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説明員(石田政夫君) 私経済
安定本部の石田でございます。局長、両次長とも止むを得ない要件で塞が
つておりまして、私代りまして参りました。定刻に遅れまして甚だ恐縮に存じております。
本年度発生
災害の内容につきまして、或いは大蔵省の鹿野さんから
お話に
なつたことと重複する点があるかとも思いますが、一応
安定本部としてまとめました概略の
措置について御
説明申上げ、
あとで又御
質問によりまして尚詳細に申上げたいと思います。御承知の当初百億の予備費が本年度発生
災害に設けられたのであります。これが支出につきまして、現在まで
災害の大体の
経過を申上げますと、本年初めに融雪
災害、これは
北海道、東北
地方の融雪
災害が例年に比較しまして、暖冬異変の
関係で
相当ひどくございました。又風浪
災害、東北
地方その他の風浪
災害、これは主として港湾、漁港とか、こうい
つた方面でございます。こうい
つた風浪
災害と、それから火災で大きなのは熱海、それから長野県の上松、秋田県の鷹巣と、この三市に大火災がございました。
その後風
水害といたしますと大体五月、六月頃のこれは不連続線によりますところの驟雨、
豪雨でございます。これが局地的な
被害をもたらしまして、その後七、八月に御承知の
相当大きな
被害がございます。又最近になりましては
ジエーン、
キジア、非常な大きな
災害がございましたが、そのうち私兵の予算的な
措置といたしましては、一応本年度の六月二十日までの
災害を取りまとめまして、これに対する予算
措置を若干日にちは遅れましたが完了いたしたのでございます。で六月二十日までの
被害を一応各省の
報告額を取り、その後これを主務省、本省が
査定をいたしまして、個所別に詳細な内容を出しました。この
金額が
報告額で二百七十六億でございます。で各省
査定額で、六月二十日までの
査定事業費で百九十六億、
査定国費で百五十九億でございます。
でこの内容につきまして当初御承知の四十二億の支出の閣議決定がございましたが、
関係方面の意向で、どうしても
金額を制限いたされまして、結局二十七億ということに決まりまして、この費目別の配分を了し、
府県別の配分を決定しまして、すでにこれは支出しております。で、その後七八月の
災害につきまして各
方面からの
報告資料並びに各省の
査定を極力急いだのでございますが、現実の問題としまして、本省の
査定となりますと
相当に日時を要しまして、これが配分につきましての基準、或いは具体的な資料が遅れまして、国費の支出につきまして漸く極く近日でございます、事務的にはもうすでに配分もなしてあるわけでございますが、趣く近日支出の予定でございます。この七、七月の
災害を八月と申しましても、大体八月の中旬で決
つておりますが、これの
報告額にいたしまして三百四十九億でございます。
査定額にいたしまして、
査定の事業費が二百八十一億、
査定の国費が三百四十五億でございます。これに対しまして、実は
関係方面の意向で一応二十三億の国費の支出が包括的な承認にな
つておりまして、これの費目別並びに
府県別の配分につきましては、今までいろいろな事情で非常に遅れて申訳ないのでございまするが、費目別の配分を極く近日発表できる予定でございます。その後御承知の
ジエーン台風の
被害が
相当従来に見ざる大きな額を示しております。これは全体の
被害を通じまして、
ちよつとその前に申上げますが、
災害復旧費の内容の中には各種産業施設の
災害とか、その他いわゆる公共事業費の
対象となり得ない各種の
復旧事業がございます。殊にこの
ジエーン台風の
関係では阪神地区におきまして、ああい
つた民間事業、或いはその他の公共事業の
対象となり得ない
被害が
相当厖大な内容がございます。併しながら公共事業としては、飽くまでも定められた一定の公共施設、その公共施設の内容につきましても、一応費目別に昭和二十三年の
司令部の覚書、並びに閣議決定によりまして方針が決められまして、その方針に則りました各費目でございますが、その内容は御承知のように
河川或いは道路、或いは橋梁、或いは農業用公共施設、或いは耕地、或いは林道、山林の崩壊地の
復旧、或いは漁港、それから上下水道、それから各種の厚生施設、各種の文教施設、或いは応急住宅、こうい
つた内容でございますが、こうい
つた対象となり得る事業が、総
