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1950-07-21 第8回国会 衆議院 水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十一日(金曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 小高 熹郎君 理事 川端 佳夫君    理事 田口長治郎君 理事 林  好次君    理事 上林與市郎君       石原 圓吉君    川村善八郎君       久野 忠治君    鈴木 善幸君       田渕 光一君    永田  節君       平井 義一君    福田 喜東君       松田 鐵藏君    小松 勇次君       水野彦治郎君    井之口政雄君  出席政府委員         水産庁長官   家坂 孝平君  委員外出席者         参議院水産委員         長       木下 辰雄君         農林事務官         (水産庁次長) 山本  豐君         農 林 技 官 遠藤 信二君         運輸事務官         (海上保安庁航         路啓開本部長) 田村 久三君         專  門  員 杉浦 保吉君         專  門  員 齋藤 一郎君 七月二十一日  委員松本一郎君及び池田峯雄君辞任につき、そ  の補欠として原健三郎君及び井之口政雄君が議  長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月二十日  御宿漁港修築費国庫補助請願田中豊君紹  介)(第三一号)  大沢村地内船入ま築設費国庫負担請願田中  角榮紹介)(第五八号)  会津川口漁港築設の請願早川崇紹介)(  第五九号)  逢井漁港防波堤築設の請願早川崇紹介)  (第六〇号)  伊串漁港防波堤築設の請願早川崇紹介)  (第六一号)  呉港周辺沈没艦船引揚解体作業に伴う漁業上  の損失補償に関する請願中川俊思君紹介)(  第一一四号) の審査を本委員会に付託された。 同日  泉佐野漁港修繕費国庫補助増額陳情書  (第二七  号)  鵜入港災害復旧工事施行陳情書  (第七〇  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律  案(参議院提出、第七回国会参法第五号)  戰災漁場復旧に関する件     ―――――――――――――
  2. 冨永格五郎

    冨永委員長 これより会議を開きます。  戰災漁場復旧に関する件を議題といたします。まず政府より現在までの復旧状況説明願います。
  3. 山本豐

    山本説明員 荒廃漁場の問題につきましては、前にもお話がありましたが、その後ぜひ追加予算を出したいと考えまして、保安庁の方におかれましては、二十六年度予算をお考えであつたのでありますが、水産庁の方だけでは弱くなりますので、保安庁にも強くお願いいたしまして、協同戰線でかかろうということで、保安庁の方でも追加予算を編成していただきました。いずれも省議決定をいたし、大蔵省説明も一応二、三日前に済んだような状況にあるわけであります。水産庁要求予算といたしましては、この前にも申しましたように、地方のさらに詳細たる調査はまだ集計するに至つてないのでありますが、追加予算資料としては間に合いませんので、とりあえずこの前の資料基礎にいたしまして、それを根拠として約八千万円程度予算を、とにかく追加予算として今提出しておるわけであります。一応大蔵省説明は済んでおりますので、大臣を通じましてさらに政治的にもぜひこれを確保するようにお願いしておるような状況であります。
  4. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 水産庁にお伺いいたしますが、これは小委員会におきましても、第七国会以来検討を加えておる問題であります。調査のこまかな点につきましては、なお今後の努力にまつところが多いと思いますが、しかし問題はこれが予算化にあると思うのであります。これは農林省省議決定を見ておるかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
  5. 山本豐

    山本説明員 当初の追加予算の省全体の省議には間に合わなかつたのでありますが、特にそのあとから大臣にもお話いたし、またその後の省議におきまして了解を得ております。
  6. 川端佳夫

    川端委員 ただいまのお話では、水産庁関係が八千万円計上の見込みであるというお話でありますが、この八千万円という金の根拠は、二十五年度の四月の二十日現在調査をなさつております、あの資料基礎にしてされたということでありまするが、この中でどの部分対象になつて八千万円というものが計上されておるか。この八千万円の根拠についてお尋ねいたします。
  7. 山本豐

    山本説明員 水産庁調査は相当数字は大きくなつております。しかしその数字保安庁にもお示しいたしまして、両方で合作でやつたわけであります。従つてこの前申しました例の保安庁との覚書によりまして、特に保安庁関係の分は保安庁の方に組んでもらう。農林省関係の木材とかあるいは瓦礫とか、そういうふうなきわめて軽い程度のものを水産庁で組んでおるわけであります。両方合せて全体の資料に基く数字が出て参るわけであります。
  8. 川端佳夫

    川端委員 それでは四月二十日現在の引揚に要する金額として、三億二千万円余りのものが計上されておつたはずであります。これは聞くところによると三億八千万円になつておるのでありますから、もう少し私たちはこの問題は——先ほどもあるいは正式な発言でなかつたけれども、大したことじやないということもありました。しかしわれわれは大したことであると思う。従つてこの引揚げ促進ということについて、海中の障害物引揚げを徹底的にやらなければいかぬというふうな気持を持つて、前国会から盛んに手続を督促していたのでありますが、ただ分担をきめて、水産庁が八千万円、あるいは私の聞くところが正しいとすれば保安庁関係が三億、こういうふうになつておるように聞いておるのであります。もう少しこれの算出の基礎を明らかにしていただきたいと思うのであります。
  9. 山本豐

    山本説明員 大体この四月に調べました資料によりますと三億三千万円になるわけであります。それを保安庁との覚書によりまして、水産庁関係石材鉄材杭木、こういうふうなものを対象にいたしまして、もちろんこの石材が分量が幾らというふうな、こまかい計算なかなか困難なわけでありまするが、大づかみな計算ではありまするけれども、品目はそういう点に重点をおきまして、三億円のうち大体一億円程度水産庁見当をつけまして、その一億円のうちの八割補助になつておりますので、八千万円程度に相なつたわけであります。
  10. 川端佳夫

    川端委員 それではなお保安庁説明を聞いてから質問をいたしたいと思つておりますが、あらかじめ水産庁次長が、先ほど大蔵省との話合い終つたということでありますが、大蔵省ではこのことを十分了承して、予算的措置追加予算を組まれる際に考慮しようということを、はつきりと話合いがついておるかどうか、伺つておきます。
  11. 山本豐

