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湯河説明員 私は
農林中央金庫の
理事長をいたしております
湯河でございます。この機会に
農林中央金庫を初め、
農業協同組合、
水産業協同組合等、
組合金融の事情が非常に困難をきわめておりますので、よく御
説明を申し上げ、またいろいろ御
指導、御叱正にあずかりたい、かように存ずる次第でございます。
御
案内のように
農林中央金庫は、
農林水産業の主として
協同組合を
出資者といたしまする
金融機関でございます。これらの
農林水産業の
協同組合に対する
金融取引を持
つておるのでございます。その全体を見渡しますと、
農業協同組合の
関係が相当大きな
部分を占めております。
資本金にいたしてみましても、二十八億円の
資本金のうち、
政府の
優先出資が二十億円ございます。残る八億円が
農林水産業の
協同組合の
出資でございますが、八億円のうち六億円は、
農業協同組合の
出資に
なつておるわけでございます。また
預金にいたしましても、ほとんど大
部分が
農業協同組合の系統の
預金に
なつておる次第でございまして、大体七月末で百七十億くらいございますが、その
預金のうち
農業協同組合の
預金が百四十三億というふうな
ウエートを占めておるのでございます。
貸付におきましても
従つて同様でございまして、
農業協同組合の
貸付が大体総
貸付金三百二十億のうち、
農業関係が三百四十億というふうな
ウエートを占めておるのであります。さような
状態でございますので、
農業経済のありさまが、
農林中央金庫の
運営の上に非常に大きく反映して来ておるのでございます。
農業関係は御
案内の
通りに終戰後若干の期間は、まだインフレ的な様相を呈しておりまして、二十二年以降漸次苦しく
なつて参りました。そうして従来は
資金の
蓄積は
増大の一途をたど
つておりましたものが、二十二年ごろより季節的な
変動が現われて参りまして、
農業資金の
蓄積は秋には非常に多くなりまするが、それが春先になりますると、あるいは税金であるとか、あるいは肥料その他の
営農資金の手当であるとかいうことの必要から、
預金も減
つて参ります。従いましてまた
不足地帶には
貸付が大きく出るかということが問題に
なつて参りまして、春先
資金が非常に忙しくなる。秋に非常に
資金が緩慢になるという姿、この季節的な姿が顯著に現われて参りまして、その極各
地方の
農村におきましては、
農業協同組合において
組合員の貯金の
拂いもどしに円滑を欠くというふうな
事態も、現われて来たような姿でございます。もとより
農林中央金庫自身におきましては、別に
預金の
拂いもどしに苦しむということはないわけでございまして、各県の
信連等がその預か
つておりまする
預金を單協に
拂いもどす。その
拂いもどしに円滑を欠きますときは、われわれといたしましては、その
信連に対しては
貸付をするというふうな必要に、大分迫られて来るような
事態でございまして、さようにいたしまして春先と
秋口とに非常に大きな
金融上の
変動が起ります。さらにこれが
地域的に申しますると、
関西の
方面以西は大体において
資金の
蓄積の多い
地方でございまして、
関東以北特に
單作地帶等は
資金の
蓄積に乏しく、春先等は
資金の
需要が非常に高く現われておりまして、
関西地方におきましては、その時期といえども比較的問題がないという
地域的な姿が現われて来ております。なおただいまもお話のございましたような
災害が
地方的に起りますと、
農村経済が相当打撃を受けまして、そのために
金融上にも非常に御
要請が殺到するというふうなことは、これは時々ございます。ことに最近のように
災害がときどき大きく現われて参りますと、その
情勢が顯著になります。これは
ひとり農業関係ばかりではございません。特に
水産業関係におきましては、
漁村のあるいは舟であるとかあるいは網であるとかいうものが流されたりなどいたしますると、相当その
地方の
方々はお困りになります。これらに対しましても、できるだけの御協力をしなければならぬというふうな
気持でや
つておるのでございます。ごく概略申し上げまするとさような次第でございまして、二十一年ごろまでは
資金はきわめて潤沢であり、
農山漁村において
金融上
