○
説明員(内田常雄君)
資料は実は持
つて来ておりませんです。御注文を承
つておりませんでしたし……。それでは私から本年度の
財政金融の金の
動き方の概要につきまして全体論を
一つ申上げたいと思います。金の
動き方は申すまでもなく
財政の
関係と
産業金融の
関係。二
要因で動くわけでございまして、今までの実績につきましてしばしば世間でも申されますように、
財政が非常に引
揚超過をする、従
つてそれたけ
資金が
民間から引揚げられるから、一方
輸出の増強なり
生産の増大なり、或いは
物価の変動に応じて政府としては
資金不足に堪えられないために、
日本銀行の
貸出増加を通じて
市中銀行からそれだけ
資金が
市中に
供給される。ここに
資金が
オーバー・
ローンの形はこれは止むを得ないところの姿である、その間の
通貨は昨年に比べると若干殖えておるけれども、全体としてはそう乱れた足取りをしていないのじやないか、こういうことが言われるのでありますが、それを実績の
数字についで申上げますと、第一
四半期及び第二
四半期を申上げますが、先ず第一
四半期では
財政の
関係では
預金部、見返賛金一切を通じまして、世間の言われる
通り三百四億円の
財政関係で引
揚超過をいたしております。そのうち引揚の主要の
要因に
なつておりますのはやはり見返
資金でありまして、見返
資金が二百一億円近くの引揚をしたままでおります。見返
資金は先ほど大蔵省からもお話がありましたように、すでに昨年度において百五十二億円の金を引揚げたままで今年に繰越してありますから、第一
四半期末における見返
資金余裕金というものは、今申上げました二百一億円にそれを加えて三百五十三億円見当になる勘定でありまして、これは手許に
資料がございませんが、恐らく大蔵省の配られた
資料も第一
四半期からの見返
資金の手持はさような
数字に
なつておると思います。ところが
預金部につきましてはこれも只今大蔵省からお触れのこれは引揚
要因をしていない、むしろ
預金部資金は拂出超過に
なつておる。と申すのは、例の地方税不成立に伴いまして一般会計から平衡交付金を前拂いすることに相応じて
預金部の繋ぎの融資をいたした結果でありまして、つまり言い換えますと
預金部は第一
四半期に集まつた
郵便貯金なり簡保の郵便年金その他の金を一般に出しているので、従
つて預金部は大きなポケットを作
つておつたということは、少くとも第一
四半期に関する限り当
つておらないわけであります。
預金部は同じ期間では百五十四億円を
郵便貯金その他で受入れて、二百三十八億円を地方公共団体その他に
貸出しておる。従
つて八十四億円だけは支拂超過に
なつておる。こういう形に
なつておりますが、併し全体を通じますと、今の見返
資金なり、或いはその他の特別会計等の
関係で三百四億円の引
揚超過をしておる。第二
四半期におきましてもやはり同じ形が実は出ております。この期間の引
揚超過は、これは
預金部をも含めますと二百三十八億の引
揚超過に
なつておりまして、これもこの主因は見返
資金でありまして、この期間には見返
資金二百七十六億円の新らしい金を溜め込んでおります。尚又
預金部につきましてもこの期間に至りますと今度は支拂超過ではなしに、これは主としてこの第二
四半期の終りの方に近く
なつてからだんだん金が入
つて来たものと思われますが、預全部は百三十六億円の
資金を引揚げたままに
なつております。従
つて第二
四半期については世間で言われますように
財政の
関係で
預金部が溜め込んでおる、それを世間に出さないから
産業界は堪えられないので、
日銀貸出の方が
オーバー・
ローンに
なつておるということは当るわけであります。尤も
預金部につきましても、先ほども或いはお手許に大蔵省の
資料があるかも知れませんが、第二
四半期におきましても実は
郵便貯金とか、簡易保險、厚生保険なんかに使える金が溜
つて、それらが引揚げられたのではないのでありまして、これは私は弁解するわけではないのですが、第二
四半期の金が殖えた
原因は浮動性の
預金、短期
預金、
郵便貯金や簡易保険の金以外のごく短期に動く金がたまたま入つたために、
数字の上では百三十六億の引揚げと
なつておりますが、いずれにしましてもさような形に
なつて来ております。従
つて本年度に入りまして九月までを
合計いたしますと、
財政の
関係で五百四十二億円の引
揚超過をしておる。そのうち見返
資金が四百七十七億円の引
揚超過に
なつておる。これは見返
資金は先ほども申しますように、十この外に去年から繰越した金が百五十二億円ばかりあります。から、九月末現在の見返
