○高橋(權)
委員 先日から目黒局長さんも、非常にていねいに御
答弁していただいております。次長さんも非常に御
答弁を丁寧にありがとうございましたが、事実この上流は分水嶺にな
つておりまして、諏訪湖あるいは琵琶湖のごとくであれば、これは問題ありませんが、矢部の奥山は昔は、斧鉞を入れざる土地といわれてお
つたのでありますが、今山を見ても、飛行機の上から見たらなおさらですが、頂上に登
つてながめましても、心細いほど濫伐されて、はげ山にな
つておる。しかもあの筑後一番の山ですら、開墾地にな
つておる。むちやくちやに開墾しておる。なぜ開墾しておるかというと、補助をもらつたあとではまた山になすのだとい
つて、しかも人の山だからと地主をいじめておいて、自分たちばかりもうかろうという、とんでもない
考えをも
つておる者が多いのであります。そういうことからいたしましても、どうも水を持ちこたえることができない。これにはパージにかか
つておる前代議士が一人、このごろ解除に
なつたか知らぬが、元代議士がおる。そういう連中と、もう一人商工
会議所会頭がそれに加わ
つておるのであります。商工
会議所会頭が何と言
つておるかというと、自分の体面上これはしやにむにつくるのだと言
つておる。しかも私が先日から申し上げるように、十五年前にこしらえてもだめだと言つたところの山犬のため池をしやにむに始めて、もう十四年間、まだできない。一滴の水もまだ下流におせわをできない。それがために三瀦郡、山門郡、八女郡が早魃にな
つて飢饉に
なつたことを私は四十数年にな
つて覚えていないし、その工事が始ま
つてからもそういうことは一ぺんもまだないのであります。しかも矢部川の本流をせきとめ、あるいは串毛村の田代川を引水し、
九州地方建設局で北川内のため池と言
つておるのは間違いで、星野村の池の山というところに旧噴火口だと言われる大いなる自然のため池にな
つておるところがある。それから引水して、そのほかに笠原川というのがある、それと合致させても、まだ五月、六月、七月の渇水期には既存の水田をまかなう水が足りないのです。そういうことをちやんと
九州地方建設局で去年の七月十七日に言
つておる。おまけに現在もその笠原川の水を水の必要でない冬ごろに貯水するというが、その途中がいつも山がこわれて
しまつて、土管がどこかへ行つたというようなことになる。そういうように濫伐の結果、今心細い問題が起
つておるのにしやにむにつくるという。しかも先ほど申し上げた犬山のため池のごときは、まだ二億円ぐらい使わなければならぬとい
つておる。しかも田畑を持
つておるところの農民に対しても、四百円の追加すら今問題にな
つておる。今度そういう大きなダムをつくることになれば、二千円なりそこいらの金は
負担させられるだろう。見返り資金もどうせわれわれの金であるが、そういうことになると、かりに二千円
負担しても二町持
つておる人は四万円、そういう大金を
負担させられる。ところが足りない水をためるためにそういう金を使うということははなはだ私はけしからぬことだと思う。これはもう言わなくてもちやんとわか
つておる。そうして第一番に元代議士のごときは何と言
つておるかというと、よくわからないですが、ちよつと電気学を研究しているからということで天狗にな
つておる。しかもたとえて言うならば、八女郡から
福岡に来てとまるところの宿舎
——今建てれば数千万円もいるようなものを二十数万円かで売
つてしまつたというような頭の悪い連中だ。そういう連中がただ十何万キロワツトの電気をここで発生させるとか、あるいは大牟田の工業用水をこれでまかなうということは、非常に大きいけれ
ども水を持つことができない。しかもこの山の表面がはげ山であるから、太陽の熱によ
つて蒸発するところの水分のこともその人は知らないということです。ただ一ぺん代議士に
なつたからとい
つて神様のように
考える。小なりといえ
どもわしらの先祖は、母方の方はこんなことを言
つてはおかしいと思いますが、山門郡の立花氏である。元伯爵の立花氏の先祖にな
つておる。(「本論に入れ」と呼ぶ者あり)そうして昔からずつと土木のことを書いたものが伝わ
つている。今の人は高等数学をやるからいけない。せつかく次長さんも
おいでにな
つておるから、あの矢部川のダムをつくる
費用を
宮崎県の上椎葉のダムの方に持
つて行つて、より以上の大きなダムにしていただくようにして、これは
調査も絶対にやめていただきたい。今申し上げた商工
会議所会頭あたりは第二世の人間をひつぱ
つて来て、しやにむに私を圧迫して来る。
占領軍の名前を使
つてもと思うかもしれないが、第二世の土地の人間をひつぱ
つて来ておる。その方は不公平なことは言うまい、第一番目は砂防工事からやらなければいけないということを言
つておる。大方これはだめだろうと私はいい方の
意味に解釈しておりますが、次長さんはせつかくその道の権威者であるから、私は新知識を決して排斥するものではないが、しかし昔の人間の言うことは非常にいいことがある。どうか八女郡の矢部川のダムの建設はやめていただきたい。これは先日から申し上げるように、火山地帯ということも
考えてもらわぬととんでもないことになるのです。この点も
考えていたらちよつとお伺いしておきたいと思います。