    山本説明員 大蔵大臣からはつきり確言を得たわけではありませんが、他の追加予算と同様に——同様と言いましては語弊がありますが、特に重大でありますので、時期は一週間ばかり遅れたのでありますけれども、会計課長を通じ、また大蔵省にも持つて参りまして、大蔵当局には説明をしてあるわけであります。もちろんこれは全体の追加予算がどうなるかという問題もあるわけでありますが、いやしくも追加予算がこの国会で認められる場合には、ぜひこの予算を認めてもらいたいというふうに申し入れてあるわけであります。
  12. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 この荒廃漁場復旧の実施にあたりまして、いろいろ漁業権との関係漁業者生業に及ぼす影響等につきまして、愼重な配慮が必要であると思うのでありますが、そのことにつきまして、呉の旧軍港に沈んでおりますところの艦艇の引揚げにつきまして、地元において爆薬を使つて爆破作業で、漁業権内容を侵害し、漁業者生業が非常な危殆に瀕しておるという事実が起つておるのであります。このことについて、これが拂下げにあたりましたところの大蔵当局水産庁当局との間に、十分な打合せが行われて、漁業権等の侵害について万全の措置が講ぜられておるかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
  13. 山本豐

    山本説明員 呉の問題につきましては、まだ私不幸にして聞いておらないのでありますが、その関係は、引揚げ自体保安庁の仕事であるかと思うのでありますが、ただわれわれといたしましては、今鈴木さんのお話のように、そういう漁業権に非常に影響のあるようなものは、極力避けてもらいたいという希望は持つておるわけであります。従つてそういう具体的な問題がありますならば、なおよく調査いたしまして、そういうような申入れをいたしたいと考えます。
  14. 川村善八郎

    川村委員 ただいま鈴木委員質問に対しまして、水産庁次長は、まだ聞いておらないというが、私はまことに不可解だと思つております。大蔵省言い分は、はつきり水産庁に連絡したところが、漁業権は三月三十一日で今度は全部白紙にされるから、漁業権に対する影響は何らない、こういう口頭で申入れに対して返答をしておる、こういうことを聞いたのであります。当時私たちが自由党の政調会において、双方意見を聞いてみました。すなわち海上保安庁大蔵省水産庁、これらの意見を聞いてみたところが、知らないということはありません。はつきり知つておりました。それは部下があなたに連絡しないところのミスである。しかも松任谷部長は先ほど私が言つたような返答をしたということについて、それはそういうはずがない。もししたとすれば、それは水産庁ミスであるから、そのことは打切つてもらいたい。漁業権はまだなくならないから、かりに今後の新漁業法によつて漁業権が制定された場合には、新団体に行くのであるから、これはどこまでも漁業権というものは消滅するものでない。かようにわれわれに言つておるようなわけで、大蔵省に対しても、そういう答えを私たちの面前で答弁をしております。結局その当時の状況を、私たち双方意見から観察いたしますと、水産庁はそうしたような問題、すなわち呉の旧軍港内に沈んでおる軍艦引揚げに対しては、無関心であるといつたような感じを受けました。さらに大蔵省では、われわれは国家の要請にこたえて、沈んでおる軍艦鉄材としてこれを活用したい。しかもこれが国家のいろいろな財源となるので、一日も早くこれを引揚げて、そうして有利にこれを使いたいというようなことを言つておるのであります。しかし水産関係とはわれわれは何ら関係がない。国家がこれをどうしてもやるという施策においてやつたんだというようなわけで、私には非常に無責任に感ぜられます。それから海上保安庁では、何か一日も早くそれを引揚げなければ、海にそういうじやまものがあるので、航海その他に支障があると思われるのであるから、でき得るだけ工事を施行するところの請負業者——会社が請負つておるそうでありますが、その会社に肩を持つて漁民に対して、何ら考慮を拂つておらない。三者三様の考えを持つて、一人泣いておるのは呉の旧軍港附近にあるところの漁業協同組合であり、漁民であるということを、私は痛感いたしたのであります。それで本日午後一時から、この問題について関係者が集まつて、これは政調会で解決をつけることになつております。でありまするから、おそらく水産庁が何ら知らないというような今の次長答弁は、部下が連絡をとらないのであつて水産庁内の一部のものは必ず知つておるということを、私は断言できるのであります。どうかこの点を十分調査の上、あらためて御答弁を願いたいと思います。
  15. 遠藤信二

    遠藤説明員 呉の旧軍港の件につきまして一言申し上げたいと存じます。大蔵省において軍艦五隻を拂下げをするから、水産庁から出向けというようなお達しがございまして、私遠藤と申しますが、参りました。そのときに水産関係で特に重要な問題が起ることも懸念されるから、水産庁として意見を述べろというので、私、詳しく申し上げております。私も水産庁の一員でございますから、漁業法のことについては知つております。三月になくなるということを言つた覚えはございません。二年後にはなくなる。ただし現在は漁業権というものはございます。呉の旧軍港の中に、軍艦が沈んでおる場所にも漁業権は多分あるだろう。それは本庁において調べれば多分わかります。そのことについては保安庁、運輸省、大蔵省の方々に管財局の第二課長の席のところで、詳しく私から御説明しております。そのときの二年後というのをにごつてしまつて、三月十四日というようなことを間違えてお伝えになつたのではないかと考えます。それについて申訳のようになりますけれども、一言御説明しておきます。
  16. 川村善八郎

    川村委員 地元漁民に対しましては、重要な問題であります。そういう問題はあなた一人だけの答弁でなく、文書ではつきりと上司の承認を得て出しておけば、上司の知らないということにもなりませんし、あと証拠書類として、こうしてりつぱに出しておるではないか。大蔵省言い分もこれをくつがえすことができます。あなた方は公僕として、ただ自分だけのことを考えてやらずに、りつぱな公僕である以上は、そういうものは書願はつきり出して置く。そうすればあと証拠になつて、今あなたが言つたようなことを答弁しなくても、この通りになつているということを、はつきり示すことができるのです。今日の新聞にも出ておりますが、どうもこのごろの水産庁には、そういう手落ちがいろいろあつて委員会等とも摩擦を生じているということが書かれておる。私はまことに遺憾であると思います。どうか家坂長官新任早々でありますが、こういう内部的統率の欠けている点に深く御留意くださいまして、今後かようのことのないように御注意願いたいと思います。
  17. 田村久三

