○
川村委員 今
松任谷部長は、
許可船に対しては大体
方針がきま
つておるようであるが、無
許可船の
違反については腹がきま
つておらない、こう察するのであります。そうすると
許可船はいじめられて、無
許可船は放任されておるということに
なつたならば、一体
漁業秩序が保たれるかどうか。私はむしろ
許可船の方をこれまでにどうして
一体解決をつけないか。いわゆる県の
責任を明らかにしておかないかということを、まずも
つて責めなければなりません。
従つて業者の方々はわれわれにまかせてございますが、まだ
道議会の
方面はまかせるかどうかということは
はつきり聞いておりませんので、いずれになるかわかりませんが、
道議会も
業者のごとく、われわれ
北海道出身の
水産代議士に一任するということになりますれば、
水産庁とわれわれとの間に
話合いをつけなければならぬのであります。
従つて許可船の問題は
はつきり隻数もトン数も人もわか
つておりますからこれはいいでしよう。しかし無
許可船をそのままに放置しておいて、
許可船は、かりに
部長の言うように
違反したものだけ減らすということであ
つても、今度はその減らされたものが無
許可船にな
つて密漁に来たならば、かえ
つて混乱するのではないか。むしろこれまでに無
許可船で
違反を起した県に対して、強硬なる制裁を加えなければならぬにもかかわらず、それを何ら手を打たないで、無
許可船についてはまだ考えておらぬ、これから
話合いを進めるんだ。こういうふうなことでは、まことにどうもわれわれ
北海道の
業者にとり、さらにわれわれ
北海道出身の
水産代議士から言うと、なまぬるい
やり方ではないか。こうしたなまぬるい
やり方を続けて行くならば、他の議員はいざ知らず、私だけは、
北海道の
意思をくんで
全面反対しなければなりません。しかしわれわれがとるべきところを
水産庁でとるならば、
日本の
漁業の状態から考え、さらに
北海道と最も近接の地にある
青森、
岩手は特にこのことを考えてやらなければならぬ。こうしたようなことも十分われわれは腹に入れて、皆さんと
協議を進めなければならぬと
思つております。さらにこれは特に
陳情の中に強く織り込まれたことは、
宮城県におきましては悪質な
違反船がある。のみならず、先ほど私が申し上げたように、われわれが
調査のまつ最中に四隻も
違反船を出しておる。こうしたようなことから、
宮城県だけは一隻も
許可してはならない。これだけは
代議士諸君は
十分がんばつてもらいたいということを
陳情を受けておるのであります。その船は無
許可船でありまするがゆえに、
部長の言われるようななまぬるい
方法をと
つておりましたならば、なおさら無
許可船が
増加するのではなかろうかということを考えますときに、今あなたの御
答弁を聞いて、私は不満足の意を表せざるを得ないのであります。そこでその
話合いを進める過程として、まず私は
北海道内の底びき網の問題も
相当に考慮に入れて、
入会と結んで行かなければならない、かように
思つております。と申すのは、これまで二百数十隻の
許可船があるのに、今度
水産庁の御
意思と
道庁の御
意思によ
つて、
北海道の小手繰網が整理されまして、大体これも二百隻近くの
大型機船底びき網が
許可されることにな
つております。合せますと、
北海道内にも大体五百に近いところの
許可があり、おのおの時期には採業するだろうと
思つております。そうしますと、限りある
資源を、これまで二百七十余隻で操業していたのが約五百近くになり、
内地から百五十入りますと、大体六百四、五十になるというようなことにな
つて、ますます
北海道の
資源の枯渇になるのではなかろうかと、かように考えます。また
北海道の
機船底びき
網業者といえ
ども、数の
増加によ
つて相当経営が困難になるのではなかろうかという点も、われわれ十分に考えております。そこで
北海道の
機船底びき網の
経営の
合理化、あるいは利益の均霑、こうしたようなことも十分考えて、そうして
入会のことと結びつけて行くこともその
一つでなかろうか、かように考えております。でありまするから、
水産庁の腹は、大体
部長の
答弁がほんとうの腹だということを察しますので、
入会をするという御
意思であるならば、一日も早くあなた方の方で
十分道内、道外すべてを勘案いたしまして、その
方面に運んだらどうかということを、私は進言するのであります。
そこで
道内の問題として、私は去る九月の二日に
意見を六つ出しております。ところがそれに対しまして九月の七日に、一部を除いてその他は了承する、そうして今後はこの線に沿うて
実施に努力する、こういう
回答書が私のところへ来ております。この
実施をいつおやりになるかどうか。これによ
