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1950-11-13 第8回国会 衆議院 地方行政委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十三日(月曜日)     午前十一時二分開議  出席委員   委員長 前尾繁三郎君    理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君    理事 藤田 義光君       池見 茂隆君    大泉 寛三君       川本 末治君    中島 守利君       鈴木 幹雄君    床次 徳二君       大矢 省三君    久保田鶴松君       立花 敏男君  委員外出席者         地方自治政務次         官       小野  哲君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方自治に関する件  地方財政に関する件     —————————————
  2. 前尾繁三郎

    前尾委員長 ただいまより会議を開きます。  実は前の委員会の際に十日、十一日ということでこの委員会を開催する予定にいたしておりましたが、御承知のように教育委員の選挙がありましたために、その前にいたしますのも、ちよつとむずかしい事情もありましたので、済みましたあと一番早い機会というので、本日開いたわけであります。ところが臨時国会等関係で、非常に悪い日取りになりましたことを、あらかじめお断り申し上げますとともに御了承を得たいと思います。  それでは本日は地方自治に関する件、及び地方財政に関する件を議題といたします。まず質疑に入ります前に、政府におきまして目下準備いたしておりまする地方公務員法案進行状況並びに概要について説明を聽取したいと思います。後ほどあるいは鈴木次長がお見えになるかもわかりませんが、よんどころない用事で午前中むずかしいようでありまするので、その概要につきまして小野政務次官にお願いいたします。小野政務次官
  3. 小野哲