資金の
余裕金、つまりポケット・マネーの六百二十億というものを放出しないで持
つておりますが、この百五十二億円、これは去年の金ですから、結局今年のデフレには
関係がありませんから、今年のデフレ
原因が起きた引
揚超過は四百七十七億円程度、1
預金部はこの第一
四半期と第二
四半期を通じますと、それは
短期資金であれ、
長期資金であれ、これも又五十二億円ばかりの引
揚超過に
なつておりまして、大体がやはりこの
預金部と見返
資金の
関係で引
揚超過が生じておるというふとは、これは言い得る形ができております。その半面それだけの引
揚超過はやはり
金融で埋めております。第一四年期におきましては
銀行その他の
金融機関に集まりました金が四百六十四億円集まりましたところへ、
金融機関の
貸出が殖えまして、これは
貸出と申しましても厳密には
金融機関の引受ける社債や株式も入
つておりますが、
金融機関かち
供給いたしました金が七百四十六債円で、結局
金融の尻は二百八十二億円の金が不足しておる。
財政資金の大体とんとんまでは
金融で埋めておる。その他若干、復興
金融金庫の
関係とか、閉鎖機関の
関係とか、若干の変化がありますが、大体
財政の尻を
金融で埋めまして、
通貨は第一
四半期においては二億円ばかり減
つております。つま昨年度末の、言い換えると本年三月末の
通貨発行額三千二百八億円に対して、六月末の
発行額は三千百十一億ということで、フラットより
ちよつと減
つておる、デフレだデフレだと心配され始めた時代でございます第二四年期におきましてはこの
金融機関の
関係では八百十九億円の金を集めましてそれを
貸出す、或いは社債の引受等によりまして
金融機関から千二百三十四億円金を出しております。その結果
金融機関に金の足りない尻が四百十五億円というふうに大き、く出まして、これが同じ期間の、先ほど申上げました
預金部を含めて大きく
財政の方に二百三十八億円金が出ておりますために、
通貨の尻が百七十六億円ほどふくらみまして、九月末の
通貨発行高は御
承知のように三千三百億に正に達せんとする三千二百八十七億円という形に
なつておりまして、
金融機関の方が
財政の尻を洗
つて、尚それ以上出している。この出し方はこれは結局金が
日本銀行から出ますけれども、
金融機関に対する
貸出と、それからいわゆるマーケット・オペレーシヨンと申しますか、
金融機関保有の
国債買上げをや
つておるわけであります。この期間に予算に載
つておる政府の
債務償還等が
金融機関にどんどん行われたならば、
日銀の勘定はそれだけ改ま
つて、
日銀の貸増しを生じないで
金融機関に金が入つたということにもなりましようか、この第一
四半期における
債務償還は
合計百六十二億円の
債務償還をいたしておりますが、この第一
四半期におきましては
債務償還の出しました先は
金融機関に対して七十二億円、これが
金融機関の
資金源に
なつておるわけですけれども、その外一般の個人や
会社が保有する分に九十億円ほど出しまして、
合計百六十二億円、
日銀に対しては僅かの
債務償還しかいたしておりません。第二
四半期以降になりますと、
債務償還が実は順調に行かなくなりまして、いわゆる予算に載せてある
債務償還政策のための償還は暫く停止した恰好になりまして、
期限その他の
関係て止むを得ざる
国債の償還が全体で四十一億円行われたに過ぎません。この当時からぼつぼつ
通貨の増発が目立
つて参り、いろいろの
関係から予算の執行としての
債務償還がこの
通り抑えられておつた姿が見えておるわけであります。まあこのようなことで第一四年期、第二
四半期は済みましたが、昨今頻りに心配される第三
四半期の
関係になりますが、第三
四半期はこれは
財政の
関係では例年のことでありますが、一転して現在の見通しでも
資金の撒布超過、支拂超過になることはもはや明らかであります。この
要因はいろいろありますが、やはり一番大きいのは何と申しましても供米代金の支拂でありまして、供米代金、つまり食糧管理特別会計の
関係では、恐らく七百億円近い支拂超過の
関係が起
つて参ると思われます。もう
一つの
原因は近頃
輸出の増進、殊に
特需等の
関係を受けましで外国為替特別会計の支拂超過がだんだん目立
つて参り、外国為替特別会計としては御
承知のように先般ユーザンスの問題が解決いたしまして、輸入をする一般国民としては、これは
金融機関から金を借りなくても済みますし、又外国為替特別会計としても今日明日金がないという状態がなくなりまして、輸入に見合う外貨を一応
日本銀行に売りまして
資金を調達しまして、それで金を作
つて一般の