被害額に比較いたしますると、従来の我々の見方で参りますると、大体半分というものが一応常識であ
つたのでございますが、併しながら今度の
ジエーン台風はこの点特性がございまして、公共専業の
対象となり得ますものに対して、なり得ないものの
被害額の差額が
相当大きいのでございます。私共といたしましては所管の
関係で、
対象となり得るものの
被害報告を取り、それに対する
対策を急いでおるわけでございますが、現在まで判明いたしておりまする公共事業の
対象となり得るものの総
被害額が五百六十六億でございます。尚
調査の結果少しずつ額が殖えつつある傾向でございます。これに対しましては一応
報告にはいろいろ県によりまして若干の
調査の資料等がございますが、御承知の各省の
査定によりましてしつかりした一応の
対象を掴みまして、それに基きましての国費の配分徹底をいたさなければならん
状況でございますが、この
査定を各省とも現在急いでおりまするが、大体の目安といたしましては、少くとも今月一杯はかかるということに相成
つております6安本といたしましては、この各省の
査定が一応出揃いまして、その上で一応目安を立てて、省別配分を決定しませんと、或いは費目別の公平を失し、
府県別の公平を失するということになりまするので、若干その間国費支出の時期が遅れますことは、私共非常に残念に思
つておる次第でございます。で、ともあれ現実の問題といたしまして、取敢えず財源
措置、緊急の必要の最小限の財源
措置を講じなければならん事情でございまするので、大蔵省
預金部にも
連絡いたしまして、
報告額に基きまして極く大まかな見当でございまするが、一応の基準を作り、それに基きまして今まで
ジエーン台風ですでに十一億五千の
預金部資金の短期
融資を実施いたしております。申し忘れましたが、その前の先程申上げました七、八月の
災害の二十三億の国費支出分の内容につきましても、実は緊急の
融資といたしましては
預金部六億五千の支出を完了いたしております。公共事業はこの前申上げました各省の
査定を土台といたしまして、一応費目別、
府県別の内容につきまして検討をいたしまして、
関係方面と折衝いたしましてその
総額並びに配分を決めるという手配にいたしております。尚この
ジエーン、後程起りました
キジア台風につきましては現在各
報告額を取りまとめ中でございまして、歳出ごとに、この
調査の判明いたしました分に従いまして、
報告額が
相当増加する傾向を示しております。
経過的に申上げますと、極く最近までの集計いたした額といたしましては
キジアで三百五十億の
報告が参
つております。これは先程申上げました公共事業の
対象となり得るもののみの
被害報告でございます。併しながら我々といたしますと、今までの各種の
報告等によりますれば、恐らく公共事業の
対象として費目から申しますと、
キジア台風が前の
ジエーン台風よりむしろ
被害を多く與えておるのじやないか。従いまして要
復旧額も恐らく
ジエーンよりも大きいのじやないかと心配いたしております。この
キジアにつきましても
報告に基きまして各主務省がそれぞれ各省別に
査定を現在実施中でございます。我々といたしましては極力各省の
査定を急いで頂きまして、これによりまして国費の
査定の目安をつけ、費目別、
府県別の配分につきましての公平な実施をいたしたい、かように考えておる次第でございます。尚大蔵省
預金部とも御
連絡をいたしまして、
キジア台風の取敢えずの財源
措置といたしましては
預金部資金の短期
融資という
方面に
連絡をいたしておりますが、これも近日恐らく大蔵省
預金部より出る手配に相成
つておると存じ上げるのでございます。全体を通じますと最初に申上げました百億の予備費のうち六月十日までの国費の支出分として二十三億、七、八月の
災害で二十七億と五十億を支出いたしておるわけであります。残りの五十億につきまして、
あとの分、
ジエーン、キジヤ、或いはそれ以後に
予想されます
災害につきまして果してこれだけで十分であるかどうかという点につきまして、私共としましても到底これだけでは足りない、でき得れば
補正予算が認められますればこれによりまして或る
程度の必要最小限の国費の支出をいたしたいということを強く希望いたしておりまして、この計数の整理を只今や
つておる次第でございます。
被害の外貌を申上げましたが、尚御
質問によりまして個々の問題につきまして詳細にお答え申上げます。