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1950-02-07 第7回国会 参議院 労働委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年二月七日(火曜日) 午前十時五十九分
開会
————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
労働省関係
の
予算
に関する件 —————————————
山田節男
1
○
委員長
(
山田節男
君)
只今
から
労働委員会
を
開会
いたします。前回に引続きまして、二十五年度の
労働省
の
予算
につきまして、各
関係局長
から、その
所管関係
の
予算
につきまして
説明
を求めることにいたします。
賀來才二郎
2
○
政府委員
(
賀來才二郎
君)
労政局関係
の数字につきましてはお手許に差上げてございますので、詳細につきましては申上げませんが、大体の概況について私から御
説明
を申上げたいと存じます。
職員
の方は
本省労政局
は百七名の定員にな
つて
おります。私の方の
所管
の分といたしましては、独立はいたしておりまするが、一応世話を燒いております中労委が九十九名、
公共企業体労働関係法
の
仲裁調停
両
委員会事務局
が百五十三名ということにな
つて
おるのであります。尚この際御了解願いたいと思いますことは、
労政関係
は
中央
と
地方
に分れておりまして、
地方
におきましては、
地方府県
がこれに当
つて
おるのでございます。
地方
と
中央
と一体にな
つて労政
に当
つて
おるのでありますから、一応御
参考
までに
地方
の分を申しますと、
地方
庁では
労政課関係
に九百八十五名、
労政事務所関係
が九百七名、
地方労働委員会
は千二名、合計二千八百九十四名の
職員
が
労政関係
に従事をいたしておるのでございます。尚この点に関連いたしまして、
予算
の
関係
を申上げますと、
地方
の
労政
の
経費
は、昨年までは国と
分担関係
にあ
つたの
であります。大体の基準は二分の一を国が持つ、残りの二分の一を
地方
が持つ、これは
地方労政課
、
労政事務所
及び
地労委
の
経費
についてであります。ところが
シャウプ勧告
によりまして、この
地方
との
分担関係
が問題になりましたので、来年度の
予算
のあり方といたしましては、
地労委
は
全額平衡交付金
で支弁する。それから
労政関係
につきましては、国から
奬励金
を出すという形に決まりそうにな
つて
おるのであります。併しこの点につきましては、
地方
にもまだ時期尚早であ
つて
、国が
奬励金
を出すべきであるというふうな問題が残
つて
おりまして、尚、
大蔵省
と
労働省
とは折衝を続けておるのでございますが、
大蔵省
の意見といたしましては、今度できまする
地方行政委員会
が、この点について
決定
をして、その
方針
に
従つて奬励金
を出すことにする、或いは
平衡交付金
で
全額
を支弁するようにするか、最後的な
決定
をしたい、かようなことにな
つて
いるのでありますが、大体二十五年度の
予算
の建前といたしましては、
地方
の
労政課
の分につきまして、従前の額にひとして
程度
の
奬励金
を交付する、
労政事務所
につきましては、その点について大体了解を得ておりますが、
予算編成
に当りまして、時間切れという
関係
もございましたので、一応
平衡交付金
でやるということにな
つて
おります。
地労委
につきましては、
平衡交付金
で
全額
行くということを、一応
大蔵省
といたしましては確定的な
方針
といたしておるのであります。この点が問題としてあることを御報告を申上げて置きたいと思います。
予算
といたしましては、殆んど前年度と
同額程度
でありまして、ただ
増額
になりました点は、
労働教育費
が前年に比較いたしまして、
労政局所管分
だけで約一千万円
増額
にな
つて
いるのでございます。これは従来の
労働教育
は非常に
経費
が少なか
つた
こともありまして、例えば
夏季労働大学
を開催いたしましても、
組合
の
一般大衆
まで及ばなか
つた
、
参考資料
を配りましても部数が非常に少なか
つた
。今度は成るべく
一般大衆
に
教育
が徹底をするようにというので、「
週刊労働
」も本年までは八万部でありましたものを、来年からは十万部に増加いたします。或いは映画を作製いたしますとか、かような立場からいたしまして、
一般大衆
に
労働組合
の意義が徹底するように、
労働教育
をその
方面
に重点を置くという
意味
におきまして、一千万円を
増額
いたしておるのでございます。
公共企業体労働関係法
に基きまする
仲裁
、
調停委員会
の
経費
は、昨年は六月一日以降の
予算
にな
つて
おりましたのを一年にいたしました
関係
と、昨年はまだ様子が分らなか
つたの
で、取敢えず
見通し
を以て
予算
を組んでありましたのが、段々
見通し
も付きましたので、諸
度調弁費
