運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-11-17 第8回国会 参議院 通商産業委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十七日(金曜日)    午後一時四十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (小滝炭鉱に対する見返資金融資問  題に関する件)  (輸入古衣料に関する件)   —————————————
  2. 結城安次

    理事結城安次君) それでは只今から開会いたします。  今日の日程は小滝炭鉱中心といたしまして見返資金融資に関する件並びに鉱業法案採石法案の審議であります。見返資金融資に関しまする件は去る八日の委員会首藤通産政務次官より次回に延期方の申入れがありました、これを了承いたしました次第で、本日の委員会は先ず最初に小滝炭鉱問題を議題といたしたいと思います。委員部から、委員部事務局を通じまして政府側出席要求を行わしめましたところ、通産省側大臣以下関係者出席いたします。官房長官要求資料を持つて出席の予定であります。但し大蔵大臣は今明日ともに出席不可能の旨返事がありました。
  3. 西田隆男

    西田隆男君 通産大臣やら、政務次官や、資源庁長官が見えないようでございますが。
  4. 結城安次

    理事結城安次君) 今、炭政局長だけ見えておりますが、大蔵政務次官と……。
  5. 西田隆男

    西田隆男君 この前からの質問の見返資金について大臣、次官、資源庁長官にニ、三質問しておるので、その点再確認しないと質問が進められんわけでありますから御出席をお願いいたします。
  6. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  7. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を始めて下さい。
  8. 西田隆男

    西田隆男君 私はこの前の通産委員会におきまして見返資金放出に関する調査の問題で通産大臣政務次官資源庁長官等に対して小滝炭鉱の見返資金が果して適当な條件の下に出されておつたかどうかという問題について二三質問をいたしました。その質問要点とするところは二十五年度の炭鉱に対する見返資金引当が二十二億の中に中小炭鉱引当額が八千万円あるということを政府答弁をされておるが、その八千万円の三分の一にも等しい二千五百万円という見返資金小滝炭鉱に出すということの決定をした理由はどこにあるか。こういう質問をしたのに対して通産大臣は、これは小滝炭鉱生産炭が強粘結炭であり、製鉄所用原料炭であるからだというお答えがありました。私は重ねて資源庁長官に対して小滝炭鉱産出炭の熱量と灰分はどうなつておるかという質問をいたしました。この質問に対して長官灰分は四〇%で歩留りは五五%というお答えがありました。重ねてそれでは日本内地生産されておる超粘結炭であり原料炭であるものの灰分はどうなつておるか、この質問に対して長官は二〇%以下であるという御答弁を頂きました。そこで私は本日これに連続した質問をするわけでありますが、私達は見返資金放出に関してその真相を国民の前に伝えるという建前で質問をするわけでありまするが故に、今まで政府当局が衆議院の通産委員会等においてお答えなつておるその答弁に拘泥されて、ただ徒らに自分達答弁したことを裏書するということに重点を置いて御答弁をなさらずに、本当に小滝炭鉱に見返資金を出された真相を良心的にお答えを願いたい。と同時に今まで私が前委員会において質問した答弁に対する確認をして頂きたいと考えます。
  9. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 前回西田さんの御質問お答え申上げました中に、ちよつと私の考え違いだつた点がございますのでその点を訂正させて頂きたいと存じます。と申しますのは只今お話がございましたように、灰分四〇%の場合に歩留り五五%と申したのでございますが、これは原炭灰分が四〇%の場合におきまして歩留り五五%、かような意味でございますので、その点訂正させて頂きたいと存じます。  それから尚日本での粘結炭の普通の灰分がどの程度かというお尋ねに対しまして、私ちよつと詳細に具体的な数字を存じませんでしたので、実は四〇%以下と申上げて説明して置きましたのですが、以下と申上げたことはこれは間違いでございまして二〇%から二五%ぐらいでありますからこの二点をちよつと訂正させて頂きます。
  10. 西田隆男

    西田隆男君 長官にお尋ねします。灰分の問題について原炭灰分は四〇%の場合に歩留り五五%ということは、これはどういうことを大体意味するのですか。
  11. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 今日は炭政課長が参つておりますので炭政課長から説明をいたします。
  12. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 原表灰分四〇%と申しますのは、坑内で掘りましてそれを坑口に出すまでに選炭いたしまして選炭いたしましたときの灰分が四〇%、こういうわけでございます。従つて坑内で掘つたそのままの炭であればもつと灰分が多いという場合も起り得るわけであり示すが、それを更に選炭いたしまして四〇%、こういうふうにいたした場合のものであります、
  13. 西田隆男

    西田隆男君 私は納得が行きませんが、原炭というものは石炭それ自身が持つておる、石炭として固定しておる固体そのものの持つておる灰分のことを言うのであろうと思うのですが、今炭政課長お話を聞くと、坑内で掘つた原表、それが選炭をした場合が五五%の歩留りのときが四〇%だというかうにも受取れるし、坑内において石炭を掘つたそのままの原炭、その場合が四〇%というふうにも受取れるし、それの一体どつちなんですか。
  14. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 坑内で掘りました場合に、ボタや或いは又來みが非常に多ければそのまま全部これを積出します。と非常に灰分が多いわけであります。これを坑内においてボタボタというふうにできるだけ分けて送り出すということになればそこで灰分の率は減る。こういう意味坑内選炭いたしまして送り出す。そういう場合に灰分の四〇%の場合に歩留りが五五%、こういうふうに言うのであります。
  15. 西田隆男

    西田隆男君 どうも分らんのですがこういう意味ですか。坑内炭層そのものから石炭を手で掘るか、或いは発破採炭するか分りませんが、いずれにせよ坑内石炭として炭車に積んで坑外に運び出す場合をあなたは原炭とおつしやつておるのですか。
  16. 中島征帆

    説明員中島征帆君) その場合は原炭と申しております。もう少し別の角度で申しますと、仮に坑内炭層の状況で極めてボタが多いという場合に、これを坑内から送り出す場合の灰分を少くするために坑内でかなりボタを澤り分けしますと結局能率関係するわけです。坑内でそれだけの作業をするということは採炭の能率がそのまま出したのと違つて来る、こういつた差が出て来ます。要するに坑口から出す場合の原表の四〇%と、こういうことになるわけであります。
  17. 西田隆男

    西田隆男君 御答弁はなるべく要点だけを簡潔にお願いいたします。私のお尋ねしておるのは、あなたの言われる原炭というのは、坑内で採掘されたものが坑外に搬出されたときの状態原炭とおつしやるのかどうかということをお尋ねしておるのです。これに対する御答弁を願いたい。
  18. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 坑内から出る一ときのものを原炭と申します。
  19. 西田隆男

    西田隆男君 そうすると、灰分の四〇%ということは、坑内で採掘された石炭運搬用具によつて坑外まで出されたときの灰分状態が四〇%という意味ですか。
  20. 中島征帆

    説明員中島征帆君) さようでございます。
  21. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと歩留り五五%というのはどういうことになるのですか。
  22. 中島征帆

    説明員中島征帆君) それを選炭いたしまして、製鉄用炭になり得る程度に洗いましたときの歩留りを申します。
  23. 西田隆男

    西田隆男君 その場合は長官お答えになつたのとあなたがお答えになつたのとでは違うのじやありませんか。長官がおつしやる意味は、いわゆる坑内で掘つたものが坑外に搬出されたときの状態灰分が四〇%という意味ではありませんか。選炭された後の灰分が四〇%という意味ですか。その坑内から搬出された一定の量のその灰分四〇%にすれば歩留りは五五%にしかならんとこういうことじやないですか。
  24. 中島征帆

    説明員中島征帆君) もう一遍私が申上げますが、坑内から坑口に出て来ますときの灰分が四〇%、これは原表の場合でありますが、それを更に選炭機にかけて灰分の一五%乃至三〇%ぐらいに分けるわけであります。そのとき一五%乃至三〇%、平均いたましてさつき長官の申しました通り二四—五%になるわけですが、それだけに落すまでの歩留りが五五%乃至七%となる。こういうわけであります。
  25. 西田隆男

    西田隆男君 それでは長官お答えになつたのは、坑内から出た原炭は四〇%の灰分で、原料炭として使うようにするためには止留りは五五%になるという御答弁と解釈してよろしうございますか。
  26. 中島征帆

    説明員中島征帆君) その通りでつす。
  27. 西田隆男

    西田隆男君 まあそれはその通りにして置きましようどうせこれは後で出て来ますから。  日本内地で使われておる製鉄用原料炭灰分長官は二五%から四〇%とこの前の御答弁を御訂正になりましたが、二五%程度のものも使われておるようですが、製鉄所の方で喜んで使う石炭とういうものは、大体灰分は二〇%以下と私は了解しております。然らば小滝炭鉱石炭灰分二〇%にするためには今言いました通り五五%の歩留りになるということを、炭政局長から開きましたが、絶対に間違いありませんね。
  28. 中島征帆

    説明員中島征帆君) これは数回各機関で調査いたしました結果でありまして、いろいろな数字を合わせて考えたのでありますが、その平均をとりまして五五%乃至七%こういうわけであります。
  29. 西田隆男

    西田隆男君 それはどういう方法資料をとられてどういう方法選炭をされたのですか。その資料の採取の仕方は量的にどの程度の量を資料としてそういう選炭方法をとられて、そういう灰分のことを確認したのか、それについて具体的に御説明願いたい。
  30. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 採掘の試験方法とそれから試験の量につきまして、ちよつと只今手許資料がございませんが、試験を行いました月と場所はお手許に配付した資料にございますように、二十三年の三月に日本鋼管で第一回をやりました。九月に配炭公団、二十四年の二月に八幡製鉄所八幡製鉄所で同じく三月にもう一回、十月におきまして燃研で一回やつております。その全体の歩留り平均が五七・二、こういうことになつております。
  31. 西田隆男

    西田隆男君 その資料小滝炭鉱のどこの資料を採られたのですか。
  32. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 二十四年の二月の四日に八幡試験をしたものがございますが、それは切込炭を一貨車十トン、それから手選灰を〇・五トン、これだけの資料をとつております。そうして坑内から出た炭をそのまま使つているわけです。
  33. 西田隆男

    西田隆男君 今からお尋ねすることは、大蔵省関係のあることは大蔵省当局の人から、通産省関係のあることは通産省の方から御答弁なつて下さい。
  34. 結城安次

    理事結城安次君) 官房長官も見えましたから同時に……。
  35. 西田隆男

    西田隆男君 私は官房長官出席要求しておりません。お尋ねしますが、小滝炭鉱の見返資金申請はいつあつたのですか。その際の事業計画はどうなつておりますか。この点を御説明願います。
  36. 大島寛一

