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1950-09-29 第8回国会 参議院 建設委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月二十九日(会曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設省その他の建設事業に関する調  査の件  (災害復旧に関する件)   —————————————
  2. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) それでは昨日に引続きジエーン及びキジヤ台風による災害に関連して諸種の検討を行いたいと思います。  それで本日は昨日の申合せによつて災害に関連して見返資金使用方針をよく了承しておきたいという要求がございましたので、先ず見返資金全貌について一応了承したいと思います。従いまして丁度今安本財務課長木村君が参つておりまするが、一応安本から見返資金の全体的な立場から説明を伺いたいと思います。
  3. 木村三男

    説明員木村三男君) 見返資金全貌につきましてお話申上げたいと思います。  今年の見返資金支出できる総額が千五百八十一億ございます。これはアメリカからの対日援助の額、それから前年からの繰越などを合算して歳入の方が先ず決まるわけであります。一般会計と違いまして祖税收入や借入金によらないで、結局大元がアメリカからの対日援助の額に左右されるという性質の金でございますので、これは御承知のように余り殖やしたり減したりできない、いわば機械的に出る数字であります。  この千五百八十一億の運用内容でございますが、これを大きく分けまして、先ず第一に公企業という科目がございます。この中には国鉄とか電通とか或いは国有林野などのようないわゆる公企業、それと公共事業、この二つが入るのでありまして、名前はちよつとおかしいのでありますが、大きな柱としては公企業という枠を最つております。これが予算上四百億円になつております。第二の柱としましては債務償還費というものがございまするが、これは一般会計などで法律上やらなければならない債務償還の外に、新たに見返資金の方から余計な債務償還をするという金でありましてこれを五百億予定しております。それから電力海運その他の重要産業に対しますところの投資又は融資、即ち私企業という柱がございますが、これが予算では四百億になつております。それから尚この外にいわば予備費的な経費、これを予算上は経済再建安定費と呼んでおりますが、これが二百八十一億になつております。合計しまして千五百八十一億というのが予算各項に分けて入つておるわけであります。そこで又各項の中の中身でありますが、この中身を決めるのがいわゆる見返資金運用計画を作るという仕事でありまして、これは経済再建見地から安定本部が決めて行くという建前になつております。そこで内訳の問題に更に帰りますが先ず公企業の方から見ますと、国有鉄道建設勘定の方に四十億ばかり持つて行きます。これは貸付でなく国鉄に国が投資するという関係で、御承知のように国鉄余り黒字が出ませんから当分は利息が入つて來ないわけであります。つまり国鉄から見れは利息のつかない金が四十億見返資金からそちらに行くということになります。それから電気通信事業、これは特別会計になつておりますが、この方もやはり建設工事勘定に百二十億円割振つております。それから国有林野事業、やはりこれも建設的な仕事なんでありますが、この方に三十億円。それから今年から始まりました住宅金融公庫に対する貸付、これが百億予備されております。そうして残りました百十億、これが公共事業の方に割振られろことになつております。公共事業に割振られる百十億の内容は後で申上げることにしまして、即ち公企業の方の大きな内容は以上のようなもので四百億ということになつているわけであります。次に私企業の方に参りますとこれはまだ詳細決まらない点もでございますが、大きな分け方としまして電力、これは運営計画予定では本年度分百五十億円。それから海運、これはまあ造船とお考え下されば結構ですが百三十五億円。それからその他の重要産業鉄とか石炭などに対する分でありますが、これが四十三億円。それから金融機関優先株を引受けるという運用項目がございましてこれに六十億引当てております。つまり興銀とか勧銀とか北海道拓殖銀行とかいうような特定金融機関につきまして、見返資金で増資の優先株を引受ける、それによつて債券発行の限度も多くなるし資本金も殖えるという関係で、そういつた金融機関余裕のある資力を以て必要な方面に金を貸せるという仕組を作るための運用なんであります。それから特に問題の多い点でありますが、中小企業に対して金を廻すというので中小企業金融として十二億円、これは同額市中銀行から抱合せて貸すことになつておりますから倍になつて動くということであります。それを合計しまして丁度四百億になるわけであります。  それから債務償環の方は非常にこれは問題の多い点でありまして、一応見返資金としましては五百億円予備しておりますが、実際市中金融機関にどれだけ返すか、預金部資金の持つている国債をどの程度償還して行つたらいいか、要するに相手に金を入れてその方から一般的な金融がなされるという前提の下にやつているのでありますが、御承知のやうに預金部には金は余つておりますし、これ以上国債を引受ける金を入れてやつてもそこで糞詰りになつてはどうかというような見通しもございますし、かたがた市中金融機関に対しましても資産の流動性を害する、つまり国債というようなものを余り買上げて裸にしてしまうと残りは貨付ばかりで動けなくなるのではないかというようなこともありまして、なかなか希望が出て来ないというので、債務償還の面が今のところ余り進捗しておりませんが、会計年度の終りも近付いて参りますし、第三四半期及び第四四半期金融事情などから眺めまして、いわゆるマーケット、オペレーシヨンのやり方をどうするかということが今後の問題でありますから、これはとつときの種となつているわけであります。それからおしまいに経済再建安定費というのが二百八十一億ございますがこれは漠然とした予備費ではなくて、大体特色としては二つ意味を持つております、一つ連合国関係で必要とする若干の仕事があるのであります。これはヨーロツパの例などによりますと、援助資金のうち若干パーセント先方で留保して置きまして、自分の関係の深い仕事に使うというので留保を置いておるようでありますが、日本の場合はそういう差引はしないで日本会計の申に入れて置く、併し占領政策、その他の見地からやらなければならんというような仕事につきまして、この方から出る科目が相当あるわけであります。内容を二三申上げますと、例の連合国軍人住宅建設の問題があります。枠としましては八十億円ばかりリザーヴして置けということでありますし、実際もすでに六十九億くらいの支出予定が付いておるのであります。それから民間教育事業いわゆるCIEのフイルムなどの関係の費用でありますが、これは二億五千万円くらいの予定をしているのであります。それから学童給食学童に無料で給食するという関係で、必要な金をここから出すというのが十三億五千万予定しております。尚余るのでありますが、これは見返資金としては常に若干の余裕を置かなければならない、それから又期待通り援助が入つて来なかつた、或いは入り方がずれて来るというような場合もあるので、或いはこの二百八十一億円の中の相当部分現金收入がないことも予想されるということもありますのであまりこれには手を付けられない。