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1950-07-21 第8回国会 参議院 通商産業委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十一日(金曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○商品取引所法案内閣提出)   —————————————
  2. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 只今から委員会を開会いたします。先ず昨日栗山君から御質問のありました問題に対して大臣から御答弁がありますから、お聞取りを願います。
  3. 横尾龍

    ○国務大臣横尾龍君) 朝鮮事変のその後の推移につきましては何と申しましても我が国におきまして確乎たる見通しのつき得ないことは申すまでもないと思います。又或る程度長期に亘る、又成る程度拡大するということがないとも限らんという考えは持つているのであります。現在我が国には必要としますところの輸入原料事変が発生後も順調に輸入の商談が十分行われているということを御了承願いたいと思います。お話のありました綿花、羊毛ゴム等輸入につきましても、今後の予定数量輸入はできるものと考えております。一方外貨資金の割当につきましても許可あり次第に自動許可制を実施いたすならば、從来よりも一般と事業の繁栄を拡大して、経済情勢に即応する方針でありますので、これと相待ちまして、取引所開設の本旨を全うすることができると考えるのであります。実は本日の閣議において決まり、承認を得ました外国為替の予算につきましては、七—九の月におきましては、四—六の月よりも約一億ドルの増加をして一億五千七百三十四万ドルというような関係になつておるのであります。又ロー・マテリアルの輸入も四—六の九千ドルに対し七—九は一億二千八百ドルというような価額になつておりますので、これらを以ちまして輸入が順調に行きますならば、原料輸入は望み得ることだと考えるのであります。現在朝鮮事変関係特需のものが外貨裏付がありますので、やはり輸出と見で差支えないと考えられますから、これらに対する原料輸入も確保できるものと考えるのであります。それならば事変関係特需はどういうようなものかということは、これは現在のところにおいては分りかねるのであります。併し事変でありますので大体鉄材とか或いはセメントとかがあるのではなかろうかというような予想はいたしますけれども、大してこれは確実性を持つものでないということを申上げたいと思います。一部の商品国際情勢動きと共に一部思惑によつて騰貴するやも分りませんから、先刻申しました輸入を確保いたしまして、国内需要を緩和して惡影響がないように持つて行きたいと思うのでございます。それから第二には、昨日事務当局から詳細に御答弁いたしました通りに各繊維ゴム等についても取引所に上場の気運はあり得る。上場しても差支えないということでありまするから、取引所開設をこの際やることが最も必要なことであると考えるのであります。問これらのデータが御入用でありまするならば、それについても提出をいたしますからその点御了承願いたいと思います。
  4. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 大臣説明に対して御質問ございませんか。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 昨日私が質問したことについて大分詳しくお答えを願つたわけでありますが、その中で一番問題になる商品需要供給とのバランスの問題を私は質問したのでありますが、これについては今政府側から大臣輸入が順調に進むということが前提、而も朝鮮問題関係特需というものはまあ限られたもので大体そんなに重要視しなくてもよかろう。從つてバランスがつく。こういうふうにおつしやつたのでありまして、それがそのまま行けばよいだろうと私は思いますが、併し問題は今の繰上げ輸入をやつてありまするものが一つストックになるわけでありますが、繰上げ輸入をしなければならんというような状況下におきまして、相当国内供給をして行きます場合に、その供給の穴をどんどん埋めて行くことができるかどうかという点が将来に残された問題になると思います。この点はもう少し研究をして貰わなければならんと思いますが、一番重要なことは、こうなりますとこれは朝鮮事変契機といたしまして再びインフレーシヨン的な傾向経済界が向うことはこれは否定できない。從つて今も大臣は一部商品思惑投資が出たものに対しては輸入品で以て相当に多量の商品を流して、そしてそういうような思惑の起きないように処置をしたい。こういうように言われたと思うのでありますが、果してそのいうことだけでできるかどうか。インフレーシヨンの正面から私共は非常な危惧を持つておるわけであります。今日物価庁の方がお見えになつておるかどうか存じませんが……、お見えになつておりますか。物価庁では十九日に部長会議を開かれ、そしてインフレーシヨンによつて物価相当騰貴傾向にある。これは原材料に対する勧告価格設定程度では抑制しかねるので、從つて必要な物資に対しては物価の再統制をしなければならんという根本方針を決定したということが報道せられております。物価推移如何によつて価格の再統制が必要であるとの結論に達した模様であると或る一部の新聞が書いております。そうして値上りを予想される物資としてこれは総司令部部内意見にもそういう意見があるということが附加えられておりますが、羊毛製品だとか、人絹だとか、スフだとかいう繊維製品もその中に加えられておる。從つてこの物価庁方面情勢分析から来る物価に対する措置考えて見ますと、あなたが今お述べになつた点とは相当に物の考え方に食違いがあるように思われる。從つてこれは通商産業大臣がそうお述べになつた通りに固く御信じになつておれば、これをこれ以上つつ込んでお質しをするわけには参らんかも知れませんが、物価庁方面からこの点をお伺いいたしたいと思います。この両者の見解の相違をもう少し明らかにして置かないと、取引所法根本に触れる、昨日から私共の心配しておる中心問題になるわけでありますから、そういうつもりで一つ問題を氷解させて頂きたいと、こう思うわけであります。
  6. 郡祐一

