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1950-07-20 第8回国会 衆議院 電気通信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十日(木曜日)     午後一時三十分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 辻  寛一君 理事 松本 善壽君    理事 松井 政吉君       井手 光治君    江崎 真澄君       塩田賀四郎君    庄司 一郎君       鈴木 明良君    關谷 勝利君       中村  清君    大西  弘君       田島 ひで君  出席政府委員         電波監理委員会         委員長     富安 謙次君         電波監理委員会         委員      網島  毅君         電波監理長官  長谷 愼一君  委員外出席者         電波監理委員会         委員      岡咲 恕一君         電波監理委員会         委員      瀬川 昌邦君         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 中村 寅市君     ————————————— 七月十九日  委員高塩三郎君辞任につき、その補欠として橋  本登美三郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  電波管理に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    關内委員長 ただいまより電気通信委員会を開会いたします。  議事に入ります前に御報告申し上げます。去る十七日委員長より提出いたしました国政調査承認要求書に対しまして、議長は本日これを承認いたしましたので、お伝えいたしておきます。  これより電波管理に関する件を議題といたします。まず電波監理委員長より説明を求めます。富安電波監理委員長
  3. 富安謙次

    富安政府委員 では所管事務の大体につきまして、御説明を申し上げさせていただきます。  電波行政は、時代要望と、電波利用特異性重要性にかんがみまして、従来の独任制官庁組織を改めて、合議制委員会制度をとることと相成りましたことは、御承知通りであります。すなわちさきに第七回国会におきまして成立いたし、五月二日に公布されましたところの電波監理委員会設置法規定に基きまして、六月一日に新しく電波監理委員会発足を見たのでございます。これは総理府の外局でありまして、米国にありますいわゆるインデイペンデント・レギユラトリー・コミツシヨンの例にならつて設立せられたものであります。  委員会は、お手元に差上げましたような組織なつておりまして、すなわち委員長一人、委員六人、そのうち一人を副委員長といたし、その下に事務局として電波監理総局を持ち、その長を電波監理長官と申すということに相なつております。電波監理総局内部組織は、従来の電気通信省外局でありました電波庁のものを大体そのままに引継いでおります。また総局事務の一部を分掌するために、地方機構といたしまして十局の地方電波監理局を置いておるのでありますが、この方は行政簡素化、また能率の向上、そういう点から考えまして、その組織を従来よりも若干変更いたしました。なお中央総局内部組織につきましては、最近米國連邦通信委員会機構等を調査して帰朝いたしました職員がありますので、その報告資料等によりまして、現状に対しましてさらに再検討を加えたいと存じております。  中央地方を通じましての全電波管理委員会の規模を申してみますと、予算の面から見ますれば、昭和二十五年度分は十一億八千万円、建設費を加えますと十二億三千万円でございます。また従事員の面から見ますと、中央が千百六十二名、地方が二千八百八名、合計三千九百七十名、約四千名という予算定員と相なつております。  この委員会は、発足以來ほとんど連日会議を開きまして、事務の処理に当つておるのでありまするが、私どもの前には解決を待つておるたくさんの問題がありまして、委員会はこの後におきましてもいろいろ多忙をきわめることかと存じております。委員会が本日までに制定、公布いたしました政令規則等は、お手元に差上げてあります表の通りでありまして、政令が五件、規則が十件に及びまして、これを総条文の数に当つてみますと、四百四条余りという数に上つておるはずであります。  本委員会の活動の方針につきましては、第七国会で成立を見ました関係の三法律、すなわち電波法放送法及び電波監理委員会設置法が、国民公共利福のため、電波及び放送の規律を最も公平に、不偏不党に、かつ民主的に行うことを目的として制定されておりまするので、委員会としましてはこれらの法律精神を十分に理解し、遵守いたしまして、わが国において最も進歩した民主的な行政を行いたいと考えておる次第であります。このような見地からいたしまして、法律により委員会制定することになつておりまするところの諸規則に関しましても、御承知のように電波法附則によりますると、法律の施行の日から一箇月以内におきましては、本来は聽聞を必要とする事項につきましても、これを行わないで規則制定することができるという例外が認められておりまするにもかかわりませず、無線局開設根本基準というような重要な事柄になりますと、その暫定規則制定することをせずに、やはり正規聽聞手続を経て制定をするという行き方で参りたいと存じております。