資金を必要とするというふうな声もございませんでしたが、その後におきましては、
農山漁村の
経済が漸次下り坂になるとともに、特に春先
東北地方等において緊切なる
資金の
需要が起り、全体の
資金蓄積必ずしも十分でございませんときにおきましては、往々にして
資金の
運用、
金融の
運営に円滑を欠くということがございまして、
農山漁村の
方々に少からざる御迷惑をかけておりますことは、日ごろわれわれとしてまことに相済まぬことと存じておる点でございます。これは
組合金融というものが、
組合の
蓄積をも
つて運営をはかるということにいたしておりまする限り、特に
農業協同組合は農民だけでつく
つているというふうなことからいたしまして、その
関係が一層ひどく現われて参りましたことは、
一般銀行が
一般大衆を相手として
預金を吸收し、各般の
企業に
貸付をしておるのとよほど
情勢が違
つておるということも、御理解いただきたいと思うのであります。また
農家におきましては、
主要食糧の
供出ということがございまして、
供出が秋なら秋に集中するということ、これがまた
秋口の
資金の
蓄積をいたずらに大きくするという結果に
なつております。これが
自由経済のように
農家がそれぞれ
米麦等を收穫いたしました後に、逐次売
つて参ります姿でございますれば、
秋口の
蓄積がいたずらに大きくなるというようなことがなく、また春先
農家がその米を持
つておりますれば、それを売
つて漸次
資金需要を満たすというようなこともございますが、今日の
食糧管理供出制度のもとにおきましてはそういうことがなく、この点からまた非常にどぎつく現われているわけであります。さようなことで実は
協同組合を中心といたしまする
金融組織とし、
資金の
運営に悩むのでありますが、これをいかにして
切拔けて行くかということは、一面におきましてはわれわれも
日本銀行との
取引を持
つておりますので、
日本銀行から許されまする
借入金をわれわれとしては用いまして、この春先等の
資金需要を満たすということをいたします。また他面におきましては、
食糧供出代金の
支拂い業務が、われわれ
農林中央金庫の役割に
なつているのでございます。それで
政府の方におきましても、
食糧管理特別会計より
食糧代金を
全国各地の
供出農家の
方々にまんべんなくお
支拂いになるためには、若干前広われわれの
組織に
代金を仮渡ししてお置きにならなければならないという
事態がございますので、われわれはその性質の
前渡金を非常に貴重なものといたしまして、それをもちましてことに春先等の
資金のきゆう
くつなときには、それをぬかりなく利用することによりまして、
資金の
不足をまかなうということをいたして来たのでございます。ところでこれらの
日本銀行借入金あるいは
政府供出食糧代金前渡金等をわれわれが利用いたしますということは、これは
組合金融あるいは
金融業務それ
自身の
態勢といたしましても、必ずしも適当ではないのでございまして、
組合金融といたしましては、
自己蓄積をも
つてできるだけ他人のお世話にならないで、
自分たちの
資金需要を満たすというふうにいたさなければならないのでございまして、
組合連合会ないしは
農林中央金庫の
資本金の充実、あるいは
預金の
増大ということに極力
努力をいたしまして、これをもちまして
有無相通をはか
つて参るということを、われわれとして心がけねばならぬということが基本でございます。われわれまだその
努力が不十分でございまして、また今日の
農業協同組合の実勢におきましては、いろいろとそれに故障もございまして十分に参
つておりません。そのために心ならずも
日本銀行借入金あるいは
食糧代金前渡金等を、われわれとしてはたよりにせざるを得ずという悩みを持
つているわけでございます。この点はさようなことをいたしますると、
一般の
金融機関も同様でございまするが、
日本銀行あるいは
特別会計等の
制肘を受けるということがございまして、
金融の
自主性を害することおびただしいという点につきまして、適当でないというふうに思われます。そこでわれわれといたしましては、何とかしてこの
農林金融の
自主性を確立したいということを念願いたしておりましたが、あたかも他方におきまして、
農林水産業の
復旧または
復興のために
長期投資が必要である、
長期資金の導入が必要であるということからいたしまして、過去においてもいろいろ