いわゆる第二の意味としては歳入の過不足を調整する科目として若干の金額を留保して置かなければならん、いわゆる連合国関係特定経費とそれから相手さんのものの入れ方によつて大分金の入り方が違いますか、その辺の安全弁として置くというのが経済再建安定費なのであります。  そこで千五百八十一億のやや細い内訳が出たわけなのでありますが、更に問題になりそうな点としては、国鉄電通林野などはそれぞれ予算のときに特別会計として決つておりますから、いわば機械的に出て行くわけであります。それから公共事業関係なのでありますが、細くなりますると非常にきりがないのでありますが、公共事業の中の今度は建設省関係だけでなくて農林省関係とか運輸省関係などもありますから、その辺の割振り事業別にどなつているかということを申上げます。総額は先程申上げましたように百十億でありますが、それの内訳配分計画事業種類別に見ますと河川関係が二十五億あります。それから砂防が九億。それから道路、これは橋などを含んでおりますが三十九億一千万。それから道路の中に別掲しまして道路改修費、これは大分田舎の方の道路を直すような仕事が後から入つて参つたわけであります。それから広島、長崎、東京の環状六号線などというものも入つておりますが、その方に八億二百九十万円。それから今度は農林省関係になりまして、農業水利が二十七億五百万円、それから漁港、これが二億三千万円。それから運輸省、海上保安庁の関係ですが、航路標識、燈台、無線標識なんというやつが入つておりますが、航路標識としまして三億三千五百万円、それから海上保安通信施設費海難救護無線関係のやつでありますが一億五千万円。それから厚生省所管仕事としまして国立の結核病院を建てるという命が二億七千万円。それで合計しまして百十億、ちよつと手持ちの資料が見にくいものですから、なんですがそれで確か百十億になる予定であります。そこで公共事業関係経費の金の出方の問題でありますが、これは全部が直轄事業でありますので見返資金特別会計としては大蔵省支出する、仕事各省でするという関係になつておりますので、その辺をうまくやらないと、仕事に着手したが金が出ないというような問題が起つてはいけないというので、この辺の調整はやはり運営計画を決めると同じような意味で必要だろうというので、安定本部としましても大蔵省及び関係各省常に協議しまして、大体安定本部でこの期にはこのくらい金が要るということになりますと、それは直ぐに大蔵省の方に通知しまして予算がいつでも出せるように手配をする。大蔵省から見ますと支出各省に委任する、各省支出を委任されますと、今度は一々大蔵省に相談しなくても仕事進捗状況従つて小切手が切れるという仕組を作つてあります。恐らく見通しとしましては、公共事業の金の出方が一番円滑に而も早く出るようなことになりやしないかというふうに考えております。  それから私企業関係につきましては、先程若干問題があると申しましたのは、四百億の枠を持つております、内容も決つておりますけれども、いろいろ産業政策その他の面につきまして、ちよつと俄かに最後の線まで決まり難いというものがあるので出方実績余り芳しくないものがございます。例としましては電力関係、先程百五十億と申上げましたが例の再編成の問題などとも関連しまして今のところ出ておりません。これは早晩手配しなければならん問題だと思つております。それから海運関係継続が七十二億、新規つまり第六沈船が六十三億合わせて百五十億ということになつておりますが、継続事業の七十二億の分につきましてはいつでも出せるという仕組になつておりますのでこの方は問題ありません、第六次船の六十三億の方は、もう話は決つておりますけれども、尚実行上やや出方が鈍るのじやないかいうことを懸念しておりますのでこの方の促進は大いにやつております。それから中小企業の十二億これも問題なく出ております。それから重要産業としまして石炭、鉄鋼、化学肥料化学製品農林水産といつたような金がありますが、閣議の方では四十三億だけに限定しないで審査の対象として六十六億円の枠を見て置く、結局しめ上げる数字は四十三億くらいにならないと全体の釣合が取れないのでありますが、その関係もございますのでこれも去年に比べてさほど惡くはなつておりませんが、あまりいばれた成績とはいえないのを遺憾とします。  それから経済安定荷雑費の方は先程申上げましたように、いわば紐付き的のやつでありますのでこれは極めて順調に出ております。そこで最近の見返資金に溜つております金なんでありますが、八月末現在で五百四十七億ばかり余裕金がございます。それをどういうふうに運用しておるか、いずれは出る金でありますが、これは主として食糧証券を買つております。これはいつでも日銀に売戻して支出の必要が生ずれば直ぐその方に金が廻る、短期間運用として大部分食糧証券運用されておるという形になつております。大体以上が本年度の見返資金の概略なんでありますが、尚見返資金につきましては来年の問題もあるわけであります。そこで二十六年度の見返資金というものも早急に決めなければならないことになつておりますが、来年の問題を考えます場合に若干の見通し困難な問題があるというので、今のところはかばかしく進捗しておりませんが、第一に問題になりますのは、来年は基になるアメリカの対日援助費がどのくらいあるであろうかという予測の問題であります。仮に二億とした場合と一億とした場合ではどのくらい違うかといいますと三百六十億円違うというわけであります。そういう関係もありまして歳入の方の見通しを如何にするかということを司令部等と今打合せ中でありまして、細かいことは分らないにしても荒筋を立てたい、それによつて中味も決つて行くということになるのであります。それから政府方針として聞いておるところによりますと、債務償還は今年は五百億やりましたが、来年もそれに近いような金額債務償還に廻すとしますと、中味が非常に痩せてしまうという関係もございますので、債務償還はやらないという方針で、これを公企業なり私企業の方に余分に金を使うような算段をするというような考え方で進んでおります。これも来年の特に金融方式、最近の通貨の状況など来年の資金計画がどうなるかという全般的な角度から見ましても、関係方面とかなり深い交渉をしなければならんような問題もあると存じております。いずれにしましても全然なくなるということはないのでありまして、今年からの引継、繰越只今申上げました七百数十億の金が全部出拂うかどうか今のところ見当がつかないのでありますが、仮に若干残るとしますとこれは直ぐに四月からの見返資金繰越歳入となります。それから今年の援助費の分でアメリカ予算日本と違いまして少しずれておりますから、順によつて今年の予算による援助買付物資が来年度において入つて来るということもありますので、そういつた両面からの繰越と、それから来会計年度援助額のうち来年度中に到着する物資の量を換算しまして、見込を立てますと、今年千五百八十一億に対しまして大体千億程度にはなるのじやないかという予想をいたしておりますが、尚来年の援助がどうなるかということによつて若干の数字は動くであろう、こう考えております。そこでやはり事務当局としましては、来年の公共事業として拾い得る科目はどのくらいあるか、それと今年やつた仕事で来年に尾を引くものはどのくらいあるかということを確かめまして、例えば千百億の場合どうするか或いは千二百億円の場合はどうするかというようなことを総合的に勉強しなければならんというので、関係各省と連絡をとりつつ今その案を作成準備中であります。  以上甚だ漠然とした説明で恐縮でありますが、見返資金の大体の形と今までの動き方のあらましを申述べた次第であります。
  4. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 今の御説明に御質問ございませんか。
  5. 石川榮一