    田村説明員 保安庁関係をまとめて申し上げます。荒廃漁区内にありますところの沈船飛行機、彈薬等の障害物を除去することによりまして、漁獲の増産をはかるという目的をもちまして——まず沈船飛行機について申し上げますが、荒廃漁区にありますところの船舶百三十隻、これを除去します予算が六千二百五十万円、飛行機の方が百一機、これを処理しますに要する予算が約二百五十万円、両方合せまして六千五百万円程度であります。この予算追加予算としまして国会の方に要求してありますが、この見通しに関しましては、先ほど山本次長説明された通りであります。なお莫大な彈薬類荒廃漁区に投棄されておりまして、漁場障害になつておりまするが、最近まで判明いたしましたのは、全体で約十五万トンであります。今年度終戰処理費をもつて処理できますのが、いろいろやり繰りをいたしまして、荒廃漁区重要性にかんがみまして、約二千万円程度をそちらの方に何とかして振り向けてこれを処理する。それが約五千トン処理できるということになるのでありますが、遺憾ながらそれでは十五万トンのうちの五千トンでありまするから、三十分の一程度しか処理ができぬという状況でありますので、できるだけ処理する意味合いにおきまして、三万四千トンを何とかして処理する、この予算が一億六千万円であります。それを終戰処理費としまして二十六年度に計上しておるのでありますが、これを本年度追加予算として成立しますれば、今の三万四千トンが処理できるわけであります。  さらにわれわれといたしましては、このスクラツプを売る目的でもつて民間業者荒廃漁区その他にあるところの彈薬類引揚げ申請がありまして、連合軍の方の許可を得まして、できるだけ早くこれを許可いたしまして、そうして一石二鳥的に処理をするという意味合いにおきまして、それを急いでおりまするが、この見通しが約四万トンないし五万トンでありまして、これは予算が全然いらないのでありまして、民間業者スクラツプでもつてその経費は補うということになつております。従つて追加予算がうまく成立いたしましたあかつきにおきましては、ただいま申しました彈薬類は三万四千トン、民間業者申請によります分が四、五万トン、合せて八万トン程度が本年処理できる——荒廃漁区にありますところの彈薬十五万トンに対しまして約半分の八万トン程度処理できるという見通しになる次第であります。あらゆる方法をもつて保安庁といたしましては、荒廃漁区の復興を早くはかりたいという念願のもとに努力中であります。
  18. 福田喜東

    福田(喜)委員 ただいま保安庁説明を承りますと、第七国会終りに、大久保長官がこの委員会説明されたところの内容と、少し食い違つておるのではないかと思います。当時におきましては、豊後水道だけでも相当機雷などがあるけれども、沈沒せる艦船の数が相当のものであるというように御説明がありましたが、今あなたの御説明によりますと、掃海する荒廃漁場復旧する範囲航路だけに限るのか、それともどういう復旧範囲を、補正予算において本年度においては見込んでおられますか。その点について、もう少しく詳しく御説明願います。
  19. 田村久三

    田村説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。豊後水道東京湾その他につきましては、日本側で戰争中に入れました機械水雷その他の障害物が残つておりますが、それも並行的に除去いたすように逐次予算を計上いたしまして、そうしてできるだけ早く取除くようにしまして努力中でございます。大久保長官の申されましたのは、豊後水道を一例に示されたのだろうと思いますが、日本の全国にわたりましてやはり同様の障害物がありますので、それをできるだけ早く取除くということに努力中でございます。
  20. 福田喜東

    福田(喜)委員 豊後水道だけもで沈んでおる船は三、四十ぱいあるだろうと思います。今年度保安庁でおやりになつておる計画の内容というものは、一体どの範囲でございますか。航路筋だけに限るものでありましようか。その数字というものは、長官のこの前の第七国会終り説明されたところによると、引揚げ対象とするものが非常に狭まつたのですが、その目的物範囲というものが非常に狭まつたように感じますが、この点はどういう基礎概念のもとに出発されておるのでありまか。
  21. 田村久三

    田村説明員 ただいま御質問沈船お話のように承るのでありますが、沈船によります障害は、水産庁資料によりまして全体で百三十隻ということになつておりますので、航路障害でありませんで、荒廃漁区にあります沈船は百三十隻全部揚げるというので、予算を計上しております。
  22. 川端佳夫

    川端委員 それではお尋ねいたしますが、最初に、ただいまの御説明を伺いますと、全体であなたの方の関係予算的に二億四千二百万円くらいの見当になつておるのであります。聞くところによりますと大まかの話でありますが、三億ばかりのものが、荒廃漁場対象であなたの方から申請されておるような話を聞いておつたのであります。われわれは少しでも事実が多くできるように、そうして漁民のこういう荒廃漁場の不自由を取除くように協力したいという気持から、この予算をながめまして、ちよつと数字の食い違いがあり、うわさと違うように思いますが、この点をまず伺います。
  23. 田村久三

    田村説明員 できるだけ早く取除きたいのでありますが、いわゆる取除く業者の方の能力保安庁の監督、その他の面から見ましての能力、それを最大限度考えまして、それでやり得るのが今申し上げました三万四千トン、業者自体申請によつてやりますのが四万ないし五万トンありますので、国庫予算使つて取除く分が三万四千トンということになります。それ以外の分は、能力の点からいいまして次年度に持ち越さざるを得ない。従つて一億六千万円が彈薬、飛行機、それから荒廃漁区にありますところの沈船に対する予算が六千五百万円、合計が二億二千五百万円ということになります。
  24. 福田喜東