    説明員大島寛一君) お答えいたします。  小滝炭鉱株式会社から見返賛金貸付申請書が提出されまして、これを大蔵省において受理いたしましたのは三十四年九月十三日であります。その内容の主なる点を申上げますと、小滝炭鉱開発資金といたしまして二千五百万円の設備資金申請でございます。
  37. 西田隆男

    西田隆男君 これは通産省当局にお尋ねいたしますが、今大蔵省お話を聞きますと、小滝炭鉱の見返資金申請は二十四年の九月十三日附で大蔵省に廻つて来た。而もその際の金額は二千五百万円となつておつたという御答弁でありますが、通産省の方は、この二十四年の九月十三日に小滝炭鉱に対する見返資金放出方大蔵省申請される場合に、計画金額は二千五百万円と決定されておつたからこうなつたんだろうと思うのですが、この点を一つ答弁願います。
  38. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 昨年度の計画におきましては小滝炭鉱は二千五百万円としりて取扱つております。
  39. 西田隆男

    西田隆男君 通産省小滝炭鉱融資額を二千五百万円と決定された理由を御説明願いたい。
  40. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 小滝炭鉱は一昨年から策定新炭鉱と指定されまして、いわゆる新規開発を進められておつたわけですが、これに対しまして復金融資方が出ておりまして、事業につきまてのいろいろな準備進めておるのでありますが、その当初の新規設備計画を完成させるために、二千五百万円程度の金は必ず要つるという認定をいたしまして、これだけの数字を認めたわけでございます。
  41. 西田隆男

    西田隆男君 通産省にお尋ねしますが、それでは小滝炭鉱復金から二千六百万円の金を借りて事業計画を立て事業の遂行をやつてつた筈ですが、それに関して通産省では二十四年度の九月十三日に大蔵省申請をされる前に、その点について十二分の御調査をされたかどうか、その点をお尋ねいたします。
  42. 中島征帆

    説明員中島征帆君) いつだつたかはつきりいたしておりませんが、十月頃に向うに参りまして現地調査をいたしております。り
  43. 西田隆男

    西田隆男君 見返資金放出に関し、通産省大蔵省との間で、大蔵省ではもう九月十三日に通産省の方から申請と申しますか、書類を受取つておると大蔵省では御答弁なつておる。然るに通産省では、二十四年の十月になつてから小滝炭鉱復金融資が果して適正に使われておるかどうかということをお調査になつたとおつしやつておるが、原局である通産省大蔵省申請後に炭鉱調査に行かれるというのはどういうわけであるか。恐らく調査に行かれて後に申請されるのが、私は原局としては本当ではなかろうかと思うがこの点の御説明を願いたい。
  44. 中島征帆

    説明員中島征帆君) その前に地質調査はいたしておりました。
  45. 西田隆男

    西田隆男君 私は地質調査をされたかどうかという問題をお尋ねしておるのでなく、復金からの二千六百万円の借入金小滝炭鉱で適正に使つておるかどうか見極わめなければ、次の見返資金放出に対して監督官庁たる原局通産省大蔵省に二千五百万円の申請をされる筈がない。だからそれを何故前にされていないのかという理由を聞きたい。私の質問に対しては要点お答え願いたい。
  46. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 西田君にお答えいたします。只今の御質問は誠に御尤もでありまするが、御承知通り見返資金貸出決定権大蔵省にあるのでありまして、通産省といたしましては、その山に対する融資決定その他の関係は関知しないのであります。ただこの山が貸出の価値があるか否かという点に重点を置いて調査をいたしておりました。その他は挙げて大蔵省の方が実際に貸出をいたしまする際にその調査をすべきであると了解をしておるのであります。
  47. 西田隆男

    西田隆男君 今政務次官から御答弁を聞きましたが、私はそういう質問をしておるのではありません。もう少し本当に要点だけを一つ簡潔にお聞きしたい。  それでは大蔵省からお答えなつてもいいですが、見返資金を出されまするまでに取らねばならん手続と、どういう順序でするかということを先にお伺いいたしたい。
  48. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 見返資金私企業に対する融資手続一般のことにつきまして御説明を申上げます。見返資金私企業に対する融資に対しましては、まず各省からそれぞれ所管業種につきまして、こういう設備のため、これだけの融資を適当と認めるという希望安定本部に集まりまして、安定本部におきましてそれをいろいろ勘案いたしまして一つ計画案ができます。それを基礎にいたしまして個々の一企業から大蔵大臣宛に実際の融資の申、請書が出て参ります。昨年度におきましてはこれを見返資金貸付申請書と申しておりましたが、本年度におきましては、その制度を若干改めまして見返資金貸付申請書と呼んでおります。その申請書を受付けました上で審査をいたしまして可と認めますときは、その大綱につきまして閣議の決定を経ましてその実行をするわけであります。尚この間融資実行につきましては連合軍司令部許可を要することになつておりますので、大蔵省としましては決定したものにつきまして総司令部申請をいたしまして、許可がありましたならばその許可内容條件に従いまして実行いたしておるわけであります。以上が見返資金私企業に対する貸付手続の大要でございます。
  49. 西田隆男

    西田隆男君 今の御説明を聞いておりますと、監督官庁である資源庁通産省は、見返資金放出に関しては、特に石炭に関しては何ら発言権もなく、諮問も受けないというように聞きますが、そんなことになつておるのですか。
  50. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 説明を若干補足申上げますと、先ず運営計画というものができるわけでございます。その運営計画安定本部中心となりまして作りますにつきまして、石炭で申しますならば資源庁、その他の業種で申しますならばそれぞれの所管各省がございます。そういうところから安定本部に対しまして原案要求と申しまするかそういうものを出すわけでございます。そこにおきまして第一次的に計画を作りますまでにそれぞれ所管各省意見希望というものが出されるわけであります。  次に個々の案件の審査段階に入り、ました場合におきまして、大蔵省としましてはその計画基礎にして審査をするわけでございまするけれども、いろいろ技術的な方面、生産その他の関係等におきまして審査の必要があると考えまする場合におきまして、やはり原局と密なる連絡をとりまして、その意見を聞いて参考にしておるわけでございます。
  51. 西田隆男

    西田隆男君 只今の御説明を聞いておりますと、結局見返資金の問題は安本で総合的な計画を立てる、言い換えれば石炭なら石炭に何十億ぐらいは融資をせねばなるまいという計画を立てる。そうすると今度は、安本としてはその監督官庁である資源庁に対して、二十二億なら二十二億の見返資金炭鉱に出すことになつておる。資源庁意見はどうかと聞かれる。資源庁としてみれば、それに対して今度は個々炭鉱についての見返資金の出されるものに対して、十分技術的に検討した上でかくかくの通りにし貰いたいという話合安本と進める。そうすることによつて個々炭鉱のものが一応決定した状態なつ大蔵省に持つて行く。それを大蔵省としてはその個々のものについて再びあらゆる調査をして適当であると認めた額を決定して、今度は占領軍司令部の方に了解を求める。そうして司令部了解を得たものが初めて見返資金放出なつ貸出される。こういうことになると解釈して差支ありませんね。
  52. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 大体只今お話通りでございます。両若干補足いたしますならば、安定本部中心となりまして各業種に亘る運営計画を作ります。その原案と申しますか、それが関係各省から安定本部に提出されるわけでございます。それを安定本部におきまして、安定本部中心となりまして総合勘案いたしまして、石炭に対しては二十二億なら二十二億程度というような案ができるわけでございます。その間におきまして各省安定本部との間に話もあるわけでございます。
  53. 西田隆男

    西田隆男君 そういたしますと、私が今お話申上げたようなことの上に事前にも、石炭の問題なら資源庁安本との間に話があつて総合決定ができるということが一つ丁寧にされるわけです。ね。
  54. 大島寛一

    説明員大島寛一君) はあ。
  55. 西田隆男

    西田隆男君 そういたしますならば、先程私が質問いたしましたように、安本資源庁との間に話をされる、石炭融資に関する問題について大きな枠が決まれば、今度は当然個々炭鉱において協議がなされる筈である。その協議をなされる場合まではまだその炭鉱個々状態を十分に御調査にならなくても、これは御承知ではないのだが、個々炭鉱の額を決定するという場合に、安本資源庁の間で話が進む段階まで来たならば、仮に資源庁としてはその見返資金放出された場合に果して適正に使われるのか、その返済がなされるのかということについて、炭鉱の実際の場合を十分に御調査の上でないと、安本に対して決定して貰うような御意見は述べられないのが私は常識と考えるが、それにも拘わらず大蔵省申請を二十四年の九月の十三日にしたが、併し小滝炭鉱の元の複金借入金状態すらもそれまでに調査をしていなくて、ただ地質に関して十月になつて調査を進めたことについて、通産省では手落でないとおつしやるのか、責任をお感じにならんのか。そうすることが当り前だ、常識だとお考えになつておるのか。その点を通産省の方から御答弁願いたい。
  56. 大島寛一

    説明員大島寛一君) ちよつと一言お断り申上げたいと思います。先程の御質問に対しまして私から、二十四年九月十三日に大蔵省申請を受理したと申上げましたが、これは小滝炭鉱株式会社からの融資申請でございます。資源庁から大蔵省にそういうことを、申請と申しますか、それを九月十三日に貰つたという意味ではございません。この点ちよつと一言御訂正申上げます。
  57. 西田隆男

    西田隆男君 重ねてそれでは資金課長に聞きますが、資源庁安本大蔵省との間に成る程度了解ができてもいないのか、個々炭鉱大蔵省に対して見返資金放出方申請するということがあり得ますか、あり得ませんか。
  58. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 一般の場合につきましては先程申しましたような手続でございまして、従いまして通例は計画ができましてそれを基礎にしまして申請が行われるのが普通でございます。併し中にはそういう計画と離れて申請を出すものもございます。併しながら私共といたしましては、計画に則つて運用する趣旨に基きまして計画に載つておるものの申請審査の対象にするということでございます。昨年九月十三日に小滝炭鉱株式会社から具体的な申請を受理いたしましたが、そのときにはすでに安定本部のいわゆる炭鉱に対する計画案計画と申しましてもそれは一応の計画でございますが、それは出ておつたわけでございます。従いましてその計画案に基いて炭鉱会社から申請をいたして来たものと了解いたしております。
  59. 西田隆男

    西田隆男君 通産省にお尋ねします。今の見返資金課長お話によると小滝炭鉱自身が九月十三日に單独に出した、それは安本自身計画に載つてつたのだろうだから受理したのだというお話がありましたが、資源庁としては小滝炭鉱の問題に対して安本との間に二十四年九月十三日までに見返資金放出に関して何ら話がなかつたのか、或いは十分に連絡がついておつたのか、長官一つ答弁願いたい。
  60. 始関伊平

