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1950-07-22 第8回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十二日(土曜日)    午後一時四十七分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○建設省その他の建設事業に関する調  査の件  (昭和二十五年度建設省関係公共事  業費に関する件)  (住宅金融公庫に関する件)   ―――――――――――――
  2. 柴田政次

    委員長柴田政次君) これより建設委員会を開会いたします。公報所載の日程は変更いたしまして、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案審議を次回に讓ることにいたしまして、今日は先ず前回に引続き建設省関係公共事業費説明を続行いたしたいと思います。次いで住宅金融公庫について、本法成立後の開所の経緯、運営状況方針等に関し説明をして頂くことにいたしたいと存じます。
  3. 澁江操一

    説明員澁江操一君) それでは監理局所管いたしております公共事業内容について、あらまし御説明を申上げます。  監理局所管いたしております公共事業は大体三つに分れておるのでございますが、その第一は、この内訳書河川局の三番目にございます河川事業調査費のうちの特定地域開発調査費千二百万円、それからその次が四番目の項目にございます土木機械整備費八億円、それから一枚めくりまして、道路局の分にございます二十一番目の土木機械整備費三億円、更に最後監理局項目に出てございます他官庁営繕八億二千万円、この三つに分れておるのでございます。第一番目の特定地域総合開発調査費でございますが、御承知のように先般の議会におきまして国土総合開発法国会において議決、制定、公布になりましたので、建設省といたしましてもその開発法の規定によりまして、建設省といたしましては、府県に対する窓口としての指導なり、或いは監督なりそういつたような仕事をいたす任務、それからもう一つは、公共事業相当部分所管いたしておりますので、これと総合開発計画との関係におきまして、何といたしましても総合開発計画相当部分公共事業、延いては建設省所管いたしております河川道路計画にそれぞれ関連いたすわけでございまして、そういつた意味建設省所管いたしております公共事業の総合的な調整、こういう問題が出て参りますので、それに相当の力を入れて行かなければならないような実は段階になつて参つております。予算的な関係といたしましてはここに出ておりますように、千二百万円を二十五年度といたしましては計上いたしておりますが、その内容は、大体旅費並びに調査に要しまするいろいろの事務的な経費でございまして、その経費が計上されておるわけでございますが、その中の本省並びに出先機関でございますが、地方建設局分が三百七十万円、残りが県に対する補助費でございまして、北海道分が百五十万円それから、その他の都府県補助が六百八十万円、これはいずれも北海道につきましては金額負担でございますが、その他の都府県の分は二分の一の事業費に対する補助に相成つております。ただお断り申上げて置かなければなりませんが、特定地域という考え方で、一応特定地域総合開発調査費という費目予算を計上しておるのでございますが、先程申上げましたように国土総合開発法というものが実施されました後におきまして、本年度特定地域決定等につきましては、目下各府県、それからそれに伴いまして中央に設置されます国土総合開発中央審議会、こういつたようなものの決定によつてそれぞれの地域が決まるわけでございまして、今後の問題としましては、府県計画なり、或いは府県審議会、或いは中央のそういつたような審議会決定に待つて、この地域取扱、更にはこういつたようなものの内容審議決定されるようなことになつて参るかと思います。一応二十五年度予算といたしましては、その開発法制定前の状況によつて計上してありますことを了承願いたいというふうに思います。次は建設機械整備費でございますが、先程申上げましたように、河川工事に要します機械整備、それから道路局関係工事に要します機械整備、こう二つに分れておりまして、河川分が八億円、道路関係か三億円、こういうことに相成つております。その点を詳しく申上げますと、大部分機械購入費でございます。これはブルトーザーでありますとか、トラックでありますとか、ドレッジヤーでありますとか、そういつた土木機械新規購入いたす費用でございます。これが約七億九千万円、それからその次が機械修理費でございます。機械修理費は、從来建設省といたしましては、直轄工事に要します機械相当保有いたしておりまして、中には廃品といたすべきものもございますし、修理の上、相当稼働し得る機械もあるわけでございまして、そういつた現有機械をそれぞれ性能程度に応じまして、要修理或いは廃品とするような計画をいたしております。そういつたような計画に從いまして、修理を要すべきものにつきましては、相当修理を加え、そうした機械力充実を図りたいと、かように考えておりますので、それに要します経費といたしまして、機械修理費、一億六千万円を計上いたしております。  次は機械工場整備費でございますが、額にいたしまして六千万円でございます。只今申上げました修理にいたしましても、或いは新規購入機械整備にいたしましても、それぞれ各工事現場におきまして、機械工場をそれぞれ用意いたしておりまして、そこに必要な工作機械乃至は、部品その他の整備を要しますので、それに必要な経費として、只今申上げました経費を計上いたしております。  次は、モータープール整備費でございます。これは四千八百万円、機械力運営につきましては、先般の委員会におきましても、委員皆様方からいろいろ御意見も出ましたが、只今直轄事業機械化を力を入れておりますわけでございますが、その運営の行き方といたしまして、やはり一つ整備すべき基地と申しますか、そういつたようなものを持ちまして、それを中心にして機動的な機械力配置を行う。こういう構想の下にモータープールというものを先年度から実は整備計画を立てて実行いたしております。大体本年度の下半期になりましてから、各地建全国六ケ所にありますが、各地建にそれぞれモータープールを置きまして、これが機械力基地としての十分な活動をなし得るようにいたしたいと考えておるのでございます。それに要しまする経費といたしまして、只今申上げました四千八百万円の経費を計上いたしておるわけでございます。  次は機械試作研究費でございます。御承知のように現在の国内の土工機械につきましては、まだアメリカの拂い下げ機械等に比較いたしまして性能におきましては、端的に申しましてまだ十分という域に達しておりません。それから尚日本の土地その他の状況から勘案いたしましても、改良をいたすべき問題が多々あるわけでございまして、そういつたような観点に立ちまして、これも先年から盛んに国産機械改良助成をいたしております。そういつたような意味におきまして千二百万円の経費を計上いたしておるわけでございます。国産機械も、御案内かと存じますけれども、段々試作改良の結果、現在、近い将来においては十分その性能が、從来の欠点を改良いたしまして、この機械化の上に相当役割をなし得な時期が近いというふうに考えておるわけでございます。  その次は機械技術員養成費といたしまして千七百万円、機械化の施行に伴いまして必要なのはやはり乘務員、オペレーターと申しますが、乘務員熟練者養成することでございまして、単なる機械の台数の整備のみではもとより十分とは申されないわけでございまして、それと並行いたしまして操縱員養成をいたすことが当然必要であります。そういつたような観点におきまして、建設省といたしましては、沼津に全国操縱者を集めまして養成をする養成所を設けております。それから尚、各工事出先機関であります地方建設局においてもそれぞれ養成する計画を持つております。かくいたしまして中央地方出先、それぞれ養成計画を持ちまして、機械力充実に資したいというふうに考えておるわけでございます。以上が大体建設機械整備費内容でございます。  それから最後官庁営繕費でございますが、只今申上げましたように、総額にいたしまして八億九千万円、内訳はここにございますように最後の百二十五ページを見て頂きますと、各省別のそれぞれ官庁営繕内訳が出ておりますのですが、御承知のように国費で以て支弁いたします建物官庁営繕と申しますわけでございますが、これは建設省において所管するという建前になつておりますので、各省に分散いたしております官庁営繕を一括いたしまして、能率的に技術者をそこに集中いたしまして、工費の軽減を図りつつ建設をいたしておるわけございます。ただここに挙げてございます八億九千万円の外に、現在建設省といたしましてやはり国費支弁にかかります建物その他も若干やつております。例えば国会関係建物或いは專売局の工場、或いは公務員の病舎、そういつたのもについてもやはり建設省といたしまして施工いたしておりますが、これはそれぞれの所管経費の委託を受けまして、建設省監理局でそれを建設するという建前になつております。公共事業費のうちの建設省自体経費といたしまして計上いたしております経費は、ここにございますように八億九千万円になつておるわけであります。  以上大体を御説明したわけであります。
  4. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今建設大臣がお見えになりましたので、赤木委員から何かお話があるそうでありますから、赤木委員の発言を許します。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は今おつしやつたことについて質問があります。特定地域総合開発監理局でやつておりますが、むしろそういう仕事技監中心としたところでなされた方が人員の方からも経済的に合理的に行きやしないかと思います。次に機械購入その他についてでありますが、これはこの間お話通り河川機械河川局でされ、道路機械道路局でされておる。同じ機械河川局道路局監理局でされておるが、これは非常に複雑で経費節約にもどうかと思います。又官庁建物その他の部分についても云々とおつしやいましたが、これも住宅局があれば、何も特に監理局でやらないで住宅局でやればいい、こういう観点から申しますと、或いはこれは内閣委員所管かも知れませんが、経費節約という意味で……なぜ監理局でやる必要があるのか、これを承わりたい。
  6. 澁江操一