    石川榮一君 大体今年の見返資金全貌を拜承いたしましたのですが二三お伺いしたいと思います。見返資金の今年度千五百八十一億円の見返物資はどの程度のものがあるか、その内容が洩らせましたらば伺いたいと思います。   それからもう一つ伺いたいのは終戰後における見返資金を頂戴しております実績をお伺いしたいと思います。
  6. 木村三男

    説明員木村三男君) 最初の御質問援助物資内容といいますと例の食糧やら何かいわゆる決つたような品目なんでありますが、金額としましてつまり一九五〇年、五一年のアメリカ会計年度で、対日援助費を先ず予想して予算を組まなければならん、その予想額が二億六千六百万ドルというふうに見ております。これも実は最終的には未だに決つておりません。この二億六千六百百万ドルのうち連合国関係人件費つまり日本政府に贈與したのじやなくて関係官吏人件費等が入つておりますが、これは差引かなければならん、これを千二百万ドルくらいというふうに見ますと、物資関係、金が物になつてつて来る額は二億五千四百万ドルということになるわけであります。大体物が入つてから見返資金の方に積立てられるまでの経過を申上げますと、先ず会計年度が三月間ずれている、日本では四月からでありますが向うは七月からでありますから三月間ずれている。それから三月間ずれた予算が執行されて物が買付けられて日本まで持つて来る、それが放出されて金が入つて見返資金に積立てられるまでの間を大体六ヶ月と見ております。そうしますと両方で三月プラス六ヶ月ですから九ヶ月遅れになる。つまりアメリカで本会計年度で二億五千四百万ドル援助費を組んだとしましても、日本の本年の会計年度に入り得る金というものはこれの四分の一、四分の三は来会計年度になつてずれて入つて来る。見返資金の金の面から見ますとそういうことになるわけであります。物は必ず六ヶ月遅れになるというわけじやないんでありますが、そこにいろいろな手続のこともありますのでそういうような計算になつているわけであります。ですから先程申上げました来年は仮に援助がなくなる、まあこういうことはないのでありますがなくなつたとしましても、今年の向う予算で残つている四分の三というやつは援助打切りの年にも入つて来るということになるわけなんであります。  第二に今までの実績お話でありましたが、これは御承知のように昨年から見返資金運用を始めております。そこで先程の項目別に申しますと、二十四年度実績でありますが公企業としまして二百七十億円、私企業の方で二百四十六億円、債務償還六百二十四億円と端数がつきます。それから余裕金つまり使い残りで本年に持越した額が百五十二億円、下の数字ちよつと切りましたものですから末端が合わないかも存じませんが、合計いたしまして千百四十億円余りとなつております。
  7. 石川榮一