    政府署員郡祐一君) 物価庁といたしましては、近時自由価格或いは闇価格におきまして相当変動が起つておりまするので、これらの動きにつきましては、その原因国際価格影響されておる点もございまするし、又一部に、部分的ではありまするが、需要相当つておるというような原因もございまするし、又思惑もございましよう。いろいろな原因がございましようが、物価相当変動を来たしておるということにつきましては、十分その傾向について調査はいたしております。併しながら現在の経済の自己調整的な作用、又輸入の現況などから考えまして、只今のところ、物価を再統制する必要はないという見解に立つております。從いまして一、二の新聞にやや先のことを考え過ぎたような記事を私も見受けたのでありまするが、物価庁がいたしておりまする作業も、現実を努めて的確に常に把握していたいという事務的な作業に止まるのであり、政府といたしましては、只今物価の再統制をいたす考えは持つておりません。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 私が伺いましたのは政府としく一本に御決定になつておる方針は、これは今商品取引所法案を通過させようということに非常な努力を払つておられるのでありますから、そういう御説明に終始一貫せられることは、私は当然なことだと思うのであります。御尤もつなことだと思うのであります。ただ問題はそういう説明をなさつておる蔭において、朝鮮問題以後、アメリカ経済を中心とした、国際的な動き、又これに直結する日本経済動きにおいて、一抹の不安を持つておいでになることは私は事実であろうと思う。その不安の程度新聞その他によつて報道せられておるのでありまして、昨日は新聞相当この変つた報道がなされておりますに拘わらず、政府は全然そういうことは知らないと否定をされておりますけれども、少くとも国内新聞に出る程度のことを政府が御存じないと言うのは、誠に奇怪な話でありまして、これは又政治する方法から申しますれば、責任のない新聞にいろいろな見解を発表し、そうしてこれによつて国民の方ヘサウンドをして、その影響によつて政策を立てて行くというやり方もあるのでありましようけれども、私はそういうようなこみ入つた手段が今取られるような状態ではないと思うのであります。現実にぴんぴんと響いて来るいろいろな影響によつて、こういうような状態になつておると思うのでありまして、その辺の見通しが、すでに政府部内においても事務的にいろいろ心配して措置せられておるという現実から考えまして、政府側は、現在の状態においてはということを繰返してお述べになつておりますけれども、この現在の状態というのをもう少し幅を拡げまして、少くとももう暫くの間の見通しというものを、率直に聞かせて頂かなければならないのじやないかと、こういう工合に思うのであります。今日も現在、明日も現在でありますが、その時間的な問題をもう少し率直な気持でお聞かせを願わないと、どうも私共は安心ができない。こういう状態にあると思うのであります。この点は如何でありますか。
  8. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 重ねてのお尋ねでございまするが、物価庁といたしましていつもその職責上、当然物価推移について研究をいたし、殊に只今のような状況で、これについて調査をいたすことは勿論当然でございます。併しながら只今お話のように、これで世間の何と申しまするか、観測を聞こうとするような働きは何もいたしておりません。物価庁部長会議というものに私も出席いたし、主宰をいたしておりました。その場合に、そのようないろいろなそれらの担当官研究報告はございましたが、只今統制をいたすというような考え方は、会議の際にも出ておりませんでしたし、同時に私、昨日関係方面とも折衝いたしましたが、これらの場合におきましても、只今物価の再統制というような考え方は出ておらないのでございます。從いまして事務の方も政府の方も全く一体となりまして、物価の再統制等について、現在においてということをもつと幅を広くしろというようなお話でございますが、何も今日だけというような意味で申しておるわけではなく、只今状態においては御心配のような再統制考え状態には相成つておらない。そういう工合一つ了解を願いたいと思います。
  9. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 外に御質疑はございませんか。
  10. 西田隆男

    西田隆男君 私の昨日の質問に対して通産大臣から只今答弁を承わりましたが、余りにお言葉が低いのではつきり聴き取れませんで、大臣の御答弁に対して速記録を見た上で又お尋ねしたいと思います。これに関連しまして、昨日ゴムの問題についての御説明を承わりましたが、私は昨日申上げましたように、朝鮮事変影響相当深刻に日本経済関連性を持つておる、かように考えております。そこで朝鮮事変の進展につれて、日本ゴムの問題は昨日の御説明の中にもあつたように、後の補充がだんだん窮屈になつて行くであろうということが考えられます。これに対処するためには、現在日本が戦争に負けましたために、人造ゴム製造禁止されております。せめて人造ゴムでも、ゴム工業として司令部許可を受けて日本の中で人造コム工業は再び復活されるというようなことにでもしなければ、このゴムの問題は決して簡単に解決はつかんと、私はかような考え方を持つておりますが、通産大臣としては、司令部に対して人造コム製造禁止の解けるようなふうに、司令部に要請する御気持があるかないか。この問題について大臣に御答弁を願いたい。
  11. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) 大臣に対する御質問でありまするが、私から代つて答弁申上げたいと存じます。ゴム原料の獲得が非常に今後困難になりはせんかという、御質問と存じます。この問題につきましては、昨日雑貨局長から詳細に数字上の御説明を申上げましたから、一応御了解になつておると存ずるのであります。大体現在のところ供給には一向不安のない状態にあるのでありまして、むしろ今後緊急物資輸入、それらの問題が解決いたしますれば、九月乃至十月になりますれば相当量ランニングストックができるというふうに我々は予想しているのであります。從つて現在の段階におきましてはコム原料供給に何ら不安はないと申上げて差支えないと思います。ただ人造ゴム製造関係筋に要請したらどうかという御質問でありまするが、御承知通り人造ゴム軍需物資でありまして、日本平和国家として成り立つておりまする今日におきましては、要請いたしましても、到底この実現は困難だというふうに考えているのであります。從つて今日のところ、関係筋に要請する意向は持つておりません。ただ併しながらアメリカ人造ゴムの生産が最近急速度を以て殖えて参つております。同時に関係筋におきましても、この際天然ゴムよりも遥かに人造ゴムが安いのでありまするから、製品のコストを安くするためにも、或る程度人造ゴムを使つたらどうかというお話がありましてその線に沿つて、現在作業を進めておるのでありまして、或いは近い将来若干ずつの人造ゴム日本に入つて来るようになるかも知れんと考えておるのであります。以上で御了承願いたいと思うのであります。
  12. 境野清雄