これは一に委員会が十分に法律精神を体して、最も民主的な行政行つて参りたいという意図にほかならぬわけであります。このことは国民の利害に関係することの特に大きい重要な免許の事務につきましても同様でございまして、それらは委員会のみで決するということでなく、聽聞を経て決定することにいたしたい、かように存じております。  委員会が当面しておりまする懸案事項として、目下鋭意検討を加えておりまするのは、第一に無線局、すなわち一般の無線局放送局とあるわけでありますが、無線局開設根本基準でございます。これにつきましては目下種々考究中でありまして、近く成案を得る見込みでございます。  次に委員会発足以来、電波法附則規定によつて制定いたしました各種規則は、同じく附則の次にある規定によりまして、本年の十二月以降には効カを失うということになつておりまするので、これらのものは聽聞を経て正規規則として制定をいたさなければならないのでございまして、それもただいま鋭意その準備を進めている次第でございます。また目下各方面で注目されておりまするところの、いわゆる民間放送許可の問題につきましてもあらゆる面からいろいろ検討を加えている次第でございます。なおまた第七国会におきまして、放送法の御審議を願つておりまするうちに御要望のございました放送受信機の改善ということにつきましては、その後通商産業省におきまして積極的にこの問題を取上げまして、目下その具体案について考究中でございまするので、本委員会におきましてもできる限りこれを協力いたしたいと考えておる次第であります。  なおこの際当面の二、三の問題について、御報告を申し上げておきたいと存じます。第一は電波監視の強化といいうことであります。許可を受けないで不法無線施設を設置し、電波を発射するものに対しましては、従来も探査摘発措置を講じておつた次第でございますが、今後はこの不法無線施設その他法令違反電波施設に対しましては、ますます監視を厳重にすることといたしております。  第二に、最近マツカーサー最高指令官よりの書簡に対する各種国内措置関連をいたしまして、無線施設整備拡充の問題があるのでございますが、このことに対しましても、本委員会といたしましては、十分に協力的態勢をもつて臨んでおる次第でございます。  第三に、韓国語放送でございますが、これは関係方面要請によりまして、六月二十九日以来東京、松江、福岡の各放送局に驚きまして、韓国語による放送行つております。  次に国際的な問題といたしましては、去る四月一日よりイタリアにおきまして、国際高周波放送会議が開かれて、短波放送用周波数の割当を行つておりまするが、本委員会よりも法規経済部長外一名と、外務省からも一名これに出席をいたしておりまして、いろいろ骨を折つておる次第であります。また今秋九月末からオランダ国ヘーグにおきまして、特別無線主管庁会議というものが開催せられます。これは一九四七年にアトランテイツク・シテイーの条約会議の後行われました無線関係する各種会議最後的とりまとめをするという重要な国際会議でありまして、これにわが国よりも出席を見る予定でございます。  最後に将来の電波及び放送行政に対しまする電波監理委員会としての心構えについて一言申し上げたいと存じます。電波という国民共有の天与の資源を最も公平に国民に分配し、その利用を最も能率的たらしめ、国民をして電波による恵沢を最大限に享有せしめるということが、委員会の職責であると存じております。すなわち委員会としましては、電波国家独占專有から国民へ開放した新しい法律精神に従いまして、電波利用したいという人人には、全体の秩序、全体の利益を乱さない場合におきましては、積極的にこれを許すという方針をとつておる次第でございます。あらゆる資源がきわめて貧弱なわが国におきまして、国民に偉大な福利をもたらすべき電波だけは、幸いにもいまだ開拓せられていない相当の部分を残しておるのでありまして、この分野にくわを入れ、沃土を開こうという国民要望及び創意くふうに対しましては、本委員会として十分にこれを尊重いたしまして、少くとも電波利用に関する限りは、平和的文化国家として、先進諸国に比して遜色のない状態をここにつくり上げたいという所存でおるのであります。  はなはだ不なれでありまするし、また簡單でありまして、要を尽さず、お聞きづらかつたかと思いますが、私の御説明はこれをもつて終ることにいたします。
  4. 關内正一

    關内委員長 この際電波監理委員長以下委員並びに監理長官の御紹介を申し上げます、綱島電波監理委員長を御紹介申し上げます。
  5. 網島毅

    網島政府委員 私網島でございます。私第七回国会の当時におきましては、まだ電波監理委員会というものができておりませんで、当時の電気通信省外局でございました電波庁長官をやつておりました。電波関係の三法案がこの委員会審議されるにあたりまして、たいへんこの委員会皆様におせわになつたのでございまして、この機会に厚くお礼申し上げたいと思います。はからずもこのたび電波監理委員会委員に任命せられまして、新しい電波監理行政仕事を続けて行くことになりました。今後ともどうぞよろしく御指導を願いたいと思います。(拍手
  6. 關内正一