    石川榮一君 昨年の二十四年度実績は千百四十億円、二十四年度の見返資金というものはもつと大きな筈じやなかつたんじやないんですか。例えば四億六千万ドル程度援助費があつたのじやなかつたのですかね。只今までで千百四十億円だけ二十四年度実績としてあるのですが、その中に余裕金も残つておりますが、総合いたしまして千百四十億円のうち百五十二億繰越されますと、僅かに九百九十億程度しか見返資金実績がない。実質は少くも千六百億円はなくちやならんと思う。
  8. 木村三男

    説明員木村三男君) 今の問題でありますが、予算上ではかなり大きく見たのでありますが、実行上今申上げたような数字になつておりまして、予算予想したやつ、又今年の予算始まつてからの予想というのがずつと各月の実績を追つていなかつた。まあ予算はそんなもんなんですが、そういう関係予算予定しただけ金が入つてなかつたというのが実際の実情でありまして、運用実績は今申上げましたように、千百四十億これに間違いないのでありますが、援助物資の来かたか遅くなつてつて来るというようなずれが相当あるんじやないか。つまり向うから援助が入つて金になれば、外にやらないで機械的に見返資金の方に六つて来る式になつておりますので、物が入つて金がどこかに逃げるとか、或いはその間にどこかの会計にダブつて来るということは全然ないのでありまして、実行上のいわば決算みたいなことによりますというとこれだけになります。
  9. 石川榮一

    石川榮一君 見返資金割振りにつきましては安定本部でおやりになつておるようでありますが、この割振りについても無論関係方面との折衝の上その指示の下にお決めになると思う。この余裕金繰越等は百五十二億というものもある。又本年もこれは相当見込まれるという話がある。如何なものでありますか、この見返資金というものはそう長く続くものでなく、ここ両三年のうちにこれは一応打切られるのではないかということすら考えられる。御承知のように日本の置かれております経済状態は非常に惡化しておる。特に建設省方面災害復旧及び建設工事等が非常な災害その他によつて頓挫しておる。この儘で行くと国土の保全は非常に危いという状態まで入つておるのでありますが、この余裕金のようなものを一銭も出さないようにそれらのものがあるならば、あらゆる点で御折衝つて見返資金繰越なんというものは一銭もないように、その年に放出がして頂けるような努力をして貰いたい。それに対して安定本部の方では今まで随分手を盡しておると思いますが、余裕金の絶無に近いような手を打つて貰えるものか。若しそれが困難であるとすればどういう理由で困難であると思うのですか。
  10. 木村三男

    説明員木村三男君) 只今の御意見でございますが、経済安定本部の方としましても、徒らに余裕金を多くしてこういう金融情勢の際に使わないで積立てて置くというようなことは、非常な面白くないことであると考えております。例えば造船関係或いは重要産業関係、こういつた面でいろいろと今までにも問題は起つております。これはどうしてもこういつた先程の公企業私企業に分けるというような枠を動かして、そうして成るべく完全に使えるような緒口を作つて置かなければならんということを考えまして、これは文字通り総がかり関係方町とも折衝をしております。或る問題につきましてはまだ解決しないのでありますが、いずれにしましてもそういう問題が随時出て参るわけでありまして、それがつまり常に今御指摘の余裕金の方を使うと経済安定費の方から出さなければ外に道がないのでありますから、その方を常に廻して仕事を進めておるのでありますが、これも実情から見ますというと随分やつておりますが、急にその場で解決するというふうな仕組になつておりませんものですから、そこに検討期間なり交渉期間が長引くということが常に起つておるのでありますか、非常に私共としては遺憾に存じております。  尚余裕金のごときを全部なくしろというようなお話なのでありますが、この余裕金予算問題はちよつと違うのでありまして、予算の方では年間を通じてどの事業には幾らやるということになつておるのでありますが、事業が或る程度完成しないと金の方が出せないものであります。一方積立金の方は金が入れば入つて来る、そこにこういつた会計を持つておりますと一時一的な余裕が出る、併しこれは引当があるのでありますから、そういうことが仕事進捗の如何によつて起るとといとうことはどうしても止むを得ないじやないかと思います。予算はやはり使う途そのものについて必要な方面については経済再建費の方も切崩して公企業なり、私企業に向けて行こうというやり方の方が実際的と考えておりますので、今までやりました仕事もそういう面からもつぱらやつたということを申上げておきます。
  11. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 御質問ございませんか。
  12. 石川榮一