    境野清雄君 昨日の雑貨局長ゴムについての報告では、大体六月は三千六百トンだし、現在においては、七月一ケ月の工場のストックも足りないというふうなお話つたのでありますが只今次官からのお話では、そうでなく現在も十二分にこれを補填するだけのものがあるというようなお話であり、又先の輸入見通しというようなものも、昨日の話では十月になれば、大体三ケ月分くらいのストックがとれるのではないかという話だつたのであります。今のお話と大変違いますが、私も、昨日その点について質問したのでありまして、現在におけるゴム需給状況では、取引所を建てるについてはゴムはその事態に立ち至つていないのではないかということを聞いたのでありますが、政務次官から現在におけるゴム需給状況について御答弁を願いたいと思います。
  13. 首藤新八

    政府委員首藤新八君) 私は局長から申上げました数字は存じておりません。現実の問題としまして、ただランニング・ストツクはありませんと申上げていいと思います。併しながら需要には一向差支えない程度供給は行われておるが、併しながら取引所を設置いたしまするからには、どうしてもランニングストック相当量つているということが重要なファクターと考えているのであります。そこでこれを充実いたしますために、昨日局長からも御説明申上げました通り、戦後相当量輸入をいたしまして、十月になりますれば少くとも三ケ月の需要量に匹敵するだけのランニングストックは確保いたしたい、かように存じているのであります。
  14. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それではお諮りいたしまするが、昨日繊維局長、それか雑貨局長からいろいろ資料について説明がございましたが、その点につきまして御発言がございましたら御発表を願います。
  15. 栗山良夫

    栗山良夫君 先程物価三つばかりの原因によつて国内においてもある程度騰貴傾向にあるということをおつしやつたのでありますけれども、結局今後の物価値上り見通しがどの程度にあるかということは、もう少し突込んで御説明願いたい。それから只今政府が行なつている労働政策からいいましても、或いはその他のいわゆるインフレーシヨン收束政策におきまして、物価が上向きになつたときはこれは政府として何らかの措置をとらなければ、現在の経済政策根本に触れる問題であつて経済政策の転換を行わなければならんと思う。そういうことについて物価庁ではどういう見解を持つておられるか、少くともドツジ・ラインが設定されて現在まで行われて来た日本経済政策に対して、朝鮮問題を契機にして一つの依存的な傾向帶びているが、それについてどういうような考えを持つておりますか、今のようなお話だと物価統制はしない。ということをはつきり言明されたのでありますが、裏から申上げますれば、物価は自然の成行きに任せて行くということならばどんどん殖えて行く、その点をどういうように調整されるお考えでありますか。
  16. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 現在値上りの比較的著しいものとして非鉄金属とか、繊維とか、ゴムとかいうものが考えられるわけであります。そうしてこれらの価格について言いますと、多くは先程申上げました国際価格影響ということが見受けられるのであります。ただそれらの現象を更に分析して参りますと、ゴムの値が上つておりまするが、ゴム製品についてはむしろ下り気味である。それらの物資についていろいろ異つた現象を呈しております。それで物価の再統制という形は考える必要はないと思つておりまするけれども、必要に応じましては、勧告等をいたしまするようなこともあるものと考えております。勿論仰せの通り、これが国民生活に著しい影響を及ぼすようなことはできるだけ避けて参らなければならないのでありますが、只今段階では朝鮮事変見通しについては通産大臣からもお話がございました。只今段階においては物価の再統制をいたしませんでも、国民生活が著しく、著しくと申しては言葉が強いのでありますが、さしたる影響を及ぼすことはないであろう。こういう確信の下に現在の物価に対処いたしておるわけであります。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 この考え方なんですが、成る程非鉄金属ゴム繊維製品のようなものは上りかけておるわけでありまして、これは国際価格影響によつてそうなつておるということは当然分るわけでありますが、これはやつぱり第二次製品であり、原材料であります。從つてこれらを原料とした二次製品価格下り気味にあるとおつしやいましたけれども、これはやはり有効需要がないからそういうことになる。いわゆる国民購買力がないから、そういうことになるのであります。併しひとたびこのデフレの、極端なデフレ傾向に入りつつあるときに、インフレの形で出て来ればそれが波紋を画いて、そうして二次製品へも影響が来るというようなことは私は不可避であろうと思うのでありまして、只今物価統制をする意思がないというお考えはその通りと承わつて置きますけれども、そういう場合に今原材料がどんどん上つて行つた場合には、いつかは上つて二次製品影響が来るものと見なければならないのでありましてそういうときの対策が現在の経済政策のままで、例えば勧告価格というような程度のものでも二次製品価格を抑えて行けるか。ここが国民生活に私は影響を及ぼすものと思うのであります。例えば最近におきましても銅の値段に非常に大きな値上りを来たしておる。そうしてこれが製品にまでも及んでおることはあなたも御承知だと思います。それからこういうようなことは次次と私は起きて来るのじやないかと思う。そういう点について例えば物価を常に監視して行くのが物価庁の任務であるとおつしやいましたが、その大きな原因はすでに相当先まで見越して、どういうふうになつておるか。特にその点をもう一つお答え敬いたいと思います。
  18. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) 繰返して申上げるようでありますが、現在の程度では必要な場合に勧告価格と申しますか、勧告をいたしますことで大体賄い得るのではなかろうかと、かように考えております。先程考え方の相違とおつしやいましたが、私共はこれからの物価推移、並びにそれが国民生活との関連ということには十分注意をいたして参りまするし、そのためにいろいろな方面の材料を得たく努力をいたしておるのであります。繰返して価格の再統制という形に参りませんで、事態を処理し得るのではなかろうかという工合考えております。ただ朝鮮の問題もなかなか見通しがむずかしいと通産大臣お話でございましたが、この朝鮮問題の推移ということにつきましては、特にお話のように一番大きい要素として考えておる。只今のところそういう段階にあると申上げるより外ないと存じます。
  19. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それでは繊政課長繊維局長の代りに見えております。又雑貨局長見えておりまするが質問はございませんか。あればお願いいたします。
  20. 境野清雄

