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1950-10-18 第8回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月十八日(水曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (農林行政事務の再配分に関する  件)  (昭和二十五年度補正予算等によ  る、地方財政需要額並びにこれに  対する財源措置政府案に関する  件)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。  本日は行政事務の再配分につきまして農林省関係事務について御検討願いたいと思います。農林次官初め農林当局が見えておりますから先ず農林当局から農林行政事務の再配分に関しまして、地方行政調査委員会議に出された意見中心にして御説明願いたいと思います。尚その中で主な事務として、ここに資料を提出されましたのは食糧管理法関係、それから農地法関係、林野庁の関係、これが出ておりますからそれを中心にして御説明を願いたいと思います。
  3. 山添利作

    説明員山添利作君) それでは農林省のやつております行政事務を分類して見ますると、第一に極く狭い意味の経済的な仕事といいまするか、例えて申しますと食糧管理、或いは将来はこれは主要食糧価格安定制度ということになると思いますがそういうもの、及び災害の場合における保険、これは農業保険漁船保険及び森林保険がございまするが、こういう極く狭い意味における経済上の仕事、これが第一の種類だと思います。
  4. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは資料にありますか。
  5. 山添利作

    説明員山添利作君) それございません。そういうことを申上げて置きましてそれからこの書類に書いてある事柄を申上げたいと思います。  それから第二番目のものといたしましては国自身が或る事業を経営している、この最大のものは国有林の経営でございまするが、その外に農産物に関する原々種の生産、或いは種畜牧場或いは家畜の薬を製過する、こういうような事業自体を経営しているというものであります。  第三番目といたしましては、これが個有意味のと申しまするか、普通いわゆる行政という観念に入りまする取締でありまするとかいうことでありまして、各種検査制度というような種類のもの、これは肥料にいたしましても、或いは輸出農産物にいたしましても、或いは生糸にいたしましても、各種検査制度、或いは家畜伝染病の予防に関する事柄、或いは森林の、これは少し取締というとおかしいのでありますが、保安林制度、こういうような一種の取締的警察的な行為に類するようなグループのものがございます。  その次にいわゆる奬励的事務といたしまして、国の試験場における試験研究及びその結果を伝えるところの技術普及制度がございます。これは農業及び林業にございまするが、近く水産るも亘つて適用される制度考えておるのであります。  その次に補助金を以てする、或いは金融でもございまするが補助制度補助によつて一定奬励事務をやつて行くとこういう分野。最後に公共事業費、まあこういうふうに分類をされるかと思うのであります。そのうちどういたしましてもこの全体の、最初に申しました二つ事柄食糧管理乃至は将来における主要、食糧の価格安定或いは保険こういうもの、それから二番目に申しました国自体が経営しておる国有林でありまするとか種畜牧場でありまするとかその他のもの、これは当然国自身がやるべきものである。それから後の二つに申しました公共事業関係仕事農林水産業技術普及。この公共事業に入るものとそれから試験研究並びにその結果を伝える普及事業試験研究並びに農林水産業技術普及事業、これらは又当然やるべき仕事である。そうして残るところは中間の奬励的事務補助金をどうするとかいうような事務にきましては、これはどちらでやつたらいいかというのが事項ごとに違うわけであります。  それからその前に申上げました取締或いは警察的事務を、これは原則として国がやるのでありますが、その部分的な事務の執行というようなことにつきましては相当程度これを地方庁に委譲すると、こういうふうな分野があると思います。  そういうことを背景といたしまして農林行政の再分配に関して考えて見ますると、これは理論といたしまして又将来の趨勢といたしましてできるだけ地方の創意によつて解決し得る事柄、なし得る事柄、これは地方に委せる。従つてこの再分配方針そのものということにつきましては、これは農林行政といたしましても何ら異存はないところでございまするのでありますが、これを実際に適用するに当つては、その沿革又は現在における中央地方を通じての行政組織能力財源等実態、それからその仕事性質等を勘案して適当な決め方をする。そうして中央地方を通じて相互の責任を明確にするということと同時に、相互協力をするということによつて全体的な行政効果を挙げて行くことが必要である。で、自然意見となりますると、全体の目標としては、その趣旨に賛同しながら、まあこういう点は気を付けて呉れという、何と申しまするか消極的な意見を申上げることになるのでございます。  その第一に考えらるべき事柄は今までの第一、沿革ということであります。これはひとり農林行政のみに限つたことではございませんし、ここで、申上げるまでもございませんが、明治以来において我が国の産業特に農業等におきまして発達をいたしましたのは、その推進力がすべて国から淵源をして来たという実態でありまして、国が試験研究にいたしましても、或いは財政力を以てする補助等の指導におきましても、或いは諸般の制度を立てるという意味におきましてもすべて国が力を盡す。そこに淵源をしておると、そうして府県におきましては国の示唆を受けてそれぞれの地方に適応するような施策をする。そうして市町村におきましては最近の状況におきましては、殆んど官業的な仕事はしていない。少くとも奬励部面においてしていないと、まあこういう実態にあつたのでありまして、どうしても国中心であつたという沿革でございます。  もう一つ、然らばこれを広汎に府県或いは更に市町村段階委譲をして行く、委譲そのことはいいのでありますが、国の方の努力を薄くして、そちらの方の自主的な施設に期待するということになりますると、これは第一に現在の地方公共団体行政能力という点から非常に制約がある。このことは人的な組織、まあ専門家その他の人のキャパシティといいますか、能力というような点、それから財政の点、この二つの大なる制約があるわけでありまして、そういう点を検討しないで広汎に移すということはできない。なかんずくこの財政という問題につきましては、最近における地方税制改革によりまして、市町村財政相当改善をせられ、この方面から官業方面に力を盡すことになり得ることを期待いたしておりまするけれども、農林行政といたしましても、やはり多くの仕事市町村がやる程度では実は大したことができないので中心はやはり府県段階にある。その府県段階を見てみると、さほどまあ大して何といいますか強力になつたということも見受けられない。特に農村県におきましては、税制改正の結果におきましても、それ程独自にやり得るような多くの財源を持つておるとも思えないのでありまして、ここに大きな制約があるというふうに考えられるのであります。  それから特に第二の農林行政として考えるべき事柄は、何と申しましても農業そのものが非常に遅れており、零細な農業から成立つており、従来と難も国家保護の下にありました農業でありまするから、これに国家なり地方公共団体なりが、将来におきましても当然相当奬励的な手を加えなければなりません事情の下において、今申しましたような地方公共団体における財政上の制限ということの外に、社会的な勢力或いは政治的な圧力と、こういう意味におきましても、これをそのままにいたしましてはどうしても農業方面が遅れて行く、市町村或いは府県等におきまして一般行政に追われてしまつてこの方面に力を盡す財力もないという事情においてどうしても閑却をされる。他の資本的に発達しまする産業におきましては、国なり地方公共団体の世話にならなくても、それ自体として発達する要因なり力を持つておるわけでありますけれども、そういうことに欠けておりまする農業におきましては、地方に大巾に委譲することによつて、全体として他から受ける援助が薄くなる、等閑になるということになれば、これは非常に予期に反する結果になるという心配が考えられるのでありまして、そういう点が主たる考え方をいたしておるわけであります。従来の沿革からこれを余りに一方的な論理で急激に変えるということについては考慮を要する。それから地方の現在の公共団体状況におきましては、これを人為的な面から見ましても、財政力の面から見ましても、それに相応する程度のことでなければならんということ、特に農業におきましては、農業後進性それ自体として発展する可能性が極めて薄く、これを国家なり地方自治団体なりが十分援助をする必要があるという意味から申しましての考慮、この点を考えなければならんとかように思つておるのでございます。まあ大雑把に申しますると、そういう考え方をいたしております。具体的なことにつきましては、何らか適当な問題を出して頂くなり、或いはここに配付してあります資料につきましてお話を進めたいと思います。  尚申上げておきますが、国なり自治体が一定制度を運用すると申しましても、その事柄を国がやる仕事にきまして何から何まで国が事務をやるということでは、これは現在と雖も従来と雖も又将来と雖もまだないわけでありまして、その基本的なことは国がやる、そしてその運用等の面につきましては府県委譲されている、これが現在の制度でございまして従来と雖もそういう程度における行政事務の再配分という意味で申しますと、許可認可事項地方委譲というような言葉で現わされておつたのであります。一連の一つ制度段階的に国なり府県なりがそれぞれ細かい事項についてやつておる。このことにつきましては、これは余り問題はないと思うのでありまして行政事務配分に関する資料としてここに配付いたしましたのは、そういう事柄を指しておるので、法律における許可とか或いは指示とか認可ということについて国がやるか知事がやるかと、こういう分配の事について差上げましたのでこれは大して問題がないと思います。
  6. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今まで山添農林次官の御説明の中に、そういうふうなことが書面でありませんから断片的に伺うわけですが、お話の御説明の中に地方財政に触れられて、税制改革等があつたが、全く現状では不十分である、殊に財政の上では市町村は勿論改正の今日と雖も余り頼りにならん、そして府県農業関係事業をやるが、それも財政的にいつて不十分であるというようなお話つたのですが、御承知のごとく地方税法は国会において非常に揉んでやつとこさ通つたような情勢ですが、今の農林次官の話ですと、そうするとそれに対して農林省として根本的には財政上どういうようなことがあれば十分にやり得るのだという見通しを持つておられるのか、その辺のところを伺いたい。
  7. 山添利作

    説明員山添利作君) これは私は余り数字的に詳しく実は研究したわけではございませんのでありますが、市町村段階におきましては、近来殆んど市町村は勧業的なことはやつておりませんでした。これは昔は相当つておつたと考えるのでありますが近来は殆んどやつておらない。ところが税制改革の結果、市町村の方におきましても当然従来よりも相当農業等の勧業的な施設、例えば病虫害の防除でありますとか、或いは簡易な農道でございますとか、そういう方面に力をいたして貰えることになると考えております。ところがそれはそれといたしまして、主たる事業ということになりまするとこれはどうしても相当規模が大きくなるのでありまして、例えば家畜の衞生保健所というようなものを全国で五百所設けるというようなことになると、どうしても郡段階となります。多くの施設は、国として手がけておりますような施設府県で何ケ所、郡で何ケ所というような單位の仕事でありまして市町村のフィールドをはみ出ておる程度仕事であります。そうしますと結局農林行政と申しましても、これは市町村でできることはやつて頂くとして、やはり府県施設なり事業ということが、現在そうであるがごとく将来も中心であろう。その府県財源というものにつきましては、これは現状におきましては国に依存しておる部分が非常に多いのは華事実でございまして、特に農林県等におきましては、そういう事情が深いものと考えておりますので、それ自体として大きな仕事をやるのに財源が薄いであろう。そこで考え方といたしましては補助金というものをすつぱり止めてしまつて、そうしてこれを平衡交付金の中に繰入れることによつて府県自主性を活かす。こういうことが全体のうちの一部と思いますけれども考えられておるのでありまして従つて補助金でこれを制度的に規則的に與えられておるというなものはそういう趣旨でいいと思います。併し或る特定の仕事を推進するというためにある補助金は、これは国の発意に基いてやらなければなりませんので、従つて現在における補助金と雖も相当尚国の補助金として留保されるものがある。こういう状況考えて見事るとなかなか手放しに委譲したらよろしいということにはならない。こういう考えでありまして、元来私は中央地方を通じてそれぞれ支出をすると同時に又その協力関係において全体の効果を上げるということが望ましいと考えておるのでありまして、なんでもこれを府県に委讓して、それでよろしいという考え方はしておりません。従つてそれだけの財源というものをすべて地方に與えるというような事柄が、必ずしもいいというふうには考えていないのであります。特にその事柄日本行政地方自治団体の区域が狭いということ、それから農村県と然らざる県との間に国の全体の富の分布というものが非常に違うということ、そういうような点から見ますと、農村側に立つ者、農林行政立場といたしましては、やはり全国的にこれをプールをする考え方というものは当然考えるべきだと思うのでありまして、そのプールの機関は国家財政であると、こういうふうに考えておる次第であります。
  8. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の御説明はいろいろ伺つたのですがどうもはつきりしないのですが、今の御説明の中に段々農林事務もものによつて地方に移讓して行くんだが、その財源ということについていろいろ言われたが、どうもその点が私は納得行かないのですが、御承知のごとく地方予算を出してやつておりますが、そこで新らしい法律が議会を通つて施行される、施行の間に相当期間のあるものは、来年度予算において地方へ組めるものは組むということになりますと、すぐ施行しなければならんものも出て来る。而も地方にとりましても御承知のごとく、各省からそういうものが最近は特に多いためにいろいろな新しい仕事をやらんとしても、予算の途中であつてそういうものは初めから見込んでない、然らばそれじや財源は、そういうものの裏付けの財源を国が與えてくれるかというと、今の次官の御説明でもそういうものを全部付けてやるのはいいではないかという御意見のようにも承つたのですが、財源が国でやつてくれない。それは自主的に地方団体でやりなさいと、趣旨はそれでよいのですが、実際は御承知のごとく地方財政は何をしようとしてもそういう余力がない。法律ができてやらなくちやならんが財源がないということであつて、それが非常に多いために、国の事務委譲されるのはいいが財源が得られない。平衡交付金にしても不十分である。今回の千五十億でも今日非常に困つておるのですが、その外に災害が出て来るというようなことで、新しい法律はいいけれども、それを施行する財源地方は非常に苦労を重ねておるというのが現状だと思うのですが、そういうふうなことをそれで果して大蔵省がそういう面倒を見るかというと、御承知のごとくなかなか池田大蔵大臣はそういうことをやらない。それで非常に問題であつたが、あれだけの税法改革をして重い税が国民にかかつて来たということですが、それでも非常に不十分で不足を来たしておるのですが、今農林省に限つたことではありませんが、新しい法律を作り又事務委譲するのはいいが、それと同時に單に各省農林省なら農林省がこの法案を考えることではなく、その財源はどうなるのだということも合せてお考えにならんと、地方も新しい法律がどんどん来て施工しなければならん、一部は国が持つても三分の一ぐらいは地方が持つというようなことで、いろんな各省のそれが出て来るものですからそれが非常に相当な金額になつて来るために、地方財源難に陷つておるのですが、そういう点が今農林次官の御説明の中でどうもはつきりしないのですが、そういうようなことは積極的に、そういう趣旨法律施行のためには、農林省関係の方は農林省として積極的にそういうことをお考えになるのか、それは俺の知つたことではない、お前の方でやれということなのか。現実は非常に困つておる。そういう点はどういうふうにお考えですか。
  9. 山添利作

    説明員山添利作君) 只今仰せになりましたことは誠に御尤もなことでありまして、私共もそれは地方財源考慮なしに大きな仕事をただ法律を作つて押付けるというようなことはいけないと思つております。で新しい法律によりまして何らか地方経費を壊すというような場合におきましては、原則的にはそういう経費につきましても国家予算を要求してやつておるわけであります。只今お述べになりましたことは全然同感でございます。  ただ私の申しましたことはそれとは全然違う意味のことを申したのでありまして、大体行政制度会議でおやりになつておる考え方というものが、国というものはまあ大体仕事をせんようにして地方に任したらいいじやないか、こういう根本的な考えがありまするので、若しそういう見地に立つて、広汎に地方行政というようなものはすつかり、地方に任してしまうのだというような立場を取つた場合には、それは農林行政の遂行乃至日本農林漁業安定発達ということのために面白くない結果になる、こういうことを実は申上げたわけです。
  10. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それで金融的には殊に農林関係では農林中央金庫が昔からいろいろやつていますが、その農林中央金庫でも現状ではなかなか農林関係資金の供給が不十分である、不円滑であるということで、特に昨年来非常に農村関係には資金難に直面しておつて困窮しておるようなのですが、例えば水産水産関係金庫を作りたい、農林関係もそういうような農林中金の外に作りたいという希望があつたようですが、そういうものも非常に実現は困難であろうけれども、そういうものもあれば又それによつて自主的に金を借りてやつて行けるとも思うのですが、そういうふうな点につきましては新しい金庫を作つてやるとか、そういうふうなことに対するどういうあれになつておるのでしようか、その点を一つお話を願いたいと思います。
  11. 山添利作