    説明員澁江操一君) 只今赤木委員から御質問のありました第一点の技監中心にして今の総合開発計画その他を取扱つたらいいではないか、こういう御意見でありますが、実は総合開発計画自体の問題といたしまして、技術的の問題も重要なフアクターを占めておると存じますが、それ以外に総合開発計画並びに計画法自体目的といたしておりますところも、諸般の産業関係或いは経済関係、そういつたものにつきましてもそれぞれ調査をし計画を立てるというのが目的でございますので、その点につきましては技術関係技監関與をして頂く役割は、もとより重要でございますが、それ以外の河川道路、それぞれこれに関與して頂く面があるわけです。実はそういつたような観点からいたしまして、只今省内といたしましては、技監官房監察官、或いは各局長のお集まりによりまして一つのこの総合開発計画樹立のための連絡会議というもので一応決定を願いまして、その下に運営して行くという考えを持つて着々この準備をいたしておるわけです。それから尚この問題に関連いたしまして、実は建設省といたしましては、先程申上げましたように、建設省所管の各事業総合調整というものもございますけれども、各県に対する関係におきましては、建設大臣自体が、要するに各県の計画一つそこで窓口となつて受ける、計画を受理し、これを審査するという、実は権限が與えられておるのでありまして、そういつたような点につきましては、これはやはり技監という立場を離れて、建設省全体として、問題を取扱つて行く必要があるのではないか、こういう関係もあると思います。そういつた状態で今のようなことは各県の各局長技監はもとより各局長のお集まりによりましてこの計画自体を進行して行きたい、こういうふうに実は考えを持つております。  それから第二番目の機械化につきまして、河川道路、そういつたところに、それぞれ機械を分散配置して仕事をするということは、非能率的ではないか。それに更に監理局機械課というものを設けて、仕事をして行くのは、更に非能率的ではないかというようなお話のようでございますが、実はこの監理局は、河川道路機械の外に、更に機械を持つているというあれでございません。機械はもとより河川工事なり、道路工事にそれぞれ活用されるものでありまして、それ以外の監理局自体運営している機械があるというのではないのでございます。ただお話のように河川配置される機械或いは道路配置される機械或いは河川のうちの特定箇所、或いは道路特定箇所機械が固定するということは面白くないのでありまして、そういつたようなことを総合運営立場において機械の機動的な運営をして行かなければならん。こういう意味合で実は先程申上げましたモータープールというものに基礎を置きまして、これに機械を集約して、それを工事のそれぞれ重点配分で機動的に配置をする、こういつたような考えで以て計画をいたしておるのであります。ただ御承知のように、機械そのものは終戦後に整備したものもございますが、從来内務省時代から各工事現場としての機械を、それぞれ現場で持つております。そういつたような既存の機械類、それからその後に土木機械整備費という一本の費目にいたしまして、機械運営をするようになつてから工事をいたしました機械、その間の調整というものは、これは今御指摘になりましたように、各工事現場にあるし、そしてモータープールにもあるというような現象が一時的に出て来るかも知れませんが、将来の問題としては、これをできるだけ集約的に、統一的に運営をするようにして参りまして、機械力の効率的な運営を図つて行きたい、こういうふうに考えておるのであります。  それから最後官庁営繕につきましては、御趣旨の点は、要するに各省にそれぞれ官庁営繕を持つている。その他に監理局自体として官庁営繕をやつておるのはおかしい、こういうことでございます。住宅の問題でございますが、私の先程の説明が或いは十分でなかつたかと思いますが、国費を以て支弁する建物の中に、全部が営繕部でやつているということが今の住宅の方ではないかというふうな見解からそういうお話なつたかと思いますけれども、実は住宅局でやつておりますのは、各府県でやつております。公共団体がやります事業主体公共団体で、実は只今庶民住宅、それに対する補助政策を実は住宅局としてはやつている。從いまして官庁営繕取扱つております営繕部とは全然趣きを異にいたしておりまして、官庁営繕の方におきましては国自体事業主体でございます。それから今の住宅関係におきましては、各公共団体事業主体であ  る。こういうふうなあれになつておりますので、仕事自体内容は非常に建築という面においては或いは共通いたしておるかも知れませんけれども、仕事内容そのものにつきましてはそこに違いがあるわけであります。これを同一に取扱うということは、やや私共といたしましてはむずかしいのじやないか、こういうふうに考えておるのであります。
  7. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 今の赤木さんの機械整備等に関連してお伺いしたいのです。大分機械使用が盛んになりまして、結構なことでありますけれども、私共心配していることはドレッジヤーの問題でありますが、一昨日御説明願つた江戸川が今度見返資金で以て川幅を大にする、又新設するということが言われておりますが、私共今までよくあの辺の川浚いを早くやれと言つてつたのですが、いつもドレッジヤーができなくて困つている、三菱に註文してもさつぱりできなくて困つていると言つてつたのですが、これはどうですか。江戸川の問題に関連してドレツ  ジャーの準備が十分できておりますか、どうですか。
  8. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) 江戸川の見返資金工事でありますが、御承知通りに今の機械力はもう古くなつておりまして、その限度に達しております。從つて今度出ます見返資金のために或る程度機械動員はできますが、現在の私共の方の機械力を持つて行きますことがなかなか困難なような状態でございます。從つて我々としてはできるだけ民間機械動員を図らなければならん、即ち直営工事から請負工事に移して行かなければならん、こういうふうに考えておりますが、必ずしも江戸川の問題はドレツジヤーのみではなく、ドレツジャーよりはクレーン或いはブルトーザーというような機械が多量に必要とされると思います。今或る程度民間工場民間の方からもこれらの入手万について交渉しておりますが、それのみでもできないことでありまして、先程申上げた通り請負人動力機械をこの際活用しようと、こういう積りであります。
  9. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 今の質問に関連するのですけれども、江戸川の本年度計画は完全にやれますか。
  10. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) 只今予定いたしておりますのは、大体五分程度考えておりますが、今後これをやりますには相当な馬力をかけなくちやならないということは確かでありますが、我々としては三月を目途にしてやり遂げて行きたい。そこで問題になりまするのは、あの工事をやりますために、用地選定の問題が相当あります。これが解決が早く行くか行かんかが大いに工事の進捗を左右するような状態でありまして、目下その点を各県と、あれは千葉県と埼玉県でありますが、両県に向つて交渉いたしております。或る程度までは進んでおりまするが、まだ現地でこれを発表する段階には至つておりません。併し我々の心組みでは、これも成る程度うまく進むのではないか、こういうふうに考えております。
  11. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 一昨日の委員会で見返資金はその年度に割当られた見返資金を使わんと、その事業はたち止めになるかも知れんというような話をちよつと聞いたのでありますが、そういう危險から心配ないということで結構だと思うのですが、それに関連して実はやつぱり見返資金でやつて貰うことになつ五十里ダムですね、五十里堰堤、これが突如中止なつたということを聞いたのですが、これはどういう理由であるか、大臣でも誰でも御説明願えれば結構だと思います。
  12. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 岩崎さんにお答え申上げます。五十里堰堤中止というような新聞記事が出たそうでありますが、これは誤りでありまして、そういう事実はございません。
  13. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 実は一昨日の委員会赤木委員がこの五十里堰堤の方を見て参つたところによると、とても今年中に予定通りできそうもないと、そう言うのを私聞いておりまして、而もその日の新聞を見るというと、これが中止なつたとあり、そういう年度内において予定通り行けないという見当が付いたからこれはやめさせられたのかと、そういう心配をしたのですが、それに関連してこの江戸川の問題なんかもそういうことがなければいいがと思つて念願しておるわけです。どうかその点も心配ないように一つお願い申上げます。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 先程河川局長はこの見返資金による事業も、無論二十五年度事業もそうでありますが、年度内にやつてしまうという固い決意をお持ちのようであります。そこで、私の承わりたいのは、この見返資金の金でありますが、もうすでに八月になり、場所によりますと、十月一ぱいで、十一月からは仕事のできない所もある。そういう場所についてもすでにこの見返資金の各月割と申しますか、もう現金化されているのでしようか、どうでしようか。今見返資金の、仮りに一億の仕事をお前の方にやるといつても、現金化されていないものは実際我々現場におつた者の経験から行きましてもできない。果してこれは現金化されておる問題ですか。それをお聞きしたい。と申しますことは、こういう予定を作つたが、関係方面から金を呉れなかつたからできなかつた、そういう逃げ言葉を今までたびたび聞くのです。でありますから、そのことをはつきり聞きたい。
  15. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) 今まで大分見返資金は遅れたのですが、遅れたという半面、我々としては仕事準備相当忙殺されておつたので見返資金が、実はそういうような尨大仕事をやりますことは、赤木さんのおつしやる通り相当準備が、設計が要ります。その時間は、決してその遅れたための時間は空費されていないと我々は信じておりますが、幸いにして成る程度見通しが付き、承認を受け、今度は資金の解除と申しますか、そういうふうな手続が済みますれば現金化されると我我は信じております。從つて今月末か遅くとも来月の初旬には現金化して仕事に着手できるのじやないかという希望を持つて実は手がけておるのであります。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 先程機械の問題で、機械も少いから場合によつて請負者機械も借りねばならんとか、請負者にお願いするとか、或は私の聞き誤りかも知れませんが、今日機械も少い、從つて機械請負方ということも聞いております。そういうふうにいたしますと、直轄工事の生命は今までと大分変つて来ます。これに対して局長直轄工事を今までの形の直轄になさる方針でありますか、或いは名前は直轄で事実請負にする、こういう方針ですか、それをはつきり伺いたい。
  17. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) 我々は、直轄工事請負工事どの比較は今まで大いに議論されておりまして、直轄工事のよさ、直営工事のよさというものもあり、請負工事のよさも我々よく知つておりますが、ここに見返資金のような大きな事業が突発的に起きまして、而も人員の増員は罷りならんということであります以上は、我々としてはこれは請負工事にするより仕方がない。而も今までのような中途半端な請負工事はやめまして、堂々たる請負工事で行きたい。而も請負の選択には相当愼重を期しまして、一定の基準の下にこれを選択し、請負人の責任を相当追及して行きたいということでやりたいと考えております。從つてこれが直轄請負の今まで議論されたその議論の論拠が立証されるよい機会ではないかと、かように考えております。
  18. 赤木正雄