    境野清雄君 只今物価局の方から勧告という問題を再度に亘つてお話がありました。勧告というものは非常に効果のあるようなお話でありますけれども、過般何か新聞で見ただけでありますけれども、証券取引所における先般来の市場の値上りに対して大蔵省並びに物価庁勧告した。又近くは繊維局からの人絹糸の、或いはスフ糸値上りに対してこれを勧告したというような三つの例がありますので、これに対して物価庁の方としましては相当日にちも経つておりますから、この勧告によつてどの程度効果があつたかということがお分りであつたらお知らせ願いたい。
  21. 郡祐一

    政府委員郡祐一君) いわゆる勧告価格が直接に統制力のあるものでございませんことは申すまでもないところであります。ただこれが物価統制令不当価販売禁止と如何なる限度において関連して考えることができるかどうか。これは個々のケースについて個別に決定いたし、又個別に考えられることと思うのであります。毛糸につきまして勧告価絡を一週間前ですか、いたしだのでありますが、これらの影響等につきましては他の説明員から御説明をいたすことをお許しを願いたいと思います。
  22. 狩谷享一

    説明員狩谷享一君) 只今質問がございました勧告につきまして、通産省或いは大蔵省がいたしました勧告は、私共の先般申しました勧告とは性質をやや異にしておるのではないかと存じております。それらの価格勧告につきましては、まだ私共としては直接の関係を持つておりませんために、その後の価格がそれがためにどうこうしたということについては、数字調ベをいたしておりません。物価庁がいたしましたこの種の勧告につきましては、その後の処置勧告の線に沿つておるものと考えます。
  23. 境野清雄

    境野清雄君 今のお話によりますとまだあれですが、この間の毛糸人絹スフというものの値上りに対しては、物価庁としては、それに対して勧告するという程度値上りではないという御見解ですか。
  24. 狩谷享一

    説明員狩谷享一君) 只今動きにつきましては、まだ勧告段階には至つていないと思います。
  25. 境野清雄

    境野清雄君 勧告段階に至つていないということは、例えば人絹糸のようなものは、約五割からの値上りをしております。五割からの値上りをして、おるものが物価庁としてまだ勧告の域に達していないということになると、物価庁自体で見まして国民生活影響する物価値上り、例えばそれに対して勧告を出すという限度というものは、一応どの程度のものですか。
  26. 狩谷享一

    説明員狩谷享一君) どの辺の点まで価格上つた勧告を出すか出さないかという、それの点につきましては、私共の方ではつきりした意見を持合せておりません。併し、只今お話のありました人絹スフ等価格につきましては、只今承知のように、最近特に大阪方面価格が非常に上つておることは事案であります。上つておりますけれども、それらの価格について、それが短期のものであるか、長期のものであるかというような考慮も、必要であろうと思います。それから又それらの価格騰貴原因が、果して輸出裏付けがあるかどうかということの考慮もやはり必要だと思います。端的に申しますれば、輸出向けのものにつきまして、海外からの需要が旺盛であるがために、その輸出価格上つております今日におきまして、物価庁としては特に、それを、価格を抑制するための措置というものを講ずることは、一般的に申しますれば必要がないものと考えます。只今価格動きにつきましても、更に日一日激しい動きをしておりますが、それらにつきまして、物価庁としまして、或る程度の公式の措置を取りますにつきましては、その現在の需給状況、その後の動き状況につきまして、或る程度のはつきりした見解を得ました上で、勧告をいたすのが適当じやないか、勧告のような措置を取る必要があるとすれば取るということが適当かと考えます。
  27. 境野清雄

    境野清雄君 只今お話は少しおかしいじやないかと思うのですが、例えば人絹糸のようなものを一つの例にしましても、そのものが五割から値段国内上つたというものは、即ちその織物が海外輸出されるという場合には、海外国内原料糸というものをスタンダードにすれば、これは結局ソシアル・ダンピングということが起つて来ないかというようなことを感ずる。併し又大阪方面上つたという程度ぐらいに軽く見ておるのではなくて、相当そのものが輸出関連性のあるものに対しては、もつと早急に物価庁自体でも、私共が考えれば、こういうものに対しては手を打つべきでありまして、それがまだ物価庁自体見解では勧告を出す限界に行つていないということは私共としては甚だ受取れないので、このことは今お話のように輸出というものに直接関連があるということを考えると、どうも今の御答弁では納得ができ得ないのですが、もう一度御答弁願いたいと思います。
  28. 狩谷享一

    説明員狩谷享一君) 只今申上げましたのは、これを要約いたしまするに、最近におきます価格動きにつきまして、物価庁としてこれに対して例えば勧告というような措置を取りますにつきましては、現在の需給状況及び今後の見通しというものにつきまして十分調査をした上で以て必要とあらば取る、かようなことにいたしたいと思いますので、ただ一日或いは数日、或いはここ一週間乃至十日の動きを以ちまして、直ちにそこで以て物価庁として勧告措置に出るということはいたさないという程度の意味でございます。
  29. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 他に御質疑はございませんか。……ちよつとお諮りいたしますが、この問題はまだ後にも質問があろうかと思いますが、一応法案の審議に入つたら如何なものだろうかと思いますが、御意見をお伺いいたします。
  30. 境野清雄