    福田(喜)委員 今保安庁説明を聞きますと、この予算使つてサルベージをやるという考え方が一つ、もう一つは、沈沒艦船なり、機材を引揚げ業者に渡して、これによつて收支相償わしてやるという二つの建前でやるように私たち説明を了承いたしましたが、そうするとサルベージ能力日本にどれだけあるか。それからもしそういうふうにして引揚げたものを業者に渡す。これによつてその收支の償いを合せるというような行き方で行くと、その能力をどのくらいに拡張できるものかということを、もう少しわれわれの納得の行くように御説明願えないか。こういうものは事急を要するものでありますから、もつと大がかりであつていいのではないかという感じをわれわれ持つわけであります。急くものでありますから、ぜひ数字をもつて説明願いたいと思います。
  25. 田村久三

    田村説明員 サルベージ関係能力は、一般沈潜船舶引揚げ、それに対します分艦船局の中でやつておりますが、数字的に言いまして保安庁側で利用できますのが今の三万四千トン、それから民間側が約四万トンないし五万トン、大きく見積りまして約九万トン程度能力である。保安庁の利用し得る最大限度能力はそういうことになります。
  26. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 田村本部長の御説明は、もつぱら沈沒しております艦船、あるいは機雷、撃墜された飛行機等掃海についての予算関係についてのお話でございましたが、洪水等によりまして流木その他が沈潜して、漁場等が荒廃しておる部分掃海等につきましては、その予算の編成は海上保安庁でなく、水産庁の方の、先ほどお話なつたような予算の中に含んで計上されておるかどうか、この点をお尋ねしたい。
  27. 田村久三

    田村説明員 それは水産庁の方に入つております。
  28. 永田節

    永田委員 最近民間側砲彈とかおるいは電線とかいうようなものをみずから発見して、いろいろ団体を組織しまして、引揚げつつあるということは、荒廃漁場整備と並行いたしまして、まことに歓迎すべきことであると考えておるのでありますが……。     〔委員長退席田口委員長代理着席引揚げには寒中、夏季というふうに、時時的の問題も考えなければならぬと思いますが、最近水路部におきまして引揚げたものを、あらなめて他の団体にこれを納めさせる。あるいは経済調査庁というものがありますが、そういつたところに納めさせるというふうな話が出ておりますが、もしさようなとりはからいをするということになりますと、民間側で積極的にこの物件を発見するという努力を借しむことになり、ひいてはわれわれの荒廃漁場整備の問題に逆行するというようなかつこうになつて来るのではなかろうかと思うのでありますが、水路部とは、すなわちあなた方の所管でありますから、それに対するあなた方のお考えはどうでしよう。
  29. 田村久三

    田村説明員 ただいまの水路部というのは、航路啓開本部水路部の構内にありますので、私の方の間違いではないかと思いますが、同じ官庁でありますので、船のことに関して申し上げますが、引揚げましたスクラツプ処理に関しましては、極力今お話のありましたようにできるだけ早く処理するという意味合いによりまして、引揚げ意欲を高進するように、できるだけ持つて行かなければならぬというので、せつかく占領軍とも今折衝中であります。国内的にも経済調査庁、通商産業省、その他と折衝中でございます。
  30. 小高熹郎

    小高委員 今海上保安庁からいろいろ答弁がありましたように、予算が確保できたとしたら、ただちにとりかかつてもらわなければいかぬのでありますが、その前に、八月十五日から解禁になります東京湾いわしであります。本年は四百十万貫の漁獲予定見込みをもつて、ただいまとりかかつておるのでありますが、海底に飛行機の残骸及び電線のようなものを張つたりした根が残つておるということから、網がとられ、あるいはせつかく一ぱい入りました網が沈下物のために破れてしまう、ことに揚繰網等においてその例が顯著なのでありますが、そのためにせつかく魚を見ながら、また秋の味覚の王座でもあり、あるいは秋の、魚か最も渇しておるときの帝都への食糧の補給というような重要な役割を持つておるいわしが、この沈下物のために常に阻害されまして、はなはだしきに至つては、綱に入つたものの五割をとりにがす、その五割も沈下物に引かかりまして網が裂けるなり切れてしまう。このときには全部出てしまうのでありますが、その間をつずつてうまく漁獲したものが残るのであります。そういうふうに被害があまりにも多い、目先に迫つたこういうことに対しまして、特に早急に何らかの措置がないかどうか、この点を伺いたいのであります。
  31. 田村久三

    田村説明員 東京湾の問題に関しましては、水産庁を通じまして、ここでお話のありましたようなこともわれわれ聞いております。事実あすこには、戰争中におきまする機械水雷その他がありまして、非常にお困りのように聞いております。従つて予算を何とかして早く通過していただいて、こういう重要なことは早くやりたいと思つておりますが、彈薬引揚げ、その他に加えまして、東京湾内におきまする荒廃漁区は非常に困難な点がありますので、技術的の面においても、うまく早くこれを処理するように努力しております。具体的に申しますと、水中電探と申しますか、水中のレーダーに類するものもつくりまして、極力場所をうまく早く探して、それでやりたいということで、文部省から助成金等も出してもらいまして、そういう裝置もやつておきたいのですが、東京湾は技術的になかなか十分には行きかねるというふうに考えております。
  32. 川端佳夫

    川端委員 いろいろ伺いたいこともございますが、細部の点はまた小委員会等で伺うことといたしまして、予算措置関係の問題でございますが、この補正予算対象にしての一応の御準備のほどは伺いました。これを用意されるにあたつて、来年度計画を関連してお考えなつたと思います。その来年度計画の概要を、参考に伺つておきたいと思いますが、水産庁並びに海上保安庁補正予算と関連して、来年度の用意を伺つておきます。
  33. 山本豐

    山本説明員 来年度の問題につきましても、当然これは考えなければならぬと思いますが、ただ先ほども申し上げましたように、現在資料が実はまだ不完全でありまして、この前にも申ましたように、七月十日を期して再調査をして、逐次報告が参つておりますが、これらの結果、ただいま予算を組みました基礎貸料であります三億何千万円というのより、相当多くなるのではないかと思います。そのはみ出たものしついては、それを根拠にして来年度に編成して参つたらいいのではないか、こういうふうに考えておるのであります。
  34. 田村久三

    田村説明員 全般的には山本次長からお話のあつた通りでありますが、水産庁において、その後調査しております資料がまだでき上つておりませんので、それを元にいたしまして、来年度はもつとはつきりした数字をさらに追加予算として出したいと思つております。
  35. 石原圓吉

