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青柳委員 私は
阿波丸に関連してというけれ
ども、
事務的にということを申し上げようと思うのではございません。全般の
遺族の気持を察する際に、
阿波丸で
遭難した人だけが一人当り七万円のお金を、いろいろな原因はありますが、
政府が親切にもくれる。しかるにわれわれにはまだくれないのだという気持になる。その気持を
政府は取上げて、この際こそ、今までと違
つて、熱烈にこの弔慰金、年金の
支給の実現のために御努力なさるべきであると存ずるのでございます。
なお先ほ
ども私の申し上げた中に触れましたが、
遺族は老人、婦女子が多い、
従つて非常にひつこみ思案で弱いのでございます。これに関連して非常に小さい問題のようで、実は大きい問題が
一つございます。それは私この
遺族の問題につきまして、たびたび
関係方面な
ども歴訪いたしておりますが、あるときに
厚生省の次官の代理として、
厚生省の官房の総務
課長と私と一緒に
関係方面を訪れました。その際に
関係方面のある責任者は、私並びに総務
課長に対して、
遺族の実情はよくわかつた、ついてはこの際新たに各府県に対して
遺族の心情をよくくみ上げるように、あらためて通牒を出す、こういうふうなことも議がまとま
つたのでございます。しかるに通牒などでまだその点が出ておらないというふうに聞いております。それは
政務次官がお帰りにな
つて総務
課長にお聞きになれば、よくわかると思います。その通牒をぜひ出していただきたいのであります。たとえば
戰争犠牲者もいろいろございます。ところがその通牒によりますと、引揚者あるいは未復員の留守
家族というような
方々については、文字でも
つてそれを表わすのでございますが、軍人の
遺族はいつもそこに入
つておらない、まだ
政府が見てくれないということが、等というふうに入れられてしまう、こういうところに表われる、こういうことであります。事は非常に小さい問題のようでございますけれ
ども、一番気の毒なのは
遺族でございます。何とぞ
政府当路におられる
方々といたしましては、そういう際にも、
遺族ということをはつきりうたい込んで、先ほど申し上げましたような通牒を、この際出すように、ぜひお願いいたしたいと存じます。