    赤木正雄君 私大臣にお尋ねしたいのでありますが、併しこれは次官もいますから、大臣お忙しければ別に今日に限つておりませんが、この次に大臣のお暇の時にゆつくり伺いたいと思います。
  19. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 今日は三時までよいそうです。
  20. 赤木正雄

    赤木正雄君 大臣に時間の十分おありの時に……。
  21. 江田三郎

    江田三郎君 先程の説明の中の特定地域総合開発調査費のあれは新らしく申告審議会ができてその候補地を決めるのですか。
  22. 澁江操一

    説明員澁江操一君) この特定地域選定の仕方でございますが、これはあの総合開発法の全体の問題といたしまして、この順序といたしまして、やはり各府県の、一つ府県なり或いは地方を單位といたしました計画が出て参りまして、これを建設省に各府県乃至地方から持つて来る、これを持つて来る前提といたしましてそれぞれ国土総合開発地方審議会そういうものを通り、それを中央で受けました後におきましては建設省から安本に提出いたしまして、安本各省意見を聞きつつ中央審議会にかける、とこういう順序になつております。で今の特定地域の決め方の問題から、そういつたような段階を踏んで決められる、こういうふうに考えておるわけであります。
  23. 江田三郎

    江田三郎君 そうすると千二百万円というのはこれから使われるわけで、まだやつておられんわけですね。
  24. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域総合開発は三年程前から、法律はございませんでしたが実施しております。その方法としましては、四十数ケ所の有力な候補地から特に国が特定開発地域として開発する方がいいか惡いかということにつきまして、建設大臣経済安定本部と相談いたしまして、協議をいたしまして、その結果現在十四地区が選定されまして、各般の調査をやり、一部分公共事業費の合理的な使用、そういうふうなことにつきまして実施中のものがあるのであります。それで法律は前国会制定されたので、予算措置はその前から從来通りつておりますので現在まで十分……監理局長から御説明申上げました調査費の一部は、すでに今後の用途等につきましては審議会法律に基く審議会ができましたならば審議会決定された方針によつて行われるわけであります。
  25. 江田三郎

    江田三郎君 そうしますとこの前配つて頂いた概要書でございますね、ごこに出ておるのは、今後中央審議会を開いてこれが特定地域総合開発の適地かどうかということはその後決めるわけですね。
  26. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 法律に基く指定地となりますのはその後でございます。
  27. 江田三郎

    江田三郎君 ここに挙つておるのは、一応これで完了しておるのですか。
  28. 落合林吉

    説明員落合林吉君) まだ完了しておりませんで、調査もし、それからその計画に基きまして事業の実施も今進捗中でございます。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 それからもう一つお伺いしたいのは、総合開発計画を今まで建設省の方でおやりになつてこういうものをおやりになる以上は、実行するためにやられたと勿論思うわけですが、又この計画書を見るというと、大体昭和二十四年から五ケ年計画というようなことが書いてあるわけですが、そういうときに建設としては事業の実施をするのはどういう形でやろうというお考えを持つておられるか、例えば国がやられるとか、或いは公社的なものを作つてやるとか、或いは民間会社を作つてやるとか、その所々によつて違うとしても、大体根本的には建設省としてはどういう事業主体かどういう資金を以てやるのが一番いいとお考えになつておるかということをお伺いしたい。それに関連してこれは河川局の方の確定的なものではないと思うのですが、河川局の方で、ちよつと聞きましたら治山、治水と利水の総合計画を何か作文しておられて、それを見るというと、やはり公社方式、TVA的なもののように考えられるのですが、ああいう考え方が一つ建設省考え方の中心になつておるのかどうか。
  30. 澁江操一

    説明員澁江操一君) 今の御質問に対するお答えに或いはならんかも知れないのでございますが、これは具体的にそういう方針を立てて行くということに結局なると思うのでございます。公社方式、或いは民間資金でやる、或いは公共団体乃至は国でやるというような方式を探るか、これはその場合場合によりまして違うと思います。計画の中には勿論道路とか河川とかそういつたような現在の公共事業で実行しておる面もあるわけであります。そういうものが計画の上に出て来てこれを事業化するということになれば、河川乃至は道路部分はこれは公共事業費で国がやるという建前になるということは当然予想されるのであります。その外の民間事業でやつておりますものを、この際公社方式で特に開発する部門について考えておるということは必ずしも一概に言えないというふうに思つておるわけであります。建設省として独自の一つ方針といいますか、そういうものがあるということは聞いておりません。
  31. 江田三郎

    江田三郎君 河川局はどうですか。
  32. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) 私のところは河川総合開発、総合利用といいますか、その観点から計画を立てておるのでありますが、これを実際に仕事をやります場合には、現在では公共事業費でそれをやつて行くということになつて、ただ現在御承知の通の水資源の活用は相当重要であるという観点から、この水資源を他目的のために活用する方式を採つて、その方式は私共としてはTVAの方式と似てるおのでありますが、TVAでやつておるような、その方式はそうでありますが、組織まではまだ行つておりません。将来或いはいろいろ総合開発の方から、或いは他の方からそういう意見が出て参りますれば、或いはそういう形に変つて来るかと思いますが、今のところはそういう見地からでなく、ただ仕事そのものを高度に利用するという方式の下にやつておる、こういうことに過ぎないのであります。
  33. 江田三郎

    江田三郎君 もう一つお尋ねしますが、この経過概要を見ましても、こういう特定地域が決まつたら、そこに対して公共事業費について特段の考慮が拂われるということが書いてありますね。いずれこういうことだからして、公共事業費をそこに集中されるだろうということに解釈できると思うのですが、そういう特に特定地域を作られて、公共事業費を集中的に使われた場合に、その開発の企業形態が民間資本でやるというのは、私などから考えますと、どうも不適当のように思うのですけれども、そういう点についてもう少しはつきりした考え方というものはまだ建設省にはないのですか。
  34. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今までの経過を御参考に御説明申上げます。只今までは丁度お持ちになつております経過概要のように、各特定地域で一応合理的に各般の計画が実施されておるのでありまして、そこでそれを建設省で十分審査いたしまして、例えば特定地域の中に只見川なども入つておる地域もございます。そういたしますと只見川を開発をするというふうなこと自体については、非常に大事業になりますので、建設省として一つの案を持つというわけには、実施方法をどうするというようなことまでは考えておりませんが、併しこの計画が確立されておりまして、その地域に将来必ずこういうふうな発電所ができる。そこに発電所を設置するためのいろいろな資材を運搬する道路が必要である。その道路が、現在県の方で林産物を搬出したり、一般の交通に供する意味合いから重要であるというふうなことが十分調査研究されたものにつきましては、外の通路と比較いたしまして、優先的にその道路改良をやるという程度のことを今までやつて参つたのであります。今後は審議会等でその計画がもつと嚴密に審議されまするので、今後はもつと具体的にいろいろな施策が行われるかも知れませんが、從来までは、ただ公共事業費を将来の計画とマッチさして有効に、それから幾分優先的にやつて、将来の計画を実施する際の呼び水とするというようなことを、建設省といたしましてはこの二年度程やつて参つた次第であります。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 この前の委員会には河川局長は欠席されておりましたが、私はこの前の委員会で、見返資金を、あの厖大な金を年度内に使い果すためには、どうしても、請負は当然必要であるということをはつきりいたしまして、請負工事を決して否認いたしておりません。併し請負をなさる場合に、どの請負に付していいか惡いかというのは、これは直轄工事に準ずるものでありますから、そこに相当の確たるお考えをお持ちになつて、つまりできた仕事が後日災害の原因となるようなことがあつては困りますし、請負そのものに対して、相当の資格と申しますか、嚴重な検討をお加えになることと思いますが、これに対して相当のお考えをお持ちになつておられましようか。
  36. 目黒清雄

    説明員目黒清雄君) それは我々としては非常に関心を持つておることであります。今まで正直のところを申上げまして、請負工事に対する経験が浅いのであります。又請負人の選択についても從つて知識が残いということは否定できません。そこで一応我々としては、或る程度の制限を加えるといいますか、基準を示さなければならんと考えております。そこでその基準の点ですが、請負人の基準と申上げましても、一応の資産の基準はでき上ります。これは財政上の問題ですから、これも信用の程度で基準を作らなければなりません。それから過去の経歴というものも一つの基準に相成つております。それから現在我々は、これだけの事業をやりますると、どうしても機械力が必要であるという観点から、機械の保有量による制限が必要と相成つて参ります。それから一番大事なことは、それを監督する技術者がしつかりしておるかどうか、経験を持つた技術者がおるかどうかということが重点に相成つておりますので、これらの点を考慮いたしまして、一応のスタンダードは設けましたが、このスタンダードというものは、やはりスタンダードでありまして、この線から以上の請負人は多数あると思います。その線以上の有資格者というものが相当あると思います。從つてこれらの有資格者をそのまま採用するということには行かないと思います。もう一つは、請負人中央業者と地方業者との力の問題であります。中央業者は、組織はさすがに立派でありまするが、そのために経常費というものが相当かかるということは御想像願えると思います。地方業者は、組織は小さいのでありまするが、それだけ経常費が少いために、相当節約ができるという点もあります。そういう点で、中央業者と地方業者との適当なる融合、競争という点も十分考慮に入れて行かなければならんと思います。それに基く選択は、工事の責任者であるところの地方建設局長がこれを掌ることになると考えております。
  37. 柴田政次