    説明員始関伊平君) その点具体的な問題でございますし、まだ私資源庁に参つておらん前の問題でございますので炭政局長から一つ答えて貰いたいと思います。
  61. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 昨年度の見返資金の問題は何月であつたかはつきり私記憶いたしておりませんが、九月頃じやないかと思つております。石炭全体のものが決まります場合に、やはり一応各炭鉱別計画を出すわけでございます。その際小滝炭鉱は二千五百万円という数字を出したかも知れな、いと思うのでありますが、その数字を出します前にどういうふうな手続でこちらでまとめたかと申しますと、大体この見返資金の要請に対しましては、各地区の石炭局会社からその希望計画をとりまして、適当なものをこちらに申達して参つる、それを一応審議いたしまして、中央で資源庁におきましてこれを選択の上全体の石炭分としての見返資金計画を出すわけであります。それを安本と始終再三協議いたしまして昨年度当初の数字といたしましては九億とか百二十億とかいろいろな数字がございましたが、いろいろ紆余曲折を経ましてたしか八十七億というふうな数字になりまして更に実際に出ましたのが四十三億というふうに非常に減つておりますが、八十七億程度に決つたときの小滝炭鉱金額はたしか二千五百万円じやなかつたかと思つております。一応その枠が決まりまして最終的にそれで行くということになれば、先程見返資金課長からお話がありましたように、正式に申請して正式に審査するという段階になるわけでありますが、その際に十分な現地調査等も必要のある場合にはやらなければならん、こういうことになります。
  62. 西田隆男

    西田隆男君 中島さんのお話を聞いておると資源庁安本との間に小滝炭鉱の見返資金貸出金については、九月十二百小滝炭鉱自身大蔵省申請する前に十分に検討されたというふうに私は印象を受けましたが、これは本当に検討されておちたのですか、検討されていなかつたのですか。
  63. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 当時の全体の目標が枠でございますから、個々炭鉱内容についてまで詳細な検討はいたしておるわけではないと思います。ただ石炭全体としてどういうふうな炭鉱にどのくらい出すかという大ざつぱな見地からの全体の数字そのものについては、いろいろな折衝あつたと思います。
  64. 西田隆男

    西田隆男君 それでは我々が考えますと、小滝炭鉱というものはこの前にも申上げたように、中小炭鉱の小の炭鉱にも入らない、復金二千六百万円の融資も十分に納得の行くように使われておらない炭鉱として現在でも尚考えております。大きな炭鉱全体の復金と見返資金の枠を決定される場合にどういうわけでそういう一般の記憶にも残らないで済むような小滝炭鉱に対して、二千五百万円の貸出をするりということを考えてあなた方は安本協議なされたのか、その点を一つ御解明願います。
  65. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 昨年度の見返資金の折衝の場合に、小滝炭鉱がどの程度いつ頃問題になつたかということは私その衝に当つておりませんから明確にいたし得ませんが、先程も申上げましたように小滝炭鉱は昭和二十三年度の策定新炭鉱十八の中の一つに指定されておりまして、それの炭質並びにその用途に十分着目して、更に炭鉱の資材という点に重点を置きまして、これは本州内地におきまする重要な超粘結炭でありますから出すべきものだという方針の下に、復金資金も出しまして今日までその開発を図つてつたわけであります。従つて見返資金の契約問題にしましてもやはりこれは当然見返資金一つの契約として挙げて然るべきではないか、こういうふうな見地からやつたのであります。
  66. 西田隆男

    西田隆男君 何遍聞いても同じような答弁を繰返して核心にちつとも触れないようですが、今のあなたの御答弁に関連して聞きますが、あなた方が二十四年の九月頃までに小滝炭鉱に対して二千五百万円の見返資金融資をしなければならん必要性を痛感されたという今のお言葉でした。  それではお尋ねいたしますが、日本で今製鉄用の原料炭として使われるであろう石炭の毎月の生産高は大体幾らなんですか。
  67. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 年間六十万トンであります。
  68. 西田隆男

    西田隆男君 その年間六十万トンの生産炭のうち現実に製鉄用原料炭として消費されておる数量は幾らですか。答えられなければ教えましようか。
  69. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 五十八万九千トンであります。
  70. 西田隆男

    西田隆男君 それは何年度です。
  71. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 二十四年度の実績であります。
  72. 西田隆男

    西田隆男君 それは全体で、内地で生産されておる数字ではないでしよう。内地生産で製鉄用に使われておるのはそんな莫大なものになるわけはありません。
  73. 中島征帆

    説明員中島征帆君) それは二十四年度の内地の超粘結炭生産実績でございまして、製鉄用炭に行つておる数字ではございません。
  74. 西田隆男

    西田隆男君 私の尋ねておるのは製鉄用炭に行つておる数字を尋ねておるのです。
  75. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 三十四年度の実績におきまして国内の原料炭の超粘結炭で鉄鋼用の原料炭は百八十二万一千トンという数字がありますが、ちよつと先程の数字と違いますので、もう少し調査して見ます。
  76. 西田隆男

    西田隆男君 私が聞くところによりますと、本年度でも製鉄用原料炭に使われる超粘結炭、これの生産は月額約四万五千トン程度生産がされておる、そうして現実に原料用炭として内地で生産されておる石炭を使つておるのは、月額二万八千トン程度だということを中村鉄鋼局長が言明しております。  そういたしますとこれが実際であれば、今あなた方が御説明になつたように、小滝炭鉱という炭鉱に二千五百万円という見返資金を出して、急速に石炭生産を拡充したければならない程日本製鉄用原料炭は不足を来すという実情にないことは、これはあなた方も恐らくお認めになるでしよう。  尚あなた方は日本生産されれる石炭よりもまだ少い量しか日本の内地炭が使われてないにも拘わらず、製鉄用原料炭として開らん炭その他を輸入されておる。こういう状態の下において復金の二千六百万円の炭鉱開発資金が適正に使われておるかいないかという調査も済まない炭鉱に、見返資金二千五百万円という中小炭鉱八千万円の三分の一にも等しいような見返資金放出方決定されたという、あなた方のお述べになる理由は非常に薄弱になる、これをあなた方はお認めになるかどうか。
  77. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 先程の数字についでに補足いたしますが、六十万トンのうちで製鉄用に使われますのが月三万トンか三万五千トンであります。年間に四十万トンが見積られております。量的に申しますと小滝炭鉱生産される数量が仮に月中トンといたしましても、一万二千トンかそこらでありますから大した数量ではございませんが、本土におきまする超粘結炭つの山ということが非常に重点をおいたわけでございます。特に立地から申しまして釜石に、福岡或いは北九州方面より非常に近いという点に着目して、このように考えた次第でございます。
  78. 西田隆男

    西田隆男君 今文新しいいわゆる理由中島さんから御説明がありましたが、それでは灰分四〇%程度でこれを製鉄用原料炭に使うためには五五%の歩留りまで選炭をやらなければいかん、こういう小滝炭鉱石炭、この炭鉱が今あなたがおつしやるように4、トンかせいぜい千五百トンの一ヶ月の出炭量しか我々も聞いていないのですが、その炭鉱復金から二千六百万円、見返資金で二千五百万円。どんな設備がなされておるか私知りませんが、それでこの山の生産原価に償うというあなた方は理論的な根拠を以て見通しをつけられたのかどうか。
  79. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 原炭が四〇%で、労務者一人当り八トンというふうな能率生産されるということが前提とされる場合におきましては、現在の北松炭その他に比べて十分採算はとれる、こういうふうに考えております。
  80. 西田隆男

    西田隆男君 そういう通俗的なことでなくて、はつきり成立ち得るということを具体的に数字的にお示しを願いたい。
  81. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 今小滝炭鉱生産されまする炭につきましては、富士製鉄と話合ができておるそうでありますが、この話合では小滝の山元で灰分一五%のものを貨車渡し四千トンを買う、こういう話であります。この一五%のものというのは製鉄用に使い得る状態でありまして、先程の五五%乃至七%というふうな歩留りのうちで含まれておるやつでありますが、そういうふうな前提におきまして一五%のものを出すときに、三〇%のものが、方に出ますから、この二号炭を普通の工場用として二千五百円程度で販売するという、こういう予定を立てまして計算いたしますと、大体トン当りの販売価格が三千四百二十五円になります。この間の計算は必要であれば申上げますが。
  82. 西田隆男

    西田隆男君 小滝炭鉱生産高月額千トン乃至千五百トンであるという、その数字灰分四〇%の石炭が千トン乃至千五百トン出ると私は考えておりますが、そうではありませんか。
  83. 中島征帆

    説明員中島征帆君) さようでございます。
  84. 西田隆男

    西田隆男君 そういたしますと、灰分四〇%の石炭が千トン乃至千五百トン小滝炭鉱りの坑内から出され、それを今あなたがおつしやつておるのは灰分一五%で四千トン、灰分一五%にするためにこの四〇%の石炭歩留りが何ぼになるか。
  85. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 混線して申訳ありませんが、製炭としてのトン数でありまして灰分一五%のものを原炭から三五%、それから三〇%のいわゆる二号炭を二二%出しまして歩留りが五七%になりますが、それがその製炭としての数量が今の計算におきましては一応三万トン、そこまで伸びたときを予想して出しておりますが、それが年間三万トン、こういうふうなことになります。
  86. 西田隆男

    西田隆男君 新しい事実が次々に現われて来るので私の計画した質問が進へまんのですが、今お話を聞きますと年間三万トンのいわゆる製炭の量が予定されておるというお話。三万トンの量が予定されて一人当り月に八トンといいますと月額二千五百トンですが、直接間接を合せて三百人以上の実働人員がなければいかん。そうすると見返資金の二千五百万円といい、それから以前の復金融資の二千六百万円とこの金額で、その労務者を入れるための炭住に対する必要資金を幾ら大体あなた方は計画に見込まれておるか、これをお答え願いたい。
  87. 中島征帆

    説明員中島征帆君) お説の通りに労務者は三百二十人ぐらい要るというふうに予定されておりますが、このうちで見返資金復金融資、見返資金には炭住を予定しておりませんが、復金融資でできます炭住が百五十人分であります。残りは別途の融資によつて炭住を更に追加する、こう、いう計画なつております。
  88. 西田隆男

    西田隆男君 復金融資の点に関してのこれは大島さんですかの御詮明によりますと、二千六百万円の復金融資、炭住の資金としては三百八十余万円、合宿の資金として百三十万円、こういうことが一応予定されておることを衆議院の通産委員会で御答弁なつております。三百八十余万円という金額は最近の労働立法の建つ前から考えまして、十一坪とか、十二坪とか、一人当りの一戸住いの坪数として、その頃では恐らく一万円か一万四、五千を一坪の金に勘定してそうして計算して見ますと、極めて僅かの炭住しか当らないということになつておる。仮に一戸八万円か十万円かかる、それを合計いたしましても二十八戸しか建たない。それでは労務者の入るのは三十八名しか入れない。一戸の住宅に仮に二人ずつ働く者が入るとしましても七十数名しか入れないという実情である。見返資金放出申請に関する計画のうちに炭住資金が幾ら予定されておるか、これを御説明願いたい。
  89. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 見返資金の二千五百万円の中に炭住は入つておりますが、千六百万円の場合には炭住を引いて出したわけであります。従つて差額の九百万円分が炭住だ、こういうふうなことになります。
  90. 西田隆男

