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1950-03-09 第7回国会 参議院 予算委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年三月九日(木曜日) 午前十時四十八分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
昭和
二十五年度
一般会計予算
(
内閣
送付
) ○
昭和
二十五年度
特別会計予算
(
内閣
送付
) ○
昭和
二十五年度
政府関係機関予算
(
内閣送付
) —————————————
山田佐一
1
○委員長(
山田佐一
君)
只今
から
会議
を開きます。
通告順
によ
つて質疑
を許します。
堀越儀郎
君。
堀越儀郎
2
○
堀越儀郎
君 私は左の二点について
文部大臣
にお伺いいたしたいと思うのであります。その一点は、
義務教育費
の
国庫負担
が廃止されまして、
一般
の
平衡交付金
に包含されることになるのでありまするが、この
義務教育
の
標準教育費
というものを
確保
する途が講ぜられないときには、将来非常な
禍根
を残すと思うのであります。勿論この点については、
地方民主化
の上から
地方自治方面
からいろいろの
反対意見
もあると伺
つて
おるのでありまするが、又一面
教育
に
重点
をおいて非常に尊重する面から、又将来の
日本
を担当して行く
青少年教育
の
重要性
から
考え
て、更に大きな要望が生れておるのであります。
地方
の声なり、或いは識者の
意見
を綜合いたしますと、万一この
義務教育
の
標準教育費
というものが
地方
に交付される
平衡交付金
の中で
確保
されないときは、いろいろな
欠陷
が生ずる。その主なものを総合して見ますると、
標準教育費
というものは
平衡交付金配分
の單なる基礎に過ぎないならば、
教育費
として見込んだものが、
政治力
の強い
土木
、
保健衞生
、或いは
警察
、勧業という面に食い込まれる
可能性
が非常に大きいのであります。又更に
教育
の妥当な
水準
を維持することが困難なばかりでなしに、
教育
の
機会均等
が保障されなくなるのではなかろうか。何故かと申しますと
教育費
というものは
相当
に多額に上るのであります。 現在
地方
の
状況
を見ましても、大体
予算
の二割五分乃至五割ぐらい、多いときには五割五分にも上
つて
おるのでありますが、ところがこの
教育
というものは御
承知
のように直ちに
効果
が現れるというのではなしに、将来を見込んでのことであります。将来に非常に大きなる影響を及ぼすものでありまするが、その他の事業のようにその
経費
を投じたならば、その
効果
が
直ぐ目
に現われるというようなものでないだけに、
予算削減
の
対象
というものには最もなり易い、犠牲に上り易いものであるということを
考え
なければならないのであります。これは
地方財政
だけの問題でなしに、すでに六・三制の
建築費
の
補助
の問題にいたしましても、中央の
国家財政
の上から非常な苦難を
甞め
て来たことは御
承知
のことと思うのであります。
国家
の
財政
の上におきまして、本来ならば
教育
のために
最低
の
標準費
を決めなければならないと我々は思うのでありますが、
文教予算
が常に僅かな
費用
しか組まれないという
国家
の現状から
考え
まして、
地方
においては尚更この点を
確保
しなければ
教育費
が削減される
対象
になるということは、これは一番我々憂えるところなんであります。 それから又
国家
が必要と認める
教員数
なり、或いは
教員
の
平均給與
、旅費、或いは
結核教員
の枠外の
計算
などに要する
最低経費
が保証されないことになるだろう。その結果
教育俸給
の不拂、遅拂、更に
府県給與
による質の低下した
教員
を集めなければならないことになるのじやないか。これはすでに十五、六年前に幾たびも繰返され、哀れな境遇に追込まれた
教員
が沢山にあり、そのために
教員
の質が低下するのみならず、定足数を欠き
教育
に非常に
支障
を来たすために、
義務教育
の
国庫負担
の件が論ぜられて、
法律
が制定されるように
なつ
たことは御
承知
の通りであります。現在のこの
標準教育費
が、若し
確保
されないということになりますと、その過去の弊害を再び繰返すというような虞れが多分にあると思うのであります。 更に
教員
の
給與
以外の
学校
の
経常的経費
も
地方
によりまして、又
学校
によりまして、二分の一乃至三分の一
程度
のものは
PTA
などの
寄附
によ
つて
賄われているという
実情