    石川榮一君 そうしますとこの余裕金というものは、予算実施面との食違いができまして、その年度末にでき上らない工事その他のものに対しては、支出が行われないから余裕金の形で繰越す面が多いということをおつしやつておるのですが、そう伺えば分るのですが、希望といたしましてそういう面も一つ成るべく余裕金として繰越の形で出ないように督励をして貰いたいということが一つ。  それからこの日本の現在の経済状態を考えますと、この見返資金を成るべく速かに最も困る場面にどしどしと放出して頂くような政府では施策をして貰わなければならんのですが、私共余りその方面には深い関係を持ちませんがGHQあたりの一部の方々の意見を聽きますと、例えばダムの建設にいたしましても、日本政府から出て行くところの見返資金に対する計画内容が非常に杜撰だ、例えで申しますれば、河川のダムを造る場合、本当にそこにダムを造つて水の統制をしたいというような單純な考えで放出を請求して来る、そういうような雑駁なものでは出せないんで、植林とか砂防という面から十分に検討を加えてそのダムの維持年限等も相当考慮し、更に河川統制と同時に発電、灌漑そういうようなものも具体的に案を付して持つて来なければ困るというようなことを二三度言われておることもあるのですが、こういうようなことになつて来ますと、やはり関係筋の方では出そうといたしましても日本政府の具体的な案の提出が関係方面に納得行かないという面が相当あつて出澁つておる点もあると聞いて、おるのでありますが、そういう点のないように一つ安定本部の方で各省に勿論やつていると思ういますが、一層お力を入れて頂きましてもう出したものは必ず通るというようにして成るべく早し見返資金が放出されまして災害復旧等がスムースにできますような御心配を願いたい、それは希望であります。  それからもう一つ伺いたいのは、九月のこの間の二十七日に新聞に発表されましたのを見ますと、今まで残つておりまし建設省関係であります八ヶ所の見返資金の放出が、許可になつたということを報道されております。これは私共今まで大変心配しておつたのですが、猿ヶ石、五十里、木曾川、最上川、淀川というものであります。これらは新聞に発表されておりますから間違ないと思いますが、これはすでに新聞通りに、こちらの希望通りそのまま許可が下りたのであるかどうか、これを一つ説明願いたいと思います。
  13. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 治水課長が代つて答弁いたします。
  14. 伊藤剛

    説明員(伊藤剛君) この前八月二十日に見返資金状況を御説明いたしましたが、そのときは建設省関係におきましては第一次の放出許可がありまして、その際我々の方の河川関係でダムを中心といたしまして約七、八箇所の面も重要な計画だけが保留となつてしまつたのであります。その保留した理由はどういう状況であつたということについて想像まじりの御説明で恐縮でありました。その後の状況を御説明いたしたいと思いますが、そのとき御説明いたしましたように司令部の関係三部門から合計四十七ヶ條の質問書が参りましてその質問書につきまして早速各関係省と打合をして報告を出したのであります。これに約十日かかりました。主といたしまして貯水池の上流の森林の状況、それから山林の荒廃の状況、それに対する日本政府の今後の改修計画、それから貯水池下流におきまする貯水池の水を利用する計画が若しあれば出せ、こういうようなことが質問の中心でありました。各省に亘つて何回も合同会議を開きまして急いだのですが、十日かかりました。この質問書の答についてそれぞれの部門が検討したようでありますが、中間におきましてもその答えについて又質問があつたのであります。
  15. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  16. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 速記始めて下さい。
  17. 石川榮一

    石川榮一君 大体分りましたがそうしますと許可は決定した、金額にも別に差障りがないということですが、勿論建設省からお願いした程度にできることになるわけですか。
  18. 伊藤剛

    説明員(伊藤剛君) そうです。
  19. 石川榮一

    石川榮一君 それは大変結構なことです。そこで無論又明年度も多額の公共事業費を要求し、建設省としましては所要の河川、或いは港湾等に大部分見返資金の許可を求めなければならんと思いますが、本年のような質問書の四十七條というようなものを頂戴しないように予めスムースにすつと行くような手配を、進めて、大まかに大きくとつて頂きたいと思います。  今度の江戸川の問題ですが、江戸川は利根の改修計画の第一歩をなしますので、地元では非常に関一心を持ちまして千葉、埼玉と関係を持つ沿岸面は、対策委員会を作つて日夜この問題に対して検討を加えておるようであります。これは御承知のように埼玉側では工事場の被害地が四百個も水底に没するというような大きな損害日があるという問題から考えますれば、かなり深刻な様相を帶びて来るようであります。これは関東地建の方で早くから話を進めておりまして二月ばかり前からこの話をしておりますので、見返資金が決まれば地元に対する補償等もはつきりするということであつたのですが、この方が決まらんために今まで話が進んでおりません。そこでこれが決定しました以上は、成るべく早目に江戸川の改修により犠牲になるところの関係面に対しまして思切つた補償額を以て折衝をして貰いたい。そうして若しこれが誤つて暗礁に乗上げまして事が運びませんと、利根の根本改修というものは随所にそういうものができまして或いは不可能になるのではないかという、心配すらあるのです。従いまして利根川の総合改修計画の第一歩をなす江戸川の補償の問題は、是非全力を上げて地元の要望も十分取入れて改修して貰いたい。幸いに見返資金が決つた以上はすぐにもそれは可能なことと思います。その点特に建設省としては、御心配願いまして急いで江戸川水域の犠牲に対する解決をして頂くようにお願いいたします。
  20. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  21. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 速記を始めて下さい。外に御質問ございませんか。
  22. 石川榮一

