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岡野国務大臣 お答え申し上げます。私はこう
考えております。
地方税法が
通りまして実施に移されました以上は、経営の支出については
地方税でまかなうべきものである。しかしながら一時に多額の金がいる。かりに申しますれば、大きな施設をするとか、もしくは長年の間に利用される施設をするので、一時にその金を出せないというようなものは、
起債等に仰ぐべきものと
考えております。その割合がいかになるかは、そのときの
情勢によりまして、あるいは三年度も五年度もかからなければ税收入では償えぬようなお金は、
起債に仰ぐこともないとも限りませぬが、それはそのときの
情勢によります。
ただ最後の競輪の問題であります。私これは民間におりましたときから
考えておるのでございますが、昔勧業債券がございまして、割増金がつく、これも一つの賭博と申しますか、そういうような投機行為であると
考えておつたのであります。商売と申しますものは、安いものを買
つて高く売る、これも一種の投機でございます。ただその投機が社会
一般に大して悪い影響を與えない、こういう点において許されておる。勧業債券の割増金も社会に大した悪い影響を與えないという意味において、過去において許されておつたのであります。何を申しましても、戰後あちらでもこちらでも
財政収入が足りないと同時に、もう一つああいうような賭博的なものに宝くじというようなものが、
国家の施設として許されるように
なつたということは、これはインフレーシヨンの影響がございまして、浮動購買力を急速に吸收するというような
経済的観念もあり、また
財政的必要もあ
つて許されたものと存じますが、しかしただいまの
情勢でございますと、もう浮動購買力を吸收して、何とかしなければならぬというような意味もだんだん薄らいで来ておりますし、それからもう一つは、あの競輪なんかになりますと、お説の
通りの混乱が起きまして、そして社会道義上非常に唾棄すべきものである、こう私は
考えております。ああいうもので
財政收入をして行くということも、はなはだ好ましくない。それから同時に、ああいうことを放置しておきますならば、社会
一般に道義観念もなくなり、また国民はその賭博の結果、非常に困つた人がたくさん出て来るというようなことも出て来るのでありますから、行く行くは私は当然制限もされ、抑制もされるような時期に立ち至ることと、こう
考えております。でございますから、先般も宇都宮の競輪を閉鎖したというようなこともございます。私は極端なる社会混乱を起すようなことがあれば、たとい
財政收入として非常な強力な原因に
なつておりましても、社会風教上私は禁止すべきものと
考えております。しかし何を申しましても、過去の因縁並びに行きがかりというものがございまして、せつかく投資して、その投資を原価も償却していないうちに、またそれを急にやめて、收入もはいらない、また今までの投資がふいになるというようなことに
なつて、
地方公共団体が非常に困るようなことになりましても困りますから、できるだけ社会的に不道徳な
感じを瀰漫させない、また社会に混乱を起させないようによく制限しまして、そして当分は続けて行
つてもよいと思いますけれども、行く行くは、私は競輪なんかというものはやめて行くべきものだということを、私的に
考えております。しかしこれは公的にまだ処置するところまでは参
つておりません。これをも
つて御
答弁にかえます。