    西田隆男君 小滝炭鉱の見返資金放出の中の金の使途としては、水洗、選炭そういうようなものが見返資金の使途として計上されておる筈だと私は聞いておりますが、そうじやなくて炭仲も入つているのですか。
  91. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 二千五百万円と決定いたしました使途といたしましては炭住は含めておりません。炭住につきましては先程炭政局長からの御答弁もございましたように、その他の方法資金を調達する予定になつておるわけであります。当初この会社は炭住も含めて計画をする、見返資金を借入れる計画を持つておりましたが、その後山炭住につきましてはその他の資金による計画になつたわけでございます。
  92. 西田隆男

    西田隆男君 大蔵省の御説明を聞くと二千五百万円の中には炭住資金は入つていない、中島さんの説明を聞くと千六百万り円の中に入つていないが、二千五百万円の中には九百万円は入つておる。で私はどちらの御答弁を本当と聞いていいか分うんのですが、大蔵省の方を本当と聞いて差支ございませんか。
  93. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 只今私がお答えした通りでございます。重ねて申しますと、当初二千五百万円を申請いたしました当時におきましては炭住も含める、そのうち炭住を九百万円程度予定しております。併しその他にもいろいろ事業資金が要るわけでございまして、その後炭住のために必要なる資金は見返資金以外に求めるということにいたしまして、三千五百万円の中には炭住は含まれていないわけでございます。
  94. 西田隆男

    西田隆男君 そういたしますと今日は大蔵大臣は御出席なつておりませんが、大蔵大臣の衆議院の通産委員会での御答弁の中にこういう御答弁がされております。小滝炭鉱に対しては非常に資金を他の面で求めるということが困難だから二千五百万円の融資決定したという御答弁をなさつておりますが、今見返資金課長お話を聞きますと、炭住資金は他で融資を受けるという御答弁大蔵大臣答弁とは全く正反対の御答弁ですが、それでもあなたのおつしやることが本当だと重ねて御言明ができますか。
  95. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 先般大蔵大臣が衆議院の通産委員会で、只今西田委員の御発言のように御答弁なつております。それと只今私がお答えいたしましたこととは決して喰い違うものではないのでありまして、二千五百万円をどういうふうにして決めたかという経過につきまして御説明申上げますと、その間の事情がお分り頂けると思うのでありますが、見返資金融資につきましては、やはり経済再建に寄與する緊要な設備資金であるということが一つでございます。第二に自己資金の調達をできるだけやりまして、それでも尚足りない場合に見返資金を出すという建前でございます。このような意味におきまして、この小滝炭鉱は資本金は三百万円でございまして、まだ開発途上にありまして、実際に炭をどんどん出す段階にまでは行かないうちに復金融資が切れまして、途中でいわば工事も中絶しておつたような状態でございます。そういうような状態でございまするから施大な資金を他に調達を求めることは極めて困難であります。そこでこの炭鉱の工事計画につきまして炭住等も勿論ございますけれども、その総所要資金のうちの多くのものを他に求めることは極めて困難であるという意味におきまして、他に資金を調達することが困難だということを大蔵大臣が御答弁になつたのだと思うわけでございます。そこで三千五百万円という金額決定されたのでございまするが、この意味は二千五百万円以外に一銭一厘も他で調達することはできないという意味ではないのでございまして、只今私が申上げましたように炭住等の所要資金は他の方法で求めるわけでございます。
  96. 西田隆男

    西田隆男君 大変理論的には一応正しいような御答弁を聴きましたが、あなたはそうすれば三千五百万円の見返資金を使つたならば、この小滝炭鉱にはあと金は極めて僅かな金しか要うんという観点から今の御答弁をされたかどうか、これをもう二遍一つお答え下さい。
  97. 大島寛一

    説明員大島寛一君) お答えいたします。他に僅かな金だけで足りるというよりは、むしろ炭鉱が稼働状態に入りまするならば、運転資金も要るでありましよう。設備資金等におきましても炭住等も要ることでございます。そういうような意味におきましてそう僅かな金では済まないのではないかと、かように考えております。
  98. 西田隆男

    西田隆男君 もう大蔵省の見返資金課長とやり取りはこれでやめておきましよう。  通産省の方に聴きます。通産省中島さんは先刻の御答弁で二千五百万円、年間三万トンを予定いたしておると言われました。ところが実際復金の二千六百万円の中には炭住資金は三百八十万しかない、僅かに三、四十戸しかできない、そうして收支計算をする場合だけ年間三万トンといわれている。そうすれば三万トンの石炭を出すためには、当然炭住資金として一千万円か一千五百万円の金がなければ三万トンという石炭は出せないという結論になる。僅か三十入戸の稼働者の住いを復金融資で仮にしておると申しましても、それだけの稼働者で見返資金選炭設備その他に使われた場合、小滝炭炭鉱はいつになつたら三万トンの石炭が出せるという見通しをつけておられるか伺いたい。
  99. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 三万トンの出炭が近々に達成されるということは考えておりません。差当りは千五百トン程度を目標にして設備を進めるということになつております。従つて今度の見返資金も大体その程度のものでありまして、三万トンにするためには更に炭住その他の資金が要るというように考えております。
  100. 西田隆男

    西田隆男君 あなたの御答弁を駁論はしませんが、仮に午五百トンというお話がございましたが、午五百トンで結構ですが、午五百トンの石炭を出すためには炭住を今から幾らやらなければならん、午五百トンの出炭をするについても、三百八十万円、三十八戸程度の炭住では午五百トンの出炭はとても望まれません。少くとも千五百トン出炭するにしても、二百人近い人間が要ります。その二百人の人間を住まわせるのに三十八戸程度の炭住では千五百トン出る筈がない。
  101. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 現在まで建つております炭住の坪数自体はそう大きくありませんが、合宿式のものが多うございますので、收容力としては百四、五十人の者は入ると考えております。勿論今度の見返資金の工事が完成する場合には更に資金が必要と認められますが、これは又外の方から資金の途があり得るというふうに考えまして、今度の場合には炭住は見なかつた次第であります。
  102. 西田隆男

    西田隆男君 今御答弁を承りますと、百四、五十人の者は收容できるとおつしやる。それでは復金融資を二千六百万円を借りて炭住であれ合宿であれ建設した後において、小滝炭鉱はあなたの言われる百四、五十人の者を收容して仕事をしておつたかどうか、これを一つ承りたい。
  103. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 勿論現在におきましてはそんな人数はおりません。まだ設備は完成しておりませんから、実際の出炭に当る人員というものはそれ程入れておりませんから、実際に働いている労務者の数は極く少い。
  104. 西田隆男

    西田隆男君 現在働いているかどうかとういうと小滝炭鉱は現在恐らく中止の状態である。人間は留つ守番が何人かいるだけで企業はやつておりますまい。現在のことを聴いているのではない。あなた方は私の質問に対して今まで答弁されたことに行きがかりを感じて、あれこれ御答弁をなさつているようでありますが、もう少し国会の委員会においては良心的に一つ答弁をして頂きたい。復金融資の二千六百万円も、実は小滝炭鉱は二十二年から貸出しを受けた、そうして三十四年の三月まで復金から金を借りている。これは御否定になれば御否定になつて結構ですが、私の取調ではさようになつている。而も小滝炭鉱自体は二十三年末には全く中止の状態なつている、こういう実情があつたことをあなた方は御承知なつているかどうか、これを一つ答弁を願いたい。どなたでも結構ですから御答弁頂きたい。
  105. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 確たることは分りませんが、毎期掘進炭の若干のものが出ておりますから、降雪のために工事が中止したことが仮にあるといたしましてさも、一応建設工事は進んでおつたのじやないかと思います。
  106. 西田隆男

    西田隆男君 掘進炭の若干のものが出ているとおつしやるが、それは復金融資を借りた以後、時期別にトン数なりを説明して頂きたい。
  107. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 昭和二十三年度から四半期別にここに数字がございますが、二十二年度の第一四半期は三十六トン、第二四半期百二十五トン、第三四半期百六十二トン、第四四半期百七十一トン、合計四百九十四トン。二十四年度に入りまして第一四半期二百五十七トン、第二四半期四百十一トン、第三四半期百四十八トン、第四四半期は全然出ておりません。合計で八百十六トンであります。
  108. 西田隆男

    西田隆男君 その数字小滝炭鉱からの報告ですか、小滝炭鉱がどつかに販売したと、いう数字ですか。
  109. 中島征帆

    説明員中島征帆君) これは指定統計の数字でありまして、この指定統計はやはり鉱山局からの報告に基いて統計報告をします。
  110. 西田隆男

    西田隆男君 その石炭は販売しておりますかどうか。
  111. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 昨年の九月に公団が廃止されりるまでは全部公団に買取つております。
  112. 西田隆男

    西田隆男君 昨年の九月まで公団が全部買取つておる。そうすれば殆んど全数量が行つておるということになりますね。
  113. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 六百トン行つておるそうであります。
  114. 西田隆男

    西田隆男君 配炭公団に六百トン行つておる、後の石炭は貯炭になつておるわけでありますか。
  115. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 貯炭に残つております。
  116. 西田隆男

    西田隆男君 それはどういうわけで貯炭のまま残つておる、あなたのおつしやつたことであれば近所の製鉄所は喜んで買う筈でありますが。
  117. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 釜石の方で買うのは、これは出炭が経常的に出た後のことであります。掘進炭のごとくまだ品質の確定しておらないものは全面的に買取るというところまでにはその当時にはそういう話がなかつたのであります。
  118. 西田隆男

    西田隆男君 甚だ当を得ん御答弁のように伺うのでございますが、炭鉱は金を借りなければやつて行けんという状態では恐らく労銀も抑えないような状態にある、労銀も抑えないような状態にある炭鉱なら正常な石炭はできない、それでは買つてくれない。役に立つ石炭ならば製鉄所に売込めば製鉄所は喜んで買つてくれる。通産省としても特に資源庁としては炭鉱の資源を買つてやる、先ず手持で持つておる恐らく四千円もする石炭を数百トンも持つておるとすれば、その石炭をどつかに斡旋して売らせるということの方が私は親切であり、先にやらなければならんことであると考える。そういうふうにあなたはお考えになりませんか。
  119. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 山元におきまして選炭をして客にそれを売るというのがこれが職業でありますので、選炭機ができておりません場合にやはり製鉄所にそのまま送つて、直ぐに使えるというようには参うんことになつております、そういう関係から山に積まれております。
  120. 西田隆男

