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1950-07-29 第8回国会 衆議院 水産委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十九日(土曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 小高 熹郎君 理事 川端 佳夫君    理事 田口長治郎君 理事 林  好次君    理事 上林與市郎君       石原 圓吉君    川村善八郎君       鈴木 善幸君    田渕 光一君       永田  節君    平井 義一君       福田 喜東君    松田 鐵藏君  委員外出席者         議     員 坪内 八郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)     松任谷健太郎君         農林技官         (水産庁漁政部         漁港課長)   林  眞治君         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 齋藤 一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  閉会審査に関する件  委員派遣承認申請に関する件     ――――――――――――― 請願  一 御宿漁港修築費国庫補助請願田中豊君    紹介)(第三一号)  二 大沢地内船入ま築設費国庫負担請願(    田中角榮紹介)(第五八号)  三 会津川口漁港築設の請願早川崇君紹    介)(第五九号)  四 逢井漁港防波堤築設の請願早川崇君紹    介)(第六〇号)  五 伊串漁港防波堤築設の請願早川崇君紹    介)(第六一号)  六 呉港周辺沈沒艦船引揚解体作業に伴う漁    業上の損失補償に関する請願中川俊思君    紹介)(第一一四号)  七 長部漁港修築に関する請願鈴木善幸君紹    介)(第一三八号)  八 瀬戸内海漁区東部境界線確保に関する請願    外二件(橋本龍伍紹介)(第一三九号)  九 千田漁港防波堤設費国庫補助請願(田    渕光一紹介)(第二八五号) 一〇 天売漁港修築に関する請願浦口鉄男君紹    介)(第二八六号) 一一 枇榔島に船だまり及び餌雑魚蓄養場築設の    請願前田郁紹介)(第三三九号) 一二 大根占船だまり修築請願前田郁君紹    介)(第四九八号) 一三 小浜漁港船だまり施設拡充請願鈴木善    幸君紹介)(第四九九号) 一四 香深村に北方魚田開発策源地としての諸    施設実現促進請願玉置信一紹介)(    第五〇〇号) 一五 香深修築工事促進に関する請願玉置信    一君紹介)(第五〇一号) 一六 漁船災害補償制度強化に関する請願外一    件(鈴木善幸紹介)(第五〇二号) 一七 漁船保険事業拡充強化に関する請願鈴木    善幸君外一名紹介)(第五〇三号) 一八 呉港周辺沈没艦船引揚解体作業に伴う漁    業上の損失補償に関する請願宮原幸三郎    君外二名紹介)(第五〇四号) 一九 水産金融応急対策樹立に関する請願(山本    猛夫君紹介)(第六三三号) 二〇 平島漁港整備に関する請願坪内八郎君    紹介)(第六三四号) 二一 舞鶴漁港を第三種漁港指定請願(大石    ヨシエ君紹介)(第六六〇号) 二二 大井漁港修築に関する請願久野忠治君紹    介)(第六六六号) 二三 安良里魚港の護岸工事急速施行に関する請    願(遠藤三郎紹介)(第六八八号) 二四 戦乱による漁船損害補償実施に関する請    願(鈴木善幸紹介)(第六九一号) 二五 黒島港災害復旧工事促進に関する請願(小    西英雄紹介)(第六九八号) 二六 小伊津漁港修築に関する請願大橋武夫君    紹介)(第六九九号) 二七 水産金融対策確立に関する請願坪内八郎    君紹介)(第七〇四号) 二八 有明海漁業調整事務局設置に関する請願(    坪内八郎紹介)(第七〇五号) 二九 漁港整備修築並びに水産省設置等に関す    る請願田口長治郎紹介)(第七一三    号) 三〇 虻田町に漁港築設の請願篠田弘作君紹    介)(第七一九号) 三一 豊浜漁港修築費国庫補助請願森曉君外    二名紹介)(第七三九号) 三二 大沢地内船入ま築設工事国費施行請願    (田中元君外二名紹介)(第七五九号) 三三 三重漁港築設の請願岡西明貞紹介)(    第七六四号) 三四 北海道におけるさけ、ますふ化事業助成に    関する請願小川原政信紹介)(第七九    八号) 三五 知多半島西浦地区漁港築設の請願久野    忠治紹介)(第八〇二号) 三六 大分下荒廃漁場復旧費国庫補助請願    (金光義邦君外三名紹介)(第八六九号)     ――――――――――――― 陳情書  一 泉佐野漁港修繕費国庫補助増額陳情書    (第二七号)  二 鵜入港災害復旧工事施行陳情書    (    第七〇号)  三 国立水産研究所移転に関する陳情書    (第八六    号)  四 漁区拡張に関する陳情書    (第八七号)  五 漁船保険事業拡充強化に関する陳情書    (第一九九号)  六 日南市油津港を第四種漁港指定陳情書    (第二    〇〇号)  七 密漁船取締強化に関する陳情書    (第二四〇号)     ―――――――――――――
  2. 冨永格五郎