    小野説明員 私から地方公務員法案につきましての経過等について、概要お話を申し上げまして、なお御質疑点等でございまして、必要がありますれば、事務当局の方から説明をいたすようにいたしたいと思いますので、あらかじめ御了承を願つておきたいと存じます。  国家公務員法が制定されまして以来地方公務員につきましても、これを制度化するために地方公務員法のごときものをつくることが必要であるということは、一般から言われて参つておるのでございますが、地方自治法の改正にあたりましても、地方公務員につきましては法律をもつてこれを定めるということになつております関係上、政府としましても地方公務員法案立案準備を進めて参つてつたのでありますが、種々な事情がございましていまだに提案がいたしかねるような状態に置かれておつたのであります。しかしながらこのまま放置いたしておきますと、わが国公務員制度から考えましても、また国家公務員制度権衡から考えましても妥当でないと存じますので、目下地方公務員法案立案にせつかく努力をいたしておるような次第であります。  地方公務員に関する法律を定めます場合に、どういう点に重点を置くべきであるかということが、基本的な問題としてまず考えなければならないかと存じます。御承知のごとく地方公務員国家公務員とは異りまして、地方公共団体職員でございますので、また地方公共団体自主性を尊重いたしまして、この制度運営に当るということが必要であると同時に、国家公務員との間の権衡を失しないように考えませんと、わが国における公務員制度の円滑な運営を期待することができない、かような点をかれこれ考え合せまして、地方公務員法案考え方というものを、まとめて行く必要があるであろうということを考えておる次第でございます。  この私ども考えております法律案といたしましては、先ほど申し上げましたような根本的な考え方から出発いたしまして、地方公務員制度に関する根本基準確立するということが、まず第一に考えなければならないことであろうと思うのであります。それによりまして地方公共団体行政が、民主的にかつ能率的に運営されることが保証されることに相なり、これによつて地方自治の本旨の実現に資することができる、かような目的をこの法律案としては持つべきであると考えるわけでございます。さような点から考えますと、御承知のごとくわが国地方公共団体は一万数百に及んでおりますので、従つてこの各種各様地方公共団体に所属しておりまする地方公務員取扱いにつきましては、あるいは地方財政の見地から考え、あるいはまたその公共団体特殊事情等をも勘案いたしまして、一律に画一的にこれを規律して行くということは、必ずしも適当ではないのではないか、すなわち国家公務員法によりましてある程度詳細に規定を設けて、画一的な取扱いをするという考え方とはやや趣を異にいたしまして、地方公共団体はその自主的な立場において、地方公務員制度運営できるようなぐあいに考えて行くことが適当であろうと思つておるのでありまして、いわば多種多様な地方公共団体特殊性、すなわちこの地方公共団体に属する地方公務員制度運営につきましての多様性を念慮におきながら、しかも国家公務員との権衡をあまりに失つしないように、統一のある地方公務員制度確立して行くというところにねらいを定めて参りたいと、かように考えておる次第でございます。ただいま申し述べましたような考え方基礎といたしまして、目下地方公務員法案立案に当つておる次第でございます。この法律案につきましては、政府部内における関係当局との間においても、種々協議を進めておりまするし、また関係方面に対しましても折衝をいたしておるような次第で、遠からずこの法律案確定案を得ることになると考えておるのでございます。従いまして政府確定案を得ましたあかつきにおきましては、この臨時国会提案をいたしまして、国会の御審議を仰ぎたいと考えておる次第であります。  次に私どもの前に申し述べました考え方からいたしまして、どういうふうな点が問題になるかということについて、いわば問題点概要考え方のあらましにつきまして、説明をいたしたいと思うのであります。この地方公務員に関する制度は、大体において国家公務員に関する制度と軌を同じうするというような方向で、進んで参りたいと考えておるのでありますが、しかしながら地方公務員につきましては、おのずから必ずしも国家公務員と全然同じものでなければならないということには、ならないと考えておるのでありまして、これらの点につきましては、私からお話を申し上げたいと思うのであります。  まず適用いたします範囲といたしましては、国家公務員法と同じように地方公務員の中での一般職に、これを適用して参りたいと考えておるのであります。  次に、この地方公務員制度運営されるにつきまして必要なことは、人事行政に関するいろいろの事項を取扱う機関を設けることが必要である。これに関しましては人事機関を整備して参りたいと考えておるのであります。現在におきましても都道府県においては職員委員会市町村においては懲戒審査委員会等が設置されておるのでありますが、新しい地方公務員制度運営の適正を期するために、これらの委員会にかわるものとして、人事機関を設けて参りたいと思つておるのであります。ただいまのところ、私ども考えておりますことは、人事委員会を設けるということでありまして、これは都道府県及び五大市にはそれぞれ單独で人事委員会を置くようにいたしたいと思うのであります。その他の市につきましては、あるいは共同で、あるいは市の人事委員会に委託をするというような方法で、合理的なやり方考えて参りたいと思つております。人事委員会を置かないでもよろしいようなところは町村といたしたいと思うのでありまして、町村には人事委員会を置かないという原則のもとに考えております。しかしながら行政措置の問題であるとか、あるいは不利益処分審査等の仕事がございますので、これらを処理するために公平委員会と称する機関町村には置くことがよいのではないかと考えておる次第であります。  次に地方公務員服務その他の問題でございますが、これらの点につきましても国家公務員との権衡を十分に考えながら、適当な規定地方公務員法中に織り込んで参りたいと思うのであります。たとえて申しますると、政治的行為の制限でございますが、これは国家公務員法におきましては、人事院規則に委任しておりまして、人事院規則でもつて詳細にその内容を定めておるのでございますが、地方公務員につきましても、国家公務員との権衡を失しないように、この法律において適当な規定を設けることにいたしたいと思うのであります。しかしながら一面地方公共団体自主性を尊重する意味におきまして、国家公務員法とは異なる取扱いをいたしたいと考えておるのでございます。これらの点につきましては、いずれ法律案内容について十分な御検討をわずらわしたいと考えております。  次は職員団体の問題あるいは交渉の問題でございますが、職員団体につきましても、国家公務員法の場合とおおむね同様のやり方をして参りたいと考えておるのであります。国家公務員法におきましては、御承知のごとく、労働協約ということは認めておらないのでありますので、これらの基本的な考えにつきましては、地方公務員につきましても同様の扱いをして参りたいと思いますが、しかしながら地方公務員の場合におきましては、必ずしも全然同一と考える必要もなかろうかと思いますので、これらの点については適当な考慮を拂つて参りたいと思つておるわけであります。従いまして労働組合法等関係から申しまして、国家公務員法の場合と同じように適用がないものといたしまして、取扱つて参りたいと考えておる次第であります。  次は地方公共団体地方財政法規定いたしておりますような、いわゆる公益企業を経営いたしておりまする場合における公益企業職員取扱い方の問題でありまして、この点につきましてはいろいろの意見が従来から出ております。すなわち公益企業に従事しております職員もまた、その身分においては地方公務員であることには間違いないので、従つて地方公務員法によつて規律されることが適当であるという意見一つあるのであります。ただ公益企業特殊事情から考えまして、全然同じような扱いをすることは適当でないので、何らかの特例の措置を講ずる必要があるであろうという考え方であります。もう一つはいわゆる日本国有鉄道あるいは日本專売公社等公共企業体職員に関しましては、公共企業体労働関係法が制定されまして、特別な扱いをいたしておるものと照応して、地方公共団体が経営しております公益企業職員につきましても、やはり特別な取扱いをすることが必要であるという意見がその二であります。これらの意見につきましては、従前より種々政府部内におきましても、あるいは関係方面との折衝の過程におきましても、協議あるいは論議されて参つたのでありますが、私どもの今日の考え方といたしましては、公益企業職員につきましては、その企業性質から考えまして、企業的な会計によつて運営されておるという特殊なる事情にかんがみて、やはりその職員取扱いにつきましては、特別な扱いをすることが適当ではないかという考えを持つておるのでありまして、この点についてさらに政府部内及び関係方面と十分に折衝いたしまして、私どもの希望が実現するように、今後も努力して参りたいと考えておる次第でございます。  なおこの法律は先ほど申しましたように、なるべくすみやかに提案をいたすようにいたしまして、御審議を願いまして、できるだけ早い機会にこれが実施されることによつて地方公務員制度が今日まで空白の状態に置かれておる妥当でない事態を、解消するように努めて参りたいと考えておるような次第でございます。はなはだ概要で簡單でございますが、経過並びに考え方内容につきまして、おおまかなところを御説明申し上げた次第であります。
  4. 前尾繁三郎