    西田隆男君 配炭公団が買つたときには、地元で売れない石炭配炭公団は買つたんですか。
  121. 中島征帆

    説明員中島征帆君) これは製鉄所でも使わないし、又外にも使えないので混表して使つております。
  122. 西田隆男

    西田隆男君 あなたのお説を伺つておりますると、製鉄所に納めるためには選炭設備が完了し選炭をしなければならないというのですが、それならば見返資金放出して、選炭機ができて、選炭機が運転するまでの間はそこの石炭は全部貯炭をする御予定ですか。
  123. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 全部貯炭をしないでも外に売れる場合にはこれは売らなければならんと思いますが、原炭のまま相当数量出まして工場において選炭をし得るという場合には製鉄工場で買取げをします。その場合にその取扱いをしないときは二号炭と同じように地元に売り捌くということも考えなければならんと思つております。
  124. 西田隆男

    西田隆男君 地元で売捌くことを考えねばならん、選炭機ができる前貯炭が持てなくなるということは、さつきお尋したように今製炭している数百トンの石炭を、やはり地元で売らなければならんという結論になるわけですか。
  125. 中島征帆

    説明員中島征帆君) ただ選炭機設備と、それから現在まだ索道ができておりませんが、この索道の完成と両方やつて本格的に出炭が開始されたという場合には、これはすでに選炭機における製品として出せるというわけになるわけであります。
  126. 西田隆男

    西田隆男君 今の選炭機を据付けて運転するまでは時日はどのくらいかかると思つておりますか。三ヶ月や四ヶ月ではできないですよ。
  127. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 選炭機は発注後ニケ月くらいでできます。
  128. 西田隆男

    西田隆男君 誰が言つたんですか、どこの工場が言つたんですか。どうもあなた達の御答弁を聞いておると、何か私があなた方の悪いことを突き出しておるようにお考えになつて御答弁なつておるが、そういう意味質問していないつのです。真相を質したいだけです。もう少し本当のことを言つて下さい。良心的に言つて下さい。今のような問題を繰返すのは徒らに時間を食うだけですから、もう少し入りましよう。  通産省にお伺いしますが、それでは二千六百万円の復金融資の使途について、あなた方は融資申請されたときの費用は計画通り小滝炭鉱へそれを使つておるというふうに認定されておるかどうか。
  129. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 結論としてはほぼ当初の計画通りに使われておるという、ふうに考えておりますが、例えば坑道の掘進の予定が六百五十四メートルでありますが、これが二月に五百七十メードル完成しております。それから労務者住宅はあれで行くと二百十六坪〇二四というのがやはり三百十六坪完成しております。その他大体建物から索道等ですが、索道は未完成でありまして中途資金が途切れております。諸般の工事も進んでおるように報告をしております。
  130. 西田隆男

    西田隆男君 今おつしやつた坑道は主要坑道ですか。
  131. 中島征帆

    説明員中島征帆君) この坑道の場合は六本ありますが、大体主要坑道と言つていいと思います。
  132. 西田隆男

    西田隆男君 炭鉱の坑道の数が六本あるということは三ケ所から坑道を開けておるということですか。
  133. 中島征帆

    説明員中島征帆君) この表によりますと、一号坑二十一、二号坑五十一三号坑百五十五、三号の吊り下ろしが百八、四号坑三百七十九、六号の上りが二十メードルこういうふうになつております。
  134. 西田隆男

    西田隆男君 今の御説明を承ると一小滝炭鉱石炭の賦存状態は、一定のいわゆる三紀暦の下における石炭の賦存状態は非常に違つた状態石炭が賦存しておるということを証明しておる。従つてその坑道は主要坑道とは言い得ない坑道であつて石炭を探つておる坑道としか私は考えられない。併しながら御説明によると、一千九百トンの石炭が二十三年度は出ておる。配炭公団が六百トン買つておるという説明から行くと、その坑道はいわゆる治暦坑道のようにも考えられる。沿層坑道ですか、石炭を探つておる坑道ですか。
  135. 中島征帆

    説明員中島征帆君) これは探索坑道ではなくて治暦坑道です。
  136. 西田隆男

    西田隆男君 沿層坑道ですか、すべてが治暦坑道ですか。配炭公団が買つている石炭ですから恐らく販売できる石炭でしようが。そのような石炭を出しておるとすればあなたの御計算をして費いたい。その治暦坑道の延区長数と一坪の坑道、一間と申しますか、メートルでも結構ですから埋蔵量の計算をして下さい。出炭量と合うか合わないかそこで計算して見て下さい。お分りになつていなければ……。
  137. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 一応の計算では二千トンぐらいになるそうでありますが、「ぼた」などがありますから正確なところは……。
  138. 西田隆男

    西田隆男君 二千トンくらいになるということはどんなことですか、基準を示して下さい、炭層の厚さ掘進がなんぼ、坪になんぼだからなんぼにならなければいかんということを示して下さい
  139. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 少し技術的になりますので担当官から説明させて……。
  140. 西田隆男

    西田隆男君 誰でもいいですよ、御答弁頂ければ……。
  141. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 今の質問でございますが、炭つ暦はあそこでは山の中腹以上にありますから、露頭が延長されて、その露頭から坑道が六本、その延長が五百七十メートルくらいで、八八の加背がかかつている。そうして二千六百メーダーくらい掘つております。その程度のものは掘鑿されていることになりますが、炭層は厚さとして積丈で〇・六〇から一メートルくらいのところにありまして、それは八〇と見ましても、午六百トン、二千八百トンくらいじやないかと私は考えられます。
  142. 西田隆男

    西田隆男君 坑道の掘進は八八でやつているんですね。
  143. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 合計五百七十メードル。
  144. 西田隆男

    西田隆男君 約百間ですね。百間を八八で行つて……。
  145. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 炭層だけの厚さは六十センチから一メードルー…。
  146. 西田隆男

    西田隆男君 衆議院の通産委員会では約八十センチと言つておりますが、平均八十センチと言つておりますが。二尺五寸ですね。尺五寸で八八の坑道で何トンでありますか。
  147. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 全部でございますか。
  148. 西田隆男

    西田隆男君 現に何トンあります。
  149. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) ……。
  150. 西田隆男

    西田隆男君 大体炭層の厚さは八寸で一トンとしたものですがね。これは八寸を一トンとして計算してありますがね。
  151. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 我々はそういうふうつに承知しておりますが、一坪に……。
  152. 西田隆男

    西田隆男君 八八の坑道一間で幾坪になりますか、一坪幾らくらいになりますか。
  153. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 一・六坪くらいになります。
  154. 西田隆男

    西田隆男君 一・六坪ですか、そうすると八十センチとすればなんぼになりますか。六トンにはなりませんな。そうすると百間切つたつて六百トン出ないじやないですか。
  155. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 八・五トンであります。
  156. 西田隆男

    西田隆男君 八・五、百間切つて八百トンじやありませんか、二千トンということにはなりませんね。
  157. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 私は先に全掘鑿量を申上げたのです。五百七十メートルの計算をいたしました。
  158. 西田隆男

    西田隆男君 石炭は八百五十トン程度ということですね。
  159. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) そうでございます。
  160. 西田隆男

    西田隆男君 中島さんに聞くが、何かさつき言つた通産省の数量と大分偉いがあるようですがどうしたのですか。
  161. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 先程の二十三年度以降の出炭の実績でございますが、これが二十三年度約四百九十、二十四年度八百六十、従つて合計千三百トン程になりますが、そこで今の八百トンとの違いが出て来るわけであります。
  162. 西田隆男

    西田隆男君 いや、それが、現在山元には貯炭があるのですかないのですか。
  163. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 貯炭はございます
  164. 西田隆男

    西田隆男君 それは「ぼた」ですね。
  165. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 「ぼた」ではないと思います。
  166. 西田隆男

    西田隆男君 石炭が実際にないとすれば上に出せるわけはないじやありませんか。八百幾らしかないものが千三百トンも千六百トンも出て来る筈はない。それがあるなら「ぼた」ということになるじやないか。
  167. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) この今の五百七十メートルは、今年度に入つてからのものでありますから、その間若干のずれはあると思いますけれども、八百十六トンというのは昨年の第三四半期、十月までです。
  168. 西田隆男

    西田隆男君 その資料一つまとめてこの委員会に出して下さ。今のこれは非常に細かな、技術的な面を言つて御迷惑かと思いますけれども、実際に炭鉱の実態をよく調査をしなければ見返資金の対象として決定していいかどうか分らないのに、こういうことを私が聞く前に資源庁では十分にそういう数字を出されて、そうして検討された上大蔵省に向つて貸してやつて呉れということをお話になるのが私は監督官庁たる資源庁としては当り前のことだと考えておりますので、技術的な面を詳しく聞いている。数を委員会に出して頂きたい。次の質問に移ります……。
  169. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) 先程の、百間というのは二百八十間でありますがね。
  170. 西田隆男

    西田隆男君 それでも五百七十メートルになうんでしよう。
  171. 小玉不二雄

    説明員(小玉不二雄君) メーターでございますから。
  172. 西田隆男

    西田隆男君 ああそうですか。六百メーダーと勘定しても千八百はなんぼですか。そうすると三百間ですね、その計算ちよつと出して下さい。  次の質問に移ります。復金借入金の返済状況はどうなつておりますか。
  173. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 元本と利子に分けてお答え申上げます。利子につきましては、二十四年四月以降支拂いが延滯しております。元本につきましてはまだ返済になつておりません。
  174. 西田隆男

    西田隆男君 二十四年四月までに支拂われた利息は幾らになつておりますか。
  175. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 正確な数字は持つておりませんが、割引で貸すときに、割引いて貸したと記憶しております。
  176. 西田隆男

    西田隆男君 利息は支払われたのでなくて、復金の金をお貸しするときに一前引きで引いておつたのですか。
  177. 大島寛一

    説明員大島寛一君) そう了解されてよしうございます。
  178. 西田隆男

    西田隆男君 復金の元本は一銭も支拂われていない、契約による元金の支拂いはどうなつておりますか。返済は。
  179. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 元金の償還方法につきましては、この小滝炭鉱は企業途中でございますので、証書による期限は暫定的に昭和二十四年九月ということに相成つておりますけれども、まだ企業が途中で、出炭をする状態に至つておりませんために償還が行われていないわけでございます。
  180. 西田隆男

    西田隆男君 そうすると、二十四年度の九月以降において小滝炭鉱の方から大蔵省ですか、貸したのは日銀でしようが、日銀に対して元本の返済ができないというお話があつて、それを了承されたわけですか。
  181. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 特に会社から積極的にそういう申出が公式に来たかどうか記憶がありませんが、私共調査の途中におきまして復金の元利の支拂い状況を調べたわけでございます。その結果元利の償還が遅滯しているということを承知いたしました。
  182. 西田隆男