    説明員山添利作君) これは三十六年度予算におきまして農林漁業金融公を設立したい、こういう考え方でおるわけであります。この金融の問題につきましては沿革的に申しますれば、大体預金部資金を使用することによつて農林金融は賄われておつたのが前の状況でありました。この事柄ひとり長期金融だけでは、ございません。短期金融もそれによつて賄つておりました。戰争前の状況でありますると肥料資金も出す、或いは繭の販売資金も出す。ともかくも現在の普通の農業手形よりももつと短いような資金預金部資金を放出するという形によつて賄つてつたのであります。ところが戰争中から段々とそういうことは制限されて参つて、特に戰後におきましてはそういう金融の途がなくなつたのであります。従つて現在では短期資金につきましては農業手形政府でやつております。これは肥料農機具等であります。今年から百七八十億は出ると思います。短期金融は非常は窮屈だといいながら、一応農業手形制度で片附いておりまするが、どうしても行詰つておりまするのが中期並びに長期資金でございまして、この中期及び長期資金を解決するためには何らか特別の方式を採らなければならん。中央金庫におきまして見返資金等から増資をする、それによつて債券発行余力がまあ百五十億というものができたのでありますけれども、さてその金融債をどこで消化するかということになるとなかなか困難でありまするし、金利そのもの農林漁業としては堪えがたい程高いのでありまして、そこでこの長期資金といたしまして、先ず以て先程申しました農林漁業金庫を設立する、政府の出資を三十億とし、預金部資金なり見返資金をその金庫で借入れて、資金全体としては只今の計画におきましては百五十億を融通する。その融通します事業の目的は主として公共事業考えられておるものを主たる対象にする。土地改良或いは造林、林道、漁港、勿論これらの公共事業に対しましては国の補助がございまするが、その補助におきましても半額程度は地元の府県なり公共団体なりがそれぞれ負担をしなければなりません。主として団体でございますがその資金を賄う。又小規模の事業でありまして補助対象にならないもの、これは性質上必ずしも補助対象にならんというよりも、公共事業そのもの財政上の枠が小さいがために補助からはみ出すもの、かようなものが沢山あるのでありますがこれを遂行する、こういうことを中心考えております。その外共同施設農業倉庫等いろいろございますが、そういう共同施設にもでき得ればその金を及ぼしたい、こういう考えでおります。従つて明年度より金融公庫ができますれば、それによつて土地改良を初めとする長期資金について融資をする、こういう考え方をいたしております。尚それだけでは足りませんので、中期打金とか家畜の導入でございまするとか、或いは災害立直りのための営農資金、これも二年なり三年なりの中期資金というものをどうしても考えなければならんのであります。この事柄は結局預金部資金を解放されるという問題が解決つきますれば、農林中金の機能を活用して賄つて行きたい、こういう考え方をいたしております。
  12. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今いろいろ御説明を伺いましたが、農林金融公庫を二十六年度に設立なさるということでございましたが、そういうことはそれによつて農業関係は非常に思恵に浴すると思うのですが、そうしますと、それと現在の農林中金との関係はどういうことになるのかということを第一点として伺いたい。私は農林関係金融関係はよく分らないのですが、一つには例えば農林水産施設災害復旧事業費国庫補助に関する法律というのがございますね、その内容は私はよく存じませんが、それによりますとそれによつて国五割を補助してやる、その條件としてはその関係府県がやはり一割を補助してやらなければ国の補助の五割は出来ないというようなことのようなんですが、そういうことであるけれども、それが許されるのであれば非常に全国農業関係も助かるのですが、地方起債が御承知の通り非常に窮屈な粋であつて非常に多額のものがはみ出す結果、折角国がこの法律に基いて農林省から五割補助を貰えるのにそれが起債が認められないと、結局府県が出す一割がないということになりますると、折角五割貰えるものが貰えないし、それを返さなくちやならないということになりますし非常に地方は困つておるのですが、そういうふうなことがやはり府県起債で認められますると、更に五割の国の補助もあるし非常に助かるのであつて災害の対策も立つと思うのですが、それが地方起債の枠が或る程度決つておりまするから、それがなかなかできにくいというふうな現状に直面しておつて折角国の五割の補助も台なしになるというふうな窮境に多数町村が追込まれておるのですが、そういうふうなものは農林省として何らかその起債の枠外においてでもやれるように努力はできないものでしようか。そういう点を私は承りたいのですが、それもどうしても地方起債の枠の中の一部に入つておるのだ、結局それに入らないでしまうと府県の一割ができたない、従つて五割も貰えないという結果になるのですが、そういうふうな点ですね。五割国が補助できるのですから後は僅かなんですが、そういうふうな点は地方財政の現況に鑑みて、農林省としても何とか特別に御援助を願つて、一般の地方起債の枠外において認める、又それに農林省としても努力をして頂くというふうなことはできないのですか、その点を伺つて置きたいと思います。
  13. 山添利作

    説明員山添利作君) これは非常に困つておるのでありますが、今のところ一般の起債の枠の中に入つておるわけでありましてその枠外ということは困難だと思います。やはり全体として起債の枠を拡げて貰う以外には途がないと思います。
  14. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今のお話なんですが、なかなかそれは今の次官の御説明の通り非常にむずかしい問題だと思うのですが、これは普通の考え方でなく、殊に災害復旧に関する問題ですから、一般災害対策としての公共事業費中においてそういうものが認められないのか。聞くところによると、一般公共事業費の中に三十億程度がそういうふうなものに当てられておるんじやないかと思うのですがその点はどうなのか。三十億が入つておるがそれをすべて認めることになると三十億を突破するのか。そういうふうな点を更に伺いたいことと金融公庫との関係は御答弁になりませんですが、その点を合せてお願いいたしたいと思います。
  15. 山添利作

    説明員山添利作君) 補正予算としまして災害復旧費が年度当初取つてありました百億の外に、殖えます分は百億では足りないから殖える部分で、ございまして、今のような府県自体の負担する部分とは関係がございませんのであります。  それから農林中金と今度考えられておりまする長期金融機関との関係につきまして、理念的に申しますれば農林中央金庫は、将来の構想といたしましては協同組合の中央銀行と申しまするかそういう働きになつて行く。そこでその事業中心となりまするものは肥料等を中心とする短期及び中期資金でありまして、土地改良等に必要な十年乃至長いものは二十年もかかろうかというような長期資金につきましては、これは資金そのものを他のソースから持つて参らなければなりませんし、又結局これは国家資金と申しますか国家そのものが供給する資金でありまして、そういう特別のこれは離れた金融機関になる。言い換えますると協同組合の中央機関としての短期乃至中期金融を扱う農林中央金庫国家的な性質を帶びた頭金部資金等を以て長期に投資をする特殊金融機関、こういうふうの両建になると思います。その外に将来は農地制度に伴う農地を対象として自作農の維持創設に関する金融がございます。これは国の自作農創設特別会計を以て運営をして行く。こういう構想でおるわけでありまして、それから現実の問題といたしましては、農林中金現状におきましては、先程申しまするように百五十億からの金融債を発行する能力はございますけれども、実際は短期資金を行なつておるのが実情でございまして、これを長期に振替できない、又金融債そのものも三年以上の期間の農林中金債券を引受けて呉れ手がない、こういうのが金融の実情でございまして実際問題といたしましては、今は短期の資金乃至三年以上に延びた資金を扱う能力がない、こういうことになつております。
  16. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の最初の一般公共事業費中の三十億がそれではないのだというお話でありますが、そうなつて来ると折角こういう法律があつて、而もこれは災害復旧に対する法律なんですが、それができないということになつてしまつて非常に困る結果になると思うのですが、御承知のごとく最近にも大きな台風があつて、関西方面も非常な未曾有の損害を来しておつて従つて本委員会も委員を派遣しまして実際に政府の対策はどの程度進んでおるか、又進んでいないときは今後どうしたらいいかということを実地に踏査して、近くその報告を我々伺うんですが、その中には私が今お尋ねしました農林水産施設災害復旧費国庫補助に関する法律、こういうような頗る助かる法律があつて今のお話と違つてこういうものを本当に運用できれば今度の関西のあれに対してもこういう面からも補助もでき、次官お話の中にも農林関係市町村で担当すべき事柄が非常に多い、その通り多いんですが、併し財政上町源が得られないということで非常に困つておるんですが、例えば今度の災害復旧、関西方面のそれについてもいろいろの面から無理してでも金を工面しないとああいう大きな大損害ですから今後に非常に影響し、詳細なことは私も分りませんが農業関係農産物の上にも非常に将来惡い結果を来すのじやないかというふうに恐れるのですが、何とか折角こういうふうな災害復旧の国庫補助というふうな法律があるんですから、それは今の枠ではそれまでできませんが、一応地方財政委委員会といたしましても地方起債を拡げて貰いたいという点とか、補正予算においては平衡交付金を増額して貰いたいという案を持つており、それについては地方経費相当額節約もしようというような案を立てて、われ々もそれを審議しているんですが、今回の現状では災害対策として又その他としても足りない分は来るべき臨時国会の補正予算において見るというところもあるんですが、單に現状ではできないということでは私は満足はいかんし、農林関係としてもこの関西方面災害復旧の一助になるんですけれども、非常に折角こういう適用できる法律があるんですからそれを活用して頂く、補正予算にこういうものを私は組んで頂けるように農林省も後押しが必要だと思うんですが、そういう点を今申しましたように、地方としては補正予算に三百九十億組んで欲しい、その中には勿論こういうものを含んでおるんですが、その点は農林省としては、こういうふうな未曾有な災害もあつたし非常に対策に苦慮しておられるわけですが、強くそういう面を押して頂くことはできんのか。特に農林大臣としては有能な廣川弘禪さんが大臣としていられることであるしそういう点は大いにバツク・アップをして然るべきだと思うんですが、補正予算等についてはどういう考えを以ておられるか、農林関係の面についてお話を伺いたいと思います。
  17. 山添利作

    説明員山添利作君) 今年の災害に対しまして農林漁業のために公共事業災害復旧費として出します金は…
  18. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 できるだけ数字をおつしやつて頂きたい。
  19. 山添利作

    説明員山添利作君) 全体に大雑把に申しますと既定の金が百億、それに四十億附加えるといたしまして全体としてその四分の程度農林関係にされるかと思います。これはまだ決つておりませんけれども従来の実績程度考えますと大体そういうことになるのじやなかろうか。そういたしまると今地方自治体が負担しまするものは、国庫は五億かそのくらいの災害復旧額の一割でございますからそういう程度になるかと思うのでございますが、そのために結局どういう措置をするか、私共が従来やつておりますのは今地方自治庁に対して起債の枠を広くして呉れ、こういうことを申しているのでございまするが、起債の枠についても非常に制限があるということが現実の動かし難い事実でございまして、従つてこの災害復旧に関する暫定措置に関する法律を完全に施行いたします場合におきましては、やはりその他の方法においても地方庁の負担区分を何らか見る工夫をする必要があるという御趣旨につきましては誠に私も同感でございまするし、又当然できるだけそういうことを考えなければならんと思つている次第であります。ご主旨の点につきましてはよく分りましたから農林大臣に伝えたいと思います。
  20. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の次官の御説明が非常に数字的に分つて参りまするが、今のお話の通り百億に四十億その四分の一を出すという数字が出て来た。農林当局も同感だろうと思いますが、我我といたしましては非常にそれじや問題にならん数字じやないか。まだ詳細に報告を私は聞いておりませんからどのくらいになるか分らんですが、農林省としては今度の例えば関西方面の被害状況の総額を、幾らに見積つたらいいか、その四分の一しかないんだということと被害状況を比べて、その四分の一は非常に取るに足らん結果になつて来はせんか。農林関係として今度の災害の総額はどの程度に見積つておるか、金額を一つつて見たいと思う。そうしますと恐らく四分の一程度じや……元の百億の予算のときもこんなことじや駄目だと非常に強く言つたんですが、あのまま政府も押切つたのですが、その通り災害が起きて非常に困つた現実に追込まれておりますが、今次官の苦衷もよく分るのですが、農林省としても、大体日本の各県は大なる農村県であつてこういう被害状況は一番農作物に影響して来るんですが、国民として非常に今日復興の途上にあつて重大なポイントのときにああいうふうな天災を蒙つて非常に気の毒な立場に追込まれるのですが、御苦痛は分るけれどもそのままにして置くわけには行かないんですから一つ特段の努力をして頂きたい。而も現在の農林大臣は新聞においても今度の臨時国会は興農議会であるとか何とか変な文句ですが、そういうことを旗印にして全国にそういうことを話して歩いておられるのですが、この興農議会ならば、こういう点は特段の力を入れて補正予算にはうんと興農議会にふさわしいような大臣の助力があつて然るべきだと思います。單に口先だけで興農臨時国会だなんということであるならば、これは非常に不見識であり国民を欺瞞するものだと思うのですが、農林次官はそういうような点をどういうふうにお考えなつでおるのか。止むを得ない、災害の費用はこれだけで僅かでどうにもならんということであつては困るのですが、その点は大臣が興農議会ということまでいわれたのですから、我々としては農林省の特段の御努力があるものと考えるのですが、それはもう用單なる口先のことであつてでたらめをいつたのだという結果になつては甚だ面白くないと思う。農林次官にその点を伺うのもお気の毒ですが、今大臣がおりませんから農林次官に伺うのですが、そういう点はどういうふうにお考えになつておるのですか。又今までの災害の総額を一つ承りたい。
  21. 山添利作

    説明員山添利作君) 災害の総額につきましては只今資料を持つておりません。必要がございますればあとでお届けしたいと思いますが、全体といたしまして大体災害復旧に対して本年度中に処理のできる分量は、全額の一割五分程度にもなかなか或いは達せんかも知れんと、これは尚調べる必要がございまするがそういう見当がいたします。それは補助金を仮に一〇〇%といたしましてそれの一割五分が初年度ということになるわけであります。大体そういう見当ではなかろうかというふうに思いますが、昨年におきましてもキテイ台風と思いましたのでありますが、大体そういう程度或いはそれ以下であつたかと思います。元来申しますればこの勧告案にもありますごとく災害復旧は急がなければならん。特に農村関係におきましては先程お話しがございましたごとく資金詰りであります。農家経済の状況もいわゆる戰後インフレというような時代ではございませんので早目に国家の命を支出することが必要だと考えておるのでありますけれども、これは全体の国家財政の枠の中からどうしても止むを得ない制限を受けておるわけでありまして、尤も農林金融公庫が確実にできるであろうという見通しが立ちますればその際には又その金庫ができた場合のことを考え、将来の二十六年度等における国の補助金等をも見返りにいたしましてできるだけ農村方面金融をしておく。国の補助金を当てにし、又農林金融公庫ができるという前提の下に、この冬の間からでもできるだけの資金手当をして行くということは当然考えたいと思つておるのでありますが、今年度の事情といたしましては、ここ数年来の状況から見ましても現に政府で内定をしました程度の金が決つておりますので、事務当局といたしましてはその範囲でものを考える外には方法がない、こういうわけであります。
  22. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の次官の御説明ですが、どうも財政的に枠に嵌つておるのでどうもできんのだということは一応は現段階ではそれは我々も承知いたしておりまするが、ああいうふうな天災を蒙つてさらでだに復興の途上にあつてようやく復興しつつあるときにああいうような災害を蒙つたというようなことで、その土地の人に対しては非常にお気の毒に思うのですが、そういう点をただ財政の枠がそうであるからということに拘泥せず、何も本年度の予算であつても臨時国会にい補正予算を出せば出せるんですから。そういうふうな天災なんですからそういう点は今ドツジさんもお見えになつておりますが、関係方面としても天災に対してはこの前のときも天災であるから止むを得んということでやれということであつたと思いますが、こういうふうな場合には突発的にできたのですから、これは全く予算編成のときに見込んでないことが起きたんだし、その対策の費用は僅かに百億程度ですからこれはできないわけはない。而もただ現状財政の梓の範囲だから止むを得んのだということでは、農林省はそれで済むかも知れんけれども災害地はそれでは済まないということになり、而も非常にいろいろな社会的にも影響して来るし、思想問題にも走るというようなことも起きて来るのですが、そういう点山添農林次官など非常に有能な方などが枠で縛つてあるから止むを得んのだということには拘泥されずに、もつと積極的に新たに補正予算において見てやるんだというようなことをもう少し強く推進して頂かないと、全体に地方税で重税を蒙つてつておる、それ程重税を課してもまだ足りない、而も突発事件の災害が起るということで元も子もない、税金さえ納められないじやないかと私は思うのです。そうなのにやはり政府財政の枠を楯に取つてできないのだということになると、誠に私はそういうことは感心した政治じやないと思いますが、それには来るべき臨時国会を控えておつてその予算に組めばできることであり財政国家財政と雖も困難なことは十分我々も承知いたしておりますが、そこでやはり非常手段を取つて非常対策を取つてやるということでなぐては救えないのですから、次官にいろいろ追及してお困りと思うのですが、真に地方のことを考えますと現在の予算では苦しいことば分り切つておるのですが、補正予算において全部とはいかなくても非常対策をしてやる、二十六年度の予算において大部分賄つてやるということはやり得るのですから、目の前にある補正予算においても農林省としても興農議会という宣言を大臣がしたのですから非常対策を立ててやることが私はどうしても必要だと思いますが、今の農林次官のただ非常に困つておるのだ、止むを得ないのだということは絶対に私は承服できませんが、非常対策を補正予算において見て頂かなければいかんと思うのですが、そういう点を一つ大臣と大いに協力されて興農議会にふさわしいような結果を出して頂かんと、今日地方の知事会議全国の知事会議、市長会議町村会の陳情も昨日我々も親しく受けたんですが、それはただでは済まないことですから一つつまらんことが起きない先に当面の補正予算にできるだけ組んで頂き、而して残余の分は二十六年度予算に組まれても止むを得んと思いますが、補正予算にそういうことが組まれないということになるというと重大なる私は結果になると思います。その点は重ねて山添農林次官に補正予算努力をお願いしたいということを申上げて置きます。
  23. 相馬助治