    前尾委員長 それでは質疑を許します。通告順によりまして大泉寛三君。
  5. 大泉寛三

    大泉委員 ただいま小野さんから地方公務員のことについて説明されましたが、私のお尋ねしたいことはやはり全般にわたつておりますので、またあとでも御質問申し上げますが、大体この地方公務員の問題につきましては、今地方自治体から中央に対する財政的な要求として、平衡交付金をきわめて強く要求されておりまするけれども、この点は政府において、あるいは大蔵省等にたいへん違つた意見もあられるのであります。私はどうもこの地方財政要求は、結局各自治体一つ組織をもつて大きな運動をなしておりますけれども地方住民立場は何らの組織もなし、ただ地方税を安くしてもらいたい、あるいは国税を安くしてもらいたいという個々の意見を述べて、あるいは不満を言つているだけである。府県を中心として大きな平衡交付金運動をしている最中に、地方民減税を叫んでおる。こういうときに私どもは、どうしても国会議員としてまず大きく取上げなければならないことは、国民全体の負担を軽減することである、いわゆる地方住民国民も、これは同じ一つ立場であるから、結局地方自治体自分財政立場から平衡交付金をきわめて強く要求し、そして強い運動をしておりますけれども、私はどうもこの平衡交付金増額要求にしても、あるいは災害復旧費増額にしても、その他建設事業費増額にしても、一切これは団体を通じて大きな増税運動になつておる。こういうことが、私は自分の職責上はなはだ不満にたえない。そこで大蔵省の案としてはどこまでも減税を固執して、地方自治体におけるいわゆる緊縮財政を要望しておられる、こういうことはきわめて妥当な話で、われわれとしてはまず大蔵省の案を支持しなければならぬ、こういうふうに私は考えておるのであります。そこで地方行政委員会として、また地方自治庁として、この地方公共団体いわゆる地方自治体が、かくのごとき財政上の要望を中央要求しておられるときに、どんな考えを持つてこれに対処しておられるかというについて、地方自治庁立場を承りたいと思うのであります。  それからただいまの地方公務員の問題に対しては、私どもはどうもただいまの説明ではまだまだ物足らないのであります。地方公務員はどうも中央とはおのずと立場が違いますので、これは共通点におけるところの立場法律でもいいが、やはりその地方自治体独自性をどこまでも高揚させる立場から、これは地方団体條例で自由な立場を認められるべきじやないか、こういうふうに私は考えております。そうした考えについては、あとでまたお尋ねいたすといたしまして、とにかくこの地方立場はやはりどこまでも尊重して、そうして関連したものだけは法律で定めるということを私は要望するのであります。
  6. 小野哲

    小野説明員 お答えをいたします。大泉さんから地方団体における財政につきまして、国民負担の軽減と相まつて十分に考慮すべきではないか、こういう御意見で、私どももまつたく同感でございます。今回地方財政平衡交付金増額の問題であるとか、あるいは地方債発行総額拡張の問題とかが論議されておりますのは、御承知のごとく国が行います事業に当然附帯いたしまして、地方が義務的に支出しなければならない地方負担分の問題であるとか、あるいは公務員給與べースの改訂に伴う地方団体における歳出増問題等から考えまして、地方自治庁といたしましては、地方財政委員会とも十分に連絡をとりまして、地方財政委員会の調査いたしました資料を尊重いたしまして、地方財政平衡交付金増額並びに地方債のわくの拡張は、これはやむを得ないものであるという考えのもとに、内閣におきましてもこれを協議いたし、また関係方面とも折衝をいたしておるような次第でございます。しかしながら御承知のごとく、地方財政平衡交付金増額をいたすことが、一般国民負担に相なるということは私も同感でございますが、同時にまたこれをやめることによつて地方税の増徴を来すというふうな結果は極力避けねばなりませんので、この間の調整をはかる意味において、私どもはせつかく苦心をいたしておるような次第でございます。その点御了承を願つておきたいと存じます。  次の御質問は、地方公務員制度確立にあたつて地方団体自主性を尊重し、従つて地方団体條例によつて定める範囲を相当残すべきではないか、こういう御意見のように伺つたのでありますが、私どもも全然この点については同感でございます。先ほど申しましたように、私ども考えておりまする地方公務員法案におきましては、根本基準をこの法律によつて確立をするということを基礎といたしまして、できるだけ許さるる範囲におきましては、地方団体自主性を尊重する意味において、條例等にまかして行くようにいたしたい、かような考えのもとに立案を進めておる次第でございます。
  7. 大泉寛三

    大泉委員 それからこれは自治庁立場じやないかもしれませんけれども、とにかく地方自治体はまつたく言葉の通りみずから治めておる一つの小さな政府でありますから、これはまつたく中央一つの大きな組織や、あるいは府県立場と違うのであります。どこまでも自分の村、自分の町を自分で治めて行くというのであるから、そこで少くとも奉仕的な考えをみんな持つておるわけであります。一般公務員のように、どこまでも俸給そのもの、あるいは待遇そのものにばかりごだわつていない、こういうものを一般公務員として画一的な取扱いをすると、せつかくみずから町村財政を切詰めようと思つても、全体的にこれを取扱われると、自然個人的な欲望からやはりどうも同じような要求立場に立つてしまつて自然町村の小さな財政面を膨脹させる立場になる。そこで私は、大体俸給をもらつている者は、少くともこれは一箇月とかいうような一つの大きな期間においての責任を持つておられるのであるから、今日やかましく言われているように、労働基準法を採用して時間外の勤務に対しては、やはり時間外の手当要求するというようなことは、どうもあまり無責任きわまる要求ではないか。自分のからだは、あるいは自分責任は、少くとも俸給である以上は、寝ても起きても常にやはり奉仕的な考えでこれを操作しなくてはならない。ところが勤務時間はきまつているのだから、時間外はやはり当然増額すべきだというような考えを持つているということは、私は根本を誤つていると思う。特にこういうことは、小さな自治体町村においては、何ら考えのないことを、政府が画一的に取扱われると、町村民がとんだ迷惑をこうむる結果になります。私は最近京都において、何か時間外の勤務手当に対して、支拂うべし、あるいは支拂わなくてもいいという訴訟をやつているということを聞いておりますけれども、こうしたことは少くとも私は画一的にやるべきではない、その地方地方立場において一切をまかしておく性質のものである。こういうふうに特に小さな自治体においては、まつたく自分の家と大した開きのない町村であるから、こういうところは特にその念を深からしめる必要があると思う。これに対して自治庁はどういうお考えを持つているのか。やはり各地方公共団体府県あるいは小さな町村まで画一的な考えを持つて指導されるということは、あるいはこれを見るということは、当を得ていないと私は思うのであります。お考えの点を承りたい。
  8. 小野哲