    ○石原(圓)委員 伊勢湾の掃海を、鳥羽を中心としてかなり大仕掛にやつておられることは、地元関係者として非常に感謝するものであります。ああいうやり方で保安庁の方で予算に何かゆとりがつかないものかという希望的想像を持つものであります。今度韓国にああいう問題が起つたから、あの種の仕事に使う船が不自由を感ずるようなことになりはせぬか。韓国の問題がもし長引くとすれば、相当影響するのではないか。そうしたならば、ただいま問題になつております事柄を解決するには、予算的にその方の準備が必要でないのか。それを保安庁水産庁も織り込まれておるかどうか。このことは重大であると思うのであります。もし船がその方面へみな引揚げられるようなことになりますと、予算はできても実行ができないおそれがあるのであります。そういうことについてはどういうお考えを持つておられるか、一応承つておきたいのであります。
  36. 田村久三

    田村説明員 御説ごもつともでありまして、保安庁といたしましては、事実そういう点が現在もうすでに起つておりますので、荒廃漁場並びに水中障害物に対しまする船艇の補充、人員の補充等に関しましては、国内的にもまた占領軍ともただいま折衝中でございます。
  37. 石原圓吉

    ○石原(圓)委員 私どもは、今度の事変が一日も早くかたづくことがいいと思うのでありまして、それをやらすについては、必要なものはできるだけ供給しなければいけない。この目的を達するための用意が欠けておるということは、非常に重大なことであります。     〔田口委員長代理退席、委員長着席〕 保安庁水産庁もそういう他力依存主義でなくして、みずからそれらのことが解法でき得るような予算的な用意を、この際立案をして、実現を期するように強く要望をいたしておきます。
  38. 冨永格五郎

    冨永委員長 これにて戰災漁場に関する質疑を一応打切つて、さらに機会を得まして御質疑を願うことにいたします。     —————————————
  39. 冨永格五郎

    冨永委員長 田淵委員
  40. 田渕光一

    ○田渕委員 水産庁長官にお伺いいたします。  七月十八日付の産業経済新聞に「綿糸五億の横流し」という題で「総額五億一千余万円に及ぶ大量の綿糸横流し事件の中心人物として全国に指名手配されていた志太郡燒津町東亜製作所々長増田年郎(四五)は、十六日宮城県白石町に情婦とともに潜伏中を逮捕され、十八日朝静岡に護送される」という記事が出ているのであります。その記事の中に「増田は昭和二十三年十月から二十四年五月にかけて、実弟の元社会党代議士加藤靜雄(三七)氏が、当時永江農相の私設祕書官をしていたのを利用し、水産庁次長金子尚(四二)に数十万円を贈賄、漁網用綿糸チケツト三千二十五玉を発行させ、これを一千二百五十万円で横流ししていたもの」、とあり、まだこのほかにいろいろやつているというのであります。前長官時代のことですが、事務を引継ぎになつたと思いますので、そういう事実があつたかどうか。もし事実があつたとしたら、当時の水産庁次長金子尚というのはどういうような状態に置かれているかということを、お伺いいたしたいと思います。
  41. 家坂孝平

    家坂政府委員 ただいまの問題につきましては、次長の名前も間違つております。なお私の考えとしては、そういう事実はないと考えております。実はこの問題につきましては、全然私は引継ぎ後聞いておりませんし、また小委員からも別に聞いておりません。事実無根だと私は考えております。
  42. 冨永格五郎

    冨永委員長 平井委員から質疑の申し出があります。これを許します。平井委員
  43. 平井義一

    ○平井委員 この問題は非常に重大でありますゆえに、一言御質問を申し上げます。  漁業法及び水産庁設置法の一部改正に関する法律案、参議院提出、これが第七国会以来継続審議となつてつたのでありますが、審議が遅れまして、昨日ようやく小委員会においてこれが修正案を採択したのであります。私といたしましては、紀伊水道に調整事務局を設置するということにはもちろん賛成でありまして、前国会においてもこれが通過のため奔走したのでありますけれども、ついに審議未了と相なつたのであります。この修正案は、ぜひとも全委員あげて通過するよう努力していただくことを念願するものであります。もしこの修正案が参議院を通過せざる場合は、結果から見て紀伊水道問題により有明海を犠牲にした形が生れることになりまして、そのときは取返しがつかぬことになります。私は、有明海数万の漁民が一日も早くと実現を待望している、この調整事務同設置の問題は、義理とか人情とか、あるいは個人の問題で解決することはできないと思うのであります。もしもこの修正案が通過しない場合には、昨日の小委員長並びに委員の方々は、いかなる責任を持つてくれるか。この点に対して私は非常なる関心を持つておりますから、小委員長の報告並びに当時の立役者でありますところの松田委員の御説明を求めたいと思うのであります。
  44. 川端佳夫

    川端委員 ただいま平井委員からの御要求がございましたので、昨日の漁業制度に関する小委員会の経過を御報告申し上げます。  昨日漁業制度の小委員会を開きまして、まず委員各位から、継続審議になつており、かつ小委員会において取扱うことになりました漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案、これについての御意見を伺つたのであります。そしてこの法案について、松田委員から修正をすべきものである、参議院から回付されておりますこの案に、さらに修正を加うべきものであるという御発言がございました。しかもその修正の箇所は、前国会において問題になりました紀伊水道特別海区をどういうふうに設置して行くかということに加えられたのであります。要するに第六十七條第三項中、瀬戸内海連合海区漁業調整委員会のもとに、紀伊水道連合海区漁業制整委員会、そしてその下へまたは有明海連合海区漁業調整委員会、これを加える、こういう根幹的な点の修正がございました。これに伴つて関係條項の修正があつたのであります。これを発議されるにあたりましては、松田委員から、紀伊水道関係地区の漁民は、瀬戸内海において、建前としては底びき類似の漁業は許されておらないが、あるいはそういうことを犯して、底びき類似の漁業をやつている者がある。その場合に、紀伊水道関係地区の漁民は、一際この底びき類似の漁業をやらない、こういうことを條件として、要するに動力を用いない旧来の打瀬網、こういうものを建前にして漁業をやる。こういうことを現に誓つているのであるから、瀬戸内海連合海区調整委員会に加えて、紀伊水道を独立した形で加えて行こうというふうな御発議になつてつたのであります。このことにつきまして、委員各位からいろいろと御意見がございました。その結果一応小委員会の原案として、これをきめる、そしてこの原案を、正式にとらなければならない各種の手続をとつて行くということにきまつたのであります。そしてそれぞれ必要なる手続をとつておりまするが、この取扱いの問題については、あとの問題といたしまして、一応小委員会の案として、松田鐵藏氏提出の修正案を小委員会案として取上げた次第であります。以上で御報告を終ります。
  45. 松田鐵藏