    ○相馬助治君 次官は勿論地方行政調査委員会の今度出しました国庫補助金制度改正に関する勧告書というものを御用意になつていると思う。この資料災害復旧費の問題ですが、これでは五枚目に書いてありますが、この災害復旧費で(三)に書いてありますが「破壊箇所一ケ所当りの災害復旧費の額が都道府県及び五大市にあつては十五万円、市町村(五大市を除く。)にあつては十万円に充たないものは、災害復旧事業とは見なさないこととし」と、こういうふうに書いてある。それでこの金額をどういうふうに、どの程度の線で切るかということは非常に問題ですが、それを暫くおくとしてこの市町村において「十万円に充たないものは」というのは大方農林関係のものなんです。大きな河川の堤防がどうしたとか港湾がどうしたというのでなくて、殆んどこの農林関係のものは一ケ所としては金額の少いもの、而して数においては非常に多くなる、こういう被害の状況が出て来ると思うのです。で、こういう重大な勧告をしておりますが、これについては農林省は政治的な段階かなにかで、地方行政調査委員会から相談を受けておりますか、又受けておりませんか。
  24. 山添利作

    説明員山添利作君) この点については別に相談は受けておりません。それから今までの農林省のやり方といたしましては一ケ所十五万円以上ということに切つております。この切つておりますことによりまして特別の支障はないのでございます。尤も一ケ所というのをどういうに解釈するかということにつきましては、ある連続しておるものは、真近に転々とある災害等は一ケ所というふうに見て取扱つております。それから耕地等につきましては十五万円ということでなくてその基準を作つておつたと思います。大体は国でカバーをする、極く僅かな部分につきましては県で單独でやつておることもある、全面的にやつておるというわけではありませんが、やつておることもある。そういう実情になつております。  尚ついでにこの災害復旧費についての勧告につきましては、これは地方自治体の行いまする維持管理をしておる公共的なものに限られて研究をされておりまして、例の全額国庫負担ということから引続いて来ているように思います。農林関係のものは主としてこれは地方公共団体というよりも団体がやつておる。これが恒久的な制度としてこの方式が検討されるにつきましては、これとの均衡においてやはり団体の行う農林関係災害復旧を改めて検討したいというつもりでおります。
  25. 相馬助治

    ○相馬助治君 これに連関して当然こういうふうに農地関係なんかでも十万円以下は切り捨てるといつたような、災害復旧費の中に見て行かないというような事態が生ずるだろうと思つてこういうことをお聞きしておるのですが、今のお説ですと十五万円以下のものも見ないということでさして支障がない、こういうことですけれどもこれはもうえらい支障が今まではあつたと思うのです。ただ今市の震災の場合なんかを見ますと、非常に、少しずつの被害が、耕地方面にも作割地なんかにもあつたわけです。それを農林省のあなた方たちにもう再三陳情に及んで、それを一括して十五万円以上に数えて貰つて何とかうまくやるといつたことが行われたわけなんです。  それで私たちが問題にしたいことは、こういうふうに一ケ所十五万円以下のものは災害復旧費に見ないという、こういう建前が今度の兵庫県の災害状況を見ますと、はつきりした数字をここで、覚えていないのですが、三百六十何ケ所かそういう場所があつて、その復旧に要する金が約三億ぐらいの数字、三億だつたかどうだつたか、とにかくすばらしい総額になつてこれを一体政府はどうしてくれるのだ、特に農地関係農林関係のものが多いので、農林省あたり一体これをどうしてくれる気なんだろうということを兵庫県あたりで申していたわけです。で、今度の災害復旧について、そういうふうな問題については次官あたりはどういうふうにお考えであるかということを一つ。  それから今度の勧告を見ますと、地方債を起す場合にも非常に大蔵大臣が強い発言権を持つているわけです。大蔵大臣と協議しなければ何にも決らないということになつて来ている。そうしますと知事であるとか地方財政委員会が起債許可して見たところが、大蔵省でひつかかつてしまつてとても許可の書面だけは貰つたがお金にならんというような状態が出て来ることが予想されるわけです。それでこの地方債の問題について農林省はこの地方行政調査委員会が勧告する前に相談を受けているでしようか。又あなた方は意見を発表しているでしようか。
  26. 山添利作

    説明員山添利作君) 最初の小さいものが点々と連続して起る場合でございますが、これは成る程慾をいえばきりがないと思いますけれども、やはり国の財政上の建前並びに実際に補助金の交付を正確にするというような意味からいたしましても、やはり或る限度をつけることは必要でございまして、やはり無制限にすれば又濫費に流れるということもありますので、やはりこれはこの程度にしておくことが適当だと思います。  地方債のことにつきましては実は私共も予め意見を申出たわけではございません。
  27. 相馬助治

    ○相馬助治君 予め意見を申出たことはないというお話ですが、神戸議長は、この前速記を止めてのことだつたのですが、関係省の意見はよく聞いたと言うておるものですから……。
  28. 山添利作

    説明員山添利作君) それは大蔵省とはよく御協議になつたと思います。
  29. 相馬助治

    ○相馬助治君 それだから我々は問題にしている。大蔵省と相談してこんな八百長なものを作る、こんなもの不徹底極まる。勧告にはなつておらんのです。それだから私達は問題にしているのですが、分りました。
  30. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) お諮りいたします。まだこの問題について御調査願いたい点が多々ございますから、一応これで休憩にいたしまして午後一時から再開いたします。    午後零時十一分休憩    —————・—————    午後一時三十五分開会
  31. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 委員会を再開いたします。  主計局長が見えましたから大蔵省当局から昭和二十五年度補正予算等による地方財政需要額並びにこれに対する財源措置政府案につきまして説明を伺いたいと思います。これは地方財政委員会から一応説明を聽いたのですが、大蔵省との関係が非常に多いのでいろいろお尋ねをしたいと思います。
  32. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 大蔵省から主計局長が見えましたが、一応地方自治庁関係から出ております昭和二十五年度補正予算等による地方財政需要額並びにこれに対する財源措置政府案、これにつきまして財政の元締たる大蔵省に伺うのですが、御承知のごとく給與ベースの改訂が行われるので、地方においてもそれに関連して給與関係の費用が相当増額され、その他災害とか失業とかいろいろの関係があつて、大体それがもう大蔵省もよく御承知のごとく地方財政に関しましては、結論として三百九十億ぐらいが必要経費なんですが、それの財源措置方法として、一つには既定経費の節約として約四十億これは総額の五%に上るものですが、それを節約し、第二には地方債発行額の増額これが大体二百十五億、第三には地方財政平衡交附金の増額として百三十五億程度合計三百九十億なんですが、これが補正予算に組まれないということがあれば、非常に地方財政全般の上に対策が立てられないというような窮境に追込まれるわけで、従つて本委員会としても地方自治体の全国市長会とか町村会等から直接意見を徴しましても、これはどうしても必要欠くへからざる経費なのですから、これが予算を組まれる上においては大蔵省特に主計局がキー・ポイントなのですから、それに対して国家財政から三百九十億の補正予算についてはどういうふうな見解を持つておられるか、次の臨時国会に補正予算をどの程度組まれるかを主計局長からできるだけ詳細に承りたい。それを伺いましてから、又御質問いたしたいと思います。
  33. 河野一之

    説明員(河野一之君) 地方財政委員会から二十五年度補正予算等による地方財政需要額並びにこれに対する財源措置政府案というものが、私の方の手許に出ておることは事実であります。この内容につきましてどういうふうに考えるかとおつしやるわけでございますが、本年度における地方財政がどうなるかということは実際はなかなか把握しにくいのでありまして、地方財政委員会から出しておりますものは單に今年度の給與の関係災害関係であるとかいうようなことでこれだけ金が要る、勿論節約もございますが殖えたものを全部平衡交付金で殖やすというような御主張のようでありますが、どうしても本年度の地方財政全体を見てこの問題は考うべきものではないか。歳入の状況はどうであるとか、節約の点がどうであるとかいうような見地でこれを見るべきものじやあるまいか。昭和二十六年度においても当然そうでありますが、そういうような考え方をとつております。ただこの三百八十九億という数字が出ていますが、この点についてはこれだけの新しい負担が殖えますかどうなのかという点につきましては、まだ詳細には検討いたしておりませんが、私個人の意見といたしましてはこれ程は殖えないであろうというふうに思つております。と申しますことはいろいろな点がございますが、給與の増加は、これは地方団体として政府の職員と同じようにおやりになるという建前の下におきましてはまあそういうことであろうかと思います。この点この計算の問題がありますが、そういうことにいたしますれば給與ベースの改訂による増は恐らくこの程度の数字であろうと思います。もう少し少いかも知れませんが、これは職員の数の相違だけであります。  それから年末手当につきましても、これは昨年政府といたしましては、御承知のように平均三千円最高五千円までの年末手当を出しておりましたので、これも地方団体といたしましては去年は財源なしで国の方から財源を差上げることなしに三千円の分はおやりになつた筈であります。それから又地方団体によりましてはそれ以上にお出しになつたところもあるように私は仄聞いたしております。どの団体がどうということを正確には記憶いたしておりませんがそういうような団体もある。従つて昨年も出されたのであつて今年もその分が丸々殖えるというふうな見解はちよつと取りにくいのではないか。然らばいくらくらい余計出るであろうかということにつきましては、尚相当検討を要するのではないかと考えております。それから臨時的経費の増加九十二億というのがありますが、これはいろいろ拜見いたしますと、災害復旧事業の国庫負担の特例法による原形復旧を超える分がどうであろうか、或いは国庫負担の査定基準を引上げたかどうであろうか、或いは失業対策がどうであろうかとかいろいろあるのでありますが、これは当初この二十五年度予算を組みますときにすでにあつた問題でありまして、それも当初の予算において考えられての問題としてならともかくといたしまして、現在これだけの負担が新しく出て来るのだというふうな考え方は、ちよつと私共の方で財政当局といたしましてはとりにくいというふうに考えます。経常的経費の中でいろいろ身体障害者福祉法だとかそういつた関係があるものはあるかと思います。これもおのおの詳細に検討して見ませんと何とも言えませんのでございますが、どれだけの職員の数を置くのが適当であるかどうかということはこれはおのおの地方団体の発意によつて決まることでありますが、それをどの程度でいいのか惡いのかという立場を取るのも如何かと思いますが、さらばといつてこれを全部国の方から財源を出すということも如何かと思うのであります。  それからその次の災害復旧でありますが、この災害復旧がどういうふうに計算せられておりますかいろいろの問題があろうかと思うのでありますが、例えて申しますれば單独事業が百億もあるということはちよつと私の方では考えられんと思います。従来單独事業というものは国費で補助しておるのは大体一割乃至一割五分程度でありまして、單独事業だけで百億ということになりますとまあ千億以上の補助をやらねばならんのでありまして、そういうことではないのでありまして、今年の当初予算に百億二十五年度の災害費となつておる、今年の補正予算で四十億を組みまして百四十億程度事業であります。でありますので国全体としても百億程度のものでありまして、地方団体として單独事業としてこれをオーバーするものもあるというのも如何なことかというふうな気がいたしております。  それから失業対策は或る程度殖えるというふうに思つております。国の補正予算でも十三億程の金を計上いたしております。  それから災害救助はこれはこういうことになろうかと思います。補正予算による増加も個々に当つて見ないと何とも申上げられないのでありますが、大体補正予算でも或る程度災害その他で相当経費を組んでおりますので、その補助金が殖えるということは確かであろうと思います。  大体大観いたしましてと言えば甚だ恐縮なんでありますが、こういういろいろな関係がございますので的確なことは申上げられませんが、恐らく政府としてもこの半分くらいじやないだろうかというふうなところで的確には申上げられません。御承知のように地方団体というものはいろいろなヴァラエテイがございまして一概には申上げられない。歳入の状況或いは団体で節約できる程度というふうなことを考えてやりたいと思います。そういうふうな考え方からいたしまして私共といたしましては、地方団体として今年度の地方財政としては、以上のような措置を以て補正予算に伴つていろいろな措置をされるにしましても十分にやつて行けるのではないか、こういうふうな考え方であります。
  34. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今主計局長の御説明を伺いまして、今の問題自体考え方は、第一に挙げております給與関係の百四十億は多少増減はあるにしても、これは国の方とのベースとの釣合上当然起ることだからこれは大体よろしかろう、但し多少減るかも知れんという話であつたが、百四十億というのは大蔵省としては今の主計局長の話ですから大いにこれには期待していいと思いますが、その他のことになりますと今の御説明では大項目の三の單独專業ということには、これが一番大蔵省としては問題にしないようなお話でしたが、この百億が非常に期待はずれとなるのですが、その他については今の御説明では大体総額において半分程度、三百九十億程度の半分ぐらいじやないかと思うというお話でしたが、そうすると給與関係が百四十億程度ですから半分程度となると他に振当てる金額は極めて小さいものになつてくると思うのてすが、殆んど大部分のものが切られてしまうということになると思うのですが、それではどうもなかなか地方の方も納得が行かないのではないかと思うのですが、それについては約四十億程度のものを節約をするということになつておりまするし、ともかく平衡交付金のことは言われましたが地方債の方のことを言われなかつたのですが、現在御承知のように本年度は三百億程度ですね、初めはそれが大蔵省並びに関係方面との大体のお話が聞くところによると、四百二十億ですか三百七十億ですかに殖やすというようなことが途中まで行つたのだが、それがどうしたものかとわれて三百三十億も確保できんというふうな現段階にあるのですが、地方自治庁の方では本年度は地方債の希望が多くて非常に困つておる、三百億ではとつても納まりつこない、三百七十億でも納まらんけれど、その三百七十億の限界がはつきりしなくて困つておるという状況のようなんですが、その地方債の枠の増額の点について大蔵省としてはどういうふうにお考えになつておるのか。今申上げましたが仄聞すると、三百億が三百七十億程度ですか四百二十億かに一応話が決つたようであるが、途中でこわれて元へ逆戻りしてやはり大蔵省としては三百億の線を主張しておられるように思うのですが、その点は数字的にどういう段階になつておるのか伺いたいと思います。  今申上げましたように、給與以外のものは殆んど駄目では非常に困るのであつて、そいう点は主計局が一本になるのですからもう少し考えて頂きたいと思うのですが、どうも大蔵省の根本的な概念には地方財政の面には非常に内輪の冗費が多いのだ、そういうものを合理的に節約するならば今回の三百九十億でもそういう内輪でできるのだ、無駄な金を節約すればできるのだという考えが非常に強いようで大蔵大臣なんかも二十六年度に当つても三百億減税するのは当然だというふうなことを休会中の予算編成の際に新聞で私も拜見したのでありますが、そういう考え方が根本的に違つてつて、先般来この委員会でも聞くところによると大蔵省と地方の方との考え方が五百億ぐらいのものが根本的に喰違つておるということなんですが、さような非常に両方で考え方が違う。それから数字上の取扱いにおいても自治庁側と大蔵省とは全く違つた見解で、極く一部の自治体の財政状況をとつて全般に類推しておられるような点があるので、その点は我々が聽きましても大蔵省の行き方に余り感服しないのであつて、今日は地方自治の点から自治庁という専門の役所もでき、地方財政委員会並びに地方行政調査委員会議というようなものもできて非常に責任を持つてつておると思うのですから、どうもその線はもう少し大蔵省側において自治体の意見を尊重して頂きたい。どうも要求すると頭からお前の方は無駄使いなんだ、もつと内輪で節約すればこの三百九十億は出るのだということで直ぐにそういうことで結論を出されるのは、そういうことは同じく財政を担当しておる地方側としても全く納得の行かない点じやないかと思うのであります。それは個々的には府県において、市町村においてそういうこともあるのじやないかと思いますが、ですから今回も地方自治体側において全額の五%ではあるけれども節約もしよう、それも財源に見込んでおるのですから、そういうふうな熱意をもう少し買つて頂いて然るべきじやないか。どうも主計局長にそういうことを言うのは甚だあれですが、大蔵大臣なんかの考え方では、どうも来年度の予算編成上でも非常に国家財政上において節約するのだ、減税するのだと言つてつて、どうも自治体側に対する思いやりが余りになさ過ぎる。そういうことは私共が考えても、財政は国だけのことを考えてもやり方だけのことを考えてもいけないのであつて、大局的に大蔵大臣は考えて、国家地方財政のバランスをとつて頂かないと私は成立たないのじやないかと思う。ところが機構からいつてもお歴史からいつても大蔵省は強大な組織を持つて、主として主計局長のところで皆減額されてどうにも手が出ないという段階なのでありますが、そういう根本的な国家財政に偏重の考え方は、大蔵省においてみずからもう少し是正して頂かないとどうも地方財政が立ち直れない、いつまで経つてもぐずぐずしておつて、そこに災害等が起きると全く成立たないということは河野主計局長も十二分に御承知と私は思うのですから、池田大蔵大臣のように余りに国家財政にのみ重きを置いておつて日本財政全体としては非常に地方財政か犠牲を蒙つてまずいのじやないか。この補正予算も今の国家財政の上から非常に窮屈なことであつてやりにくいことは我々もその点は十分に了解いたしますが、来年度の予算編成方針においても大幅の減税をするというくらいの大蔵大臣ですから、これは補正予算においてそのくらいの考え方があるならば僅かに三百九十億ですから、それは今の單独事業費の百億はこれは別箇としても、これは全部が誤つたものでもないと私は思うのですが、もう少し、半分ぐらいという大雑把にちよん切らないで、もう少し詳細に亘つて自治体側の意見をよく聽きそれに信用をおかれて、もう少し大蔵省殊に主計局において考えて頂きたいと思うのでが、その点は河野主計局長に言うのは非常に気の毒ですけすれども、どうも実際に事務を担当しているのが主計局長で、キー・ポイントを持つておるから、主計局長自体の頭がもう少し国家財政に偏重することのない、思いやりのある考え方地方財政を見て頂くと非常に助かつて行くのじやないかと思うのですけれども、その点私甚だ失礼であるけれどももう少しそういう点を強調しておかないと、いつまで経つても自治体側に……財政委員会もあるが日も浅く機構も小さく、到底予算の取合いでは大蔵省に勝目がないのですから、そういう点はあなた方よくお分りなんだから、もう少しみずから積極的に助けてやるのだという建前をとられて然るべきものだと思うのであります。国の財政を握つている大蔵省だけがいい顔をして威張つてつては何もならんのですから、そういう点をもう少し地方財政を助けて行く、育成して行くという考え方があつて然るべきものじやないか。今の補正予算の問題でもそういう点から考えて頂いて、大雑把に半分ぐらいでよかろうというようなことになると甚だどうも気の毒に思うのですが、もう少し考えて頂いて、災害救助費並びに失業対策費等はまあ非常に有望だと思うのですが、その他の点につきましてはこれは個々に検討すると全部はいかんというものではない、できるだけとつて頂いて、多少のものは切りとられても、災害等もあつたのですからもう少し思いやりのある補正予算を組んで頂きい、そういうことをお願いして、今の主計局長の言明分りますが、その給與以外の点をもう少し見込めないものかどうかを、もう一度一つ質しておきたいのですが。
  35. 河野一之