    小野説明員 お答えをいたしたいと思います。あなたがお話になりましたように、都道府県あるいは五大市もしくはその他の市町村といつたふうに、地方公共団体のその規模においても大小さまざまございますので、画一的に法律でもつて規律して行くということは困難な場合があるということも想像するわけであります。従いまして、たとえば人事委員会等臨時機関を設ける場合においても、都道府県及び五大市には必ず置くというふうな定めをするわけでありますが、その他のものにつきましてはこれを適当に置かないでもよいという方法も講じておるようなわけで、必ずしも一律に取扱うという考えは持つておらないのであります。また給與あるいは勤務條件等につきまして、これはおそらく各地方公共団体においては條例でもつて規定さるべき問題でありますので、それぞれの地方団体財政力に応じて考えられなければならない点であろうと思うのであります。ただ、ただいま御指摘になりました勤務やり方について、労働基準法との関務等でございますが、私ども考え方といたしましては、地方公務員法の中で根本基準を定めるのでありますが、服務であるとか、あるいは勤務やり方であるとか、いろいろな点につきましてはあまり詳細な規定を設けませんで、地方公共団体條例等にまかせることにいたしたいと思つておりますが、この法律に抵触しない範囲におきましては、やはり国家公務員等との関係もございますので、労働基準法等適用することが適当ではないかと考えておるわけであります。しかしながら地方公務員地方住民の全体のための奉仕者であるというもとに、勤務してもらわなければならぬことは当然でございますので、この辺につきましては具体的にさような心持ちの上で、町村吏員諸君町村住民のために奉仕をしてくれるような考えを持つてもらうことが望ましいと思うのであります。しかしながら労働基準法がある限りにつきましては、労働基準法適用ということも、この地方公務員法に抵触しない限度においては考えて行かなければならないかと思つておる次第であります。
  9. 大泉寛三

    大泉委員 それからもう一つお伺いいたします。  この前の国会でしたか、市町村分離問題が非常にやかましかつた。町村分離に関して運動を起し、また運動が実現して分離した場合において、運動費を一体分離した町村負担すべきかどうかということを、同僚の中川委員からこの委員会に諮られて、そして委員長の決裁、または発言を要求したことがありました。それに対してまだ明確な答弁が與えられておりませんけれども自治庁としてこれに対してどうお考えになられますか。御答弁をいただきたいと思うのであります。いわゆる分離に対して使つた運動費、それを団体支拂うべきか、あるいは個人の負担にすべきかということなんであります。
  10. 小野哲

    小野説明員 ただいまの御質問につきましては、いまだ答弁がいたされておらないようでございますので、これが調査をいたしまして答弁をいたしたいと思いますので御了承願いたいと思います。
  11. 大泉寛三

    大泉委員 それでは自治庁に対する質問はこれだけにしておきます。
  12. 大矢省三

    大矢委員 今説明を承つておりますと、今度のこの地方公務員法で一番重要な職階制の問題、これがずつと以前に問題になつたときには、国家公務員の場合と地方の場合と非常に違う。今説明もありましたように、自主性を尊重する、特殊事情もあるのだということでありますが、今度特別職を非常に短く縮めて来たことであります。六項になつておりますが、これは前には十四あつたはずであります。御承知通り大都市、小都市あるいは町村に至るまで、職階事情はそれぞれいろいろ違うのですが、大大阪のごときあるいは東京のような、五大都市、六大都市のごときは、よそで見られない普通一般の職でもいろいろ事業をやつておるのであります。いわゆる公園の手入、あるいは道路掃除、産後の袍衣收集までやつている。こういうふうな一般労働者と何らかわりない、行政部面には携わらない、機密事項には何らの関係のない、そういうものまでもこれに入れようとする前の考え方から違つたこういうものの考え方をして来た経過、理由というものを、私どもはこの機会にお聞きしたい。もちろん国家公務員法の制定の場合にも、これは問題になつたのですが、しかし国家公務員の場合は、たとえば検察庁あるいは裁判所の一雑役に至るまで、重要な文書を扱うのだから、機密の漏洩があつてはならぬということで、これは国家公務員という特殊な、国家という重要な立場から、特に入れるのだというような説明もあつたのですが、一体市町村のそれぞれの雑役夫、あるいはシヤベルを持つたりして働く道路人夫のごときは、これは何も行政部面関係もなければ、機密の漏洩をどうするということもないのでありますから、こういうものまでも公務員法で縛りつけなければならぬという考え方は、これは私は率直に言いますと、何らかの形で、いわゆる団結権、団体交渉権に制約をしよう、いわゆる地方公務員法の名において制約しよう。さらにいま一つは、政治的な一つ運動の制限をしようとする強い意図が、ここに十分ある。しかし私もこれを全面的に否定するものではない。それはある程度の制限は地方公務員といえどもやむを得ぬことであります。あるいは罷業権にしてもそうです。やたらにそういうことをやられてはたまつたものではないので、これに制限があるということはやむを得ませんが、それは限度がある。先ほど大泉委員も言われたように、地方地方の実情が違うので、その地方自治体自主性を十分尊重することを、これにどう現わしておるか、ちよつとも現わしておらぬ。そこで一体どうしてこういうふうに、前の地方公務員法案に十四からあつたものを六つにし、しかも單純労務で、一般労働者と何らかわらないようなものまでも、この公務員法で強く、小さく縛りつけようとするか。これは公務員法でなく、むしろ取締法です。これが一体どういうふうにしてこう変化して来たか、あるいは向うさんがそういう強いことを言うのか、政府内にあるのか、人事院にあるのか、この点私どもはよくわからないのですが、速記をとめてもいいから、できるだけ明瞭にお答えいただきたい。前よりかだんだん悪くなつたが、公務員はだんだん民主化し、労働組合も完成して来て、そこには非常な自主性の強く現われて来た今日において、なおこういうふうな官治制度中央集権的な、縛りつけようとするものの考え方は、どうしてもわれわれは了解に苦しむのであります。この点の経過なり、どこでこんなに強く悪くなつて来たのかということを、特にこの機会に私はお聞きしたいと思います。速記をとめてもけつこうです。
  13. 小野哲

