運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-09-13 第8回国会 衆議院 農林委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月十三日(水曜日)     午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 足立 篤郎君 理事 野原 正勝君    理事 松浦 東介君 理事 小林 運美君    理事 井上 良二君       宇野秀次郎君   小笠原八十美君       川西  清君    河野 謙三君       幡谷仙次郎君    平野 三郎君       八木 一郎君    大森 玉木君       坂口 主税君    竹村奈良一君       深澤 義守君  委員外出席者         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局調査部         長)      坂根 哲夫君         農林政務次官  島村 軍次君         農林事務官         (蚕糸局長)  最上 章吉君         食糧庁長官   安孫子藤吉君         林野庁長官   横川 信夫君         農 林 技 官         (農政局肥料課         長)      長尾  正君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      藤村 重任君         通商産業政務次         官       首藤 新八君         通商産業事務官         (通商化学局化         政課長)    出雲井正雄君         通商産業事務官         (通商化学局化         学肥料部長)  柿手 操六君         経済安定政務次         官       小峯 柳多君         経済安定事務官         (物価庁第二部         長)      長谷川 清君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君 九月十二日  委員深澤義守辞任につき、その補欠として木  村榮君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員木村榮君及び山口武秀辞任につき、その  補欠として深澤義守君及び竹村奈良一君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長の選任  農業関係公共事業に関する件  農業関係公団の整理に関する件     —————————————
  2. 千賀康治

    ○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。  議題は、昨日に引続きまして林野庁関係の問題について質疑を行います。通告がございます。小林運美君。
  3. 小林運美

    小林(運)委員 昨日の委員会におきまして、私は林野庁長官に対して質問を申し上げたいと思つたのですが、林野庁長官がおられなかつた。本日はここに見えておりますので、昨日の私の質問に対する御答弁を願いたいと思います。
  4. 横川信夫

    横川説明員 昨日の御質問の要旨、大体伺つたのでありますが、小牧の災害につきましては、七月の末から引続いて降雨がございまして、ちようど八月五日の朝七時ごろでありましたが、浅間山の八合目、俗称赤と申しております国有林不毛地地帯から山津波が起きまして、当時国有林内に風倒木がございましたが、それらを合せまして、下流の大谷地部落災害を及ぼしたのであります。私八月の十三日に調査を兼ねましてお見舞に参つたのでありますが、奥田村長その他村の有志の方とお会いいたしまして、いろいろ災害状況、復興の計画等につきましてお話を伺い、また御相談にもあずかつたのでありますが、当時村長さんのお話では、この地帯は、明治三十年と四十五年に二度災害が起り、今回が三回目に当る。なお現地の状況を見ますると、さらに災害の起きるおそれがあるから、急速に災害防止施設をしていただきたいということが一つ。     〔委員長退席松浦委員長代理着席〕  それから災害によりまして、村内の橋梁という橋梁をほとんど流失しているから、この橋梁復旧に対して応援をしてほしい。また災害によつて破壞いたしました住宅の復旧用材拂下げしてほしいというようなお話がございまして、私から急速に災害等予防施設はいたす、なお部落復旧用材につきましては、附近の国有林からでき得るだけ便宜をはからつた価格をもちまして供給を申し上げたい。なお橋梁復旧につきましても、できるだけ協力を申し上げるというようなことをお約束いたしまして、さらにその次の日に長野の営林局に参りまして、既定予算の捻出をはかりまして、急速に災害予防方策を立てるようにと命じまして、帰京したようなわけでありまして、昨日お話がございまして電話で連絡いたしましたところ、まだ事業には着手いたしておらないそうでありますけれども、至急事業に着手させるつもりでおります。
  5. 小林運美

    小林(運)委員 ただいま長官お話によりますと、その事実を認めて復旧に対していろいろのさしずをして来た。ところがまだその仕事にかかつていないというような話でありますが、これに対して至急仕事にかかるように通達をされたというお話でありまして、その間の事情はわかりますが、私の言わんとするところは、かような災害を起した責任は一体どこにあるか、これは長官からはつきりしていただきたい。その責任がただ天災だ、こういうことでは私は納得できない。この災害を大きくした責任はどこにあるんだということを、はつきりしていただきたい。
  6. 横川信夫

    横川説明員 先ほども申し上げましたように、風倒木を八十石ほど拂下げをいたしまして、そのうち四十石を搬出いたしまして四十石残つてつた。また林道の橋梁を土砂に流されたことによつて災害を大きくしたというようなことがございます。これが管理上の責任と申せば申すこともできるのであろうと思うのでありますが、四キロほど上流の地点から大きな土なだれが参りまして、さような施設を押し流し、災害を與えたのでありまして、大部分は私天災でないかというようなふうに考えるのでありまするが、先ほども申し上げましたように、こちらの責任も全然ないということは、決して申し上げておるわけではございません。なお近く村長さん方御上京になるそうでありますから、よくお話合いをいたしまして、十分納得していただけるような措置を講じたいと考えております。
  7. 小林運美

    小林(運)委員 責任が全然ないのではないが、かなり部分天災だというようなお話でしたが、どうもそれじや納得ができない。私はこれ以上追究はしませんが、とにかく災害を受けた者、またわれわれがあとで行つてみても、確かに当局の怠慢といいますか、注意が足りなかつたということは十分言えると思う。これに対して私は自主的に林野庁農林省、並びに政府自体がこれに対する責任を負つて、今後の処理を十分にしていただきたいということと、被害農民に対して十分のことをやつていただきたいということを強く希望いたしまして、一応この問題は打切ります。  次に次官も見えるので、これから農産物価格の問題について質問したいと思います。昨日も米価の問題についていろいろ御論議がありましたが、これにつけ加えまして私は、農林次官と申しますか政府に対して、農産物価格を、これから政府はどういうふうな形でやつて行くかということを、総括的に御質問を申したいのであります。  御承知のように、食糧は国内の生産では間に合わないというようなところから、現在外国食糧に依存をしており、それで米価等政府がきめている。ところがこの米価たるやパリテイーの問題あるいは限界生産費、あるいは国際価格さや寄せをするというように、政府の部内においても、この重要な食糧価格政策というものがはつきりしていない。いわんやその他の農産物については自由放任である。こういうことが農村に大きな影響を及ぼしている。たとえば今年の蔬菜は昨年に比較して非常に下落をしている。こういうようなものをただ自由にほつたらかして今後行かれる気かどうかというような観点に立ちまして、かような食糧その他の農産物に対する価格政策というものをどういうふうにお考えになるか、次官の明快なる御答弁を願いたい。
  8. 島村軍次

    島村説明員 農産物価格の問題は、こういう過渡期の時代には、すべての物価それ自身が非常にむずかしい問題になつて来るということは、御承知通りであると思うのであります。昨日も申し上げました通り農民あるいは生産者立場から考えますと、統制方式のあるものについては、生産費というものが基準になるべき筋合いのものと考えておりますが、その他の統制のはずされました物価については自由価格によるという建前が、今日までとられて参つております。従いまして、今後非常な激変のあります場合においては、他の法令、たとえば暴利の取締りというようなこともにわかにこれは発動すべきものではないと思いますけれども、そういう方法考えられるし、あるいはまた肥料価格についても、これは購買品でありますけれども相当論議があるように、一時の激動を来すということに対しては、よほど注意をしなければならぬ問題だと思うのであります。農産物価格のうち米の価格については、これが統制解除の際におきましては、御承知通りに従前には米穀統制法というようなものがあり、かつ政府が買上げをするというような方法考えられる。あるいはまたアメリカ等で行われておりますように、一時に自由価格なつた場合における措置は、国の主要食糧であるとか、あるいはまた国民経済の上に非常な影響のある問題については、その都度々々いろいろその際に応じた政策がとられるべきものでありまして、今ただちに原則を定めるということはなかなか困難ではないかと、これは私見でありますがさように存じております。  御指摘の野菜価格等については、相当論議のあつた問題でありますけれども、昨年に比して非常に価格が安くなつたということに対して、政府はいかなる措置を講ずるかということについては、一旦これの統制を解除いたしました以上、今ただちに政策として価格維持方策をとるということは、考えられない問題であると思うのであります。私自身考えといたしましては、さような場合においても、その需給関係を調整し、あるいはまた価格の非常な激変等のある場合におきましての措置は、その品物々々についての需給関係を調べた上で、それぞれ必要な措置はその際に講ぜられるべきものと考えております。はなはだ御質問の趣意に反するかと思いますが、私の一応の考えを申し上げてお答えにいたします。
  9. 小林運美

    小林(運)委員 次官お話によりますと、主要食糧の問題についてはいろいろ論議があつたが、その他の一般農作物価格については自由価格である。それが高くなろうが安くなろうが、これは自由価格だ、但し特にひどい値上りが来たときには私も一応考えるというようなお話ですが、これをもつと根本的に考えると、政府は最近、いろいろの価格統制をはずして自由にしたが、これに対する何らの措置もしていない、こういうことが、同じ農産物であります関係食糧にも相当影響する。こういうものを何も計画なしに統制をはずして、そうして農民に自由かつてにやらした、ところがある方面ではりんごがいいからといつてりんごをつくる、おれは蔬菜をつくる、あるいはじやがいもをつくるというようなことを、自由かつてにやつている。自由かつてにやつていいならばそれでいいのですが、一体政府はそういうものの指導についてどういうお考えを持つているか。ただ自由かつてにやつたらそれでいいというのではなく、農林省農林省としての指導的な責任があると私は思うのであります。今年は蔬菜が高いからといつて農民が全部蔬菜をやつたらとんでもないことになつてしまう。そういうことはあり得ないと言われるかもしれないが、現実において今年のごときは蔬菜類が余つて、そうしてたたかれている。こういう状態を、ただそのときになつて考えるというのではなく、農林省農林省としての、もつと大きな考えがあるべきだと私は考える。特に次官農政相当権威者であるから、これに対するもつと突込んだ御答弁を願いたいのです。
  10. 島村軍次

    島村説明員 究極するところ、販売改善取引改善ということに対する措置を講ずることが、その主眼になるのじやないかと考えます。たとえば蔬菜果樹等については、市場の組織の改善はもちろんのこと、生産者から消費者取引をする場合に、たとえば荷づくり包装に関する施設を行うとか、あるいはまた品質の向上と同時に、共同出荷を行うというようなことが当然行われて来なければならない問題だと思います。特に野菜その他の主要作物等については、世界の情勢といいますか、市況というものを相当つておらなければならぬのであります。国際価格というものに対する動きを、今まで統制でありましたために、よく農民承知していないということが、非常に大きな欠陥であるという考えは、当然起ることでもあるし、またさような見地から考えますと、あるいは除虫菊のようなもの、あるいははつかのごときもの、あるいは長野県等にあります玉ねぎの問題、あるいは観賞植物の問題にいたしましても、市況の大勢を把握して行くということが必要であると思うのであります。繭については小林さんは非常に造詣の深い方でありますから、私の論議を差控えますが、蔬菜果樹等について販売改善、すなわち市況通報、これらに関する問題は、関係団体をして行わしめるような方法をとりたいというので、来年度の予算におきましても、販売改善に関する政策を一部取上げたいということで、主張して参つたのであります。目下大蔵省でその予算の審議中でありますが、さような措置十分生産者側に置いても講せられ、あるいはまた消費者側においても講ぜられるというようなことによつて需給の調整が行われ、かつ品質改善に向つて進むという措置が、生産部面においても十分講ぜられることが必要であると思うのでありまして、私の先ほど申し上げました必要なる措置というのは、さような意味のことを考えておる次第であります。
  11. 小林運美

    小林(運)委員 私の問わんとするところは、もう少し具体的な問題に入りたかつたのです。次官の御答弁の内容からいたしまして、私は少し筋が違うと思いますが、これ以上申しません。あと質問者もたくさんおりますので、簡單にいたしますが、ただいま次官からお話がありました、私は農産物一つの重要なものとして、繭の取引のことについて、二三御質問を申し上げたいと存じます。御存じのように、本年は朝鮮事変を契機として、繭の値段が急速に高騰して参りました。また今年の春繭取引等についてもいろいろ問題があつた。具体的な問題といたしまして。最近の各府県における繭の取引関係が、いろいろ論議の的になつております。この実例を一々あげなくとも、すでに農林当局御存じのことと思いますので、時間がかかりますから省きます。かような繭の取引の問題について、政府はどういうふうに考えておるか。特に今回のいろいろ疑義が生じておることに対して、農林省は、特に蚕糸当局は、この指導的な責任をどういうふうにお考えになつておるかという点について、御答弁を願いたいと思います。
  12. 最上章吉

    最上説明員 ただいまの小林委員の御質問でございますが、繭の取引は、確かに府県によりまして非常に事情がまちまちでありまして、いろいろの問題を起しておるのであります。農林省といたしましては、繭の公正な取引を奨励をするために、養蚕団体に対しましては、いわゆる共同処理というようなことで、団体協約の線において処理するように指導いたしておるのであります。また製糸側におきましては、養蚕の方は、御承知のようにこの取引上におきまして、独占禁止法、あるいは事業者団体法というような法律の適用が除外されておりますので、問題はないのでありますが、製糸業者が共同して価格協定その他をすることは、法律で禁止されておりますので、養蚕団体個々製糸業者取引をするということが、原則的な建前になつておるのであります。しかしながら御承知のように、主要な府県におきましては、中小製糸業者をもちまして、いわゆる中小企業等協同組合法による製糸業者協同組合というものをつくつておりますので、そういうところにおきましては、そういう中小企業協同組合に認められました団体的な繭価協定というようなことをいたしておるのであります。この問題はいろいろの問題を引起しておるのでありますが、私どもといたしましては、結局この公取の問題は公取意見、あるいは最終的には裁判所の意見できまるよりしようがないのであります。私どもといたしましては、そういうことがないように、従来も指導して参つたのでありますが、今後ともできるだけ中小企業協同組合等を組織させまして、合法的に、しかも混乱がないように、公正な繭の取引指導して行きたい、かように考えておる次第であります。
  13. 小林運美

    小林(運)委員 蚕糸局長の御答弁によりますと、繭の取引についてはいろいろ疑義がある、ことに公正取引関係からいつて事業者団体法や、あるいは独占禁止法違反疑いがありそうだ、そこで今後の行き方としては、中小企業協同組合のようなものを製糸業者をしてつくらせて、それと農業協同組合との間に公正な取引をやらして行きたいというような考え方ではあるようでございますが、現在、本年の春繭夏秋蚕、あるいは今後起きます晩秋蚕取引においては、すでにこういう問題が起つている。この問題をどういうふうに処理されるか。安本の政務次官小峯さんもお見えになりますが、あなたの群馬県でもこの問題は大きな問題になつておる。こういう問題を一体どういうふうに処理するのか。しかも繭の値段は非常に上つたり下つたりしている。この問うんと上つた。また下つている。これはいろいろの立場から、かなり論議の的になつておる。特に製糸業者個人養蚕協同組合との取引ならば、これは一応法的には間違いはないけれども、その製糸業者が集まつて、別の名前をつくつて、大体繭価協定をするというような疑いがあるということを、群馬県や埼玉県その他の府県で、農業協同組合や、販連、あるいは養蚕協同組合連合会あたりが問題にしている。これを現在どういうふうにお考えになるか、ひとつはつきりしていただきたい。
  14. 最上章吉

    最上説明員 群馬埼玉等におきまして、いろいろの問題があり、また議論のあることは承知しておるのであります。これは目下公正取引委員会の方でも、実はいろいろ調査をいたしておるようでありますが、私どもといたしましては、従来のやり方が、これは個々の、取引のことになりますけれども、一般的に見て、必ずしも法律違反しているものとは考えないのであります。しかしながら全国各地方における個々取引におきましては、そういう疑いを生じ、あるいは議論を生じておる問題があることは、承知をいたしておるのであります。この問題は目下公正取引委員会の方でも調査中でございますが、私どもといたしましては、その取引方法については、根本的には現在の線に沿つて、繭の共同処理あるいは団体協約という線が、最も公正にしてまた混乱のない取引の仕方だと考えておりますが、具体的の個々の問題については、そういう問題を起さないように、府県に対しましても十分注意をいたして、指導して行く方針であります。
  15. 小林運美

