○瀬戸山
委員 私はもういろいろお話もありましたので、
簡單に要望だけ申し上げておきたいと思います。
大体この金融公庫法を
審議いたしますときに、この
法律の制度はきわめてよろしいけれども、羊頭を掲げて狗肉を売るようなことになりはしないかということを私申し上げたのであります。悲しいかなその
通りに
なつておる。その当時、この制度はよろしいが、制度の内容が悪いということで、貸出率をふやさなければならない、利率を下げる、年限を延ばす、その他事務を最も簡素にして、これを高度に
利用されるようにしなければならないということで、本
委員会といたしましても、最大の努力をいたしたのでありますけれども、不幸にして現在の
法律に
なつておる。そこでこれをどうするかということについては、現在それぞれ当局の方で御盡力をされまして、この制度の悪い点は十分にわか
つておるわけでありますから、これを云々は申し上げません。ただ先ほど師岡
理事の方からは、大体百五十億年度内に消化する
可能性があるということを言明されましたので、それをぜひ遂げていただきたいということを申すのであります。
現在この表にあります
通り、二十一億幾らの契約金額が出ておりますけれども、現金はそれほど出ておらないと思うのであります。そこできわめて小さな実例を申して失礼でありますが、私は宮崎県でありますので、宮崎県の例を申し上げます。今度帰りまして、
住宅金融公庫というものは、あれは何のためにつく
つたのだということを言われまして、私ども現在の実情を見まして、答弁に困るような実情であ
つたのであります。そこで大体銀行の取扱いが悪いのじやないかと思
つて——都城市内の実例だけを申し上げます。日向興業銀行の都城支店というところで扱
つておりますので、一体銀行でむずかしいことを言うて、出さないじやないかと言
つたら、とんでもない。大体多くの申込があ
つたが、いろいろ審査をいたして、六十七件福岡の金融公庫の支所へ一切の書類を完備して出してある。ところが今日まで一銭の貸出しを許されておらない。それでこの表は十月十日でありますが、大体十月八、九日ごろであ
つたと思いますが、ちようどその日に、しかしそれほどの緊急を要する
住宅金融公庫の
仕事について、銀行は一向熱がないじやないかということを申し上げましたところ、係の人は、もう一箇月以上にもなるので、もちろんこれはりくつから言うと間違いであるかもしれませんけれども、着々工事を始めておる。ところが請負の方では金が来ないので、途中で工事を中止して、非常に困
つておる。家を建てる方も困るし、工事をする方も困
つておる。銀行としてはたびたび電報で催促しておるけれども、それに対して一言の返答もなくて今日に
なつている。ちようどそういうことを言うておりますときに、六十七件のうち、三件だけ貸出してよろしいということが、福岡の方から連絡があ
つたという
状況であります。もちろんそれは貸出してよろしいという通知だけで、一銭も出ておらないという実情であります。そこで銀行としては、請負者が非常に
資金が困るので、銀行自身が公庫と全然別に、それを
一つのひもつきという
考え方から出しておる実情である。こういうお話であ
つたのであります。先ほど師岡
理事のお話では、だんだん成績が上
つておる統計を示されましたので、成績は上
つて来るとは思いますが、現在さような実情で、全国的にこの金融公庫制度に対しては、非難の声が強いということは御承知だろうと思いますから、繰り返しませんが、どこにさような手続のむずかしいところがあるのか、私十分承知いたしませんけれども、この制度がきわめて不円滑であるということは事実であります。もう少し事務を早くして、せつかく
利用されるように、特に物価が上りかか
つておりますので、非常にみなあわてておりますから、もう少し親切にと申しますか——親切にや
つておられるとは思いますけれども、結果において不親切に相
なつておりますので、どうかひとつ最大の努力をしていただきたい。
中央ではよく
考えてもら
つておりますけれども、すべての政治がさようでありますが、末端の方はきわめて不円滑に
なつてお
つて、制度の根本自身を攻撃するというのが、現在の
日本の政治の大方であります。この制度に関しても、どうかひとつ末端の方を十分督励していただきまして、本
委員会でもあれほど心配をしており、せつかくよい制度としてできたのでありますから、なるほどこの制度はよいのだということが国民に徹底するように、担当の係の方が努力していただきますことを、私要望いたしておく次第であります。