    冨永委員長 これより会議を開きます。  閉会審査の件についてお諮りいたします。近く会期も終了になりますので、本委員会といたしましては、閉会中も適時委員会を開いて、国政に関する調査を進めて参りたいと思いますが、委員会閉会中に審査をいたしますためには、国会法第四十七条第二項によりまして、審査しようとする事件について、特に議院の議決によつて付託されなければなりません。従いまして、この機会に漁業経営安定に関する件、水産金融に関する件、漁業制度に関する件、及び戦災漁場復旧に関する件について、閉会審査申出議長提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めましてさようとりはからいます。     —————————————
  4. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に委員派遣の件についてお諮りいたします。ただいま議長に申し出ることにいたしました閉会中の審査事項が、院議に上りまして本委員会に付託されましたならば、調査方法一つといたしまして、現地について実情調査する必要も起つて来ると思いますが、委員を派遣するには議長承認を必要とするのであります。つきましては、委員派遣承認要求をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めます。なお、その手続、派遣委員の選定、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。     —————————————
  6. 冨永格五郎

    冨永委員長 次いでこの際委員の方に御報告を申し上げておきます。御承知通り、第七国会閉会中の継続審査として、戦災漁場復旧に関する国政調査をいたして来たのであります。これにつきましては、国政調査委員派遣が不可能となりましたので、これにかわる方法として、適宜に委員長より各都道府県知事あてに、当該都道府県における戦災による漁場荒廃の状況、並びにそれによるところの漁獲高減耗、及びその復旧に要する費用等について、詳細なる調査を依頼して報告されたき旨の御依願を申上げましたところ、各都道府県におきましては、御熱心なる御調査をいただきまして、ただいままでのところ御報告いただきました県は、青森、岩手、秋田、新潟富山茨城千葉、神奈川、静岡、愛知三重岐阜、福井、京都、大阪、和歌山、兵庫、山口、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、大分熊本宮崎、鹿児島の二十七であります。海のある県でまだ十三ほど未報告なつておりますが、大体において右の報告概要が判明したような次第であります。  その概略について申上げますと、障害物なつた物件の大半はほとんど沈沒船によるものが多いのでありますが、その他に飛行機、兵器、爆彈、砲彈、いかり、鉄片等であります。このほかに台風等による被害で、流木その他岩石石材等の沈底物によるものを報告しているのであります。大体においてどの地方被害も共通した点を見ることができますが、被害の比較的大きいと思われるものには、大分千葉茨城等があります。その被害高も一億円以上に上る莫大な額になつており、その復旧引揚げに要する経費も一億から二億数千万円を要するものでありまして、これらを考えますとき、全国においては相当の大きい数字を計上することになりますので、その内容につきましては、目下專門員室において詳細な集計をいたしておる次第であります。なお、この報告の中で、戦災によらない被害報告をしている県は、岩手県の流木等新潟県と富山県の岩石石材等のものがありますので、この点お含みを願います。次に被害の該当がないと報告されたものに岐阜島根宮崎の三県があります。京都府の報告では、特に内水面の被害として報告されておりますが、これは戦災によるものではありませんけれども、河川における水力発電所の堰堤による生産減退報告しております。以上がただいままで委員長の手元に集まつた報告書によつて、その概要について御報告申し上げた次第であります。  この際委員の方にお諮りいたしたいのでありますが、この問題について特に熱心な関心を持つておられる県がありますし、これが漁場復旧実現は最も急務であると考えますので、本委員会閉会中これを継続審査することに運びたいと存じている次第でありますので、委員の方の御意見がありますれば御発言をお願いいたします。
  7. 川村善八郎

