○中田吉雄君 この計数資料の二の三十七項に関しまして
国務大臣にお導ねいたしたいと存じます。これによりますると
昭和二十四年度分の
都道府県税の
徴収実績調が出ていますが、この調定済額に対しまして実際入りました額は出納閉鎖期の近付いたような本年度にまたがりましても、七〇%しか
徴収できていないわけであります。
地方の経済は今年度に至りましても何ら
国民所得が増大するようなことは予定されていないわけであります。客観
情勢からいたしまして、何ら農山漁村、中小企業が担税能力が高ま
つたというようなことは全然予定されないわけであります。そういうような点で本年度これが特に
市町村に種々の
財源が委譲されました際に、本年度更に下廻るような大きな額がどうしても私
徴税できないで歳入欠陥になると思うわけであります。昨年度すら七〇%しか
徴税できていない、経済
情勢は何ら客観的に好転していないというようなことから
考えますると、そういうことが十分
地方自治体の育成上配慮されなくてはならんと思うわけであります。特にそれに加えまして
税法が画期的に改革されますので、
徴税吏員の充実その他におきましてもその点を考慮いたしますると、調定済額に対しまして、収入額は今年度は更に下廻わりまして、大きい歳入欠陷が
地方自治体として予定されると思うわけであります。特に来年の最後の
徴税期間になりまして、
地方自治体の市長の全部の改選があります。それから全部の議会の議員の改選が絡み合いまして、こういう点からいたしまして予定額を強硬に
徴税いたしますることは自分の改撰に際しまして、極めて不利でありますから、この額が一層少くなることが予定されるわけであります。特に本年度の
参議院選挙に際しまして、
国税庁が
地方の税務署長に通達いたしました。我々が確固たる筋から聞いたところによりましても歳入欠陥にな
つても仕方がないから余り
徴税を強行しないようにという、はつきりした指令を出すことによ
つて一千二百億という
国税の滞納がまだあるわけであります。
政府自体がそういう範を率先垂範しておるわけでありますから、来年度におきましては私は
地方自治団体の議会並びに首長がこれに習いまして、非常に七〇%を下廻わる
徴税額になると思うわけで、今から
自治庁とされましてはこれに対しまして十分な配慮をされることが必要であると思うわけでありますが、どういうふうにお
考えにたるでありましようか。特にそれに際しまして知事の改選期を私は十分
考える必要があると思うわけであります。二十六年度の予算を編成しますときは丁度知事並びに
市町村長の改選期であります。そういう点からいたしまして五千億にもなりますところの
地方公共団体の予算が極めて杜撰に組まれる憂いが非常に多いと思うわけであります。特に議会人の改選も同時にありますからして同病相哀れむというような恰好からいたしまして、不当に予算か濫費される例があると思うわけであります。そういうことに対しまして今から十分
地方自治庁とされましてはこれに対して
対策をお
考えになることが私は必要であろうと思うわけであります。改選期を前に控えまして到底良心的な予算を組むことは如何に知事並びに
市町村長の政治道徳に訴えましても私は不可能ではないかと思うわけであります。そういう点から
考えまして一ヶ月の暫定予算を組まれる
措置をするとかいうようなことが必要ではないかと思うわけであります。そういう点について
国務大臣はどうお
考えになりますか。更に私三ヶ年間
地方議会にお
つたわけでありますが、知事の改選期と
都道府県の議会の改選期が一緒になるということは非常にこの弊害を多くするものであります。そういう点で何らか時期をずらすような
方法を
考えられる用意があるかどうか。時期をずらしましたら知事の方で補助金政策をやろうといたしましても議会人がこれを抑制する、或いは議会が補助金政策をやりまして地盤を培養しようとしても知事の方で改選期か違うからこれを抑制するというふうにできるのでありまして、その
三つの点で最初に七〇%を相当下廻わるだけしか
徴税できないと思いますが、それに対しましてどういうようなお
考えを持たれますか。経済
情勢の好転しない現在におきましては、我々としてはこれは統計的な確かさを以てもそういうふうに予定できると思うわけであります。
それから知事の改選期がこれと絡み合いますことについてどういうふうにお
考えになるかという点と、
地方公共団体の首長と議員との改選期をずらすような考慮はできないものでありましようかという三点につきましてお伺いいたしたいと思います。