○武藤(嘉)
委員 ぜひ
大蔵省から積極的に
シヤウプ博士に説いていただたきいと思うのでありまして、現在すでに衆議院に出ております陳情、
請願書その他をトラックでここへ運んだというのは、これは別にあながち
業者の運動ではないのでありまして、全国八千万のうちの酒を用います消費者の声を、十分この際
シヤウプ博士に聞いてもらわなければならぬと思います。要するに、あの
報告書の
通りであるとすれば、これははなはだも
つて皮相な
報告書をつくられたものと、私は酷評してさしつかえないと思いますので、これはぜひ
大蔵省におかれましても、
関係官庁として積極的にこの
報告書の是正方をお願いしたいと思います。
次にお願いしたい問題は、販売機構の問題でありまして、これは御列席の松田間
税部長さんにお尋ねしたいと思います。これは今販売機構に甲という機関と乙という機関がありまして、甲の機関は一応
大蔵省が非常な保護奨励策を立てているような建前にな
つている。しかもこれは全国にこの甲という機関だけありますのが、二十数箇県あるはずであります。これはどこから出て来たかというと——これは実は
大蔵省が
考え出してこういうことを
地方の
業者に勧めたというと、GHQにしかられるかもしれませんが、実は
政府の慫慂でできたようなものであ
つて、
生産者と消費者と両方ででつち上げた会社が甲機関、もしくは株式会社で單独につく
つたものもありますが、私の申し上げるのは、
生産者と小売
業者とででつち上げましたところの全国の甲機関というものが、主として協同組合の形式で営まれている。従
つてこれが非常にぼろを出しているところもあるかもしれませんが、必ずしも全国的にぼろばかりではない。これが意外に成績をあげている点もあります。というのは、小売と
生産の方と一体にな
つてでつち上げてありますから、いい面も多大であることが認められているのであります。そこで最近
大蔵省の省議とかで、甲一本の府県では困るから、どんどん乙を許すというような御
意見である。いわゆる直接卸をする小規模のものを認める御
意見であると聞いているのでありますが、これはある
程度やむを得ないとは思いますが、一面から見ますと、これは現在二十数県にまたが
つてあります甲機関に対しては、非常に弱体化を来すところの理由になるのであります。しかも同時にどんどん許されることになれば、甲機関は立ちどころに業務を停止せざるを得ないような実情にな
つて来るのであります。これは間
税部長さんの御見解を承りたいのですが、現在そういう甲機関が独占的であるからというて、非常に非難しておりますのは、主として五つにも足りない全国の大メーカーでありまして、この大メーカーのために
大蔵省が動くということになりますと、清酒において約一万あります。また蒸溜酒と申しますしようちゆう、合成酒においてはおそらく百五十くらいあるだろうと思いますが、このたくさんの全国の小さい
業者を犠牲にして、大メーカーのためにのみでき上るものが、今度の乙機関の増設部門ではないか、こういう結論になりはせぬかと私は思う。決して私は乙を認めることがいけないというのではありませんが、非常に愼重におやりにならぬと、立ちどころに全国二十数県にまたが
つております甲機関は業務を停止し、しかも内容が非常に悪いようなものには
大蔵省も迷惑すれば、業界全体が迷惑すると思うのでありまして、この場合においては非常に愼重におやりくださる必要があると思う。ことに今申しますように、全国一万に近い清酒
業者、それから小さい
業者は実に二百くらいもあるだろうと思いますが、五つの指に屈せられる大メーカーのために、こういうことが行われるようにも見られるのでありまして、私は決して独占的のものが今いいというのではありませんが、そういうふうな懸念が見られる。さらにまた現在におきまして、
大蔵省がそういう
生産者と消費者との協同による協同組合を奨励しておきながら、一方またそれをぶちこわすようなことを
大蔵省みずからがやるということは、これは松田部長は当時御在任でないからその責任者でないので申しませんが、これは数年前の
大蔵省の
意見によ
つてできたものである。
大蔵省が一方において甲を保護し奨励しておるが、一方においてこれをぶつつぶすようなことになると、これは
大蔵省としてははなはだ矛盾した政策をおとりになるということになる。のみならずこれがために非常に混乱を来し、ひいては徴税において非常に障害を来すというふうに私は
考えるのでありますが、この点に対して
大蔵省の御方針は、どの
程度まで認めて行くという御方針であるか。松田部長さんの御
意見を承りたい。