    小林(運)委員 蚕糸局長は、今の御答弁によりますと、公正取引委員会調査をするのだ、現在のところは事業者団体法にも独占禁止法にも触れないのだというお話でありましたけれども、ここに一つの問題があるのです。先般製糸業者団体であります製糸協会から、今年度の内渡金を千円以上拂つちやいかぬ、そういうふうにやつてくれという通牒を出した、こういうことを言われておる。これは実際そうであつたかどうか調査しておるか、あるいはそういう事実があつたかどうか、はつきりしていただきたい。これがあつたとなると、これはあなた方の考え方かなりつて来る。また私はこういう事実がないことを期待するのですけれども、その辺の調査をしておりますか、それをはつきりひとつ……。
  16. 最上章吉

    最上説明員 製糸協会からそういつたような、何と申しますか、非公式の通知を出したというお話は私も聞いておるのでありますが、そういうことは法律に抵触するおそれがありますので、厳重に私の方からも警告いたした次第であります。
  17. 小林運美

    小林(運)委員 そうすると製糸協会に出したことは事実なんですね。
  18. 最上章吉

    最上説明員 そうです。
  19. 小林運美

    小林(運)委員 非公式とか公式とかいうことは、これは別問題で、とにかく製糸協会というのはかつて団体なのです。事業者団体法から言うと、やはり対象になつておる。それが公式とか非公式とかということは言えない。出したなら出した、これははつきりしておることである。それがあつて、それに嚴重警告を発したとするならば、事実事業者団体法違反をやつておるということ、政府自体も認めておることになる。それで間違いないか、もう一ぺん再確認しておきたい。
  20. 最上章吉

    最上説明員 製糸協会からそういう内渡金の問題について通知を出したということは、私も承知いたしております。これに対しましては、先ほど申しましたように、そういうことは非常に不穏当であるからということで、厳重に警告を発したのであります。
  21. 小林運美

    小林(運)委員 私はこの問題も別の機会に責任を追及したいと思いますが、それで大体わかりましたので、この問題は別にいたします。  それで今度糸価が一時二十万円ほどに上りましたので、関係方面からも、あまりに糸価が上り過ぎては蚕糸業のためによくないというようなことから、自粛勧告というようなことが、これこそ非公式にあつたように伺つております。ところがこれはどこまでも非公式の話であつて、しかも政府自体としてこれをどうするかということが、非常な問題なんです。ところがこれを受ける方の側では、それらの勧告があつたので、繭の値段はこれ以上高く買つてはいけないのだということを受けて、実際やつておるという話だが、そういう事実はどうですか。
  22. 最上章吉

    最上説明員 糸価朝鮮事変以来非常に暴騰をいたしまして、八月中旬には、朝鮮事変勃発当時十二万円前後であつたものが二十万円以上にもなつたというような事情から、海外業者が一時買どめをするとか、あるいはせつかく生糸を使い始めておつた業者が、人絹その他に転向するとかいうような事情や、またイギリスやフランスのような貿易協定を結んでいる所では、生糸を買うわくが金額できまつておりまする関係上、値段があまり上りますと、それだけ生糸買付量が減るというようなことになりますることや、また海外において物価統制をする可能性があるということで、いろいろ私もそういう情報を聞いておりましたし、また関係方面の指示もありましたので、私もたしか八月の二十三日でございましたが、糸価があまりに高騰いたしましたることは、海外生糸市場の確保、あるいは海外生糸の需要の増進という見地から非常に悪影響を残すおそれがあるというようなことで、そういうことを十分考慮してほしいというような意味警告を出したのでありますが、これは小林委員がただいま言われましたように、あくまでも海外情報を伝えまして、好意的の注意の喚起であつたのであります。従いまして、これをどうせよとかこうせよとかいうことは、具体的には決して申していないのでありますが、地方におきましては、確かにただいま小林委員が言われましたように、これは繭を高くしてはいけないという命令であるとか何とか、そういうようなうわさがあつたことも私承知いたしておりましたので、関係養蚕団体あるいは製糸団体に対しまして、今度の警告は決してそういう強制的のものではなくして、あくまでも海外情報を伝えて、戰後いろいろの波はありましたけれどもせつかく順調に回復しておる海外市場に対しまして非常に悪影響を與えるということから、そういうことについては十分考慮してほしいというような意味の、好意的の勧告であつたのであります。従いまして関係団体に対しましては、そういう趣旨のことをよく伝え、また地方におきましてこの警告を悪用するとか、あるいは誤解のないように十分注意をいたしましたり、また府県地方庁に対しましても、私の方からそういう趣旨の通牒を出して、そういう誤解のないようにいたした次第であります。
  23. 小林運美

    小林(運)委員 今の局長からのお話で、この問題も先ほどの問題とかなり関連があります。これはまだはつきりしないようで、どこまでも自粛というような意味に受取つて、これ以上高くは買えないのだということは影響は大きい。これを法律的に見れば、あるいは逃れられるかもしれないけれども影響は非常に大きいということを銘記していただきたい。  それから今公正取引委員会の方から見えるそうですから、さらにこの問題について、公正取引委員会としての見解を私は承りたい。しかも蚕糸当局農林当局あるいは安本の方からも列席の上で、ひとつ聞きたいことがあるので、しばらくお待ちを願いたい。従つて私はこれに関連しまして二、三件ほかの問題を簡單にお伺いいたします。先ほど来繭の取引の問題については、現在の方法はどうもうまくないので、協同組合同士でやるように指導して行きたいというようなお話があつた。ところが一面には、政府がかように自由取引を奨励されるならば、いつそ昔やつてつた生繭の市場取引をやつてはどうかというような意見もあります。これに対しては、どういう考えであるか。ところが生繭の市場取引になると繭検定ということがある。繭検定を強制して行く以上は、これはなかなかうまくできない。現在の検定取引については、すでに製糸業者の方からも、養蚕業者の方からもいろいろ議論がある。これを五年も十年もそのままほつたらかしておる。この検定取引改善をどんなふうに考えておるか。昔のままで知らぬ顔してやつて行かれるのかどうか、府県によると繭の産額より検定費の方が多いというようなこともある。これも時期がこういう時期だから、やがて産繭の増産があつて、復活ができるという時代が来るかもしれませんが、とにかく検定取引を十何年間も昔のままでほつたらかしておいていいかどうか、それに対する見解を承りたい。  次に最近起つた問題でありますが、現在政府でやつておる製糸業法でございますが、製糸業法というものはなかなかあいまいだ。法律があつてもそれを履行しておらない。しかも先般の茨城県の座繰りの問題でございますが、座繰りは府県でかつてに許す、内免許だか何だか知らないが、かつてに許した。これもやつてみるとこれではいかぬというので、そのかまに封印をした。これもまたいつのまにか、どういう法律的の根拠か知らぬけれども許してしまつた。この間の事情が非常にあいまいだ。一体政府製糸業法をどこまでやつて行かれるのか、いいかげんにやつて行くのか。今の座繰りの問題もそうでありますが、最近新しく開業する人に対する取扱いも、製糸業法の本来の使命とは大分違つた取扱いをしておる。一々こまかい問題をつけば、法律的にもいろいろの議論がある。私は法律違反をしておる者がかなり出ておるのではないかという疑いを持つておる。こういう問題について総括的に御答弁願いたい。
  24. 最上章吉

    最上説明員 繭の検定取引につきましては、この検定取引ということは繭の品質の向上、あるいは公正なる取引という見地からしまして必要だと考えますので、これは根本的に廃止するとか、あるいはかえるとかいう考えは持つておりません。しかしながら検定の具体的の内容につきましては、生糸の需要面の相違等によりまして、今後とも内容につきましては十分検討いたしたい、かように考えております。  それから製糸業法の問題でございますが、法律としてありまする以上は、むろんこれを励行するのが当然でございますけれども、これを今根本的にどうするということは考えていないのであります。ただ実際問題といたしまして、ただいま申されましたような座繰り等の問題につきましては、機械力を使わない、いわゆる足踏み座繰りの問題につきましては、地方庁において適宜認可しておるのであります。機械力を用います座繰りにつきましては、製糸業法の違反になりますので、これは終戰後特に当時の繊維の逼迫あるいは燃料の節約というような事情から、いわゆる機械繰りといつたような新しい形態のものができたのでありますが、これも製糸業法によつて免許するものは免許するということで、全国的に調査をいたしまして、ある程度当時の産繭事情等も考慮いたしまして、大体全体から申しますと、七割程度に整理をいたしまして、製糸業法による免許をいたしておる次第であります。
  25. 小林運美

    小林(運)委員 製糸業法の取扱いについてはただいまの御答弁では私は納得行かないのです。しかも府県によつて非常にやり方が違う。群馬県のごときは、座繰りはもうどんどん許して、そうしてあんな大きな座繰業者がたくさんできた。それがまたばたつとやめてしまう。また長野県では座繰りはなかなか許さない、こういう不公平がある。今度茨城県で問題が起きた。これは中間的な問題であります。ところが長野県と群馬県では座繰りの免許については非常に不公平である。こういうことを製糸業法の立場から、政府はまつたくほおかぶりでやつておる。こういうことは法律がある以上はやはりまじめにやらなくちやいけない。必要がなかつた製糸業法をやめてしまえばいい。この関係をもう少しはつきりしてもらいたい。  それから先ほどお尋ねしました生繭の取引の問題と、検定取引の問題をどうするか、これを御答弁願いたい。
  26. 最上章吉

    最上説明員 検定取引の問題は先ほど申しましたように、繭の品質の向上、あるいは公正なる取引という見地からいたしまして、検定取引そのものを根本的に廃止するとか、変更するとかいうことは考えておりません。ただ検定の方法等につきましては、以上の事情等によつて十分内容を検討いたし、必要に応じて改正を加えて行きたいと考えておる次第であります。  それから製糸業法の問題でありますが、これは県によつていろいろ事情が違いますので、地方庁の認可になつておりますいわゆる足踏みの座繰りの問題につきましては、産繭事情その他によつて、ある程度地方によつて取扱いがかわることもやむを得ないものと思うのでありますが、いわゆる機械繰りの問題につきましては、本省におきまして大体根本方針を立てまして、それによつてつておるのでありまして、地方によつて事情が非常に違つておるということはないようにいたしておる次第であります。
  27. 小林運美

    小林(運)委員 蚕糸局にももつとつつ込んではつきりと答弁を願いたいのですが、時間の関係等もありますので、この問題はあとに譲ります。公正取引委員会から見えておりますので、公正取引委員会質問をいたしますか、先ほどもこの席から農林省に対していろいろ質問をいたしましたが、先般来起つておる埼玉県、あるいは群馬県その他の地方におきます今年度の繭取引に対して、公正取引委員会はこれをどういうふうにお考えになつておるか。この間の事情がわかつておりましたら、明快な御答弁を願いたい。
  28. 坂根哲夫

    ○坂根説明員 われわれといたしましては、現在今お話になりました埼玉県、群馬県の本年度の繭価協定につきまして調査中でありまして、なお愼重なる調査を続行しておりまして、結論にいまだ達しておりません。それでただいまのお話のように、どういう事情にあるかということもなお調査の過程であるということで、御了承を願いたいと思います。
  29. 小林運美

    小林(運)委員 先ほど来の私の質疑をお聞きにならなかつたので、突然ではつきり御答弁がないようですが、ここに一つはつきりした問題があります。それからもう一つは、全般的に繭取引の問題について、製糸業者が一人であつて、それに対する養蚕協同組合繭価協定をする。これは明かに何の違反もない。ところが製糸業者の一人が養蚕協同組合繭価協定をする際に、製糸業者が集まつて、ほかの名目で原料の委員会とかいうことで、大体暗黙のうちに繭価協定業者がやつたという事実があればどうでしよう。  それからもう一つは、先ほどここではつきりしたことですが、全国製糸協会というものがあります。実は私もそこの役員をしておりますが、その協会のある部面で今年の内渡金を千円以上は拂つてはいけないという通知を出した。これは蚕糸局長の話では非公式だという。しかしこんなものは手紙を出すのに非公式も公式もありはしない。こういうことをやれば事業者団体法違反ではないか。こういう事実があつたので、私は嚴重に警告を発したということが、先ほど蚕糸局長の言明にあつた。これは速記録にちやんと載つている。これに対して公正取引委員会はどんなふうに考えますか。
  30. 坂根哲夫

    ○坂根説明員 ただいまの第一点の問題でありますが、その事実があれば独禁法上どういうことであるかということでございますが、御承知のように、独禁法は、もしそういう事実があれば審判の手続によりましてその内容を調べ、そして慣例的な措置をとることになるのでありまして、これについてもその事実についてなお調査中でありますから、ただいまここでわれわれとしてお答えできない。  第二の事業者団体法の千円以上、製糸協会のその問題は、やはりこれもそういう事実があるかいなかについて調査を続行いたしまして、もしそういう事実があれば、団体法との関連において、これまた公正取引委員会の独禁法あるいは団体法の法律の手続による問題で解決して行く以外には、ここで私どもとしての見解を申し上げることはできません。
  31. 松浦東介

    松浦委員長代理 次に農業関係公団の整理に関する件を議題といたします。本件に関しましては、昨日の委員会において主要食糧の配給機構、価格、中間経費等の問題について質疑応答がありましたが、後ほどこの問題の検討を加えることにいたしまして、この際、河野謙三君より、公団の整理問題に関して、先般肥料配給公団が解散になり、肥料統制が撤廃になりましたことについて、質疑をいたしたいとの申出があります。これを許します。
  32. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 私は昨日食糧の中間経費の問題でいろいろ農林省にお尋ねしたのですが、本日ここで急に御答弁をお願いして、はつきりしたい問題があるのであります。それはこれから具体的に申しますが、政府とわれわれの見方の相違とか、注意とか不注意とかいう問題ではなくして、明らかに政府当局法律違反をやつているのであります。しかもそれが不注意のうちにやられたのではなくして、堂々と知りつつやつている。その事実は肥料の輸出の問題であります。御承知のように、肥料の輸出につきましては輸出貿易管理令によりまして、輸出を許可する場合には通産大臣は農林大臣の承認を得ることになつております。しかるに農林大臣の何らの承認なくして、通産大臣は輸出の許可を與えているという事実がここにあるのであります。しかもそれは現にきようにも船に積もうという一切の手続が終つているというようなことで、私はこれを急ぐと言うのであります。それを具体的に申しますと、約二万トンの輸出について、通産省から現に許可の通知が行つております。仕向先を申し上げますと、香港に二万一千五百トン、ブラジルに七千四百トン、バンコツクに一千七百トン、台湾に百トン、合計二万五百トンというものが、私の承知している範囲では輸出の許可が出ております。しかもこれを農林省に聞きますと、そういうものに許可を與えた覚えはないと言う。これにつきまして、一体御出席の政務次官なり安本の小峯政務次官は、どういうふうにお考えになつているか、私はこれの回答はあしたを待ちません。ただいまここではつきりと、この法律違反について御答弁を得なければ納得できない。御承知のように、肥料統制が撤廃になりまして、一応需給関係は今後一年間を見合つて、農家には、少なくとも昨年の暮に比較して五割アツプ程度の肥料が配給できるという見通しのもとに、肥料統制は撤廃になつた。しかるにこれは公取の問題にもなると思うのでありますが、その後統制が撤廃になる前後におきまして、メーカーは暗黙のうちに価格協定をなし、七割アツプの価格協定して市場に発表している。それに対しまして、政府特に農林省を中心として安本がそれに介在いたしまして、肥料価格をより以上安いところに安定させるために、政府手持ちの肥料を放出させることによつて価格の安定をはかろうということで御努力され、現に一部放出されて、今後さらに肥料価格が低いところに安定するように、今努力をされつつあるということは事実であります。しかるに同じ政府の部内において、一方においてはさような努力をしておるかと思うと、一方においては、より一層国内の肥料需給関係が逼迫するように、通産省が輸出の許可を與えておる。しかもそれはやみ討ち的に農林大臣の承認も得ない、むろん安本にも相談がないと思うが、そういうようなことをやつておる。この事実に対して、一体どういうふうに処置をとられるか。私は少くともこれは即日解決してもらいたいと思う。私はもつと具体的なことを知つております。この発端は、通産省の化学局の何とか課に本村とかいうけしからぬ事務官がいる。それがそもそも業者との間になれ合いでいろいろな話を始めて、それは上の人の監督の不行届きではありませんが、そういうような事態にまで発展さした、こういう事実であります。そこで通産省の方から伺いたいのでありますが、かりに法律的の手続は別としましても、今向う一箇年間の肥料需給関係が、ここで一万トンなり二万トンなり三万トンなりの肥料の輸出をするだけの余裕が国内にあるかどうか。この見解を伺いたい。通産省は統制が撤廃になると、放出は反対である、しかもその場合にやみ討ち的に肥料の輸出をやる、それほど向う一箇年間の肥料需給関係に余裕があるとお考えになつておるか。通産省の主張は常にメーカー本位であつて、国の大きな経済、農民の経済というものは少しも考えていない。こういうことを一体今後もやられていいかどうか。私はこの際御出席の安本の立場農林省立場、通産省の立場を、はつきりここで伺いたい、かように思います。
  33. 柿手操六