    川村委員 ただいまの閉会中の継続審議、しかも重要な問題を各般にわたつて調査するのはまことにけつこうであります。大体日取りをきめておかないと、今御承知のように漁業法第五十八条による海区調整委員の選挙が行われ、八月十五日がその投票日であります。おのおの水産委員は非常な関心を持つておることでありますから、それ以後に私はしたいと思うのですが、この点を皆さんに御相談をしていただきたい。一律に行かないと思いますけれども、それ以後にした方がいいと思うので皆さんにお諮り願いたいと思います。
  8. 冨永格五郎

    冨永委員長 ただいま川村委員の御意見の御趣旨に沿うて、委員長においてこれが実施をとりはからいたいと考えますので、その点御了承を願います。
  9. 冨永格五郎

    冨永委員長 次にこれより請願審査に入ります。  審査方法についてお諮りいたしますが、御出席になりました紹介議員のみ紹介説明を承ることにいたしまして、他は文書表によつて承知を願うことにいたし、ただちに政府の御意見を承ることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めてさようにとりはからいます。     —————————————
  11. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第二〇、平島漁港整備に関する請願について、紹介議員の御説明を雄います。
  12. 坪内八郎

    坪内八郎君 この請願趣旨の要点のみを御説明申し上げまして、御採択をいただきたいと思います。  この請願長崎県の西彼杵郡平島村という村の漁港整備したいというのが請願趣旨でありますが、大体この平島という村は漁港一本で立つておる村でございまして、長崎あるいは佐世保からは非常に離れておりまして、交通船も四日に一回通うというような、いわゆる離れ島になつておるのであります。以前は捕鯨船漁業根拠地とか、あるいはいわし網根拠地であつたのでありますけれども、戦争をきつかけとし、いろいろな国の情勢によりまして、その後漁港が不備なために、非常に水産業が衰微して参つたのであります。ところがこの漁村がともかく漁港一本で立つておる村でございますので、この際どうしてもこの港を整備して、水産業発達を期さなければならないというような関係にありまして、今請願をいたしておるわけでございますが、御承知のごとく、長崎県は水産県として大いに活躍いたしておるのでありますが、その長崎県に五島列島というのがございます。その五島列島のちよう向い側なつておるわけであります。南端は平戸島に向いておるのでありますが、そういつた関係から、佐賀県とかあるいは、熊本のいろいろな船舶も、この平島の沖を通つて行くというような状態でございまして、漁港というよりもさらにいろいろ天候のかげんによつては、一つ避難港としての関係も十分あるわけであります。こういつた観点から、どうしてもこの際漁港を十分整備いたしまして、一層この村の発展を期したいというわけでありますが、その整備につきましては、浚渫の必要もありましようし、またちよつとした防波堤の必要もあろうかと思いますが、その点については県あるいは地元におきましても、十分技術的にも研究調査いたしておる次第であります。予算関係におきましても、大して予算もかからないというような関係にございまするので、この際ぜひともこの平島の港を十分整備していただいて、すみやかに水産業としての発展を期していただきたいというのであります。どうぞ委員各位におかれましては、御採択の上、また政府当局におきましても、御採択の上は、これを十分最後までよろしく是正していたくように、お願いいたす次第でございます。
  13. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  14. 林眞治