    委員長柴田政次君) ちよつとお諮りいたします。経済安定本部建設交通局次長の今泉君が参つておりますから、これに対する御質問があつたらお願いいたします。
  38. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつと速記を止めて下さい。
  39. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 速記を止めて。    〔速記中止
  40. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 速記を始めて。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に私は、事務当局でよろしうございますから、この次の委員会までに希望を申して置きます。それは、ちよつとお控え置き願いたいのですが、二十五年度の砂防直轄工事の中の北上川水系、これは膽澤川、それから信濃川水系の高瀬川、それから斐伊川、山国川、大淀川、これが施行区域がどの区域になつておるか。その区域の大きさ、直轄施行区域、それからこれを官報に告示された日にち、それをお調べ願いたい、これを注文して置きます。
  42. 石川榮一

    ○石川榮一君 国土開発法ができまして、全国的に特定地域審議にお入りになるのですが、私共利根川の沿線に住んでおります者から見ますと、河川の荒廃が、御承知のように、非常に激しくなつておりまして、その河川費の応急災害工事さえ思うようになつておりません。又根本的な改修計画も各河川ごとにできておりますのですが、これにも予算がありませんで、その緒に付いておらないというのが現状なのであります。かような財政難のときに、更にこの国土開発法というようなもので全国的に十ケ所に亘り特定地域を決めさせて、そうしてその構想を実現するために建設行政を推進するというふうに考えられるのでありますが、私共から考えますと、これは非常に結構な構想でありまして、何も構想なしに仕事をすることは非常に計画性がありませんから、国費の濫費に陷る点もあり、あとであのとき同時にやればよかつたというようなことも起ろうと思いますので、非常に結構なんですが、この国土開発法なるものは予算化すべき見通しがあるのかどうか。私はどうも現在の河川のあり方から見まして、根本的な改修計画の緒にも付かない、災害復旧工事さえ思うに任せないというような現実の国家財政の面からも考えまして、これは理想を、一応理想的な構想を描くというだけに陷るのではないか。いわゆるこの法律は立派な法律であります。計画性を持つ立派な法律でありまして、予算がありさえすればどしどし実施に移して行きまして、国土の開発並びに経済の再建の基盤を作つて貰いたい。現在の予算状況ではややもしますと、総花的になりまして、各所の特殊地域が着手したばかりで数年も或いは十年も二十年も放つて置くというようなことが起るのではないか、こう考える。從いまして国土開発法の狙いといたしましては、先ず第一に、この河川の改修を中心に取上げて貰いたい。あらゆる河川直轄河川河川とも皆荒れ切つておりますので、主として富の再生産といいますか、未開墾地の開発と申しますか、こういう点は非常に結構でありますが、それより先に、すでに既耕地が非常に荒らされて、正に本年の水にも荒されたというような現状から考えまして、国土開発の線は、構想としては結構でありますが、河川の改修、水魔を国民から絶つということに重点を置いて、この国土開発の構想をそこへ集中して貰いたい。私共に言わせれば、この国土開発計画はややもしますと総花的であつて、国民を喜ばせるに堕してしまいまして、実施が思うように参らない。結局うやむやに陥りはせんかと心配するのです。むしろそういう方面に、各地に使いますと、全国的に荒れております今の河川が改修が遅れてしまう。こういうことすら考えられるのであります。今日の河川に対する予算の割振りから見ますと、非常にその点を心配するのでありますが、国土開発の審査に当りまして、できるだけこの直轄河川その他荒廃し切つた河川中心としてその改修を眼目に置いて、そうしてこの国土開発法の実施を進めて貰いたい。かように思うのでありますが、この国土開発法のできましたその構想につきましては、私共賛成でありますが、その審議に当りまして、この地域を決める場合、最も荒れた被害の大きかろうと思う地区を先に指定して頂きまして、重点的に改修の実施を行うような方法にまで行つて貰いたい。かりそめにもうこの法律に縛られまして、冗費と言つては甚だ言葉が過ぎると思いますけれども、ややもすると計画倒れになつてしまつて、幾年経つてもこの開発法審議にかかつてしまつて、通つたところのものが、できない。どこもそうである。それに要する経費相当かかつておる。その半面河川の改修もやはり思うように行かないんだということでありましては誠に遺憾であると思いますので、この点に対する建設省の心構えをお伺いしたいと思います。
  43. 澁江操一