    柿手説明員 化学肥料統制を八月一日から撤廃をすることに閣議できまりました当時におきまして、八月一日以降における肥料の輸出につきましては、関係官庁におきまして大体需給推算を立てて、どの程度のものを輸出しようかというわくをきめまして、そうしてそのわくの範囲内で民間輸出を認めるということが、閣議で一項目としてきまつているわけであります。そこで輸出につきましての仕事をやつております通産省といたしましては、その輸出のスケールをどういうふうにやつて行くか、その時期はどういうふうにやつて行くかということにつきまして、安本で会議を開くことの申入れをしたのでありますが、日台貿易協定その他もありまして、なかなか会を開いてもそうはつきりした結論はすぐ出ぬだろう、しかしながら年間を通じての需給の見込みから申しますと、大体生産が硫安百四十万トン、石灰窒素四十万トンで百八十万トン、七月末における公団手持量は、こまかい点まではまだ計算しておらぬようでありますけれども、四十五、六万トンはあるというふうに見込まれますので、供給力は二百二十五、六万トンというふうに見られます。そこで結論として本年度幾ら国内に残して、国外に出すかということは決定はいたしませんものの、数万トン程度の輸出はわれわれとしては可能であるというふうに思つているのであります。そこで八月一日以後におきまして、輸出の申請が、八月積出し及び九月積出しを合計いたしまして二万六千トンほどされているのであります。その二万六千トンにつきまして、通産省といたしましては、年間としてこのくらいの数字は輸出しても、国内の需給悪影響はないだろうという見解を持ちまして、先ほど河野さんから御指摘のような輸出管理令に基きまして、通産省から農林省の同意を求める書類を発送したのであります。それにつきまして、八月に積み出します約七千五百トンの数量につきましては、農林省から同意する旨の回答を得ております。九月以降の積出し分につきましては、これは正式な文書をもつて同意する回答は現在のところ来ておらないのであります。しかしながら、これは担当の者が農林省の担当の者と口頭で話をつけまして、正式の文書で同意するという回答は来ないけれども、その程度の輸出につきましては同意するということを言つたということを聞いておるのであります。しかしながらそこにつきましては、実は昨日来から、その点口頭でそういう了解があつたないということについて、お互いの思惑といいますか、考え違いがあつたということを発見いたしまして、私なんか部内でその話をいま少しくはつきりすべく、ただしておるようなわけでございます。要するに二万六千トンの輸出申請を農林省に同意を求めまして、約八千トン弱のものが正式の文書で、あとのものについては正式の文書でなくて、口頭の了解で輸出を認めておるというような事実があるのでございます。そのことにつきまして、私化学肥料部長としては、直接輸出事務の方は担当しておらぬのでありますが、常に農林省との関係が円滑に行くことを念としておりまして、昨日そういう行き違いがあつたという問題を耳にいたしまして、調査をいたしておるわけであります。
  34. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今輸出の問題で、需給関係のことについて御見解がありましたが、これは見通しとか議論ではない。現に公団の手持ちのもの八十一万トンは、原則として来年の春放出するということにきまつたものを、ここで非常に需給関係の予想が違いまして、すでに政府は来年の春までもつはずの手持のものを、ここで放出するという手続をしておる。この事実はすでに肥料が非常に足りないということである。しかも値段においても、いかにメーカーが申合せをいたしましても、肥料が余るものならばその価格はすぐに崩れるのです。ところがかようにその価格が崩れないのは肥料が足らぬということである。それは事実です。こういう際にこの輸出許可の申請を通産省がされるという気持が、どうしても私にはわからないのです。同時に今お話を伺えば、私が調べたのと同じように、まだ農林大臣の許可を得ていないということが、はつきりしたわけです。しかし現実は肥料工場は荷づくりをして、船に積むところまで行つており、一切の事務が進んでおります。これは農林省がなめられたというならなめられたのですが、通産省も、実にこれは国の法律として、輸出貿易管理令というりつぱな法律があつて、これを承知しておりながら、さようなことをやるということは、他意があるものと考えるほか方法がないのであります。この問題につきましては、安本なり農林省の方ではつきりとしてもらいたい。同時に私は農林省政務次官にこの際要望いたしますが、こういうように肥料が見込みがはずれて非常に高い。それで農民がどれくらい困つておるかということは、政務次官も常に陳情を受けておられるわけです。そういう際に、たとい千トンの肥料でも輸出を許可するものはないはずです。今通産省で聞きますと、七、八千トン許可をした、こういうのですが、私は大臣から直接聞いておりますが、大臣は輸出については当分許可しないということを常に言つておられる、私がこの事件をそもそも発見いたしましたのは、この間農林大臣と昭和電工川崎工場を見学に行つた。その際倉庫に行きますと、工場の案内人が説明するのには、今向うに積んでありますのは輸出の肥料であります、こういう説明があつた。それでおかしいと思つて、東京に帰りましていろいろ調べましたところが、昭和電工だけじやない、方々にあります。続いて農林省に行つて、これはおかしいじやないかと聞いたならば、農林省ではそういうものは知らぬという。そこで過去半箇月間の間にようやく調べ上げたのが、今私が申し上げたことなのである。かようなわけです。かようなことを通産省がやることはけしからぬが、同時に農林省がそれを看過することは絶対に困る。この問題について、即刻ここではつきりした政務次官意見を述べていただきたい。同時に安本の方からも、これについての見解をひとつはつきりと御表明していただきたい、かように思います。
  35. 島村軍次

    島村説明員 私は事実を実は存じませんので、ただちに調べまして、のちほどお答え申し上げます。     〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
  36. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 事実はお調べ願うといたしまして、この輸出の問題に対する見解を伺いたいのです。
  37. 島村軍次

    島村説明員 輸出の問題については、ただいま河野さんの御意見もありましたので、これは農民立場から常に注意をしておる問題でありまするが、なるべく御方針に従つて、さような措置を講じたいと存じます。
  38. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 後刻御回答いただくことにしまして、この機会に安本の小峯政務次官に御意見を伺いたいと思います。かような問題が起るのは、要するに肥料の行政が三元化されておるところに大きな欠陥があるわけであります。われわれは常に統制が撤廃になりました現在におきまして、指定生産物資の問題も解消した現在におきましては、昔にもどつて肥料行政も一元化すべきである。かような根本問題に入つて行かなければ、かような問題は解決しないと思う。農村が使うところの、しかも重要なるこの肥料の問題を、一方において生産者を代表するところの通産省あり、一方において農民を代表する農林省あり、こういうふうな行政機構においてはこの問題は解決しないと思う。私はいたずらに農村の利便にのみ農林省に走つてもらいたいというのじやないのであります。この問題につきまして、行政機構の一元化の問題につきまして、もし政務次官としての御見解がさしつかえがありましたら、私見でけつこうでありますから、肥料行政の一元化の問題について政務次官はいかようにお考えになるか、この機会に伺いたいと思います。
  39. 小峯柳多

    小峯説明員 先ほど来御指摘の事実は私は初めて伺つたのでありまして、前段のお話は個人といたしましてまつたく同感であります。私ども肥料を安めに安定することを考えまして、いろいろ知恵をしぼつて来ておつた矢先でありますので、そういう事実がありますのはまことに残念でございます。  あとの一元化の問題は、私個人といたしましてはまつたく同感でありますが、ただいきさつがあつたり、長い問題で、この問題の解決にはなかなか行き切れないようなものがあるように思います。さつそく私どもの方でも所管といたして研究いたして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  40. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 最後に再び農林省の方にお伺いしますが、今この問題は、調査して許可のないものはもちろん押えることになると思いますが、事実は先ほど申し上げたように、船に積むところまで行つております。でありますから、法律を無視してかような取引が実際に行われてしまつたという場合には、これは明らかに通産省が法律違反をやつたことになります。そのとき農林大臣としては、また農林省としては、人事院の方にこの不正なる行為を行つた通産省の関係者に対して、提訴するだけの御決意があるかどうか、これを私は伺つておきたいと思う。
  41. 島村軍次

    島村説明員 さような事実があつたとすればまことに遺憾でありますが、その措置については至急に考究しまして善処いたしたいと思います。
  42. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 ただいまの河野君のこの肥料問題の御質問は、きわめて農民にとり重要な問題であります。このままこれを打切るということは許されぬ問題であります。一体政務次官諸君は内容のこまかい事実をお知りにならないとしても、これはこまかいこととしてほうつて置かれない。きようはこの問題に対してけりをつけるために、午後三時までかかつても、四時までかかつてもいいから、両政務次官において、これに担当した係官をお調べになつて、ここに出頭を命じて、この委員会に対してほんとうにやつた事実に対しての明確な答弁をしてもらう必要がある。ことに前の物価庁、通産省の関係の御答弁を承りましても、係官に対しての了解を得た、それでこういうあとの手違いを発見したと言うが、こういう重要な問題に対して手違いを発見したなんというとぼけた話をされて、われわれ委員会はそのままそれを承認するわけに行かぬ。何のたれがしが何のたれがしに話をして了解をつけて、だれか手違いのもとを発見したのか、こういう人がだれで、時期がいつで、どういうわけで、手違いが起つたか、われわれが聞いて納得できる手違いならばよろしいが、ただとぼけたようなことで、手違いといつて承認するわけに行きますか。それあなたもその手違いをした人間を明らかにできるならば、ここで答弁をいただくし、できなければ、調査するなり、その人をここに出頭させて、どういうわけで手違いが生じたかということを——日本の再建、食糧増産の問題で、肥料というものがどういう役割をしておるか、その肥料がとぼけたうちに外国に行つてしまつてあとはないということを言われて、どうして農林委員会が承認できるか。この点は十分お考えつて、けりをつけることにいたされたい。そこで今日何時に再開すればいいか、次官諸君もその辺をよくお調べになつて答弁して、委員長はその時間をとりはからつて——もちろん今日は農林委員会としても重要な予算関係があるので、予算復活に対して十分これから審議し、また検討もしなければならないというところであるから、区々たることに論議することは私はとりやめたいと思つたが、しかし今の問題は急を要し、重要であるから、一応休憩いたしましても、その間十分余裕を與えて、政府当局はそれぞれ準備をしていただいて、明確な答弁を要望したいと思います。どうか皆さんの御同意を得たい。
  43. 千賀康治

    ○千賀委員長 それでは暫時休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     午後零時十五分開議
  44. 千賀康治

    ○千賀委員長 休憩前に引続き再開いたします。  午後は三時より再開いたすことにいたしまして、それまで休憩いたします。     午後零時十六分休憩      ————◇—————     午後三時十七分開議
  45. 千賀康治

    ○千賀委員長 午前中に引続き会議を開きます。  引続きこれより肥料の輸出問題について議事を進めます。政府から説明の申出があります。首藤通産政務次官
  46. 首藤新八

    ○首藤説明員 今回この肥料の輸出問題に関しまして、委員会に非常な御迷惑をかけたことを、まずおわび申し上げたいと思います。  この問題を本日承りまして、省内の各担当官をいろいろ調査いたしましたところ、まつたく通産省に全責任があることがはつきりいたしたのであります。まつたく弁解の余地のないほど、われわれの担当官に責任があるということが明確に相なりました。従つてこの担当官に対しましては嚴重に戒飭を加えまして、今後再びかかることのないように、十二分に注意をいたしたのであります。さらにその際できる限り委員会の御意向を尊重いたしまして、実際上輸出のないように、それぞれ許可をいたしました向きに対しまして、至急に手続を経まして、それぞれ出ていないものに対しましては許可を取消すという措置を講ずるよう、現在局長並びに部長の手によつてこの手続が進められておりまして、できる限り可能な範囲内におきまして、御意向の線に沿つて行きたいというふうに努めておりますので、この点あわせて御了承くださいまして、何分にもこの問題についてはお許しを得たいと、ひたすらお願いを申し上げる次第であります。
  47. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 私はこの機会に、通産省からあらためて御説明をいただきたいのですが、私は午前中私の調べた範囲で、許可なくして輸出の手配をせしめた分が二万七百トンあると申しましたが、これは私が調べた範囲でありますから、通産省の方から責任をもつて、今まで農林大臣の許可を得て輸出したものが幾ら、何トン、手違いか何か知りませんが、それは別といたしまして、農林大臣の許可なくしてかような処置をとつたものが何トン、これをあらためて御説明いただきたいと思います。
  48. 島村軍次

    島村説明員 ただいまのお尋ねの点を私からかわつて御説明を申し上げたいと思います。  統制撤廃後におきまして、農林省で同意をいたしましたものが七千五百四十五トン、その後通産省において、ただいま首藤政務次官からお話になりました農林省の同意を経ずして出されたものが、お話通り二万七百トンであります。
  49. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 同意を得ずして出したものが二万七百トンとおつしやいましたが、これは私の申し上げた数字と合つておりますけれども、これは輸出の許可を與えて、まだ船に積んでない分か、それとも、この中で船に積んだ分が幾ら、いまさら間に合わぬという分が幾ら、それから今から取消すことによつて現実に出荷をとめることが可能なものは幾ら、これを私は伺いたい。同時に許可なくしてすでに積んでしまつたもの、これにつきましては、いかなる処置を政府はとられるかということを、お伺いしたい。
  50. 首藤新八

    ○首藤説明員 先ほど申しましたように、できる限り委員会の御意見を尊重いたしたい。それには輸出の量を可能な限り少くしたい。出ておるものはやむを得ないといたしましても、あとつたものをぜひともこの際とめたいということから、局長と部長の方で、それぞれ現在手配をいたしておるのであります。大体明朝までくらいにはその結果がわかると思いますので、あらためてその明確な数字を御報告申し上げたいと存じます。なお担当官に対しましては、これまた先ほど申し上げました通り、厳重な戒告を加えまして、将来再びかようなことのないようにいたしたいと存じております。
  51. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 これは決して当委員会の問題じやないのです。りつぱな輸出貿易や、関税に関する法律に基いて、政府がそれを忠実にやらなければならぬことになつております。これは單に委員会の問題ではないことを私はお断りしておきます。同時に、私はもう少し伺いたいのですが、二万七百トンのうち、現在船に積んで内地の港を出発してしまつて、呼びもどそうとしても呼びもどせないというものが幾らあつて、きよう今ただちに手配されれば、港を出てない限りは押えられるわけですから、これがどのくらいの数量になるかということをお伺いしたい。同時にもう一つこの際念を押しておきまするならば、従来の通産省のやり方からいつて、遺憾ながら私は信用できない。でありますから、すでに積んだものも、港を出ないうちは、押えるだけの決心をされておるかどうか。それを積んでしまつたということのもとに、強引に農林大臣に判を押させてやるようなことをされては困る。こういうことについて、私は特に念を押して伺つておきたい。それから今後一体通産省としては輸出をする気持があるかどうか。私の知つておる範囲では、農林省とまつたく見解を同じくして、少くとも向う一箇年間は肥料を輸出する可能性はありません。ただの千トン輸出しましても、ただちに内地の肥料の市価に影響するほど、今内地の肥料需給関係は逼迫しています。でありますから、とかく通産省はこれについての別の見解をお持ちのようでありますから、それでお伺いしますが、今後輸出を許可する通産省として、輸出を許可するような気持があるかどうか、この点もひとつ伺つておきたい。  それからもう一つ伺いたいのは、この善後策として私は非常におそれていることは、国際間の取引でありますから、通産省なり農林省の方では許可をしたくないのだけれども、何分相手のブラジルなり、その他と取引が成立しておるから、国際間の信用上これはやむを得ず承認してもらいたい、また承認するのだという逃げ手が出て来るというように私は思うのです。こういう問題に対して、いかに国際間の取引といえども、内地の法律の手前、これは絶対に許可しないということを、この際はつきりとしてもらいたいと思いますが、さような点につきまして御答弁を願いたいと思います。
  52. 首藤新八