    林説明員 漁港修築の問題につきましてお答えを申し上げます。まず第一に漁港法がきようから施行されることになつたわけでございます。その漁港法によりまして、漁港修築に関する問題といたしまして、まず第一に漁港指定が行われるわけでございます。そういたしまして指定いたしました漁港の中で、今後整備を必要といたしますものにつきまして整備計画を立てまして、これによつて年々予算を計上いたして修築を行つて行くということになるわけでございます。ただいま議題になりました平島につきましても、御説明のありましたように、おそらくほとんど漁業一本やりで行くべき港だと考えられますので、当然漁港になるだろうといふうに考えております。従いまして整備計畳にも乗つて来ることになるだろうと考えますが、実情はほとんど施設として見るべきものもございませんので、政府当局といたしましても、その修築必要性は十分認めておるわけであります。従いまして、昭和二十六年度以降におきまして、財政の許します範囲において、なるべく早くその実現を見よすように努力をして参りたいと考えております。     —————————————
  15. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第一四、第一五、香深村に北方魚田開発策源地としての諸施設実現促進請願香深修築工事促進に関する請願について紹介議員の御説明を願います。
  16. 松田鐵藏

    松田委員 第一四の方でありますが、本請願要旨は、本邦北端礼文島は、にしん、こんぶ、うに、いか等漁業根拠地であるが、礼文島西北方には、たら、ぶり、まぐろさば等の有望な魚田が未開発のまま残されている。香深村は、北方魚田開発の要地であるから、これら未開発魚田開発するため、輸出加工用漁業施設等を同村に国費をもつて設置されるとともに、これが不可能な際は漁業協同組合等に対し融資されたいという請願でありまして、よろしく御採択を望むものでございます。  また第一五は本請願要旨は、北海道礼文香深村の周辺は、魚族豊富で、ことに最近たらの新魚田を発見また、たらまぐろさばぶり等大群遊を見ており、かつ魚田武蔵堆も本村至近距離にあるが、港湾修築工事が遅々として進よず依然として施設不備なるため、これら豊富な資源の傍観を余儀なくされている現状であるのみならず漁獲物大型輸送船停船寄港等の際錨地がないため、たまたましけにあい、大破沈沒し人命を損傷させたことがある実情である。ついては、香深修築工事を促進されたいというのでありまして、御採択を願いたいのであります。
  17. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  18. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 北海道におきます新魚田開発につきましては、御承知通り昭和二十二年から、北海道庁の計畫に基きよして、国費をもつて一部実施中のものもあるのでございます。また二十四年度からは、対日援助資金投下等につきましても計畫中でございまして、現在のところ政府におきまして、最後決定を見ました三十三組合資金合計七千七百万円というものを融資実現させるというために、関係方面等へ鋭意折衝し、努力中でございます。本件につきよしては、従いまして北海道魚田開発事業の一環といたしまして、調査実施するというふうな取扱いにいたすことが適当ではないか、こう考えておるのでございます。     —————————————
  19. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第三一、豊浜漁港修築費国庫補助請願について、紹介議員の御説明を願いよす。小高君。
  20. 小高熹郎

    小高委員 千葉豊浜漁港勝浦漁港の東海岸に隣しておりまして、従来豊浜には簡單なる船ひき場を設けてあるのみで、他に何ら港らしき施設はなく、漁獲高は非常にこの地方は多いのでございまするが、非常な不便をかこつておるのでございます。風浪が一たび起りますと、防波堤がないために、その都度漁船も人家も激浪の襲撃に脅かされるのを例といたしておるのでございます。平時におきましても、船の引揚げ、引下げあるいはまた漁獲物の陸揚げにも、常に海中に入りまして、腰まで水に浸つて作業する状態でございまして、ことに冬期は寒風にさらされ、非常に困難をしておるのでございます。こういう意味におきまして、本漁港困窮状態を御推察の上、何とぞ御詮議の上御採択あられますことを希望いたします。
  21. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  22. 林眞治

    林説明員 豊浜漁港施設現状はきわめて貧弱なものだと考えられるのであります。ただいま御説明のございましたように、日本全体から見ましてもまれに見るような、いわゆる漁民文化生活から遠いような現状にあるわけであります。従いましてこれに適当な施設を施しまして、生産等の上から見ましてはもちろんのこと、漁民生活の安定というような点からいたしましても、早急にこの実現をはからなければならぬと考えておるわけであります。従いまして昭和二十六年度以降におきまして、なるべく早く実現をみますように努力をして参りたいと存じております。     —————————————
  23. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第二八、有明海漁業調整事務局設置に関する請願について紹介議員の御説明を願います。平井委員
  24. 平井義一