    石川榮一君 建設省の治水課長に私共利根の問題が非常にさつき申上げましたように深刻な問題もありますのでお尋ね申上げますが、五十里の堰堤のダムの方も植林の方も一切それは建設省の要求通りにスムーズに通りましたか。
  23. 伊藤剛

    説明員(伊藤剛君) 通りました。
  24. 石川榮一

    石川榮一君 ダムの建設もできるのですか。
  25. 伊藤剛

    説明員(伊藤剛君) ダムの建設につきましてはこちらの計画通りの許可になりました。
  26. 石川榮一

    石川榮一君 通りに実施されますか。
  27. 伊藤剛

    説明員(伊藤剛君) されます。
  28. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 質問がなければ道路局長、利水局長も来ていますがあと引続いてこの見返資金に関連した御説明を願いたいと思いますが、よろしうございますか。
  29. 石川榮一

    石川榮一君 道路局長が見えておりますか。
  30. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 来ております。
  31. 石川榮一

    石川榮一君 では安定本部木村課長に対するお尋ねに関連しますが、今まで大体私企業とか或いは債務償還とかという両面に多く見返資金が使われておるのです。勿論重要産業の問題もあるし債務償還も急を要するものがありましようが、現在置かれております日本状況河川関係、港湾関係その他が非常に荒廃しております。特に道路において然り。永い間失礼でありますがそういうような緊急を要するものに気を取られて、道路の方に日本の財政の困難な関係から余り流れておらないというような憾みがあるわけでございます。この際見返資金につきましては、これも建設省関係があるのでありますが河川、港湾等と同じように道路も重点を、置かれまして、急いでこれが改修或いは新設等を計画した場合には、安定本部といたしましても十分に考慮を願いまして十分な支持をして頂きたいと思います。現在道路の方の状況は各地から種々の陳情が参つておれます。どちらに参りましても幹線ですら殆んど手がついておらない。特に九州四国方面を見ましても国道と称するものが僅か二間程度或いは一間半程度であります。町村道と国道と間違うような状況になつておる。これは皆道路に対する日本政府の関心が足りたなかつたということを言い得るのであります。幸い見返資金がまだ一、二年あるという状況であります以上、この際思い切つて道路の方へこの見返資金が使われるように政府の方におきましては最大の関心を拂つて頂きたい。かように思つております。  そこで道路局長さんに伺いますが、今国道といたしましてどうしても改修せねばならんものが相当あると思います。どのくらいの費用がありますれば国道が国道らしい規定されたところの国道になり得るかを伺いたいのであります。
  32. 菊池明

    説明員(菊池明君) 道路遅れておりますることは今仰せの通りでありまして、私共といたしましてはいつもその要求に努力いたしておるわけでありますがなかなか仰せの通りで、治山治水の方にどうしても予算が行く関係道路は困難をいたしております。国道だけの問題を今お取上げになつたのですが実は今日はその資料を特に持つて参りませんでしたが、大体日本道路の中で幹線国道及び府県道、それから市町村道の重要なものを取上げてそれを自動車が通るようにいたしますると、これはやや天文学的な数字になりますが一兆五千億ばかりかかるのであります。これは昨年の計算でございますがそのうちで国道の重要なものが二千億。国道の総延長は九千キロございます中で、未改良と申して我々の方では大体平地部で七メーター五〇、それから山間部に入りまして六メーターというような基準、及び勾配は三十分の一以下にするというような方針で考えての未改良の延長というものが六千八百キロ、それから舗装をいたしてないのが八千八百キロ、こういうわけで、これを改良いたしまして舗装いたしまするのに二千億という計算に現在なつております。
  33. 石川榮一

    石川榮一君 只今局長さんのお話で大体分りましたが、全部鋪装するということは別といたしましても、一応砂利にでもいたしまして規定の七メートル五〇なり、或いは山間部の六メートル程度の改良をやりますのに約二千億円かかるということでありますが、この二千億を道路局といたしますれば如何にして幾年の間にこれを仕上げるというお考えでありますか、その年次計画でも立つておりましたらば伺いたいと思います。
  34. 菊池明