    ○松田委員 ただいま小委員長の報告及び平井委員からの私に対する質問もありましたが、その前に、私は農林大臣にお伺いしたいのでありますが、農林大臣御出席にならないので、次の機会に譲りますが、水産庁長官として御答弁を願いたいと思います。  戰争中また引続いて終戰以来、道義の頽廃から、あらゆる漁業法に規定してあることを、漁民は違反を犯して平気でいる者が、全国津々浦々にあるのであります。なかんずく、水産庁として一番憂慮されておらるる問題の中に、瀬戸内海及び紀伊水道についても、いろいろとその漁業法の違反事項がたくさんあることと存ずるのでありますが、中にも、紀伊水道において現在行われている機船底びき類似の漁業に対して、水産庁は、この機船底びき類似の漁業を許す意思ありやなきや、またこれを取締る意思ありやなきや、この点をまずお伺いしたいのであります。
  46. 家坂孝平

    家坂政府委員 ただいま松田委員からお話のありました通り、底びき類似船の問題につきましては、まつた水産庁といたしましても、取扱いに悩んで参つておる次第であります。しかし今後の新しい漁業法にのつとりまして、強硬にあの法の精神を運行して参りますためには、この類似船と称する非常にあいまいな業種につきましても、いま少しはつきりした線に置きかえて持つて行きたいと考えておるのであります。しかし何といつても、終戰後のいろいろの環境からいたしまして、やむにやまれない、いわゆる漁民の生活をこの類似の形態において維持しておつたというようなこともありますので、なかなか思うように、急にはこれは改善がむずかしいのではないか、かように私どもは考えております。しかしちようど新漁業法によりまして、いろいろ漁業の調整といつたものも起きて参りますので、その間にいろいろの資料を十分整えまして、そして新しい漁業法のもとにこの調整を完遂しで行きたい、かように考えているわけであります。大体類似船に対しまする私の考えといたしましては、そういうことをまず考えているような次第であります。
  47. 松田鐵藏

    ○松田委員 私の質問に対する水産庁長官のただいまの御答弁は、現在いかにしてこれを調整するかという御意見のように聞き取れましたが、私はさように質問をしておるのではないのでありまして、あの紀伊水道に対して、機船底びき類似の漁業を、水産庁として許す意思ありやいなやという点をお伺いしておるのであります。
  48. 家坂孝平

    家坂政府委員 御承知のように、瀬戸内海には底びき漁業としまして許可はしておらないのであります。しかし将来状況がもしかわりまして、いろいろの調整の関係でどうなるかわかりませんが、私としましては、今のところやらないつもりで考えておるのであります。
  49. 松田鐵藏

    ○松田委員 長官の御意見は、現在の法規の上において、紀伊水道に対しては、底びき類似の機船底びき漁業を許す意思がないという御答弁でありますか。
  50. 家坂孝平

    家坂政府委員 そうです。
  51. 松田鐵藏

    ○松田委員 そこで私は重ねて念を押すのでありますが、紀伊水道の漁民は、魚族の繁殖保護を行うために、百年の大計を立てるために、みずからがこの海区において機船底びき類似の漁業を営みたくないという意向を持つておるときに、水産庁はその漁氏の意思に対して感謝されるかいなかという点をお伺いしたい。
  52. 家坂孝平

    家坂政府委員 漁民がそういつた考えであるということにつきましては、非常に感謝いたします。
  53. 松田鐵藏

    ○松田委員 ただいま水産庁長官から、現在の法規の上において、機船底びき類似の漁業を許す意思がない、かような御答弁と、その海区の中において自主的にみずからがそうした出願をする意思がなく、これを廃止して百年の大計を立てて行くためには、水産庁漁民に対し賛意を表するという御意向のように承りまして、私もまことに喜ばしいことと存ずるのであります。  さて私どもは、紀伊水道と有明海に対する漁業法案の一部改正の問題につきましては、尚水産委員会といたしまして、両方ともそうすべきであるという答申を決議しておるのであります。しかして第七国会において、私ども委員会の議決を経、衆議院の院議をもつて可決を経たこの紀伊水道の特別海区設定に対して、参議院においては握りつぶしをしてしまつたのであり、そこで参議院から有明海の一部修正案が可決されて、当衆議院に回付されたのであります。当時における党内事情、あらゆる点に対しては、五月二日の当委員会において永田委員からその詳細を報告あり、臨時国会においてこれを上程する意思をはつきりと持たれておつたのであります。しかして継続審議となつてつた有明海の漁業法一部改正法案に対する小委員会を昨日開いたのでありまして、その間における私ども委員会委員の中において、この握りつぶされた紀伊水道の一部改正案に対する善後措置を今までとつて来たものであります。そこで瀬戸内海に関係しておる代議士諸君の中で、ただいま水産庁長官の御答弁なつたように、紀伊水道において機船底びき類似の漁業を許可しないというはつきりした答弁があつた場合においては、われわれは瀬戸内海の漁民に対する紀伊水道の特別海区を設定することに対して異議を持たない、また漁民に対して納得させ得るだけの資料ができた、かように申されておるのであります。また私どもは、ただいま川端委員から報告されたその中に、紀伊水道の漁民が、紀伊水道の魚族を繁殖保護させるために百年の大計を立てるために、現在行われておる脱法行為の機船底びき類似の漁業をお互いに監視し、廃止する意向を持つておるのである、かように誠意を披瀝された以上、瀬戸内海の漁民全体の意向をもとめる、ここに方針がはつきりされたものと私は確信するのであります。ゆえに川端委員の報告通りに、有明海の一部修正法案に対する紀伊水道を含めた修正意見を上程することを昨日小委員会に述べたのであります。幸いにして本日川端委員からその報告をなされたような次第であります。  また私に対する責任を平井議員から求められておるのでありまして、この点に対しては、五月二日に永田委員が当委員会においてはつきりと今までの情勢、党内事情、あらゆる点を詳細に発言されておるのでありまして、その通りであります。現在われわれはこの問題に対しては、あらゆる努力をして、わが自由党の党内事情に対しては、完全にこれを押えつけるだけの確信を持つております。もしこの問題が押えつけられないようなよこしまな行動をとるようなことがあつたならば、そのときはそのときにおいて、敢然とわれわれの責任を負う考えをもつて平井議員に対する答弁を申し上げるものであります。
  54. 永田節