    平井委員 有明海漁業調整事務局設置に関する請願でありますが、これはすでに去る二十五日本院を通過しておるのであります。目下参議院におきまして審査を重ねておるのでありますけれども、御承知のごとく有明海はその趣を異にすること他の海区と違うのでありまして、多分参議院においては通過するのであろうと思いませけれども、万が一に間違つたときにおきましては、有明海は別個の立場から次の臨時国会に必ずや通過させていただきたい。かつて漁業法の改正以来一段と混乱を来しでおるのでありまして、毎日十万の漁師から陳情が届いておるようなありさまであります。どうぞ委員長におきましては、有明海は必ず事務局を設置するという点において全力を尽すように、本院を通過しましたけれども、今後の参議院通過を心配するあまり請願する次第であります。
  25. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  26. 田渕光一

    田渕委員 この紀伊水道有明海は、参議院に送り込んで、この会期の短かいのに本日の水産委員会で審議されることと思つておりました。しかるところ本日の参議院の公報を見ますと、水産委員会の議案に出ておりません。かような結果に至つたことについて、委員長はきのうどういう交渉をしていただいたのかを伺いたい。もしもまた続いて一回ならず、二回までも衆議院水産委員会に対するこういう態度をとるならば、現参議院木下水産委員長のいる限りにおいては、われわれは、協力することは絶対にできません。これだけを申し上げておきます。一応その点どういう交渉であつたかを伺います。
  27. 冨永格五郎