であります。而もこれが一層大きくなるような傾向にあるのであります。今度の
税制改革
において
シャウプ
の
勧告
によると、
寄附金
というものを廃してこれを
税制体系
に織込んでも、
教育
の
費用
に盛り込まれるものが削減される虞れがあるために依然として
寄附金
に頼る習慣は残るであろうと思うのであります。
シャウプ
は
地方
における
寄附金
というものを減じて百億円に止めることを
勧告
しておるのでありまするが、
政府
はこの線に副
つて地方財政体系
から睨み合せまして、
地方
の
寄附金
というものを百億円に止めようとしているように思われるのでありまするが、若しこの
標準教育費
というものを
確保
されないならば、恐らくこの
勧告
は無視されるのじやないか、これが
実情
であります。実際に賄
つて
行けないものをどうしてその
費用
を捻出するか。結局
寄附金
というものに頼ることになりはしないか。
政府
は減税において
国民
の
負担
を軽減すると声を大きくしているのでありますが、
国家財政
において多少の
負担
が軽減されましても、
地方財政
において非常に
負担
が大きくなるということは、これは
一般
に認めるところであります。
政府
は声を大にして如何にも
国民
の
負担
が軽減されるかのごとく宣伝している。その裏面においては、
地方財政
において非常な
負担
が多くなるということは、これは
国民
に対する欺瞞でないかとさえ思われるのであります。而も
地方
における
寄附金
の
増額
というものによ
つて
、折角
負担
の軽減と
政府
は鳴物を入れても、
国民
の
負担
は更に
地方
において膨れ上ることだけでなしに、
教育
の面から
考え
ましてかかる情勢が更に続くならば、
教育
というものは
PTA
などの
外部勢力
に
支配
される虞れが多くなるのではないか。そうして自主的の
教育活動
というものが阻害されるだろうと思うのであります。 更に又
文部省
は
極東委員会
の
指令
第七十四号によ
つて
、
全国教育
の妥当な
水準
を維持すべき
責任
を持たされておる筈であります。万一この
義務教育
の
標準
というものが
確保
されないときには、
極東委員会
の
指令
に副
つた文部省
の
責任
を果すことができなくなるのであります。このような
事態
に遭遇したときに、
文部当局
としては如何にその
責任
を果されるか、私は非常に憂えるのであります。
文部当局
のそれに対するお
考え
も篤と承わりたいと思うのであります。 更に又
地方
に
教育委員会
というものが設けられたのは
一般行政
から分離して、
教育
の
自主性
というものを確立しようとした点に根本の
考え
があると思うのであります。つまり不当の
支配
には一切抑圧されないで本当に自由な、民主的な
教育活動
を
地方
によ
つて
盛り上らせようとするのが狙いどころと思うのであります。その
教育委員会
は常に
財政
的には何らの
国家
的の保障もないのであります。完全に
地方公共団体
の
理事者
、
地方議会
の
支配
を受けて、万一この
標準教育費
というものが
確保
されないならば、現在よりも更に苦境に立つことは想像するに余りあるものであろうと思うのであります。かような
教育委員会
というものが如何に法文が整備されておりましても、その
活動
というものに対しては多くの期待はかけられないのじやないか。
折角教育
の
民主化
というものを叫ばれその線に沿
つて
設立されたところの
教育委員会
というものが、存在の価値を失うことになりはしないかということを虞れるのであります。こういうような観点から又
地方
の
教育
の実際を見、
地方
の声を聽き種々なる
意見
を総合いたしまして、我々はこの
義務教育
の半額の
国庫負担
というものは廃止され、
平衡交付金
に包含されるこの際に、
文部当局
は如何なる
努力
を
拂つて
もこの
教育費確保
のために
努力
されたいと思うのでありますが、これに対する
文部大臣
の御所見なり、御覚悟なり、現在までの御
活動
の
状況
を承わりたいと思うのであります。
高瀬荘太郎
3
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) お答えいたします。
シャウプ勧告
によ
つて
新たに実行されることになりました
平衡交付金
の
制度
と関連して、
義務教育費
の
確保
について十分の
考慮
をしなくてはならないという点について、その
理由
を詳しく御発表になりましたが、
お話
になりましたような点は私も全く
同感
であります。
従つて文部省
といたしましては、この
平衡交付金制度
が
実施
されるということになりまして以来、これを如何にして実行して行くかということについて愼重に