国会の
皆様方の御
指導、御
援助のもとに、あるいは
暫定措置を講じ、あるいは
日本銀行のマーケツト・オペレーシヨンを利用し、その他の
措置もとりましたけれども、究極におきましてはこれで
農林中央金庫の
資本金の
増額、それから
農林債券の円滑なる
運用によるべきであるということに結論が到達いたしまして、実は昨年の暮れの
国会には、その
趣旨に基きまする
法律の御改正をお願いをいたしておりましたのでございますが、その
法律につきましては、遺憾ながらGHQの了解を得る段階に至りませんで、不成立に終りましたのでございます。しかし他面におきまして
銀行等の
債券発行等に関する
法律の制定を見まして、また
見返り資金の
特別会計予算におきましても、
金融機関に対する
優先出資をする
計画をお
持ちでございましたので、われわれといたしましては遅ればせに、何とかして
農林中金にもその
債券発行の
基礎を與えていただきたい、
基礎を大きくしていただきたいという
気持を
持ちまして、
優先出資の
要請をいたしました。いろいろ紆余曲折もございましたが、本年六月
政府から二十億の
優先出資をいただき、また
組合関係者もその当時において四億円の
自己増資をいたしました。そうして現在では
資本金は二十八億円となりました。これの二十倍から
預金等を差引きまして、
債券発行限度が残るのでございますが、約二百億の
限度が残ることでございます。六月以来毎月
農林債券を
発行いたしております。この
農林債券は
農林中央金庫の
信用を
基礎といたしまして、外部より
債券の形式をも
つて資金を導入するのでございますから、
日本銀行あるいは
食糧管理特別会計等の
資金をわれわれが利用すると申しますか、それを
運用することよりも、より自主的な
金融的な態度であるというふうに存じております。さりながら
農林債券の
発行ということは、私
たちにとりましてはなれない仕事でございまして、なかなかいろいろとむずかしい問題ではございますが、今日まで六月、七月、八月と約二十億、月五億—六月は十億でございましたが、毎月五億の
債券発行をいたしておりまして、これによりまして
食糧代金等のやつかいにならない、またできれば将来
日本銀行のやつかいにならないで、
組合金融の
資金不足はこれによ
つて満たして行く
態勢をとりたいと、考えておるような次第でございます。
それでわれわれといたしましては、さような全体的の
態勢にあるのでございますが、先ほど申し上げましたように、今日はもうすでに
秋口となりまして、大体上半期の
資金繁忙期はすでに過ぎ去りまして、今や
資金の本格的
蓄積を前に控えております段階でございますので、気分の上におきましては若干楽な
気持に
なつて来ておるようなわけでございます。さしあた
つてはただいま御審議のございました各地の
災害に対しまして、いかに対処すべきかという問題や、またさしあた
つてはごく最近肥料配給公団の廃止に伴いまして、
農家の肥料購入の
金融にわれわれはいかに協力すべきか等の問題は、多々あるわけでございますが、しかし春先のごとく
資金が
不足する、あるいは末端の
農業協同組合でも、
預金の
拂いもどしに悩むというふうなことが全般的に見えるような姿は、今日はなく
なつて来たのでございます。しかしこれは
事態が基本的に改善されたわけではなく、先ほど申し上げましたわずかな季節的の変化でございますので、一応潮が引いたときに出た岩が、潮が満ちて来ると隠れるというようなわけでありまして、岩
自身は残
つているということについては、われわれは決して注意をそらせることができない次第でございます。その内容といたしましては、結局先ほど来申し上げました
農業協同組合またその連合会、これが中央金庫あるいは
組合金融、
農林水産金融の中に占める地位が高いのでございますが、この
協同組合のあり方それ
自身が、皆さん方も御
案内のことだと存じますが、必ずしも適当でないということからいたしまして、
金融的にもいろいろと障害を来しておるわけでございます。これは何と申しましても従来の農業会がよかつたというわけではございませんが、農業会を解体して新しく
協同組合をつくりましたときに、
指導的にもあるいは自発的にも、
組合関係者の思慮の足りなかつた点があつたのじやないか。特にそれは解体設立が
農村の景気のいいときに行われましたので、割合楽な