    永田委員 速記をとめてください。
  55. 冨永格五郎

    冨永委員長 速記をちよつととめてください。     〔速記中止〕
  56. 平井義一

    ○平井委員 ただいまの松田場委員並びに永田委員の御説明を了承いたします。すみやかなこの修正案の通過を念願してやまない次第であります。
  57. 川端佳夫

    川端委員 私は先ほどの松田委員質問に関連してお伺いしたいのでありますが、先ほど松田委員質問に対して、水産庁長官は、紀伊水道において現在法規の上から機船底びき類似のものは許すつもりでないと言われ、また松田委員の方からは、地元漁民もそういうことをしないのだというふうなお話もございましたが、先ほどの御答弁は、紀伊水道関係地区に限られることであつて、この紀伊水道地区というのは保護繁殖適地であるから、現在取線法規の上からいつてもそういう考え方を持つておるのだ、瀬戸内海全域に対してのお考えではないのだ、こういうふうに了承してようございますか。
  58. 家坂孝平

    家坂政府委員 大体そういう趣旨であります。
  59. 川端佳夫

    川端委員 私たちは念のために申し上げておきますが、現在御承知のように、瀬戸内海関係では、類似船と言われましても、実に幼稚な段階の類似のものなのであります。これはその数においてもはかり知れない数といつては大げさかもしれませんが、何千とございます。そしてこれは一本釣りの利害とも相反するようなところにも行つておらない程度のものが多いのであります。瀬戸内海漁民の保護政策としても、私たちはこの類似の程度の低いものは、何かの措置を講じてやらして行くようにしなければならないのじやないかという考えを持つておるのであります。従つて私は先ほどの御答弁のけじめをはつきりしたいと思つた次第でありますから、念のためにつけ加えておきます。
  60. 田渕光一

    ○田渕委員 紀伊水道だけ取締つて、瀬戸内海を取締らぬというような長官の御答弁には、私は絶対に賛成できません。先般参議院の証言で、岡山県の証人が、冬になると水が冷たくなるので、紀伊水道へ魚が遊びに出るのだ、それを紀伊水道でやつてしまうのだという、いかにも和歌山県、徳島県の者が違反を犯しているような証言をいたしておるのであります。しかしながら全国三万幾そうの違反のうち、一万八千そうに近いものが瀬戸内海である。そのうち大阪から来る入会関係では百ぱいを許しておるのでありますが、三百ぱいからの船が紀伊水道を荒しておるのであります。ことに由良のもぐり漁船が非常にはびこるために、紀伊水道の沿岸の漁民は非常に困つておるのであります。そのような意味におきまして、かつてこの紀伊水道について、和歌山県が水産庁の理想に沿うて、この案に対してほんとうに民主的に、自主的に共鳴しているのは感謝すると、先刻長官からおほめをいただいておるのでありますが、とにかくこの点においても、調整に対しては考慮するというようなことにしていただきませんと、この法案を通すために紀伊水道は嚴重に取締り、一方ではこれをやることを黙認されることは、私らはどうも納得できない。紀伊水道のために何でもかんでも通せばいいということは、またその裏には通しさえすれば紀伊水道で違反を起すだろうというような御心配が起ると思います。私は生命にかけても違反は起さないつもりであります。またこの法案を通していただければ、新漁業法によつて新しく民主化され、自主的にするということを全国に率先してやるというならば、紀伊水道が模範になるのでありますが、大分石原委員のやられております耕地整理的な漁業の民主化ができて来ると思いますので、先ほどの長官の御答弁に対して、ちよつと疑惑を持つたのです。私はこの点において、紀伊水道はどこまでもそれを守りますけれども、少くとも現在日本漁業界において違反の行われているものは、今日海上保安庁の手が足りないとはいいながら、相当取締らなければならぬと思うのでありますが、この点に対して、先ほどの答弁はつきり聞えませんでしたので、もう一度御答弁つて確認しておきたいと思います。
  61. 家坂孝平

    家坂政府委員 底びきの問題につきましては、一番最初に私が大体の線としてお話申し上げましたように、法によりまして瀬戸内海区には底びきは許可しない、これは嚴然たる考え方であります。なお類似の船につきましても、私どもとしましてはできるならばどこでもこれ以上の船をふやしたくない、かような考えを打つているわけであります。しかしそれは実際の漁民の生存権とでもいいますか、生きて行く上には、ある程度考えもためなければならぬような点に来ると思います。そういつた意味合いにおきまして、先ほどのような説明を申し上げた次第なのであります。私の気持はそういうところにあるのであります。
  62. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 本問題につきまして、川端委員長から御報告があつたのでありますが、この小委員会で修正可決いたしました案の内容につきましては、私ども全面的に同感であります。ただこれが本委員会に御報告がありまして、その取扱いは委員長において適当な措置を講ぜられることと思うのでありますが、理事会等におきまして、十分参議院の動向その他を愼重に勘案されましで、一たびこれを本委員会が可決されますならば、必ずこれを本国会において成立するように、絶対に二度と第七国会のような体たらくに終らないように、誤りない委員長の明断を要望いたすものであります。
  63. 冨永格五郎

