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1950-07-27 第8回国会 参議院 電気通信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十七日(木曜日)    午前十時二十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件電波行政に関する調査の件   —————————————
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 只今から開会いたします。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 先日要求いたしましたので、手許日本放送協会事業計画收支予算資金計画というようなのが配付されたのであります。私が知りたいと思いますのは、日本放送協会が新らしい法律によりまして新らしい性格を持つて発足をしたのでありますが、発足して今後日本放送協会が従来の社団法人違つた方向に進まれるということはこれはもう当然予想されるわけであります。そこで第一回といいますか、設立委員会等において論議された点及び日本放送協会発足いたしましてから、今日までどういう方向に向つて新らしく進んで行こうとされておるか。この点について、これはむしろ国民がやはり知りたがつている点だと思うのであります。電波監理委員会の方からもお答えを願いたいし、前回要求いたしておりましたように、放送協会会長が来ておられれば、会長からもその点について詳細に御説明願つて、我々もそれを国民の方に知らせるという義務があると思うのでありますが、先ずその点について新らしい性格を持つた日本放送協会発足に当つてどういう方針で以て今後放送事業の普及をしようとしているか。法律の第一条に書いてありますように、普く全国民放送を聴けるように措置するのが日本放送協会目的であるというのでありますが、それに対して、どういうふうな計画を持つて、どういうような方向に進んでおられるか、その点が先ず伺いたい点であります。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) その前にちよつと私より新谷委員にお断りをして置かなければならんことがありますが、それは本日日本放送協会会長の古垣君の御出席を願うことを交渉いたしましたが、あいにく今日CCSの方にどうしても行かなければならんというような問題があるので、今日の出席ができないということを了承して貰いたいという正式の使者が向うからありました。止むを得ないことだろうということでさよう承知いたしたわけであります。代理等出席については昨日こちらの方と向うと打合せを委員部の方からもしたようでありますけれども、本日は代理も参つておりません。と申しますことは、予算その他の問題もあるであろうから、古垣会長でなければ都合が惡いと思うから、代理は出さない方がよいものと思う、こういう希望もあつたようでありますが、どうぞ御了承願います。
  5. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 そうすると次の機会には出て……。
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 当然出て貰わねばならんというふうに考えております。
  7. 水橋藤作

    水橋藤作君 次の機会と申しますと、本国会中にありますか。
  8. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 若しそういうことが必要であつてですね、会長出席をお願いして、一つ会合を開こうということであれば、三十一日に作れると思います。それまででございます。
  9. 水橋藤作

    水橋藤作君 これは会長でなくとも、外に代理をできる人がありそうなものですが、誠意が認められないのですが、会長でなくてもそれを代表する人がいる筈だから、もつと誠意を持つて貰いたいですな。
  10. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 尚一つその点は本日は遺憾ながら御出席がありませんが、後刻御相談をいたしまして、三十一日に来て頂けるかどうかといつたようなことを決めたいと思います。  新谷君の先程の御質疑に対しては政府委員から……。
  11. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今の御質問に対しまして、電波監理委員会といたしまして承知いたしておりますところを申上げようと思います。  すでに皆様方御承知のごとく、旧日本放送協会から新らしい公共企業体としての財団法人日本放送協会に改組するに当りましては、十名の設立委員が任命されまして、改組事務全般に亘りまして審議いたしました結果、お手許に差上げましたような收支予算並びに事業計画資金計画を作成いたしまして、電気通信大臣の認可を受けて五月三十一日にこれを新たに会長になるべきお方に引継いだのでございます。又一方法律によりまして規定されておりますところのいわゆる経営委員全国から八名の方々が選定されまして、これも去る五月九日、前回の国会におきまして認められ、総理大臣が指名をされて参つたような次第でございます。で、先程お話もございましたごとく、新らしい日本放送協会公共或いは国民福利増進ということを先ず第一に考えなければならんのでございまして、そういう観点から設立委員事業計画なり全般を睨んで答申されたもののごとく承つておるのでありますが、日本放送局自体が新たにそういう観点から定款を作り直しまして、六月一日から新発足をしておるように存じておるのであります。