    ○首藤説明員 第一の、船積みはしておるがいまだ出港してない、そこまでとめる意思があるかどうかという御質問でありますが、できる限り御趣旨に沿いまして、港を出帆してない限りはこれをとめる措置を講じたい、かように考えております。  なお輸出の問題でありますが、これは今後の肥料需給関係が最も大きなフアクターとなるものと考えておるのでありまして、今後の生産が急増し、これによつて供給が潤沢になるというようなことになりますれば、当然輸出ということも考えなければならぬと思うのであります。ことに先般御承知通り、日台間の貿易協定ができまして、政府との間に二十五万トンの化学肥料の輸出というような問題も取上げられておるのであります。われわれといたしまして、また生産者立場から考えましても、二十五万トンの輸出がはたして可能かどうかという点には、実は大きな疑問を持つておるのでありますが、しかしながらこれも関係筋の強い要請によりまして、協定をとりきめたということを実は承つておるのであります。従つてこういう問題につきましては、一にかかつて需給のバランスが問題を解決すると思いますが、同時にまた内閣として、当然この問題については重大な関心を持ち、それによつていずれかに決定するものだと考えております。通産省といたしましては、できるだけ御趣旨に沿うという気持を持つておることだけは、はつきり申し上げておきたいと思うのであります。
  53. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 もちろん需給関係によつて輸出の可能か不可能かきまりますけれども、通産省の方が肥料生産行政を担当されておる以上、通産省としては、向う一箇年間の肥料生産予定数量以上には生産は見込めないと思う。この向う一箇年間の通産省が持つております生産予定そのままに肥料生産ができましても、来年の春肥までは、需給関係からいつて輸出の可能性はないという数字が出ておる。それ以上できたときは別でありますけれども、一応肥料は、そう簡單にできないものでありますから、生産予定を下まわることがあつても、上まわることはなかなかないのであります。従つて今の段階において、需給関係からいつて肥料の輸出の可能性はないと私は思います。通産省もこの点については、少くともこの担当の局長なり部長はよく了承しておる。もしそういうことを承知しながら今度のような問題が起るとすれば、われわれは遺憾ながら情実因縁によつてそういうことをするという以外に考えられない。そういうことによつてこの事件を單なる手違いということでなしに担当者を非常ににくむものであります。この点はよく政務次官は心得ておいていただきたい、かように思います。  それから今、日台間の貿易協定の問題で、硫安が二十五万トン輸出の話があるということを聞きました。私もちよつと耳にしておりますが、これは私はまつたくデマとしか信じられない。今言つたような需給関係から、内地の農業を犠牲にする以外に輸出の余地はない。しかもその数量が二十五万トンということを聞きましては、少くとも責任ある政府がこういうものに同意することはないと信じますが、今政務次官からさようなお言葉が出ましたから、この日台間の協定の輸出の二十五万トンについて今までの経過を詳細に私は伺いたい。その経過いかんによりましては、われわれも政府とともにこの輸出を拒否すべく、一つの運動を起さなければならぬ、かように思つております。こういう日本のような情勢においては、政府の意思必ずしも通らぬことがあると思います。場合によつては国民の意思によつて政府を応援しなければならぬと思いますので、日台間の協定につきまして、今までの経過を詳細に御説明いただきたいと思います。
  54. 首藤新八

    ○首藤説明員 私もその詳細な経過についてはまだ聞いていないのでありますが、もし御必要でありますれば、詳細に調査いたしまして御報告申し上げてもいいと思つております。
  55. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 関連してお尋ねいたします。ただいまの問題はきわめて重大な問題であります。まず将来の輸出問題は別として、今できた問題に対して、これの結末を委員会に告げぬということは、これは政府責任上許すべき問題ではないのですから、今まで実際経過を聞いておらないとかなんとかいうことならば、その経過を知つた者をもつて答弁させることが当然であります。まず最初に伺いたいのは、さつきの河野君に対する農林政務次官答弁の中で、二方七百トン、これは農林省の同意なくしてしたのだという数量を発表された。そういうことはいつ農林省でおわかりになつたのですか。農林省の同意しないものを農林省が知つておるということははなはだ不可解で、通産省ならわかるが、農林省がそれを知つておるということはいかなることであるか。知りながら目をつぶつてつたということなら、これはなおさらひどい。いつはつきりしたか、それが第一。そこに疑念がある。  それから通産省の方で、委員会で問題になつて急にわかつた。それのとりとめに今手を打つておるというお話であります。しかも役人に対して厳重な戒告をするとか言う。ふしぎではありませんか。これは戒告ぐらいの騒ぎではない。一体何のたれがしが判をつけば許可になるのか、どういう手続で許可をしたのか、どこの会社に何トン許可をしてあつたか。その船がいつ出て、その船が今どこにおるか、荷物がどうなつておるか。それを今の役人の局長なり部長なりがどういう手を打つておるか。それがしつかりおわかりにならないと、農林委員会承知できない事態になつた。そこで、あなたがおわかりにならなかつたら、係を呼んで答えていただきたい。なおわからなかつたら、休憩して委員を選任して、現地に行つて調査をするということも必要なんです。政務次官といえども、部下の連中があまりに横暴をきわめて、われわれ農民の方の実際経済や、食糧増産や、国家を左右する重大な問題を私にして許可したとか、あるいは何かの手段の中へこういうことを織り込んで、そうしてこんな利益関係のもとに、重大問題の敢行をしたようなことがあつたとしたならば、これは国家として許されぬ。だからそこをあいまいにして、政務次官の御答弁をわれわれが承つて、納得のできないものを、ここで納得したような形にしたならば、農民に対して、国民に対して、相済まぬことになる。だからこの点をはつきりするには政務次官はどうしたらいいか。現地に行つてくれというのか。呼ぶというのか。あなたのおわかりにならないという点を明らかにするには、どの点をとればいいかということについてあなたの御答弁を願わなければならぬ。
  56. 首藤新八

    ○首藤説明員 先ほど申し上げました通りに、局長と部長は、一時も早くこれが中止の措置を講じたいということで、庁に帰つたのであります。従つてただいまそれぞれの、どこに幾ら許可したかということを調査いたしまするとともに、それらの業者に対して、至急出頭してもらうという手配をとつておると思うのでありまして、多分東京市内の方あるいは京浜の方なら、夕方までには出頭すると思いますが、その他の者はきよう間に合わない。間に合わなければ電話あるいは電信をもつてこれを処置するということになつておりまして、どこになんぼ許しておるかという名前なり数量は、まだはつきり私聞いておりませんので、これも後刻御報告申し上げたいと存じます。
  57. 島村軍次

    島村説明員 私は実は通産大臣にかわつて数量を申し上げたのであつて、これは私の答弁が出過ぎたと思います。但し通産政務次官は数字がおわかりにならなかつたから、私がかわつてつたのであつて農林省は昨日来この数量について通産省と打合せをした結果、その数量を知りましたので、かわつて説明を申し上げたような次第であります。以上経過を申し上げます。
  58. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 それではなおふかしぎなのであります。もう昨日こういう事態がちやんと農林省でわかつておられる。きよう当委員会で問題になつたから、通産省の方ではあわてて局長その他を動員して、今中止をするというようなことをとられておるという話は、今の通産省の報告でわかつています。農林省は昨日わかつてつて、この問題に対して中止問題の折衝はなさらぬのですか。きようまでこれを委員会が問題にしなければ、昨日の通りきよう出航をする船に対して、何ら手を打つ腹はなかつたのですか。それならばますますふかしぎだ。それから通産省の方の今のお話を承りますと、後刻御報告なさるというが、何か報告する準備をなされてここに御出頭なされたわけでありますか。またこれからその方の連絡をとられるということでありますか。それからもう一つふかしぎなことには、局長はそれを許可したことを知つているのですか、知らないのですか。もし局長の判がなければ許可にならぬということになると——委員会の問題になればあわてて船までとめなければならぬような重大問題を、局長が自分で、農林省の同意を得ずしてこれを許可しておるということになると、その責任はどうなるか。戒告などという問題でありますか、どうなのですか、ここをひとつ明確にしていただきたい。
  59. 首藤新八

    ○首藤説明員 局長なり、肥料部長が、ただいま、どこに幾ら許可したか、そうしてこの許可した相手を至急に呼び出す、あるいはまた呼び出すという手配を今とつておるのであります。
  60. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 許可した相手というのはだれですか。
  61. 首藤新八

    ○首藤説明員 輸出を許可した相手です。そこでさらにこの輸出に対しまして、局長は当然これは認めておつたというふうに私は解釈しておるのであります。従つて責任問題につきましては、別途におきまして十分検討いたしたい、かように考えております。
  62. 島村軍次

    島村説明員 私の先に答弁を申し上げましたのは、間違いであります。八月二十三日付と三十一日付で農林省へは書面が出ておつたそうでありまして、その数量を申し上げたのであります。さように御承知おき願いたいと思います。
  63. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 政務次官は神戸で、特に船のことは詳しいはずですが、輸出の問題は百トンや二百トンの機帆船や何かの問題ではないのであります。従いまして、あなたの方でどこの工場から台湾なりブラジルへ何トンということを、まず通牒を出されるのですから、これはもうわかつているはずです。今調べる必要はない。同時に今輸出の許可をしたものは、本船はいつ幾日に神戸に入港であるとか、横浜に入港であるとか、本船の名前までみなわかつている。これは今調べるという話ではない。これは今すぐここで電話をかけて、あなたの方の係に聞けばわかる。でありますから、そういう問題は調べる余地はない。ただ、そういうふうに手配したものを、一体二万七百トンのうち、船に載つかつたのは幾ら、これから積まんとしているのは幾ら、これを調べて、そうして二万七百トンのうち幾ら押えることができて、幾ら押えることができないかということを調べるというのなら、一日くらい余裕がなくてはいかんでしよう。しかし少くとも工場に幾ら割当てて、どこの港からどう出るということは、通産省が命令しておるから、これはわかつておる。この点につきまして、私はこの機会にぜひ事務局をして本省に電話をさせて、そうしてこの委員会に報告してもらいたい、私はこういうふうに思います。この問題は本日この委員会が終りましたあとで、済んでしまつたから間に余わぬとか、やれ外国との関係だから取消しができぬとかいうことで、必ずこれはピンぼけになるにきまつておる。ところがピンぼけにするには、先ほどからいろいろ申し上げますように、あまりに農村に及ぼす影響が大きい。でありますから、先ほど小笠原さんからもお話がありましたように、この問題は私はきようできるだけ、深夜に及んでも明快にしておきたい、かように思います。
  64. 首藤新八

    ○首藤説明員 私が先ほどから御答弁申し上げておりまするのも、御趣旨に沿つたものでありまして、先ほど申しました通りに、幾ら船積みしておるか、あるいは船積みするのが幾らあるか、あるいは船積みしても港におるかどうか、また出航してもそれをとめられる範囲にあるかどうかという調査を、現在いたしておるのでありますが、むろん小笠原委員から御質問がありました通りに、まず前提といたしましては、どこに何ぼ許したかということを調査しておると思うのであります。むろんこれは担当官は調査しなくてもはつきり承知しておりまするが、局長になりますると、そう一々記憶もどうかと思いますので、一応それらを前提として、それがわかりましたら、それらの業者を招致いたしまして、今この品物がどういう状態になつておるか、積み出していないかどうか、あるいは倉庫にあるかどうか、あるいは輸送の途中にあるかどうかという点を調査いたしまして、できる限り引きとめ得るものは引きとめるという措置をいたしておるのであります。従つて事務局の方に連絡をとりまして、大体わかつた範囲のことはこの委員会が終了するまでに御報告申し上げたいと思います。
  65. 井上良二

    ○井上(良)委員 ちよつと今の御答弁中に非常に重要な問題が一つ、二つあります。一つ農林省のこの問題に対する態度ですが、農林省は八月一日から肥料統制を撤廃した。われわれが当時この問題で一番心配をいたしましたのは、価格相当上りはしないかということであつたのですが、ところが当該の局長及び関係政府当局は、大体五割ぐらいで落ちつくのではないか、もしそれ以上上る場合は政府手持の物を放出する、こういう強い自信のもとに統制をはずされた。ところが現実はますますその言明にもかかわらず逆の方向に進んでおる。つまり肥料の需要期でないにかかわらず、価格は漸騰の形をとつておる。特に農林省がこの情勢を見て、八月に七千五百トンの輸出許可を同意したというのは、一体どういうことで同意されたのか。七千トンも輸出をすれば、国内の肥料価格にどういう影響を及ぼすかということは、おわかりでないのでありますか。それだけ輸出しても一向需要の関係にはさしつかえないという見通しのもとにやられたのですか。特に一方において、閣議では一割増産であるとか、興農対策委員会といいますか、興農食糧増産対策委員会というようなものを農林省に設けて、食糧増産に拍車をかけようというときに、こういう重要な生産資材を枯渇に陥れるようなことに農林省が進んで判を押すというのは、一体どういうわけなんですか。その後八月の二十三日並びに三十一日と申しましたか、通産省から輸出同意の書類がまわつたというのですが、それに対して農林省としましては、はつきり拒否の態度をとつて来たのですか、それともそれは預り置くということで見のがして来たのですか。この二点を農林省としては明らかにしてもらいたい。  それから通産政務次官に伺うのですが、この輸出許可は、今のお話でございますと、やはり局長が判を押して出したように弁明をされておりますが、こういうことは大臣及び政務次官は一向関係なしにやれるような機構に通産省はなつておりますか。これは少くとも大臣なり、政務次官なり、事務次官の判がなければ許可にならぬことになつておると、われわれは考えておりますが、肥料に限つて肥料局長といいますか、肥料部長ですか、その判だけでかつてに輸出許可を出すことになつておりますか。この点についてお伺いいたしたい。
  66. 島村軍次

    島村説明員 ただいま井上さんのお話の点はごもつともでございます。八月七千五百トンを出しました点に対しては、お話のような考え方相当つたようでありますが、しかし実は率直に申し上げますれば、各個別に当つてみますと、きわめて少数な肥料で、トータルは七千五百トンでありますが、十三回ぐらいにわかつて申請があつたようです。個別に審査した結果、通産省の御意見に承認を與えた、こういうことに同意したということになつておるようでありまして、お話の点はごもつとものように思いますし、将来の問題にもなりますので、農林省としては今後十分注意したいと考えております。  それから拒否の問題につきましては、もちろん同意をいたしていないのでありまして、拒否の態度を持つておるわけであります。さよう御承知置きを願いたいと思います。
  67. 首藤新八

    ○首藤説明員 肥料の輸出問題について大臣なり、次官が決裁するかどうかという問題でありますが、当然大臣名で許可いたしますから、責任はむろん大臣にありますが、一定の法規のわく内で要請しますものは、大体大臣は各局長に委任してあるのでありまして、局長名儀でこれを決裁することにいたしておるのが普通なのであります。ただ大臣、あるいは次官の決裁を要しますものは、法規できめていない特殊なもの、あるいはよほど重要なものについては決裁をしますが、その他のものは各局長に委任してあるというのが通例であります。
  68. 井上良二