つてもわれわれは
入会の問題を
相当に考えて行かなければならぬのじやないか。極端に言うならば、
道内の問題を
解決つけずして、ただ
入会をさせようがためにそれに汲々としているということには、われわれ了承できません。
従つて道内の
漁業秩序をまずも
つて先に立て、しかして道外
入会の問題を、
資源とにらみ合せて、
違反船を切るか、あるいは
違反船というものにかかわらず、半分にするとか、あるいは三分の一は減らすとかいうようなことも、考えて行かなければならぬ。かりにその三分の一減らすという中に
違反船をまずも
つて第一に切るとか、いろいろなことをここでお考えにな
つて、すでに案ができ上
つていなければならぬにもかかわらず、十一月の漁期を控えて、まだ何らその運びもしておりませんし、もちろん
道議会、
道庁その他
北海道の
業者とは、
話合いもまだ済んでおらないものと思います。また
内地方面の
意見もあなた方の方でとりまとめて
北海道と折衝する段階にもな
つていないような状態でありますので、どうか一日も早くわれわれに対して、
水産庁のほんとうの腹から立案するところの、いわゆる
道内、道外の
機船底びき網に対する
処置についての
意見を、お出しにな
つてくださることを、申し入れまして、私のまず第一点だけはこれで
質問を終ります。
次に第二点であります。
北海道の根室
方面の一部の漁港を除きまして、大半を
調査して参りました。ところが、いずれの漁港も、完全利用のできておるという漁港は
一つもありません。例を申し上げるならば、明治時代に築設したものは、今日でもそのままにしてお
つて、狭くて使いものにならぬとか、あるいはせつかく外廓は大きく巻いておるけれ
ども、中を掘鑿しないために、完全に船が入ることができないとか、あるいは荷揚げ施設が不十分なために、接岸をして魚の荷揚げができないとか、あるいは給水ができないとか、給油ができないとか、その他全然破壊されてしま
つて、形もないというようなものも、災害復旧でや
つておらない。白糠港のごときはほとんど形がありません。それにもかかわらず投げ放しで、災害復旧をしなか
つたというようなことも、われわれは見て参りました。総括的に申し上げるならば、いずれの漁港も現代の
漁業と沿わない、いわゆる完全に利用することができないような状態である。もうほとんどがほとんどそうしたような漁港ばかりであります。これをこの機会に整備をしなければ、
北海道の
漁業の発展はあり得ないと思います。また一面新魚田を開発しようとして、予算の面におきましても、あるいは
漁業の面につきましても、いろいろ
研究を続けて参
つておりまして、その新魚田は数箇所発見されております。そこに新しい漁港の修築をしなければならぬということを、われわれは十分に見て参
つたのであります。こうしたような
北海道の漁港のいろいろな問題がありますので、この点について林課長はいかなる御所見を持
つておるか。
それからもう
一つは、私は三浦三崎から大阪の堺まで、六県を漁港
調査して参りました。
北海道の漁港よりは
相当に大きい漁港で、利用価値が
相当高ま
つておりますけれ
ども、これらもまだ完全利用ができておりません。もちろん
北海道同様に、これは整備をして行かなければならぬけれ
ども、特に私が感じましたのは、運輸省と
水産庁の
話合いも、もちろんまだついておらないでありましようけれ
ども、その県におきましては両天秤をかけておる。たとえて言いますならば、今年は
水産庁から予算をもら
つて行こう、来年は運輸省から予算をもらおう。また中には、ここまでは
水産庁の方の予算で行こう。第二次の問題は隠してお
つて、
水産庁からもらえればけつこうだが、もらえなければ運輸省の方からもら
つてやろうというような、すなわち予算分取りの悪質な考え方を持
つておる県が多か
つたということを、痛切に
内地で感じて参
つたのであります。その事例を一、二あげますと、伊豆の伊東のごとき、それから勝浦のごとき、これらは
はつきりしております。われわれは図面の上で、あるいは
現地の上で、こうした方が漁港の施設に最も適当であ
つて、こうすれば完全利用ができるじやないかと言うと、いや、それは実は私の方では観光に使わなければならぬので、そう漁港施設ばかりやられると、観光の施設がなくなりますから、それはどうもせつかくだけれ
どもお断りする。こういうふうなことをわれわれに言
つておる。漁港を観光の施設に使うというようなことを考えておるところを漁港の指定をして、はたして一体今後そこの漁港の発展があるかどうか。こうしたようなあり方を見て参りましたので、この点について今後そうした漁港はどういうふうな考えで進むべきかということを、まず承りたいのであります。この二点であります。