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今村委員 この三つの題目は、ともに今年六月上旬におきます天龍川の流域の水害に関連するものであります。
六二の
諏訪地方の
水害対策に関する
請願は、従来諏訪湖は天然の遊水池としてできたものでありまして、川口に水門を設けまして夏季におきます灌漑用水に利用する等のためにこれが利用されておつたのでありますが、今回の雨季におきます増水において、この諏訪湖周辺のいわゆる水害に対する対策的な工作の不十分であることがわかつたのであります。どうしても周辺の築堤を一段と完成する必要があるということと、また多年にわた
つて諏訪湖に流入する
河川から土砂を流入しておりますので、これを何とかしてさらう必要があると思うのでありまして、これらのことを含めて、どうしても水害根本対策とでもいうようなものをしていただきたいというのがその
請願の
趣旨であります。ことにこれらのことが十分に行き届きますならば、天然にできた遊水池をなお人為によ
つてその効果を大ならしめることができる、こう信ずるのでございまして、各地に水害予防の
ダム等を設けて遊水池を設けようとする傾向さえあるときでありますから、ぜひともこの際
諏訪地方の
水害対策としてこれらのことを
実現していただきたい、こう
請願いたすのであります。
次に七二の天龍川
上流水害対策に関する件でありますが、ここで申します理由というのは、主として長野県
地域をさしておるのでありますが、これが今回の増水によりまして、各地とも
堤防が決壊いたして、今日非常に大きな苦汁をなめておるわけでありますが、この
委員会においてもしばしば警告を発しております
通り、
河川を
改修いたしますと、一定の年限が来ると土砂の流入等によつ川底が上りまして、
一つの川の使命が十分達成せられなくなるということが
考えられますから、今回水害等の起きたところを見ましても、これらの点にひ
とつ十分留意して根本的な対策をと
つてもらいたい。ことにまた発電
ダムが現に三箇所つくられておりまして、これによ
つて従来流されておつた土砂がせきとめられて、川底を上げるという結果を来しております。従
つてどうしてもこの発電
ダムをいかようにか措置しない限り、他の方法をも
つて、流入するところの土砂を十分防ぐ、あるいはすでに現在入つたものを取去るというような道を講じなければならぬと思うのであります。その上諏訪湖のごとき天然の遊水池はありますけれども、それからあとのいわゆる天竜川の距離は非常に長くて、中小
河川がたくさんこれに支流として入
つておるのであります。それらの中小
河川の
砂防を徹底してもらいたい。現に
政府は小渋の
砂防の堰堤の築堤にかか
つておりますけれども、他の中小
河川においても同様、ひ
とつすみやかに
砂防工事を行
つてもらいたいというのが
請願の骨子であります。
第三番目の
天竜川水系中小河川改修の
請願であります。これは今お願いしている点と多少は関連するのでありますが、とりわけ東春近におきます横川は小さな川でありますけれども、今回数町歩にわたる田畑を荒地にしてしまつた例もあるのでありまして、小さな川ではありますけれどもこれを国家におきましても取上げて
改修するようにしてもらいたい。あるいはまた県等において県費で助成してもらいたい、こういう
意味のものであります。ここに今回天竜川流域の水害に関連してその実情から切なる願いをするものでありまして、この
請願のごときも、約三千名以上にわた
つて実際被害を受けた者から切なる願いが出ておるのであります。どうか
委員会におきましてもこれらの点を十分御検討願いまして御採択くださるようにお願いいたします。