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大橋国務大臣
行政によりましていろいろ管轄区域がわかれておりますが、この管轄区域をいかに定めるかということは、それぞれの
行政の目的によ
つて、必ずしも同一でなければならぬという理由はなかろうと思います。しかしながら現状におきましていろいろな
行政について、ほとんど同じような八つのわけ方があるときに、ただ一、二の
行政についてのみ、しいてこれと異
なつたわけ方を存続させる必要があるかないかという点についての、ただいまの
門司君の御
意見につきましては、私
どもこれは傾聽すべき御
意見なりと存じております。
警察の管区の問題につきましても、交通あるいは
治安状況、その他から絶えずその管区の所在地というものが、真にわが国の国内
治安を
維持するために、適切な区画にわけられておるということを保
つて行くように、常に調査もし、またさようにあらしめるために
努力もしなければならぬ、こういうふうに私は
考えておるわけでありまして、今後におきましても現行の
国家警察の管区が、常に
警察上きわめて適当である、もしこれが明らかに適切を欠いておるという場合におきましては、すみやかに
警察の目的を達成するために、これを改めて行かなければならぬというふうな態度をも
つて行くべきものである、かように
考えております。しかしてこのたびの
警察予備隊の区わけと申しますか、区画と申しますか、これは多少国警の管区というような観念とは違
つた考えをも
つて、取扱わなければならないものではなかろうか、こう
考えております。何となれば
予備隊というものは
全国の
治安を
維持するために設けられたものでございまして、必ずしもこれを幾つかの区画にわけて、その区画内における
予備隊は、常にその区画内の
治安にのみ
任ずるのが原則であるというような
建前をとるべきではなく、国内におけるすべての
予備隊の総力をあげて、国内すべての
治安に機動的に、その区画にとらわれずに対処して行く、こういうふうにあるべきものである。こう
考えておるわけであります。従いましてこれをいかなる地方に配置するかということは、結局
警察予備隊の全体を構成いたしておりまする幾つかの部隊を指揮するのには、どの地に指揮所を置くことが適当であるかという見地から、その所在地をきめて行く。いわゆるある区域の管轄を定め、その管轄内における
治安を
維持するには、どこに所在地をきめればいいかというような見地から所在地をきめ、あるいは区画をきめるのではなく、この
予備隊の場合におきましては、
予備隊のすべての
警察力を
全国的に機動的に動かすためには、どこに指揮所を置けばいいかというその指揮所の位置からきま
つて来る。また指揮所の数に応じて隊を幾つにわけるかということもきま
つて来るのではないか。従来の
国家警察における管区の観念と、この場合の区画の観念とは観念上大分違
つておる、こういうふうに私は予想いたしております。