輸出なり
特需なりに関する支拂をいたすわけでありますが、併しこの場合外国為替特別会計が調達する金は
民間から引揚げる金ではなしに、
国庫と同調をいたしておるところの
日本銀行から金を受取りますために、それを財源として支拂われたのは、要するに支拂い放しという形が出て参るわけでありまして、こういう両方の
原因が重なりまして、第三
四半期には可なり大幅の支拂超過を生じます。この
数字は今後のことであります。し、殊に今申上げましたような幾つかの要点、見返
資金がこの期間中にどのくらい放出されるか、
預金部資金の姿がどうなるか、
債務償還をどうするか、更に又先般
銀行局長から
ちよつと触れておられたようでありますが、
預金部関係において昨年
民間の
金融機関に貸しました金が百億近く、九十九億ばかりある筈でありますが、そういうものを
財政資金として引揚げるかどうかという問題、更に又同じことでありますが、
預金部からではなしに政府の当座
預金の中から現在
市中金融機関に百五十億近い
指定預金をいたしておる。言い換えると
金融機関が詰つた際に、これはここにお見えになる愛知君が
銀行局長としておられた時代に大いに英断をされたことでありますけれども、当座
預金の余りを
市中に、
日本銀行に命じて預け替えをした分がありますので、そういうものを引揚げるかどうかというような
要因の
動き方によ
つてこの
数字は違うわけでありますけれども、まあこの第三
四半期はそれでなくても今申すような
財政資金が出る時期でありますから、見返
資金も或る程度抑え込まれる、
預金部資金もこれが
余裕金を活発に
運用することはむずかしかろう、
債務償還政策についても第三
四半期はやはり停滞するであろうというように、
財政の方は一方締める
要因を見ましても、先の米の金、外国為替の
関係等でどうも私共の見るところではやはり八百億がそれを若干超える程度の
財政では支拂超過が起ると見込まれます。従いまして他の一
要因、
産業金融の
関係で、余ほど貯蓄が伸びて、その貯蓄によ
つて産業資金が賄われない限り、
財政の支拂超過がそのまま
通貨に反映せざるを得ないことに
なつて参りまして、年末
通貨はしばしば伝えられるように四千億というようなことが言われる、大体当らずと雖も遠からずの姿をとるのではなかろうかと思うのであります。例年この
産業資金につきましては第三
四半期は
金融機関全般として見ますと若干
資金が集まる方が多くて、
日銀にも
幾らか
資金が、
貸出が返
つて参ると、こういう姿でありますけれども、この
金融機関に集まる
資金におきましても、分析して見ますと、これは食糧代金が活発に放出されることを受けまして農林中金或いはその系統機関であるところの農業協同組合
方面の
資金が殖えまして、それが
日銀に返
つて来る部分が相当見込まれる。併し一般の
市中金融、
産業金融を担当する
方面においてはむしろ
預金も伸びますけれども、まだやはり今日の
輸出なり
特需の
生産は若干
物価の高騰、殊に、更に又公団の廃止等に伴う所要
資金を想定して見ますと、一般の
市中金融機関では金が足りなくてやはり第三
四半期にも
日銀から若干借りなければ済まされないだろう、こういう姿であります。こういうようなことで両方合わせると今の農林中金、農業協同組合のほうに
資金が集まる。それで農林中金は
日銀に金を返す。或いは農業
手形も決済期に入るからこういう決済金が入
つて、
日銀としては全体の
貸出が或る程度
回收されて、
財政資金の支拂超過の八百億がそのまま
通貨の
膨脹にはならないように持
つて行きたいものだと、かようなことを念願いたして今いろいろ作業をいたしております。ついでに先まで申上げますと、第四
四半期におきましては、これは御
承知のように例年の
現象として
財政資金は又引
揚超過に転じます。税金の
関係等もありましようし、又食糧供出の
関係が逆の
関係になりまして、供出は一段落して売拂分の金がだんだん入
つて来るということから、
財政は当然何百億か引
揚超過に
なつて参るというようなことで、
通貨の尻も、一部
産業金融のほうは或る程度
資金を出したとしても、可なり
通貨の尻が改まる筈ですけれども、まあそう
数字を私共想定いたしております。ところがここに申上げてみたいことは、私共が試算いたしたところによりますと、今年年間の
財政だけについて見ますと、見返
資金や
預金部資金を或る程度溜め込んで引揚げ放しにして置く。更に又
債務償還はこれは行わない。又行
なつたとしてもその金を
日本銀行の持
つておる
国債に向けて返して参る。つまり一般
民間の