    説明員(河野一之君) 私あの半分ぐらいと申し上げましたのは、補正予算関係で、地方財政として財政需要が殖えるものがそのくらいあるだろうということを申したのでありまして、平衡交付金の二百億或いは地方財政委員会の方では百三十四億とかといつておられますが、そういうつもりで申上げたのではないことをお答え申上げておきます。  西郷さんのおつしやるように地方財政の問題は、非常になかなか把握のむずかしい問題でございます。それがためにとかく国の財政のしわが地方財政に及ぶという嫌いが過去においてあつたこともいなめないかと存じますが、私共といたしましては、先ずこういうふうに地方財政需要がこれだけ殖えるから、その分は起債なり或いは平衡交付金なりで頂戴するのだ、国の方から貰うのだというような考え方を実はとつておりませんので、地方財政全体として財政需要が殖えてもそれを賄い得る余地があるかどうか、こういうことを検討すべきものである。従来そういうようなやり方で平衡交付金の算定などが行われたこともございますが、もう地方財政委員会もできましていろいろ御調査にもなつておりまするので、地方財政実態を把握してその問題を検討すべきじやないかというふうに思うわけであります。  国の先ず給與の問題でありますが、これは先程申上げたようにこの全額新らしい財政需要になるのかどうか疑問点があるということを申上げたのですが、実は国の方で今回一月から千円のベース・アップをし、それから年末手当一ケ月分を出すわけでありますが、こういうことがあることを予期いたしまして国の方におきましては六月から欠員補充をやつておりますが、これは閣議決定いたしまして欠員を埋めちやいかん、それから旅費を五%天引をいたしておる、それから物件費を五%天引いたしましてそれで約三十数億の実は節約をやつているわけです。それで年末手当とそれからベース・アップの金額を実は賄つている税金で給與を増すということは、現在の段階においてどうであろうかというようなことを考えましてそういうような措置をとつたわけであります。私共としましては地方団体においてもこれは強制いたすわけには参らないのでありますが、そういうふうな考え方でやつて頂きたい。地方団体における旅費の増額はどのくらいでございますか、百六、七十億は、これはいろいろな推定をいたしておるのでありますが、あろうかと思います。それから公共事業とか何とかというものを除きまして、物件費で約千七、八百億はあると思います。そういうところを又節約して頂きますならば、これは節約はできないというならばそれまででありますが、そういつた給與のために出すのであるという考え方をして頂いて節約をやつて頂きたいということを地方団体の方には申上げているわけであります。この外災害関係で或る程度殖えるものもございまするし失業対策の関係で殖えるものもございますが、ただ殖えるからといつてそのまま平衡交付金ということでなしに、今年度の地方財政がどういうふうになつているか、これはいろいろな推計の方法があるのでありますが、何にしても地方団体の数が多いものでありますからいろいろなヴァラエティがあるので、これを單に集計して見ましただけでは意味をなさない点もございまするが、実は昭和二十五年度の地方財政の最終見込みというものがなかなかできない。昭和二十四年度の決算がまだ集まつておらないというのが実情であります。それで従来は物件費は何%上る、人件費は何%上る、パーセンテイジで過去の決算を基礎にしてやつておられたので、そういうふうな推計の方法がいいか惡いかこれは非常に疑問に思うのです。ただ本年度の千五十億の平衡交付金を算定すると申しますか、その場合における当初の昭和二十五年度の地方財政の見込額はたしか地方財政委員会では四千三百億というふうに睨んでおられたと思います。大蔵省の方でいろいろこれも関係府県の御協力を願いましてやつた資料が実はあるのでありますが、これも要するに推計の域は脱しないのでありますが、それで参りますと多少違つた数字になるように思うのであります。  昭和二十四年度の最終予算というものをとりましてこれを各府県については全部調べてみまして、それから市につきましては四十ばかりの市をとつてみました。それから町村につきましては六十ケ町村ばかりをとつたわけでございます。府県はまあ全部行きましたので、ただ予算の立て方がいろいろ各国体で違つておりますので、これを一定のフオームに直しますのに相当面倒な点がございます。それで全部を集計して同じフオームで集計するに至らなかつたのでありますが、三十六府県只今集計いたしまして、市については大部分のものが出て来た。或いは町村はまあこれは自治体警察を置く町村もあり置かない町村もあるので集計して計算したのであります。そういつた一部の計算ではありますがそういうものを詳細に分析いたしまして、それから一応推計をやつてみたのでありますが、そういたしますと、当初見込まれておつたのよりは多少その予算の総額は少いのじやないかという感じと私は受けております。ただ推計でありますから絶対に正確というふうには申されませんが多少少いのじやないか、まあ非常に大きく違うということもございませんが、或いは誤差と言える程度のものかも知れません。  一方歳入の方でありますが、そのときにおきましては平衡交付金が千五十億であり税が千九百億というふうになつてつたのでありますが、雑收入がたしか百七十五、六億ということに予定して計算されておつたのであります。二十三年度の決算を見まして、都道府県の分だけしか集まりませんのでそれを換算していろいろやつて見ますと、どうも三百五、六十億に雑收入がなるのじやないか。そういうことに相成りますとたとえこの地方財政の支払の方が殖えましても、そこで約百五、六十億の雑收が殖えるということになるとそういう点でもやつて行ける。又節約をやつて頂き、それから地方債の方も先程西郷委員から縷々お話がございましたが、これはまあ三百億であろうが三百七十億であろうがいろいろ問題があるのでありますが、私共はまあ三百七十億で努力したいと思つております。又災害関係地方の負担も殖える点もありまするのでこの総額については関係方面とも折衝してみたいというふうに考えております。というようなことでありまして、全般的にはとにかくこの程度の負担増加であるならばまあやつて行けるのじやないか。こういうような考え方で補正予算としては平衡交付金を増額するというような措置を特に取らなかつた次第なのでございます。
  36. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今いろいろ主計局長からお話を伺いましたが、後の方ちよつと聞き洩らしたのですが、この地方債の三百七十億の線はこれは大体いいという考えなんですか。大体これに努力するというお話なんですね。
  37. 河野一之

    説明員(河野一之君) さようでございます。
  38. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 まあ一つ、三百七十億に努力されることは非常にありがたいことですが、是非そうしてやらなければなりませんが、今大蔵省の側で主計局長も地方側の多額の数字が考えられる、大蔵省の考え方によつてはどうも随分杜撰なところもある。それから二十四年度の決算も今出ておらんようでというようなこともあつたのですが、これは一つ大蔵省は大蔵省としてのお考えが勿論あつて然るべきとは思うのでありますが、又その大蔵省の考え方について自治体側としてはかくかくの点が大蔵省としては誤謬であるというふうな考え方が両方にありまして、そういうふうなどつちが誤つたか知りませんがそんなことはどうでもいいですが、根本的にいろいろな今の大蔵省の説明でこれは二十五年度ですか三十六の府県市町村を調べたとか言われたけれども、実際府県は二十九府県、四十三都市、六十一町村というような全体からいえば一部を基礎において後は推計されたのですが、推計が根本から惡いというのじやございませんが、やはり全国から考えるのにこういうふうな一部を御覽になつて推計されると、地方事情は御承知のように非常に違うのですから、そういう点から出発されるところに非常な両方の食い違いが出て来るのじやないかと思うのですが、国の方の予算の数字は自治体側は勿論よく知らないのですが、自治体側に関する限りは大蔵省も決定的な誤謬についてはそれを指摘し矯正せしめつつ、やはり相当多数に亘る市町村でありますから、それが積み重なつて数字が出て来るのですからそれはなるべくもう少し信頼を置かれてもいいんじやないか。今の決算が非常に遅れているというようなことは、いいこつちやなく大いに努力すべきだと私も思うのですが、大蔵省が今言われるような考え方でおると、自治体側にも大蔵省の考え方にはかくかくの誤りがあるということが数項目上つておるのです。これを一々申上げる必要もありませんが、そういうふうな数字の上から来るのはまだしもですが、私の考えるのに、もう根本的に感情的に国と地方府県、町村が張合うというか、縄張り争いをするというか、やはり過去におけるそういうような速かに排除すべき昔の陋習というふうなものがまだ多少残つてつて、どうもお前の方がなつておらんと、両方の方でそういうことを言つてつては国民全体がそのために非常に迷惑を蒙るのですから、その点は大蔵省が今指摘された点もありますが、又自治体側から言いますと大蔵省はこういうところが誤りだと、一部を考えて全部を推定するのは根本的にやめなければならん、そういうふうなお考えもありその他詳細に亘つていろいろありますが、そういうふうなことは非常に感情的になりやすいと思う。主計局長御承知の通り私自身随分あなた方の折衝するときに苦しんだのですが、ああいうふうなことがまだ現在もそのままであつて、こういうふうな予算関係のときに非常に張合つてまずい結果になると国民全体がいい面の皮ですから、そういうふうなお互いに突つくようなけちな考えは主計局長自体は持つておらんと私は確信しますが、そういうことがあるなら全体がそういうことはやめて、国民全体が、国にしても地方にしても全部お国のことですから、もう少しフリーな気持でやつて頂きたい。つまらないことですけれどもそういうことは拂拭して頂かないと、どうしても張合う結果になつてしまうんですから、そういう点キー・ポイントを握つておられる河野主計局長において大いにみずから率先してやつて頂きたい。私は確かにそういう弊害が今でもあると思うんで、そういう点は速かに拂拭して頂いて、もつと国民全体のために補正予算でも考えて頂かないとどうも私はそういうところに癌があるのだと思う。従つて今度の御承知の通り地方行政調査委員会会議の勧告も政府にも行つてつて御覽になつたと思いますが、我々の研究の結果大蔵省があそこにタツチしておつてそこで牛耳るということが非常に癌だと思う。そういうふうな大蔵省でやつたり自治庁でやつたり、陳情団はあつちに行つたりこつちに行つたり期間もかかるしああいうことはいかん。もつと簡單にやらなければならん。この勧告案で見ても大蔵省と協議してということが当然で、昨日もそういうことは駄目だと次長に申上げたのですが、どうも大蔵省がタツチすると強いもんだから首を捻つて駄目になるのですが、そういうことのないようにひとつやつて頂きたい。中でも自治とか何とかいうけれども財政的にちつともプラスにならない。迷惑するのは国民である。そういうふうにつまらないことですけれども両者が対立して喧嘩したんではつまらないのであるから、そういうことは根本的に改めて頂いて、今度の補正予算でもひとつできるだけ理窟拔きにやつて頂かないと困るのですが、こういうことは本当は大蔵大臣に伺うのですが、主計局長に聽くのは非常にお困りだと思いますが、あなたがキー・ポイントを握つておりますのでひとつ努力して頂きたいと思います。その他詳細な点もありますが、他の委員の質問もありますので一応これで止めて置きます。
  39. 相馬助治

    ○相馬助治君 二十五年度の補正予算の問題に入る前に本来ならば大蔵大臣にお聽きしたいと思つたのですが、ひとつ主計局長から答弁願いたいことがあります。地方財政の問題点という、大蔵省の意見では来年度の地方財政は三百億の地方税の減免すら可能である、ところが地財委の方では依然として六百八十二億もその追加財源を必要とするのだと丸切り対立した意見が出ているわけです。それで地財委の方から私達に入つております資料を見ると、大蔵省はこういうので立論の誤りがあるのだといつてずらつと條項を並べておるのです。御覽になつておると思いますがこれを御覽になつておるかどうか。若しいるとしたらこういう争いみたいなことをやられること自身が国民が迷惑ですから、こういう問題については篤と話合うつもりになつていられるかどうか。これを先ず一点お聽きして次の補正予算の問題に入りたいと思います。
  40. 河野一之

    説明員(河野一之君) 地方財政の問題で書類がどうこうというお尋ねですが、これは私共の方で内部で作つただけでありまして、それがどういう手を経て皆さんのお手許に行つたのか私の方としては非常に遺憾に思つておる次第であります。或いはこれに対して地方財政委員会と私の方といろいろたびたび折衝いたしております、そのときの議論の焦点となるものについて書きものにしたことはございますが、併しこれは何らオフイシヤルなものではございません。これについて大蔵省はどう考えておるかということについては、これは交渉のことでございますからいろいろ激しいことも言い又激しい文章も書くと思いますが、それをオフイシヤルなものであると取られることは甚だ迷惑する次第であります。決してそういう趣旨のものではございません。地方財政委員会の方ではこれに対して、いろいろな反対意見を述べられており、もう数回お会いいたしまして、実は昨日も地方財政連絡協議会というのを地方財政委員会と大蔵省が持つておりまして、定期的にやつておりましてこの問題についても数回会つております。そのときに出た話は書類も公開いたしておりますが、これは單に内部の問題であると御了承願いたいと思います。  いろいろお話合いをいたしまして、まあ今年度の補正予算は別といたしまして、二十五年度の系統を主とした明二十六年度の予算額といいますか、四千三百億というのが、新しい需要が明年度殖えないとした場合における大体の地方財政委員会のお見込のようであります。大体そういう点についての大蔵省で考えておる規模というのは大体話がついておる。ただ明年度においてどの程度財政規模が殖えるかという点について尚検討を要するものがありますので、数日中に又集まつていろいろお話合いしたい、こういうような段階にありますことを御了承願いたいと思います。
  41. 相馬助治