研究
をいたして参
つたの
であります。 そこで
義務教育
というものはお説にもありましたように、憲法に規定されております非常に重大な
国家
的な
義務
を判うものであります。
国民
にとりましても重要な
義務
であり又権利であります。
従つて
こういう重大な性質を持つた
経費
については、他の
地方行政費
とは別個に特殊な
考慮
を拂わなければならない、こういうような
立場
で以て
義務教育費
の
確保
について何らか適切な
措置
を
購ずる
という必要を痛感して準備を進めて参
つたの
であります。それで結局
平衡交付金制度
と関連して、新たに実行されることになりました
地方
の
標準
的な
行政費算定
と関連いたしまして、
義務教育
についての
標準的経費
の
算定
並びにその
経費
の支出の
確保
ということを、特殊な
立法
によ
つて
嚴守するようにしよう、こういうことで
義務教育
の
標準経費
の
確保
に関する
法案
というものを用意いたしたわけであります。そうしてこの
国会
に
提案
いたしまして
皆さん
の御審議御
協賛
を願いたいという
考え
でおります。すでにその
法案
は
閣議
で決定いたしまして、
只今関係方面
に手続中でありますから、近く
国会
に
提案
になると
考え
ておりますから、それを
一つ
よく御覧頂きまして御
検討
の上御
協賛
を願いたいと
考え
ております。
シャウプ勧告
で
一般平衡交付金
による
地方経費
の
国庫補出
という
制度
ができまして、まあこの
制度
の
趣旨
は
地方自治
を尊重する、
地方財政
の
運用
を楽にするというような
趣旨
からできておることは事実でありますけれども、
シャウプ勧告案
でも
教育
に関する
経費
については特殊な
條件
を付する必要を認めるというようなことが書き加えてあるわけでありまして、
シャウプ博士
の
考え
によりましても
教育費
については特殊な見方をしておるのであります。 それで、じやどういうふうにしてこれを
確保
することになるかと申しますと、結局
義務教育費
の
確保
をするについては
二つ
の点が重要だと思
つて
おります。第一は
地方
で
義務教育
を
実施
いたします場合に、その
実施
に必要な
経費
というものを合理的に
実情
に即しまして
計算
をされるということであります。これが
地方
々々によ
つて
勝手に
計算
をされるということになりますと、
義務教育
の
実施
が
地方
的に非常に相違して来るわけでありまして、非常に立派に
義務教育
を
実施
される所もあるが、
地方
においては甚だ不完全な
義務教育
を
実施
するという結果にもなりますから、
義務教育実施
についての必要な
最低
の
経費
というものはどのくらいになるべきであるかということを、合理的に精密に
計算
する
方式
が必要だと思うのであります。そうして各
地方
で
義務教育
の
経費
を計上する場合には、その
方式
に
従つて予算
を
考え
るということが第一に必要である。第二にはそのようにして
計算
されました
標準
的な
義務教育
の
経費
というものを、各
地方団体
が固く守
つて
行くということであります、これを削減しないということ。この
二つ
の点が重要なポイントでありまして、この
二つ
がしつかり実行されれば、
只今
御
質問
にありましたような心配がなくなるという
考え
で、そういう
考え
で、そういう要領でこの
国会
に提出しようと準備しております。
義務教育費確保
に関する
法案
を作つたわけであります。 これに対しまして
皆さん
のところにもいろいろ
反対
の
陳情
も参
つて
おるかと思います。
市町村長
、
知事方面
では
大分反対
の
意向
があるようであります。併し私共から
考え
ますと、その
反対
の
意向
は余り
根拠
がないように思う。
反対陳情
を見ますと、何かこの
法律
によりまして
地方予算
に対して
文部大臣
が非常に大きな
権限
を持
つて
干渉をすることになる、或いは
地方財政
を
文部大臣
の
権限
によ
つて
撹乱するというような結果にもなるというようなことが言われております。併しこれは全く
見当違い
でありまして今度の
法律
ができますと、
地方
で
義務教育
の
費用
を
予算
に計上する場合に、その
法律
に書いてあるような
方式
で
計算
をするということと、そうしてそれを守るということがこの
法律
で書いてありますから、ただこの
国会
で承認された
法律
を
地方団体
が守
つて
行けばいいわけなんで、この外に
文部大臣
から命令を受けるところは何にもないのであります。この
法案
は
文部大臣
が
提案
はいたしますけれども、