    ○井上(良)委員 島村さんにもう一度伺いますが、これはできたことですから、今さら追求いたしましても、死んだ子の年を数えるようなことになりますから、これ以上私は申し上げませんが、御承知通り八月にはもうすでに朝鮮動乱が起りまして、相当わが国の特需関係方面の需要が急激に高まつて参り、またこの動乱の影響から、相当物価は上昇の形になつております。そういう関係から当然肥料にもこれが影響して参るということは、およそ想像され得る事態であつたので、そういう場合に肥料増産並びに配給に絶大な責任のある農林当局が七千五百トンもの輸出に同意するという措置は、常識では考えられないやり方ではないかと考えるのであります。しかも小口にたくさん来ておつたから、しまいになつてトータルしてみたら七千五百トンになつたというような、べらぼうな話はないのでありまして、聞くだけでも噴飯にたえない、政府の態度にあきれておるのでありますが、今後これらのことについて大臣は御承知通り非常に忙しいのでありますから、特に政務次官は農村通で、その道で努力された方でありますので、ちよつと眼を注げばすぐ注意されることでありますから、十分こういう点について御注意をお願いしておきたいと思うのであります。  通産政務次官の今のお話はまつたく人を食つた答弁でありまして、そんなべらぼうな役所の機構はない。少くとも肥料を二万五百トンも輸出するかしないかという問題は、これは重大な農政影響する問題であり、閣議で食糧増産ということが決定されておるのでありますから、そういう全体の立場から考えますれば、輸出に際しては農林省の同意があるかないかということは、大臣及び次官は当然気づかなければならないことであり、しかもその同意がなければ輸出ができないということになつており、一方的に局長が命令にそれがあるからということで、かつてに処置はできないことになつている。これは当然局長の責任である、その責任に対して何ら処置をしないということは、われわれ全国の農民立場から考えてみても、また国政をあずかる者といたしまして、断じて見のがすことはできない。明らかにこの点に対する事務上の手落ちなり、行政上の失態に対しては、責任考えなければならぬと思う。この責任を一体どう具体化されようとするか、その点についてひとつ明らかにしていただきたい。
  69. 首藤新八

    ○首藤説明員 先ほど申しました通り、あくまでも大臣が責任者であります。しかしながら実際の執務の実情といたしましては、要するに法規の中できめられているものは、その範囲内で事務を遂行するのが常識でありまして、この問題につきましても、当然農林省の承認を得るということになつておりますから、得たものに対して局長が処置をする。従つてそれに対して一つ一つ大臣が決裁をするという事務は、今日までとつていないのであります。ただたまたま承認を得るべきであるにもかかわらず承認を得ていないというところからこの問題が起つているのでありまして、この点につきましては、先ほど申しました通り、それらの係官に対して十二分の戒飭を加え、同時にまた大臣に対しましても、この点を委細報告いたしまして、何分の処置をいたしたい、こう考えているのであります。
  70. 井上良二

    ○井上(良)委員 今の肥料輸出問題に対して、委員会としては、今通産省として局長及び関係官がそれぞれ具体的に一応処置をされているそうでありますから、それを政務次官から通産当局の係官にどういう手配とどういう処置をしたかということを、ひとつただちにお問合せ願つて、本委員会に御報告の上で、本委員会はさらにこの問題に対する具体的な態度をきめる、こういうことで一応この問題はけりをつけて、次の質問に入るように委員長のとりはからいを願いたい。
  71. 千賀康治

    ○千賀委員長 井上委員の今の発言を動議という形で御賛成がありますか、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 千賀康治

    ○千賀委員長 異議なしと認めます。井上委員のただいまの発言通りに処置をいたしたいと思います。
  73. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 実はたびたび立つて恐れ入りますが、先ほど委員長が非常にお急ぎのようでありますから、途中で質問が切れておりますが、重ねて私は今の輸出問題で一、二伺いたい。きよう通産省では局長、部長、課長等をして、それぞれ輸出取消しの措置をとらせるように今手配した、こういうことでありますが、その場合の態度として船に載せたものでも、まだ港を出ていないものは輸出をとめるという方針を立てて行かれたのか、それとも工場を出たものは仕方がないということで行かれたのか、またもつと極端に言えば、船がすでに出ておるけれども方向変換をして内地に引もどすというだけの強硬な措置をとられたのか、通産省としてそれぞれ現地に職員を派遣するにあたつての、通産省の根本方針を伺つておかなければいかんと思う。これが現地に行つて、ただそこまで行つたので仕方がないということで行つたならば、おそらくあした出るものもきよう出たことにして全部処分してしまう、これが商売人のやり方であります。でありますからこのへんのところの通産省の腹をしつかり聞いておきたい。同時にこれらの問題についての農林省の方針も、かりに船に載つておろうが、法律で認めていないことをやつた以上は、これはやみ船でありますから、どこまでも引もどすという農林省の方針にかわりないと思いますけれども農林省の方針を伺つておきたい。  もう一つ、私は役人をやつたことがありませんからよくわかりませんが、井上さんは政務次官をやられたことがあるからよく御存じのはずですが、農林大臣の許可を得てやるという書類は、少なくともそれが通産省へまわるときには、農林大臣の承認済みであるとかないとかいうことは書類に添付してあると思う。そういうふうに常識で考えるのですが、もしそういうものであるとすれば、農林大臣の承認を得ていないものは、課長の所にまわつても局長の所にまわつてもすぐ発見できるわけだ。こういう点については、役所の事務はどうなつているか。われわれの常識的な判断では、他の大臣の許可を得るというような重要な問題は、おそらく書類の上に農林大臣の許可を得たか得ないかということが、当然添付されてあるべき必要なる書類だと思う。こういう点については、はなはだ愚問かもしれませんが、私は役人の飯を食つたことがありませんからひとつ……。これは私は不注意にしてもあまりに大きな不注意だと思う。私はどこまでも故意だと断定しているが、私の方は少し悪意に解釈し過ぎるかもしれませんので、役所のこれらの点についての指示についての内容を伺いたい、かように思います。
  74. 首藤新八

    ○首藤説明員 積出し停止の具体的措置という問題についての御質問でありまするが、これは先ほど指示いたしましたのは、要するにできる限り可能な範囲において積出しをとめるようにということを指示したのでありまして、すでに港を離れて港外に出たものまでその措置ができるかどうかということは、單に肥料だけを積んだ船でありますとかあるいは日本船であるということでありますならばそういうことは可能かもしれませんけれども、しかしながら外国船に肥料その他が全部混載されているという場合に可能かどうかということについては、この際いささか困難ではないかと考えでいるのであります。先ほどの局長の話ではまだ許可して日にちが非常に浅いので多分大部分のものはまだありはせぬかというようなことでありましたので、多分私が今申し上げたような事態には至つていないのじやないかというように考えているのであります。ただいま事務局にその点を電話で問い合せておりますから、後刻詳細な御回答ができると存じます。  なお許可の手続でありますが、これは御説の通りこの稟請書には必ず農林大臣の承認書が添付されなければならぬことになつている。従つてそれのないものに許可を與え決裁したということは、これは弁明の余地のないほど大きな失態であるということを考えているのであります。
  75. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 第一段の点は、そういたしますと、通産省としてはもうすでに出港したものは仕方がない、しかし本船積みをしてもまだ出港してない分は、これをもどすというような御方針のように伺いましたが、そういうことで間違いないかどうか、その点を伺いたい。もう一つは、農林大臣の承認の書類は当然添付されてあるべきだ、そういたしますと、その添付してあるべき書類が添付してないものを許可したということは、少くとも政務次官なり大臣の所へ書類はまわつていなかつた、局長のところにはまわつているはずである。局長がそういう必要書類のないものを許可したということは、局長は明らかに故意であるというようにはつきりと解釈できると思いますが、そういう場合に一体どうされるのか、この点も重ねてくどいようでありますが、私は伺いたい。
  76. 首藤新八

    ○首藤説明員 第一の積出しの問題でありますが、大体出港してない範囲内であるならば中止は可能かと存じているのであります。なるべくその線に沿つてできる限り中止するというように考えているのであります。なお局長が必要な添付書類がないにもかかわらずこれに決裁したという問題でありますが、この点は先ほどから何回も申し上げております通り、まつたく通産当局の失態であります。ただ問題はそれが故意であるかどうか、私はまア故意でないと存じているのでありますが、この点につきましては厳重に調査いたしまして、もしそれが故意であり、悪意であるということならば、厳重に処罰いたしたいと思います。
  77. 平野三郎

    ○平野委員 今井上委員の動議に関連しまして、委員長にこの際強くお願いしておきたいと思うのでありますが、それはただいま本問題について農林通産両政務次官から懇切な御報告があつたのでありますが、どうもこの問題は両政務次官がいかに誠意ある態度をとられても、下の局長とか課長というような連中はきつねかたぬきのようなのがそろつている。少しお人よしの政務次官だから、私は政府だけにこの問題の処置をまかしておいては、本委員会として使命が全うしかねると思うのであります。従つて明日この結果を報告せられるということであるならば、本委員会として、どこまでも責任あるところの解決をするために、万全の対策を講ずることが必要であると思います。しかるに明日は委員長も名古屋に国政調査のために御出発するそうでありますし、また本問題の提出者である河野君も名古屋に行かれるということで、本委員会は明日は大分人が減るということになりますから、後ほど委員長は特に明日以後の対策を十分講じてもらいたい。しかもこれは一刻を争う問題である。船に積んでしまつたからしかたがないというようなことを言つて、出港をとめないということをする連中にまかしておくことはできませんから、その点特にひとつ委員長として、十分対策をとられることを要望いたします。
  78. 井上良二

    ○井上(良)委員 私はこの際委員長に特におはかりを願いたいのは、さきに申し上げました通り、これは非常に重要な問題でありますし、午前中にこの問題は論議されて、そのとき出られた化学肥料部長ですか、あの方が農林、安本両次官立会の上で、どう処置するかということでお帰りになつておりますが、それから四時間もたつておりますから、ただちに具体的な処置を通産省としてはとられておると思います。今までその処置がまだ小田原評議に終つておるということではございますまいから、ひとつ通産次官はただちにとういう処置を部下がとり、どういう結果になつたかという、その経過と結果を本委員会にただちに報告するように、部下の方に連絡をとられて処置をされるように、ひとつおとりはからいを願いたいと思うのです。
  79. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 政務次官の御答弁では、今電話で問い合せて御答弁なさるというお話であります。それは一応それで承りましようが、これはちよつと電話ぐらいの話で決定するはずはない。なおこういう重要問題は何か小委員会の機関でも設けて、各党から七名ぐらい出して、明日でも実地に当つて調査をして、至急またさらに委員会を開いて、委員会に報告をして、対策をとらなければ、われわれは国民の代表の使命を果したと言えないことになる、これはなかなかはつきりしない。まず第一番の問題に、農林の政務次官が何とおつしやつたあとで通産省から請求があつた分に対しては拒否の態度に出ておるということをはつきりおつしやつた。ところがさつき通産省の何とかという部長さんは何と言つた農林省の事務当局は書類で許可を得ないけれども、大体同意を與えたから話を進めた、こう言つた、これは速記に残つておる。どつちかがうそである。しかも役人が委員会に来てうそをつくなどというのは許しがたい問題である。この二つがわからぬ以上これをまずきわめなければいかぬ。はたして農林省は拒否をとつたか、あるいは下つぱの方で判をついて来たのか、その書類も見なければならぬ。通産省の方の船の問題も、積出したものは出港したか、昨日積んだものは今日出たか、今積んだものはどうするかというように、至急調査しなければならぬから、明日は午前中にでも通産省に行つて——ただここにお願いすることは、委員を七名とし、各党から割出すことにして、明日出張しない方々を委員として、そうして通産省に行き、農林省に行つたならば、通産省の方の政務次官農林省の方の政務次官お二人と、それに関係する係官は一人も出張させぬで集めて突いていただいて、われわれの調査委員が行つたところで明確に答弁をし、書類も隠すことなくわれわれにしつかり見せることの措置だけはとつてもらいたい。こういうことをお願いして、委員会を設ける動議を提出しますから、どうか皆さんの御賛成を願いたい。
  80. 井上良二

    ○井上(良)委員 私はこう考える。一応いろいろ事務的手続の上には、重大な失態のあつたことは政府当局も認めておる。従つて問題は、今積み込んで出ようとするやつをとめる処置を緊急な処置としてやらなければなりません。その後の政府当局の事務的な手落ちについて責任をどう処置するかということは、政府の出方を待つて態度をきめればいいことであつて、問題は今港を出ようとするのをどうとめるか、とめることに政府はどういう処置をとつたかということを、まずわれわれは報告を求むべきであります。報告の結果、われわれがその報告に満足できぬ場合は、今小笠原君の提案されました小委員会によつて、さらにそれを具体的にどう処置するか、どう進めて行くかということの処置をすべきが、順序として適当じやないかと思いますので、まず一応、通産政務次官も報告をすると申しておりますから、一応その報告を承つて、善処されておるか、されておらないかということによつて、善処されておるならばそれでいいのであります。善処されておらなければ、さらに委員会としては目的が果されませんから、そこで小笠原君の提案の小委員会におまかせいたしまして、十分真相を調査し、かつ適当な処置を政府当局に要望して行くというように、おとりはからいを願つたらいいのじやないかと私は思います。
  81. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 井上君のお話はごもつともであるが、いかに今電話で聞いてその答弁を承つてみたところで、どの会社にどれだけ許可したということはわかりようがない。従つて答弁答弁として聞くことにし、委員会委員会としてつくることにして、詳細に調査するという二つにしてこの問題を進めていただきたい。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 千賀康治

    ○千賀委員長 小笠原君の動議は成立をいたしました。委員の数その他すべて委員長に御一任いただけますか、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 千賀康治

    ○千賀委員長 ちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕
  84. 千賀康治

    ○千賀委員長 速記を始めて……。それでは御報告いたします。小笠原君御提案の動議によりまして、委員長において選考いたしました結果を報告いたします。委員会の名称は肥料対策小委員会という名称にいたしまして、委員は次の通りであります。   小笠原八十美君  河野 謙三君    平野 三郎君  幡谷仙次郎君    小林 運美君  足鹿  覺君    深澤 義守君 以上であります。小委員長小笠原八十美君にお願いをいたします。(拍手)  首藤君の発言をお許しいたします。
  85. 首藤新八

    ○首藤説明員 ただいま事務局に電話で照会いたしました結果を一応御報告申し上げたいと存じます。  先ほど島村政務次官から同意を得ざる契約分として二万七百トンと申し上げましたが、ただいま通産省の調査によりますと、総量は一万九千八百四十トンだそうであります。そのうち七百九十トンはまだ許可証を交付してありません、これは全部阻止ができるのであります。一万トンは大体船が出たと考えられる状態にあるそうであります。それから九千五十トンは具体的現状がどうなつておるか、今事務局からその事情調査しておるそうでありまして、もし阻止ができますれば、この九千五十トンのうちからどれたけ出るかということになるという事務局の回答だそうであります。大体現在の状態はそういうことになつております。
  86. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今の御報告の中に、一万トンほどはすでに出たということでありますが、当然これは今設けられました小委員会調査すればわかると思いますが、それを待たずに、進んで通産省から、この一万トンはいついつかに何という名前の船でどこの港を出た、その出荷工場はどこであるということは即刻わかるはずであります。これは私は本日とお願いしたいのですが、少くとも明朝までに、出たものはわかつていると思いますから、その船名、出荷の港、日時について聞きたいから、責任者をここに呼んでいただきたい。そうでないと、この事件は初めから故意でありますから、私は單なる通産政務次官の事務当局からの電話連絡を信用するわけには行きません。ですからこの一万トン出たものについて、船名、出荷の港、日時を本委員会に報告していただきたいと思います。
  87. 井上良二

    ○井上(良)委員 今河野さんもおつしやるように、どうも政府の説明なり答弁を承つておりますと、通産省が故意に計画をされている証拠歴然たるものがあるのです。第一農林大臣の同意を得ずして、そういうものを大量に輸出したということ自身が、これは何としても大きな問題である。これが最初から第一船でこういうことをやつたというのなら、これは手続が遅れたとか、どうとかということで事は済む問題ですが、すでに八月に七千五百トンというものは同意を得て出しておるのです。今度の第二回目のものについても、当然同意を得なければならぬということはわかつておるのに、同意書の判がないものをかつてにやつているということは、何としても故意よりほかに考えられないのです。だからこの際電話で事務当局とごしやごしや連絡するというよりも、一ぺん輸出の責任者と肥料の方の責任者をここにただちに電話でお呼びを願いたいと思う。そうして当局者から具体的に聞いた方が一番早いと思う。この問題について、ただちにここに出頭をしてもらうように委員長はおとりはからいできないか政府当局に聞いてください。
  88. 千賀康治

    ○千賀委員長 ただいま政府当局と打合せました結果について御報告をいたします。  ただいまの井上君の御要求は、今からでは時間的に相当困難であると思うし、せつかく委員会ができておるのだから、どうか小委員会の活動に待つていただきたいということであります。どうかこれを御了承願いたいと存じます。
  89. 井上良二