    説明員澁江操一君) 只今石川委員から御発言になりましたことは極めて重要な問題でございまして、私共もその点についてはひそかに心配をいたしておる点でございますが、仰せの通りやはりこの国土総合開発法の名に借りましていろいろなる計画が出て参りまして、その事業化の裏付に極めて時間を取り、計画倒れになるということは、この国費の使い方の面から見ましても十分戒心して行かなければならないものだというふうに考えております。從つてこれは今後の問題になりますけれども、やはりそういつたような点が中央審議会なり、更にはこれに関係いたします各省なりが、それぞれ重要なデータなり、そういつたような計画を総花的にならないように、やはり集約した目標の下に計画を立てて行くというようなことは、これはやはり一応お考えの中に入れてやつて行かなければならないというふうに全般の問題としては考えられておるわけだと存じます。ただ今御指摘になりましたこの河川の災害復旧乃至は改修の非情に遅れておる問題に対しての手当が十分でない現状に更にプラスして、そういつたような総合計画を立てるということは余程考え物であるという御趣旨のようでございますが、その点は実は全くこの法自体の中にもその趣旨を特に織り込んでございまして、第十條におきまして、特に災害の防除を必要とする地域はこれは特定地域として取上げて行くといつたような考えも盛り込まれておるわけであります。そういつたような点で今のような御指摘になりましたような問題は、これを一つ計画的な行き方で取上げるということになります。十條の特定地域、そういつたようなお考えの下に計画的な改修、災害防除をしたいということも考えられることだと存じておるのでありまして、そういつたような点は今後の運営として十分御意見のあるところはよく拝承いたしまして行きたいというふうに考えております。石川榮一君 もう一つは、先程来岩崎先生からも御指摘がありました見返資金による江戸川の改修が、この見返資金から五億近くの金が頂けることになつて、十月末までにこの金の処理が付かないと或いは見返資金使用は不可能になる、中止されるのじやないかというようなことを伺つておる。私共埼玉県に住んでおりまして、江戸川の水域の状況を聞いておりますと宝珠花は二百余りも殆んど市街地になつておる、ところが全部これは河底に沈むわけであります。その他沢山の美田が、穀倉地帶が犠牲になる、これに対しましては勿論地元の方々も観念しておりまして、利根川の水魔を絶つための犠牲である、人柱になるのだから止むを得ない、かように諦めてはおりますようでありますが、とにかく先祖以来土着しておりまするその住民の気持になりますと、真に私共聞いておりまして、涙なしには話が聞けないような状況になつております。仮りにこの宝珠花のあの全市街地を移転するような場合、直ぐ起る問題でありますが、ここをどこへ移転したらいいか、それからその村を新らしき村としてどういうふうな形態で救つたらいいか、それに対する補償はどの程度したらいいか、これはいろいろ案があろう思います。利根川だけにいたしましても、これから引堤か各地に起りまして、現在の江戸川の諸犠牲以上に上流におきましては、川邊村、利島或いは村君村等に沢山そういう部落ごとに河底に沈む所があるのであります。これらの方々も非常に重大なる関心を持つて江戸川の第一次改修計画の本年度当たらんとしておるものを注意をしおります。万一この施策を誤りまして、昔の官僚のような気持で強制力を以ちましてこの工事の施行をあせるということになりますと、怖るべき事態が発生いたしまして、或いは改修を阻むことができるのではないか、こう心配するのであります。この点につきましては、定めし本省におかれましてもいろいろ御心配下すつておると思うのでありますが、努めて率直にその犠牲になる方々、住民層の方々の意向を率直に聞いて頂きまして、できるだけ予算の面で、或いは精神的な面で、或いはその他行政上の立場から土地の提供をするとか、或いは住宅街を作るにいたしましても、計画を立ててやるとか、随分いろいろなお世話をやりませんと簡單には移転ができないと思うのであります。そういうような羽目に入つております江戸川沿岸の住民の方々の気持をよくお酌み取り願いまして、余りにあせり過ぎまして功を一簣に欠くようなことがありますと、将来の河川改修に重大な影響をもたらす、或いは利根川にしましても、あらゆる河川の根本改修ができないような状況になるのではないか、こう思いますので、私共県に住んでおります関係上、できる限り国の要請に從うように地元の諸君に納得を求めますが、言語の使い方、或いは応対の仕方等も相当強く刺戟を與えるようであります。どうか細心の注意を拂つて頂きまして、江戸川の第一次改修計画の集団的な移転等につきまして、十二分の御高配を願いたいと思います。いずれ地元からもそれぞれ案を具しまして陳情があると思います。又本省におきましても、折角只今御研究中だと伺つておりますが、成るべくこういう際でありまするから、国のために犠牲になるものに対しては、よく国はあれまで奮発をしたというような地元民救済の方法をとつてもらいたい。国のためだから個人は犠牲になるべきだ。金の面からもあらゆる面から犠牲になるのは当然なのだという考え方が今まであつた、そういうことでありますと、今日の民主的な気持を持つております住民には絶対に相容れないものとなるのであります。併しながらこれには随分思想的にいろいろな暗躍があろうと思いますが、思想の面は私共は飽くまで拜除いたします。ただ取扱い方、補償の方法、その金額等につきましては、相当国家としても手厚くして頂けるように予め御研究置きを願いたいと思います。これは希望でありますから、別に答弁を必要といたしません。よろしくお願いいたします。
  44. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 石川君にお願いいたしますが、只今安本の方の見返資金計画につきまして御説明かたがたお話がございますから、あとの御質疑に対しましては後日に讓つて頂くことにお願いいたしたいと思います。
  45. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 私安定本部の建設交通局の次長の今泉であります。只今お手許にお配りいたしました昭和二十五年度見返資金公共事業計画表、これにつきまして今までの計画と、それから閣議決定並びに関係方面との折衝の結果、目下の進行状況等につきまして御報告を申上げて置くのが適当と思いますので、これから御説明申上げようと思います。  一枚数で大ざつぱに書いてある点を御覧願いたいと思いますが、先般の閣議決定によりまして、こういつた大枠といたしまして、河川関係に二十二億、砂防八億、農業二十七億五百万円、道路四十三億一千万円、航路標識三億三千五百万円、保安通信一億五千万円、結核病院五億円、こういつた閣議決定をいたしまして、その詳しい内容は別表に挙げてあります通りでございますが、これに基きまして関係方面と今日まで折衝して参りました結果が、ここに承認額といたしまして百億四千二百九十万円、未済が五億円、こういう状況になつております。こちらの詳細に書いた方に丸をつけてございますが、尚丸の打ち方がちよつと足りない点がございますが、一枚紙の下の方に印旛沼というのがございます。下から五番目でございますが、その印旛沼の下に九頭龍川、野州川、東條川、小坂部川、それからその一枚めくつて嘉瀬川、これもすでに折衝の結果、向うの承認を得ましたので、これが丸印をやはり同様につけて頂きます。それで一枚目におきましては、こちらの閣議決定と向うと食い違いました点はありませんが、ただこの中頃に吉井、信濃、石狩、筑後と書いてございます。これはこの四つが書いてない表もあるようでありますが、これがその後関係方面との交渉の結果、尚閣議の御了解も得まして、もつと河川関係を重視したがいいのじやないかということで、おのおの一億ずつ追加になりまして四億円というのが入つております。丁度中頃の辺に吉井、信濃、石狩、筑後と書いてありまして、四億円と書いてあります。從つてここの河川関係のところで、一枚紙の予定額の二十二億というのが、承認額のところで二十五億という食い違いになつておりまして、三億殖えていることになつております。これは最上川の下のところの吉井川、信濃川、石狩川、筑後川、これはおのおの一億ずつで四億の追加、それから五十里が当初四億であつたのが三億になりまして、結局当初の計画は五十里が一億マイナスになつて、四本の川が四億入つたために、この一枚の紙で二十二億という予定額が、承認額は二十五億になつている、こういうことに相成つております。それから二枚目の方をめくつて頂きまして、道路の中の関門隧道というのがございます。その前に道路の中の東海道整備でございますが、これを閣議原案では当初二十二億になつておりましたがこれが関係方面の意向によりまして十八億ということに減額になつております。それからずつと道路の下の方で関門国道隧道というのが二十五年度に二億入つておりますが、これは向うの固い拒否で全然こちらはもう交渉の余地なく、とうとう日本の政府側としても折れざるを得なくなつて削除になりました。関門国道が落ちました、それからずつとその下の方で観光道路ですね、日光、中禪寺湖畔という観光道路、これも向うの意向によりまして落ちました。それから一つ置いて(e)の磯部、賢島(三重県)これも落ちました。それからその次の石巻、気仙沼、これも落ちました。変更になつたのと落ちたのとは今申上げた通りでございまして、一番最後に結核病院施設として五億載つておりますがこれが現在まだ、未決定です。関係方面の意向は、ストレプトマイシンというものが今度非常に普及させることになつたならば、こういつた結核病棟というものをそう増す必要がないのではないかという意向に対して、厚生省としては、幾らストレプトマイシンが普及されても結核病棟はまだまだ必要なのだということで、まだ当方と先方との間に意見の食違いがございまして、どちらも確定的に折れるとも採用するとも相成つておらん。日本政府としては尚一層詳細に理由を付けて、是非通して貰いたいという意味で今日まだ未解決、こういう状況になつております。從つてこの五億円が採用になるかならんか、今後どれだけ一体金額が残るかという問題になりますが、結局この五億円が仮に採用になつたといたしますれば、この承認額の十四億四千二百九十万というものと五億を加えた金額で、後が残と、こういうことになるわけでございますが、それに対しましては、候補者としては第一義的な候補者として四つ五つ残つております。が併しこの五億が落ちるか、上るかということによつてその内容も変つて参りますので、今日どれが採用になるかということはまだ判明いたしておりません。併しながら閣議の意向としては、若し仮にこれが落ちたらばこういつたものは第一義的に考えて呉れということで、まあ閣議の意向を向うに反映して出しておりますものは道路で、この環状六号線、品川から板橋方面に拔ける環状六号線、それから広島と長崎の道路と橋梁でございますが、それと呉地区で非常に失業者があそこに最近特に発生したという理由で、呉の周辺の砂防関係、それから閣議では一旦金額の点で枠がないというために落ちた問題でございますが、漁港、燒津と三崎と長崎、全国的な港のうちこの三つだけは何とか考えて呉れんかという特にあれもございまして、この三つの漁港が候補者に上つておる。今申上げた候補者が、この五億が採用になるか落ちるかということと、後の残額との兼合いの問題で、どの程度これが入るか、こういう状況に相成ろうかと存じております。そして今まで承認を得た分につきましては、それぞれ各省におきまして計画をいたしまして、安定本部の方にその事業計画の認証も出して頂きまして、もうすでに安定本部の認証は済んでおります。それから大蔵省の方に廻つて、大蔵省の方から司令部に対して見返資金解除申請を今やりつつある、こういう状況でございまして、一番早く認証の済んだものについてはすでに司令部に解除申請が行つている筈でございます。從つて見通しといたしましては、先程建設省の方からもお話がありました通り早い時期に、今月中、遅くとも来月上旬あたりまでには実際の使用可能な状況に運ぶのではなかろうか、政府といたしましても特に司令部の方に懇請いたしまして、この金を早く現金化されるように特に懇請しておる次第でございます。
  46. 赤木正雄

    赤木正雄君 安定本部にお伺いしたいのは、見返資金の中には殆んど全部直轄工事になつていて府県工事にはされてないということをこの前の委員会で聽きましたが、これはどういうわけなんですか、その理由を伺いたい。
  47. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) これは関係方面の非常に強い希望もございまして、見返資金を使う以上は国家的な重要な事業に使え、国家的な重要な事業ということはまあ向うの感覚ではやはり国が直接取上ぐべき事業直轄事業である、こういうふうな向うの御意見によりまして、当初はもう直轄に限る、形式も実質も直轄に限る、こういうような御意見でございましたが、その後お聽きになつていると思いますが、この中には国道だけでなくて県道も今度は現在変更になつておりますものは採用になつております。これは從来から言うと県道は県の工事としてやるわけでございまするが。今回はこれは形式は県道であるけれども、これを直轄ということに引直して、つまり請願工事ということにして取上げてよろしい、向うの方の承認を得まして若干從来の直轄でないものが今度上つた、こういう状況でありまして、向うの国家的事業直轄工事という感覚と大分私共と感覚の相違がございますが、初めからそういう向うの御意思でもう見返資金公共事業、而もその公共事業の中でも直轄だけに限定するのだ、補助事業では使つちやいかん、こういう初めからの向うの趣旨で、閣議決定も我々の事務的プランもそういうふうにいたしておる次第であります。
  48. 赤木正雄

    赤木正雄君 補助事業とおつしやいますが、御承知通り直轄工事もその中の三分の一は府県が負担するのであります。でありますからして、あなたの方は補助事業とおつしやいますが、安定本部の方としてGHQの方にもつと府県工事直轄工事内容、例えて申しますと、道路にいたしましてもなかなか府県工事でも重要な道路があるのは御承知通りです。これを又県の方面にさせたら特にそう無理をしなくても工事ができる、それを全部直轄にする。そのために直轄にして人を殖してはいかん、そういう無理なことがありますから、施行に非常に矛盾を来たしておる。これに対して安定本部はどういうお考えを持つておりますか。
  49. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) その点につきましては全く御意見通りでございまして、その点について我々といたしましては総司令部と大分その点で当初から論議を重ねたのでございますが、どうしても向うの形式上直轄工事ということに限定し、それからたとえ実質が県のあれであつても、今言つた道路の県道等についても請願工事という形において国が直轄でやるものに限定しろ、こういうことに相成つたのであります。
  50. 赤木正雄

    赤木正雄君 直轄工事ということになりますと、実際請負工事でやつておる場合に、これは向うの趣旨とは違つておるということになりませんか、その点をはつきり……。
  51. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 実際の工事の施行について国が直接やるのと、請負がある。請負はやつちやならんとこういう趣旨には向うは解しておりません。取上げて実施したいが国が取上げてやることでありまして、その点請負を全然やつてはいかんとこういう趣旨ではありません。
  52. 赤木正雄