    小野説明員 大矢さんにお答えいたしますが、まだ法律案自体といたしまして、確定したものをお目にかける段階に達しておりませんために、実は内容について詳細に申し上げることを控えておるわけであります。その時期が参りましたら、もちろん各党の方面に対しましても御説明をいたすことにいたしておるのでありますが、さような点は御了承を願つておきたいと思います。今回の地方公務員法の中で、どれに対してこの法律案適用するかということの範囲の問題であると思いますが、もつとも大矢さんの御指摘になりましたように、地方公務員法案提案するということは、ずつと以前の地方自治法の改正後からの問題でありまして、従つてその間に相当の年月を経ておりますために、いろいろの意見がその間出て参つておるのは事実であります。従つて適用される範囲あるいは特別職内容等につきましても、あるときは広がつて来るし、あるときは狭まつて来るということも、これはこれらの推移にかんがみましてやむを得ないことであつたのであります。今回考えておりますのは、地方公務員法の対象となるものは一般職である、こういうことで、しからば特別職というものは、どういうものであるかということを法律規定することになるわけでありますが、その場合における單純労務省の扱いをどうするかということについて、大矢さんも言われておりますように、いろいろの議論を経ておるわけであります。従つてこれを地方公共団体の予算の運用の面から申しまして、單純労務者につきましても、同じように一般予算によつてその経費が支出されておるというふうな点から考えると、やはり一般地方公務員と同じような具合に取扱うことが、地方公共団体としては適当であるという考え方が生れて来るわけであります。また一面この單純労務者は行政職と違うのだから、これを別個の取扱いにする方が妥当でないかという意見も、一部においては出て来るわけであります。これらの意見が従来の過程においていろいろ出て参つた結果、單純労務者もまた一般予算によつて支出されておるものであり、地方公務員たる身分を持つておるわけであるから、やはり地方公務員法の対象として扱うことがよかろうというふうなところに、話が実は落ちつきつつあるような次第であります。これは公益事業の問題と関連もあるわけでありますが、私ども考え方といたしましては、公益企業のごときは企業会計を立てまして、そうして独立採算制によつて経営をして、言いかえれば地方財政法第六條に指定しておるところの交通、電気、ガス、水道のごとき企業につきましては、これはやはり労働関係につきましても、おのずから別個の扱いをすることが妥当ではないかということで、従前からの考え方で進んで来ておるわけであります。この場合において、私どものただいまの考え方としては、やはり公益事業職員については、別個の扱いをすること、すなわち国鉄あるいは專売公社の公共企業体の労働関係というふうなものを十分に取入れて、これを考えて行くことが必要ではないかというふうに思つておるようなわけであります。大矢さんから相当突込んだ御質問でありまして、速記をとめてでも申し上げねばならない事柄かとも思いますけれども、この点につきましては、従来の論議の過程からかようになつて来ておるのでありまして、もちろん関係方面との折衝の途上におきましても、これが問題になつたということは事実であります。さような考え方から、法律案としての御説明はまだ政府としては確定しておりませんために、控えておるわけでありますけれども考え方としましては、今申し上げましたような考え方立案をいたしておるような次第であります。
  14. 大矢省三

    大矢委員 一般職の第六項かに制限したということについて、それぞれ今説明があつたのですが、これは先ほど説明の中にも言われたように、特に地方事情がいろいろ相違があるのだから、自主性を尊重したいというこの意向からして、その地方々々の実情に応じて、こういうものは條例のできめるということにしておりますから、その條例中で相当伸縮性を持たす。これこれ以外のものは絶対にいかぬというやり方でなしに、大体の原則であつて、これからどういう職階特別職として入れてもさしつかえないというふうな伸縮性を持たす。いわゆる文字で言いますならば、自主性を尊重する、自治体特殊事情を尊重するという意味で、そういうことが行えるのかどうかということが一つ。  その次にガス、電気、水道、運輸というような、そういう独立採算制をやつておるところには、特別に国鉄並びに專売公社のようなものをしてやらせたいという意向だつた。そこでこの議会中にそれが併行して出されるのかどうかということ。その二点だけを御説明願いたいと思います。
  15. 小野哲