閣議
で
十分検討
をされ
国会
で十分審議されてできる
法律
でありまして、
文部大臣
の
考え
でやれるものじやありません。だからその点甚だ
誤解
が多いと思います。又
地方財政
を非常に苦しめる、撹乱すると申しますけれども、そんなことは絶対にありません。
平衡交付金制度
で
皆さん
も御
承知
のように、今のようにして
計算
されました
標準
的な
義務教育
の
費用
というものは、
平衡交付金
によ
つて
確保
されておるのであります。そのようにして
計算
された
費用
で、若し歳入が足りなければ
平衡交付金
によ
つて
これが補充をされておりまして、すでに金は
確保
されておるのであります。ですからこれがために金が足らなくなるなんということは絶対にない。ただそういうふうにして
確保
されました分について、
土木
その他に
流用
を認めないというところだけが、
地方団体
にと
つて
窮屈になるということだけであります。而も今度の
法律
ではその
流用
をしてはならないということについてはこれは原則でありまして、
災害
その他やむを得ない事情の場合を除くと書いてある。ですから
災害
その他によ
つて
やむを得ない場合にはこれが削減され
流用
されても仕方がない、こういう
除外例
が設けてあるのでありますからして、
地方
にと
つて
それが非常に
財政運用
上の障害になるなんということはないと私は
考え
ております。 それから又
地方
で
反対
します
一つ
の
理由
は、
教育費
の外に
地方
は
土木費
とか
警察費
とかいろいろあるわけでありますが、それらについても又
教育費
と同じような
特別立法
によ
つて嚴重
な拘束が加えられるというようなことにな
つて
は、
地方財政
の
運用
が全くつかなくなる、そういうような
反対
をしておる。けれどもこれは
根拠
のないことでありまして、現
内閣
といたしましては、
義務教育
の特に重要なることを認めて、これについてだけ
特別立法
をやる、その他の
地方行政
については決して
立法
しないということで
方針
を決めておるのでありますからして、そういう
反対論
も甚だおかしいと思うのであります。ですから今のところ
地方
からの
反対陳情
というものは、
法律
がまだできませんから
法律
をよく読んでおらない、
地方
の
知事
や
市町村長
がまだよくお読みにならない、だからよく知らないでただ無暗に
反対
をされるという点が
一つ
と。又もう
一つ
は
地方
の
知事
、
市町村長
の方々からいえば、まあ
予算
はできるだけ
自分たち
の自由にできるようにして置いた方が都合がいい、こういうこともあるだろうと思います。それらの
理由
から
反対
が起きておるかと思いますけれども、私共はさつき申上げたような
理由
によりまして、
義務教育
というものの
国家
的な
重要性
ということ、
教育的見地
から見ましてもこれからの
日本国家建設
については最も重要な仕事であります。これは特別な扱いをして来ておるということで、どこまでもこれを実行するという
考え
で進んでおります。 又
PTA
の
寄附金等
について
お話
がありましたが、私もその点全く
同感
であります。
シヤウプ勧告
によりまして、大体
民間
の
寄附金
四百億という推定をされて、その中の三百億だけはこれから
寄附
によらないでいけるようにするということで、
税金
をそれだけ殖やしたわけであります。その四百億と推定された
寄附金
の大部分は、
教育
に対するものであつたと思う。ですから新たに殖やされた
地方税
で
教育
にそれが廻
つて
賄われるということにならなければ、今までの
PTA
の
寄附金
を減すことができない。ですから
PTA
の
寄附金
を減らして
税金
を殖やしてそうして
教育
にこれを廻すという以上は、その
予算
を
土木
その他に削減されるということは絶対に許されない筈であります。今まで
教育
のために
寄附
されてお
つた代り
に、今度は
税金
でとるのでそれを今度は
教育
に使わないで
土木
に廻すなんということは、全く理窟に合いません。ですからそういうふうなこのないようにしたいということが、私共の主眼でありまして、そういう
趣旨
で
義務教育費
の
確保
に関する
法案
をこの
国会
に
提案
し、
文部省
といたしまして、無論今までいろいろ議論が
文部省
以外に
政府部
内においてもありました、
自治庁方面
とはいろいろ折衝で問題がありましたけれども、
自治庁方面
の
意向
も十分斟酌し、調整をして、
一つ
の
法案
として
提案
することにな
つたの
でありまして、
内閣
全体がこれを
賛成
し、
自治庁担当
の
国務大臣
もこれに
賛成
をしてできた
法案