    西田隆男君 その事実をお知りになつて、大蔵当局としては通産省にも資源局長にも、小滝炭鉱の元本の支払がないのだが、炭鉱はどうなつておるかというようなことについて何か意見の交換をされるか、申出をされるかしたことがありましたか。
  183. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 元利の償還が一遅滯しているという事実を話したことは記憶がございます。併しながら先程来申上げておりますように、この炭鉱は開発の途中で復金融資が三十四年の三月に打切られましたために、その後の設備資金等は続かなくなりまして、工事を中絶するの止むない状態にあつたわけでございます。従いましてそのような普通稼働しておりまする山ならば、出炭もございまするから、炭代の收入もあり、従つて元利を拂うこともできる建前にあるわけでございますが、開発途中の山でありますために、元利の支拂が延滯するのも止むを得ないと考えたわけでございます。
  184. 西田隆男

    西田隆男君 止むを得ないと只今考えたということですが、そういう考え方は若し小滝炭鉱の企業がどこからも資金の融通がなくて継続されなかつた場合は、復金から貸した金は一銭も払つて貰えなくても仕方がないというようなお考え方でお考えになつたのですか。何とか資金的にこれをバツクして、援助してやつて炭鉱にして、又金を返して貰うようにせねばならんというような考え方でお考えになつたのですかどちらですか。
  185. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 私は見返資金を担当しておりますので、見返資金の立場から本件を考えたのでございます。従いまして只今の御質問にありまするように、若し見返資金が出なければ復金の元利の償還は甚だしく困難になるであろうということは考えましたけれども、それを外の方法で何とかしなければならないとか或いはそれも止むを得ないとか、そのような判断は私共の考える筋でないと考ええまして、いずれにも考えなかつたわけでございます。
  186. 西田隆男

    西田隆男君 そういたしますと、新たに小滝炭鉱に対して二午五百万円の見返資金融資の枠が決定される段階において、あなたはどういうふうにお考えになりましたか。
  187. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 大変恐縮でございますがどういうふうに考えたかとおつしやいます御趣旨を重ねて伺いたいのでございますが。
  188. 西田隆男

    西田隆男君 今あなたの御説明を聞いておりますとね。復金融資の分はあと金が貸されなければ恐らく駄目であろうというふうには考えたというお答えがありましたので、私聞いておるのですが、新しいつ資金が出なければ復金の金も返されんであろうというような考え方で、二千五百万円の見返資金の枠の決定をする場合に判断をされたのかどうか。そういうことは全然頭の中に置かないで、二千五百万円の見返資金放出する公的な條件を備えた炭鉱であるが故に、三千五百万円の枠を決定されたのかどうか。そのいずれであるかということを伺いたい。
  189. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 失礼申上げました。お答えいたします。見返資金決定されるときに考えられますことは、製鉄用の粘結炭として開発すべきであるかどうかということがこれが一つであります。その点につきましては先般来御答弁のございましたように、開発すべきものという考え方で参つたわけでございます。若しこれが出なければ、企業の途中でございますから復金借入金の元利の償還に重大なる支障を及ぼすであろうということを考慮いたしましたけれども、併しながら復金の元利を返させるために見返資金決定するというような考えはしなかつたわけでございます。
  190. 西田隆男

    西田隆男君 勿論それはあなたのおつしやる通りでしよう。通りでしようが、見返資金の二千五百万円の決定をされる段階において復金の……、これを貸したらば、炭鉱がよくなつ復金の金も返して貰われるであろうというようなことが全く念頭になかつたということはないと私は思いますがね。それはお考えになつておつたでしよう。
  191. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 二つの面からお答えいたしたいと思いますが、一つは先程申上げたことと重複いたしますが、若し見返資金が出なければ復金の元利の返済に非常に支障があるであろうということでございます。もう一つはこれが見返資金が出まして開発が順調に参りまして、出炭が所期の成果を挙げるに至りますならば、過去の復金の元利の償還に対しましても、相当これは貢献するわけでございますから、可能性が出て来るであろうということも併せて考えたわけでございます。
  192. 西田隆男

    西田隆男君 今のあなたの御答弁を聞くと、少くとも日本人である限りそう考えんならんと私もう全く同感である。同感であるが故にお尋ねいたしますが、若しそういうふうにお考えになつておるならば、見返資金二千五百万円という金を貸してですよ、貸して果してこの炭鉱が今あなたが御期待になつておるような経過を辿つて、見返資金の返還、復金融資の返済ということが完全に行われるであろうかどうかということについては、十二分の御注意をお拂いになる必要があるし、又お拂いにならねばならんと私は考えます。十二分な考慮を拂われるならば、この問題については今まで通産省やその他から御答弁があつたように、ただ抽象的な観念的なお話でなくて、具体的に見返資金復金融資を貸した後の炭鉱の企業の状態、或いはその後通産省調査せねばならん又調査したであろういろいろな條件について十二分の検討を加えられて、固く確信を持つて見返資金の返還なり、或いは復金融資の返済なりが確実にできるというお見通しがつかない限り、この融資の枠の決定は私はしてはならんのであろうと私自身は考えますが、あなたは私が今まで申上げたことについて同感でございますか。それともそういうことは考えなくてやつてもよろしいというお考え方ですか。御答弁を願います。
  193. 大島寛一

    説明員大島寛一君) お答え申上げま。小滝炭鉱はたびたび資源庁なり、私共なりお答え申上げておりまするように、製鉄用の強粘結炭として開発すべきものだという方針の下にこの融資決定しておるわけでございます。もとより現在稼働しておる山と異なりまして、新らしい山を開発して行くのでございまするから、これにはやはり企業としての相当な危險を含むことも止むを得ないと思うわけでございます。そこで貸出をいたします以上、その償還についてどういうふうに考えるかという問題でございまするが、私共といたしましては返済を確実ならしめますためには、特に経理を適正ならしめ、万般の措置をする必要があるということを考えて措置したわけでございます。
  194. 西田隆男

    西田隆男君 私は良心的に本当に自分の気持を現わして御質問しておるのですが、御答弁される方では極めて抽象的に、観念的に御答弁になるので、いつまで質問したつて同じだと思うのですが、私が今あなたに御質問申上げたことは、そういうふうな抽象的なことの答弁を期待して申上げておるのではない。あなたがそういう注意をされるかされんかとうことを詰問しておるのでもない。それだけの注意をされることが当然ではありませんかというお話をしておるのに対して、あなたは強粘結炭で必要があるところであつたからやるということであるし、新規の企業であるから危險負担も偽るだろうというふうな御答弁で、私の質問と多少食違いがあるようにも考えますけれども、これ以上あなたを追及してみてもなかなか本当のあなたのお気持は御答弁になれないようなお立場であろうと考えますから、あなたに対する御質問はこれで終つておいて、又先に一つ進んで参りましよう。  通産省にお伺いいたします。あなた方が小滝炭鉱に対する見返資金の二千五百万円というのを大蔵省申請して、りそうしてその枠が決定された、こういうことでありますが、同じ日本内地からも強粘結炭を産出しておる炭鉱からもいろいろ見返金の放出方について申請がなされておると考えますが、その炭鉱のうちで、衆議院の通産委員会中島さんでしたか、可なり詳しく御答弁なされておりました。読んで見ますと、平田山、深井、西河内、大石、大平、手取云々と沢山の炭鉱が並べてありますが、この中で特に中島さんにお伺いしたいことがあります。それは頂きました表の第一頁であります。この中に今の炭鉱の名前がずつと書いてありますが、小滝炭鉱金額は千六百万円、即ち選炭機及び機械設備なつております。外の炭鉱は三百万円、三百万円、三百万円と中小炭鉱は非常に少いのでありますが、この中の一つの例を取つて見ますと、西河内もこれも選炭設備とあつて三百万円の金額が書いてあります。この実情を私は西河内の経営者、即ち見返資金申請者から聞いておりますが、その実情はこうなんです。実は三千万円欲しいのだという申請をしたところが、見返資金が出される順序、その他についてさつき御説明がありましたが、日銀の方からか或いは通産省の方からか知りませんが、三百万円しか貸さないから三百万円の申請をしろというお話があつた。だから一応三百万円の申請をするつもりでおりましたら、三百万円程の見返資金を借りたのでは選炭も何もできない、今産出しておる石炭が二五%から二七%、選炭すれば二〇%、而も出炭量は三十四年度において一万八千トンの出炭をしておる、二十五年度ではこれを三万トン乃至三万五千トンの出炭をしたいと考えておるから三千万円は是非欲しいのだがと言つて申請を出したところが、お前のところは儲かり過ぎておるから外から借りろということで、ところが昨年通産省の或る係から呼ばれて、見返資金の金が少し余つておるのでお前のところにもう二百万円貸してやろう、五百万の申請をしろと言われたという事実を私は知つておるのであります。仮に国家的な見地から日本内地で強粘結炭製鉄用原料炭生産が非常に急がれておるということをそのまま鵜呑みにいたしましても、今さつき大蔵省の方から御答弁があつたように、新らしい企業で非常に危險性の伴なう小滝炭鉱に二千五百万円というお金をお貸しになるよりも、私共みたいな常識人から考えますならば、現在出炭をして製鉄所ですでにその石炭を使つておる、而も設備をすれば製鉄所としては申し分のない製鉄用原料炭を産出しておる炭鉱に、三千万円欲つしいという炭鉱に僅か三百万円しか貸さないというこの事実が、果して通産省大蔵省の方から今日御答弁を頂いておるように、強粘結炭日本の産業のために必要だからという理由で簡單に結論付けられるものであるかどうか、この点について政務次官から良心的な御答弁を頂きたい。
  195. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 他の強粘結炭申請に対する今日までの経過は詳細にまだ報告を受けていないのでありまして、甚だ申訳ないのですが、只今西田委員からこの問題を承つて初めてその経過を聞くような状態なんであります。常識的に考えまして、相当矛盾のある貸し方だということははつきりしておるのであります。これらの点につきましては、一応炭政局長の方からこの問題に対する詳細な経過を報告して頂きまして御答弁いたしたいと、こう考えます。
  196. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 追加の分に対しましてあと二百万円出すからというような話があつたということは私まだ聞いておりませんが、それは最近見返資金の追加の話が出ておりまして、適当なものについては更に安本で出してやるというふうな話がありましたので、目下折衝いたしておりますが、その一つの準備だろうと思います。それと別個に小滝の新炭鉱に対して二千五百万円出し、それ以外の製鉄用のものについては極めて少量しか出していない。こういうような点につきまして申しますと、小滝の建設は先程のお話通りに、すでに以前から新生炭鉱として進捗いたしておりますし、たまたま復金融資の打切りによりまして工事が取急ぐという状況でありまして、やはり当初の新らしい田の建設に相当金が要るということになつておりますので、若し出すならば、やはり相当な金額を出さざるを得ないということで、ここにありますように、資源庁といたしましてはこの八千五百万円の枠からすでに千六百万円出しておられる、こういうようにしたわけであります。そういたしますと、残りの炭鉱に対しまして数が沢山ございまして、これを分けますと、こういうような極めて小さなものになさるのでありますが、若しも本当に見返資金だけを以てできるようになるということになりますと、非常に炭鉱の数が少くなるのでりあります。その場合にどの炭鉱を選ぶかという点につきまして、非常に順位の付け方の困難な点もございますし、又一方におきましては見返資金が一部付くということで以て金融機關からの融資の途が開かれるというような意味において非常に希望が多いのでありまして、細かく分けてこういうようなことになつております。
  197. 西田隆男

