○田中(彰)
委員 大蔵
大臣の私に言われました言葉でありますが、私が大蔵
大臣の家にたずねて行きました。そうすると大蔵
大臣が出て来まして、和服であるが出て来まして、実は君と同じ問題を麻生君から聞いてぼくは心配しておつた。よく来てくれた。そこで私は大蔵
大臣をおどかしてやろうと思
つて、九州の炭鉱
業者がこんな不公平なことをするなら大蔵
大臣に何か悪いことがあるから、あす押しかけてひとつとつちめてやろうということにな
つておつた。だがおれが心配して来てやつたが——きさらぎ会の会員の一人であるけれ
ども、来てくれたということは実にありがたい。実はあれは渡米しておるうちに殖田のやつが公文書を偽造したのだ。殖田はだれですか、法務総裁の殖田だ。なるほどそれならば池田大蔵
大臣が渡米していらつしやるときに、大蔵
大臣の代理であつた。はあ、やつたなということを私は感づいた。そこでこれは君千五百万円どころか、三百万も、百万も貸せぬ。もちろんそれは見返り資金の対象となる炭鉱でないのだ。なるほど粘
結炭だとか、あるいは日鉄がそれを使つたというようなことを中島さんは遠慮しておつしやるが、それはかますに二十俵あるから、その
石炭を買
つて日鉄に持
つて行つた。あの
石炭は日鉄に毎月何百トン出したという歴史はない。あすこに汽車が通
つておりますが、その汽車に近所から
石炭が出るから義理にでも買
つてたいてやろうじやないかとい
つて、たいたら汽車がとま
つてしまうという騒ぎを起した。そこで炭鉱主はやめてしまつた。それを今の立花さんが引受けられて、そうして経営されておる炭鉱である。なるほど
石炭の中をよく洗
つて一トンの
石炭を一貫目くらいにすると、残
つたのが五千カロリーぐらいあるかもしれませんが、掘つたそのままでは三千八百カロリー。日鉄では少くともどんなにいい粘
結炭でも洗
つてきれいにした炭で五千カロリー以上なければ原料炭に使わない。コークスにならない。どう
考えても日鉄はあの
石炭を原料炭にするなどということは、それは今ここに大蔵省から来ておられる見返り資金の貸出し課長は何にも知らないで、何かもらえば許可するような、こういう
石炭のしろうとのおぼつちやんの言うことであ
つて、炭鉱屋としてはちやんちやらおかしい。私は一箇月
石炭を一万トン以上出して苦しんでおりますが、あの炭鉱は私は調べております。もしそれで私は通産
委員の与党諸君、野党諸君にも申し上げるが、小滝炭鉱が実際日鉄の原料炭になる
石炭であるか、洗わなくて五千カロリー以上、あるいは二、三割方洗
つて五千カロリー以上になる
石炭であると言われるならば、私は何百万かか
つてもその調査費を持
つてそれを調査する。その
通りであれば通産
委員、衆議院議員をやめて私は責任を負
つてもよろしい。そのかわりそういうことがなかつたら、私は皆様から重大な責任を負
つてもらわなければならぬ。これだけは自信を持
つて私は答えられる。しかもあそこの炭鉱は有望炭鉱だと言われるが、あそこの地層を見に行
つておるところの資源庁の人たちが疑問にされたのはもつともだ。
石炭というものは三紀層という層にある。しかもあそこは古世層及び中世層、その中にわずか三紀層が石灰山上にぽつとあるものだから、そこに
石炭が見えてお
つても五間か六間掘
つて見るとなくな
つてしまう。横にあるかと思うと縦に出て来る。縦に出て来るかと思うとまたぽつと出る。それだから明治三十三年にあそこにあの炭鉱が発見されて以来、何十人という鉱主がかわつたが、今まで
石炭を出したことがない。あの村へ行くと無煙炭ではなくて燃えん炭と言
つておる。燃えない
石炭である。そういう山に資源庁に何の示唆もなく、大蔵省から強硬なるところの脅迫によ
つて二千五百万円を決定された。私が所有している炭鉱は一箇月一万トン出て、しかも原料炭だ。しかもそれだけ借りるにはこれだけの書類を出して機械はどこにすえつけ、どういうぐあいにな
つて今までどれだけ出炭したか、どこへ販売し、現業員は一人頭どれだけかか
つているというようなことを、何から何まで書いた書類を出しても三百六十万円。大蔵省その他の人たちが資源庁を圧迫して、お前たちがこれを許可しなければほかに金を出してやらぬ。お前たちの予算を認めてやらないとい
つておどかしたから、泣く泣く中島炭政局長が判を押したということを私に告白しておるという事実がある。だれから来たか。普通ならば資源庁から大蔵省へ行
つてどうかこの金を出してください、どうかこれを認めていただきたいと説明するのであるが、小滝炭鉱の金融については、大蔵省からどんどん次官初め役人が行
つて、しかも某政党の幹部までついて行