    ○相馬助治君 話合つておるから了承したまえということはよく分りますが、一番先に局長が言われたのは、何ですか、そういう議論しておる問題がこの委員会に渡つたことが遺憾だというのですか。
  42. 河野一之

    説明員(河野一之君) これは全く内部のものでありまして実はどこにも出しておらない書類であつたのであります。関係のものが十数人集まりましてその議論を基礎にして作つたものであります。どこにも私共出しておらないのでありますがどういうことでいろいろな所に出ておりますか、その点甚だ私共としては困つておるということでございます。
  43. 相馬助治

    ○相馬助治君 ですからこの委員会に洩れたということが遺憾だというのですか。別に私は揚足を取るために言つておるのではないのですよ。
  44. 河野一之

    説明員(河野一之君) いや、おつしやいましたのはこの意見がどうこうということをおつしやつたものですから、これは單に内部でいろいろやつたものに過ぎないのでオフイシヤルなものでない、ただこれが委員会に洩れたという意味合でなしに、私共仄聞するところによりますと知事会議にも出ておるようであります。そういうように洩れたということをどうこうというのではありませんが、それを基礎にして大蔵省の意見がこうであるというようなことを言われましたならば甚だ私共としては申訳ない、こういうことであります。
  45. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はこれは公式的なものでないということはそうかも知れませんが、御承知の通り全国知事会議で問題になつて、我々はこういうものを盗んで貰つたのでも何でもないので、全国の知事会議で以てこういう厖大なものを持つて来てかくのごとく大蔵省というものは馬鹿々々しい立論をしておるのだということをいろいろ聞かされたのです。それで私達は大蔵省をとやかく言うことが最終目的ではないので、西郷委員も縷々述べられたように、地方財政委員会と大蔵省とで、片方は六百八十二億も来年は余計に要ると言い、片方では三百億の地方税の減税が可能であると言う、この正面切つて対立したものが知事会議において問題になつておるということをあなたが遺憾と思われるように私も遺憾としておるのです。だからお聞きしたのです。それをうまく部内に話合つて下さい。  それからその次の、本問題の補正予算の問題ですが、さつき西郷委員がこういうようにあなたの答弁を解釈されたようですね。三百八十九億のうち大まかに言つて半分くらいになるだろうが給與関係は殆んど動かさないであろう、だから外の災害費や何かは非常に大幅に削られるであろうというふうに西郷委員は解釈されて、それに対して的確なお答えはなかつたけれども、私は西郷委員が解釈したようには実は解釈していいのか惡いのか分らんのでそれを一遍お聽きしたいわけなんです。その理由は、西郷委員が解釈したように解釈してよろしい、ならば給與関係らについて突込んで私は次の質問を発する必要がないだろうと思う。どうぞお願いいたします。
  46. 河野一之

    説明員(河野一之君) もう地方財政の需要からこう持つて来られておるわけなんですが、これを削るとか削らんとかいう問題は国家財政立場でないと思うのです。ただ地方財政が当初予算に対してどう殖えるかというふうな意味合で言うならば、非常にこれは達観を申上げて甚だ恐縮だつたのですが、まあ半分くらい殖えるかという意味合で申上げたのですが、給與の問題とか何とか言われるけれどもこの給與も今年分に相当するものを出しておるわけですから、それが全体殖えるのもおかしいじやあるまいか。こういう意味で申上げたのですが、決して削るという意味じやないのです。
  47. 相馬助治

    ○相馬助治君 どうもそういう御答弁であろうと思つたのですが、地方財政委員会がこういうことを要求して三百九十億要るというが、まあ半分くらい要るかも知れないということを申したのじやない、これだけ政府から出すとか出さないとかということは、さつきの御答弁で触れていないということは了解します。  そこで今度は私お聽きしたいことは、このべース、アツプに伴う費用と年末手当支給に対する経費と、国家公務員が上つた場合には勿論地方公務員が問題になるであろうじやないか。国定公務員の場合には今の御説明を聽くと、旅費だとかいろいろなその外の物件費だとかを節約してこれを出すように懸命の御努力をなすつているとうことを聽いて敬意を表します。ところが地方では暢気な話なんですが、そういうやり繰りというか心構えが十分いつていないと思う。そこで現実の問題としては国家公務員が年末手当を貰えば地方公務員もこれは貰いたいのは当り前、ところが財源がない。そこで大蔵省に要求することになつて大騒ぎになると思うのですが、昨年の経験によつて見ますと、先ず教職員の場合だけを取上げても、政府がよくよく年末になつて半ケ月分ですか、出すということを決めた場合に、各府県では教職員の年末手当を出す場合に半ケ月どうして出したらいいかというので大蔵省に何とかしてくれと言つたところが大蔵省は駄目だ。そこで文部省が口を切つて、定員定学制の中から何とかやりくつて、後で埋め合せるから出しておいてくれというので、各府県知事は教職員に半ケ月の手当を出したという経緯は御存じだと思います。ところがそれが未だに文部省で何とかしてやるというのに何とかしていない。そこで今年又この問題が相当大きく問題になると思うのですが、主計局長の今の見解としては、地方公務員の年末手当支給について政府として幾分見てやるつもりですか、又そういうことはこの際考えておらないのですかお聽きしたいと思います。
  48. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国の方で政府職員の給與ベースを上げる、年末手当を出すといつた場合に、地方においてもそれに倣つておやりになるだろうとは私は思います。ただそういう場合に必ずそれは徒らに対立的立場をとるわけじやございませんが、必ず国の方でも面倒を見なくちやならんのだというふうな原則はないのではないだろうかと思う。地方財政全体としてそういうふうなことは可能であるかどうかという点についての検討も先ず必要ではないだろうか、こういうふうに思うのであります。又地方財政立場としましては、今更節約ができないというふうに言われるかも知れませんけれども、こういつた性質経費については人も減して頂き、できるだけ既定経費でやつて頂くのが筋であろうと思うのであります。又国の方でべース、アツプをし或いは年末給與を出すというのは、御承知のように政府職員の給與は低いからということになるのでありまして、地方団体はこれも一万からございまして、いろいろございまするが、そういつた現在の給與の状況というようなことも考えて頂いて地方自治の建前でやつて頂きたい。それから平衡交付金配分というようなことも、いろいろ地方財政に対して過渡的ではありまするが多少御迷惑のようなところがあつたんじやないか。殊に地方税法が遅れましたので平衡交付金が概算で交付されました。入るべき金も入らないというようなことになつております。新しく清算いたしました結果現在の府県の中には取戻すようなものもございます。そういうものをこういう点を考えて再配分する。それから特別交付金がこれは一割取つてあるわけであります。これなんかの配分について、こういつた事情を各団体に聽いてみて適当に按配されますならば、給與の引上げをおやりになつても必ずしも財政事情に圧迫を来たすというようなことがないのではないかというふうな感じをもつておるわけであります。
  49. 相馬助治

    ○相馬助治君 結論いたしますと、何ですか、平衡交付金の枠内で操作してみたり何か工夫して、それから人を減すとか何とかちよつとおつしやつたが、そういうことを研究してみて、何とか地方自治団体でやれるだろうから今年末は政府としてはそれに見合う財源をここに予定して用意しては今のところない、こういうことに相成るのですか。
  50. 河野一之

    説明員(河野一之君) 大体さようであります。
  51. 相馬助治

    ○相馬助治君 大体さようなことが非常に困るのであつて立場はよく分るのです、これはもう論を説き起せば、日本が戰争に敗けたところから始めなければならんのですが、そこまでは遡らなくても、とにかくお互いさま苦しいのは分つておりますが、この地方財政の本年末における財政逼迫の状況というのは前古未曾有です。これは地方税の問題もありましようし、昨年度は十一月末か十二月の頃に何かの補給金があつたり、それから地方起債が何か認められたりして、正確でないのですが何か余裕があつたやに聞いているのですが、今年はもう丸切り八方塞がりである。そこで政府の方で年末手当をぽんと出せば当然これは出さなくちやならん。あなたの今おつしやることによると、政府がこれを出さなければならん法律もなければ何もない。そういう法律も何もないから問題になるので、これは本年の末に至つてはもうもの凄い労働不安が惹起すると思う。同時に地方財政はもう收拾すべからざる混乱状態を来すと思う。そういう意味で地財あたりが出しておりまする資料もあなた達から見ると杜撰であるかどうかとにかく分らんけれども、給與に関するこれだけの金が要るというのは、やはり我々の研究を以てしてもこれだけ要ると推定されまするので、もうぴたつと実も蓋もない御返事を聞いてしまつて又うるさいことを言うようですが、何とかこれは、岡野国務大臣はあくまで頑張ると言つているのです。職を賭してやるかと私が開いたら職を賭してとか何とか言われても困るが、とにかくあくまで頑張ると言つておるのですが、岡野国務大臣はあくまで頑張るのだそうですがあくまで頑張られたときこれはどうなるのですか。それが一つと、これを何とか話によつてはする気があるのか。これは大蔵大臣に聞こうと思つてつたのですが、あなたの了解を得ないことにはならんのでお聞きしたのですが、私は話が上手でないので冗談言つているみたいですが甚だこれは本気で言つているのです。そこをはつきり何とかするつもりだという話を聞きたいと思つて聞いているのですが、どうですか。
  52. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国の方の財政も御承知のようでもありまするし、(「それはよう分つております。」と呼ぶ者あり)まあ給與問題というのは非常に職員の生計に関することであり、なかなか大きな政治問題であるとは存じますが、只今のところ平衡交付金をこれがために増額するということは今考えておりません。少くとも大蔵省の立場においてはさように考えております。ただ一月以降のベース・アツプの分につきましては義務教育職員の分についてだけ九億円配分だけ従来の経費の中におきまして計上しておる。それから先程おつしやいました去年の年末の分でありますが、その分は今度の補正予算に七億円ばかり計上することにいたしております。
  53. 相馬助治

    ○相馬助治君 最終的に決定しておりませんね。
  54. 河野一之

    説明員(河野一之君) これは関係方面との補正予算の折衝をいたしております。
  55. 相馬助治

    ○相馬助治君 削られる公算極めて大だと聞いておりますが、どうですか。
  56. 河野一之

    説明員(河野一之君) できるだけそういうことのないように努力したいと思つております。
  57. 安井謙

    ○安井謙君 どうも今日はいろいろ「こんにやく」問答みたいなことになつて結論が出ないと思うのですが、私はまあ地方財政の今の規模の計数整理については、非常に複雑な一万幾らの何ですか、これは水掛け論にどうしてもなると思う。従つて追加をどの程度の腰だめで見るかということになると思うのですが、最低線見るとして、一応給與アツプの給與ベースの関係の百四十億ですか、最低に見てもがこの程度のものがあるだろうと思うし、又主計局長のお考えでは二百億程度のものを追加として見られるかも知れんというようなお考え方ですが、それについて地方財源の節約がどの程度できるかという考え方なんです。まあ大蔵省の方では今度の補正予算で約二百七十億ばかりの追加に対して、三百四十億の財源を捻出なさつてまあ綺麗に整理なさつておるということで、地方財政もこれに倣つてやつたらよかろうというお考えだと思うのですが、大蔵省の方は物件費その他節約五%なさつて、計上額五十億で今の実質の節減は三十億前後だというようなお話、そうすると地方財政の方も四十億程度のものが今節約財源を出しておる。これはまあ両方とも節約に努力したという点では、決して地方財政が落ちておるとは思わないのですが、而もまあ今日ここに至つて二十五年度の予算の穴をどうしようかというときに、根本の人員整理の問題を出して見てもこれは解決つかない。節約の努力と節約の限度においても私は地方財政側も相当努力をしておると思う。その点についてどうお考えになりますか。
  58. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国で本年度確か三十数億やつたのでありますが、これはまあそれに比較して地方団体が多いのじやないかとこうようなお感じもあるかも知れません。一般会計におきましてやつたのがそれでありまして、地方鉄道にいたしましても電通にいたしましても皆すべて節約で給與の方は実は賄つておるわけであります。  中には国の六千数百億の予算の中には終戰処理費もございますし、それから刑務所の金であるとか、或いは大学の経費であるとか、そういつた節約するのが適当でないものもありますので、そういうものを比較しております。地方団体としましてまあ私の推計では旅費が恐らく百六七十億あろうと思います。それから物件費は先程申上げましたように千七八百億という推計をしております。これは約八百億になつておりますが、これはどういう御推計か知りませんが、私の方ではもつと節約をやつて頂けるんじやないかというふうな感じを持つております。それから今年度当初の地方歳入の見込という四千三百二十億というのは確か自治庁の方から出て参つたと思いますが、そのときの歳入の中にはつまり雑收入、税外收入が百七十五億というふうに確か計算されておつたと思います。これは二十三年度の決算及び二十四年度の見込を見ますと恐らく三百五十億から四百億ぐらいあるのじやないか、それだけ歳入が四千三百二十億のぎりぎりの歳入歳出でありますならなんでありますが、実績を見ますと相当殖えておるように私共は思うのであります。従いまして個々の団体を取りますと非常に凸凹がございますので、或る団体じやとてもやつて行けないと言われるものも事実あるであろうと思います。併し地方財政全体としてはそういつたようなことが見込まれる。従つて平衡交付金なんかの今後の配分においてもそういうことを十分考えてやつて頂けるならば何とか……決して豊かとは申せないのでありますが、何とかやつて行けるのじやないかというような考え方を持つておる次第であります。
  59. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 旅費は……。
  60. 河野一之

    説明員(河野一之君) 百六、七十億であります。地財では百五十億という推計をしておりますが、私共の方の計算では、いろいろ推計を実態調査で何したものを延ばして見ますと二百億ぐらいになりますが、その中間を取りますと百七十億になります。
  61. 安井謙

    ○安井謙君 今のお話でまだ資料が足りないというお考えなんですが、財政規模からいつて今のどちらで出しておる金額、国の方で出しておる金額、地方で出しておる金額というものの節約額というものが極く大雑把に考えるならば、必ずしもそうは言えないのじやないかと思いますし、今から一体そういつた節約がどれほどになるか現実の問題にした場合にあまり余裕がないのじやないかと僕は思うのですが、それも一つとして、次には平衡交付金で九億だけは義務教育費のやつは親心で政府の追加予算に組んでおるわけです。平衡交付金として出されるのであつて、これは特殊事情があるとはいえ、教員を見るだけに親心があるならば今の地方実態に鑑みられまして、その他の公務員の給與ベースについてもお考えの余地はないか。  それからもう一つは、今度の場合地方にまだ余裕財源があるというお考え平衡交付金の増額をお認めにならないのか、政府としてはぎりぎりでこれ以上財源がないということで、ない袖は振れんというお考えなのかその点についてちよつと伺います。
  62. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国の財政の方といたしましても、一月からあの程度の減税をいたすことになりますと、なかなかそういうふうな余裕がないことも事実であります。それから地方財政において余裕があるかないかということになりますと、これも又いろいろ認識の問題でありまして、先程申上げましたように一応四千三百二十億というこの前の推計が正しい。歳出の方も正しい、歳入の方もこうだというふうに予定しておられますのが正しいといたしますと、その後のいろいろの状況を見て来ると雑收入でも更に殖えておる。これは地方財政全体としては個々の団体はいろいろ違いましようけれども、先ず当時見込んでおつたよりは收入が殖えておる面もあるのじやないかという考え方でやつております。殊に何と申しましても今度の地方財政地方税の改革というものが相当画期的なものでありましたので、団体によつてはなかなか負担の変革がありましてお困りの向もあろうかと思います。殊に府県はいろいろな市民税がなくなりなんかしましたので彈力性ある財源を失われたということはありましようが、市町村は一般的に見ていろいろ私もお話を聽き調査もさしておりますが、前年度よりは相当財政が改善されて来ておる。そういうふうな点も考え合せまして平衡交付金配分については、本年度については特にそういつた面を考えて処理して行かなければならん。そうすることによつて特に国の方としてこの苦しい財源の中を割いて更に金を出すというようなことはしないでも済むのじやないか、こういう考えであります。
  63. 安井謙