であります。ですからもう
政府
として、何ら異存はどの
方面
にもない筈であります。ですから
国会
におきましても、そのつもりで
一つ
十分御
検討
を頂いて、御
賛成
を願いたいと
考え
ます。
堀越儀郎
4
○
堀越儀郎
君
只今
御答弁頂きました
文部大臣
の
お話
によ
つて
、非常に我々が憂えておることに対する御
努力
の点はよく分るのであります。
只今
承わりましたように、この
義務教育
の而も
最低標準額
というものを
確保
するためのこの
法案
に対して、
地方
において
行政部門
を担当する人々から
相当
の
反対
の声が起
つて
いるようであります。
只今
の
大臣
の御答弁によ
つて
それは全く
誤解
に基く、いわれなきものであるということはよく分
つたの
であります。そういう声があればある程、私共は更にこの
標準教育費
の
確保
に対して重要な意義を持つと思うのであります。今若しこの
法案
が潰れて全く
自由放任
にされるというようなことになるならば、非常に将来に
禍根
を残すことになると思うので、我々もその点に
努力
をいたすのでありますけれども、
大臣
初め
関係方面
においてもその点十分な御
考慮
をお拂いにな
つて
御
努力
あらんことを希望いたしまして、この問題に対する
質問
を終ります。 第二点といたしまして
科学振興
に関する
経費
の問題であります。これは以前の
国会
において参議院が
科学振興
のために
国家
がもつと
考慮
を
拂つて
、十分なる
経費
を支出すべきことを
決議
したのでありますけれども、今度の
予算
を見ますると、成る程昨年度においては四億五千万円であつたものが、五億万円に殖やされているのであります。
国会
が
意思表示
をして、
全会一致
で
科学振興
に対する
経費
というものを更に増大すべきものであるという、
国民
の代表としての声をお聽きに
なつ
た
政府
が、五千万円の
増額
によ
つて
事足れりとお
考え
にな
つて
いるのであるかどうか。以前にも通産省から
科学技術白書
というものを発表されましたが、
日本
の
科学技術
が非常に
世界
の
水準
以下にな
つて
いるということを憂え、
日本
の文化のみならず産業その他の面においても、昨日
緊急質問
において
同僚帆足
君がストレプトマイシンのことで
意見
を開陳しておられましたし、ひとしく
科学
によるその進歩に負うところが大きいことを我々は痛切に
考え
るのであります。この
国民
の声を僅か五千万円で片付けようとされているのか、或いはこの
国民
の声を
文部当局
がお聽きにな
つて
努力
せられたけれども、
止むなくかような事態
に立至
つたの
であるか。これに関連して他の
科学研究所
との
関係
において、その
欠陷
を補うように
予算
を仕組まれてあるのであるか。更にこれ以上この面に
考慮
を拂われるつもりであるか。
国会
が
決議
したあの
決議案
に応えて
文部当局
はどう立ち上られたか、
国会
は
決議
すればそれでいいのだといような
考え
でいられるのか、
国民
の声としてお聽きにな
つたの
であるか。その答えとしては余りにも少いと思いまするので、これに対する
文部当局
の将来のお
考え
、現在如何に
努力
をお拂いにな
つて
いるか。これは
国家再建
の上において、
日本
の
科学技術
というもを
世界
の
水準
以上にどうしても持ち上げなければならない重要な点でありまするから、
文部大臣
の率直なる御
意見
を承わりたいと思うのであります。
高瀬荘太郎
5
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君)
科学技術
の
振興
につきまして、前
国会
で
決議
がなされましたということと関連して、
予算的措置
その他についての御
質問
であると
考え
ます。
科学技術振興
の必要ということは、私共の
立場
から申しましても無論、今日の
日本
の
状況
から申しましても、極めて緊急に必要なることと
考え
ております。それで
国会
としましても、その
立場
で以てその必要を御
決議
に
なつ
たわけでありますし、
国会
の外にも御
承知
の
日本学術会議
におきましても同様の
決議
が行われておるのであります。私共としてはそういう
考え
で、
予算的措置
につきましてもできるだけの
努力
をしたつもりであります。併し
只今
御
指摘
になりましたように、
科学研究費
という
項目
といたしましては、二十四年度が四億五千万円でありましたのを、二十五年度五億円と五千万円殖やすということに過ぎなか
つたの
でありまして、その点甚だ残念に
考え
ております。 併し
科学技術振興
につきましては、この
