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砂間委員 ただいま
松澤さんの御
説明もありましたが、なるほど
昭和二十五年には
神戸において在住
外国人が五千百三十三人ということはこの資料の中に出ております。しかし
神戸の人口は、
昭和二十四年末でありますが、七十万人からある。七十万人の人口に比べれば、五千人の
外国人というものはごく少数だと思うのです。この七十万の人口の大部分が戦災をこうむ
つて、そしてまだ復興もできないで非常に悲慘な
生活をや
つている。この人たちにいろいろな重い
負担をかけて、そうして四百数十億あるいは六百数十億という
計画をや
つて行くわけでありますが、その
計画のおもなものの
一つが、こういう
外国人のための
ホテルや
娯楽場ということになりますと、それは宿泊の
設備や
住宅を供給するということも確かに必要でありましようが、この在住
外国人の中で一番比重を占めている
中国人のごときは、ただいまの御
説明にもありましたように、大方もうそこへ住みついている。そういう住みついている人たちに、別に
ホテルを提供する必要はない。
住宅を持たない
外国から来たバイヤーだとか、いろいろな一時的にや
つて来る人たちに対する宿泊の
設備ということは必要だと思うのであります。それにしても、やはり
横浜なり、
神戸なりの人口の圧倒的多数を占める人たちの
生活もやはり同時に
考えて行くことが、
日本の
国民である限り私は重要だと思うのです。しかし、だからとい
つて、何も一方的に
外人の入
つて来る
ホテルや宿泊の
設備、その他のものを否定するわけでありません。それはもちろん必要でありましようが、やはり国力と均衡のとれたものをだんだんにや
つて行けばよいことになるのではないかと思うのです。しかし、これらの点は深く
議論いたしますと、
意見にわたる部分も出て参りますので、この程度にとどめておきます。
次にお尋ねしたいことは、
横浜にいたしましても、
神戸にいたしましても、いろいろな
港湾設備なんかや
つて行く上に、現在
日本政府あるいは
横浜、
神戸の市当局が、自由にその
建設計画ができる
状態にあるかどうかということです。昨年デラ台風でしたか、何台風であ
つたか忘れたのですが、
横浜で非常に大きな被害をこうむ
つたことがある。その場合に内防波堤の中にいた
外国の船舶は大体安全であ
つた。ところが
日本の船舶はその内防波堤の中に入れなくて、外の方に船をつないでおらざるを得なか
つた。そのために何隻かの船が破損したり何かして、
相当の被害をこうむ
つたということがあ
つたと思うのです。そういうような事実を見てもわかりますように、現在まだ
横浜や
神戸の港なり、あるいは
設備なりの管理権と申しますか、
日本の自主権というものが完全に認められておらないのではないかというふうに、私今
考えておるわけです。それがもし間違
つてお
つて、
日本でやろうと思えば、何でも自由にできる。別に
関係方面から何らの拘束もないという
状態であれば、いろいろな
建設計画も非常に順調に行くわけでありますが、それらの点はどういう
状態にな
つておるかということをお伺いしたい。