○苅田
委員 あなたはこれは確信を持
つておるとおつしや
つたのですけれども、首相の方は
はつきりこれは想像だと
言つておいでになるわけです。(「共産党はいないと
言つておるじやないか」と呼びその他発言する者あり)ただいま皆さんの方から、共産党はいないと
言つておるじやないかと言われましたが、連合国の一方の国である
ソ連が正式な発表機関として許したタス
通信が、現在は戰犯その他重患の人約二千名以外は残留していないということを発表しておりますので、私どもは、この発表に
はつきり反対である、こはかくかくの理由でそういうことは間違
つておるというような
はつきりした
証拠がない以上、これに対しまして無條件にあなた方のおつしやることを信用することができないわけで、そのためにも、先ほどから他の
委員からもいろいろと御要求のあ
つたように、わか
つておるなら詳しい
資料を出してもらいたいということを言うわけなんです。
さらにもう
一つ私がここで申し上げたいととは、二十三年の暮れあたりに発表されました——発表されなか
つたでしようが、
外務省の省内の
資料によれば、ただいま御発表になりました地域以外も、たとえばスマトラだとか、あるいは佛印だとか、あるいはその他当時のラングーン地区、米軍地区、英軍地区にもなお多数の残留者があるということも政府の
資料として出ておるわけなんです。あるいはこぐ最近の例からいえば、つい最近国際的な
通信社の発表を見ましても、朝鮮の水原の附近では十三人の日
本人の将兵が戰死しておる。こういうこともあるとして見れば、南鮮においての残留者というものすら政府の方
はつかんでいないということになるわけです。ですから、もういないと
言つている方に向
つて返せもどせと言う以外に——ほんとうに
留守家族として
自分たちのところに帰してもらいたいというその心情には、ま
つたく私どもも同感なんです。ですから政府の方ではもつとできるだけの力を注いで、他の地方につきましても政府は一体どれだけの
調査ができておるか、そういうことにつきましても、やはり私はこの席上で皆さんに発表していただきたいと思う。つい先だ
つての朝日新聞によりますれば、サイゴンからのたよりといたしまして、あそこで戰
つている佛印軍の中には八万人の
日本将兵がいるという——これも確信できないと思いますが、こういうたよりも載
つてお
つたわけです。そういう方面に対しまして
当局としてはどのような方法をも
つて調査をしておられるか、そういうこともあわせて私は御報告願いたいと思います。