    冨永委員長 きのう御承知通り参議院の自由党においては政調から説明を申し上げ、参議院水産委員会では委員長その他関係委員出席いたしましたが、衆議院からの説明は必要としないということでございましたので、ぜひ本日の委員会においてこれが御決定を願いたいということをお願いして帰つた次第であります。何かこの請願に対する政府からの御意見ございましようか。     —————————————
  28. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第七、長部漁港修築に関する請願日程第一三、小浜漁港船だまり施設拡充請願日程一六、漁船災害補償制度強化に関する請願、外一件、日程一七、漁船保険事業拡充強化に関する請願日程二四、戦乱による漁船損害補償実施に関する請願につきまして、紹介議員の御説明を願います。
  29. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 まず長部漁港修築に関する請願、第一三八号につきまして紹介議員として本請願趣旨を申上げます。請願者岩手気仙氣仙町長伊藤雄藏君外三名提出でございますが、本請願要旨は、岩手気仙気仙町の長部港は移出港、漁港避難港として重要でありましたが、近年漁獲高が飛躍的に増大し、三陸沿岸有数漁船根拠地陸揚地としての価値を増大し、県内外船も利用しているが、近年拡大した漁業に対し、旧来の漁港施設をもつてしては、漁民要求を満足させることが不可能になつた上、重なる台風のため、土砂の堆積が湾内を埋め、漁船の出入にも支障をきたしておるのであります。長部港の興廃は気仙町の運命をも決する問題であるから、同港を修築して、地方産業を振興されたいというのであります。  次に小浜漁港船だまり施設拡充請願文書表第四九九号、請願者岩手下閉伊小本村長八重樫良雄君外三百八名の請願でありますが、請願要旨簡單に申し上げます。  岩手下閉伊郡小本村は、三陸沿岸屈指漁場を控え、古来水産食糧給源地としてその使命達成に尽してきたのであるが、本村沿岸地帯は、地勢上港湾に恵まれず、漁舟出付にはなはだしく困難を感じ、ことに本村川本、中野両部落の船揚場たる小浜港は天與の地形を利用し得る港であるが、規模小さいため、わずかに十数隻の小漁舟を收容し得るにすぎず、風浪が強いときは全然船付けできない実情であります。ついては、小浜漁港の船だまり施設を拡充整備し、漁船出付を完全にし、生産増強に資するため、国資並びに県費をもつて負担されたいというのであります。  次に漁船災害補償制度強化に関する請願外一件、第五〇二号。請願者東京都中央区月島西河岸通十一番地の七漁船保険協会長大浜喜一郎外五名提出請願につきまして、その要旨簡單に申し上げます。  漁船保険事業は、創始以来満十三年を経過しているにもかかわらず容易に普及発達を見ていないのであります。しかし農業における災害補償に比して、漁業災害補償はきわめて軽視されている実情であります。ついては、漁船保険拡充強化をはかるため、次の事項実施されたいというのであります。(一)政府は、漁船保険特別会計の借入金を償還するため、一般会計から当該特別会計へ五千万円を繰入れること、(二)異常災害によつて生じたる付保漁船損害については、政府一般会計負担において補填すること、(三)政府が徴收する附加再保険料を廃止するとともに、漁船保険組合事務費一般会計負担すること等。  次に漁船保険事業拡充強化に関する請願、第五〇三号、請願者山口山口市大字上字野令二千八百十一番地山口漁船保険組合長理事岡本武男君、この請願趣旨簡單に申し上げます。本請願要旨は、漁船保険制度実施されてすでに十有余年になるが、その発達は所期の成果を收めず、今や存立さえあやぶまれている実情であるが、この制度漁業者に與える重要性にかんがみ、次の各項を急速に実施されたいというのであります。(一)漁船保険特別会計に再保険金支払準備資金を設けること、(二)台風その他異常災害に対する国家補償、(三)戦争による赤字は国の一般会計において補填すること、(四)漁船保険組合並びに漁船保険協会の経費に対する国庫補助金増額、(五)漁船保険特別会計漁船保険組合から納入する附加再保険料を廃止すること、(六)漁船保険運営委員会の設置、(七)漁船保険特別会計の手持金を農林中央金庫に預入する道をひらくとともに、同金庫より漁船保険組合に融資の道をひらくこと、(八)漁船保険協会を特殊法人とすること等、であります。  次に請願、第六九一号、戦乱による漁船損害補償実施に関する請願につきまして請願要旨簡單に申し上げます。  現行漁船保険制度は、漁船戦乱によつて損害を受けた場合における損害の補償の道を開いていないが、敗戦前は、いわゆる戦時特別保険制度実施によつて戦乱による損害は全部政府が補償を完全に実施していたのであります。朝鮮の戦乱は、東経百三十六度以西の漁場で操業中のわが国漁船が、万一戦乱の余波を被り、損害を受けても、現行漁船保険制度によれば損害補償を認められないので、漁業者に一大脅威を與えている。ついては、いずれの国の戦乱たるを問わはず、戦乱による漁船が被る損害に対して補償の道を講ぜられたいというのであります。
  30. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見を承りたいと思います。
  31. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 漁船保険につきましては、お話のようないろいろの改革すべき問題を含んでおりますので、政府といたしましては、お話のありました再保険の支払い基金といつたものの設定につきましては、目下予算において計上するように努力をいたしておる状態でございますし、一般会計の方から特別会計に繰入れるといつたような問題につきましても、予算的処置を講じたいという方向に努力しておるのでございます。なお農林中央金庫を利用いたしまして、漁船保険組合が金融業務を行うといつたような問題でございますとか、漁船保険協会を特別の法人にいたしまして、強化整備して参るという問題につきましては、いろいろと各般の事情を検討して研究中でございまして、いずれにいたしましても漁船保険制度全般にわたる改革になりますので、漁船保険法を改正いたします際に考慮して参りたい、かように存ずるのでございます。     —————————————
  32. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第三六、大分下荒廃漁場復旧費国庫補助請願について、紹介議員の御説明を願います。
  33. 永田節

