○帆足計君 あと一、二点お尋ねしたいのですが、それは前国会におきましてもお尋ねいたしましたが、現在
政府は
財政凋落の折でありまするから、科学技術の
振興に対しまして多額の補助金なり助成をすることは困難な
状況でございます。従いまして現在非常に各会社の研究機関は低下いたしておりますけれども、今後
復興のために必要なのは科学技術研究の
振興でございます。従いまして、通産省等におきましては、科学技術研究機関の
振興につきまして、各種の角度から
只今検討をせられている由でありますけれども、私は
大蔵大臣といたしましてこの必要を痛感されまして、少くとも終戰前までは科学技術研究機関に投下されました経費につきましては免税にな
つております。
敗戰の今日、科学技術の
振興が、最も急務中の急務であります今日、私はこれを全部免税することができないにいたしましても、これに対する各種の税を、科学技術研究機関に投じた場合におきましては、
減税にするくらいの措置の御研究は是非して頂きたいと思います。これにつきまして、
一つ一つの税率はとにかくといたしまして、我々のその要望に対しまして、
大蔵大臣はどのようにお
考えでありましようか。又できますことなら、この問題を愼重に研究して頂くことを、むしろお願いしたいと存じます。
次に第二には、先般この
予算委員会並びに前国会、本国会におきまして重ねてお尋ねいたしましたるストレプトマイシンの問題です。最終的解決がまだついておりません。その問題の詳細につきましてはすでに申上げ、又
意見書等も差上げてございますから、御覧下さいましたことと思いますが、結論といたしまして、ストレプトマイシンの買上
資金といたしまして、回転
資金が六億円前後本
予算に計上されておると存じます。併しながら、この回転
資金は買上げまして又患者にプールして売るわけでありますから、恐らくその大部分は国庫に戻るでありましよう。従いましてマイシンの保護、育成期間が凡そ二ヶ年或いは二ヶ年半要ると仮定いたしますと、若しそれが合理的な要求であり、又それは必要であるとすれば、明
年度におきましても私はこの六億円の回転
資金を少くとも出す。そこまで確言できませんでもそれに対して合理的な保護
政策は採るということを総理、
大蔵大臣が厚生
大臣の要求に対して確認して頂くならば、復金並びに興銀等におきましても投資をされると申しておりますけれども、この問題が未解決のために現在融資の途がつかないという
状態でございます。幸いにいたしまして、
大蔵大臣の非常なるお骨折り等によりまして、見返
資金融資の途の目鼻がつきかけておるということを伺いまして、私は愁眉を開きつつありまするけれども、現在六十万の患者が一日千秋の思いでこの新薬を待望しておりまする今日、この悲惨なる結核の病状に思いをいたされまして、一日も早く合理的條件の下に生産に移しますように、この問題に対して特別の御考慮を
大蔵大臣みずからがめぐらしまして、
日本の御回答ができませんでしたら後日で結構でございますから、これが生産し得るような合理的條件を作
つて頂くことにつきまして特別の御配慮を願いたいと思います。
第三には楽器に関する問題でございます。時間がありませんから、この問題
一つでございますけれども、私はユネスコの常務理事をいたしておりまするけれども、それは趣味としてただ、しておるだけの問題でありますけれども、
日本の現状におきまして御
承知のように、四疊半の中で唄う唄はありますけれども、
国民が職場において、旅上において、船の中において、野において山において、高らかに合唱する民族的な歌は全くない。歌わん民族であるというような
状況にな
つております。現在やつと小学校におきまして器楽教育が緒に就いておると申しますものの、楽器というものは贅沢品の
一つとして依然として数えられておる
状況であります。これは儒教におきましても楽は即ち礼でありまして、民主革命の
一つの重要な要件、その教養を高め、世界に通ずる
言葉としての芸術を作りまするま対には、どうしても私は音楽の普及というものが必要であろうと存じます。これがただ贅沢品に取扱われ、そうして戰争
経済以来の余燼で、楽器には若干の金属並びに貴重な木材を必要としまするので、更にその意味においても賛沢品として取扱われて参りました。然るに今日スポーツに対しましては、これを
政府も認められ、そしてスポーツ品は
相当の高級品に対しても二割の物品税しかかけられておりませんのに、楽器につきましては従来五割乃至八割の税率がかけられております。今日はそれが五割
程度になりましたけれども、これは少くとも正直に
考えましても、これはスポーツ品と同じように取扱われるべきものと思います。東京ユネスコ協力会におきましても、この種の決議をいたし関係
方面に示唆いたしました。又参議院の常任
委員長におきましても、楽器税に対する文化的見地からの特別の配慮を願うというところの請願文も満場一致可決いたしました。このような
国民の要請に対しまして、これは一業者の利益の問題ではございません。文化国家の困難なる道程の途中におきまして、このような問題は重大な問題であることを特に
大蔵大臣並びに
政府当局は念頭に置かれまして、今般物品税の改正を日程に上せましたならば、せめて音楽とスポーツとは私は対等のものとして見るというだけの認識を持
つて頂きたい。それにつきましても本日御答弁がむずかしい事情でありましたならば、後程でも結構でありますけれども、十分念頭に置いて頂き、若しお答え願えるのでしたら
大臣のお心持だけを伺いたい。
最後に
地方税の問題がございますけれども、この問題は
政府当局におきましても、再検討とのことでございまして、我々も今再検討の最中でございますので、いずれ数字を以ちまして、この問題につきましては
政府の所見を質し、若し改めねばならんとするならば、
政府、民間相呼応して又国会の重要議題として
地方税の問題は愼重審議されねばならんと存じますが、時間の都合もありますし、又我々は更にその点は勉強いたさねばなりませんので、
地方税の問題は他日同僚議員達とも相諮り、ここで審議いたすことにいたします。
只今の三点につきまして
大臣の御所見を伺いたいと思います。