    ○井上(良)委員 委員長の非常にお人がいいのには驚きました。通産省はあそこに見えているのですよ。あそこからここへ来るのに、自動車で来ればものの二、三分もかかりません。確かにおるはずですから、ただちに電話して、すぐにここへ来てもらいなさい。そうして、小委員会では速記がつきませんから、こういう委員会で実際に正式に速記をとつておく必要があります。ぜひ委員長から政府に正式に要求してください。何も遠い所におるわけではない、あそこに見えておるじやないか、ですからすぐ来てもらつてください。
  90. 千賀康治

    ○千賀委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  91. 千賀康治

    ○千賀委員長 速記を始めて。
  92. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今二万トンはすでに出たとおつしやいましたが、これに対して私は非常に疑義がある。これについてはとくとなお帰られた上で詳細に調べて、二十分後に報告してもらいたいと思いますが、私がかように疑義があると言うことは、たとえば七月の末に公団が廃止になるときに、政務次官御存じのはずですか、政府肥料工場の金融のために在庫を買つてつたのです。その場合に製造会社はどういうことをしたかというと、ありもしない在庫をあるように報告して、からの肥料を売つて政府から肥料の金融を求めておつた、こういう事実が歴然としてあるのです。このくらいのことは平気でやるのです。ない肥料をあるかのように報告して、政府の金を融資してもらつておる。この事実を考えても、今出荷してないものを出荷したとか、はしけに載つてないものをはしけに載つたくらいのことは、あさめしまえでやるのです。そういう程度の業者であるということをよく認識した上で、十分私は御調査いただきたい、かように思います。  同時に私は、ここに農林省肥料課長さんも見えておられますが、今一万トンからの肥料が出たと言われますが、この肥料が出る以上は、農林省がいかに肥料工場の一々の出荷の許可を與えていないとしても、これらの事実については、私は出たか出ないかというくらいは、農林省は知つておるはずだと思います。でありますから、政務次官から担当の課長さんに聞いて、この一万トンが出たか出ないかについて、農林省はどのような調査をしておられるか、これも、今通産省の政務次官がお留守の間に御報告願いたい。通産省の政務次官がおられると、農林省はなかなかお話がしにくい思いますから、ただちに通産政務次官に御退席願つて農林省にこれをお聞きしたい、かように思います。
  93. 長尾正

    ○長尾説明員 ただいま河野委員からお尋ねがありました点を御説明申し上げます。今私の方で同意を求められて保留しておりますその書類の上から見ますと、本日までに出ているのは——今ちよつと書類を持つておりませんので、はつきり申し上げかねますが、一万トンはちよつと多いような気がするのでありますが、これはもう一度課の方と連絡をして御報告申し上げたいと思います。はつきりした数字は今ちよつと想像いたしかねます。
  94. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 一体肥料課長が肥料のことがわからないで、だれから聞くというのです。それから今の課長の答弁の中には、政務次官と違う点がある。これは重大な問題ですが、向うに同意を求められて保留していると言われましたが、政務次官の方は拒否したと言われた、どつちがほんとうですか。その点は、もう三人とも答弁が違う。
  95. 長尾正

    ○長尾説明員 申し上げます。私の申し上げましたのは、書類を私の課で持つているという意味でありまして、拒否したと先ほど政務次官がおつしやつた点は、八月の二十八日に肥料需給に関して会合があつたわけであります。そのときに通産省も、それから農林省も安本に寄りまして会議をしたのであります。そのときにたまたまこの輸出の問題になりまして、そのときに私の方へ来ておつた書類が一件あつたわけであります。この書類以降はもう私の方は輸出は同意いたしませんとはつきり局長から拒否したわけであります。私は書類を私の所に持つておるということを申し上げたわけであります。
  96. 竹村奈良一

    ○竹村委員 肥料課長が来られておるので、ひとつお伺いいたしたいのでありますが、大体先ほどから農林省が同意した肥料の問題、これだけのトン数を出しても肥料値段にはあまり大して関係がないというのが政務次官の御答弁でございました。そこで私のお伺いいたしたいのは、八月からこちら、大体一箇月間一体どれだけ値段が下つて来たか上つて来たか、これは調べておられると思うのでありますが、一体どうなつておるか、大体の値段を聞かしてもらいたい。はたして政務次官がおつしやるように、こういう許可を與えても肥料値段が下つて来たか。私は不幸にして上つたことを知つておりますが、下つたことは知らない。従つてつておるとすれば、こういうふうになつて来たから影響を與えておる。そうすると政務次官考えておられる大して影響がなかつたということは、大いに影響があつたことになる。このことに対して、もし影響があつたとすれば、これをどうするかということは政務次官にお伺いいたしますが、あなたとしては肥料課長だから、一体輸出のために値が下つたという例があるか、どういうふうな形で下つておるか、これをひとつ教えてもらいたい。
  97. 長尾正

    ○長尾説明員 八月の中旬ごろに私の方で全国からとりましたのは、御承知でありましようが、卸売の全国着駅貨車乗り値段が、大体硫安で七百五十円、それから石灰窒素で四百五十円、過燐酸で三百十円見当でありました。それが最近調べましたところでは、硫安で大体七百二十円から十五円見当になつておると思います。それから石灰窒素が四百円から三百九十円見当、過燐酸はあまり動いておらないように今見ております。
  98. 竹村奈良一

    ○竹村委員 それでは一つお伺いいたします。現在、今言われました大体七百二十円見当になつておる。これが二、三日前の日本経済新聞によりますならば、硫安の全購連の取引値段は六百九十七円五十銭で協定したと言つておるのであります。しかしこれはそういうような形で市価を下げたのではない。これは全国の農業協同組合が結集して、いろいろな形において、この値段で一応二、三日前にきまつたわけでありまして、それ以外に実際農村の商人なんかにおいて取引されておるのは、事実は七百七、八十円、これが現在の実情です。そうしてどういうふうに巷間言われておるかというと、商人が売込みに行つて事実をどういうふうに言つておるかといいますと、輸出をしない、輸出をしないといつても、事実は農林省が同意を與えてどんどん輸出をしておる。だから少くとも十一月、十二月になると八百円台になるというのが、商人一般の巷間伝えておるとこの宣伝であります。しかも先般私は農林省に参りまして、肥料の放出の見通しの問題について聞きましたが、これでも実際肥料公団の放出品を農民に手渡すには七百二十円くらいである。しかし事実はそうは参らぬということを農林省で一応伺つておるのでありますが、こういう点から言つても、大体輸出を許可されたがゆえに大きに下つたと言われておるのは、それは違つた形において最近になつてつただけでありまして、その過程においては非常に上つておる。この事実をお認めになつておるかどうか、この点をお聞きいたします。
  99. 長尾正

    ○長尾説明員 では申し上げます。ただいまおつしやつた点でありますが、なるほど非常に農業組合系統の熱望もございまして、最近全購連は硫安ではメーカーと協定ができたと承知しております。ただこの七千五百トンの同意を與えましたのは、これは日にちで申しますと、たしか八月十三日付の書類だと思います。そのときまでの書類であつたと思います。その後どうも情勢がおつしやるように非常に上る形勢にある、そういうことを私の方でも察知いたしまして、この八月の二十日以降のものはとめたわけであります。それでその前のものが、先ほど次官から申された数量なのであります。
  100. 竹村奈良一

    ○竹村委員 私は肥料課長に対する質問はもうやめておきます。それで一つ政務次官にお伺いいたしたいのでございますが、農林省が一応同意を與えられないものが、現実にここで問題になりましたように、通産省は輸出許可を與えておるのであります。たとえばこういう問題に対して、農林省の方におきましては、通産省に対して一体どういうふうな措置をとられたか。これはおれのところは同意していないが、向うがかつてに出したのだからいたし方ないということで泣寝入りになつて、つまり泣寝入りになれば今後そのままの形でどんどん輸出がされるだろうと思うのですが、この問題に対して、農林省としてはどういうふうに通産省との間で話合いをつけられるか、あるいは通産省に対してどういうふうな責任をとるように要求されるのか、その決意のほどをひとつお伺いしたい。これは全国農民が今肥料で非常に悩んでおる。先ほどから專門家の河野さんが言われたので私は深く言いませんが、農林政務次官もその点については実にくろうとでありますので、伺いたいと思うのは、御承知のように農民は、農林省自身も言つておられるように、いろいろな米価その他の計算からいつても、一俵当り七百五、六十円で手に入れなくてはならぬことになつておる。それが実際は五十円も六十円も上まわつておる。通産省がかつてに同意なくしてやつたのだから、これは国会で問題になつたらしまいである。農林省はそれでいいというお考えであるならば、私は全国農民を総元締される農林省として、農民ははなはだ納得し得ないと思う。だからこの問題に対して、農林省としては通産省に対してどういうふうな措置をとり、またどういう形で責任をとるように要請されるのか、あるいはそのままほつておかれるのか、その点ひとつ決意のほどをお伺いしたい。
  101. 島村軍次

    島村説明員 農林省は、最初からこの輸出の問題については皆さんと同一な意見を持つてつてつたのでありますが、遺憾ながら八月の初旬の数量については、先ほど答弁申し上げました通りに、少数のものが出ましたことに対する同意は與えたのでございますが、その後はいろいろの情勢から、これはたびたび申し上げる通りに、農林省としては拒否の態度をとつて参つたのであります。できましたことに対しましては、先ほど来申し上げた通りで、まことに遺憾しごくと存じておるのであります。そこで今回の問題については、もちろん通産省に対してはすでにこの積出しの交付の漏れに対しては、すぐにそのまま出さないでもらいたい。それから積出しの途中にあるものも引返してもらいたい。現状のものは取消してもらいたいということを申し出ておるのでありまして、皆様の御意見のありますような点に対して措置をとつておる次第であります。
  102. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 ちよつと肥料課長さんにお聞きするんだが、決してあなたを責めるんじやないから、正直に答えなさい。とかく途中でこしらえる気持だから事はめんどうになる。あなたは肥料課長だから、肥料の方の一番大切な部門なんだが、あなたの今の答弁を聞いておると、最初の七千トン同意を與えたものに対しては、特に価格影響がないと思つてつたんだ。ところがその後に非常に影響のあることがわかつたから拒否したんだという御答弁だが、そういう御答弁をすると、あなたは農林委員会の速記をごらんになつていないんだ。この農林委員会で、この統制をはずす場合に各委員から警告をして、これをはずして暴騰してはいかぬから、また聞くところによれば、輸出の準備をしないうちに輸出なんかしてはいかぬということの大なる警告を與えておるのだから、速記を見ておれば、影響がないからといつて許可したなどということは言えるはずがない。委員会の大問題だ。それからもう一つは、それで、許可した、かりにあなたの言う通りにしても、あなたは肥料の方の課長をされておられるのだから、拒否したあと肥料がどこにどれだけあるのだ、生産能力は幾らということはわかつておられるはずだ。ことにこれに対して政府の金融があるといえば、どういうものに金融をしておるか、残りはどこにあるか、それが自由に一万トン以上も出港した、船が立つたという今日において、問題が起きてから初めてわかるような、肥料課長さんの立場ではないと私は思われるのだが、その肥料の動きがあなたにわかるようになつておるのか、わからないようになつておるのか、実際の問題はどうなのか、その点をはつきりさせていただきたい。
  103. 長尾正

    ○長尾説明員 肥料の荷動きの点がどうなつておるか、その点は統制がはずれましてからは、はつきり申し上げまして、私の方で、どこの工場のものがどう動いておるということはわかりません。
  104. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 わからない。
  105. 長尾正

    ○長尾説明員 はい。
  106. 深澤義守

    深澤委員 午前中の通産省の化学部長の答弁では、輸出を許可したものに対しては、文書では明確に承認はされていないが、口頭で承認を受けたというような答弁が行われているのです。そうすると、この問題については、おそらく農林省肥料課長が、もし口頭で承認を與えたということであるならば、相当事情を知つていると思う。この通商省の化学部長の言う口頭で承認を受け輸出許可をしたというこの問題に対して、何か肥料課長の方でそういう心当りがあるのかどうか、その点をちよつとお伺いしたい。
  107. 長尾正

    ○長尾説明員 申し上げます。私の方では心得ありません。私の方はこの点については、安本の会議で局長も出ておりましたが、はりきり拒否しております。それからあとは同じ態度でございます。
  108. 深澤義守

    深澤委員 そこで政務次官の方にもお伺いしたいのでありますが、午前中お聞きになりましたように、正式の文書では同意は受けていない、だが口頭で受けて輸出を許可したということは明確に言つておる。この問題について政務次官としては何かお心当りがあるのかどうか、あるいはどういう形式においてかそういう同意を與えておるのかどうか、その点をひとつ明確にお伺いしたい。
  109. 島村軍次

    島村説明員 いろいろ取調べましたが、さような事実はない。     —————————————
  110. 千賀康治

    ○千賀委員長 さらに農業関係公共事業に関する件、これを議題といたします。井上良二君。
  111. 井上良二

    ○井上(良)委員 この際ちよつと公共事業関係並びに食糧対策について伺いたいのですが、昨日いろいろ米価問題を中心にして伺いましたけれども、かんじんの物価庁の第二部長が見えておりませんから、本日やることにしておりましたところが、本日午前中は見えておりましたが、午後はまだ見えておりません。そこでこれは特に米価のうちの中間マージンの問題についてでありますが、この関係につきましては食管の方に特に重大な関係がございますから、食糧庁長官から答弁を願いたいと思いますが、昨日も河野委員より中間マージンの圧縮につきまして、きわめて具体的な例証をあげまして、いろいろ政府質問をいたしておりましたが、特にわれわれが公団小委員会において調べましたうちで、まことにどうも納得しかねます問題は、一つ消費者負担となつております中間マージンの中に、当然政府食糧政策の人件費として負担をしなければならぬ人件費が、相当この中に入つておる。その次には輸送費の問題でありますが、輸送費が特に日通の全国プールの計算の立て方、その基本的な計算の基礎というものが、非常に過大に評価されておる。それからいま一つは、公団が政府から拂下げを受けました場合に、運送いたします運賃の内容というものが、まつたく甘さをはずれて極端な状態に放任されておるという点にあるのでありまして、日通が、全国プール計算で政府から下請をいたしまして、運送をいたしておりますが、その運賃のはなはだしいのは、たとえば各製粉工場なり精米工場なりに運びます運賃を、駅から大体五キロですか、五キロの距離にプールしておる。ところがいずれの製粉工場におきましても、大体駅の近部あるいは港湾の近くに工場は設立されておりまして、駅から数キロも離れたところに工場を持つておるというのは、全国にほとんど数えるくらいしかない。もしありとするならば、それは非常に小規模の、問題にならぬものではないか、こうわれわれは考えます。さらにまた公団が政府から拂下げを受けてこれを輸送します運賃の面を調べてみますと、公団マージンの大体一一%が輸送費に使われておるのであります。非常に大きな部分を占めております。しかも公団直営のトラツク、荷馬車を持つことができぬというような通達を出しましたために、それぞれ各公団支局は、下請の運送会社というものを、公団に元おつた従業員を中心に組織しまして、そうして非常に甘い運賃でこれを下請さしておる。このことはすでに経済調査庁においても、公団の一、二の支局を調査をいたしました結果、はなはだしきところになりますと、実に五〇%のさやかせぎをやつておるという局があるのでありましで、いかに輸送費が甘く見積られておるかということが指摘されております。これに対して、政府は一体どういう措置をとられたか、そうして今日まで、それが経済調査庁から調査の結果政府警告が発せられておるのでありまして、その警告に基いてどう一体処置をとられて来たかということを、この際明らかにしていただきたい。  なおこの九月一ぱいで公団の末端機関を民間に切りかえることに政令、省令を出しております。これは昨日もちよつと触れたのでありますが、長官から直接承つておきたいのは、私どもが民間に移行します場合に、一番心配をいたしますのは、売掛代金を一体どう回收するかという問題であります。御存じ通り国民の生活難、特に失業等の消費者大衆の生活苦悩が、やむにやまれず主食代金の掛売りを要求しております。一方政府は来年の二月だか三月だかを期しまして、小売業者の登録を全国的にやろうとすることの心構えのようでございます。そうしますと、ここに小売業者として、消費者に悪感情を持たれず、いわゆる人気を集めるためには、消費者の要求するところを相当聞かなければならぬ。これが買取り制度の場合は、またそこにはおのずから自分の責任になる分がございますけれども、この九月から十二月までは委託販売の形をとるのでありまして、そうしますと、当然ここに売掛代金の未拂いの分が、相当出て来るとわれわれは想像されるのであります。そうしました場合、一体政府はその未拂い代金を出しました配給業者をどう処置されようとするか。それはもうその許可を取消して、全然別のものにやらせようとするか。一体それをどう処置されようとするか。  それからいま一つつておきたいのは、登録制の問題でございますが、登録制の問題は、過去にみそ、しようゆその他の登録によりまして、これが費用ばかりかけ、関係業者及び消費者をいたずらに混乱に陥れるだけで、何らの効果が上つておりません。またこのために各業者及び関係当局が使いますところの金額が莫大に上つております。従つて登録によつて適当な販売業者を定めるという民主的な方法は、一応妥当のように考えられますけれども、実際行つております登録の競争の実情をわれわれ見ました場合、これは決してよい方法ではない。逆にむしろ自由に民間業者を許すというならば、一定の資格というものをきめておいて、その資格に当てはまつたものは何人も許す。あとは本人のサービスいかんによつて消費者がその店に配給及び販売を頼めばいいのでありまして、そういう登録というようなことは、この際やめてしまつたらどうか、こういうふうに私は考えますが、これらの点について食糧庁長官から責任ある答弁を求めたいと思います。
  112. 千賀康治