    ○安井謙君 今のお話なんですが、市町村と道府県とは可なり状況も違うと思います。今日の政府自身が御存じの通り住民税は非常に取りにくいというようなことから、政府の方ももつと取つたらいいじやないかと言われる御議論尤もですが、実情は非常に困難であるということはお認めにならざるを得ないと思うのですが、そういうようなこと。  それからもう一つ先程地方公務員の給與改訂をやるかやらんかが問題であるというお話ですが、これは政治的に決る問題で、やるかやらんかで百四十億の違いが出て来る。そこらに大蔵省としてはやらんで済めばやらんでもいいというお考えであるか、やるとすれば百億以上の追加を理論上お認めにならなければいかんじやないかという気もするのですが、その点はどうですか。
  64. 河野一之

    説明員(河野一之君) 地方団体経費の増があつたら国の方で平衡交付金で見なければならんのだという原則からすればかような御主張もあろうかと思うのですが、一応国の財政地方財政との関係はそういう関係では私はないじやなかろうか。勿論地方税というのは取りにくい欠点もありましようけれども、一応ああいうふうな地方税が決つた以上あの趣旨従つて取立てて頂くというのが筋であり、千九百億という地方税收入があるということを期待しておる。それが取れない。一方給與の方を増すということで国の財政がこれだけ背負うという考え方只今のところ取りにくいじやないか。
  65. 安井謙

    ○安井謙君 もう一回繰返しになりますが、国家財政の方の財源捻出は非常に楽な形で出ている。地方財政の方は財源の捻出がむずかしい形になつているということは総額からいつても言えると思うのでありますが、この点はどうですか。例えば三百三十億の財源を御捻出になつているうちの八五%のものは機械的に出ているのだと言われる。その点とそれから一応参考までに国情の償還費の関係がどうなつているかという点を伺いたい。
  66. 河野一之

    説明員(河野一之君) 節約が困難であるかどうかその点いろいろ御議論があろうと思いますが、御承知のように補正予算の大きな財源は価格調整費であります。これは機械的だと申されればそれまででありますけれども、なかなかこの関係について問題があるということは御承知の通りであります。ただ一般の事務費となりますとそういうふうに簡單に参らんことは確かでありますが、併しできるできないは覚悟の問題でありまして、事務費を五%減らしたら行政機能が止まるというふうなわけのものでないと思います。  国債でありますが、これは全部予定通り償還するという建前で組んでおります。ただ警察予備隊ができましてその分の政策的な債務償還費、一般会計五百億のうち二百億を出しておりました以外は予定通り国債償還に充てます。
  67. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは質問というより希望かと思いますが、本年度の補正予算並びに来年度の予算に関しまして、所管の自治庁並びに地財委、大蔵省との見解は非常に大きな相違があるように思いますので、それらに対しまして非常にはつきりした問題の所在を掴みますために、幸い大蔵省でいろいろな府県市町村調査をされているそうですが、その集計ができましたら、地財委、自治庁から貰つているのと比較検討いたしまして、はつきりしたものを掴みたいと思うわけであります。そこでお尋ねなり希望なりいたしたい点は、調査されました計数整理はどの程度できておりますかという点と、それができ次第一つ地方行政委員会にも一部ずつ頂きたいということを質問なり希望なりいたしたいと思います。
  68. 河野一之

    説明員(河野一之君) この点は先程もお断り申上げました通り大蔵省でもやりました。これは自治庁の力をお借りしなければ本当の的確な、的確と申しましても程度の問題にもなりますが掴めないのでありまして、この推定がいいか惡いかどういう点の誤謬があるかどうかということについて只今打合せをしている最中であります。いずれお話合がまとまるとは思いますが現在の段階におきましても殆んど大差はございません。或いは誤差とも見られる程度で、若しお話合がまとまりますればそういつた資料をお手許に差上げたいと思います。
  69. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 委員長の方におかれましてもひとつできましたら頂いて配付するようにお願いいたします。
  70. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) それでは只今中田君から御要求のありました資料を大蔵省の方から、市町村の方とよく協議せられた結果のものをお出しを願いたいと思います。
  71. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この本年度の補正予算につきまして、次のような点から私は大蔵当局が考えておられるような余裕が地方にはないのではないか、特に府県においてはそうではないかということを申上げまして御見解をお尋ねしたいと思うのであります。日本の経済再建、インフレーシヨンからデフレーシヨンに切替えられまして、そういうような関係からいたしまして地方の税收入の自然増というものが非常にない。特に本年度におきましては昨年に比べまして繰越金が三分の一以下になつたと、いろいろ比べて見ると減つているようであります。朝鮮景気の問題もありますがまた地方にはそういうものも浸透いたしておりませんし、二十三年度よりか二十四年度の繰越金は我々の調査では大体三分の一程度に減つております。それから先にも局長が申されましたが、この税制改革は、このたびのシヤウプ勧告に基きます税制改革に対応するよりかも遥かに大規模な改革地方税において行われております。そういう点で徴税機構の極めて不備な脆弱な地方におきまして、新しい税制に適応いたしまして十分な財源を確保するということが極めて困難な状態でありまして、予想されている程の税を全額確保できない。特に府県におきましては入場税、遊興飮食税等事業税が一番大きな財源でありますが、農業県におきましては農民に課せられないということで非常に府県の税收入は貧弱になつております。そういう点でまあ雑收入が三百億以上も予定されるように申されましたが、なかなか、特に八月から施行されますのでそういう関係と相俟ちまして税收入が確保できないという点と、それから公共事業におきまして起債対象というものが非常に限定された次第であります。従来国が補助金を出しまして県が二分の一なり三分の一なりの裏打をいたしまして、それを起債によつて充当してやつていたようなものが、造林の費用であるとか林道であるとかその他打切られまして、これを純県費で賄つてやらねばならんというようないろいろなことが絡み合いまして、この特に府県におきましては、私は府県だけの力で以てこの給與ベースの改訂等に対応することが極めて困難ではないかと思うわけであります。尤も旅費につきまして私は若干の節約はまあできると思うのですが、物件費の節約を強力に推進しますると、必ずこの市町村なんかに出すところのいろんな公共事業補助率を下げまして寄附金をとるとかいうようなことをやつて、その方面からこの給與の財源を捻出するということになつて、国が立てられたいろんな施策が末端に浸透する際に非常に国民に多大の、政府が予定された以上の迷惑をかけるというような点がありますので、私は物件費の節約に五%も重点を置いてやるというようなことは、政府の施策の確立の上からもよくないというような点を考えますので、勿論応分の事情の許す限りの節約をやりまして自主的に相当部分賄うことが必要であると思いますが、国においても相当の、特に税法改正の転換期でありますから、親心を示して頂くことが必要ではないかと思うわけであります。そういう点につきまして一つ考えを承りたいと思います。
  72. 河野一之

    説明員(河野一之君) 画期的な地方税の改正でありましたので、過渡的にはいろいろなまあ問題が起つておるであろうと思います。殊に今回の地方税制改正市町村の自治充実ということを主眼に置いたものでありまして、只今おつしやいましたように府県は住民税がなくなる、或いは農業県においては事業税がなくなるようなことでいろいろありましたことはよく存じておるわけでありますが、これは結局平衡交付金の配付の問題ではあるまいかと思います。地方税の成立が遅れまして概算的に前年度の何割というようなことで出しました関係上非常に一律的に今行なつております。これが新しくできました基準でやりますと相当つて来る。今言つた府県の外にも貧弱な府県につきましても相当平衡交付金が行くと、現在見込まれておりますのは愛知県でありますとか或いは大阪府、東京都というような所はすでにやつた平衡交付金を取戻すというような段階実情にあるわけであります。これらが他の府県に廻つて行く。それから特別平衡交付金がございまするがこれは一割を天引してあるわけでありますがそういうものを有効に使つて頂く。そういうことによつていろいろ御困難もあると思うのでありますが、当面の二十五年度の地方財政というものは切抜けて行ける、又そうしなくてはならんのだというふうに考えている次第であります。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いろいろ見解の相違もあると思うのですが、それはこのまま押付けられましても私は給與ベースの財源を捻出することは可能だと思う。それは我々が府県で見ておりますると、なかなか府県の役人は予算のやりくりについては実に天才的な技術を持つています。ですから先に申しましたように、例えば林道の補助金をこの市町村の林林組合に流して行くというような際に、二分の一の補助になつてつても二分の一出さずに若干を寄附させる、地元負担を新たにかけるというようなことで数千万の金を生むくらいのことは、公共事業その他でこれはやれると思え。併しそういうことにしてまで自主的にさせるということは妥当でないと思いますので、是非考えて頂きたいと思うのです。  それから先に申しましたように繰越金なんかも例えば鳥取県に例をとつて言いますと、昭和二十三年ですが一億五千万円あつたが、本年度は大体五、六千万くらいしかないというようなことで二、三の府県に尋ねて見ましても大体非常に減つているようであります。  それから例えば造林とか、林道とか、先に申しましたようなものが公共事業起債対象に認められないというので、純県費で県費補助を賄わねばならんというので、小さい鳥取県におきましてもそういうものがすでに六、七千万円かある。これが純県費の県政に喰込んで行くというようなことで、想像以上にそういう転換のために地方財政は窮乏しておりまして、私は国家財政の困難性よりかも地方のが遥かにきついと思う。まあこれが国家財政に余裕があるかということは、例えば吉田総理が昨年に御殿場で夏樺山愛輔氏の別莊で過されるために三百万円の別莊の修理費が外務省の予算から出ています。更に今年塩原別邸、これは三共株式会社の所有だそうでありますが、社長のその別莊を直すのに外務省から二百六十万円の巨額な金を捻出して別莊を修理して面目を一新しているということがはつきりしている。そういうような余裕というものはてんでこの地方財政にはないんです。ただ地方財政に対するこれ程な鞏固さと頑強さを以て節約を強いられるなら大蔵大臣、並びに主計局長に外務省のそのような予算一つ嚴重に査定して頂きたいと思うわけであります。まあ希望かたがた一言申上げておく次第であります。
  74. 鈴木直人

    鈴木直人君 給與ベース等については今、皆さんからお話があつておりますが、私二、三点ひとつお聞きしておきたいと思う点を質問して見たいと思うのであります。実はこの前に大阪地方のジエーン台風を視察に行つて来たんでありますが、これは相馬君から質問があつたら中止しますけれども、その中に地方税を全然減免をして入らないわけです、その結果市町村、或いは府県等において相当の減收になるわけです。その数字は申上げでもいいんですがその減收の分が災害によつて当然歳入欠陷になるわけです。勿論それと別個に少しこの納税意識の低下等によつて減收見込もありますが、私が今申上げる分野はいわゆる條例によつて正式に減免をした分なんです。その分について特別平衡交付金で以てその金額について埋めて貰いたいという要求があるわけです。ところが特別平衡交付金は百億見当ありますから、それの方面に全部出したら特別平衡交付金の他への使用を阻害するようになるのじやないかというふうに考えられるのであります。その際に当然起つて来るのはいわゆる平衡交付金の増額という問題が出て来ることになるのでありますが、こういう際におけるところの大蔵省の見解が、いわゆる百億の特別平衡交付金で適当にやれということになるか、或いはその不足分は増額によつて補うべきであるという見解を持つておるのも、この点を第一にお聞きしたい。
  75. 河野一之

    説明員(河野一之君) 特別平衡交付金はおつしやつたような災害の場合とか或いはその他人口異常増加、そういつた一般の平衡交付金でなかなか見難いというようなものを各団体の実状に応じて出されるものだと思うのであります。従つてお説のような点は平衡交付金でやられるべき筋合のものだと思つております。ただ本年度においては地方団体の負担の変化が非常に大きかつたと思うのでありますが、そういうような点を考慮して、特別平衡交付金を分けて頂きたいと思つてております。
  76. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは実は明日お聞きしたいと思つているのですが、そうしますと、現在既定歳入に組まれておるところの範囲内における特別平衡交付金配分調整によつて善処できるであろう、更に平衡交付金総額をそのために特に多くする必要はないとまあ考えておるということですか。
  77. 河野一之

    説明員(河野一之君) それがために特に平衡交付金を増額するということは只今考えておりません。
  78. 鈴木直人

    鈴木直人君 この点については更に必要であるかどうか、私必要であると思つておるのでありますが、よく数字的に後日申上げたいと思います。  それから第二はいわゆる災害復旧に対するところの事業費なんでありますが、現地へ行つてみますとこの災害個所を單に原形復旧するという意味において、国が全額支出して原形に復帰せしめるということだけでは到底今後の災害に対してこれを防除することが不可能である、こういうようなことになつております。例えば和歌山、大阪、兵庫を見ましてあの海岸の堤防を見ますと、海岸堤防が満水時においてこののような事情がありますと、現在よりも全般的にどうしてもまあ一メートル以上の高さを増して全部それを復興といいますかやはり換えなければ、到底あの場合において押寄せる波を防ぐことができないというような状態になつております。それを現地においてすべての人が知つておりまするから、この際に決壊個所をただ修理してそうして従前の高さにただその部分々々を直しておくということだけでは、国の厖大なる金をただ徒らに浪費するような結果になる。どうしてもこの際にはただ復旧工事でなくやはり復興的なものもそれに加えて、そうして一つの計画を立てて即時復興工事をやつて行かなければならないというように三県共計画ができておるわけです。ところが復旧工事についてはそれは一応復旧費がありましようけれども、この際にそれだけでは到底駄目だ、どうしてもそれにプラスした復興に必要なところの予算起債等によつて貰う。或いは国の助成等や得てそうして復旧と復興とを同時にこれをやらなければならんという結論に到達しておるわけです。でその事情を見ますと成る程そうしなければこれは莫大の何億かというものは何の役にも立たないような結果になるから、この際に徹底的にやはり復興的な計画の下に後興工事も進めて行くことが必要であろうということを痛感して来たので、この際にその復興に必要とする部分、復旧の部分は別として復興とするに必要なる部分、即ち海岸堤防を更に一メートル乃至幾らかを蒿上げして完全なものにする分に対するところの経費に対する起債その他については、大蔵省としましてはどういうふうな見解を以て今進みつつおられるのか、それをお聞きしたいと思います。
  79. 河野一之

    説明員(河野一之君) 今年度の公共事業費の中に昭和二十五年の災害関係として数億ございます。そのうち七月までの災害関係で約五十億使つております。残り五十億更に今回の補正予算で四十億を殖やしたいというふうに考えております。ジエーン台風の被害の跡などを見ますとおつしやるような点が随分あると思うのでありまして、復旧と同時に復興のことも或る程度気をつけて行きたい、この経費公共事業の残つている分及び新しく追加された分につきましては、そういうような点を十分配慮して配分を決定したい、こう考えております。
  80. 鈴木直人

    鈴木直人君 それはよく分ります。災害復旧費の適当なる配分についてはよく分るのですが、復旧でなくして更に根本的な、いわゆる改修を同時にして行く、こういう計画を以て進んでいるのであつて、この復旧費の予算だけを貰つたのでは工事を始めることはできない。いわゆる復興に必要なもの根本的な改修に必要なものと同時に予算的措置がある、或いは起債等によつてそれが同時に実行することによつて初めて工事に着手することができる、こういうことになつているのです。その際におけるところのいわゆる復旧費じやなくて改修費、復興に対する部分の経費相当起債等によつてやらなければならんと思うのですが、その起債に対するところの考え方を聞いて置きたいと思うのです。
  81. 河野一之

    説明員(河野一之君) 復興の方につきましても公共事業費配分について考えたいというふうに思つております。起債につきましても、でき得ればこの枠を増やしてそういう方面に対処し得るようにしたいと考えているわけであります。
  82. 鈴木直人

    鈴木直人君 その次にお聞きしたいのは、いわゆる一ケ所十五万未満の工事は災害復旧費の全額国庫負担の中に入つておらない。そこで十五万未満の個所が非常に多くの部分を占めているのです。これは府県費或いは市町村費で以てこれを復旧しなければならんということになつているのでありますが、現在の地方財政状態においては到底その経費に堪えかねるというような状態にある。この点に対するところの起債に対するいわゆる許可等についてはどういうふうに考えておられますか。これは主計局の所管かどうか知りませんが一つお聞きしたいと思います。
  83. 河野一之