    赤木正雄君 この各四半期ごとに金を配付されておりますが、仮に河川工事にいたしましても、砂防工事或いは道路工事にしてもそうでしようが、夏の間は仕事ができるが冬になれば仕事ができないことは今更申すまでもありません。從つて川全体を通じて夏とか秋、そういう時に沢山仕事をして殆んどその間に仕事をしてしまう。從つて第一四半期には殆んど仕事がない、併し或る河川においては第一四半期に大分仕事をする、その代り第二或いは第三四半期に仕事が余りない。こういう場合に川全体としてその年度の金を使えばあなたの方としては支障なしに金を出すことになりましようが、実際問題として、そうなすつた方が無理なしに仕事ができる。これに対して如何でしよう、これは安定本部の御意見を伺いたい。
  53. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 今お手許に配りました四半期別の内訳でございますが、これは当初司令部に出すときの一応案として出しましたのでございます。今日決つた後で実施計画を立てて頂くまでには、大分新聞のズレもございましたものですから、今日実際に各四半期ごとに認証して各省から出して頂いたものが、これと大分違つておりまして、実際の工事可能な、而も有効に使う意味においては、各四半期ごとに必要なとき余計出す、使わないときには少く出す。その辺ぬかりなくやつておる次第であります。
  54. 赤木正雄

    赤木正雄君 それからもう一つ河川工事と農業用水と言いますか、例えて申しますと印旛沼と利根川改修は昔から大分河川改修の方で曰く付きのところであります。これはすでに河川の方とは計画の協定でもできたのでしようか、どうでしよう。
  55. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 印旛沼につきましては、農林省と建設省と前々から水位、水路の問題等につきまして、それぞれ御交渉がありまして、成るべく計画はもう一緒に合せれば合わした方がよいというので、数度の今まで御協議がありましたが、水位の関係でぴつたりこれに一致させるということが、どうしても技術上不可能だということでございまして、勿論この印旛沼の実施につきましては、できるだけ建設省の今後の御計画ということに合して行けるような計画を進めて貰つておりますが、完全にこれが一致するということは利根川の水位と江戸川の水位の比較の問題で、その河川に一致させることは技術的にどうしでもできないということは、両省の御了承の上今後建設省工事をやる上にも余り二重になり、或いは全然違つたような工事方法にならんようにということは十分打合せて農林省、建設省で進めておる。こういうことであります。
  56. 赤木正雄

    赤木正雄君 ではこの問題に対しては、全部一致していないように承わりましたが、それがために経済的に無理をするとか、或いはつまらんと言うと語弊がありますが、併し無駄な金を使うというふうなことは、将来起り得るようなことがないと確信してよろしいですか。
  57. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 今申上げたこの水位の問題で、どうしても解決のできん問題は後に残りますが、それ以外の問題では決して今度農林省のやろうという計画に無駄なことがないというように私共聞いております。
  58. 赤木正雄

    赤木正雄君 水位の問題を解決せずして、こういう利水と申しますか、治水の問題がうまく行くでしようか。私はどうもはつきりしないのですお教え願いたい。若しもそういうふうに尚疑問があるものならば、やほり時期が延びても、もう少し研究なさつた上で無理のないことをした方が、国の前途の利益になりますまいか。
  59. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 建設省の案は、利根川から印旛沼、手賀沼を通じてあれを東京湾に落す、こういう計画。それから農林省の方は印旛沼を東京湾に扱く、こういう問題でございまして、それぞれ遠大の計画としては建設省も省の計画としてはお考えになつているようですが、建設省の方がいつ実行計画へ入るかという問題、これも現在のところ目鼻がちよつとつきかねます。併し実施に移す際のやり方につきましては、両省今まで何回となく協議を進めておるのでありますが、併し今の何か技術的な協定では、利根川の方から印旛、手賀を通して東京湾に流すその水位と、それから印旛から東京湾に流すその水位の問題で、両者を同じ水路によつてやるということにはどうしても技術的に難慮があるので、できれば今度一緒にして落すことにして協定しこの考え方でやりますが、どうしてもその点が技術的に困難である。併しながら将来建設省がこういう大計画に、今度の印旛よりももつと大計画になると思いますが、大計画を実現した曉においては、今の技術的な問題でどうしても今の水位の問題は、解決できん問題であるが、何かその水路を合せることは困難であつても、将来抜く場合においては支障のないような方法で進めて行くという意味で、両者の話がついて行くと、こういうふうに私も承わつているのであります。
  60. 赤木正雄

    赤木正雄君 技術的な問題は、これ以上私は質問いたしません。併し私はやはりこれは今は各省の縄張争いということは殆んどないと思いますが、仮にこういうふうな川がありまして、これは農業用水といいますか、事実これを見ても河川工事と、どこが違うかという点が多々あるように思われるのであります。そういう観点から、或いはやはり治水と利水を一つの省にまとめて、これは国土でもいいし、或いはこれは農林省でもいいから、とにかく一本にまとめなければいかん、こういう理論を私は昔から持つていますが、安本としてはそれについて日頃治水、利水を見ておられますが、こういうふうに事実国策上と申しますか、現に行政機構の改革に対して、つまらん考えを捨てて、どうしたらいいか、率直なお考えを承わりたい。
  61. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 私も御趣旨の通り、今それぞれこういつた問題につきまして建設省、農林省、或いは通産省とそれぞれ所管が分れておりまして、所管が分れておると、互いにやはり連絡不十分というようなことで、齟齬をすることもなきにしもあらずということは私共も十分認めております。できればそういつたものを打つて一丸とした機構か将來確立されれば、国家のために非常に同慶に堪えないと存じます。併し現在の状況においてはそれぞれの沿革からしてなかなか一挙にそこまで行かないという状況にありますのでまあ不束ではありますが、経済安定本部というものは、そういつたものの上に立つて、こういつた総合調整をするということで現在進めておるのでございます。
  62. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 赤木委員にちよつと申上げますが、まだ住宅局長の方で説明が残つておりますので、それを伺いたいと思いますがよろしうございますか。
  63. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 住宅関係の二十五年度公共事業につきまして概略御説明申上げたいと思います。二十五年度の公営住宅は前年度に引続きまして大体同様の方針建設費の二分の一を地方公共団体補助をいたしまして、住宅建設を助成いたしております。その国費が三十一億円となつております。これによりまして大体一戸平均十坪程度の木造住宅を二万二千百戸、それから鉄筋コンクリート造及びコンクリート・ブロック造の共同住宅、アパートでございます。これを五千百戸合計二万七千二百戸を建設する計画を立てまして、すでに第二四半期までの事業を認証いたしております。本年度は特に都市の不燃化ということを促進いたしますために、不燃性住宅を比較的多く計画をいたしたわけでございます。事業の進捗につきましては、各都道府県市町村等を督励いたしまして只今着手をいたしておりますが、大体所要の用地は取得済みでございますので、計画戸数の大半はすでに着工いたしておるような次第でございます。尚公共事業ではございませんが、これに関連いたしまして住宅関係としましては、二十五年度新たに住宅金融公庫が設立いたされまして政府の資金を公準に百五十億出資いたしまして、これを二十五年度内に使うという計画の下に木造、鉄筋コンクリート造などを合せて八百戸の建設資金を融通するという計画を立てて、只今それを実施中でございます。住宅金融公庫につきましては前の議会に住宅金融公庫法の成立を見ましたので、その後この法律の施行、公庫設立の経過、実際の業務の運営などにつきまして一応御報告申上げたいと存じておりましたので、この機会に砦干時間を頂きまして極く簡單にそれらについて御説明を申上げたいと思います。住宅金融公庫法は五月の六日に公布になりまして、その法律によりまして設立委員を五月の八日に任命をいたしまして、直ちに準備委員会を開催いたしました。そうして政府に対しましてこれも法律に基きまして出資の請求をいたしました。五月十三日に総裁及び監事が任命になりまして、引続き六月五日に理事五名の任命、支所七ケ所の設置、それから第一回の政府出資五億がございまして、その日に設立の登記をいたしました。即ち六月五日に公庫の設立が完了いたしたわけでございます。その後公庫の陣容の整備、実際の業務方法、建設基準等を急いで取決めまして、又この業務を委託いたしますところの窓口の金融機関の決定、それから技術的審査につきましては都道府県に委託をいたしまして、第一回の貸付の申込の受付をいたしましたのでありますが、これを全国の各地を二段に分けまして、六月の二十六日には東京都など主要の五府県の区域について、それから七月の三日にはその他の府県につきまして申込の受付の開始をいたしました。五府県につきましては七月の十日、その他の地区については七月十五日に一応第一回の申込の締切をいたしたわけでございますが、その申込の状況を申上げますと、全国で件数にいたしまして二万九千二百三十七、金額にいたしまして五十六億三千二百万余円となつております。これは一般貸付と申しておりますが、一般貸付の年内の予定に対しまして戸数にしまして四〇%、金額にいたしまして五〇%程度に当つております。尚引続き第二回の申込を只今受付中でございます。第一回の申込の受付につきましては準備も十分できませんような関係で、この申込を受付ける区域を相当制限いたしまして、全国の都市の中の百四十五市町に限定をいたしました。それから店舗付の併用住宅などは対象といたしませんで、專用の住宅に限つたのでございますが、只今募集中の第二回におきましては区域も全国の二百数十の市、その外町村等も相当追加をいたしまして又店舗付の併用住宅も対象といたすというようなふうに対象を段々と追加いたしておりますが、将来とも受入態勢が整備するに從いまして拡充をして行く予定でございます。尚世間でいろいろとこの申込の手続、その他につきまして批判もあるようでございますが、何分多数の銀行にこの事務を委託するというような関係から不慣れな点もございまして、いろいろと改善しなければならん点が多々あるのでございますので、そういう点につきましては只今急速に検討いたしておりまして、さようなことのないようにいたしたいと努力中でございます。  以上簡單でございますが御報告を終ります。
  64. 田中一