    關内委員長 次に岡崎電波監理委員を御紹介申し上げます。
  7. 岡咲恕一

    岡咲説明員 岡崎でございます。法務府の法制意見第一局長をいたしておりました。はからずも去る六月一日電波監理委員を拝命いたしまして、その任につくことになつた次第でございます。本来裁判所におりまして裁判事務をいたし、また司法省あるいは法務府に参りまして、法務行政法律の立案あるいは法律解釈意見等につきまして、いろいろお手伝いをいたしておつたのでございまするが、このたび電波監理委員を拝命いたしました以上、法律精神を体しまして、自分のあとう限りの力を盡したいと考えております。何とぞ十分の御支援をいただきたいと考えます。
  8. 關内正一

    關内委員長 次に瀬川電波監理委員を御紹介申し上げます。
  9. 瀬川昌邦

    瀬川説明員 私瀬川でございます。どうぞよろしくお願いします。(拍手
  10. 關内正一

    關内委員長 次に長谷電波監理長官を御紹介申し上げます。
  11. 長谷愼一

    長谷政府委員 私長谷でございます。先ほど御紹介になりました網島委員長電波庁電波監理長官をなさつておりました時分に、電波庁施設監督部長としてお手伝いをしておつたのでございますが、今回電波監理委員会に改組されるにあたりまして、その事務局である電波監理総局長官といたしまして、いろいろ監理委員会仕事をおせわ申し上げることになつた次第でございます。こちらの委員会皆様方には、今後何かと御指導を願わなければならぬことが多分にあると存じます。よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。(拍手
  12. 關内正一

    關内委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。田島ひで君。
  13. 田島ひで

    田島(ひ)委員 電波監理委員長お話を伺いまして、電波監理委員会関係質問をいたしますけれども、その前にちよつと委員長にお願いしておきたいことが一つございます。昨日大臣行政に関する御説明をいただきまして、質問をさせていただきましたのですけれども、あのあとで私がここに持つてつております国際連合通信の記事で、たいへん重要な問題を拝見いたしました。朝鮮内戰に関する重大な問題と思いまするので、あらためて大臣の御意見をも伺いたいと思いまするから、後ほどでも、あるいはその他の委員会でもけつこうでございますから、そのことをまずお願いしておきたいと思います。
  14. 關内正一

    關内委員長 承知いたしました。
  15. 田島ひで

    田島(ひ)委員 電波監理委員会も最近発足いたしましたので、今の御説明では詳しいことがよくわかりません。私もしろうとですから、大分わからないことがたくさんございますが、ただいまのお話韓国向け放送についてちよつとお触れになつておられました。最近朝鮮向け放送が三箇所からなされております。東京では第一放送、第二放送、第二放送などは、夜のたしか九時からですが、こつちの第二放送の大事な時間をさきまして、朝鮮向け放送をしております。この放送につきましての施設その他について相当問題があると思いますけれども、ただいまこれは関係当局指示というお言葉がありましたが、こういう点、第一に費用施設の設備その他についてのいろいろな点、おわかりになつている点を御説明いただきたいと思います。これは国際放送になりますが、私昨日もちよつと国際放送のことでお伺いいたしまして、日本ではまだ国際放送は正式には許可されていないように伺つておりましたが、やはり国際放送としての基準としてなさつておられるのか、どういう関係でなさつておられるのか、私はわかりませんから、詳しくこの点を御説明いただきたいと思います。
  16. 長谷愼一

    長谷政府委員 それでは私からただいまのご質問に對しましてお答え申し上げます。韓国語によります放送は、先ほど委員長からで所管事項説明の中にもございましたごとく、関係方面からの要請によりまして行つておるのでございまして、時間その他につきましては、すべてその指示に從つて実施しておる次第でございます。なおただいま韓国語による放送は、国際放送であるかいなかという御質問でございますが、ただいま申し上げましたような筋合いからスタートしておりますので、なおわれわれとしましてもその解釈を加える自由を持たない状態にございます。なお重ねて申し上げたいと思います。
  17. 田島ひで

    田島(ひ)委員 その放送をしますについては、電力が最近急に強化されておるということも聞いております。そういう点などで費用はどこから出されておりますか、施設なんかの費用は……。
  18. 長谷愼一