債務償還を通じて金が出て行かないというようなことで、世間で非難される
財政における引揚
要因を作つたとしても、そういう仮定を置いて見ましても、実は
昭和二十五年度一年間を通ずると、
財政全体の姿としては必ずしも引揚にならない。大体均衡するか、或いは今のようなきつい前提を置きましても百億か二百億かの引揚程度に終るような
数字が出て参るのであります。
それは一番大きな
原因はやはり外国為替、
特需の
関係で為替会計が
日銀から金を作
つて、そうして
市中に沸出すというその尻が可なり大きく出る。千億、或いは二千億程度にまで大きく現われざるを得ない結果になりますために、
財政全体として見ますとそういう恰好になる。これがいいか悪いかは別としまして、その上
預金部資金、見返
資金、
債務償還というものを
民間に向
つて勇敢にやりますと、
財政の姿としてはそれだけ
通貨の
増発要因になります。それは必ずしもインフレでないかも知れません。それは一般に
生産が殖えたり、
貿易が多く
なつたり、
物価も或る程度
動きましようから、
財政の
関係で金が出過ぎる。それを割
つてみると
預金部資金を出すのが悪いのではなく、見返
資金を出したのが悪いわけでなく、
債務償還をするのが悪いのではない。たまたま
輸出入の会計を扱
つておる会計が政府会計で扱
つておる。それが大きな支拂超過を
財政に反映するためで、
輸出で出た金、
特需で出た金というものはどうせ
金融に廻りますから、それが今度は
金融のほうの
操作において或いは貯蓄に代えるとか或いは
金融機関を通ぜずして、
産業設備の
需要を賄い得る、年間を通じて
産業資金としては新しく
銀行から出さなくても、
輸出の
関係、
特需の
関係等を中心として出た金がうまく廻るような恰好になり、これは
財政のほうではむしろ
預金部資金なり見返
資金、或いは
長期の安定した
資金を計画的に出して
産業基盤を作
つて行つたほうがいいわけでありまして、無理に
日銀から不安定な金を出させるということよりもいいことだろうと思
つております。この場合
預金部資金については先に
舟山君から話がありましたが、
預金部資金は約五百十一億円ぐらいの金を溜め込むという前年と同じ想定をしておるわけであります。この
預金部資金は五百十一億、仮に
民間にさつと出せば、一年を通じてはそれだけ
財政の形から金が出る。又
債務償還におきましても、
債務償還は御
承知のように予算の金額におきましては千二百八十五億か六億ぐらいであつたと思いますが、そのうち警察予備隊の創設に伴いまして二百三十億円ぐらい
債務償還で廻すことになります。ネツトの
債務償還は予算上千五十五億ぐらいになる筈でありまして、そのうちの相当部分の、例えば五百億というものを
日本銀行に償還するという想定で、その想定で
日本銀行に償還するということは
民間には金が出ないで
日本銀行の中に一応溜められるということです。そういう規定をしましてこういうような形に相成るわけであります。全体の姿はさようなことで御了承願いたいと思います。
尚
産業資金につきましては、これは
産業資金の計画というものですか、見通しというものを毎年作りますが、非常に動いて参りまして、同じ
金融につきましても
統計なり業務内容を具体的に調べる手段を持ちませんために、いつも見通し計画を何遍も作るわけであります。只今も御要求がありましたから、最近までの
状況及び見通しを簡單に申上げて見ますと、こんなことになります。第一
四半期は、これは今から申します
数字は企業の社内留保の
関係は引続いて抜いておりまして、目に見える金として動いたものだけであります。第一
四半期は
合計して八百二十億円の
産業資金が
供給されております。その内訳は設備
資金で百八十三億、運転
資金で六百三十七億円に
なつております。尚これをその金の性質別、種類別について見ますると、設備、運転も合せて
金融機関からの
貸出が六百三十六億円、それから見返
資金からの
貸出は十億円、それから社債による
資金調達が八十六億円、株式による
資金の調達が八十八億円、こういうことに
なつております。この社債と株式につきましては、
金融機関が引受けたものと一般の個人の引受けたものと両方を含んでおります。大体におきまして社債の八十六億円の総額に近いものは
金融機関によ
つて引受けられ、株式の八十八億円の総額に近いものは一般個人、
金融機関以外で引受けられているとお考え下さ
つてよろしいかと思います。大体社債は
金融機関、株式は
金融機関以外ということです。第二
四半期はずつと殖えまして、
合計で一千三百二十億円の
資金が
産業に
供給されております。その内訳は設備
資金が二百五十億円、運転