やや具体的に申上げますと、職員の異動等も六月一日以降新たな観点から行なわれまして一気分を一掃して、その性格にふさわしいような陣容を整えたと存じておるのであります。今年度以降の放送協会事業運営方針といたしまして、未だ私共正式に放送協会から一つの成文というようなもので届出その他の何も受けておりませんけれども、窺い知るところによりますと、番組の上におきましては、努めて国民一般希望或いは必要に応えるべく努めておるようでございます。特に第一放送と第二放送との間におきまして、できるだけ調和のある総合的な番組の編成を企画しておるように存ずるのであります。又一方先程もお話にありましたごとく、全国遍ねく受信し得るように放送設備を拡充整備して行くということに努めておりまして、お手許事業計画の中にもございますごとく、本年度におきましても相当新らしい局、或いは電力の増大の計画も載つておるような次第でございます。併しながらいろいろ協会経済面その他いろいろの最近の時局等の問題もございまして、今申上げました拡充計画等も重点的にこれを行なつて行かなければならないという点は、この際考えなければならないのではないかと我々考えておる次第でございます。尚いろいろ具体的に申上げたいのでございますけれども、今の段階におきましては、筒詳細に申上げるところに至つておりませんので、概略を申上げさせて頂いたわけであります。
  12. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 監理委員会の方に余り具体的に要求するということはこれは無理と思いますので、詳細に亘つては控えますが、要するに日本放送協会法律の第七条にもありますように、遍ねく全国に受信できるように放送を行うことを目的とするという、この目的従つてすべての努力を傾注しなければならん、そこに初めて国家の保護もあり、又いろいろの法律上の特典も与えられておるゆえんがあると思うのでございまして、その意味から言いますと、極く端的に申しますと、一つ只今日本の各地でまだ全然放送が聞けない場所があるのであります。これは一面において放送する送信の施設の方との関係もありましようが、一面においてはやはり受信機との関係も生じて来るのであります。こういう点をなくするのには、日本放送協会が全力を挙げなければならんということは、法律の正面からこれは言つておるのであります。只今長官の御説明のような番組をできるだけ国民の要望に従つて変えるということは、これは当然のことでありますが、それよりももつと大きなことは聞えないというような場所がないようにするというのが第一の目的だろうと思うのでありますが、事業計画なり或いは予算面を見ますると、そういう点がはつきり現われていないのであります。できるだけやると書いてあるだけであつて、できるだけやるのはこれは当然でありますけれども、それを例えば何ケ年かにこういうような放送設備をして、或いは受信機改善をして、こういうようにすれば全国遍ねく聞けるのだということが、少しも現われていないのであります。この点は従来の日本放送協会の当時とそう大して方針変りはないのではないかという印象を受けるのであります。この点非常に私は遺憾に思うのであります。今直ぐにそういう大きな計画を立てて行つてもいいかもしれませんが、これは電波監理委員会におかれましても、日本放送協会を督励して頂いて少くともここ三年、五年、或いは長ければ十年という計画の下に、必ず日本全国に聞えない部分はなくするというような計画を立てて頂く、国民にそれを示してやるだけの義務が、私は当然あるだろうと思うのであります。この点監理委員会に強く要望する次第であります。
  13. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) これはお答えと申すのは適当でないかも存じませんが、御趣旨はよく了解いたしました。新谷さんは前の電波三法案以来、特に放送関係におきましても御尽力を願つておるのでありまして、私などよりもむしろ精通しておられるのでありますから、私が御答弁申上げる筋ではありませんが、お話の向を今承つておりまして、誠に御尤も千万であると存ずることばかりであります。法律趣旨電波を公平にそうして遍ねく国民に開放するという精神にあることは御言葉の通りでありまして、それを実現するには今おつしやつたように、設備を隈なく全国に行渡らせるということ、一面におきましては、これを聴く方の側で備える受信機等改善についても万全を尽す、この両方面から行つて初めて法律趣旨が通るのではないかと思うのであります。設備の点になりますというと、申すまでもなく予算を伴うことでありまして、金と睨み合せながら最善を尽しておると存じておりまするし、又しなければならんと存じております。今御指摘になりました計画がおつしやるようにまだ十分でないという点は、これは御説の通りであると申さなければならんかと存じまするが、それも予算の方、金の方と睨み合せながらのことでありまして、心ならずもさようなまだ十分でない程度ではないかと存じております。併しこのままでいいと思つているわけでは決してないのでありまして、私共といたしましても、私共の責任の範囲におきまして、その点に十分の意を留めて督励をいたし、御趣旨に副うように今後とも遺憾なきように尽したいと存じております。御趣旨はよく了解をいたしましたということを、答弁ではありませんけれどもこの際申上げて置く次第であります。