科学研究費
という
予算項目
だけの問題ではございませんで、
日本
の
科学水準引上げ
については、この外に
大学
における
研究
、それから
大学附置研究所
における
研究
ということが極めて重要な役割を果すわけであります。そこで二十五年度における
科学振興
についての
予算的措置
としてどこに
重点
を置くべきかということを、制限された
予算
の範囲内においていろいろと
考え
たわけであります。その結果といたしまして二十五年度
予算
におきましては、
大学
における
教授
の
研究
、又
大学附置
の
研究所
の
研究
に
予算
が制限されておる以上、
一つ
の
重点
的に
予算措置
を講ずるという
方針
を取つたわけであります。そこで
大学
につきましては
教授
の
講座研究費
というものを約六億円殖やしました、
倍額
近くにしたわけであります。それから
大学附置
のいろいろの
研究所
の
経費
を約一億四千万円増加いたしております。それで
大学方面
での
研究
による
科学振興
については、不十分ながら
相当
の
効果
が挙げられるだろうという
考え
でおります。そういうことから御
指摘
の
一般
の
科学研究費
として計上される
予算
、つまり
科学者
或いは
科学者
の
団体
、
民間研究機関等
に対する
補助金
として出します
科学研究費予算
の方は、遺憾ながら五千万円だけの
増額
の五億ということに
算定
されたのでありますが、この点は私共としては甚だ不十分と
考え
ておるのでありまして、
最小限度
私共はその
倍額
十億くらいは是非とも必要だと
考え
て
努力
したのでありますけれども、今日の
日本
の
経済財政
が非常に制約をされるので、それで満足せざるを得なかつたという
状況
であります。
従つて
今後
日本
の
経済財政
の回復に応じまして、これはできるだけ
増額
するように
努力
をして参りたいというつもりでおります。 尚
科学振興
につきましてはそういう
予算
的な
措置
の
方面
だけでなく、
文部省
としては無論いろいろと
考慮
いたして
努力
しておるのでありますが、御
承知
のように最近
科学技術輸入
のための計画が進行いたしております。
科学技術輸入
のために
日本
の
科学者
、
技術者
を
外国
へ
相当
多量に出しまして、約一ケ年間
研究
して来るようにできることになりました。これは今までの
外国
への
留学派遣
は多くは
外国
の
資金
によ
つて
や
つたの
でありますけれども、特にこれは
日本
が
貿易勘定尻
で持
つて
おりまする
貿易資金
を或る
程度使つて
、
日本
の金で以てやれるというふうにな
つて
来ております。これも
日本
の
科学技術振興
には必ず役に立つだろうと思
つて
おります。又これも御
承知
だと思いますが、
日本学術会議
の
会長
、副
会長
、部長などが最近
アメリカ
に参りました。これも
アメリカ
の
科学技術研究
のためでありますし、その
外留学生
も昨年は五十名でありましたが今年度は百五十名を選衡しましたが、尚追加されるだろうと思
つて
おります。それから
外国図書
の
購入
についていろいろ今まで不便があつたわけであります。
日本
の
科学振興
については戰争以来すつかり
外国
との
学術交流
が杜絶しておりましたために非常に
支障
があつたわけでありますが、それを取返すためには
外国
に行くということと、
外国図書
を自由に買
つて
読むということでありますが、そういう
外国図書
の
購入
につきまして、最近非常に楽に便宜が得られるというふうにな
つて
参りました。それから
大学
での
研究
でのいろいろな器具、用具、これも非常に熱望したのでありますが、これも段々楽にな
つて
来るということになりました。 それから
研究者
を
外国
と交換するという
制度
も具体的に計画が進行しております。これらのいろいろな
予算措置
以外の方法によりまして、
外国
の非常に高度の
科学技術
水準
というものを
日本
に取入れて
日本
の
科学技術振興
に刺戟を與え、そうして
研究者
に便宜を與えまして、
日本
科学
の
振興
を図るという点は
相当
具体的に進行しておるという点は喜んで頂いてよいのではないかと思
つて
おります。 ただ
予算的措置
につきましては
只今
も申しましたように、二十五年度の
予算
におきましては、
大学方面
については不十分ながら或る
程度
の
増額
ができましたけれども、
一般
の
科学研究費
については僅かに五千万円の
増額
で、この点は
文部省
としても甚だ残念に思
つて
おりますが、今後できるだけの
努力
をして参りたいと
考え
ます。
堀越儀郎
6
○
堀越儀郎
君
只今
の御答弁で大体のいきさつは分