    ○千賀委員長 この際議題を追加いたします。農業関係公団の整理に関する件であります。
  113. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 中間経費の節約の問題は、先年来から、生産者価格消費者価格の間の矛盾を緩和する意味において、どうしてもやらなければならぬ問題であると、私ども考えております。特に本年度の米価を決定するにつきましては、現在におきまする農村の事情から申しましても、相当米価を高くする必要があることと考えております。また消費者価格はさほど上げるわけにも行かぬという両面から、特に中間経費の節約について努力をいたしたいと考えております。  お話のありました日通運賃の問題でございますが、全国プール計算をやつております関係、また非常に輸送が窮迫いたしました時代もありますので、そのときからの流れもありまして、これが削減につきましていろいろ努力いたしておりますが、いまだにいろいろの御批判を受けるような状態になつておるのでありまして、はなはだ恐縮に存じますが、二、三箇月前でありますが、約一割近い輸送費の節減をいたしております。今後もただいまお話のありましたような点について、できるだけ努力をいたして参りたいと思います。たとえば日通運費の中には、警備費というようなものが場所によつてあるのであります。これは相当食糧が窮迫いたしておりました当時に、応急的なものとして計上されたようでありますけれども、もう昨今におきましては、そういうことを考えなくともよかろう、それは運送費なりあるいは保管料の中に当然含まれるべきものだと思いますので、そうしたものは相当つて参りたいと思つております。できるだけ今後も強き態度で輸送賃の切下げについて努力して参りたいと思います。ただ運送費あるいは加工賃等につきまして、私ども非常に悩んでおります点は、一応官庁の事務といたしまして、これを積み上げていろいろ内容を分析いたしますと、やはり一々もつともなような経費があるのであります。これが普通の商事会社の取引でありますならば、サービス料その他としてやり得る面も相当あるのではなかろうかと思いますが、そうした点において事務的に扱つて参りますと、客観的に見た場合に、結論において甘いというような御批判を受ける場合もあろうかと思うのであります。どうしてもこうした点については、競争の分野を開いてもらわなければならぬのじやないか、競争によつてこの点を切下げることにひとつ努力をする必要があるのではなかろうかというふうに、実は考えておるのであります。そうしたいろいろな見方から、できるだけこれを切下げて参ることにいたしたいと思います。  それから公団の第二会社に運送会社があつて、五〇%程度の余裕でございますか、そういうようなものがある。これは経済調査庁あたりの調査もあるのであります。これも一つ一つについてこうしたものを押えて参りたいと思つてせつかく連絡をとつておる最中でございます。  それから登録制のお話がございましたが、お話のように、完全に自由でありますならば、こうした問題に関して苦しむ必要がないのでありますけれども、また希望する人に対して一々全部許してやつたらいいじやないかというようなお店でありますが、そうしたものは結局マージンの問題にも関係を持つて参りますし、また末端における配給統制はなお続いて参るわけでありますから、配給統制の技術の面においても、やはりそこまで踏み切れませんので、数を制限する必要があるので、結局登録制になつて来たわけであります。そうした場合も、登録制というものは、ほかの商品についてやつてみた結果、思わしい結果が出ていないということは、十分承知しておるのであります。そうしますと方法は、知事さんあたりが従来の実績のある人を指定するとか何とかいう形になろうと思います。そういたしますと、やはりその選定について、現在の一般的な方向と違つたような、一つの官庁と申しますか、そうしたものの一つの独裁的な形を生み出すようなふうにもなりますので、そうしたことはできるだけ避けなければいかぬ。そうすると、どうしてそういう制限をされた数のものを指定するかといいますと、結局登録制しかないのじやないかというようなことで、いろいろ議論をいたしたのでありますけれども、また登録制の欠陥も私ども承知をいたしておるのでありますが、最後的な結論といたしまして、登録制におちついたわけであります。来年の四月ごろに全面的な登録をやろうと考えております。その後において情勢がまたいろいろかわつて来るかと思いますが、適当な機会に、この登録制というようなものはなるべく避けて参る方向をとつて参りたいと思います。  それから委託期間中におきまする売掛代金について御注意をいただいて、恐縮いたすのでありますが、その辺については今後とも売掛代金をいかに処理するかという点について、私ども非常に内々心配をいたしておるのであります。委託期間中は、これは考え方の違いになるかと思いますけれども、やはり公団の従来の機構が委託という形にはなりましたけれども、大体今の機構そのままの形で行くようなことになろうと思いますので、ただいまお話がございましたほど強く、委託になつた場合の売掛代金の回收について心配をいたしておらぬのであります。相当回收が悪いと申しますものの、悪いという事態が出て来ますれば、そのときは公団としては十分な督促をして、その場その場の処置を講じて参つて、何とか十二月まで大きな売掛代金を出さないで持つて行けるのではなかろうかというふうに考えておるのであります。若干甘い見方かもしれませんけれども、そうしたことで公団当局とは打合せをしておるような次第であります。
  114. 井上良二

    ○井上(良)委員 なお詳細なことについて質問をいたしたいのでありますけれども、時間が非常に迫つておりますから、この際特に伺つておきたいのは、大豆の価格政府、特に農林省は、大豆増産の見地から対米価比でマル公を維持して行く方針か。それともこれをはずす方針か。その点を一応伺つておきたいのであります。なお本年度の産米の超過供出の倍率の問題でありますが、この点につきましては、すでに前々からずいぶん議論のありました問題でありますので、政府は一体何倍でこれを買い上げようとするか、先般来の関係閣僚懇談会や閣議の申し合せ等によりますと、大体二倍程度で堅持して行く。早場米奨励金も依然として出す。こういう方針らしいのですが、この点を明らかにしていただきたい。それから特に私はこの際農林省及び安本に対して伺つておきたいのですが、最近政府も日本の国際的なもろもろの情勢の緊迫化から、国内の食糧の自給を飛躍的に高めなければならぬということからしまして、明年度農業関係の公共事業費につきましては、大幅にこれを増額するという態度をとられて参つております。ところが最近政府の方の閣議や大蔵省の予算査定等の経過を見ておりますと、農林省が要求いたしております閣議決定の食糧一割増産、あるいはまた、国際的な農業に対応する対策として要求しておる農業関係公共事業費を大幅に削減をして、特に農業関係では本年五百四十二億要求いたしておりますものを、経済安定本部では百七十九億に削減をしておる。一体何を根拠にしてかくのごとき削減をやられたかということを、まず経済安定本部から説明を願いたい。同時に経済安定本部としては、今政府なり国会をあげて、明年度の公共事業費の大幅な計上を要求いたしておりますのに対して、一方大蔵当局は、大蔵大臣の個人的な公約といいますか——個人的と言つてはちよつと言蓄が足らぬかわかりませんが、どうも最近はそういうにおいが非常に強いのであります。御承知通り公共事業費のわく全体を一千億程度で押える。その中から各省の要求する公共事業費を按分するということになりますと、ほとんど昨年度とあまり違わないような結果になつてしまう。そこで国会側の、特にわれわれ農林関係委員としては、さしあたり農村の窮乏を打開し、当面する食糧の自給を確立するがためには、一応減税ということも考えられぬことはありませんけれども、それよりも公共事業費の方に大幅に振りかえて、この際当面の公共事業を急速に施行するということが必要でないかということを、要求いたしております。安本当局としましては、公共事業のわくについて、一体どうお考えになつておるか、この点について見通しを明らかにしてもらいたいと思います。
  115. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 大豆の問題でありますが、この二十五年産の大豆につきましては、内部的には雑穀の統制をはずしますと同時に、大豆につきましても統制をはずしたいと考えております。しかしもちろん供出割当をいたしておりまするので、この分は全面的に政府が買う。また政府に売り込みますものはそれも買う。しかしながら来年度からは大豆もフリーな状態に置きたいと考える。価格はやはり大豆の重要性にかんがみまして、相当米価比はいい価格を出して参りたいと考えております。また来年度の問題にいたしましても、大豆は自由にいたしますけれども、やはり北海道等の大産地におきましてはいろいろ問題がありますし、また御承知のように、大豆は国際的な投機商品でありまして、現在におきましてもトン当り場合によると九十ドル。また場合によりますと百三、四十ドル見当というように、五割前後の価格変動があるわけであります。そうした価格変動を、日本の農家がまともに受けますことは、はなはだおもしろからざることでもありますし、また蛋白資源といたしまして、どうしても大豆の本増産を日本としてははかつて参らなければならぬという観点から、輸入大豆は国でもつて管理をする。あわせて国内産大豆につきましても、かりにたとえば米価に対しまして百七、八パーセントの対米価比、そういうような一つの支持価格的のものを設定いたしまして、大豆の価格の極端の変動を防止するという意味においての政府の買入れを実行したいと、実は腹づもりをしているわけであります。この点について本年度の食管特別会計についての予算をただいま要求いたしております。まだ結論には到達いたしておりませんけれども、私としては大豆の重要性並びに農村の昨今の情勢から考えまして、ぜひこれを実現したいと存じておる次第であります。  それから本年産米の倍率の問題でありますが、御承知のように予算上は二倍に組んでおりますが、ところが麦についても同様二倍に組んでおつたのでありますが、いろいろの事情によつて一・二五倍になつたのであります。もちろんその差額は米価の方に織り込む約束でありますけれども、倍率としては一・二五倍になつた。米については、私どもはまた麦についての感覚と違つた感じを持つておるのでありまして、ぜひ予算上に組まれた倍率の実現に努めたいと存じますが、率直に申しますと、二倍ということははなはだ困難ではなかろうか。私どもとしては、せめて一・五倍なりの実現ができまするならば幸いであるというくらいの見通しを持つているわけであります。しかしこの点については、本年産米の実情から申しましても、できるだけ倍率の維持に努めたいと存じております。  それから早場米奨励金は、本年の分については、先般特に早場地帯の経済部長のお集まりを願いまして、五十七億程度の一応の割振りをいたしました。予算上は六十億になつておりますが、各般の事情、一時早場米奨励金は運用上においては削れという議論もあつたのでありますが、大体了承を得まして、その程度でただいま進行いたしております。来年度の早場米奨励金については、單作地帯の実情を考えますと、私どもは一挙にこれを廃止するということは適当でないという考え方を、実はいたしておるのであります。もちろん一般会計の早場米対策費とのにらみ合いにおいてこれを考えて行くべきであろう。一般会計の方におきまして、相当の早場米地帯、單作地帯に対する対策費がきまりますならば、特別会計の早場米奨励金というようなものも若干考慮してもいいというふうにかね合いで実は進んでおるのであります。ただいまのところ三十億程度は来年も早場米奨励金を認めようということで、大蔵当局との話合いは進んでおるのでありますが、一方一般会計の方の單作地帯対策費というものが七、八億くらいあつたかと思いますけれども、それと合わせますれば四十億近いものということになりますが、その辺の調整につきましては、今後とも大蔵省との折衝の余地が残されておるという状況でございます。
  116. 小峯柳多

    小峯説明員 公共事業費のことに関しましてお答え申し上げます。  私どもは千三百五十億という公共事業費をぜひ確保したいというつもりで大蔵省と折衝いたしております。まだ公共事業費は私どもはきまつていないという建前をとつております。と申しますのは、ほかの費目と違いまして、公共事業費は閣議においてわくをきめて、しかる後にその内容の調整に入るべきであるという建前を堅持いたしております。大蔵当局では、私どもの要求いたしております千三百五十億の金額に対しましても異論があるようでありまして、むしろ個別に農林省なり、建設省なりに働きかけておるような姿も見受けられるのでありますが、私はこういう行き方をすべきでなくて、公共事業費は当然総合的にわくをきめて、しかる後に内容の調整に入るべきだという建前を堅持いたしまして、また公共事業費に関する予算はきまつていないという建前をとつております。大蔵大臣はいろいろ新聞などでも談話が出ておるようでありますが、私どもはまだきまらぬという建前をとつております。その金額にいたしましても、千三百五十億と申しますと、先ほど井上委員の御指摘の数字から見ますと、非常に低いのであります。しかしなぜそんなに圧縮したかというお話でありますが、やはり農林当局からの御要望もありますし、また歳入の状態ともにらみ合せまして調整するつもりであります。千三百五十億の査定に関しましては、先ほど食糧増産のお話がありましたが、公共事業費において相当部分まで役割を引受けなければ、一割増産のかけ声も実現できないという建前で、一番重い査定の仕方をいたしておるつもりであります。数字につきましては、先ほどお話がありました百七十九億にいたしましても、昨年に比べますと、他の費目に比べて重点を置いておるつもりであります。そういう意味で総体の金額は小さいのでありますが、今御指摘になりました趣旨に沿つて、公共事業費は相当がんばつて大蔵当局と折衝するつもりでありますから、どうか直接間接に御後援願いたいと思います。また私どもが千三百五十億を主張しますことが、何かインフレでも特にひき起すような言い方も一部にはあるのでありますが、私どもは健全財政のわくの中で、この千三百五十億は確保できるという計算をいたしておりまするし、また地方の負担に対しましても、地方の起債の限度、あるいは利子補給のことも考えて言つておるのでありまして、決して健全財政から逸脱した要求とは考えておりません。私どもの公共事業費に関する見方は以上の通りであります。
  117. 八木一郎

    ○八木委員 農林関係公共事業に関しましては、特に本委員会で昭和二十六年度の農林関係公共事業に関する件の決議をいたしまして、千賀委員長名をもつて文書により内閣に申入れいたし、所管関係大臣である、いわゆる農林大蔵安本の長官にそれぞれ送付してあるのであります。もし内閣にして議会尊重、国民政治の線を誠意をもつて受入れようとする意図がありますならば、本日ここに私どもが求めなくても、当然進んでこの決議の線に沿うていかなる処置をとつて来たかという報告があつてしかるべきだ。しかるにこちらから質問をしなければ、その後の経過について何らの回答もしないということ事態が、当委員会の決議を軽視することであつて、いろいろの問題はこの線をはつきりしないと、今後の委員会としての責務が果せないように感ずるのでありますが、一体政府はこの委員会において決議した文書の送付は見ておるかどうか。内閣はこの決議の意思を尊重して今予算閣議を進めておるかどうか。私は責任ある内閣から閣僚一人も出て来ないで、あいさつもないところを見ますと、それだけをもつてしても、この決議の軽視をしているとしか受取れませんが、政務次官にこの間のいきさつを御説明願います。
  118. 小峯柳多

    小峯説明員 私は大臣を通じまして御決議の趣旨は承知いたしております。しかるがゆえに私どもで一応査定したわくの中では農林関係のものは重く見ておるつもりなのでありますが、なかなかお気に召すようにできていないのが残念であります。ただ私ども長官は、御承知通り農家に対しても理解の深い方で、御趣旨はよく長官から承つておりますから、私どもに関する限りは、誠意を持つて御趣旨に沿つてつておるつもりであります。
  119. 八木一郎