    説明員(菊池明君) 実は来年度予算に当りまして説明資料の一部になりましたものをこの前お目にかけおりまするが、それについて御説明いたします。御承知のように道路につきましては一昨昨年維持補修に関するメモランダムというものが参つております。その五ヶ年計画に副つて当分はやることになつております。只今が三年目でありまして二十七年まで五ヶ年計画が続くわけであります。その総額が五百億を少し超えるのでありまするが、二十五年度までで認められておる予算が百億ありまするので、実はその五ヶ年計画も四百億を残しておるわであります。これを直轄国道或いは地方事業の補助等に分けて考えますると、メモランダムの残り直轄国道につきましては九十一億残つております。これを五ヶ年ぐらいであと残りをやろう、そうするとこれが三十億ばかり。それから地方事業の補助の方の改良費及び橋梁の架換え、そういうものの残りが八十七億ぐらいあります。これをやはり約三ヶ年でやりますのに三十一億五千万、その外北海道の関係の分がそういう計算で行きまして十億、これは今申しましたのは改良関係であります。それから補修維持修繕の関係でありまするが、これは過去二年乃至三年やりましたので相当補修の関係は幹線につきましては終戰直後よりもよくなつて参りました。それでもそろそろ補修を幾らか減らして改良の面に廻そうという気運になつて参つたのであります。これは関係方面でもそういうふうに見て呉れまして、只今改良の方に歩を小し多くしよう、当初は半分以上を補修に使つておつたわけですが、昨年六分四分、来年度は七分三分ぐらいで補修の方の予算を小くしようじやないかという話もありますので、やや減らしまして直轄国道関係で五億四千万ばかり、それから地方の補助の方で十六億、北海道関係で八億、こういう数字を出しまして、その合計が百四億ばかりになる。こういう次第で只今つておりまする五ヶ年計画をそういうわけで後まだ二年のものを三年に延ばしましてもそれぐらい必要なわけです。一方関係方面から出ましたメモランダムに関係なく十五ヶ年計画或いは五ヶ年計画というものを我々の方で持つておりまして、それと只今申上げた数字を睨み合せますと、こちらで持つておりました五ヶ年計画を七ヶ年計画くらいに引延したものが大体只今数字になるような工合でありまして、これだけでは只今申しましたように県道、国道を通じて五百億程度が作られておるということになるわけであります。
  35. 石川榮一

    石川榮一君 今度は安定本部財務課長に伺いたいのですが、この見返資金の使い方については安定本部が決める。そうしますと安定本部が本当に研究しているとすれば、安定本部でも相当に道路並びに河川、港湾、いわゆる公共事業方面に相当出せるのじやないかと思います。重要産業としての私企業も大事でしようが、現在の河川、港湾、道路の荒廃状況から考えましても明年度の見返貸金に対しましては公共事業費に十点を置いて、そうしてこの見返資金がここ一年であやしくなるという場合でありまするからしてこれに十点を置いて、殆んど公共事業に見返資金を使わして貰うというようなことは研究されておりますかどうか。若し別な考えを持つて今までと同じよつにおやりになるのだということであればそれでいいのですが、そういうような意見は出ておりますかどうかを伺いたい。
  36. 木村三男

    説明員木村三男君) 見返資金の配分は御指摘のように経済安定本部でやつております。その中で公共事業関係は御承知のように建設交通局というのがございまして相当な技術陣容を抱えておりますし、長年やつておりますので見当を誤らないような研究は続けております。ただ今後の見返資金やり方につきましては、公共事業だけに全部使うということが果して可能であるかどうかということはちよつと疑問があるのであります。つまり公共事業の方は柱が三本建になつておりまして、一般公共事業費としまして一般会計予算において常に大きな予算事項になりまして、今年もこれを千三百五十億にするとか千億にするとかいろいろ総合的に物事を考えます場合に、一般会計の方からできるだけ余計の公共事業費を取るということが、筋から申しましても順序から申しても先に来るものでありますから、この方で全体の計画を立てて見返資金一般会計だろうが支出そのものは広く拾つて総合的に先ず陣容を決める。そうして予算が決まりました場合に、或いは予算通りに一般公共事業費の方に入り切れないものが出て来るのじやないかという場合に、この場合は一方において見返資金というものがある、その方で相当大きな巾を取つて両者かね合せて、本年度において或いは明年度において、どのくらいの公共事業をやるかというような国策が決まるわけなんであります。ところが私企業になりますと今のような事態において、特別なルートから特別な金を出さないとやれないような仕事が大分あるのであります。先程例に挙げましたような電源の開発であるとか或いは造船であるとか、これは金融に委せておくといいましてもなかなか片附かない面があるのであります。かたがた欧州諸国の見返資金に相当するカウンターパーツ・フアンドの使い方或いは條件などから見ましても、やはり公共事業だけというような例はないのでありまして、やはり重点産業にも国家資金を廻さないと経済の再建ができないというような仕組にもなつておりまして、どうも一方だけに限定して私企業の方は今の金融やり方で以て期待するような効果が上がるように持つて行けといわれましてもなかなか困難な面があるのであります。そういうことを考えますとこの問題なかなかむずかしいのであります。そういうことを考えますとこの問題なかなかむずかしいのでありますが、差当り今年の予算としましてはどうも割振りが全部決まつておりますが、差当り今年の予算としましてはどうも割振りが全部決まつておりますし、今後動かすということはなかなかむずかしいと思いますが、来年の問題としましては、今年は先程申上げましたように公共事業の方は百十億とい枠でやつておりましたが、来年は見返資金総額は減るかも知らんが公共事業の方は決して百十億以内に納めない、少くとも百五十から二百億くらいのところに持つて行く必要があるのじやないか。それで一般公共事業の方と合せてどのくらいの仕事ができるか、常に公共事業の方は増額の線で今検討しております。
  37. 石川榮一