は減じましたが、昨年に比しまして千四百万円の
増額
にな
つて
おります。この点が主要な点にな
つて
おるわけでございます。以上甚だ簡單でありますが、主要な点について申上げた次第でございます。
山田節男
3
○
委員長
(
山田節男
君)
只今
の
労政局長
の二十五年度
予算
に関する
説明
につきまして、御質問ございませんか。
水橋藤作
4
○
水橋藤作
君 この
予算
に関しまして、
国庫負担
が二分の一と記憶しておりまするが、そうですか。
賀來才二郎
5
○
政府委員
(
賀來才二郎
君) 本年度までは大体
基本額
と申しますか、
基本額
の二分の一という
目度
で従来や
つて参つたの
でございますが、
地方
におきましては、積極的に
労政関係
をや
つて
貰いました
関係
もありまして、
地方
の
予算増額
が非常にスピードが早か
つたの
でございます。これに関連いたしまして、国の方が確実に二分の一によ
つて
増額
されておりません
関係
上、事実上は
地方予算
の総額に比しますと、四分の一乃至三分の一という
程度
しか行
つて
いないのは甚だ遺憾に
思つて
おります。
水橋藤作
6
○
水橋藤作
君
地方
の声を総合いたしますと、国が認めた額の
予算
を
地方
に
配付
しないという声を非常に我々耳にするのでありますが、今年度の
予算
において、その点の
労働省
としての昨年度の行き方と、今年度の行き方と
予算方面
の
編成
から見た
見解
を聞きたい。
賀來才二郎
7
○
政府委員
(
賀來才二郎
君) 国が
配付
をするということを通告いたしました
金額
は、これは間違いなく
配付
をいたしております。ただ
地方
では従来、これは
終戰後
の大体の
方針
でございますが、二分の一を負担するということを
地方
にずつと言
つて
おるわけであります。
従つて地方
では
地方予算
を
増額
する都度、二分の一は
歳入
として国から来るものとして
地方予算
に計上いたしたのであります。ところが国の方の
予算
は御承知のように、さように
増額
になりませんがために、
地方
は国から来るであろうとして計上された
金額
だけ
歳入
がない、こういうような結果になりまして、非常に国の方は
地方
からやかましく言われてお
つたの
が現状でございます。来年度におきましては、
奬励金
の形を取るわけでありますが、二分の一という率を廃止いたしまして、
奬励金
としてこれだけ来年度は差上げますということを
地方
に
通秋
をいたしまして、さように二分の一やると言
つて
おりながら、実際は行かない。それがための
歳入欠陷
も生ずるということのないように、来年は注意をするということにいたしておる次第であります。
水橋藤作
8
○
水橋藤作
君 それは一応了解いたしまするが、昨年すら二分の一、そういう
見通し
の下に行い得た
予算
でありながら十分に行かない。而も今年度はそれを廃して
奬励金
というようなことで
配付
するということであるならば、昨年よりより以上
地方
の
予算面
に迷惑をかけるようなことがありはせんかと我我考えるのでありますが、その
見解
について伺いたい。
賀來才二郎
9
○
政府委員
(
賀來才二郎
君) 来年度
予算
におきましては、目下
大蔵省
との打合せにおきましては、
地方
の
労政
に要しまする
経費
は
全額平衡交付金
でやる。それに対しまして
地方
の県がやります
地労委
を除きました
労政関係
につきましては、その
地方
で計上いたしました
金額
の結果からでありますので、大体四分の一
程度
の
奬励金
が向うに参るということになりますので、来年にお京ましては、今年までのように国と
地方
との間の
約束違い
から、
歳入欠陷
を生づることのないようになると考えておる次第であります。
門屋盛一
10
○
門屋盛一
君
議事進行
について……
定足数
はよいのですか。
山田節男
11
○
委員長
(
山田節男
君) お
見え
にな
つて
おる方が七名ありましたので始めたのですが……
門屋盛一
12
○
門屋盛一
君
各派
一名ぐらいでも来ておるときなら、これでや
つて
貰つて
もよいですけれども、
自由党
のごときは、今回にな
つて
から
労働委員会
に一回も顔を出さない。共産党のように一人しか
委員
のないところが来ておるのに
自由党
は一人も
出席
がない。これで
速記
を付けて芝居見たいなことをや
つて
お
つたの
ではどうなりますか。(「同感」と呼ぶ者あり)こんな
委員会
なら私は退席します。
山田節男
13
○
委員長
(
山田節男
君)
民主自由党
の
諸君
に
言つたの
ですが、
田口
君がおられない。森田君も……
門屋盛一
14
○
門屋盛一
君
民自党
の
委員
の
出席
がなくて
流会
に
なつ
たということを公報に載せて下さい。
出席
をしなくてもよいなら私も来ませんよ。
各派
から一人ぐらいでも聞いておるならよいのだが、若
作労働委員会
で問題が起きたときに分らんわけであります。(「
異議
なし」と呼ぶ者あり)
山田節男
15
○
委員長
(
山田節男
君) 川上氏が故郷に
帰つて