    長谷政府委員 重ねてお答え申し上げます。電力の増力問題は、これはかねて放送協会東京放送サービス・エーリアを広げまして、放送聽取者に対してのサービスを改善すべく契約をしておりまして、実は五月の末に当時の電波庁申請書が出ております。その増力がたまたまただいまもお話に出ました韓国語放送を行う時期にぶつかつたとお考え願いますればよろしいかと思うのであります。なおこれらの費用の問題でございますが、これは目下一体どのくらい費用がいるものかということも検討中でございますし、目下関係当局におきまして検討中でございますので、これが大体どのくらいいるものか、またこれの補償問題はどうなるかということにつきましては、ただいま申し上げる段階に至つておりません。
  19. 田島ひで

    田島(ひ)委員 そうしますとこの費用は今関係当局と交渉中で、どこから出るかわからないというお答えなんですね。大体指示によりますものは、国内法規を無視してもやられますのですか。最近こういうような放送が急になされておる、これは御承知だと思いますが、いろいろな手続上のことも危ぶまれるような速度でなされております。そういう手続なんかはなされておりますのか、なされておりませんのか、指示によるものは国内法規を無視してもなされていいものかどうか、その点の御解釈をひとつ伺いたいと思います。
  20. 長谷愼一

    長谷政府委員 お答え申し上げます。なお先ほど申し上げましたのにつけ加えて申し上げますが、この韓国語によります放送に必要とされます費用は、一切聽取者の負担にはならないようにと心がけておることを、ここで明言することができると思います。なおただいま御質問指示によつた場合に、国内法規との関連でございますが、この点は関係方面から要請があります場合も、その点を非常に注意されまして、すべて緊急の場合においても正規手続きを踏んで、こういう要請をするようにいたしておりまして、今までのところ電波監理委員会に関する限りにおきましては、国内法規にさからつて行つておる点はございませんので、その点も念のために申し上げておきたいと思います。
  21. 田島ひで

    田島(ひ)委員 監理委員長ちよつとお尋ねいたしますけれども、これは全般の電通行政の方でもお伺いしたいと思いますけれども、やはりこういうような指示があれば、無條件で御協力なさる。これは今の朝鮮の内職に関して御協力なさるというような方針をとつておられますのかどうか、その点を監理委員長にお願いします。
  22. 富安謙次

    富安政府委員 私からお答えを申し上げます。お尋ねの点につきましては、申すまでもなくわが国占領下にありまするので、占領軍の命令して参りまする事柄につきましては、そのまま従うほかないと存じております。
  23. 田島ひで

    田島(ひ)委員 そうしますと国内向け放送が相当犠牲なつていると思います。こういう点につきましてはやはり今後こういう指示があれば、どんどん国内向け放送聽取者から聽取料をとつていて、やはり犠牲にしてなさるつもりかどうか、その点をお聞きします。
  24. 富安謙次

    富安政府委員 お尋ねごもつともだと存じますが、その放送が、聽取料をとつている国内聽取者に対しまして、いかなる影響を与えるかというようなことにつきましては、占領軍当局といたしましても決してこれを度外視してはいないだろうと私どもは想像しております。その想像のもとにおきまして、占領軍が何らかの必要に基きまして、ある程度この犠牲を忍んでも、なおかつこれだけのことをしろという要請がありました場合には、私どもといたしましては、日本といたしましてはこれに従うのはやむを得ないかと存じております。
  25. 田島ひで

    田島(ひ)委員 ちよつと今のお答えは、大体今後要請があればやむを得ずこつちを犠牲にしてもなさるというお答えにとつてもよろしゆうございますか。これは仮定の上での質問でございますけれども、今国際情勢が非常に複雑になつておりまして、なおこういう点で相当強化されるかもしれぬと思います。そういう点で電波監理委員会責任者としてのお考えは、指示があればやはりこれは無條件でするというようなお答えにとつてもよろしゆうございますか。
  26. 富安謙次

    富安政府委員 まことにお言葉通り仮定の上に立つておることでありまして、それか基礎といたしましていろいろここで申し上げることもいかがかと存じますが、御質問の御趣旨の大体の要点は、やむを得ないかと存じております。
  27. 田島ひで

    田島(ひ)委員 そうしますと、別の問題で二、三お尋ねしたいと思います。ただいま民間放送根本基準を考慮中とお伺いしましたが、民間放送はどのくらい許可されておりますか。
  28. 長谷愼一