    境野清雄君 法案の審議に入る前に、大体次官からお話があつたのですが、この商品取引所法案の提案理由は説明して呉れたんですが、直接担当している企業局としてのこの法案に対する趣旨なり何なりありましたら一応お聴きしたいと思いますが、そのことを皆さんにお諮り願いたいと思います。
  31. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 只今境野委員から御発言のありました企業局としての趣旨その外の説明がありましたら、一応政府側から御説明をお願いいたしたいと思います。
  32. 石原武夫

    政府委員(石原武夫君) この取引所を設置いたします趣旨につきましては概略のところは提案理由で申述べたつもりでございますが、趣旨といたしましては大要提案理由に言つておると思うのでありますが、法文が非常に長文でございますので、それの概要と申しますか、そういうことを御説明申上げればいいかと思いますが、商品取引所法案要綱というのがお手許に差上げてあると思いますが、お手許になければ只今お配りいたしますが、これは法律案を極く要領をまとめたものでございますので、これについて御説明申上げたいと思います。尚まだお配りしてないようでございますので、それでは一応今資料を取寄せまして、至急に御配付申上げたいと存じますが、それまで暫く口頭で説明させて頂きたいと思います。商品取引所法につきましては商品を法定をいたしておりまして、先般来御質問もございましたが、両提案理由にも書いてございますように、綿花以下九品目を法定いたしまして、その他のものにつきましては事情によつて政会で追加できるというふうに規定がございます。この点は現行の取引所法と申しますか、從来ありました取引所法におきましては法律に何ら謳つてございませんでしたが、今回はその点を明らかにいたしたのであります。それから次にこの商品取引所におきましては先物取引と申しておりますが、或いは清算取引と申した方がお分りいいかと思いますが、その先物取引を認めております、これは現在の証券取引所法におきましては認めておらない点でございますが、商品といたしましては少くとも清算取引が認められませんとその効果が挙りませんので、先物取引ということで差金の決済による商品の清算取引を認めておるわけでございます。それから次に組織といたしましては、これは提案理由にも、詳しく申述ベたつもりでございますが、会員組織に限つております。それで会員組織で会員が取引をいたしますのでございますが、会員のうち委託を受けて売買取引をするにつきましては、会員の中から更に商品仲買人というものを設けまして、一応主務省に登録いたしまして、一般の会員と区別をして取扱うことにいたしております。この趣旨は今回の取引所は会員組織で、なるべく広く門戸を開放し、そうして実需家の方に御加入を願い得るような途を開きました。他面委託者を保護する必要がございますので、この委託者の保護をいたします観点から商品仲買人という制度を設けまして、特に嚴重な資産要件その他監督等をいたしまして、委託者の保護を図るという趣旨からこの制度を新らしく設けたわけであります。この仲買人は從来の取引所法においてはなかつた制度でございます。今回初めて創設した制度でございます。会員組織にいたしました関係上、取引所は営利の目的を以て業務を営めない、附帶事業につきましてもつ主務大臣が特に必要と認めた以外のものは営めないというような制限を設けております。それからその次に市場の開設の制限といたましては、先物取引にこの取引所法による取引所に限るということにいたしておりますが、これはもとより当然のことでありますが、尚取引所は一種の商品については一つの市場しか開設してはならんという規定を設けております。これは取引所の趣旨ができるだけ広い範囲に亘りまして或いは大量の取引が一ケ所に集中される、それによつて公正な値段が形成されるというような狙いからしまして一商品については市場という制限を設けたわけでございます。次に取引所の設立の関係でございますが、從来の取引所法によりますと免許主義でございまして、相当從来の例を見ますと嚴格な運営をされておつたのでありますが、今回はできるだけ業界の意思に委せたいという趣旨からいたしまして登録制度にいたしました。そうしてただ登録制度と申しましても決定されております……法文で申しますと、十五条に登録の拒否の要件を掲げております。法律に登録拒否の要件を掲げましてそれに該当いたします場合は登録を拒否いたしますが、それ以外の場合においては登録をするということにいたしまして、その関係を明らかにし、できるだけ業界の自主的な治動の範囲を拡げるという趣旨で登録制度にいたしたわけであります。  次に会員につきましては、会員たる資格を有しておる者については制限を附さないということにいたしております。これは從来の取引所におきましても或いは証券取引所におきましても、会員なり取引負の人数の制限ができるようになつておりますが、この法律におきましてはそうしたような人数の制限を行わないような規定になつております。又会員の資格につきましては上場商品、それの主たる原料でありますとか、又はその商品の生産加工というものをやつております者は何人でも入れる。ただ一つの条件といたしまして純資産要件というものを法定しております。これは取引の安全を確保いたします上に、取引所法に一定の資産要件を掲げたわけであります。その他につきましては欠格条件といたしましていろいろ刑罰関係の適用のある者は除外しておりまして、それ以外については特段の制限をいたさないということにいたしております。  それから今お手許に資料が行ておると思いますが、商品仲買人につきましては、六番目にございまするが、先程もちよつと触れましたように、商品仲買人に限つて売買の委託を受けることができるということにいたしております。で商品仲買人になり得る資格といたしましては会員に限るということにいたしまして、商品仲買人については主務省において登録制度を取るということにいたしております。商品仲買人につきましても会員と同じように、資産要件を設定いたすようなわけでありますが、一般の会員よりも嚴重な資産要件を設定する予定でございます。  七番目の機関につきましては、これは特段の問題はございませんで、從来の法令と殆んど同じことでございまして、理事長、理事、監事等の必要な役職員を置くような規定を設けておるようなわけであります。  その次の計算につきましては取引所がいろいろ会員信認金でありますとか、仲買人の保証金というものの預託を受けるようになつておりますが、それの運用について制限をいたし、不当なる運用のないような点を注意いたしておりますのと、会員組織という意味に基きまして、剩余金を会員に分配するというような株式会社に類するような制度を認めないことにいたしております。  次の取引所における売買取引でございまするが、第一点は取引所におきまして売買取引を行い得る者は会員に限つておりまして、会員が予め取引所を通じて登録をしております商品に限つてのみ売買取引ができるという規定をおいております。尚売買取引の方法その他につきましては、取引所が定める業務規程に從うということにいたしております。尚売買取引の履行を確保するために、取引所が会員から売買証拠金を徴することができるというような趣旨の規定をおいております。尚格付けにつきましては、取引所において定めた格付に從つて行うというようにいたしております。それからその次に問題となりますのは、市場における売買取引はすべて取引所を経て行わなければならんということでございまして、これは取引所の性質上すべてさようになつてつて、特に問題の点はないと存じます。  十番目に商品市場における売買取引の受託の関係を規定しておりまするが、受託の場所は登録を受けた場所に限るということにいたしておりまして、いわゆる外交員と申しますか、さような制度は認めないことにいたしております。これは証券とは違いまするが、証券にはかような外交員の制度は認められておるのでございまするが、商品取引所につきましては、さような制度を特に設けなければならない実体的な必要性も少ないと思います。又外交員制度というものはえて弊害が非常に多いので、さような外交員制度を今回は認めないことにいたしてございます。その他呑行為を禁止することは当然でございまするが、その他受託契約準備に從わなければならない。売買手数料を徴收する、売買証拠金を徴收しなければならんというような規定も、これは取引所の売買に附帶いたしまして当然の規定を設けておるわけでございます。
  33. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) ちよつと途中ですけれども、お諮りいたしたいと思いますが、只今衆議院の方で日本製鉄株式会社法廃止法案の審議をやつておりますので、大臣はその方に出席したいと言われておりますが、大臣に対する質問は後刻に讓ることにいたしまして、一応これであちらに行かれることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 石原武夫