つたの
でありまするが、
文部大臣
の御答弁によりますると
一般
の
科学研究費
が僅かに五千万円しか
増額
ができなかつたが、
大学
及び
大学附置
の
研究所
のこの
経費
が
増額
されて、その面において
相当
要望に応え得られるだろうというお
考え
であります。これは甚だ結構なことでありまするが、由来
大学
の
研究所
というものは象牙の塔に立籠
つて
他の
研究所
との関連が非常に薄い憾みがあるのであります。折角
大学
及び
大学附置
の
経費
を
増額
して、これによ
つて
関連性を持たせて
科学技術
の
振興
に貢献しようとせられるお
考え
があ
つて
も、以前のように象牙の塔に閉じ籠
つて
おるあの
考え
で若し当局がおられるならば、このお
考え
も
効果
が削減されるのではないかと思いますが、
一般
の
科学技術振興
費のためには僅かしか計上されないが、
大学
の面においては
相当
の
経費
を持たせた筈であるから将来に期待が持てるというお
考え
には、私は非常に危惧を抱くのであります。そういうことを万一
大臣
がお
考え
にな
つて
おるならば、以前の弊害を十分に
考慮
せられ、そういう割拠的な
考え
を捨てて
日本
の将来のため全部が協力して、
日本
の
科学技術
の
振興
のために
努力
せられるよう、
大臣
に御
考慮
をお願いいたしたいと思うのであります。
高瀬荘太郎
7
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君)
大学
の
研究
活動
につきましていろいろと御注意がありましたが、この点は私も十分に
考え
ておるところでありまして、最近御
承知
のように
地方
に新制
大学
というものが沢山に国立でもできました。それらの新制
大学
の
活動
は
地方
の
実情
に即し、
地方
の産業的の
科学
方面
とできるだけ結び付いて、
大学
の
研究
というものを実際界に十分利用されるようにできるだけ
文部省
としても勧奬しておるわけであります。
大学
としても終戰以来そういう空気が非常に強くな
つて
来ておりますので、御心配のごとき点は今までの
大学
の
活動
よりは今後は少くな
つて
行くだろうという見込を持
つて
おりますが、御注意のありました点は
文部省
も全く
同感
でありますから、今後はできるだけ
大学
の
方面
と相談いたしまして御心配のないようにして行きたいと
考え
ております。
岩男仁藏
8
○岩男仁藏君 実はさつき堀越さんから
質問
されました
標準教育費
について私も
質問
してみたいと思い申込んでお
つたの
でありますが、堀越さんの
質問
されました要領は大分私の
意見
と同じでありますので、これに対して高瀬文相から御答弁があり我が意を得たる御答弁であつたとこう思いますので、これは時間の
関係
から重複を避けて止めたいと思います。ただ
義務教育
の
振興
という
立場
から
考え
まして、私はどこまでも
文部当局
のお
考え
、御
方針
に共鳴するものであります。この
法律
案が出ましたならば当局におきましては最善の
努力
をなされて、これを通過するように
一つ
や
つて
頂きたいという所見を述べて置きます。 次に私は
文部当局
にお尋ねしたい問題は総合高等
学校
に関する問題であります。なかんずく実業
学校
の分離という問題であります。この問題につきましては先般どの議員でしたか本
会議
で
質問
をされ、高瀬文相からも御答弁があ
つて
大体の輪廓は分
つて
おるのでありますが、具体的の例を上げまして
一つ
お尋ねをいたしてみたいと思います。私の
考え
を率直に申上げますならば、従来の普通の中
学校
、それから農業、商業、工業、こういう中等
学校
がありましたが、これが
一つ
にされていわゆる総合の高等
学校
が今日大分できておるのでありますが、併し
地方
の
実情
によ
つて
は、この
教育委員会
の決定によ
つて
これが分離されておるのであります。私は従来の実業
学校
は分離してやつた方が実際的である又
効果
がある、こう
考え
ておる一人であります。或る農業県の事情を申上げますと、県
会議
員大多数が超党派的な、農村に
関係
のある議員二十数名で農村議員連盟というものを作りまして、そうして県当局及び
教育委員会
に対して是非分離すべきものであるという運動を起しまして盛んにや
つて
おるのでありまするが、県当局の方では、最初からこれは合併すべきものではなか
つたの
だ、併し
教育委員会
の方で総合高等
学校
がよろしい、これが理想的であるという見地からこう決つた、若し
教育委員会
の方でこれは分離して貰いたいというような
意向
があれば
予算的措置
はいつでもできる、大した