    ○田中一君 今の住宅局長の説明は伺いましたけれども、耐火構造建築と木造とはどういう比率になつておりますか、住宅金融公庫の申込は……。
  65. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 一般の申込は大部分のものが木造でございまして、これは個人所有の住宅でありますから、勢い小住宅だけでございますので、鉄筋コンクリート等は非常に少うございます。ただコンクリート・ブロック造とか、簡易の耐火構造のものが若干ございますけれども、その数字はまだ調べてございません。その外にこの法律の第十七條第一項第三号に会社、法人が貸家経営をする場合に貸付するという規定があるのでありますが、これは主として鉄筋コンクリート造のアパートを対象とする考えでございますので、これは主要な都市におきまして只今この会社、法人の設立、すでに設立されたところもございますし、準備中のところもございまして、大体これらの申込が一万戸、戸数にしまして鉄筋のものが一万戸程度のものは出て来るのではないかというふうに予想しております。
  66. 田中一

    ○田中一君 一万戸と言うのは小住宅ならば一万戸という意味ですか。一戸というのは何坪くらいの標準でこれがなつておりますか。それから都市と地方との比率などもお伺いいたしたいと思います。
  67. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 只今何戸と申上げましたのは一世帶が入るためのものでありまして、間数とも違いますが、大体一戸が二間とか三間程度のものでございます。それから都市と農村、これにつきましては大体只今住宅難が都市において著しいのでありまして、これは戦災都市に限らず大体相当人の集団しております都市にこの仕事も重点を置いてやつております。先程申上げましたように、全国の二百数十の市と、それからその隣接町村などを対象に考えておりますので、純粋の農村漁村というようなところは、只今のところまだそこまでは予寡の関係もありまして手が拡げられない状態でございます。
  68. 小林亦治

    ○小林亦治君 都府県によりまして貸付の最高限を十五万、或いは十八万というように区切つておるところがあるようですが、何かそれには根拠がありますか。それから只今のこの都市との比率の点がはつきりしませんから、もう一遍御説明願いたい。
  69. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 府県によつて十五万とか十八万とかというふうに区切つているというお話でございますが、これはどういう意味ですかちよつと分りかねますが、こういうことはございます。標準の坪当り建設費が幾らと坪数を掛けまして幾ら幾ら、それの大体七割五分を限度として貸す。これに又土地の買收費の七割五分、それを計算しまして、十八万何千円とやつた場合に、手続の関係から万円單位に打切つておりますので、或いはそういうことになつておるかも知れません。貸付限度のとしましては十八坪に標準の坪当りの建設費を掛けて、それの七割五分、これが全国的な限度になつております。この坪当りの建設費は地方によつて違いますので、東京ならば木造で一万八千円とか、青森県ならば一万六千円とか、そういうふうに決めておりますから、地方によつて違います。都市と農村の関係は指定しました区域だけ、そこに建つものだけを対象としているのでありまして、大体都市と隣接の町村、こういうことになつております。その比率というのは申込まれたものを、これを分析して調べて見れば分りますが、まだそこまで調査は進んでおりませんが、別に貸付の金額とか、戸数なんかを都市は幾ら、農村は幾らというようなことに決めてやつてはおりません。只今までは申込に対して八割を貸す、こういうことで抽籤をしてこれは決めております。つまり二割を落しまして、予算関係がありまして、申込全部を貸付の対象にできませんものですから、從つて都市でも町村でも、まあ町村というのは隣接の町村などですが、これの申込の割合に応じてどちらも同じ割合で決めております。
  70. 小林亦治

    ○小林亦治君 必ず八割でございますか。その場合になんじやないですか、大体申込の予定数というものを立てておるのじやないですか。
  71. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) お話のように申込の予定というものを立てておりますが、これは予算関係上必要なんでありまして、大体申込はこの地方じやどれくらいあるだろうという、一応の推定をして、それによつて受入態勢を整えもとか、それから毎四半期ごとに予算を組んで参りますから、そういう関係で必要なのでありまして、その予定数というものは実際の貸付の決定には使つておりません。申込に対して何割というふうにやつております。今はそうやつておりますが、将来はどういうふうにいたしますか。状況に応じて考えて行きたいと思います。
  72. 小林亦治

    ○小林亦治君 予定数に足らんでもやはり八割を一律にやつておるわけですね。
  73. 小川久義

    ○小川久義君 戦災地と非戦灸地の取扱は平等でございますね。それから僕は富山ですが、富山市には戦災に遭つて住宅を建てたいという希望者が非常に多い。ところが先日貰いました表を見ますと、割当が二百七十戸で申込が百四十五戸しかなかつたと書いてある。で実情を聞きますと、その数倍の申込があつたのだが受理しなかつた。申込んでも受理して貰えなかつたというふうな実情らしい。この点もお伺いしたい。  それからもう一つは、その土地の代金、土地の価格が余りにも実態に副わないで過少であるということが原因でなかろうかと思うのですが、土地の売買の金を拂うと家を建てる金がなくなるという実態もあるのですが、その辺はあなたの方で見積りになつて、この土地なら八百円ぐらいだ、ところが実際は八千円だという場合も多い。殆んどそういうことだと思う。で、富山でも一坪一万円くらい出さなければ買えぬ土地がある。それに対して五百円、八百円しか見積つていないということになるのだから、土地の代金を拂うと家が建たぬという実情にあると思うのですが、これらに対しましては特に戦災地で、好き好んで家を燒いたのではないので、誤まれる国策によつて家を燒かれたのであるかち、何かそれに対して特例を設けるお考えがあろかどうか、その点を一つ
  74. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 戦災地を特に重点的に考えるかどうかという、こういうことでございますが、只今住宅調査をいたしますと、終戦直後は別としまして、今日ではやはり非戦災地にも相当人が集まつている。又海外からも引揚げて来ているということで、家の数も多いですが、それ以上に人の数も多いということで、戦災地と非戦災地のこの住宅難の事情というものが非常にまあ接近しております。可なり全国的に住宅難が一般的になつておるような事情でございます。この住宅金融公庫の貸付につきましては、戦災地非戦災地という区別を全然いたしておりませんし、将来もその必要はなかろうかと思います。若干この庶民住宅やなんかの建設費、国庫補助住宅、国庫補助金の配分等につきましては、そういう点も考慮に入れて割当戸数を決めておりますけれども、公庫の貸付につきましてはその必要はないのじやないかと思つております。  それから第二番目に富山県の例についてお話がありましたが、申込が相当多かつたのだか、実際に受理したものはごく僅かしかないという、こういう点でございますが、お話のようにこれは富山県に限らず、全国的にこの申込をしようと思つてその用紙を貰いに来た人数が随分多かつたのであります。これを実際に申込書を出そうと思いますと、いろいろなやはり制約がありますものですから、この締切までにそれが間に合わなかつたとか、全然資格がないとかいうことで大分ふるい落されているようでございます。例えば二割五分は自己資金の頭金を用意して、そうしてそれで先ず工事にかかつて建前ができた程度になつてから初めて公庫の金を貸出ができるということもありますから、まあ毎月千五百円とか、二千円とか月賦金を拂つて貰うわけですが、その負担能力があるかどうか、まあ相当の收入かあるとか、そういうようなことがあるのですが、それに適合しない。或いは保証人をつけて貰うとか、保証人が急に間に合わんとか、或いは適当な土地がまだ手に入らんとか、そういうようなことがありまして、これはまあ大体におきまして必要な條件かと思いますが、その外余り必要でない、重要でないような点につきましても、先程もちよつと弁解申上げましたように、窓口が不慣れなために返されてしまつた。あとでよく聞いて見ますと、ちよつと直せば受付けてもいいじやないか。こういつたことが可なりあるのでございます。恐らくこれは富山につきましては知事さんからも伺つておりますが、どうも銀行の審査か可なり嚴重に過ぎたのじやないかという疑もありますので、調べておりますが、全国的にそういうような所があるかと思います。こういう一切の手続などにつきまして、必要以上のことを要求しておるというようなことは、これは戒愼しまして大いに改めて行きたいと思つております。  それから土地の価格の問題でございますが、これは地方別に土地の標準価格を決めて、実際の売買価格が非常に高い場合でも、その標準価格を最高限として、それの七割五分までしか貸さない、こういうことにいたしております。これは本来この家の建築費に対してまあ貸すということを目的としておりますが、これだけではやはり土地の入手にも資金を多少出して行かないと、実際問題として困ることがあるだろうというようなことで、土地の売買につきましても融資することにいたしたのでありますが、さればと申しまして、これを実際の売買価格全部貸すということになりますと、可なり多額の費用を要します。坪当り一万円、二万円というような非常に高い土地についても、その全額の七割五分を貸すということになりますと、その方に予算が集中的に流れるという心配がありますので、成るべく大衆的に一般的に貸すという趣旨から最高限度を抑えております。この最高限度の抑え方につきましては実情にそぐわない無理なところがございましたら、これはまあ本来の趣旨ではございませんから改めて参りたいと思いますが、大体におきまして無制限にこの評価額、売買価格について融資するということは如何かと思いますが、実際の今の標準価格が不適当だという面がありましたら改めて行きたいと思います。
  75. 小川久義