    説明員(河野一之君) 十五万円以下の工事の分について、いわゆる單独事業として起債の三百七十億の中で一応枠的なもので考えてやつている次第であります。
  84. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 主計局長に駄目押的に聞くわけでもないのですけれども、いろいろ今度の補正予算の点は各委員から御質問になつて私も最初に御質問したのですが、念を押して置きたいのは、不足額を起債で見るとか、平衡交付金で見るとかそういう建前じやないのだというお話もよく分りますが、そういう理窟でなしにざつくばらんに言つて地方側が非常な熱望を持つておられるようですが、約三百九十億というものが足りないということなんですが、それに対していろいろ主計局長も苦心されておるが、この予算の結論を出すのですから具体的に伺つて置きたいのは、大体その中に理窟抜きで実際に補正予算で貰えるだろう、大体二百億程度は見込まれるだろうというふうに、今日の段階ではそういうふうに考えて差支ございませんか。
  85. 河野一之

    説明員(河野一之君) その二百億とかいうのは、この地方財政は当初予算に対して殖えるのがいろいろ固まるとこういう点にあるのだろうということをお話したのでございまして、補正予算として国庫が平衡交付金を増額するという考え方は持つておらないのでございます。
  86. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 その平衡交付金ですが、主計局長はその平衡交付金にかかわつて……さつきは私平衡交付金災害それから節約の観点で申上げたのですが、その方法はどんなでもいいんですが、例えば起債の枠を殖して行くとかなんとかいうことになると思うのですが、平衡交付金の枠を拡げるということを突張るわけじやないですが、全体としていろんな手があると思うのですが、全体として見てやろうという親心は大体二百億程度ということなんですか。その平衡交付金で出すというつもりじやない、そういう理窟じやなくその方法は何でもいいんですが、枠を拡げてやるとかいろいろな点でどの程度の親心を示してやろうというのか。大体二百億に考えてよいかということについて、この点はどうなんですか。
  87. 河野一之

    説明員(河野一之君) 給與の問題だとか或いは災害関係によつて、或る程度地方財政の需要が増加するということは或る程度認めざるを得ないと思うのであります。それが何百億になるかということは、今二百億くらい新しい需要がちよつと見たところによりますとあるのじやないかというような気がいたすのでありますけれども、これに対しては又節約をどの程度つて上げますかそういうふうな見当もありますし、できるだけ地方としても負担が過重にならないように政府としてもいろいろな措置を講じて、地方財政が円滑に運営されるように努力すべきことには変りないというふうに考えます。
  88. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 主計局長におかれて、この地方財政国家財政は完全に別個なものである、だから給與ベースの改訂があるからといつて自動的に国が面倒を見ねばならんということはないという御見解なんですが、これは非常に問題だと思うのです。国家財政地方財政とがそういう完全に別個のものであるかどうか、この点に対してもう少し突つ込んだ考えを聞きたいと思うのです。
  89. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国の財政地方財政一つの大きな一国の財政の中でありまして、その中を分け合つておるわけであります。従つて両方とも公けの財政でありどちらを重しとするということはないと思います。むしろこれらの性格から地方自治の問題が多いから、地方財政こそ国の本体をなすのじやないかと思います。その地方財政の中を分けるにいたしましても、分け方というものは行政事務配分から分け合つたり、搦み合つたりして、財源の問題になるわけでありまして、一応そこに事務を前提として税その他の配分関係があるわけでありますから、一方でこれが膨れれば国の方に食い込む、或いは国が膨れれば地方の方が膨れないと、こたはまあ原則論としてはいろいろ問題はありましようけれどもそういうことをすべき筋合のものではないので、一応広い意味財政の中ではありますけれどもおのおの一応の区切りがあるわけですから、原則的にまずおのおの財政立場考えるというのが国の財政地方財政も分けたゆえんであり、又地方治自の本来の趣旨じやないかとこういう意味で申上げた次第であります。
  90. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 段々お聽きしておりますと主計局長のお話も分るのですが、この間自治庁の岡崎大臣にお聞きしますと、予算の問題は、大蔵省と自治庁側とのこの数字の食違いが調整されて両方が納得のできる数字であるならば、自分としては全力を注ぐというお言葉があつたのですが、要するに今度のいわゆる給與ベースの引上げその他に要するいわゆる三百九十億と称するその数字がどう固まりますか、そういう数字が固まつた場合には、言い換えれば大蔵省と自治庁との間にそういう数字がお互いにはつきりした場合には、仮に先程のお話から二百億なら二百億という数字に固まれば、それには十分大蔵省側としてはそれに対しては方法なり措置なりを考えて頂けるものであるかどうか、その点を一つ
  91. 河野一之

    説明員(河野一之君) その地方財政委員会とどういうふうなまあ話合をするのか、いろいろ御意見もあるわけでありますけれども、二百億というのは、新しい財政需要が補正予算或いは給與の引上げ、災害等でもつてあるであろうということは私共考えられるのであります。併しこれがすぐ新しい地方財政としては何ともならんのだというような考え方には、私共としてはすぐそこまで参るわけには参らんので、今年度の收入の問題がどうであろう、或いは節約の問題はどうであろう、そういう方についていろいろ地方財政当局と打合せをしてみたい。併し地方財政として非常に無理を強ゆるという考えは決してないのであります。先程西郷さんのおつしやつたように起債の増加ということもございましよう。ただ二百億ぐらいあるからといつてすぐそれがいろいろな財政の措置を要するという問題にはならない。こういうつもりで考えておるわけであります。
  92. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうしますと、要するにその実態を把握して十分お考え頂くということになるのでしようが、そこで先程主税局長のお話では例えば現在の平衡交付金のやりくりなり或いは雑收入についての見積りからして、或いは節約の面からして、それについて相当考え得るじやないか、こういうまあお話があつたのですが、併しながらこれは全国一万二千の公共団体全体について考えれば或いはそういうことも言えることと思うのでありますが、個々の公共団体から見ますとどうにもならない公共団体があり得るわけなんです。と申しますのは今度の給與ベースの引上げについてみても、当然国の官吏のものに準じて特に地方の吏員の給與べースというものはそれに準じて上げ下げできるということになつておりますから、どうしてもそれに即応しなければならん限り、平衡交付金でこれを按配してみたらどうかということをやつてみても、仮に東京都の実例は非常に高い、或いはそういうのでこれを平衡交付金で按配するといつて地方自治庁側から見ますると東京都に対しては平衡交付金は行かん、こういうような建前になつておりましたら従つてこれを持つてつて他の部分に按配するということはできないと思うのです。従つてそういうような実情から見ますれば、そういう府県実態を見てそれだけでどうにもならんところのものについては、十分これについて考慮するというお考えかどうか、その点をお伺いいたします。
  93. 河野一之

    説明員(河野一之君) 地方団体とうものは非常に数が多うございまして中にはそういうものもあろうと思うのでありますが、それが平衡交付金というもののあるゆえんで、そういつた団体財政というものを救うためにこの平衡交付金があるので、一般の平衡交付金はもとより特別のものは特にそういう団体に対して厚く配分して、そういうようなものがないようにして行かなければならん、原則的にそう考えております。
  94. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 その実態的には今の平衡交付金で先刻申上げた通り一つもまあ行かないという県もあるのでそれで非常に困るのです。調節することができない。それから又平衡交付金をお決めになるときに、恐らくそれだけの余裕を見て平衡交付金というものをお決めになつたのじやない、財政需要というものをぎりぎりに見てお決めになつたと思うのです。従つて、その平衡交付金を決められた後に給與ベースの引上げであるとか年末資金の打切りであるとか、或いはその後における法令の創設によつて財政需要というものが殖えたのでありますから、これは当然私は国で考えて頂かなければのつぴきならんことだろうと思うのです。先程主計局長のお話で一応地方と国との財政は違うのだと、こういうお話ですけれども、例えば職員について見ましても大体府県なんかの職員の六割五分というものはいわゆる紐つきで中央から全額負担の職員であり、或いは二分の一なり三分の一なりのいわゆる負担つきの職員であり、又それの採用なり或いは又任免等につきましてはやはり一応本省と打合するということによつて、実質的には殆んど国の官吏と地方の官吏と変らない。特に府県におきましては府県の中に本来官吏の身分を保有したものがあるとこういうような実態でありますから、従つて一方官吏の方の職員については国の措置によつて給與は上る、或いは年末資金を呉れる、ところがそうでないものについては、これは財政的な措置ができないから全然それをみないというわけには行かないのでありまして、そういう点から申しますと元来官治行政から最近の公選による地方団体に直りましたときも、国と地方との事務分配というものがはつきりせずに、従来の惰性でそのまま引継がれたという実情であつて従つて事務につきましては国の事務やら地方事務やら非常に混然として現在あるわけであります。従つて金のときだけは地方と国は別々だ、併し事務のときにはいつでもしわ寄せは地方の方だけの負担にやらせるというのでは通らないのじやないかと思うのです。例えば供米の問題につきましても殆んど供出米というものが国全体の操作であるに拘わらず、殆んどこれは地方事務の負担において運営して行くという実情なんですから、これはやはりもつと給與ベースなり何なりにつきましては、やはり政府において一体的な従来のやはり沿革を取入れたような形において、地方の吏員というものをもう少し温かく導いて頂くということでないと、非常に地方団体の現在の数においては運営が困難なのですが、この点について十分お考え願いたいと思います。
  95. 河野一之

    説明員(河野一之君) 目下の給与改訂につきましても全額国が補助している職員の分はやることにいたしております。ただ一般の分も政府がやれば一般の職員のために一律にやるのか、又それも面倒をみるかということになれば、私はその点についてはいろいろ御議論があると思います。現に国の職員と府県の職員と市町村の職員給與の標準が非常に違つておりますから、府県は大体国と同じ程度或いは少し高うございます。市は相当程度国の職員より高い、町村は国よりも少し低いとこういう実情でありますので、仮に千円上げるとしてもおのおの団体事情がありますので給與の上げ方は給與制度自体いろいろ地方地方の実情においてやられるのが適当である。国と一律にやるというのは果していいのかどうかということは考えさせられる。まあそういつた点がありまして地方においてはおのおの実情においてまあ財政をやりくりしてやつて頂きたい、こういう考えであります。
  96. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうしますと、今のお話のように全額については若干みるということになれば、例えば国の補助職員の中で、二分の一の補助でやるとか三分の一の補助ということになれば、同時にその二分の一なり三分の一の比率の程度については考えて頂けるということになるのか。  それから第二の点は現在国の官吏よりもまあ高いような市町村があるとすれば、そういう市町村については考えないけれども、それ以外については十分考えて頂けるということになるのかというのは、一、二の町村が非常にベースが高いために全体の町村がお前のところは高いから全然みないのだということになると、いわゆる国の法律の建前に準じて、国の官吏に準じて條例を以てまあ職員の給與を各府県とも決めるのですが、たまたまそういうような一、二の例外のために全体の職員が非常に面倒を見られない。而も面倒を見られない町村程貧弱であつて、殆んど国の補助なしにそういうことは見られないわけなんですが、それらの点についてはどういうことになるのですか。
  97. 河野一之

    説明員(河野一之君) これは給與がいろいろ違うのはおのおのの団体の特別の御事情だろうと思います。人を少くして給與を高くしておるところもあります。素質のいいために高いところもございます。又農山村におきましては相当低くしてもいいのだというようなおのおのの事情があります。国より低いからやるとか或いは高いからやらないとかいう問題でなしに、各団体でどういうふうになされたらいいか、そういうことを考えて名団体で措置して頂きたい、こういうつもりであります。
  98. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 主計局長はその点誤解があると思う。現在の例えば平衡交付金を決めるときでも、その基準となるものは、且又特に府県におきましては国の官吏の例に準じて一度全部洗いまして、学歴からきちんと国の官吏の給與と調子を合せて決めておるわけです。それは一、二の市町村においては或いはそれから外れておるのもあるかも知れませんが、今の自治体特に府県におきましては、べらぼうに財政に余裕があるから待遇を改善するという態勢になつていないのですが、その点誤解があるのではないですか。
  99. 河野一之

    説明員(河野一之君) 府県の職員につきましては元国の職員であつたものが大部分でありますから、給與法ができまして再計算されたところもあると思います。従つて或る程度補正をされておるのであります。市町村に至つては全然再計算ということはなかつた筈であります。現実の問題としまして府県の職員は国より或る程度高いことは事実なのであります。これは国の職員より高かなければ人が採れないということのためや、府県おのおのの実情で相当職員を優遇しておるところもありまして国より或る程度高いのでございます。市は更に高いのであります。これはおのおののなんでありますので、平衡交付金におきましても基準財政需要というものを経費々々について取るわけであります。そのうちにどういうように職員の給與をするかということは地方団体に委せておる建前でありますので、そういつた事情々々に沿うて地方団体でやつて頂くのが適当であろう、こう考えるわけであります。
  100. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうすると主計局長のお話を総合すると、府県なんかには高いところもあるからそういうところで調節し、年末資金なり給與べースの引上げということは考えないでもそういうもので間に合うところもある、そういうように取れるのですが、そういうところはそういうところなりに今言う通り国の官吏に準じた数字が出て来た場合に、それらについて考えて頂けるのかどうか。
  101. 河野一之

    説明員(河野一之君) 先程もたびたび申上げたのでありますが、府県の職員の給與を殖やす必要があるからといつて直ぐに国の財政でこれを面倒を見るという建前は、国と地方財政を分けた点からいつて、直ぐにそういうふうにはならないではないかというふうに私としては考えております。
  102. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうすると主計局長は、特に府県の吏員や何なりは国の公務員に準じてその給與については條例を決めるということについては、どうお考えになつているでしようか。それらは全然各府県というものは、勝手に給與を安くしても高くしても構わないのだ、従つて年末賞與を出そうが或いは給與を上げ下げしようとそれは国は国で地方地方だと、こういうお考えなんでしようか。
  103. 河野一之

    説明員(河野一之君) 現在地方公務員の給與を縛つておるものは何もないのです。ただ條例の形で国に準じておやりになつているものがあろうかと思います。地方団体の職員の給與については国は全然関與する権利を持つておりません。そういうふうなことはやらないのがいいであろうというふうに私共考えております。
  104. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうだとすると非常にその点で私は誤解があると思うのですが、成程形式的な法律ではどうかも知れませんが、従来特に府県の公務員につきましては前は殆んどいわゆる国の官吏でありそのまま引続いて、而もそれの給與ベースを決めるときには嚴格なる監査を自治庁において行なつて、そうして国の官吏とそれのベースの調子を合せてやるわけなんです。そうして又実情を見ますれば特に府県につきましては国の官吏と始終交流しておると、こういうような状態で全く国の官吏のべースと同じであつて従つて国の官吏につきましてベース引上げなり年末賞與が出された場合におきましては、各府県においてこれを出さんということは実際的にはできないわけですね。従つてその点は一つ国が出したからといつて府県が出さずに済むだろうと、或いはベースを引上げずともいいと、こういうふうにお考えになつておられれば非常な誤解だと思うのですが、その点は如何ですか。
  105. 河野一之

    説明員(河野一之君) 私は府県で以て職員の給炭の引上げをするなというふうに申上げておるわけでは決してないのでありまして、おのおのの団体の実情に応じておやりになるであろう、尚給與を上げるからといつてそいつは国の官吏と同じだからといつて、すぐ国の財政平衡交付金なりの仕方で見て行くという建前にはすぐにはならないと、こういうことを申上げておるのです。
  106. 相馬助治

    ○相馬助治君 いろいろそのお聽きしたいことが山積しているわけなんですが、今高橋委員から出ているこの問題についても、地方公務員が政府職員より俸給が高い、特に市において高い、これは数字においてそういうことになつておるようですけれども、だからといつてこれは今主計局長が考えられているようなこことにはならんだろうという建前を高橋委員はとつておられるようですが、私も同感です。  それから先程鈴木委員が聽かれた災害復旧費の問題についても、單に復旧だけではもう全然立行かないところまで立至つておる一例として、尼崎等においては昭和九年より本年度に至るまで三尺自然沈下しているのである、地層がそういうようなことになつている。今の主計局長の説明によれば特別平衡交付金その他で以て考えてやるつもりだというお話ですが、絶対量がもつと殖えないとこれらの問題も解決つかない、いわゆる結論的に言えば政治的な段階でこれを処理して頂くより外はないと思うので聽くことが山積しておりますが、これ以上主計局長に聽いても聽かれる方でも御迷惑であろうし聽いている方もこんにやく問答で飽きたようですから、委員長、主計局長さんはいいということにして大蔵大臣に何でもかんでも明日来て頂くように取計らつて貰いたい。
  107. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうすると主計局長にお伺いするのですが、そうするとあなたの結論から言うとあれなんですか、国の方はベース引上げなり年末賞與を出すけれども、何も法規的には地方公共団体を縛つているわけではないから節約なら節約なり、出すなら出せ、出せなければしようがないとこういうふうな意味に了解していいのでしようか。
  108. 河野一之