お
つて
、
高良
氏が印度に行
つて
おり、
田口
氏がおらない。これは再三呼びに行
つた
けれども登院していないのですよ。
水橋藤作
16
○
水橋藤作
君 理由を明らかにして
流会
して貰いたいですね。
山田節男
17
○
委員長
(
山田節男
君) 今申上げたように、
民自党
の
諸君
は一人も出られない
事情
にあるし、
中野
君がお
見え
にな
つて
七名ですね。
中野
君が
ちよ
つと帰られて十一時には
見え
ると、こういうようなわけであります。
門屋盛一
18
○
門屋盛一
君 私がこの再開の冒頭に、こういうやかましいことを言いますのは、
国会
において最もウエートをなすのは
労働委員会
であると思う。この
労働委員会
がこのようでは
国会
全体が完全なる労働問題の検討はできない。又
労働大臣
にしましても、
労働委員会
があるということが分
つて
おりまがら、
局長
、次官で事足れりとして、要求しなければ出ない。要求してもつべこべ言
つて
出て来ない。そういうように
行政言局
から或る
意味
において馬鹿にされておることを見るということは、
委員会自体
が緊張しておらんから駄目なんです。
予算
の
説明
だからいいわいいわということが、
労働委員会自体
が堕落して行くというのが現実の証拠ではないですか。私の
委員長
にお伺いしておるのは、こういう状態で
労働委員会
を続ける意思があるのですか。
山田節男
19
○
委員長
(
山田節男
君) そういうことはありません。
門屋盛一
20
○
門屋盛一
君 私は敢て
定足数
という言葉で言い現わしたくないが、
予算説明等
の場合には、
一つ
の
会派
から一名の御
出席
もなくては
委員会
は事実運営が困難ではないかと思う。
山田節男
21
○
委員長
(
山田節男
君)
民自党
の
労働委員
は一人も
東京
にいないのです。
門屋盛一
22
○
門屋盛一
君 今
国会開会
中なのです。議員の
公用派遣
はないわけです。それ以外に旅行しておるのは勝手に旅行しておるのだから、それで
委員会
が開けないのをいい加減にしておるという行き方は、今日我が国の労働問題が
一つ
の口火にな
つて
、どういう争動が起るか分らないときである。若し
東京
におらないということがお分りになれば、
議長名
で以て
招喚電報
を打
つて
招喚すべきで、そうして人員の揃
つた折委員会
を開くべきだ(「
異議
なし」と呼ぶ者あり)
山田節男
23
○
委員長
(
山田節男
君) とにかく今の
事情
を……
門屋盛一
24
○
門屋盛一
君 私も遅れて来たので、
民自党
の
諸君
は遅れて御
出席
になるかと
思つて
お
つた
が、すでに十一時を過ぎたのに
民自党
の
諸君
は一人も御
出席
がない。この前もその前も御
出席
がなか
つた
。私は労働問題は本
国会
の大きな問題と考えておる。その際にこの
労働委員会
が、こんなことでずつと行くというような御
方針
ならば、我々の方にも考えがある。
山田節男
25
○
委員長
(
山田節男
君) 先程も繰返し申上げましたような
事情
で、
民自党
の
諸君
は丁度おられないのです。
門屋盛一
26
○
門屋盛一
君 一松君がおるでしよう。
山田節男
27
○
委員長
(
山田節男
君) このことを私よりも
民自党
に強く申上げます。
門屋盛一
28
○
門屋盛一
君
委員長
が直
かに民自党
に言われるばかりでなく、
議長
を通じて言われたらどうです。
山田節男
29
○
委員長
(
山田節男
君) 承知しました。
門屋盛一
30
○
門屋盛一
君 とにかく今日は
流会
にして頂きたい。
山田節男
31
○
委員長
(
山田節男
君) どうでしよう、
今一つ婦人少年局
の
予算説明
があるのですが……
門屋盛一
32
○
門屋盛一
君 今申上げたように、
予算説明
に各
会派
で一名も出ていないのにや
つて
も効果がないと思います。
原虎一
33
○
原虎一
君
定足数
を
門屋委員
から出されますと、これは事実足りないのですから
会議
は開けません、
従つて懇談会
でやられるならば別ですが、
委員会
として正式にやることはできない筈です。正式に問題にされた以上は、これは私も
門屋委員
の提案に同意せざるを得ない。
従つて委員会
は止めて
懇談会
に移しておやりになるならば、
定足数
を欠いてもやれるわけです。
山田節男
34
○
委員長
(
山田節男
君)
中野委員
が、請願を出しておるので、十一時に
見え
るという確信があ
つた
から開いたのですが、
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
山田節男
35
○
委員長
(
山田節男
君)
速記
を始めて下さい。本日の
労働委員会
は
定足数
に達しませんので
散会
といたします。 午前十一時二十九分
散会
出席者
は左の通り。
委員長
山田
節男
君 理事
平野善治郎
君
波田野林一
君
委員
原
虎一
君
門屋
盛一
君
中野
重治君
水橋
藤作
君
政府委員
労働事務官
(
労政局長
)
賀來才二郎
君