気持でやつた。自由だ自由だということから、かなりむちやなこともやつたというふうなこともあつたかと思います。それがほど遠からぬうちに、非常に
農村の
経済がきゆう
くつに
なつて参りまして、いまさらのごとくにそれが悔まれておるということではないかと存じます。ことに新しく生れました
協同組合の経営者は、十分に熟練した人がのいたあとに、必ずしも適当な経営者を得なかつたということからいたしまして、またインフレ時代のなごりの残
つているときに、かなりむちやな経営もあつたかと存ぜられるのでありまして、それらのことからいたしまして、
組合または連合会の財政
状態、経理
状態というものは、必ずしも適当でないものがなかなか多いのでございます。これらの点が先ほど申し上げましたように、春先等になりますと非常に痛くうずんで来るということで、貯
拂いもできないというふうなことが繰返されておつたかと存じます。われわれといたしましては、まことにこのことは農民の方にもまた世間
一般にも、相済まぬことだと存じております。この春以来
協同組合の
態勢をいかにかして確立いたしたいと存じまして、これは本来から申しますれば
協同組合全体の問題でございますし、また
農業経済全体の問題でございまして、ひとり
金融機関のみではいかんともできない問題ではございますが、しかし
金融的見地においても、何ものかなすべきことがあるのではないかということからいたしまして、
政府当局ともよく御相談をいたし、また
組合の
関係者としみじみ相談をいたしまして、中央
地方に
農業協同組合経営対策協議会というものを設けまして、
地方におきましては
一つ一つ行き詰まつた
組合の再建更生に、手をとるように助力するということをいたし、中央におきましてはその全体の調子を合せるように、いろいろと考えるというふうな
措置をと
つて参
つております。この春貯拂いの困つたときにどうするかということについて、いろいろと各
方面の
方々の御協力を得て方針を立て、またその後系統購買事業が非常に行き詰まりましたときに、系統購買事業をいかに確立すべきか、特に肥料配給公団がなくなりました後の肥料の取扱いを、系統購買事業としていかになすべきかということにつきまして、主として
金融的見地より問題を考えて、さらに今日では
組合の体制確立のためにいかにすべきかというようなことも考え、また近くはこの秋に
主要食糧の
代金等が
蓄積されまして、
農家に
経済的な実力がつくときでありますから、この時を利用いたしまして、来春はことしの春のようなみじめな貯拂い停止等の起らないようにするにはどうしたらいいか。それは結局
資金のあるときにむだ使いせずして、その
資金を
計画的に
蓄積する。たとえば納税貯金であるとか、あるいは学校に子弟を送るための教育貯金であるとか、あるいは肥料の購入の貯金であるとかいうふうに、かくそれぞれの
資金需要が将来測定されるのでございますから、それに即応するように一年にまたとないこの機会において、資地の
蓄積を
計画的にや
つて、
従つてその
資金の
運用も
計画的にするというふうな
資金の
計画化の運動を進めたいというような
気持も、またこの経営対策協議会で考えておりますような次第でございます。それとともにさような
指導面においての問題もございますが、他面におきまして、現在各
地方の
農業関係の
方々がひとしく仰せられておりまするのは、在来の農業会の解散後の資産を新しい
協同組合が引継いだその引継ぎ資産が、非常に新しい
協同組合の
運営上、ことに
信用事業の
運営上の重圧に
なつておる。これを何とかしたいというお考えがあり、また先ほども一旦触れました購買事業その他
組合事業の経営上の赤字等が出ております。これが
組合運営上非常にまずく
なつて来ておりますものを、何とかして長い間かか
つてでも償却するような再建的な
措置をとるために、必要な
資金の供給を何とかしてくれないかというような話もございますので、これらの点につきまして、実はまことに
事態はごもつともでいらつしやいますが、さてそれを
農林中央金庫がいかに処理するかということにつきましては、われわれとしても
組合の系統の大切な
預金をお預かりしております者といたしまして、それをむざむざ償還の見通しもないところに
運用することもできませんので、これらの点につきましては十分気をつけつつ、しかしてわれわれとしてできる限りにおいては、農業会の引継ぎ