    小野説明員 まず第一の特別職範囲をきめる場合に、條例である程度彈力性のある取扱いができるか、こういう御質問でありますが、この点につきましては地方公務員法一般職適用される。従つて特別職とはどういうものであるかということを明らかにしておきませんと、適用範囲が不明確になりますので、従つてこれを條例でもつてある程度伸縮自在にするということは、これは地方公務員制度の立て方から申しますと、避けなければならない点であろうと考えておりますので、従つて考えられておる法律案におきましては、特別職はこれは限定的に列挙いたしまして、これには適用がない。その他の一般職には適用がある。こういうふうな書き方をいたして参りたいと考えておる次第であります。  第二の公益企業の特別扱いの問題でありますが、この点につきましては、私ども公益企業地方公共団体地方自治法によりまして、当然行い得る権能を持つておるわけでありますので、必ずしもこれを別個の法人にするというようなことは考える必要はないかと思いまするが、ただ、ただいまお話になりましたように、企業会計等から考えまして、やはり特別な取扱いをする必要がある。それにつきましては、今回の地方公務員法と同時に提案するかどうかということについての御質問でありますが、なおこの点につきましては、公益企業そのものについての考え方を十分にまとめて行く必要がありますので、あるいはこの臨時国会に同時には間に合わないかとも思いますけれども、できるだけ早い機会法律案をつくるようにして行きたいというので、研究をいたしておるような次第であります。いずれにしましても、私ども考え方がこの通りに進んで参りますことを望ましく思つておるのでありますが、先ほど来申し上げておりますように、末だ確定した案として御説明する段階にはなつておりませんために、私の意見も交えて申し上げているような次第で、この点はあらかじめ御了承を願つておきたいと思うのであります。
  16. 大矢省三

    大矢委員 それではこの公共企業体のことは間に会うかどうかわからぬが、とにかく原則としては別個にしたい。また別個にするのだというふうな解釈をしてさしつかえないのですか。
  17. 小野哲

    小野説明員 先ほど来繰返し申し上げておりますように、私どもの従来からの考え方といたしまして、また今回もお話になりましたような方向で進めて参りたい。かように考えておる次第であります。
  18. 大矢省三

    大矢委員 これははなはだくどいようですが、おそらく小野政務次官もそう考えておられるのではないかと思うのですが、この地方自治体のそうしたほんとうの單純労務——しかもこれは一つの土木事業なら土木事業というものに対して、人件費もあげて資材と一緒に組み、それによつて給料がまかなわれておるというようなことがある。府県の土木課などは特にそうです。それから今申しました大都市におけるあらゆる複雑な事業——おそらく外国には見られないようなことも自治体において長年のサービスの一つの方向として、そういうことをやつておるのですが、ほんとうの單純労務者までも地方公務員として対象にしなければならぬ。それからこの法案の一番のねらいとするところは、第一條の説明にもありますように、民主的かつ能率的な運営、これをはずしてはこの法案の成立もあるいは目的もないと思いますが、この法案の実施によつて勤務しておる人たちに精神的にも自治的にも及ぼす影響というものは、私は逆に非常に悪くなるのではないかと思う。いやそうではない、君がそう心配するようなことはない、かえつてよくなつて能率も上るのだということが確信を持つて説明ができるかどうか、言いかえれば今からよくなるのだ、何十万という人を使つて、大きな大都市において三人の人事委員会によつて一切を処理しよう、しかも今までいろいろ直接の問題について交渉することは、国家公務員とは多少違つているから、協約権はある程度認めたいというような、多少よくなつたようなことを言われるが、自治体国家公務員とは非常に違うことは説明するまでもないことで、そういうことで現実の特別職がこれでよいと考えているから、どうもいろいろ疑義かあるけれども、実際いろいろな関係でやむを得ないと考えているのか、この点はやはり衝に当る人の重要なポイントであると思いますから、よくなるかならないか、しかも団体協約によつてはそれは多少国家公務員とは違うから、何らかのかげんを加えたい。これは結局どういう内容のものか、私はよくわかりませんけれども、そういうことももしおわかりでしたら、この機会説明を願つたらけつこうかと思います。
  19. 小野哲

    小野説明員 先ほど概要説明いたしました場合にも申し上げましたように、現在地方公務員に関する制度は、実は空白の状態におかれているわけなんで、従つて地方公務員諸君も非常に不安定な状態にあり、また不安な気持を持つているのだろうと思うのであります。ただその場合に国家公務員法との関係考え、また一面地方公共団体の自主的な立場というものを尊重し、この間を調整してつくり上げようとするのが、地方公務員法考え方であります。従つてこの地方公務員法が成立実施されましたあかつきにおいて、地方公務員諸君が非常に不利益な状態に置かれるとはわれわれは考えておりませんし、またさようなことを念頭に置いてこの法律案立案しておるものではないのであります。むしろ地方公務員諸君がいろいろの影響力のもとに置かれて仕事をするということをなるべくなくしまして、公正な立場で、しかも安定した状態で仕事ができるように持つて行きたいというのが、私どもの念願であり、またそれを望んでおるような次第でありますので、私ども考えから申しますと、この法律案を御審議願いまして成立したあかつきにおきましては、国家公務員制度と相並んで、わが国における公務員制度が全体として確立されるものであり、従つて地方公共団体行政も民主的に、かつ能率的に運営されるものであるということを信じておる次第であります。
  20. 前尾繁三郎