    ○小川久義君 今局長さんからの條件は日本全国共通だろうと思う。いろいろの條件が、その條件を一律に取扱いするように指導して頂きたいと思うのです。この表を見ましても〇・四しか申込がないところもある。二倍三培と申込のあるところもある。條件はいずれの土地においても同じことだと思う。從つて何かそこの取扱上一律に行つておらんところがあるのじやないか。まあ局長さんがちよつと触れられたように、銀行の査定が余りに強過ぎたのじやないか。又弱いところがある。それから申込の際でも緩やかに受理する場合が出て来る。嚴密に法にあつた以上に嚴重な査定をするところが出て来る。そこに不公平が出て来ると思われますので、その点は一つ十分御監督願つて、同一條件によつて貸付けして同一な取扱になるようにお骨折を願いたい。これは一つお願いをして置きたいと思います。
  76. 田中一

    ○田中一君 今大体お話を伺いましたが、木造の場合には償還期日が十五年になつておる。鉄筋の場合には三十年という償還期間になつておりますけれども、その場合に担保物件は当該建造物だけだというふうに規定されておるように拝見しております。今局長さんのお話の青森県では一万二千円、東京ならば一万八千円のいわゆる單価を以て建てる住宅が十五年間にどのくらい減損するか、償還期の十五年が経つて、一万八千円という單価の家が今我我が見ている住宅のどの程度になるか、そしてこれは十五年目にどういう姿になつているかということを十分御検討願つたものと思うのですが、無論耐火建築ですと三十年経とうが四十年経とうが、その現存の価値というものは減損されないと思います。木造建築の場合二割五分の頭金を拂つて、後の七割五分というものを月賦償還としている場合に、無論木造建築の場合に管理費がかかります。例えば障子の張り替えをする、或いは疊を替えるとか、いろいろな木造建築の場合には管理費がかかります。成る程單価は一万五千円でも一万八千円でも、耐火構造の方が高いかも知れませんが、償還期限は無論長い、倍になる。この場合に借りる人の実際の経済的な計算が、どういうことになるか、又途中において月賦金を拂つておる人が亡くなつた場合、その遺族はその建物の月賦償還金というものを負担できない場合に、これは売却しなければならない。売却するという場合は十年、十五年経つた單価一万八千円の木造建築がどういう形になつて現われて来るか。こういうことは長い間御研究なさつている建設省ですからお分りと思いますが、私考えますのに、どうもこの住宅金融公庫法の一番取つつき易い木造建築の場合において、借りる人間の負担が非常に大きい。負担し切れるかどうか。そういう点を非常に懸念する。殊に朝鮮事変が起きて以来というものはちよつと知つているところを調べて見たんですが、申込も曾て建設省が予定されたような数字にならない。都市におけるところの借入れというものに対しては逡巡しているという点もあると思います。これは希望でございますが、建設省がどこでも耐火構造建築、鉄筋コンクリートの集合住宅というものに対して、どこまでも專門に力を入れて頂きたいと思います。鉄筋コンクリートの集合住宅、或いは長屋でもいい。一階、二階の長屋でもいい、そういうものを共同住宅言つております。そういうもの を造る。経済的な算盤で木造建築を造つて十年経つて……、余りに木造建築には問題がある。十五年の長い月日ですから或いは病気で死ぬ場合もあり、失職する場合もある。その場合に残された建物の価値というものの計算をはつきり伺いたいと思うのです。そうしてできるならば只今申したように、木造建築に対する損得と鉄筋コンクリートに対する損得を詳しく説明すれば、私自身借りるとすれば、詳しい説明をされれば耐火構造が得だということが分る。木造建築に対しては、十五年で毎月毎月これだけの負担、コンクリートの方は倍の三十年で、金はかかつても負担は三十年ですからそれと同じです。三十年経つた後も、仮に五十万円で造つても、六十万円で造つても価値が変らない。損得といつた面からも、借りる人間のために親切にもう一遍御検討願つて、場合によれば住宅金融公庫法の改正、或いは住宅金融公庫運営においてその精神を強く推し出して、頂きたい。こういう考えを持つておりますが、お考えを伺います。
  77. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 木造の住宅が長い眼で見ると非常に不経済なものであるから、恒久的な住宅をもう少し推進するようにする考えはないかというような御趣旨のように伺いましたが、根本的な考え方としましては、もう双手を挙げて我々賛成でございます。又それのためにいろいろと今までも御承知のように努力をして参りました。建築基準法というものが前国会で成立いたしましたが、これについても耐火建築というものにできるだけ改めて行くような方策をとつておりまするし、又この住宅金融公庫にしましても、公共事業としてやつております公営の住宅にしましても、できるだけ恒久的なアパート式のものを多くするように努力をいたしております。ただ全部木造を否定するようなことは考えておりません。これは長年の住生活の慣習もございますし、一遍にそう改めることはできませんので、住宅金融公庫にしましても、都市の防火地域に建てる場合には少くともブロック造とかコンクリート造寺の簡易な耐火的な構造、簡易耐火構造と申しておりますが、それでなければその区域には貸付をしない。これは非常に見方によりましては、きつい制約を設けまして、これについては可なり非難もありますが、できるだけ強行いたしたいと考えておるわけでございまして、大体の御趣旨については賛成なわけでありますが、この木造を全然否定するということは、今時期尚早じやないかと考えます。それから木造の償還期限が十五年で、残存価値はどうか、こういつたようなお尋ねもございましたが、家賃統制令等によりますと、大体普通の木造の住宅などは二十五年を期限としまして、二十五年経つて一割ぐらいの残存価値がある。こういうような仮定の下に家賃の算定などをいたしておりますが、この公庫で作られますものは、少くとも二十年間は持つような構造の基準を決めまして、即ち基礎はこうしなければならない、土台はこう、柱、屋根はどうするというように二十年程度は十分持つ基準によりまして、その基準に合つたものだけに貸付をいたしております。でありますから、木造の場合でありましても、十五年経ちましてまあ何割と申しますか、相当の残存価値はあるもの、担保価値もあるものというように考えております。
  78. 田中一

    ○田中一君 今御説明を伺いましたが、十五年月賦の木造建築に住みまして、それを十五年にその家屋に要する費用、そういうものを算定した御経験はございますか。算定した数字が出ておりますか。私共いわゆる管理費と考えておりますけれども、実はこの住宅金融公庫から金を借りる方にも、無論戎々今までの長い伝統的な習慣から木造建築に直ぐ飛びつくということが考えられるのです。又六疊一問に五人も六人も住んでおつた環境から、やつと家ができたというので十坪、十二坪の開放的な日本の家屋に飛び込む気持は私は分るのでありますけれども、実際收入と十五年の分割支拂金とを勘考しまして、どういう数字が出て来るか。耐火構造建築というものと木造建築の場合と、金を借りる人間にとつてどういう数字が出ているか。或いは一万八千円を單価としてお認めになるならば、今日の情勢では二十万円か二十二、三万円で基本的ないわゆる住む家としての形はできると思う。そうした面の細かい数字をお示しになつて、耐火構造建築に進められるように、利害得失を明らかになさつて進められる方が住む人間のためにもいいのじやないかと思うのです。お話によれば二十ケ年持つということをお考えになつておるかも知れませんが、一万八千円の單価でできるかどうか、これをもう一度お伺いしたいと思います。
  79. 伊東五郎

    ○政府委員(伊東五郎君) 耐火建築の方が長い目で見ると結局お得ですというようなことで、国民にそれを周知させまして指導しまして、大いに不燃構造の住宅の普及を図る。こういうことにつきましては我々も十分考えておりますし、今度設立されました住宅金融公庫にもそういう指導をいたしております。何分まだ住宅金融公庫開店早々なのでございますから、陣容もまだ整備いたしておりませんし、十分手は廻りませんが、これは大変大事なことでございますので、これは是非懇切丁寧な指導、或いは現物を造つて一般にお見せするとか、そういうことをやりたいと思つております。只今東京で中野区に十数戸の簡易耐火を建設中でございます。近くでき上りましたら一般にお見せすることになつておりますので、その際に御覧願いたいと思いますが、そういうことを東京のみならず各地でやりまして、十分徹底するようにいたしたいと思つております。
  80. 小川久義

    ○小川久義君 議事進行について…、ここらで散会にしたらと思いますが……。
  81. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今の小川さんの御発議に如何でございましようか、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 御異議がないようでございますから散会いたすことにいたします。    午後四時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     柴田 政次君    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            石坂 豊一君            江田 三郎君            田中  一君            小林 亦治君            尾山 三郎君            久松 定武君            東   隆君   国務大臣    建 設 大 臣 増田甲子七君   政府委員    住 宅 局 長 伊東 五郎君   説明員    管 理 局 長 澁江 操一君    河 川 局 長 目黒 清雄君    管理局企画課長 落合 林吉君    経済安定本部建    設交通局次長  今泉 兼寛君