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政府委員(
岡崎勝男君)
只今議題とな
つておりまする件につきまして御説明をいたします。
国立遺伝学研究所評議委員会評議委員の任命につき
国会の
議決を求める件、これを申上げます。今回
国立遺伝学研究所評議委員会評議委員に
参議院議員野田卯一君を政府において任命いたしたく
国会の
議決を求めるため、
国会法第三十九
條但書の
規定によりまして本件を提出いたしました。
国立遺伝学研究所は文部省設置法に基き国立教育研究所、国立博物館、国立科学博物館及び統計数理研究所等の諸機関と共に評議
委員会が置かれておる文部省の機関であります。而してこれらの機関に置かれる評議
委員会の評議
委員はいずれもそれぞれの機関の
運営管理に関すること、即ち事業計画、経費の見積り、人事等について機関の長に助言する職責を有し、教育、学術、経済等の各界における学識経験のある者の中から文部大臣が任命する者であります。野田君は大正十三年大学卒業後大蔵省に入り、主計局長、專売局長官、大蔵次官等を歴任して昨年六月初代の日本專売公社副総裁に任命せられた財政経済面に明るい者であります。殊に同君は專売の
関係者として煙草の改良を熱心に主張し、そのためには煙草の遺伝に着目する必要を痛感して、專売公社副総裁となるや煙草遺伝に関する研究を
国立遺伝学研究所に委託して参り、同研究所とは特に深い
関係にある者であります。以上を同君の財政経済的識見並びに同研究所に対する特に深い
関係よりいたしまして、同君は本年五月同
研究所評議委員会評議委員に任命されましたが、
参議院議員に当選したため六月八日付を以
つて辞任いたしたのであります。今回同君を再び同所の評議
委員として任命し、特に同研究所の事業計画、経費の見積り等財政経済的な
運営管理の面において同君の学識経験を活用いたしたいので、
国会の
議決をお願いするものであります。何とぞ慎重御
審議の上速かに
議決されんことを
希望いたします。
次に、
国会法第三十九
條但書による
議決を求めるの件を御説明いたします。
参議院議員赤木正雄君を新聞出版用紙割当
審議会
委員に任命いたしたく、
国会法第三十九
條但書の
規定により
国会の
議決を求めるため本件を提出いたしました。新聞出版用紙割当
審議会は総理府の附属機関でありまして、新聞用紙の割当に関する法律並びにこの法律に基いて制定された新聞出版用紙割当
審議会令において
規定せられておりまするように、新聞部会及び出版部会を以て組織せられ、各部会はそれぞれ十一人の
委員で構成せられており、その十一人の内訳を申上げますと、当該協会から選出されたものが五人、学識経験のあるもののうちから選出されたもとが五人及び通商産業省の主管局長が一名とな
つております。
それで赤木正雄君は前述の法律第八條の手続によりまして、新聞部会で学識経験者として選出されて参
つたものであります。新聞部会の学識経験者を選出する詳細な方法は、前述の政令第二條第二号に
規定してありまするが、教育界、科学界、宗教界、労働界及び農業界の各分野を代表するもののうちからそれぞれ一人ずつを選ぶものと相成
つております。赤木君は右のうち科学界を代表するものとして選出されたのでありまして同君は、履歴で御覧の
通り、東大の林学科を大正三年卒業後内務省に入り、技師として長く砂防事業に從事し、その間農学博士の学位を得、昭和十七年に退官、且つ後においても科学界に尽萃しておられたものでありまして、新聞及び出版用紙の割当に関しては昭和二十一年以来
委員として関与せられ、昭和二十四年八月現在の
審議会に改組された後においても科学界代表の学識経験者として重要
審議に当
つて来られたのであります。而して先般同君は
参議院議員として当選されましたので、大月十日付を以て
委員の職を辞されたのでありますが、新聞部会におきましては、その閲歴より再び同君が
委員として就任されることを
希望し、同君を選出して参りましたので、政府といたしましてはこれを任命いたしたく、
国会法第三十九
條但書によりまして、
国会の
議決をお願いいたす次第であります。何とぞ慎重御
審議の上速かに
議決あらんことをお願いいたします。