    ○八木委員 私どもに関する限りは誠意をもつてつておるとおつしやいましても、これはやがて数字をもつて明らかになりますから、いかなる誠意を盛り込まれたかということの答えは数字にまつほかないのでありますが、先申しましたように、党派を超えてまでこの決議を見たという結果に対して内閣が当委員会の決議を尊重して行動しておるとは思われない。卒直に申し上げて、池田大蔵大臣は今安本の次官が言われたとは反対に、個々に折衝をするのには、まず虎の威を借りるにしくはないというので、この委員会にまた引きずり出されてはやつかいであるとばかりに、どこぞに逃げを張つて、一向に現われぬような態勢で、各個撃破で了承させて、安本を浮かせてしまうように見えますが、本気で千三百五十億を通させようという決意があるのですか。
  120. 小峯柳多

    小峯説明員 御質問にもありましたように、私どもが本気でやるかやらないか数字に現われるものだと思います。これは私どももただ御あいさつ申し上げたのではありません。大蔵省のやり方とは公共事業費に関する限り違つたやり方で、大蔵大臣にもこれは国のためになるのだということを主張し、努力するつもりでありますから、御後援かたがたお待ち願いたいと思います。
  121. 八木一郎

    ○八木委員 これ以上次官を相手にやつていてもしようがないので、私どもとしては委員会の決議に基いた文書によつて内閣に申入れしてあるのでありますから、私はここに追打ち決議をされんことを提議いたしたいと思います。まず文案を読んで賛意を得たいと思います。   去る八月十七日、本委員会は、「昭和二十六年度農林関係公共事業費に関する件」について決議を行い、参考のためこれを送付した。   政府は来年度予算編成にあたり、この決議を尊重して、必要なる財政措置を講ぜられつつあることと信ずるが、その経過並びに結果を速かに本委員会に、御報告相成るよう御取計らい願いたい。  以上であります。今のところ私どもとしては信ずるのでありますが、もしこの信頼が裏切られるときには、はつきりとした決議の線に沿うて行動を起さざるを得ないと思うのでありまして、この提案をいたしますから満場一致御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  122. 千賀康治

    ○千賀委員長 ただいまの八木君の御提議に対しまして、本委員会意見としてこれを採択することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 千賀康治

    ○千賀委員長 御異議なしと認めます。これは八木君の御希望通り委員会意見となりました。これを各関係大臣に送達することは委員長に御一任を願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 私もこの機会に先ほど井上委員から質問がありました食糧の中間経費の問題につきまして、本委員会の名において政府に要望することを委員長から皆さんにお諮り願いたい。先ほど食糧長官は中間経費の問題について、特に日通の元請契約等については、いまだにああのこうのと言訳、弁明されておりますが、さような時期ではないはずであります。もうすでに食管特別会計始つて以来、今の制度において、長年いろいろ経験されて、輿論ももうこれについては審判の結果を下しております。また直接担当の食管の長官におきましても、現制度の上においては、拔本塞源的な中間経費の削減ができないということはよくおわかりのはずです。でありますから、現制度にとらわれずに、私は新しく出直した中間経費の削減の方法をとらなければいけない、かように思います。私は昨日この問題につきましては、詳細、具体的に申し上げましたから、これはまた速記録をお読み願うことにいたしまして、とりあえず本委員会において、政府に向つて米価における中間経費の徹底的削減に関する件をひとつ要望したいと思います。案を読み上げます。    米価における中間経費の徹底的削減に関する件   政府は本年度補正予算並びに明年度本予算の編成に当り、これが前提となる昭和二十五年度産米の生産者価格及び消費者価格の決定を急いでいる。  本委員会は予てより中間経費の削減による消費者価格の引下げを要求して来たが、食管特別会計の独立採算制採用以来、諸経費はむしろ増加の趨勢を示している。  本年一月に決定せられた消費者価格の算定に当つても、食糧管理特別会計又は食糧配給公団の支出費目に、多額の人件費、物件費を計上し、又日通との元受契約においては、著駅より製粉工場迄の運送距離を五粁以上とするなどにより運賃過大に評価する一面、古俵或は糠等の拂下げの際の收入面においては、故意に過少評価するなどの方法により、中間機関の利益を必要以上に擁護する傾向がある。  その結果、中間経費の率は生産者価格の数割にも及び国民生活におけるエンゲル係数は異常に高い実情である。  政府は、食糧配給機構の転換期に当り、宜しく従来の行き掛りに捉われることなく、食糧流通の実態に即し、保管料、運送費、加工賃その他配給経費の細目に亘つて、徹底的な検討を遂げ、例えば日通との元受契約を廃する等思い切つて冗費節減の方法を講じ、以て適正米価を決定し、食糧の増産、民生の安定に寄與することに努むべきである。  右決議する。 以上の案文を委員長より委員諸氏にお諮り願つて、この機会に安本の長官並びに農林大臣の努力を願いたい、かように思うのであります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 千賀康治

    ○千賀委員長 ただいま河野君の御提案になりました決議案の原文は御異議なきものと認めます。採択に決しました。  この関係大臣に送達の手続に関しましては委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 千賀康治

    ○千賀委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。
  127. 大森玉木

    ○大森委員 食糧長官に簡單にお尋ねいたしたい。先ほど早場米の問題についてのいろいろなお尋ねに対してお答えがあつたのでありますか、早場米は本年の災害によりまして、品質が非常に悪くなつてつておることは御承知だと思います。そこで私は長官にお尋ねいたしたいのは、昨年は大体検査制度を厳格にいたされまして、三等米が四等米に格下げされて、そのために相当の奨励金が残つたのであります。本年はその三等米の四等米に格下げくらいではなく、五等米が相当に多いと思うのであります。これらに対しまして長官はこの五等米を認められるお考えがあるかどうか。この間の新聞で見ますと、大体本年は五等米は認めずというようなことをちよつと見たのでありますが、これもそういうふうに決定をいたしておりますかどうか、この点を簡單にお尋ねいたしたい。
  128. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 ただいまのところ四等米までのものを買入れ対象といたしております。五等米は俗に言う予備等級というものでありまして、災害その他の事情がありました場合に例外的に認める等級である。そのへんはやはり作況が確定したときに、その地方状況を見て設定をいたすのでありますので、原則的には四等米が最低の買入れ対象であるというように考えております。
  129. 大森玉木

    ○大森委員 それでありますならば、四等米五等米の問題でありますが、四等米が昨年のような状態でありますと五等米、昨年四等米になつたものは本年はおそらく三等米以上になるので、大体一等以上の格下げになると思うのでありますが、これらに対しまして何か特別の御配慮があるかどうか。こんど私が災害地をまわつてみましたところが、非常に品質が悪くなつている。この点を特にお願いを申し上げておきたい。
  130. 安孫子藤吉

    ○安孫子説明員 検査規格は昨年と比較しましてあまり上げておりませんので、去年三等でありましたものがことし四等になるというようなことはないと思います。規格は去年と大体同じにいたしておりますから……。ただ北陸なんかの非常に災害を受けた所につきましては一般的な方針としてでなく、別途実情によつて処置をして参りたいというように存じております。
  131. 千賀康治

    ○千賀委員長 暫時休憩いたします。     午後五時四十分休憩      ————◇—————     午後五時五十分開議
  132. 千賀康治

    ○千賀委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。首藤通産政務次官
  133. 首藤新八

    ○首藤説明員 二十分の余裕をお願いしたにもかかわらず、非常に長くかかりましてまことに申訳ありません、お詫びにいたします。実は帰りましていろいろ調査いたしましたところ、通産省においては同意を得たものと得てないものを別に区別しておりません。同じ扱いでやつておるものでありますから、同意を得たものと同意を得ないものの調査に非常に時間がかかつたわけであります。そこで先ほど一万トン出港いたしたというふうに申し上げたのでありますが、だんだん調査いたしました結果、明確に積出しがはつきりしておりますものは六千七百トンばかりあるのであります。ところが再調査いたしましたところ、これは同意を得たものだということがはつきりいたしました。ただいままでに積出し予定として報告されておりますのが八千七百五十トンであります。それをあらゆる手を打ちまして阻止するような手続を今やつております。そこで七百九十トンは先ほど申し上げましたごとくまだ許可証を與えておりませんから、これは問題はありません。それから残る一万三百トン、これは十五日から月末までに積出上予定になつておりますから、大体これは全部阻止できる、こういうように考えております。問題は八千七百五十トンがどの程度まで阻止できるかということで、これはどうしても今日中にははつきりわかりかねますので、この点は明日まで御猶予願いたいと思います。
  134. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今のお話をこういうふうに解釈してよろしいのですか。農林省が八月許可したものが七千数百トンというお話がさつきありました。そのほかに農林大臣の許可を得ないものが通産省の数字では一万九千何百トン、この合計した数字の中から、今まで完全に出荷したものは今、お話の六千数百トン、そういうふうに解釈してよいのですか。
  135. 首藤新八

    ○首藤説明員 一応全体を合計すれば、そういうふうに御解釈されてよいと思います。
  136. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 そうしますと正規の手続を踏んで輸出の許可を農林大臣からもらつたもの七千数百トンがまだ全部出ておらぬ。この七千数百トンのうちのわずかな分と、それから許可を全然もらつていない一万九千何百トン、この分がまだ出荷が済んでいない。出荷が済んでいないということは、これは当然輸出の取消しができますし、輸出の阻止ができるわけであります。これについては私は問題ないと思うのですが、今政務次官お話を伺いますと、これについて極力輸出の阻止をしたいと思う、こう言われるのですが、これは当然はつきりと、許可を與えた以外のものは幸いにして出ていないから——許可を與えたものでもまだ一千トンあまり残つておるのだから、当然これは阻止できると、はつきり今ここで御答弁いただきたい、かように思いますがいかがでしようか。
  137. 首藤新八

    ○首藤説明員 六千七百トンの輸出はすでに船が出港したという報告に基いて集計したものであります。八千七百五十トンというのは、当初許可をとる場合の、今日までに積み出すという申告でありまして、その後積み出したという報告はまだ来ておりません、こういうことなのであります。そこでそれに対して実情がどうなつておるか、できる限りの手を打つてそれを阻止したい、こういうことを申し上げておるのであります。それから残りの一万何ぼは、これは十五日から月末までの積出し予定という申告になつておるから、これは大体全量阻止できる、こういうふうに申し上げたのであります。
  138. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 この際はつきりしておきたいのですが、今政務次官お話は、輸出の許可を與えた七千数百トンと、まだ許可を與えていない一万九千何百トンと、これを一緒にされておるが、この両者をはつきり区別して、許可を與えた七千何百トンは一体今までにどうなつたか、それからその後における許可を與えていない一万九千何百トンはどうなつたか、こういうことをはつきりしてもらいたい。われわれは農林省が許可を與えたことについては、先ほど来いろいろ意見がありますけれども、とにかく許可を與えてしまつたのでありますから、この分について云々ということは言わない。ただその後における一万九千何百トンという数字についての事情をわれわれは聞きたい。今私が次官から伺つたところによりますと、許可を與えた分と、與えない分の総体の数字の中から、大手数百トンしか現在は積み出していない、こういうふうに私は先ほど聞きとれたのですが、そうだとすると、許可を與えない分についてはまだ手がついていないのでありますから、当然これは取消しもできますし、品物の出荷も阻止できる、こう思いますが、そうではないのですか。
  139. 首藤新八

    ○首藤説明員 それでは区別して申し上げます。先ほど申し上げましたごとく、同意を得ていずして輸出を許可した量が一万九千八百四十トン、そのうち、八千七百五十トンは今日までに積み出すという当初の報告になつておりますが、まだそれに対して積み出したという報告は来ておりませんから、どういう実情にありますか、調査いたしまして、できるだけこれを阻止することにいたしますが、正確な数字は明日までお待ち願いたい。それから七百九十トンは、これは許可しておりませんから問題がないと思います。残りの一万三百トン、これは十五日から月末までに積み出す予定になつておりますから、大体これは全量阻止できるであろう、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
  140. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 そうしますと先ほどの同意を得たものとか得ていないものということは、農林省の許可を得たものという意味でなくて、通産省が許可を與えたものと許可を與えないものという意味のように聞きとれたのですか、そういうことですか。
  141. 首藤新八

    ○首藤説明員 そうではありません。この一万九千八百四十トンは農林省の承認を得ずして、通産省が輸出を許可した量であります。但しそのうち七百九十トンはまだ許可証を交付してないのであります。一応許可ということには決定したが、許可証は交付してないのであります。その七百九十トンを差引きました一万九千百トンばかりが、要するに農林省の承認なきにもかかわらず、許可証を輸出屋に渡した。そのうち八千七百五十トンは今日まで積み出すという予定になつておりまするが、まだ積み出したという報告は来ておりませんので、それらがどういう事情になつているか調査いたしまして、できるだけこれを阻止することにいたしたい。但しそれが正確に何トン阻止できたかという御報告は、明日まで御猶予願いたい。残りの数量は大体十五日から月末までの積出し予定になつておりまするから、全量阻止できるであろう、こういうふうに申し上げているのであります。
  142. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 よくわかりました。結局政務次官が言われるのは、積出しの予定日がきまつて、本船の名前がきまつたものが今まで八千何百トンある、こういうことだと思うのです。これは今の船の情勢からいえば、早くなるよりも、船は大体遅くなるのが多いのであります。従つて私はこれは現に積んでないものが多いと思います。しかしこういう際でありますから、明日までにはつきりした船名、出荷の工場、港をひとつ至急われわれの委員会に資料として御提出いただく、こういうことにお願いいたします。同時にこの機会に伺つておきますが、農林省の同意を得た七千何トンというものは出荷したのですか、まだ出荷しないものがありますか。
  143. 首藤新八

    ○首藤説明員 先ほどの事務当局の報告によりますと、六千七百トンははつきり積み出したという報告が来ておるそうです。あとの残りの千トン内外がどういうふうになつておるか、あるいはまだ積み出したという報告は来ていないのじやないかと思います。
  144. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 ちよつと伺いますが、今の農林省の同意を得ない分であります。それに対しては万全の策をおとりになつておるというだけのお話であります。その万全の策というのはどういう意味なのか、第三者の許可を受けた方には法律上何らの欠陷がない。それは通産省の欠陥だけだ。一旦許可したものを取消すだけの権能が法律的に通産省に一体あるだろうか。その点どういう見解ですか。
  145. 首藤新八

    ○首藤説明員 この点は小笠原委員の御質問同様、非常に疑問のあるところで、強制的に取消そうとすれば取消しはできるそうであります。しかしなるべく業者の了解を得て、この際協力してもらうという線で進んで行こうというふうに、一応事務局では話を進めておるのでありますが、大体船名、あるいはその船の出港日等を調査いたしますれば、それがどういうふうになつておるかということは、はつきりわかつて来ると存じておるのであります。
  146. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 今のお話は阻止するに急を要する問題として本委員会は問題としておる。ところが取消し得られることは取消し得られるけれども、何か向うの同意を得てということは——それはいいが、同意せざるときは取消す考えですか。取消さぬで向うの強行したものは向うの自由にまかせるという考えですか。その点はどういう覚悟で、何分の了解を得てということになつておるのでありますか。
  147. 首藤新八

    ○首藤説明員 もし了解ができませんようでありましたら、こちらから取消し措置を講じたい、こう思つております。
  148. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 そういう場合は向うから多額の損害要求があるということは、覚悟して局長もまた政務次官も大臣に連絡をとつて、それを覚悟の上で取消すというのか、損害もまた応じなくてもいいという法律的の根拠があるのですか。それはどういうことになつておりますか。
  149. 首藤新八

    ○首藤説明員 われわれは今のところそこまで考えていないのでありまして、要するに化学局と業者というものは密接な関係がございますので、今後の生産面における行政措置によつて業者にもそれほどの損害を與えないで了解を得られるのではないかというふうに考えておるのであります。
  150. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 明日は小委員会も開かれることですから、これ以上追究申しませんが、どうかそこまでお調べにならぬという点を明日までに調べておいていただいて、はつきりしていただきたいと思います。
  151. 千賀康治

    ○千賀委員長 本日はこの程度で散会することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 千賀康治

    ○千賀委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後六時五分散会