    西田隆男君 どうも中島さんの御説明を聞くと私はますます不思議になるのですが、小滝炭鉱というものだけ別にとつて小滝炭鉱だけを特別に考えなければならんという理由が薄弱なので、我々は真相はどうかと聞いておるのであります。借りるのを決定したのはどういうわけなんでありますか。それ程小滝炭鉱は必要なんですか。小滝炭鉱石炭生産がなければ、日本では製鉄用の原料炭が得られないという重要性を持つ炭鉱なんですか。
  198. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 小滝炭鉱に見返資金を出すということを決定したあとで全体の配分をしたのでありますが、小滝炭鉱に出すということりは決つておるわけであります。
  199. 西田隆男

    西田隆男君 それではお伺いいたしますが、この西河内炭鉱がいつ見返資金を貸して呉れということをあなたはお耳にお入れになりましたか。
  200. 中島征帆

    説明員中島征帆君) これは小滝炭鉱が問題になつた事件以後でございます。
  201. 西田隆男

    西田隆男君 そんな抽象的なことでなくて、二十五年の何月何日ということを言つて頂きたい。
  202. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 何月何日に許可申請したということは今分りませんが、これは小滝炭鉱が問題になりましたときに、八千五百万円程度のものを中小炭鉱に見返資金を出そうというようなことになりまして、それ応対して各地区の中小炭鉱からの希望をとつたのであります。
  203. 西田隆男

    西田隆男君 西河内からいつ申請されたか、何月何日と日にちをお覚えにならないで、小滝炭鉱のあつたあとでということは分らないと思います。
  204. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 日にちは分りませんが、順序といたしましてはそういうふうになつておるのです。
  205. 西田隆男

    西田隆男君 順序は小滝炭鉱は三十四年度ですから、順序は早いことは分つております。見返資金の閣議で決定したと申しますか、それは五月の何日でありましたか、衆議院の委員会で御答弁になつた、今日の資料にも書いてあります。五月に決定した、この前であつたか後であつたかが問題だから、何月の何日ですかということをお聞きして、いるのです。
  206. 中島征帆

    説明員中島征帆君) 私が申上げておりますのは、本年度の見返資金に關することでありますから、従つて五月の閣議決定以後であります。
  207. 西田隆男

    西田隆男君 日にちは分りませんか。調べれば分るのですよ。長官にお尋ねします。あなたは衆議院の通産委員会小滝炭鉱その他を融資の対象にするということが決定いたしまして、そのあと直ぐ小滝の分が仮決定になつたお答えなつておりますが、この仮決定はいつどこでされたのか、又長官は誰からその通知を受けられたのか、御答弁願います。
  208. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 私も速記録を只今見たのでございますが、その仮決定と申しますのは閣議決定の間違いでございます。その閣議決定は五月十六日でございます。これは資料が差上げてあろうと思いますが、五月十六日ということに承知いたしております。尚ちよつとついでで恐縮ですが……。
  209. 西田隆男

    西田隆男君 私の質問したところだけお答え願えればいいのです。
  210. 始関伊平

    説明員始関伊平君) ではこれだけで……。
  211. 西田隆男

    西田隆男君 これは仮決定でなくて閣議決定だということですね。
  212. 始関伊平

    説明員始関伊平君) そうです。
  213. 西田隆男

    西田隆男君 そうしますと、閣議が決定いたしまする前に、長官小滝炭鉱の見返資金融資に關する問題について、金額その他の点について大蔵省に一回もお話になつたことはないか、長官が若しなければ長官はその部下をして話さしめたことが一回もないのか、これをお伺いしたい。
  214. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 御質問の点だけお答え申上げますが、金額の点につきましては、話の交渉がまだよくございませんうちに、昨年度の引続ということで小滝の分だけが閣議で決定いたしました。さように存じております。
  215. 西田隆男

    西田隆男君 今の御答弁によりますと、二十四年度からの引継だから何んにも論議もせずに閣議でそつと決定したというふうに受取れますが、そういう意味ですか。
  216. 始関伊平

    説明員始関伊平君) その点が微妙な点でございますが、私共はそういう点も閣議の前に幾らか論議する時間があるだろうというふうに多少存じておつたのでありますが、昨年度の残りの分がその他いろいろございますので、そういうものを一括されて閣議にそれだけが決定になつた。かように存じております。
  217. 西田隆男

    西田隆男君 論議される時間的の余裕があるであろうと思つてつたという今長官は御答弁になりましたが、この小滝炭鉱の見返資金融資は二十四年度からずつと引継いて問題になつておるものですから、だから無條件に閣議で決定をしてよろしいと、いう筋合のものではないのであります。その長い間において通産省大蔵省なり或いは安本なりに対してこの閣議決定に至る間において何らかの意思表示があつておる筈である。何らの意思表示があつてないというようなことは我々には考えられない。それでは通産省というものは石炭に対する見返資金に対しては全く無關心であるというふうに私は結論的に考えざるを得ない。その点を一つ本当のことを長官話して下さい。
  218. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 私共の頭では二十四年度とは別に二十五年の分として改めてこの融資の問題は決定すべきである。と申しますのは、全体の金額等も減つておりますし、改めてやるべきものであるというふうにまあ考えておつたわけでございますが、それが只今申上げましたように、小滝の分だけが先に閣議決定になつたということはりそういう因縁からであるというふうに私共は了解いたしておる。かような意味でございます。
  219. 西田隆男

    西田隆男君 今長官の御答弁を聞きますと、小滝炭鉱の問題も二十五年度分と一緒にして当然検討せらるべきでりあるというふうに長官はお考えになつておつた、とこちが三十四年度からの引続きだというのではたつと閣議で決定してしまつたという、こういうお話ですね。
  220. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 大体そうでございますが、もう少し正確に申しますと、二十五年度分といたしまして、これを融資の対象にするというところまでは私共も賛成をいたしたのであります。畠しまのは、いろいろなことを申すとお叱りになるかも知れませんが、実は二十四年におきましても中小炭鉱に対する見返資金貸出は殆んどなかつたのであります。額は大変少いのでありますが、是非中小炭鉱のうちの緊要な部面から私共も考えておるのでありますが、そういう点につきまして、そういう炭鉱につきましては是非出したいということで小滝も出すが、と同時に外のものにも相当出すということであればよかろうというところまで話が進みましたときに、つまり金額の問題につきましては二十五年度分としては改めて余り論議されませんうちに、私共の側から申しますればそのときに閣議決定があつた。併しその意味は恐らく大蔵省の方では前年度引継分ということでおやりになつたであろう、かように私は了解しております。
  221. 西田隆男

    西田隆男君 衆議院における大蔵大臣の御答弁を読んで見ますと、こういうふうに御答弁なつております。小滝炭鉱に対しまする見返資金融資につきましては、昨二十四年度の計画に一応乗つてつたのであります。然るところ、御承知通り計画通りに見返資金が出ませんので本年度に繰越したわけでございます」こういう御答弁であります。二十四年度の見返資金計画の中に一応乗つてつた、併し出せないことになつたから繰越したのでございます。この大蔵大臣答弁と、今長官答弁とを照合して考えまするならば、二十五年度の見返資金の枠が決定、大枠が決定された中において初めて小滝炭鉱の問題は他の炭鉱の問題と一緒に採上げて検討をされねばならんと私は考えまするが、長官は引継だから閣議で決定したのだというふうに御答弁があつたけれども、本年度としてはこの大蔵大臣答弁と、今あなたの答弁とを聞きますというと、どうしても一緒の枠の中でしか小滝炭鉱の問題も考えちやいかんのだ、二十四年度には見返資金貸出の枠というものは全然ない。ないのに見返資金貸出申請したのである。これは二十五年度にそのまま引継いで持つて行かなければならんという結論は私は出て来んと思う。そういうふうな事務的な取扱方は各官庁ではされていないと私は承知しておる。長官はどうですか。
  222. 大島寛一

    説明員大島寛一君) 大蔵大臣の先般の御答弁につきましての御発言でございますので一応申上げますと、昨二十四年度の計画に一応乗つてつたのでありますと、衆議院において御答弁なつております。この一応とおつしやいました意味を私付度して御説明申上げます。
  223. 島清

    ○島清君 それは大蔵大臣答弁を忖度して課長が答えるというのは、そりんな馬鹿なことはない。
  224. 西田隆男

    西田隆男君 責任をお持ちになれば結構です。大蔵大臣の言われたことに対する御答弁は、即大蔵大臣答弁したものと考えますから、それでよかつたら御答弁願います。まあ大蔵省の方からの御答弁でなくして長官の方の御答弁を願います。
  225. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 私共は二十五年度分として改めで検討すべきものであるというふうに考えておつたのでございます。そうして非常にこの小滝につきましては問題が多いということは承知いたしておりましたが、ここに掲げてございますような中小炭鉱を選ぶとすれば、これと比べまして、小滝もこの中に入れて差支なかろうという結論に到達いたした次第でございます。
  226. 西田隆男

    西田隆男君 重ねて長官一つ答弁を頂きたいのですが、あなたは衆議院でこういう御答弁をしておられる。「資源庁としましては小滝炭鉱だけが採上げられまして、見返資金の対象になるということにつきましては相当に問題があるように考えております。」こういうふうな御答弁なつております。然るに今あなたの御答弁を聞きますと、外の炭鉱と一緒にせんでも二十四年度から引続きであつたから、小滝炭鉱だけが見返資金の対象になつて、先になつて閣議で決定されたということを御承認になるような御答弁なんですが、この御答弁で行くと、ただ單に見返資金貸出の対象となることだけでつも問題となつておるのだ、問題と考えておるんだということであれば、その貸出しされる金額に対して、決定される金額に対しては重大な関心を長官は持つておられたと私は考えます。その枠の決定される金額に対して何らの意思表示をあなたは決定されるまで長い時日があつたに拘わらず意思表示をされなかつたということは私受取れない。だから長官は本当は大蔵省側なり或いは安本側に対して相当強硬な態度で融資枠に対して意思表示があつたと私は推測しますが、本当にやられたでしよう。本当のことを言つて下さい。あなたが本当のことを言わなければいつまでも聞きますよ。
  227. 始関伊平