    政府委員(石原武夫君) 次の解散等につきましては特に御説明を申上げる程のことはないと思います。  登記等は相当長い条文をおいておりますが、いわゆる手続的の規定を法律に設けておるに過ぎないのであります。十二番目が監督でございますが、報告を徴します。殊に必要の場合には臨検検査をするというような規定は、他のこれに似た法律とほぼ同様の規定を設けております。又取引所でありますとか、会員でありますとか、仲買人が法律或いはこれに基く命令に違反したというような場合に、登録取消とか、業務の停止、会員除名、いろいろさような監督の規定を必要な場合に設けておるわけでございます。尚取引所の運営の実体を決めます定款の外、業務規程、受託契約準則等につきましては、これは取引所の登録をいたします場合、その他に届出をすることになつておりまするが、それらにつきましても受託者の保護を図りますとか、公益上の必要があるというような場合には、変更を命ずることができるという規定をおいております。その次の十四番目は、仲介及びそれに関連する商品取引所取引紛争審査会というものでございますが、これにつきましては証券取引法の例に倣いまして、商品市場における売買取引における紛争を処理いたしますために、仲介の制度を設けたわけでございます。証券取引所法におきましては、証券委員会は三人の委員で作られておりますので、委員会自体が仲介をいたすことになつておりますが、こちらにはさような委員会組織がございませんので、大蔵、農林、通産の関係省から三人の職員を一人ずつ出しまして、商品取引所取引紛争審査会というものを作りまして、紛争が起りまして当事者の申出があつた場合に、ここにおいて仲介をすることになつております。仲介は当事者の申出によりまして協定案を作るわけでございまするが、これを受託するかしないかは当事者の任意でございます。ただ受託をいたしました場合におきましては、それに違反いたしますと、取引所法に基く制裁を掲げておるわけでございます。その次の十五番目は、商品取引所審議会というもので、これは提案理由にも御説明を申上げておいたつもりでございますが、これが国民経済に与える影響相当重大であるという見地からいたしまして主務大臣が主要な処分をいたします場合に、すベてこの審議会の議を経なければならんという規定を置いております。尚この審議会の構成といたしまして会長一人及び委員四人で組織いたしますのでございますが、これらの任命につきましては予め両議院の同意を必要とするという慎重な手続を踏んでおるわけであります。その次に十六番目には雑則と書いてございますが、そのうちの一番目に、裁判所は緊急の必要があると認めるときは、主務大臣の申立によりごの法律に違反する行為の禁止を命ずることができる、という規定を設けてございます。これも証券取引所法に倣つた制度でございまして、いわゆる英米法のインジャンクシヨンの制度をここに設けてあるわけであります。その他特に申上げることはございませんので、以上で御説明を終ります。
  35. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 御質問はございませんですか。別に御質問がございませんでしたら、商品取引所法案の審議に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それでは政府委員から説明を聞くことにいたします。若しも只今の企業局長説明に質疑がご御ざいましたら後刻にして頂きたいと思います。ちよつとお諮りいたしますが、逐条審議に入りますか、総括的な説明を聞くことにいたしますか。速記を止めて。    〔速記中止〕
  37. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 速記を始めて。逐条審議は今日議員の出席が大分少ないようでございますから、後廻しにいたしまして、総括的な質問がございましたならばこの際済ませておいて、この次逐条審議に入つたらいいかと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。それではそういうふうにいたします。
  39. 境野清雄