    説明員(河野一之君) 国の方でベース引上げをやる場合においては地方団体においてもおのおの実情に応じておやりになるだろうと思うのです。おやりになつて然るべきだと思いますけれどもそれがために平衡交付金を殖すというふうなことはできない、こういう意味合を申上げているわけです。
  109. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 この給與ベースというものは今始まつたことでない。芦田内閣においても片山内閣においても行なつたのです。それらのときにでもいつでもとにかく或る一定の措置をしたのですが、それが急に今度の場合だけとにかくお前やるなら勝手だと、国の方だけはやる、こういう他人行儀の御回答というものは初めてなのですが、それがどうも他人行儀過ぎると思うのですが、というのは先程申上げた通り特に府県行政実態というものは国の行政と不離不即で一体化しているのですね。実態約な認識を外してしまつてただ形式的にだけ国の役人は上げるけれどもお前の方は適当にやれと、こういうことは少し受取れんと思うのですがその点どうでしようか。
  110. 河野一之

    説明員(河野一之君) 過去において二・八というああいうふうな措置をしたことはございます。当時の国の財政及び地方財政状況というものは或いはそういうことを考えなければならん事情にあつたろうと思うのですが、現在の段階におきましてまあいろいろ見方はございますけれども、今度の税制改革平衡交付金の画期的な増額というような点から考えますと相当地方財政自体も改善されて来ておる。今までのような行き方で考えるというのは適当でないんじやないかと私としては考えでおるのであります。
  111. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そこの点に誤解があると思うのですが。今の平衡交付金というのはこういうベース・アップなりを考えて決めたのではない。やはり決められたときの地方財政事情というものは大蔵省式に細かく計算されて出したのであつて従つてその後こういうのつぴきならん給與ベースなり或いは年末賞與の支給という問題が起り、法令の制定に伴う法令上の事務の負担ということになれば、これは当然やはり平衡交付金というものについてもう一度考え、或いは自治体の問題についてもお考えになるというのが当然だと思うのですが、それらについて何ら考慮をせられないということはどうも私には分らないのですがね。
  112. 河野一之

    説明員(河野一之君) 私はそういつたような事情があるからすぐ平衡交付金なり或いは起債なりという問題に来るというのは適当でないということを申上げておるわけでありまして、その地方財政実態は要するに財源経費との問題でありますから、経費について節約すべきものはしなければならん、それから收入についても当初考えておりますように自然増收というものもありましようしそういつた点を考えて、最後にそれでも尚国の方で見るかどうかそういう点に来るのであつて、前にどうであつたからとこういうふうなことですぐ平衡交付金をやつて行くという意見には賛成しがたいのであります。
  113. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 それは局長のおつしやる通りです。おのずから地方側においても節約する余地のあるものについては十分節約する、それから現在の平衡交付金の操作でやり得べきものは十分やる。そうしてなんぼ出るか百億になるか二百億になるか、とにかくそういう数字が出たときにはお考え願えると解釈していいわけですか。
  114. 河野一之

    説明員(河野一之君) 私はいろいろ検討してもおりますが、そういうふうに平衡交付金を殖やすような結論には只今のところ出て来ないように思います。
  115. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) では私の方からお伺いして置きますが、各委員から段々御質問がありますが、この地方行政委員会は民主政治の基盤である地方自治を強化しようということを考えているのですが、併し何でもかんでも地方財政委員会、地方自治庁の言うことを贔屓して是が非でもそれを通そうというふうには考えていない。(「その通り」と呼ぶ者あり)地方財政委員会なり地方自治庁側にも誤りはあるだろうと思うのです。そういうところは大蔵省側から御意見が大分あるようですからこの委員会に指摘して貰つて、そうして正しい歩み方を地方公共団体にさせるというのがこの委員会の目的だ。その前提に立つて皆さんがお尋ねになつておるのでありますが段々その質疑応答を聞いておりますと、まあ大蔵省側としては地方財政が今度の地方税制、それから平衡交付金その他の地方財政改革によつて非常に贅費がある、つまり五百億増さなくてもいいものを増したのであるからだからそこにだぶついておるだから贅費も使つておる。こういう前提が私はどうしてもある、こういうふうに思うのです。それでまあ私共ひとつ大蔵省から今日指摘できればして頂きたいのですが、地方財政の上にどういうその著しい贅費があると思つていらつしやいますか。食糧費や交際費やその他においてどのくらいの賛費があると思つていらつしやるのか、それが伺いたいことが一つであります。これは今日伺えなければひとつ大蔵省で考えておられるその額を大体でいいのですから表にして出して貰いたい。  それからもう一つ。次に只今地方税法ができ上つてそれによつて徴税をしておる、そこでこの地方税が四百億増税になつたんですからもう各人が非常に困つておる、この状況は主計局長はよく御存じだろうと思うのです。併し政府側としてはこれは国税において七百億乃至九百億の減税をしておるので、地方税の方は四百億増税になつつて差引三百億乃至五百億のお釣りが来るのだ、だからそう困らなくてもいいのだという説明を殊に地方自治庁側はしておるわけです。ところが吉田内閣において特に大蔵省側は国税の七百億乃至九百億の減税は、さあ減税だ減税だと言つて大きく宣伝をされておる。これはもう国民が既得権のように思つてしまつておるのです。ところが数ケ月遅れて地方税の四百億増税の方ばかり国民は考える、これは尤もだと思います。これは主計局長を責めても仕方がないので吉田内閣の私はやり方がまずかつたことだと思うのですが、そこで四百億の増税とこう言わないで、又七百億乃至九百億の減税とこう言わないで、これは七百億乃至九百億の国税は減税になるけれどもそれは四百億地方税の方へ移るのだから、本当は減税は三百億乃至五百億しかできないのだと、こういうふうに国民に大蔵省側からも説明すべきだつたと思います。そうすれば国民の覚悟ができて来ますからこんなような困つた状態にはならなかつた。これをその点において地方税四百億も沢山取るから大蔵省はざまあ見ろ取れやしないじやないか、こういうふうに考えられることは非常に惡い。そういうふうに考えておられないのかも知れないけれども、大蔵大臣の談が新聞で報ぜられておるのを見るとどうしても私共はそう見えるのです。そこでこれは公の文書かどうか知らんけれども知事会議の方から出して来たんですが、それを見ると確かにその跡が歴然としております。千億地方財政を豊かにする必要はない五百億しか豊かにする必要はないのに千億豊かにした。だから二十六年度においても三百億の減税は地方税でもできる、こういうことを大蔵大臣は言つておるわけです。これは新聞で見たのですからどの程度言われたのか知りませんがとにかく新聞にはそう出ている。そうすると吉田内閣としては二十五年度において四百億の地方税の増税をして国民を苦しめておきながら、そして直ぐ翌年には三百億の減税ができる、つまり五百億の余裕があるからということが頭にあるからそういうからくりができると思う。だからこの点をどういうふうに大蔵省は本気になつて考えておられるのか。これはひとり大蔵省とか地方自治庁とかという問題ではなくて吉田内閣の問題だと思いますが、併し大蔵省側としてそういう点をどう考えておられるか、これは大問題だと私は思つておる。それで地方税法案の審議をするときに吉田総理大臣にここに来て貰つて、確か西郷議員から自由党は直ぐ二十六年度において千億の減税、つまり七百億の国税を更に減税をし地方税を三百億減税すると言つておる、それはおかしいじやないか、今それじや何故四百億国民を苦しめて地方税を増税するのだ、この点をはつきり説明して呉れというふうに言われたんです。それは速記録に残つております。それに対して三百億の減税ということはまだ決つておりやしないからということで逃げられたけれども、今大蔵大臣の考え方を検討して見るとその通りになつておる。来年は三百億の地方税においても減税ができる、こう言われております。こういう点について主計局長、これは予算の元締ですからどういうふうに考えておられるか。これだけのことをお聞きしたい。
  116. 河野一之

    説明員(河野一之君) 三百億減税できるとか何とかそういうふうにオフイシヤルに実は申上げたことはないのでありまして、まあ内部でいろいろな激しい議論をする際にそういうものがあつて甚だ申訳ないと思つておる次第であります。私共として地方財政が豊かであるというふうには決して思つておりません。今までが非常に窮乏し過ぎておつたということも十分認めるのでありますが、先程冗費がどれだけあるかこういうお話でありますが、これはまあ一、二の地方団体の中にはそういうものもあるかと思いますが、地方団体全体としてそういうことは言えるかどうかは疑問だと思います。従つて冗費の調べというふうなものをいたしたこともございませんし、又今いくらあるかと言われましても御答弁に窮する次第であります。ただこういう途を講ずる、こういう財政事項でありますのでできるだけ節約をして国民の負担を軽減するという建前で進みたい、こういう考え方には変りはないわけであります。今回の給與問題につきましてもその方針で処理したいというふうに考えております。
  117. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 主計局長にこの大きな問題をお尋ねしても無理だろうということは承知いたしておりますが、これは主計局長の各委員に対する御答弁の背景といいますかヒンターフンドには確かに私は今の私の指摘した流れがあると、こういうふうに思うのです。だからこの点は贅費がどれだけあつたとか何とかというような調査はしてないとおつしやられるなら、いずれこの問題は大蔵委員会でも取上げてやるそうですから大蔵省の意見も大蔵委員会では当然聞くだろうと思います。この委員会でそういうふうに言われておいてその大蔵委員会のときにはこの通りなんだというようなことがあつては私は困ると思うのですが、その点をまあ釘を打つて置きたいと思うのです。若しそういう調査が本当におありになるならば私共に出して頂きたい。私共も多少の贅費は正直なところあると思います。それはあの通り背に腹は代えられんので各市町村から陳情に出て来ます。それから又大蔵省の方はあまり出られんようですけれども、会計検査院とか建設省とか農林省とか運輸省とかの人が出張すればえらい御馳走をするということも分つておるのです。で、こういう贅費は速かに私共も改めて貰わなければいけないと思つておるので先程から問題になつておる既定経費の節約ということは十分私共も要求したいと思つております。そうかといつて今主計局長がおつしやつたように、多くの市町村においては地方財政は窮迫しているのですから、同情を以て大蔵省の方も考えて頂きたいということを申上げておきます。  特別平衡交付金の問題について一点伺つておきますが、こういうのは特別交付金で出すのか、一般交付金で出すのかどういうふうに思つておられるのかその点伺つて置きたいと思う。例えば舞鶴市は引揚のためにあそこに確か自治体警察の警察員を二十名程余計配置している。で、そういうのは何も舞鶴市のためでなく引揚のためですから日本全国のためなのです。それから下関市におきましてはあの通り海岸線が長いのであそこは、密航者が非常に多いのです。仕方がありませんから警察員を特に増しそれから監視隊を海岸線にずつと立てておる、これも皆市の費用でやつておるのです。こういうものに対して一般平衡交付金で見ないで特別平衡交付金から見る建前に私はなつておるとこういうふうに承知いたしておるのですが、それを一般平衡交付金から見ると考えておられるのか、その点を一つ
  118. 河野一之

    説明員(河野一之君) 私はその経費は特別平衡交付金の方で見るべき筋合のものと考えております。
  119. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) そういたしますと、実は特別平衡交付金というものは今全国的にそういうような、今甚だしい処を例に取つて見たんですが、そういう特別の事情がありますから、そういうものを見るために千五十億の一割百五億というものが取つてありまして、あとは例の標準行政費、標準收入その関係でやる、それから特別交付金で今みたいにそれで見られないものをやる、多少はその中に不時のものを含んでおります、それは調べてあります。併し大阪附近の大災害というようなものは勿論予想していないのですから特別平衡交付金の中にそれは当然だと思います。それから問題になつておる給與関係のべースの改訂なんということも勿論含んでおりません。だからそれはやつぱり特別平衡交付金の又特別なのですから、国が何とかして算段をして上げるというふうに考えられることが至当じやないかと私は思います。この点は議論の分れるところですからよく一つ考えて頂きたいと思います。
  120. 相馬助治

    ○相馬助治君 私はこれについて一つ細かいことを主計局長に聽きたいのですが、年末資金のときに政府職員に金を昨年呉れた場合に、国会議員は非常勤であるからこれを出さないという見解で出さなかつた、それがいいとか惡いではなく私は議論しませんが、議員の秘書は常勤なんです。というのは今国会議員の秘書は外の職業を持つているわけにいかないので、それで議員が登院しなくても大体そこらここら馳せ廻つているのですがね。昨年この議員の秘書には年末手当が支給されていなかつたのです。これは本年度はどうでしようかね。どうでしようかというのは支給すべきだということを含めてのどうでしようかです、どうでしようか。
  121. 河野一之

    説明員(河野一之君) 議員の秘書は人事院の指定では非常勤になつておるのです。それであれは非常勤の職員をずつと並べてございまして、週三十三時間以内でございましたか、一日の手当千円以内受ける者と、両方いずれかに該当する者は非常勤だということに実はなつておるので、そういう関係で去年の法律は非常勤ということに限つておつたものですから、相馬議員のおつしやるように出すわけに行かなかつたわけです。この問題はなかなか方々に関係することが非常に多いものですから只今案を練つております。非常勤の範囲をどの程度にするか。非常勤であるものに間違いないから非常勤をずつと入れることになりますと、日雇の労働者まで現在の国家公務員法の建前では非常勤になつておるのでいろいろ段階があろうと思いますが検討いたしたいと思います。
  122. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 本年度の補正予算につきましては新聞に一応あらましが出ておるのですが、新たに起りましたこういうような問題を含めての補正予算の最終決定は技術的にいつ頃できるのでしようか。
  123. 河野一之

    説明員(河野一之君) 関係方面といろいろ折衝いたしておりまするので的確なことを申上げかねるのでありますが、今月末或いは来月早々には何か目鼻がつくのではないかと私共観測でありますが考えております。
  124. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) もう一つ主計局長に御考慮を煩わして置きたいのですが、それは第七臨時国会において新地方税法案を否決したのでそういうような関係市町村府県におきまして税が取れないので非常に困つておる。それで借入金、融資によりまして糊塗した。ところがその利子を拂わなければならん。これは実は国会並びに政府の責任でありますから、それは平衡交付金で見てやるとは言えないので、これも不時のものであり僅か数億のものでありますからこういうものはやはり親心で見るところに本当の政治があるのではないかと私は思うのです。これはその利子ぐらいは政府で何とか考慮をしてやることが政府の本当の親心ある政治じやないかと思います。特にこれ—は考慮して頂きたい。これはどういうふうに考えておられるか、その点伺つて置きたい。
  125. 河野一之

    説明員(河野一之君) 地方税が遅れて借入金をしたという場合に何か考慮するかという問題ですが、これはり現実には平衡交付金を繰上げて早急にやりましたので余り該当の例がないように私は承知しております。と申しますことは借入金の利子が嵩むものですからできるだけ借りない、でまあ公共事業とか何とかそういう関係のものは借入れられたわけでありますけれども、一般の財政收支のためには余り借入金がなかつたというつふうに承知いたします。むしろ平衡交付金を沢山早く出してくれということで繰上げて出しましたので余り該当がなかつたように私は承知しております。併し中には例外もあると思いますが、それからやられましたものにつきましても元は九分という高い利子でありましたが非常に利子を安くいたしましたので、そういう点について現在私のところにはどうしろという、非常に強い御要望もあるかも存じませんが、それ程実害と申しますかなかつたように私としては存じております。よくその点の事情も調べます。
  126. 岡本愛祐

    ○委員長(岡本愛祐君) 私共調査に参りましたときには各府県でそれを訴えられたのです。尚私共のほうでも調べますけれどもそういう事実が本当にあつて平衡交付金の前渡しによつてカバーのできでなかつた多額のものがあるとすれば考慮を煩わしたいと思います。  それでは散会いたします。    午後四時一分散会  出席者左の通り    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君    委員            高橋進太郎君            安井  謙君            中田 吉雄君            相馬 助治君            鈴木 直人君            西郷吉之助君   説明員    農林省事務次官 山添 利作君    大蔵省主計局長 河野 一之君