    ○永田委員 大分下荒廃漁場復旧費国庫補助請願でございますが、大分県の場合には、戦時中沈沒した飛行機とか、船舶、爆彈というようなものと、さらにまた往年しばしば暴風雨に襲われまして、陸地から流出した障害物のために、各種の漁業の操業をほとんど不可能にしておりますが、その被害状況は、漁獲高の減少額が二億七千五百万円、漁網漁具の損額が一億一千四百万円、こういうふうな調査の数字が出ておるのでありますが、しかも爆彈とか、船舶とか、飛行機というものが約五万件海底に沈んでおる、こういうような実情でございます。昭和二十三年度以降、管下五つの漁業調整会を事業主体といたしまして、二百万円の県費を補助いたしまして、その復旧作業に当つておるのでありますが、だんだん事業の進行に連れまして、その被害の大きいことがわかりまして、水深約三十メートルの海底にいろいろなものが沈んでおるというふうなことで、二十五年度の経費を概算いたしまして、約一億二千六百十二万千円を要するという数字が現われて参つたのであります。かような尨大な数字はとうてい地方の財政では許されないのは、これまた当然であろうと私は考えるのであります。そもそもこの大分県の陳情は、昨年の十月に水産庁に直接大分県から陳情が出たのでありまして、ほとんど全国に先んじて出たというふうな実情でございまして、最も真劍に考えざるを得ない問題であるだけに、その被害も最も深刻なるものがあることは疑いないのであります。どうかかような問題はすみやかに本委員会において採択されまして、適当の措置を講じていただかないと、水産をもつて主たる財源としております。大分県のごときは、この問題が解決せざる以上は、思想的にも非常に悪い影響をもたらす原因となつて参るのであります。第一、本委員会に荒廃漁場復旧の小委員会が構成されておるのでありますが、その小委員長は一体今日までどういうことをしておるか、その責任も私は聞きたいと思う。さらにまた水産庁の漁政部長の根拠のある話を承りたいと思う。
  34. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見を伺います。
  35. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 荒廃漁場の復興の問題につきましては、お話がございました通り、全国各地からの要望がございまして、国会の水産委員会の方でもお取上げになられまして、共同して調査を案施し、その調査数字に基きまして、その除去に関する予算を何とか早く計上いたしたいということで、補正予算等の問題として努力をいたしておるのでございます。従いまして、大分県につきましては、ただいまお話のように、全国的に申しましても漁場の障害となる沈沒艦船あるいは兵器等が多いようでございますので、予算確保のあかつきにおきましては、お話の御趣旨に沿いまして努力いたして参りたいというふうに考えておるのでございます。なおこの問題は海上保安庁との関係もございまして、御承知のような覚書をとりかわしておる次第でございまして、兵器、艦船等につきましては海上保安庁が担当する、それ以外の物件につきましては、水産庁が担当するというふうな覚書のもとに、共同歩調で至急にその予算確保をはかりたい、かように存じておるのでございます。     —————————————
  36. 冨永格五郎

    冨永委員長 次は請願日程第九、千田漁港防波堤設費国庫補助請願について、紹介議員説明を願います。
  37. 田渕光一

    田渕委員 二百八十五号の受付の、千田漁港防波堤設費国庫補助請願説明をいたします。  千田港は、和歌山県有田郡北端箕島町の南東三キロの位置にして、宮崎の鼻より東方五キロ湯浅港との中間部にあるのであります。紀北漁場の重要な漁港基地でございまして、あの昭和二十一年十二月の南海地震によりまして地盤が沈下、被害をこうむつたのであります。これがために漁業経営に大きな支障を来しまして、関係各位の深甚なる御高配をいただき、対策事業として一応の応急的な措置をとつたのでございますが、地震以来の潮流は激変を来しまして、海浜と網干場をうがつ漂砂となつて、既設防波堤内部に砂が積りまして、これを放置すると全然用をなさなくなつてしまうのであります。かような意味で、どうしてもこの際防波堤二基、延長百五十メートルを築設して完全な港にし、災害防止に備えたいというわけであります。大体この施行個所は、和歌山県有田郡保田村千田となつております。設備名が漁港。工種及び量は、防波堤百五十メートル。工事費は千八百万円であります。これは地元の村長御前正夫、地元漁業協同組合長玉置市三郎が数回上京いたしまして両院に請願いたしておるのであります。何とぞ御採択くださいまして、ぜひこの工事の一日も早く完璧を期しますようお願いいたしたい次第でございます。
  38. 冨永格五郎