    境野清雄君 大体私はこの法案の中で大きい問題だと思うのは、第三十八条の三項にあります会員信認金の問題でありますけれども、この会員信認金というのは、要するに証券取引所に上場されておる証券に限つて、その中から主務大臣が指定する、こういうふうな条項があるので、これは相当非上場の証券についても充当の途を開いて頂かないと、例えば東京大阪という都市においては余り困らんと思いますが、この問題は相当地方において、例えば福井なりその他豊橋なりというような都市でやりますときに、上場証券でなければ、地方株はこれは有効でないということは非常にまずいのではないかと思うので、この非上場の証券についても充当して貰いたいというような点と、それからもう一つは、今問題になりました百三十九条の審議会の問題、この二つの問題になるのだと思いまして、大体審議会の方と七ましては、今の附則のこの第一にある二十五年八月一日からこれを施行するということは、これはもう到底不可能なことでありまして、十五日なり、九月一日まで延ばさなくちやならないということは、これはもう一応修正なり何なりでやつて貰わないことにはこの法案自体が動かないのぢやないか。それから同時にこの附則の七項にありますことと、今の百三十九条、こういう問題と睨み合せて見ましても、今の国会でよく行きましても二十八、九日になつて初めてこれが衆議院を通過するというような結果になりはしないか。そうしますと、七月三十一日までに、僅か三日ばかりきり日にちがない。その三日ばかりの日にちの中には一応この議会を通過したものを、議長から上奏しまして、これが公布されるととうことに一日、二日かかるのぢやないか、たとえ一日になりましても、余すところ二日ばかり、そこで審議会の委員というものを内閣総理大臣から両院に持つて来るということも、ただ単に直ちにこの法案が通過し、そして公布されたから、それによつて内閣総理大臣が自分の手持のものなり何なりを……業界の推薦なり何なりを持つて来るというのではなく、やはりこれには一応あちらさんの意向も聞かなくちやならないのぢやないか。そうしますと今日持つてつて今日返事をしてくれということは、これは不可能であろう。そこで若しその者のスキャップの方の許可というようなものが八月の一日になつたというような場合には公布されたときには未だ国会は開会中であるが……その方の面から見ますと、内閣総理大臣は両院の協賛を経なくちやなりらんという面があるのに拘わらず、八月一日乃至二日になつて来たら休会中だから両院の同意を得ないで、審議会の最初の会長、委員として次の国会に事後承認を得なければならないのじやないか。そうするとこの問題は相当今から政府の方に見通しを付けて頂かないと、この審議会の委員という問題で、相当これば行詰るような形になりはしないか。こういうことに対して一応政府はどういうようなふうに考えておられるか。又これを私共が惡意に解釈すればそういうふうなことにして公布を延ばしてしまう。二十九日に通過したにも拘わらず公布を八月一日に延ばして、そうしてその場合は法規の解釈によつてその公布された日がこの基準になるというような解釈で、休会中なんだから総理大臣が独自の見解で決めるというようなことをやられることは遺憾なことであるので、この点に関して特に政府の方の御説明を願いたい。又一つ各党の委員もこの点は十二分に一つ御審議願う方が間違いがないのじやないか。こんなふうに思うのであります。大体これは私共は政府の方としても理由のあることだと思うのでありますが、大体議長から委員会に七月十三日にこれを付託せられた。余すところはフルに使つても十九日しかない。十九日しかなくて、そのうち参議院だけの面を見れば日曜を抜かしたということにすれば約一週間ぐらいしかない。一週間しかないときにこの附則の一項で以て八月一日から施行するということを書いたことは、この法案をこちらの方に付託したときから少し不親切ではないか。これば第七国会の五月の二日のときに最後に行つて衆議院の本会議で審議未了になつたのでありますが、参議院は委員会も本会議も通過して、衆議院の委員会も通過して、土壇場に、時間が十一時過ぎだつたので本会議で審議未了になつたような経過から見ましても、この八月一日というものは、勿論休会中に政府としてはやつておられたので、もつと早く臨時国会が開かれるという予測或いは六月頃には臨時国会が開かれる予測からで……八月一日は無理だろうと思いますが、これは今勿論申上げましたように、これが付託されたのは七月十三日だと思う。これは十五日なり九月一日に直して貰つてもよかつたのぢやないかという考えがあるのです。そうして一応法文に謳つておるのですから、そういうことは余り追及しないつもりですが、そういうことに関連しまして、この百三十九条の面、それに対する附則の七項の面は、相当政府の方で御研究つて万遺憾ないようにやつて頂かないと、これは大きな問題が起りはしないか。こんなふうに思つております。
  40. 石原武夫