    前尾委員長 床次君。
  21. 床次徳二

    ○床次委員 地方公務員法案につきまして、本日要綱の説明がありましたが、これに対しましては先ほどお二人から御意見がありましたが、この法案は来るべき国会において相当重要な問題でありますので、十分愼重な態度をもちまして審議し成案を得る。なお成案の審議に対しても、十分検討する余裕がほしいのであります。この点からいいますと、先ほど小野政務次官お話だと確定案を得ない、従つて委員会において説明する段階に達していないとおつしやるのでありますが、現在委員会というものが開かれる以上は、今日世間にわかつておるところの、いわゆる政府案なるものに対しまして、一応の御説明があつてしかるべきものである。これは委員長におきましても本委員会性質上、十分お考えになつておることと思うのでありまして、ただいままでの御説明の程度では、これは地方行政委員会としての職責を十分盡し得ないと私ども考えるのでありまして、明日でもひとつ、あるいは懇談会という形式でもけつこうだと思いますが、一応の政府の案について当委員会において十分意見を聞かれればよろしい。そうして当委員会意見をさらに参酌してよりよい解決方法をつくられることが、今日の情勢下における日本の立法過程においてはやむを得ない。これはいいことだと思うのでありまして、ぜひともそういう形式をとられるよう委員長におかれましても、特にお考えなさるべきだと私は信じておるのであります。どうぞひとつ善処していただきたいと思います。  この機会に一言お尋ねいたしたいのでありますが、ただいまの公務員法案の要綱の第一に、根本基準確立するということを言つておられますが、この根本基準の要件として二つ政務次官は言つておられます。公共団体多様性を特に認める、また同時に国家公務員との均衡ということも考えておられるようでありますが、この法案の内容を見て参りますと、国家公務員とは大分取扱いのかわつて来たところがあります。これは地方団体特殊性を見るという以外に、やはり公務員という立場から見まして国家公務員とあまり差がないにかかわらず、地方公務員に対しましては特別な取扱いをしておる、たとえば政治活動の件で特別の取扱いをしておるように見えるのでありますが、この点に関しましては、どういうようなお考えを持つておられるか。国家公務員法との均衡を考えたとおつしやるのでありますが、地方公務員国家公務員法並みにするか、あるいはむしろ国家公務員法が誤つておるか、あるいは行き過ぎがありますれば、これは新しい公務員法案の程度に合せて、改正案を出すべきものではないかと思うのです。これに対する政府根本的な態度はどういうものであるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  22. 小野哲

    小野説明員 今回考えております地方公務員法案は、ただいま床次さんが言われましたように、もちろん国家公務員との権衡を失しないようにしたいということを考えておるわけでありますが、同時に地方公共団体職員でありますので、この特性を生かして行くということもあわせて考えて行かなければならないので、この間の調節をはかる。こういう趣旨が地方公務員法案の中に流れておるものと、私も考えておるわけであります。たとえば今御指摘になりましたような政治活動の制限の問題につきましても、国家公務員法はあげて人事委員会規則にこれを委まかせておる。これに対して地方公務員法案考え方といたしましては、やはり地方団体自主性を尊重いたしまして、條例等にゆだねる部分も相当あろうかと思いますが、しかしやはり地方公務員の相互の関係におきまして、共通の問題もあるわけでありますので、従つて根本的な基準という意味におきまして、法律の中に何らかの規定を置く必要がある事柄も出て来るんではないかと思うであります。さような意味合いにおいて国家公務員法地方公務員法とが、たとえば政治活動の制限等の取扱いにつきましても、異なつた線が現われて来ることはやむを得ないのではないかと私は考えております。ただ地方公務員法案を御審議を願いまして、国家公務員法と比較して、いろいろかわつた点も出て来るのではないかと思うのでありますが、地方公務員法が進んでおつて国家公務員法が、あるいは遅れておると申しますか、あるいは行き過ぎであると申しますか、さような点につきましては十分に御審議を願つた上で、政府としても考えなければならぬ点であろうかと思うのでありますが、地方公務員法案提案をいたします場合におきましては、人事院等ともよくこの点を協議いたしまして、その際御審議にあたりまして、政府考え方を申し上げるようにいたしたいと思うのであります。少くとも私一個の考え方といたしましては、諸般の情勢とも考え合せまして、地方公務員に関する制度が打立てらるべきものであるという考えを持つておりますので、従つて国家公務員法が制定されました当時の情勢と今日との相違がもしあるとするならば、これに応じた地方公務員制度というものも考える余地があるのではないか、こういう考え方を持つておるような次第であります。地方公務員法が出るから、ただちに国家公務員法を改正するかどうかという御質問に対しましては、必ず改正するのだということは申し上げかねますけれども、しかし情勢の推移に応じて改正すべきものは改正しなければなりますまいと、私はかように考えております。
  23. 床次徳二