    冨永委員長 了承いたしました。それではこの問題は一応この程度で打切りまして……。     〔発言する者あり〕
  64. 冨永格五郎

    冨永委員長 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕
  65. 冨永格五郎

    冨永委員長 速記を始めて。
  66. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど委員長は党内事情があるというお話でありましたが、党内事情ということは断じて許しません。これがために永田委員と松田委員が党の前政務調査会長、今日の幹事長、それから前総務会長の星島二郎君、現総務会長の益谷君、この党幹部の主脳三者に立ち会われて、次期国会で通すという誓約が速記録にあるのであります。しかるに党内事情がまとまらぬということは、総務会でどういう話があつたのでありますか。それを一応伺いたい。
  67. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは今、田淵委員から質問とでもいいますか、それにお答えを申し上げます。先ほど皆さんに時間をいただきまして、総務会に出席いたしまして——昨日小委員会においてこういう内容をもち、決定に相なつて、現存渉外課を通じてオーケーを得るために提出いたしてありますに従つて総務会におかれましても、この問題を取上げ、至急御審議を願いたい、こういう意味の申出をいたしたのであります。
  68. 田渕光一

    ○田渕委員 それで五月二日の党幹部の誓約というものがはつきりいたしました。一たび党を代表する党幹部が誓約したものは、実行して行かなければ、われわれ将来党幹部というものを信任できないのであります。委員会でこういうようなことを申し上げたくありませんから、この程度で打切りますけれども、私の申し上げたいことは、先ほど平井議員は、参議院で通すかどうか、もし通らなかつたらどうするかということで、当時御心配くださいました松田委員永田委員に責任を追究されております。しかし私は紀伊水道と有明海を一緒にやるということについて、現在の参議院の水産委員会の構成をまず検討してみたい。わが党から長崎の秋山君と高知の入交君、京都の小野木君が出ております。これに前から賛成しております社会党の青山君と千田君も出ております。また緑風会から参議院議長の佐藤尚武議員も委員になつております。私はこれを参議院が誠意をもつてやるつもりならば、六対二で通過するという見通しを持つております。但しこれは委員長の御努力のいかんによるのであります。もちろん委員長に積極的な御交渉を願わなければなりませんが、参議院のメンバーは、前第七国会のメンバーとぐるつとかわつておるのです。ことに参議院の副議長は社会党がとつております。これを社会党も支持しております。かような意味で参議院を通過するということは、私は十分自信があります。またこの問題を本日の委員会できめていただかなければ、なぜ困るかと申しますと、本日の委員会できまりませんと、あすの本会議にかけられないのであります。わが党の方ではあすの国会対策にかけまして、あすの議運に持つて参ります。あすの議運で決定したものを午後の本会議にかけます。ところが最も第八国会の重要法案である地方税法案が、あすの三時ないし四時ごろ大体本会議に送り込まれる予定であります。これを裏づけするところの土地台帳の改正法案、それから教員の免許法の期間延長という三つの法案があす上つて来るわけであります。それから水産委員会漁業法の一部の改正案を上げまして、四つの法案を午後一時から審議する。野党の緊急質問あるいは決議案というようなものに対して審議をして、これをやつておるうちに地方税法案を上程するということになると思います。この機会が過ぎますと、衆議院の本会議はしばらくないのであります。そういたしますと、次の衆議院の本会議に上程されるのはいつかという見通がつかぬときに、参議院はこれまたひまがなければ通す自信はないのであります。本日の委員会できまらぬ限りにおいては、私は先ほど申し上げました参議院の水産委員会のメンバー構成から見まして、本日技術的に送り込むということにおいて、これは示唆的に申し上げたのであります。
  69. 平井義一

    ○平井委員 本問題につきましては、非常に重要な法案でありますから、本委員会を休憩いたしまして、この修正案のオーケーが来たら、ただちに再び修正してこれを可決をして、あしたの本会議にでき得るならば送り込みたい、こう考えるのでありますが、委員長におきまして適当な御処置をお願いいたします。
  70. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは一応午後一時まで暫時休憩いたします。     午後零時十一分休憩      ————◇—————     午後一時二十分開議
  71. 冨永格五郎

    冨永委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案者より提案理由の説明を求めます。木下参議院水産常任委員長
  72. 木下辰雄

    ○木下参議院水産委員長 本法案に対しましては、提案した場合において、提案の理由を詳細御説明いたしまして、そして衆議院の方では委員会において愼重御審議くださいましてさらに愼重を期するために継続審議をされたということを聞いております。再び提案の理由を御説明する必要はないと思いますが、委員長からあらためて説明をしろというようなお言葉であればもう一ぺん御説明いたします。     〔「説明をしてくれ」と呼ぶ者あり〕
  73. 木下辰雄

    ○木下参議院水産委員長 それではもう一ぺん御説明いたします。有明海は長崎県、福岡県、佐賀県、熊本県の入合の海区でありまして、いろいろ漁業の調整上、今日までめんどうなことが多かつたのであります。これをうまく調整いたしまして、沿岸漁業の堅実な発達をなすために、瀬戸内海と同様、有明海に一つの海区を設定いたしまして、海区調整委員会を置き、同時に事務局を置くというのが本法案の骨子であります。しかして有明海の海区は、この法案にも書いてありますように、長崎県口之津町瀬詰崎から、熊本県湯島村中央三角点を経て、三角町柴尾山西角に至る直線及び陸岸によつて囲まれた海面を称しております。そしてこの事務局は福岡県の大牟田市に設置する。ちようど大牟田市はその中間になりまして、その管理上最もいいと思いますので、大牟田市ということに決定いたしておる次第であります。その他は大体法案に簡單に盛つてありますから、これをもつて御了承願いたいと思います。
  74. 冨永格五郎

    冨永委員長 それで暫時休憩いたします。また必要に応じて開会いたしますから、御出席をお願いいたします。     午後一時二十七分休憩      ————◇—————     午後五時三十一分開議
  75. 川端佳夫

    川端委員長代理 休憩前に引続きまして開会いたします。  漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を議題にいたしておりましたが、本委員会にこの修正案を議題とするにまだ至つておりませんので、本日はこの程度で散会し、明日午前十時から委員会を開きます。  本日は散会いたします。     午後五時三十二分散会