    政府委員(石原武夫君) 只今お話がございました二点について御答弁申上げます。第一の御質問にございました三十八条の問題でございまするが、会員信認金等の代用有価証券の問題だと存じまするが、代用有価証券の問題につきましては、これは金銭の預託が原則でございまするが、実際上の便宜を考えまして、代用有価証券という規定を設けておるわけでございます。如何なるものを代用に認めるかという点は、二つの問題があると思います。一つはそれの価値が確実であるという点、それからこれを換価する必要があつた場合、これを差押えるとか優先弁済を受けるという問題になりましたとき、それが確案であり、且つ迅速に換価が可能だということが代用の有価証券として望ましいものだと、かように考えておるわけでございます。それで、そこには国債、地方債の外上場されております社債、若しくは株式のうち取引所が主務大臣の承認を受けて指定するもの、かような規定を設けたわけでございます。これは証券取引所法におきましても同じような制度がございまして、ここはそれに倣つたわけでございます。併し只今お話のございましたように、必ずしも上場されておりませんものでも確実な有価証券のあることは事実と思います。さようなものにつきましても換価が或る程度可能なものについては、代用有価証券の趣旨から申しまして、必ずしも拜除する必要はないと思いますが、具体的に行政面でさようなものをどれを取上げる、どの株式を取上げ、どれを取らんかということは、非常にむずかしい問題であります点が一つと、中には確実であつて相当の価値があつても、換価が非常に困難だというようなことがあり、その点を行政官庁の指示によつて余り動かすということはできないという点もございます。又前例もございましたので一応それに倣つて、かような規定を設けたわけでございます。尚この点につきましては関係方面意見もございまして、前例に倣つてかような規定にいたしたわけであります。次に審議会の点につきまして、これは只今境野委員から御発言になりました通りでございまして、実は我々といたしましては、この前の国会のいきさつもございまして、開会劈頭に次の国会に上程願いたいということで、審議会の方の御希望もできるだけ早く証券取引所法の改正をするという希望も一、ざいましたので、自分の方としてはできるだけ早く司令部了解を得たいということで、当時国会の開会期日がはつきりいたしておりません、同時にすでに司令部提出しておつたというような事情でございましたので、実際開会の期日が当初の予定より遅くなりましたので、現在の段階におきましてこの法文を読みますと、八月一日を施行期日としておりますが、審議会に重要な事項はすべてここに諮問しなければならんということで、当然その前に審議会の制度が施行され、公布される必要があるという規定ができておるわけでございまして、現状では先程お示しのように、如何にあるものか、十分説明のつかんような状況になつてしまつたわけであります。この点は尚附則との関係も引用されて詳しくお話がございましたが、その関係は正にお示しの通りでございまして我々といたしましては、かような見通しの惡い法案を出したということは甚だ申訳ないと思いますが、その間の是正につきましては、今日この委員会においても十分御配慮を煩わしたい。この点お願い申上げたいというように考えます。
  41. 境野清雄

    境野清雄君 今の私の最初の質問の上場株というものに関しましてはそうすると政府の方としてはこの法案にはこう謳つてあるが、地方における株券に対しても一考すると、こういうようなお考えですか。
  42. 石原武夫

    政府委員(石原武夫君) 今の御質問の趣旨が、上場株のうち地方株と、こういう御質問か、或いは上場株でない地方株……
  43. 境野清雄

    境野清雄君 上場株でない地方株です。
  44. 石原武夫

    政府委員(石原武夫君) それは先程お話がございましたように、私たちといたしましては、上場株でない地方株におきましても、沢山動かす株につきましては特に代用有価証券と見ても差支えない株もあることも事実だと思います。從いまして今後これの法律の運用、或いはその後の実情によりましてさようなものも取上げる必要があるということになりますれば、十分この際考慮いたしてみたいと思います。ただこの点につきましては先程も申上げたように、関係方面意見もございますので、ここで必ずするというお約束はいたしませんが、十分その点は考慮して善処をしたいと思います。
  45. 古池信三

    ○古池信三君 只今の境野委員の御質問関連するわけでありますが、私共この法案を見まして、施行期日八月一日と確定をしておりますることは、現在の審議の情勢から見まして無理がありはせんかと、かように考えるのであります。それで本法案の運用を円満完全にする意味合いにおきまして、委員会としてこの点について若干の修正をいたしたらどうかと考えるのでありますが、修正意見を提案してよろしうございますか。
  46. 境野清雄

    境野清雄君 只今の古池委員のお話は尤もだと思うのでありますけれども、これは一応この法案を審議いたしました後において、そういうような提案をして頂きたいと思うのでありまして、これもまだ審議しないうちに、この八月一日というものを修正して行くということは、不穏当だと思いますから、これは一つ審議した後にやつて頂きたい。こういうふうに思います。
  47. 古池信三

    ○古池信三君 それではその機会は適当な時に定めるようにお取計らい願いたいと思います。
  48. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それではそういうことにいたします。
  49. 小野義夫

    ○小野義夫君 審議の方法につきましてなるべくこれは逐条審議も結構と思いますが、これを棒読みにして第百何条百何条と一々逐条審議をするというのも少しどうかと思われるので、從来若しこういう法案に対する適宜な方法がありますならば、そういう方法をお図り下さいまして案の内容の正確を期することは結構ですけれども、手続はなるべく簡単にやつて行くようなことについて、一つ皆様からお聞かせを願いたいと思います。
  50. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それは御意見を伺つておきまして、後刻審議の場合に適当な措置をお諮りいたしまして、そうして進んで行くようにいたしたいと思います。外に御質問もないようでございますから、本日はこれで散会いたしたいと思いますが、如何でございませうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 廣瀬與兵衞

    ○廣瀬與兵衞君 散会に異議ありません。ただちよつとあと懇談を少し……
  52. 深川榮左エ門

    委員長深川榮左エ門君) それでは次回は明三十二日午前十時より開会いたしたいと思います。どうぞさよう御了承願います。それではこれで散会いたします。    午後二時九分散会  出席者は左の通り。    委員長    深川榮左エ門君    理事            古池 信三君            廣瀬與兵衞君            栗山 良夫君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            小松 正雄君            椿  繁夫君            加藤 正人君            山川 良一君            駒井 藤平君            境野 清雄君            西田 隆男君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   政府委員    通商産業政務次    官       首藤 新八君    通商産業企業局    長       石原 武夫君    物価庁政務次官 郡  祐一君   説明員    物価庁調査課長 狩谷 享一君