    長谷政府委員 ただいま件数にいたしまして約六十九件の申請がございますが、その中で許可されたものは一件もございません。先ほど電波監理委員会からの所管事項説明の中にもございましたように、民間放送局許可をして行く場合の基本となる根本基準を、目下いろいろ考究中でございますので、それも先ほどのお話にございましたごとく、聽聞を経て正式に制定されることになります。それが制定されました後に許可審議に入るものと御了承を願いたいと思います。
  29. 田島ひで

    田島(ひ)委員 私は確かに三つくらいは許可なつたということを聞いておりますけれども、これは間違いなんでございますね。それから根本基準は今考究中とおつしやいました。多分そんなようなお話つたと思いますが、許可に対する基準はまだはつきり決定されておりません。こう伺つてよろしゆうございますか。
  30. 長谷愼一

    長谷政府委員 先ほど申し上げましたように、現在は一局も許可されておりません。許可手続をさせますための基準を目下制定中でございます。
  31. 田島ひで

    田島(ひ)委員 これは前の事件ですから、あるいは電波監理委員会に直接関係はないかもしれませんけれども日本放送協会が一応解体になりますときに、たとえば古垣さんあたりは二百万円もの退職金をとられ、副会長の小松さんは百五十万円、理事の方が五十万円から六十万円くらいですか、莫大な退職金をとつておられると聞いております。そうして従業員の方には一文も出ていない、こういうようなことをお聞きになつておられますか。そういうことは現在のあなた方の方に責任はないかもしれませんけれども、御承知でしようかどうでしようか。
  32. 網島毅

    網島政府委員 前の関係がございますので私からお答え申し上げますが、御承知通り日本放送協会は新しい法律に基く日本放送協会に六月一日をもつて改組されたわけでありまして、元の社団法人日本放送協会としての決算は、前年度分のものにつきましては一応三月三十一日付をもつて終つて、これは政府認可を得ておるのであります。四月、五月の二箇月のものにつきましては、決算がまだ政府に出て参つておりません。目下協会において計数整理その他鋭意努力していると思いますが、まだ出ていない関係もございまして、いかほどの退職資金が前の重役に渡されたかということは、詳細にはまだ了知しておりません。しかしながらこの退職資金の問題につきましては、私ども協会の当事者から、これはできるだけ各方面意見を聞いて、最も妥当な数字にしたいと思つておるということを聞いております。御承知のように、元の日本放送協会には評議員会というものがございます。従いましてこの評議員会が会員を代表いたしまして、そういうような問題を審議するのでございまして、評議員には各方面りつぱな方々が出ておられますので、私どもはそこでいろいろ愼重に審議されて、決定されることと存じておるのであります。  なおこの決算はただいま——と申しましても前の日本放送協会のことでございますが、届出制でございまして、認可事項にはなつておりませんので、その点もあわせて申し上げたいと思います。
  33. 田島ひで

    田島(ひ)委員 ただいま私が申し上げました二百万円という厖大な退職金については、御承知ないと申されるが、たしか放送協会従業員の方も何か問題を起して、ボーナスとして一万円ほどもつたけれども退職資金としてもらわなかつた会長あたりが二百万円もらつたというようなうわさが飛んでおります。私は従業員の方からもうわさを聞いておりますのですけれども、そういう点については詳しく御存じないと申されるのですか。
  34. 網島毅

    網島政府委員 私どもは詳細に存じておりません。
  35. 田島ひで

    田島(ひ)委員 最近海岸局の六局が、海上保安庁の方に移管なつたということを聞いておりますが、その間の御説明を詳しくお聞きしたいのであります。
  36. 長谷愼一

    長谷政府委員 御説明申し上げます。ただいまの御質問は、従来電気通信省行つてつた海岸局を、海上保安庁移管なつたということであろうと存じますが、その件は従来逓信省時代から、全国的に主要な箇所に海洋局を持つておりまして、船と陸地との間の公衆通信、船舶安全のための通信等をかねて行つて来ておつたのでございますが、御承知のように戰争以來日本に属します船が非常に少くなりまして、また日本の近海を航行いたします船の数も非常に減つて來ておりますために、般と陸地との間の公衆通信が非常に減つて参りました。そして主として海上航行の保安通信がその主体であるように変化して参りました、一方電気通信省は事業官庁として專念すべく、主としてその採算ということを重視するようにかわつて来ておると伺つておりますが、そういう観点からただいま申し上げましたように、海上保安の関係の通信を主体とする海岸局を維持するということは、いろいろ経営上にも問題があり、一方海上保安庁は御承知のように、最近の日本の船は比較的トン数の少い、小さな船になつて参りましたし、海上の保安という点は今までよりも一層留意しなければならないという観点から、海上保安庁が方々に新しい海岸局をつくりたい。こういう御意向がありまして、その両者の間のお話合いの結果、それでは電気通信省が現在行つている公衆通信が割合に少く、主として海上保安が主体となつておるような海岸局は、海上保安庁の方に移管しようということになつたとお聞きしておるわけであります。この移管につきましてはただいま申し上げましたように、それぞれ関係の向きからそういうことを伺つておりますが、いまだ電波管理委員会の方には正式には申出はございません。その点も重ねて申し上げておきます。
  37. 田島ひで

