○山川良一君 まあ御
質問申上げて
意見を申上げたいと思うのですけれども、時間がございませんから申上げませんが、先程
政務次官から、この分割についていろいろな陳情の来方、陳情と申しますか、大分世の中が静かに
なつて来たようだとおつしやいますけれども、私はその点は実質的にはやはり依然として強いものがあるだろうと思うのです。ただこういうことを申上げて、誠にどうかと思いますが、
日本人は泣く子と地頭に勝たれぬということがありまして、その点は佐々木さんと同じと思いますが、それでまあ
関係方面から
要請が来たのだから言
つたつて駄目じやないかという気分があるために、不満ながら多少おとなしく
なつているかも知れませんが、
一つは
電力代の点について多少考慮が佛われたからまあまあという点があるかも知れませんが、実質的には本当に国を憂うる者は、やはり
相当深刻に
考えて、あの九分割案を必ずしもいいと思
つておらぬと思います。それで世の中が静かだからまあ何とかなるだろうとい
考えでおられるのは少しどうかと私は思うのであります。
それから私はいろいろなことをもう
一つ申しますと、外にもおいでになるのですが、一番劈頭の
電力民主化
委員会の
委員もしておりましたし、いろいろな
関係で
電力問題に関心を持
つておりますし、又いろいろな
方面の人と
意見の交換もしておりますので、今度の見返
資金の
放出につきましても、私はこれは
日本側と申していいかと思いますが、
意見が余りにもまちまちで、どれの言うことを信用していいか分らない。それは
日本側からもいろいろな立場で、自分の立場の
都合のいい証拠書類、統計表を持
つている。で
向うではそれを判断する場合に、どれを本当と
考えていいか分らない。それでもう
一つ申述べますと、佐々木さんから大西総裁は変えてもいいじやないかという
お話がありましたが、そういう信用されない者を相手に金が貸せるかという
考えもなきにしもあらずではないか、そういうような気がしますので、私は九月の初め頃までには大体
日本側が、私は一応
政府が作られたものは議会を通さなければいけませんから、
日本側のまとま
つた意見ができ上るだろうというのは、そう簡單に行かんのじやないか。実は私は
與党の政調会長にもう少し具体的に申上げまして、その点單に
関係筋がこれに書いてあるような案を言
つておる。そこに
日本側が皆同調するだろう、そういう
見通しで、九月までに何とかなるだろうということは、私は率直に申上げて甘いのじやないかと思います。例えば最近では
電力の割当の問題でも、
一つこれは炭鉱ということでなしに交渉したこともありますが、必ずしもいかぬということを最後まで突張りはしない、私はそう思
つております。そういう幾つかの実例がありますから、
関係方面の九分創案を、これから
日本側は絶対に、まあ大体あれでいいということならば別でございますが、ですけれども、
関係方面から
相当に強硬に言うからということだけで、あれを強行されるような案を作るのは、私はどうかと思いますので、少し言い過ぎだ
つたかも知れませんが、まあそこは慣れないから御勘弁願いたいと思います。それで私は案外おとなしいから、前提は少し甘いのではないか、
関係筋では強硬のようでありますけれども、今の見返
資金の問題にしても私は何とか打開し得るだろうと思うのであります。それを打開し得るためには
日本側が、
日本側といいましても我々は入りたくないのでありますけれども、
日本の
電力関係の人が、そういうことならば分割はまだできなくても、或いは分割案そのものができなくても、そういうことならば貸すという信用を得る——と言うと語弊があるかも知れませんが——ということに必ず行けるだろうと思
つております。そこまで行きますには次官の御
意見を聞きませんと……私は結論だけを申上げましたけれども、結論がドグマ過ぎたかも知れませんけれども、そういうふうに
考えましたので
一つ強く
折衝願いたい。