資金が一千七十億円ということに
なつております。
資金の性質別を見ますと、
金融機関の
貸出が一千百七億、見返
資金が二十九億円、社債が百十億円、株式が七十億円、株式を除きましてそれぞれの
項目が皆殖えで第二
四半期は相当の
資金が
供給されておるわけであります。第三
四半期の見込でありますが、これは金は
幾らあ
つても、多々ますます弁ずでありますが、先ほど申上げました
財政資金の収支なり或いは
産業資金の収支の総括を想定しながら、調達可能額というような見方で見て参りますと、恐らくこんな
数字になるのではなかろうかと思います。これは全く見通しと申すか試算と申す程度のものでありますが、総額で一千六百二十二億円、その内訳は設備
資金で三百三十億円、運転
資金で一千二百九十二億円ということでありまして、
資金の性質から申しますと、
金融機関からの
貸出が一千三百二十三億円、見返
資金が九十七億円、社債が百二億円、株式が百億円という形になります。で今の中で特に目立ちますのは見返
資金九十七億と、こういうことに
なつておりますが、先の政府の
財政収支の中で、我々の気持でも見返
資金は私企業で年間にできるだけ四百億を使
つてしまうことにしたい。大部分は第四
四半期に廻ることになるだろうけれども、第三
四半期においても出せるものはできるだけ出したいということで今進んでおります。そのために、この見返
資金が第一
四半期には十億、第二
四半期には二十九億、第三
四半期には九十七億と、大幅に伸ばすことにいたしております。去年の
傾向と同じでありまして、特に九十七億のうちでも、今問題に
なつております電力に対して見返
資金を出るというか、出すという想定の下に組込んでおります。これぐらいにいたしませんと第四
四半期に見返
資金がうんと溜
つてしまいまして、なかなか出ないかも知れないからできるだけ出す。第四
四半期に固まるでしようけれどもできるだけ荷を軽くして置くというようなことの計画と申しますか、方針が入
つておるわけであります。それで株式などは今まで申しましたように、大体少しずつよくなる程度でありまして、これは第四
四半期はまだ申しておりませんが、年間を通じますと、どうも社債で四百十億円ぐらい、株式が三百三十八億円ぐらい、それから見返
資金が三百四十億円ばかり、この見返
資金が三百四十億と申しますか、予算は四百億でありますが、そのうち五十何億が
金融機関の増資株を引受けて
金融機関のほうへ入
つておりますので、それを差引いた残りのものを
産業資金の分へ全部出して三百四十何億ということになります。
金融機関の
貸出総額が年間でいうと、三千六百三十七億というような
数字になりまして、一年
合計して、以上のものが今年は四千七百三十三億、これは企業の社内留保を除いた
数字で動いた金だけでありますが、これに企業の社内留保何百億があるわけでありまして、これはなかなか計算いたしまても非常にあてずつぽうな計算になりますけれども、
資金計画としては直接
関係ありませんために除いたわけでありますが、そんなことになるのではなかろうかと思う。殊に又今申しました
数字などのように、将来の社債は昨年よりも大分よくなります。昨年の社債は二百五、六十億だつたと思いますが、今年は四百億を超える程度に行くだろう。このところに今後のむずかしさはあります。それでこの社債を
消化させるために
日銀がマーケツトオペレーシヨンをや
つて行つたわけでありますが、だんだんに
日銀のマーケツト・オペレーンヨンにつきましても限界が来つつある。一方において
金融機関の手持の
国債が離れて来ておるがら
日銀にそう無暗に買上げて貰う分がないということもありましようし、又
日銀自体としても
通貨が殖えて参りますから、無暗に
国債を買上げるわけには行かん。若干はやるでしようが、そういう
意味から社債の償還がだんだん困難になる面があるのではなかろうか、そういう点も心配いたします。従
つて来年あたりからこの社債の償還についてはいろいろな問題があるわけで、見返
資金からもやつたらどうか、
預金部資金からやつたらどうかなどといいますが、私などは
復金の回収金が年間元本だけで数十億あるわけでありますが、ああいうものを何か社債の引受け
資金が何かに活用できないかというようなことも研究しておるようなわけでありまして、いずれにいたしましても社債は去年より大分よくなる。去年か一昨年あたりはそれ以前よりも殖えておりますが、更に今年はよくなると思います。去年の株式の佛込みは六百億ぐらいあつたと思いますが、これが三百億台に株式のほうは減
つて参
つておる。こういうような形に
なつて参
つております。