つておどかして頼んでおる。見返り資金の対象にならない炭鉱を、いじめられて、泣く泣くこれに二千五百万円を出した。こういう点を
考えたときに、だれが何と言
つても不正なことは間違いありません。この貸すべきでないところに見返り資金を貸したということも絶対に間違いない。今日池田君が来られないが、良心があればよもや来られますまい。いわゆる松岡氏のように洋行して帰
つて来て頭がぼけておるに違いないが、私の前でうそは言えまい。だから池田君は出ては来られぬ。そこで私はこれを責めるのではありまんが、少くとも見返り資金というものがそんなに楽に出るものであるならば、困
つている中小
業者に対して、あるいは炭鉱に対してどんどん貸してやればよい。その辺には貸さないで、こういう特殊なる五百万円くらい賄賂を使つたといううわさを生んでいるところに貸しておる。しかも殖田前法務総裁は一銭の金もなかつた。一銭の金もなかつた人間がやめたときに二百八十万円の家を買つた。二百八十万円の家を買うには三百万円の金がいる。しかもその金を勧銀の
自分の同県人であるところの足立某なるところへ行
つて、今おれがこういうものを買
つたのではいけないから、君の方から貸したような書類をつく
つてくれないかと頼みに行
つておる。それをまたその足立某がわが党の某代議士のところへ行
つて、こういうことを言
つておつたということを言
つておる。これはもう間違いない。そればかりではない、殖田さんはわが党の中に不正があるようなことを言
つているが、もし殖田さんにしてそういうように人をおどかして
自分の罪を隠すようなことをやるならば、
昭和電工の日野原君が勾留されておつたときに、あれの兄弟とある場所で会つた。法務府の総裁でありながら、どういうことをしたかということを私は知
つておる。こういう点を私はよく言
つておく。そこで資源庁も、このたび正直に実は見返り資金の対象にならない炭鉱だが、大蔵省におどかされ、殖田さんに脅迫されて金を貸したと正直に言われたから、私はこの正直さに対してこれくらいにしておく。これ以上いじめるとわれわれの友というか、親類というか、炭鉱をや
つている
関係の資源庁の役人は皆腹を切
つてやめなければならないことになる。今見返り資金の課長などはここへ来てしやあしやあと言
つておるが、
昭和十三年に小滝炭鉱には二千五百六十二万五千六百円の金が出ている。
日本中の炭鉱がこれだけの金を借りたならば、
石炭一トンくらいは出している。小滝炭鉱は一トンの
石炭も出していない。この金は一銭も返していない。社宅は少し建
つておるが、六百坪の社宅を建てなければならぬ。その社宅が六百坪建
つていない。そこで私は殖田さんに不正があるということが言える。なぜかというと、
石炭国管問題のときに、
石炭国管問題事件がわからないから、どうして彼らを勾留してよいかと
考えた結果、金を借りて建てた炭住が二尺五寸、寸法が足りないだけで、九州の上田清次郎君その他の人がみな詐欺だと言
つて留置され、炭管問題で起訴されていじめられておる。しかしその留置が二箇月以上にな
つておる。それならば殖田法務総裁はなぜ
自分の親類というか、顧問をしている炭鉱が何千万という金を借りて、六百坪の社宅を建てなければならぬのに、それを建てないで、それで家を買つたり、女を買つたりしているのを、どうして処罰しないのか。こういうところに不正があるということは私ははつきりしておると思う。また大蔵省でもその
通り、大蔵省はずるい官庁だ。税金
関係にしてもどれだけ国民が迷惑しているかわからない。そして池田君はうそつきだ。だからやはり下の者がみんなうそばかりついておる。うそを言わないというならこの二千五百万からの金がどこへ
行つたか、おそらく池田君は説明ができないと思う。賄賂を使
つて物をもら
つておるのだから説明できない。池田君はうそばかり言
つておる。わが党でもこのごろ池田君の頭はどうかしているのではないかと言
つておる。これは考査
委員会に出すべきであるが、資源庁がかわいそうだ。資源庁が大蔵省におどかされ、前法務総裁におどかされてや
つたのであるから、私はそれに対してはまつたく同情しておる。
最後に言
つておくが、ここに見返資
金課長がおいでになりますが、二千五百万の金をどこへ使つた。復金から金を借りておるが、一銭も返しておらない。復金が金を貸して利子も払
つておらない炭鉱に対して、一銭も見返資金は決定されないはずである。麻生でさへもこの金を払うのにずいぶん苦労したということを言
つておる。小滝炭鉱は一銭も払
つておらない。
石炭一ころも出ていない。これに対して説明できるかどうか。ひとつ伺いたい。