資金あるいはそれらの
組合再建に必要な
資金の供給も、できればいたしたいという
気持を持
つております。
〔
委員長退席、西村(直)
委員長代理着席〕
究極におきまして、これらの点は生産的な、農業の生産を上げるために必要な
資金というよりも、むしろ過去の跡始末をするための
資金でございまして、それとともによほど低金利でなければいかぬという実体がおありのために、
農林中央金庫の持
つております
資金をお使いになるのでは、どうもうまくないという点もおありのようでございます。われわれの方といたしましてはその点自体困つたことだが、もしも
政府が利子補給等のことを考えてくださるならば、それも
一つじやないかと思います。われわれの方といたしましては、
組合がはたして再建し、あるいは健全に
運営されて行き、そうしてもしも御
融通した
資金の将来について不安がないという見通しがつけば、われわれの方の
資金でよければひとつお使いいただきたいという
意味をもちまして、われわれはすでに過去におきまして、この六月の末におきまして
農林中央金庫の
運営委員会におきましても、とりあえず本年度十億円くらいの
資金は、農業会資産の引継ぎ
資金として出す
計画を持
つておるということを申し上げたのでございます。爾来各
地方の県農業会の清算の進行に伴いまして、従来は大体において
地方の
信連がこのおせわを見ております。それで片づいて来たものもございますが、今後はわれわれの方から何か御
援助をしなければならぬ必要もあろうかと思
つております。それは期待をしておるわけでございますが問題としてお互いに困
つておりますことは、何としてもこれらの整理のためには、低金利の
資金でなければならぬということだと思います。この点につきましては、
政府御
当局においても大事な問題でございますから、何とかお考えいただきたいというので、予算上の御
援助をいただくようなことを
要請し、また
政府の方においてもそれを御
計画いただいておるやに承
つております。
なお
協同組合問題につきましては、
農業協同組合法の改正を過般の
国会で御決定になりました。その施行が政令公布ということに
なつておりますが、これが出ません。ことに
組合の財務確立の基準をお示しになる
政府原案がまだ出ておりません。それらの点はわれわれとして
政府御
当局に対しまして、ぜひ早くお出しいただくことをお願いしたいと申し上げておるような次第でございます。
それから
農林中央金庫のことについても、ごく簡單に申し上げますが、実はこの春、五月でございましたか、
皆様方のお目にもとまつたかと存じますが、一部新聞紙が
農林中央金庫の内容が非常に悪化しておるということを報道されました。われわれとして非常に大きな迷惑を受けたのでございます。当時
政府の
当局も、日銀の
当局もいろいろと心配をしていただき、また
協同組合の
関係者はよく
事態について冷静な態度をと
つていただき、われわれもその間に処しまして種々苦心をいたしまして、大体故障なく過すことができたのでございます。その後われわれといたしましては、先ほど来申し上げました増資をいたしまして、また
農林債券を逐次
発行して参りまして、これによりまして従来ともすれば
農林中央金庫の資産が不健全だ、と申しますのは短期の
資金をも
つて、ともすれば長期化する資産をまかなうというふうなことがございました。この資産構成を直すことができるようになりました。それとともにまたその前後を通じまして
農林中央金庫の経営上非常に大きな問題でありました戰時中以来の低利国債、これが約百二、三十億ございますが、これの約半分を最近売却することができましたので、これらの点からいたしまして收支の改善も漸次できるようになりました。そういうことで最近におきましては、
農林中金の実質は漸次改善を見て来ておりますので、今後の問題といたしましては、いろいろと
地方の御
要請もございますし、われわれの今後の問題としては再建等もございますが、今
政府の方で御
計画に
なつておられる
農林漁業
金融公庫、これらの
措置がもしできますならば、
農林中央金庫のみが今ひとり苦しんでおりまするこの
事態に対する、非常によき解決ではないかというふうに存じておる次第でございます。あるいは抽象的でお気に召さなかつたかもしれませんが、あとは御質問によ
つて申し上げます。