    石川榮一君 一応分りますが、私共の考え方といたしますとこの現在の公共事業費はあまりにも少い。国家予算にしましても僅かに一千百億か一千二百億程度しか廻らないので、六千億円の予算のうち真に公共事業として国民の再生産になり、災害を防止するためにどうしてもしなくてはならんものは、少くとも私共の方の考え方としましては国費の半額ぐらいはこれに投入するようにしなければならないと思うのですが、併しこれもできないことで、ありますから、僅か一千か一千二百程度のものでありましてはいつまで経つても河川の改修も道路の改修も或いは海湾の施設も全然できない。年々の災害に追われてしまつて根本的にこれをやらないというようなふうに我々は考えるのでありますが。ですから安定本部の諸君の方々におかれましても現在の河川の荒れ方、山林の荒れ方、道路の荒廃の仕方等をつぶさに御研究願いまして重点を公共事業費に持つて行く、国の予算の中でその五分の一を公共事業費に使う。その公共事業なるものを分析して見ますれば国民の本当の福祉を増進する重大なる経費でありますが、僅かに全体の歳出の五分の一である。こういうことであつては到底この荒廃しておるところの公共事業を完成することはできないと思う。そういう面でも公共事業に対する安定本部の考え方を切換えて見まして思い切つて公共事業費を出す、見返資金の方も思い切つて公共事業費を出すというふうに御配願いたい。かように思うのであります。これは意見の相違でありますからしようありませんが、実際現在の河川、道路、港湾はもう実にひどい荒れ方です。このままにして置きましては国土の保全は危い、かように考える。現に利根川だけを例に取りましても十年間に二千三百億円の損害を蒙つております。全国の河川を調べますれば或いは十年間に一兆億以上に亘るのではないか、かように考えますが、昨日もその総額を調べて貰うことになつておりましたからそれが分つたらはつきりしますが、大きな損害を年々蒙つておる。損害の防止と更に再生産になる施設等に対しましては思い切つて一つ出して貰うようにして貰いたい。今日見返資金としてお願いするのも、建設委員会といたしましては、公共事業に重点を置くような国家予算並びに見返資金を重点的に交付して貰うということが、皆さんの御意見だろうと私は思つております。どうかこのことを一つお伝え願いまして徹底的に来年度公共事業費を国家予算に盛り、見返資金においても思い切つて出すというようなお心構えをお願いたい。かように考えます。
  38. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 外にありませんか。建設省の利水課長も来ておりまんが、この問題に関してございませんか……もうありませんな。それでは大体見返資金に関する質疑その他一応終つたようでございますが、これをこの程度に取りまとめまして、更に諸君が視察して参つた問題についてお気付きのことで当局に質問したいことがありましたらば、今いる説明員で間に合うか間に合わないか分らないけれども、とにかく質問があつたら続けて貰います。大分もう昨日もやつたから……なければ今日はこの程度にいたしますか。
  39. 小川久義

    ○小川久義君 大体もう昨日からやておつて一応事的な概要は分つたんですか、この以上は早く各省の責任者に来て貰ついて、いろいろ予算的な将来の問題に対して懇談したいと思うので、昨日話のありました委員会を二十日頃というのでは又こちらから改めて通知をせねばならんことになるので、二十日、二十一日を決めるか、先ず日を確定しておいた方がよくはないか。又来て貰う範囲も予め申し合せておいた方がいいのじやないかと思います。
  40. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) 昨日責任者の問題が出たんですけれども、まだどうも予算関係がそう手応えがあるというような答弁もできそうにないというので、それでは来月の二十日頃に更にその方面に対する質疑その他はやろうじやないかというような話があつたのでございますが、その程度にいたしますか。日取りを決定いたして置きますか……。では今小川委員からの発言によるということですがよろしうございますか……。それではさよう十月三十日、三十一日と決定いたしましようか。併し又いろいろの事情で多小変更もこれはその時の情勢で……。
  41. 岩崎正三郎

    理事岩崎正三郎君) ではそういう含みを以て三十、二十一日と決定いたしますがよろしうございますね。ではそう決定いたします。それでは今日の会議はこれで閉会いたします。    午前十一時五十六分散会  出席者は左の通り。    理事            岩崎正三郎君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            石坂 豊一君            田中  一君            東   隆君            江田 三郎君            島津 忠彦君   説明員    経済安定本部財    政金融局財務課    長       木村 三男君    建設省河川局治水    課長      伊藤  剛君    建設省道路局長 菊池  明君