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石川榮一君 そうしますと今の
お話を伺いますと、締切りは六〇%今できておる、後の四〇%は今月の中に締切りは完了する。こういう
お話でありますが、そうしますと今月一杯で一応締切りが済むわけですが、残るところの堤外の大湛水、三千町歩に水が出ております。あの湛水の排除をやりますのに一台の、又はどういうポンプか分りませんが、
相当のポンプでありましようが、一台くらいのポンプであの湛水を排除するんだ
つたら私は
相当の期間が要るのじやないか、こう
考えるのであります。今
お話を伺いますと、止むを得なければ又見つけるという
お話ですが、そういうことじやなしに、もうどうしてもこの湛水を排除しなければならないのですから、
茨城県の
仕事であるとか、或いは農林省の
関係であるということを言わんで、とにかくあの破堤の
原因は利根の逆流によ
つて起
つたのでありますから責任の帰属をとやかく言うのではありませんが、
相当私は
建設省に責任があると
考える。そういうような点から
考えまして、
茨城県と協力して
一つもう少し力を入れて、何月同日までには大体計算上あの湛水は排除できますという見通しを付けて貰いたい。それというのは、近く千葉県の佐原に、これがためではありませんか、一部五県の
利根川治水大会に
相当痛烈な議論が地元から出ると思う。こういう点につきまして
建設省の方ではつきりした見通しを付けて置いて貰いませんと、非常に困ると思います。これはどの
河川を見ましても支川に対するこの
建設省の
堤防は非常に薄弱です。本川には
相当重点が置いてありますが、支川における
堤防は本川から見ますと大体一メートル乃至一メートル五十低いそうです。そういうふうにな
つておりまするから、自然支川における破堤が多いということになるんですが、その破堤は挙げて
利根川の水なんであります。その支川の水じやないのです。こういう点から
考えまして、この
小貝川の破堤にこりまして、私共は利根に
関係するばかりでなく、どの
河川もバツク・ウオターだけは全責任を持
つて、
建設省が責任を負うという立場をと
つて参りたい、そこで
地方庁と分合いをいたしまして、この面までは県がやる、この面からは国がやるということにな
つておりましても、その間が非常にスムースに行かないことが大変ある。従いまして
場所によりましては県担の方の
堤防が強靱であ
つて、
建設省がなすところの
堤防が手遅れになる。本川とその支川との間において県担の方が強靱である。又本堤が強靱であ
つて、その間に脆弱な面ができておるというのが大分あると思う。今度の
小貝川のごときも今の
お話を伺いますと、
相当に
工事ができていたけれども、その五十メートルの先が切れたということでありますが、恐らくバツク・ウオターが行
つていたと思います。そういう間違いが起ると、地元は非常な惨害になるのです。或いは二代も三代も立ち得ないような農村にな
つてしまう。そういう点を
一つお
考え願いまして、支
河川に対してそういうバツク・ウオターになる場合に破堤することは絶対にあり得ないように
建設省は御心配を願いたい。
それから
対策の問題ですが、締切りを無論今月のうちにや
つて頂きまして、今のポンプを据付けて、そうしてそれからやるということになりますと、恐らく九月一杯にでも或いは湛水の排除ができない。そうなりますれば、あの二町五ケ村に侵水しております方々の家財は全部腐ります。家も腐ります、或いは倒壊する家が沢山できると思う。こういうような惨憺たる
状況になるのでありますから、全力を挙げてその湛水排除に
一つ建設省は責任を持
つて貰いたい。
茨城県に頼るのも結構ですが、これは破堤の
原因がとにかく
利根川のバツク・ウオターの中心が破堤したのですから、そういう点からも重点を置いてお願いしたいと思います。これは希望であります。
それからもう
一つお伺いしたいことは、
利根川の例によると栗橋から八斗島
附近までは、その
河川の
状況は荒れ果てておりまして、流心がどこにあるか分らない、水ごとに変る。従いまして思わざる
場所に、各所に破堤を呼ぶような多くの破壊が見られる。これに対しても
現地の技術官は金がなくてできない、どうしようもないというのが現実なんです。従いまして九月の大暴風雨期には増破しております今の護岸が各所に破堤を呼ぶだろうと思います。こういう点から
考えまして直接
現地におる人達が苦しみ抜いているこの護岸の
災害復旧といいますか、緊急
災害復旧といいますか、来たるべき暴風雨までに何とか
災害を止め得るような、増破が止るような
工事費を
是非用意して貰いたい。それには余りにも
維持費が少い。改修も大事ですが、
維持費に十分金を與えてやりますれば、私は或る
程度までは技術官は必死にな
つてこの
災害防止に当ると思う。金なくして止むを得ませんで町村の方から金を出し合いまして、僅かの金でその
工事を、生々しい傷を塞いでいるという現実なんです。そういう点を
考えまして、この
維持費の計上につきましては
災害復旧と同時に、次に起る
災害を防止する唯一の
費用だと私は思うのです。従いまして
維持費の計上につきましては、格段の御心配を頂きまして
現地の出先の機関が十分にそういうような臨機の措置がとれるように
維持費は獲得して貰いたい。これには我々もできるだけ御協力を申上げたいと思うのです。そういたしませんと、各所で破堤を呼ぶことにな
つております。現にすぐに手をつけて二、三百万円かければ
出水期に耐えられると思うが、どうしようもなくて見ておるというような
状況でありますので、これを若し九月の二日から二十日にかかりますいわゆる大暴風雨期に入りまして、
相当の暴風雨がありますれば、そういうところから非常に大きな破堪を呼ぶ危險ができる。小なる中に維持する、これを護岸をや
つておく、それが緊急である。
一週間でも十日でもや
つておくというような
費用が、
維持費の中に十分含まれているように御計画願いたい。そういたしませんと、水が出た後、
災害の
費用が足らないので、僅かな
工事をや
つても又
災害が殖えたというだけで、
災害の方に先廻りされまして、
災害防除が手遅れになり勝ちと思うのでありますが、どうかこの点につきましても、できるだけ
維持費の性格を
考えて頂きまして増額を十分に
一つ御心配願いたいと思う。
それから五十里堰堤と江戸川改修
工事に見返資金が先般御発表にな
つておりますが、まだこれは本当の決定を見ておらないということを聞いております。留保されておるというように聞いておりますが、留保されておるかどうか伺いたい。若し留保されておるとすれば、その打開の途が近くあるのかどうかこれを伺いたいと思います。五十里堰堤と江戸川改修
工事を一括したところの見返資金に対する見通しであります。