    説明員始関伊平君) この中小炭鉱に見返資金を出すということにつきましてはどの炭鉱を選ぶかという問題、その他担保能力の点その他からいたしまして、相当に困難があつたわけでございまして、従いまして中小炭鉱というものに一億足らずの大変僅かなものでございますが、金を出すようにしようという安本大蔵省との折衝に相当時間がかかつたのでございまして、一応枠としては八千五百万円程度ということで中小炭鉱というものを見返資金の対象にしようという意見が決まりまして、それからその五月十六日の小滝炭鉱の閣議決定の生まれるまでの間には、西田さんの御推測とは違いまして、余り時間がなかつたのでございます。それで実は閣議決定になりましたことは率直に申しますと、私共の決定いたした時期よりは早かつたのでございますが、その点には間違いございません。私が千六百万円という金額を申しましたのは甚だ迂闊でございましたが、五月十六日以後であるということにつきましては衆議院で私が申上げた通りでありまして聞違いございませ。
  228. 西田隆男

    西田隆男君 私は千六百万円という金額を閣議決定前に言つたのか、閣議決定後に言つたのかということを聞いているのではない。資源庁長官として衆議院でこういう答弁をされておられるのだが、当然小滝炭鉱に対する融資額に対しては深甚なる考慮を拂つている筈であると思う。そうすれば尚相当の時日があつたからその間において何らかの意思表示がなされておらねばならん。ただ思つてつた、考えておつたというだけでは受け取れません。通じません。通ずる方法が講ぜられておる筈だ、こう私は考えております。だからそのときにあなたの御意見は言つておられるか、言つておらないか、何にも言わなかつたかということをお尋ねしているのですが、言つておられるでしよう。
  229. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 中小炭鉱というものを見返資金の対象にしようという話が決まりましてから、この五月十六日までの間には正確な日子を憶えておりませんが、三、四日しかなかつたと心得ております。金額は申しておりません。
  230. 西田隆男

    西田隆男君 政務次官大臣の代理としてお見えになりつておりますからお尋ねしますが、その閣議の席上に通産大臣がおつたかどうか。
  231. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 出席しておつたと思つております。
  232. 西田隆男

    西田隆男君 幾らお聞きしても資源庁長官中島さんも通産省では小滝炭鉱融資の二千五百万円という枠について午六百万円という意見を述べられたことは閣議決定後であるという御答弁一首藤政務次官は衆議院の委員会で一応はそうじやない、前に言つたんだということを言い、後ではそれを取消しになつておる。そうすると通産大臣が閣議に臨みまするまでに、中島さんやら資源庁長官やら政務次官やらの間で小滝炭鉱融資の額の問題について何にも話はなかつたのですかあつたのですか。
  233. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 私並びに大臣の就任は七月でありましたので、当時は在職していなかつたのであります。従つて只今この小滝問題について御答弁できませんが、改めて調査の上でお答えいたします。
  234. 西田隆男

    西田隆男君 それじや長官の御答弁を願います。
  235. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 閣議決定の前の金額については全然承知しておりません。
  236. 西田隆男

    西田隆男君 閣議に出席された通産大臣にも何にもお話がなかつたのかどうか。
  237. 始関伊平

    説明員始関伊平君) 通産大臣お話する暇もなかつたというように記憶しております。
  238. 西田隆男

    西田隆男君 なかつたと記憶している……、官房長官は帰られましたね。分りませんな。それじやあとに保留しておきましよう。大分長い時間を私一人でとつて甚だ恐縮ですから、今日の私のこの問題に関する質問は一応これで打切つておいて、又継続することにして、島君も見えておるようでありますから、島君から御質問があれば御質問願うとして、私は一応これで保留しておきますから、又改めてお伺いすることにします。
  239. 島清

    ○島清君 私は今西田君が質問をされましたし、更に又その質問をされる意慾をお持ちになりながら保留しておくそうでりありますから、私も次に保留いたしたいと思いますが、その前に、この前資料の御提出をお願いしたのでございますが、通産省の方からの資料は非常に資料にならない資料を出して頂いておる。それをもつと詳しく何月何日に受理して、何月何日にどういう査定をして大蔵省の方に意思を含めて表示して、それを書類を回付してどういう意思の表示をしたか。例えば見返資金融資を必要とするものであるというような意思の表示をしたのか、乃至はどうも償還の能力は疑わしいとこういつたような意思の表示をされたに違いありませんから、そういつたような書類を一切添えて御提出を願いたいのであります。それから大蔵省においても、それと同様何月何日に書類を受理されて、そうして何月何日に決定をしてどうしたというような顛末のいきさつの資料を御提出願いたい。非常に私達が、西田君もそうだと思いますが、私達がこれをもと明瞭にして頂かなければならないと思いまするのは、大体二十五年の十月の十二日の現在で、十六件くらい許可されておるようですが、炭鉱関係は他の鉱山等においての査定額、それから何月何日に受理したという日時、それからGHQの方に廻つた日にち等も明確になつておるようですが、小滝炭鉱だけはそれが全然明確になつておらない。ですから併せてそういうところに非常に私達が聞きたいという気持もあるわけですから、そこうのいきさつを日時順に書類の処理の経過を一つ提出願いたい。この問題については大体委員長それくらいであとに保留しておきます。  次に、大変にどうも委員の各位に対しましては恐縮ですが、暫くお附合願いたいと思います。政府はこの衣料品の困つているときに、それの緩和策としてアメリカの方から中古品を輸入されたのですが、この輸入については丸菱商事というのが扱われたようですが、これがその当時は通商局の方において事務を扱つておられたようですが、臨時業務局というものが設置になりまして、それからその問題は通商局で扱つておりましたことは挙げて臨時業務局の方へ移つたようですが、臨時業務局の方た移りますと同時ですか、或いは時をおいてか知りませんが、丸菱が何か通産省関係をしておつた関係というものを一方的な意思表示によつてそれを打切られたということなんですが、それはどういう意味でしようか。と申しまするのは、大体私が承知しているところによりますると、あれは民間輸入として丸菱が相当力を入れて輸入したやに聞いておりまして、当然に業務局にその業務が移ろうとも、通商局としての契約に基くものは法律的にも当然に効果があつた筈なんでございまするが、臨時業務局に移ると同時にそれが一方的に破棄されておりまするがどういういきさつでそうなつたか、ちよつとお答え願いたい。
  240. 佐枝新一

    説明員(佐枝新一君) 私臨時通商業務局の佐枝でございます。お答え申上げます。米国の古衣料のバツク・トゥー・バツクといいますか、バーダーの契約による輸入につきましては、お話のように米国のラドリアン会社と丸菱通商と事実上の折衝があつて、これは政府輸入という形で入つております。通商局と申しますか、勿論通産省でございますが、通商局の方とこの実務代行を設けて、これは輸入の実務代行でありまして、契約には保管から引渡ということになつております。ただ通産省臨時通商業務局が四月にできまして、政府輸入物資で四月以降に入港したものにつきましては通商業務局がこれを扱う方針になつております。今のラドリアンの古衣料は七回に分れて入つておりますが、三月十一日、三月二十七日、四月の九日、二十二日、二十五日、五月の十日、五月の二十日、合計約八十万トン入つております。三船以後については、そういう建前で当然これは通商業務局で扱うことになつております。但し第一船、第二船の三月中に入つたものについても売残りがございまして、これらも一括そういつた政府輸入物資の取扱い拂下等をやります業務によつてつた方がよかろうということになりまして、我々の方でこれを引取ることになりました。成る程輸入実務につきましては丸菱が実務代行契約を結んでおりましたが、物資の保管は直接業務局におきまして倉庫会社と契約を結んでやつてつた、こういう建前でございまして、そういつた関係から丸菱の輸入実務を通商業務局において引継ぐ必要はないという判断が下されましたので、丸菱会社と十分打合せをした上、いろいろ紆余曲折はございましたが、合意の上実務代行契約つを打切つて通商業務局がその後そのもの自身を管理保管して、そうして処分するということにいたしたわけでございます。
  241. 島清

    ○島清君 その後に丸菱の実務代行の契約を一方的に、今局長さんの御答弁によりますと、紆余曲折はあつたが、御相談なさつたというので、それはどうでもようございますが、そのあとに実務代行者を置かなかつたのですか。
  242. 佐枝新一

    説明員(佐枝新一君) そのあと全般的な拂下げについては実務代行者を置いておりません。当時丸菱通商が都商事という会社と同系統の会社ですが江東商事ですか名前は忘れましたが横浜と東京に持つておりましたが、これが倉一杯に、倉の上の方まで山のように積重ねてあるという状況でありまして、我々がこれを拂下げるために、入庫いたしますためにはどうしてもその倉庫だけではできないという状況でありまして、近所の倉庫も借りましてそうして排替及びロツト分けをする必要が生じたのであります。その排替及びロツト分けのための運搬について東京横浜におきましてそれだけの実務を代行させるための商社を使用いたしました。
  243. 島清

    ○島清君 つまりこういうことなんですか。通商局において契約をした丸菱の実務代行というのは丸菱の不本意においてこれを解約をして、通商業務局としてはそれに代る実務代行者を設置したと、こういうわけなんですか仕事の内容は或いは異なつておるかも知れませんけれども。
  244. 佐枝新一

    説明員(佐枝新一君) 仕事の内容は全然別でございまして、丸麦は包括的は全般についての輸入実務代行をやつておりまして、これらは必要がありませんので、打ち切りまして、ただ入札をやるために拝替、倉庫移し、ロット分務代行者を東京地区及び横浜地区おのおの選定してこれをやらせたのでございます。
  245. 結城安次

    理事結城安次君) それでは島委員の御質問もまだあるでしようし、明日は鉱業法案採石法案の予備審査もございますので、十時から始めますから、その方は大して時間もかからんと思いますので、従つて成るべく午前に全部仕上げるようにいたしたいと思います。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時八分散会  出席者は左の通り。    理事            結城 安次君            廣瀬與兵衞君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            島   清君            下條 恭兵君            高瀬荘太郎君            山川 良一君            駒井 藤平君            西田 隆男君   説明員    通商産業政務次    官       首藤 新八君    資源庁長官   始関 伊平君    資源庁炭政局長 中島 征帆君    資源庁炭政局施    設課勤務    小玉不二雄君    大蔵省理財局見    返資金課長   大島 寛一君    通商産業省臨時    通商業務局長  佐枝 新一君