    田島(ひ)委員 そうしますとどのくらいの局があつて、それがどこに移管なつたかという点は、こちらではおわかりにならないのですか。それはやはり関係が違つておりますのですか。どこの局が移管されたかというような点の御説明をお伺いします。
  38. 長谷愼一

    長谷政府委員 ただいまの御質問でございますが、それはそういう考え方から電気通信省海上保安庁との間にお話合いがあるということを私は聞いておりますが、具体的にどこの局をいつから移管するということは存じておりませんので、その点は恐縮でございますが、電気通信省なり海上保安庁の方の関係者にお問い合せくださいますならば、詳細判明することと存じます。
  39. 田島ひで

    田島(ひ)委員 最近問題になつております漁業無線移管の問題についても、中小漁業会社なんかが相当困つております。そういう点もやはりこちらではおわかりにならないでしようか。これもやはり関係が違つておりますか。私も最近電気通信の方にごぶさたしてよくわからないのですが……。
  40. 長谷愼一

    長谷政府委員 漁業無線局認可許可の件につきましては、当電波監理委員会所管事項でございますけれども、漁業無線局がどこに属すとか、あるいは所管はどこかということは、直接には私ども所管ではございません。
  41. 田島ひで

    田島(ひ)委員 漁業無線は、今まで県営でなされておりましたか。私もそういう点はよくわからないのですが、それが漁業協同組合の方に移管になるというような問題が起きておりますけれども、その点おわかりになつている点を御説明願いたいと思います。
  42. 長谷愼一

    長谷政府委員 それでは漁業無線の経営の問題について御説明申し上げます。漁業無線は現在全国に約六十九局ございまして、戰争以來非常に増加いたして参りました。しかしこの漁業無線局は、たとえて申し上げますと、自然発生的に出て参りましたものですから、とかくある方面には非常に集中しているけれども、ある方面には必要であるけれどもあまり発達をしていないというところもございます。またこの無線を持つております漁船の数で申し上げますと、約三千に近い数になつております。これらの陸上の漁業無線局と、それから漁船の無線との間の通信が、今申し上げましたようにふえて参りましたので、非常に現在錯綜しております。ところが従來、ただいまお話にもございましたごとく、あるものは県の県営になつておりましたり、あるものは漁業組合に所属をいたしておりましたり、あるいはまた一つの会社に属しておつたりいたしております。電波というのは、御承知のようにいろいろ相互に混信問題を起しますが、今申し上げましたように現状におきましては、ある漁業無線の属しておりますある県なり、ある組合なり、あるいは一つの会社なりの通信に、言葉をかえますと、きわめて狭い範囲の通信だけに限られております。ところが皆様承知のごとく、無線は単に漁船の漁撈上の仕事ばかりではなくて、海上で作業いたします船員の、海上における生命の安全保障という通信を第一に考えなければならぬのでございまして、そういう点から申しますと、全体的にある特定のものだけに漁業無線が許される、利用範囲が非常に狹められておるということは、相当問題にしなければならないと思うのであります。そういう点から、極端に申しますと、船がどこにおつても、どこの海岸局とも必要な通信ができるようにして行かなければ、先ほども電波監理委員会委員長からもお話がございましたごとく、電波の公平な、能率的な利用という目的も達せられないものでございますので、目下どういう経営形態と申しましようか、どういう形で、またどういうぐあいに漁業無線局を全国的に配置して行つたならば、最も電波利用が公平で、かつ能率的であるかという点を、目下検討中でございます。今どこのものをどこへ移管がえをするとか、変更させるとかいうような問題につきまして、決定しているというようなことではございません。
  43. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大体このくらいにしておいて、またこの次に伺いますが、先ほどお願いしましたように、大臣に御質問したい点がありますけれども、それはきようでなくてもけつこうです。
  44. 關内正一

    關内委員長 他に御質疑ありませんか。——御質問もなければ、本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせ申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時十七分散会