    冨永委員長 政府の御意見があれば承ります。
  39. 林眞治

    林説明員 千田漁港防波堤の問題でございますが、ただいま御説明にもありましたように、例の二十一年の南海震災に伴いますその後の沈下対策といたしまして一応考えたわけでありますが、さらにこういつた施設を増築いたしますことを、沈下対策として取上げるべきかどうかということは、ただいま研究中でございます。沈下対策として取上げることが不可能でありますならば、改良費をもちまして将来その実現をはかつて参りたい、こういうように考えております。     —————————————
  40. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは紹介議員がもう見えておらないようでございますから、順次政府の御意見のみ承りたいと思います。  日程第六、呉港周辺沈沒艦船引揚解体作業に伴う漁業上の損失補償に関する請願について御意見があれば承ります。
  41. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 本件につきましては、沈沒艦船五隻の中で火薬を使わなければならぬ引揚船が一隻ございまして、それが火薬を使うことによつて附近の漁場被害を与えておるといつたような問題でございまして、何らかの方法で補償を考えるというようなことに大体大蔵当局も了承しておる次第でありまして、水産庁といたしましては、大蔵当局と協議いたしまして、具体的な解決ができますように努力をいたしておるのであります。     —————————————
  42. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは請願日程第八、瀬戸内海漁区東部境界線確保に関する請願外二件について政府の御意見を承ります。——御意見がなければ次に移ります。
  43. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは日程第一八、呉港周辺沈沒艦船引揚げ解体作業に伴う漁業上の損失補償に関する請願について御意見があれば承ります。——御意見がなければ、請願日程一九、水産金融応急対策樹立に関する請願日程二七、水産金融対策確保に関する請願日程三四、北海道におけるさけ、ますふ化事業助成に関する請願日程一、御宿漁港修築費国庫補助請願日程二、大沢地内船入ま築設費国庫負担請願日程三、会津川口漁港築設の請願日程四、逢井漁港防波堤築設の請願日程五、伊串漁港防波堤築設の請願日程一〇、天売漁港修築に関する請願日程一一、枇榔島に船だまり及び餌雑魚蓄養場築設の請願日程一二、大根占船だまり修築請願日程二一、舞鶴漁港を第三種漁港指定請願日程二二、大井漁港修築に関する請願日程二三、安良里漁港護岸工事急速施行正に関する請願日程二五、黒島港災害復旧工事促進に関する請願日程二六、小伊津漁港修築に関する請願日程二九、漁港整備修築並びに水産省設置等に関する請願日程三〇、虻田町に漁港築設の請願日程三二、大沢地内船入ま築設工事国費施行請願日程三三、三重漁港築設の請願日程三五、知多半島西浦地区漁港築設の請願について、政府の御意見があれば承ります。
  44. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいま委員長からのお話のございました各件につきましては、文書をもちまして御回答申し上げたい、かように存じますので御了承を願いたいと思います。
  45. 冨永格五郎

    冨永委員長 これをもつて委員会に付託されました請願全部につきまして、一応趣旨説明及び政府当局意見の聴取を終りました。  暫時休憩いたしまして、理事会を開きます。     午前十一時三十五分休憩      ————◇—————     午前十一時五十一分開議
  46. 冨永格五郎

    冨永委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  これより休憩前に審査しました請願について採否を決定いたします。請願日程第一ないし第七、第九ないし第三六の各請願は、採択の上内閣に送付することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  なおただいま採択いたしました各請願に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。     —————————————
  49. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に陳情書審査に入ります。  本委員会に送付になりました陳情書は、本日の日程に掲げてあります通り、七件であります。その内容はすでに文書表によつて承知通り漁港関係漁船保険関係漁区拡張、密漁船取締り等でありまして、請願審査過程において、愼重に審査をいたしたところ、一致するものが多いのであります。従いまして、本委員会といたしましては、これら陳情書の意のあるところを十分了承いたしまして、今後ともわが国水産業発達改善に努力いたして参りたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時五十四分散会