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衆議院議員(
田中伊三次君) 河川法による河川の修復、延長、それから底渫いのようなものは、これはお説のごとく河川法でやるわけでございます。併しながらその河川の修復、河川の幅を拡げる、縮める、深めるとい
つたような工事をいたします場合に、單に水を流す、或いは水害の防止というような点だけに止まる場合は河川法で十分なのでございますか、一段進んでこれを
観光の対象として眺めて行こう。お叱りを頂きました加茂川について申上げますというと、加茂川は下の方から上の方を眺めますと、実にこの幽玄な姿で霧の中から流れて来たような姿にな
つておりますが、残念ながら水が足りない。あの川に水があればもう世界一の川であります。併し水が足りない。水がなくな
つた原因はその根源を濫伐したからである。木がなくな
つたから水を蓄えて置くことができないので、水が足らなくな
つて、少し雨が降れば水が一杯になるが、天気が来ると水が直ぐになくなるという姿で、そこでどうしてもこの河川の修復をいたします場合には、河川を特に
観光的に眺めて、美しい幽玄な姿に見えるように河川の幅を狭くしてこれを低くして行く、こういうことに
努力しようということになりますと、これは單なる河川法ではいけない。これはそういう状態でございますので、そういうふうに川幅を
観光的に改めて行くと同時に、根本の水の本であります根源の山林に至ましては伐採を禁ずるのみならず、それに対しては速かに植林の道を講ずるというようなことも併せて行いたいということになりますと、河川法だけで、は十分ではないのではないかということを
考えておるわけであります。それから道路につきましても、ちよつとこの前の
委員会で
お話を申上げましたように、それ自体はお説のごとく道路法によ
つてやれるわけであります。道路法によつで行います筋道は
都市計価法によ
つて筋道は立つわけでございますが、その道路を例えば美しい並木路にする、街路樹を植えまして如何にも
京都らしい落ち着きのあるしつくりした美しい街路樹を植えて行こう。その廻りに消路を上、下に拵えまして、左右に歩道を作り真中に車道を作る。歩道と車道の環境を美しい優美なものにして行く、こういうふうにや
つて参ります場合は、單なる道路法だけではどうしても十分ではないのではないか。どうも道路の
観光的な装備と申しましようか、そういうことにして行く
ために、どうもこの
法律が必要であろうと思います。
砂防につきましても、この砂防法による砂防は御
承知のように單に災害の防止という点に
重点が置かれておるわけでございますが、砂防に際しても、災害の防止というものから一歩進めまして、これに
観光的な砂防を行う。從
つて砂防の道は土木工事的砂防に止まらずしてこれを植林的な砂防にまで進めて参りまして、美くしい樹木を植えて、美くしい芝生を生やして、そうして
観光的な砂防の目的を達するように
努力して行く。こういうふうにして参りたいと
考えておりまして、まあこの
法律をお願いしておるような次第でございます。