○平林太一君 私から発言いたしたいと思います。
只今までの経過で、
電波監理委員会、
水産庁の御
意見を拜聽いたしたのであります。
委員会といたしましては、
水橋君より御質疑がありまして、承わ
つたのでありますが、その場合、私は極めて公正な見地に立ちましてこの問題の是非に対する私の所懷を明確にいたしたいと思う。これに対して
水産庁当局及び
監理委員会において同意の場合は答弁の必要はない。若し私の
意見に対して反対の御意向があるならば、私の発言の後においてその理由を明確にせられたいということを、前提に申上げて置きます。
只今承わりましても、誠にこの問題は、当
委員会にかけて
検討するというような問題が、
水産庁当局において考えられておりまする今回の
利用制限の
事柄、それに対しましては、私はそれほどのものでない、極めて兒戯に等しいところの
事柄でないかと考える。
水産庁当局の考えておられる——今回の
漁業無線の処置に対する
水産庁当局の
お話を聞いておりまして、全くこれは私から申せば、いわゆる従来の我が国の官僚の、極めて戒めなければならない
行政官僚職場の、いわゆる新しい
一つの風を作
つて、次から次にとその職場を作
つて行くという
一つの意図、陰謀に過ぎない。いわゆる
水産庁の中に
漁業無線課というものがおのずから作られるであろう。課ができなければ係りだけは置かなければならないであろう。こういうことで、いわゆる人的において何か
一つの新しい機構を作
つて、そこへ官僚を温存し、官僚がそこに、いわゆる昔の言葉でいえば、君臨するというようなことを考えている
一つのコースとしてこれは考えられたものである。政治的に申せばまさに
電波行政に対する
水産庁の陰謀であると断定して憚らないものである。今
水産庁の
お話を聞いておりましても、
監理委員会及び
電波庁に、このことはいわゆる相対の上でこういう処置にして貰いたい、こういう方法によ
つて漁業無線に対しては、いわゆる
漁業家を育成する
水産庁として、こうして欲しい、こういう
趣旨でや
つて欲しいということで話が済むわけである。若しこれに対して
監理委員会なりが、さようなことは罷りならんといつた場合には、これは別である。併しいやしくも最近発足した
電波法によるこの職務を遂行する
委員会や
電波庁が。そうようなことを反対する理由はあり得ない。私ははつきり申上げて置きます。その後付かここで法律を新しく作る。その作るという中にも又それほどの権限でない、何か話合いで行く、どちらも
一つ話合いで行こうじやありませんかというようなことで行くのだということでありますが、如何にも根拠不明確でありまして、朦朧模糊としているということは、何かその
電波を通じて
漁業無線を国家のために真に育成して行くということ以外に自己のいわゆる勢力、権限をそこに新しく作ろうというようなものがあるのであるということを私は政治的に考えざるを得ない。先づこれはその通りである。考えれば官僚制度というのもが依然として長い間の官僚制度の惰性によりまして、そういう習慣が拔けないのは甚だ遺憾に思う。今日の国家の
現状が、如何に
行政を簡素化して、地方税の問題においては我々は忍び難き相当苦しいものであるということを
承知しながらも、止むを得ない国家の態勢において賛成して今日施行しているが、これを負担するところの国民の担税力というものから生ずるところの苦難というものは容易ならざるものである。できるだけ
行政上の新たな機構というものは、これは廃止統合して簡素化して行かなければならん。この問題は、新たに
一つ水産庁の中に又それを作ろうというのであるのでありまして、先般も元帥と大統領がウエーキ島で会見した。私の知るところによれば、元帥は曾極東防衞軍の司令官としてマニラに駐屯して以来、十年内外の時
日本国に帰
つていない。大統領とも十年来で会
つたのである。ところがそのウエーキ島の会見というものが、僅か一時間か二時間で、
一つの会食もせずに極めて簡素の間に用務だけを果して双方ともすつとその任地に帰
つてしまつた。わが国の官僚はこれに対して恥かしい気がしないだろうか。実に私は感慨無量である。先頃総理大臣が関西に行くについて、一等車を借切
つて四十万円も支拂われている。一族郎党を引連れて関西から帰
つて来たということが今日の
新聞に
見えているが、上がこういうことをするから下これに習うのである。だから今日も
水産庁の
一つの新しい機構を作る、そうして国家の、国民の税をそれだけ多く官僚の勢力下に置こう、これは以ての外のことである。これを論議する必要はない。速かに
水産庁当局は白紙に還
つていわゆる
電波監理委員会、所管の
電波監理庁に向
つて、足らざるところを、水産
行政上いわゆる
漁業家を育成、保護するために必要なる措置を、
行政的に連絡をと
つてこの問題を解決して然るべきだと思う。それ以外にこれは何ものもありません。
先ほど水産庁当局は、理窟は別だということを申したのでありますが、これは官僚としては非常に越権不遜の言葉である。我々は国会の
審議をするときに、理窟というものを除外したならば、ことごとく世の中は権力者支配下に置かれる。理窟とは、よく申上げて置くが、正義である。理窟とは、民主主義的な民意を代表したものが理窟だ。従
つてそれが正義である。かようなことを除外して云々ということを言われたが、かような思想、かような考えは今日以後拂拭せられたい。
以上を以ちまして私の本問題に対する所懷を明らかにいたしたいと思います。