○楠見義男君
大臣がお見えになりましたから一、二お伺いしたいのですが、それは農地の問題であります。この点につきましては昨日私御
質問いたしたのでありますが、更に本日先程片柳君から
質問がありましたのに対して、小野政務次官から御答自弁がございましたが、その
答弁を伺いましても、どうも腑に落ちない点がありますので、もう一度重ねてお伺いするのであります。
大臣丁度おいででございますから、もう一度申上げますが、農地の
価格は現在農地調整法で定められている公定
価格の二二・五倍を
課税標準にしているのであります。ところがこの
関係は結局
一般の農地以外の
土地の九百倍の
倍率に照合するような
意味からや
つているようでありますが、一方農地調整法に基いて国が小作料を決めてお
つて、その小作料から資本
価格を逆算して行きますと、この三一・五倍が、先程も片柳君から
お話がありましたように大体七、八倍になる。ところが仮にそういうような資本逆算をせずに、これを農地調整法に基いて現実の経済
価格に即応ずるような
価格を決めた場合に一体どうなるか、こういう場合に先程の政務次官の御
答弁は、そういうような不釣合が生じても、これは止むを得ない、こういう御
答弁があ
つたのでありますが、如何にもその差がひど過ぎる。そこで農地調整法を主管しておりまする
農林大臣が決める
価格、それから又
地方税法を主管しておられまする
地方自治庁でありますか、そこが 決める
価格が、そのように違うということは如何にも政府の意思の不統一である、こういうような御
質問かあ
つたのでありますが、誠に私もその
通りだと思います。どちらも
日本の政府の機関であります。而も受ける方の
立場から見ますと
農民は一人であります。こういうようなことで不釣合ができるということは受ける方の
農民の
立場から申しますと如何にも納得し難いことであります。而もその節に小作料が当然に
変更せられて来るのでありますが、これは恐らくこういうふうに二二・五倍というふうに決まりますと、地主がそれだけ税金を拂うわけでありますから、当然小作料がそれによ
つて変更を生じて参りませんと、地主は
土地を持
つているがために非常に赤字になる、逆に赤字になる、こういうことになるわけであります。従
つて恐らく趨勢としては小作料がこれに応じて上がることと思います。その小作料が上
つた場合に、それが米価の算定に考慮せらるべきであるかどうかというようなことの
質問に対して、政務次官は自分としては米価に算定さるべきだろうと思う、こういうような御
答弁があ
つたのであります。丁度出来秋を前にいたしまして今年の米価の決定時期も近いと思います。而もこの
法律が
大臣の御希望に
なつているように若し成立いたしたといたしますれば、直ちにこの問題は生じて来るのであります。ところが米価の算定
方式はこれ又御承知のようにパリテイー
計算方式というものを強く採られているのであります。決してパリテイー
計算方式においては小作料のそうい
つた要素は全然考慮せられておりません。生産費補償
方式を採用いたすとすればそういう問題はおのずから解決せられると思いますが、今申しますように現在あ米価の算定
方式はパリテイー
計算方式で、而もこのパリテイー
計算方式というものは
相当変更が困難なような客観情勢であります。従
つて先程来申上げますように、仮に小野政務次官の御
答弁のようなことであるといたしますれば問題は解決するのでありますが、非常に私はその間むずかしい問題があるのではないかと思います。それよりも
根本的に、政府の同じ機関、而も二人の
国務大臣がそれぞれ所管をいたしておりまする事柄の結果は通うということは明らかにこれは醜態と申しますか、誠に納得し難いことなんであります。従
つてこの問題については
国務大臣岡野
大臣はどうか
農林大臣と十分に御相談を頂きまして本年の米価の算定
方式としてのパリテイー
計算方式が
変更されるものとして我々は了承していいのかどうか、そのことによ
つて私はと申しますか、
農業関係の者にとりましてはこの法案を否決するかどうかというような、甚だ
大臣の御期待に反するようなことでありますが、そういうな結果にならんことかとも思いますので、どうかその点は
大臣、
農林大臣と御相談の上で改めて御
答弁を他日でようございますからお願いいたしたいと思います。
それから一点、昨日御
質問いたしました固定
資産の問題でありますが、二十六年度以降のものにつきましては、二十六年度分につきましては仮に決ま
つた価格と、それから実際に適正な実際の
時価を決定したその差額はその後の最後のときの納税の時期において調整するというような
お話でございました、正にその
通りであります。ところが二十五年度分についてはそれがないのであります。この点は昨日も申上げたのでありますか、東京で百七十六ケ所を
調査した。これは勧銀の専門員が
評価したのでありますが、そうしてその結果を参議院の先般の
国会における公聽会で
日本経済団体連合会のたしか事務局長の方だ
つたと思いますが、お述べにな
つたのを見ましても百七十六ケ所の
土地を専門的に
評価いたしました結果、最高は二千倍以上、最低は百十三倍、こういうふうに差かできております。それから又東京都、立川とかそういう所も含めた広い東京都全体の平均が八百七十倍、神奈川県人六百八十倍、千葉は五百六十倍、
土地についてそういうような
調査の結果の報告があ
つたのでありますが、建物についても同様に向きは千二百倍以上、低きは三百七十五倍、こういうふうに明らかにこの九百倍という比率の
税率をやることは不合理だと思うのでありまして、
大臣は先程来とにかくこの
法律は通しておいて、若し悪いところがあ
つたら後に修正をして頂けばいいじやないか、こういうようなことを仰せに
なつておりましたが、併し明らかにこういうふうにはつきり一律に九百倍をかけることの不合理であることは明白なものにつきましては当然にこの点は初めから考慮して然るべきではないか、特にこの問題は三十六年度についてはそういうような措置が講ぜられておるのでありますが、なぜ二十五年度についてはそれが講ぜられないのか、二十六年度についてそれが講ぜられるものであれば二十五年度分についても同様に講ぜられて然るべきではないか、こういうふうに思うのでありますが、その点をお伺いして置きます。