  14. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 もう一度お伺いしたいのでありますが、先般のこの委員会で網島副委員長からの御答弁で、今非常に沢山の民間放送会社の申請が出ておるのであります。併し巷間伝えられるように、今の受信機に何がしかの改良設備をして幾分でも聴えるようになれば、それを基にして民間放送会社の数を決めるのではないかというような点については、そうではない、現在の国民の持つておる受信機標準にして民間放送会社の許可の数も決めて行かなければならんというお答えがありまして、その点は私満足するのでありますが、仮にそういたしますと、現在の受信機程度で、一つのエリヤで大体どのくらいの電波が分離してやれるかと言いますと、これは法律案の審議のときに、大体アンテナを立てたりアースを入れたり完全に設備すれば、五つぐらいだろうという答弁があつたのであります。その点は今でも変りはないのでしようか、いろいろの放送設備の方の工夫をすれば尚若干殖え得るのか、或いは今申上げた程度であるか、私はこれについても意見があるのでありまして、大都市でも戰災で殆んど住宅がやられておりまして、みんな小さなバラツクに住んでおりますけれども、例えば十メートルなら十メートルというようなアンテナを張るということは到底できない、事実上困難であります。そういう点から言うと、もつと制約せられて、或いは全然今の受信機では許すことができないじやないかというようなことまで考えさせられるのであります。十何メーターのアンテナ各戸ごとに張らなければならん、そういつた点も技術的な面の問題でありますが、長官からお答えを願いたいと思います。
  15. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) お答え申上げます。只今いろいろ放送法御審議願いましたときからも引続いて電波割当問題につきまして私共研究を続けておるのでございますが、今までの見通しといたしましては、大体一都市或いは一地域内に五局乃至六局、六局は非常にむずかしいと思います。と申上げますのは、現在日本において広く使われておりますところの電波は大体千五百KCぐらいまでしか聞えません。併し国際的に放送都市割当てが可能であるように決められました電波は千六百まででございますので、千五百から千六百までの間を使用いたしますと、局はもつと殖えるのでございますけれども、現在日本にございます広く使われております受信機を対象にいたしますと、どうしても五局ぐらいがせいぜいではないだろうか、電波割当を具体的にいろいろ工夫いたしますと、或る地域においては六局が可能になるところも出て来るかと思いますが、そういう状態だと御承知願いたいと思います。尚その場合我々が標準といたしておりますところの受信機は、最も日本におきまして広く普及しておるものを土台にとつて、而も先程お話がございましたが、アンテナとか、アースとかいうものについて特別の手当もしない現在広く使われておる受信機で、而も現に使われておる状態標準にしてどんな工合に波を配置できるかということを検討いたしております。尚この前大体電波監理委員会委員長からの所管事項説明の中にもございましたごとく、放送局並にその他の無線局の開設の根本基準を目下考慮中でございましたが、これは広く聴聞にかけまして、一般の声を聞きました上で新たに決定する考えでございますが、その場合放送につきましては、どのくらい波長を離したならばこのくらいの混信状態になる、これならば一般人として我慢できる、我慢できるからこれならば民間放送をそれに準じて許して行つたらどうかという基準を作るためのいろいろデータを私共用意いたしておりますので、公聴会等におきましていろいろ基準を審議して頂きますときには、具体的にこの程度波長割当をすればこんな状態になるということも実際に試聴して頂きまして決めて行きたい、こう考えておる次第であります。蛇足でございますが、附加えて御説明申上げます。
  16. 水橋藤作

    水橋藤作君 ちよつとお伺いしたいのですが、朝鮮事件が起きる前とそれから起きてから後の電波及び放送に関連いたしまして、変つた事態があるかないか、一応御説明願いたい。
  17. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 御説明申上げます。朝鮮事件が起りましてから後、一般放送以外の面におきましては、只今のところ何ら変つておりません。新らしい朝鮮問題に基いて起つて来たと思われるような問題は今のところございません。ただ一、二電波の混信問題のために、外の波長に変えなければならないというようなことが起つて来たのがございますけれども、それも直接朝鮮の問題とは関連しないと私達考えております。  次に放送の問題でございますが、これは速記を止めて頂いたがよいと思いますが……。
  18. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君)速記を止めて……。    午前十時五十一分速記中止    ——————————    午後零時四十九分速記開始
  19. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記を始めて下さい。本日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時五十分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員           橋本萬右衞門君            鈴木 恭一君            山田 節男君            水橋 藤作君            平林 太一君   政府委員    電波監理委員会    委員長     富安 謙次君    電波監理長官  長谷 愼一君    電気通信政務次    官       加藤隆太郎