だけは府県で水増しをする、水増しをした結果平均二石一斗では中央から割当てられたところの供出ができないので相当に末端に負担が重くなる。現に京都で一反平均三石四斗の割当をされて供出をしておる。三石四斗の割当を受けましていわゆる飯米農家で僅かな反別を作つて家族の八人も十人も抱えておる農家は存外楽なんであります。二、三人の少数の家族で而も二町近くの専門農家になりますと殆んど保有米も手に残らない結局還元米を貰わなければいけない。還元米を貰うときには供出した価格とは相当幅のある高い価格でこれを還元をして貰わなければならん。而も還元を受けるときには米を出しておりながら米で貰えるか麦で貰えるか分らない。そういうような点が供出に非常に何といいますか、得心して出すのを嫌がるというような嫌いがありますので、喜んで供出さすのには最初から無理な割当をせずに、やはり都道府県であれば都道府県に大体調査もありますのですからその辺も一つ勘案して、無理のないところで大体割当をお決め願うと、府県の方でも還元米とか何とか等で中央と折衝するのにそれだけで一ヶ年何億という莫大な経費を使つて交渉なんかをやつております、かような現在の経済事情でありますので、そういうような無駄なり時間なりを省いて納得して喜んで供出するように一つ御勘案願いませんと、近畿地方では結局大きな農家程とにかく飯米にも苦しむ。而も一反三石四斗、六年というような割当をされておるというような農家も現在あるのであります。かようなことでは到底自家保有米は名ばかりであつて年々そういう者は保有できない。而も還元米を貰うときには米で貰えるか、麦で貰えるか、粉で貰えるか分らない。而も価格の開きがあるとうような面もございますので、これは今後とも一つ十分御勘案願つて、或る程度一つ自家保有米も残るものだというような気持を生産農家の力で持てば、中央で決まつた価格でたとえ安くても喜んで供出するのだと、私かように存じておりますので、一つその点御返答願いたいと思います。
  113. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 次官にお聞きしたいと思うのでありますが、どうも我々は終戰後日本の農業の本質を立てて、こうして行こうじやないかということを考えてそこで非常に研究を進めて来たが、まだ十分な案ができていない矢先に、朝鮮の動乱をきつかけといたしまして一割増産ということをお考えなつておるようですが、何を一割増産するつもりで今度御奬励になりますか。
  114. 山添利作

    説明員(山添利作君) これは無論米麦を中心として考えております。但しいももできるだけ反收を挙げるということにして、大豆のごときは大増産を行いたいところ考えております。
  115. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 どうも非常にやることと実際が沿うておらんので残念ですが、大豆の大増産を行いたいという考えを持つておりそこで輸入もしておられるようですが、二十四年度大豆も倉庫に積まれて非常に困つておる。何とか早く出そうとしても出ません。公団が金がなくて引取れないというので北海道大豆はそのままの形になつておりますが、増産々々といつてもあれでは大豆増産は困難です。だからとにかく米だけをやつたらどうだろうか、そうせんと麦も増産しろというこの声が大分拡がつてつて、麦と米との比重をどうとかしろと大蔵大臣が御自身そう言つておるのですが皆国民は知つておる。そういうことを言うただけではとても一割増産と言つても言うだけで駄目です。私は少しでもよいから多く作ろうと考えておるのだがそういう話では承知できない。
  116. 山添利作

    説明員(山添利作君) それは先程の麦と米価との比率の問題がありましたが麦の絶対額を下げるのじやない。これは若し一般に物価でも上るということなら上ります。米はその上に積み上げて行く思想ですから誤解のないように願います。
  117. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 米の高いのはよく知つておる。ところが大蔵大臣が出て半分ぐらい、五十か六十にしろと、こういう馬鹿なことを言つておる大臣だからまずい。なければどうして百姓に頼んで来たかということです。ないもんだから大豆増産しろ、増産しろと、輸入まで多くなつて来たものを今度は米以外はどうでもよいという行き方をするからいけない。どこまでも僕らは反対をする、そんなことをやるなら。何と政府が言つたつて僕らはその裏を掻いて行く。そんなことじや百姓は立つていかん。今の大豆つて大豆を本当に作つて貰わなければいかんということは分つておるに拘わらずそういう態度をとつては……。だから朝鮮動乱あんなものはちよつと起きたんだが、島国の人間であれば米であろうと麦であろうと何でも食うという気持にならなければいかん。そこで一割増産でも結構です。我々は大いに奬励もするがそれでなかつたらやりません。
  118. 三好始

    ○三好始君 米価問題で一言伺いたい。政府の方では正式に米価が決るのは大体いつ頃のつもりですか。又いつ頃それに決めようという体制をとつておりますか。
  119. 長谷川清

    説明員(長谷川清君) 成るべく来月上旬には決まることが望ましいと、こういうように考えておりますが、実は一昨日関係方面に参りましたときに、その方の担任の方が今アメリカに行つておりましてそれが帰られるのが下旬頃になるのじやないだろうか、今月の下旬頃、そういう関係もあるので、少し遅れるかも知れないという話を聞きまして、或いは若干延びるのではないかというふうに心配しておるわけであります。我々といたしましてはできるだけ一日も早く決めて頂きますように努力いたしたいと考えております。
  120. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  121. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 速記を始めて下さい。それでは本日の委員会はこれを以ちまして閉会といたしまして明日は十時から開催いたします。    午後五時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡田 宗司君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            土屋 俊三君            平沼彌太郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   説明員    農林事務次官  山添 利作君    農林大臣官房会    計課長     伊東 正義君    食糧庁長官   安孫子藤吉君    物価庁第二部長 長谷川 清君