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石井説明員 鉄道電化に関しまする
請願を、一括してお
説明申し上げます。御
承知の
ように終戰後国内
資源、特に石炭の
資源を有効化いたしまするために、
鉄道の
電化を促進いたすことに相なりまして、御
承知の
通り上越、信越線、あるいは東海道線の
電化延長等の
工事を着々進めて参
つた次第であります。ところが二十四年度以降に至りまして、いわゆる均衡
予算と申しまするか、ドツジ
予算の
関係で、
資金の点からいろいろ難点を生じましたことが
一つ。いま
一つは電力の問題でございまして、関東
地方の電力は、
国鉄の信濃川発電所によります自前の、いわゆる自営電力をも
つて運転いたしておるのでございます。これを他の区間に
延長いたしますときは、当然日発の発電力にたよらなければならない。そういたしますと、一般民需におきまして特に電力事情が逼迫いたしておりまして、大規模な電源開発
計画もいろいろございまして、
見返り資金もその方へ
相当支出されておるのでございますが、しかしながら何分にもこの電源開発
計画は
相当の年月を要しまするので、簡單には参りかねるのであります。そういう点で電力の問題等につきましてもいろいろ難点を生じまして、ただいませつかくの
電化計画が足踏みをしているという
ような
実情でございます。しかしながらこの電力の点につきましては、
国鉄におきましても信濃川の第三期の発電
工事に着手いたしておりまして、この
工事は割合順調に進捗いたしております。明年度中には約五万キロの送電が開始せられる可能性があるわけでございます。そういう
ような情勢に相なりまするので、ここに
資金の点が解決できますれば、あるいはただちに
電化工事に着手し得るものかと思いまして、
政府といたしましては、これはわれわれ
事務当局のみならず、閣僚各位におかれまして、熱心にこの点につきまして
関係方面との折衝その他に鋭意努力いたしている
実情でございます。ただいまのところでは、できる限り本年度から着手したいということでいろいろ
資金の点の工作をいたしておりますが、まだその点ではつきりしたお答えを申し上げる段階に至
つておりませんことを、非常に残念に思うのでございますが、明年度の
予算におきましては、必ずや
電化に関しますところの
予算も
相当計上いたしまして、御承認を仰ぐことができる段取りに相なることと確信いたしておる次第でございますので、御了承願いたいと思います。これが着手の順序その他につきましては、電力の
関係、経費の
関係、それからそれによ
つて生じますところの石炭の節約の
関係、あるいはいわゆる車両運用の
関係、その他各般の事情をにらみ合せまして、経済的並びに技術的な
調査を
検討いたしまして、最も効果多くして、最も国民各位の
要望に沿い得る点から着手するのが当然かと考えておる次第であります。
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