    ○床次委員 現在考えておられまする法案につきまして、明日でもあるいは説明される機会がありましようか。
  24. 小野哲

    小野説明員 この法律案は、実は先ほど概要について申し上げたのでありますが、條文そのものについて御説明するということは、実はまだ提案をいたしておりませんので、この点は御了承つておきたいと思うのでありますが、要はどういうところに問題点があるかということについての考え方を私は申し上げまして、御検討の資料にいたしたような次第であります。ただこの公務員法案そのものの内容説明ということになりますと、まだしばらく御猶予を願わなければならないのではないか、かように考えますので、明日でも、なお質疑等によりましてお答え申し上げますことは、もちろんけつこうでございますが、法律案そのものの説明はしばらく時日をおかし願いたいと思うわけであります。
  25. 前尾繁三郎

    前尾委員長 床次君、この前に案をいろいろお渡ししておりますね。あれで御検討願つて、そこで疑問なり、あるいは希望なり、そういうような問題点質疑の形で進行して行つたらどうですか。
  26. 床次徳二

    ○床次委員 けつこうです。そういう質疑応答を政府の方でなさる準備がありまするならば、いたしたいと思つておるのであります。今日は非常に簡單なものだけお出しになるものですから……。そこまでなさるおつもりなら……。
  27. 前尾繁三郎

    前尾委員長 結局今の段階においては、こういう程度だという答えならできると思いますが……。
  28. 床次徳二

    ○床次委員 それでけつこうであります。それでは明日でも適当なときにお願いしたいと思います。  次にこの機会に簡單にお伺いしておきますが、先ほどもお話がありましたが、地方財政平衡交付金の問題とか、その他いろいろ財政上の問題がありますが、本年度における地方財政状態が、はたしていかように経理されつつあるかということについて、次官に大体の御見当がつきますならば、御説明をいただきたいと思います。最近各地方状態を見て参りますと、税金その他の関係からいたしまして、かなり苦しんでおるようにも見えますが、反面におきまして今日地方の歳出を圧縮して地方民負担の軽減をはからなければならぬという意見も相当出ておるようであります。はたして地方の実情は、そういう財政の節約というようなものに対する可能性があり得るか、もちろんある程度まで地方の濫費と申しますか、節約し得べき費用があることは明らかでありますが、一般の経費を通じましてどの程度までそのような圧縮の可能性があるかということについて、次官の御意見を承りたいと思うのであります。  なおこれは明日でもけつこうでありますが、今日行われておりますところの競輪が、地方財政に対していかようなる関係を持つておるか、歳入面におきまして、なお歳出面におきまして、競輪というものの存在が自治団体に及ぼす影響について、御説明いただきたいと思いますので、この機会に希望しておきます。
  29. 小野哲

    小野説明員 お答えを申し上げます。地方財政の現況についての御質問でございまするが、御承知のように昭和二十五年度は地方財政においては特別な年であらうと私は考えておるのであります。地方税法の施行が遅れましたことに伴う平衡交付金の概算交付の問題その後における徴税の実績等から考えますと、地方団体におきましては財政運営上相当困難な事態に直面しておると、私は考えておるのであります。本年度は地方税收入額が千九百億ということになつておりますが、目下市町村民税、固定資産税その他の租税も徴收の過程にあるわけでありますけれども、はたしてこれが十分に徴税し得るものであるかどうかということについても、実は非常に心配をいたしておるのであります。しかしながら地方住民負担の軽減をできるだけはかつて行くために、地方財政の節約、緊縮をはかることはこれまた当然なさなければならぬ点でございますが、平衡交付金制度が実施せられ、またその後の法令の改正等に伴いまして、国の新規な行政事務もかさんで参つておりますので、自然地方団体負担増も多くなつておるということも事実であります。従つてどの程度の節約ができるかということは、なかなかむずかしい問題でありますが、しかし平衡交付金増額のみによつて処弁して行くことも、なかなか困難な問題でありますので、地方財政委員会とも協力いたしまして、できるだけの節約をはかるような考え方を加味して、しかもある程度地方団体財政運営に、支障の生じないような平衡交付金措置も講じて行きたい、増額考えて行きたい、こういう気持を持つておるわけであります。二十五年度はさような意味合いにおいて特殊な時期でありますので、地方団体財政運営の上に相当苦慮いたし、かつ困難な事態にあるということを私は見ておるわけであります。
  30. 床次徳二

    ○床次委員 非常に抽象的な御答弁でありまするが、政府の方におきましては、すでに明年度予算を計上し、ほとんど確定を見んとする経過にあるのだと思います。従つてその前提といたしまして、本年度の地方財政がどのような経過をとつておるかということについては、大体の見通しは持つておられるはずだと思う。いわんや本年の補正予算、これはすぐ問題になつて参りまするが、賃金ベースの引上げあるいは平衡交付金のさらに増額というような要望が出ていることにつきましては、これはもうよく御承知だと思うのですが、こういう問題について当然対処せらるべきであります。大体の見当はお持ちになつておるのではないかと思いまするが、多少具体的に御答弁ができないものでしようか。
  31. 小野哲

    小野説明員 実はこれはありていに申しますと、まだ具体的に数字をあげて、御答弁申し上げる時期に来ていないのは、非常に残念に思うのでありますが、せつかく私ども努力をいたしておるような次第でございます。
  32. 前尾繁三郎

    前尾委員長 それでは本日はこれにて散会いたしまして、明日午前十時から開会いたします。     午後零時二十七分散会