経費
はかかるものではないという
意思表示
をしておるにも拘わらず、又一方においてさつき申上げたように、農村に
関係
の多いところの議員二十数名でたびたび
教育委員会
に対して折衝をや
つて
おる、交渉を重ねておりまするが、
教育委員会
の方では僅か
実施
後二年足らずというような面子のためにこれを拒否しておるという
実情
があるのであります。私の知
つて
おる範囲では最初からこれをやつたところは非常にやはり
効果
が上
つて
おるのであります。
文部省
は
教育委員会
に対して監督権を持ちませんが、大体この実業
教育
系統を分離することに御
賛成
かどうかということを先ず第一にお伺いすると同時に、若しこれがいいとお
考え
ならば、これは監督権がないから通牒などをお出しになることはちよつとむつかしいのでありましよう、私しろうとでよく分りませんが、何らかの有効適切な指導的
立場
の役割をお取りになる意思があるかどうか、先ずこれを先にお聽きして置きたいと思うのであります。
高瀬荘太郎
9
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 実業
教育
、特に農業
教育
について総合高等
学校
制度
よりも独立の農業高等
学校
という方が
教育
的
効果
が十分に上げられるだろう、それを総合制にすることは不適当だというようなところからの御
質問
だと思います。私も原則としては全く同
意見
であります。私自身実業
教育
と最も
関係
の深い人間でありますからして、これには
相当
実際によく経験しておるつもりでおります。
従つて
農業のみならず工業、商業等の実業
教育
につきましては、私は徹底した
教育
をすることについては、
日本
の
実情
から申しますと独立校とすべきであるという
考え
を持
つて
おるのであります。ですからその点は全く
同感
であります。ただこれを独立校としてやるか総合でやるかは
文部省
の
権限
でございませんで、
お話
がありましたように
地方
の
教育委員会
の
権限
でありますから、
文部省
が
権限
を以てどうするということは実際はできません。けれども私の
考え
はそういう
考え
でありますからして
地方
から聞かれればいつでもそう答えております。又
地方
に対してそういうような
意見
を述べております。ですから
地方
で若し
文部省
或いは
文部大臣
の
考え
がどうだということをお聞き下されば、はつきりしておると私は思
つて
おります。
文部省
或いは
文部大臣
がそれについてそう曖昧な
考え
を持
つて
おるとは思わないと思
つて
おります。ただ併し
地方
で何故今まで独立した実業
学校
であつたものを総合化するかと申しますと、
一つ
はいろいろの
関係
もありまして、校舎を六・三制との
関係
で
考え
なければならぬというようなところ、或いは
外国
の例から
考え
て
予算
的に総合にした方が
経費
が少くて済むというようなところからいろいろ
関係
するところがありまして、
教育委員会
としてはその
方針
でや
つて
おられるというところが多いのではないかと思うのであります。けれども今岩男さんがお述べにな
つたの
は多分大分県の例ではないかと思いますが、私もこの一月大分県に参りましてこの話を聽きました。そうして私はどう
考え
るかという話でしたから独立した方がいいのだとはつきり答えたわけであります。ですからそれは分
つて
おる。ただ実行上委員会としていろいろの
関係
があるという点は認めざるを得ません。けれども委員会が若し信念を持
つて
はつきりそうすべきであると言うならば
相当
できないことはなかろうと私は思うのであります。
日本
自体にも私はこういう点については今まで
相当
偏つた
考え
方が多いと思う。何かこう中
学校
よりは実業
学校
の方が地位が低いのだ、実業
学校
の方が軽蔑されるというような風潮が
日本
にもあつた、そういう習慣がまだ残
つて
おるということが
一つ
の重要な原因ではないかと思う。総合制にな
つて
何故それじや農業とか工業の部門が駄目なのかと申しますと、これは今言つたような
日本
の今までの封建的な
考え
でありまして、何か上の
学校
に行けないでも中学に行つた方が偉そうに、上品に見える、農業
学校
や商業
学校
に行く者は何だか地位が低い、軽蔑されるというような風潮があるということが
一つ
の大きな原因だと思
つて
おります。これは非常に間違つた
考え
だと思うのでありますが、そういう点を
日本
人みずからやはり十分清算する必要もあるだろう。そのようなこともいろいろありまして。総合制に転化されて来る部分が
相当
ありますが、私は
予算
上或いは校舎その他止むを得ざる必要のある場合を除きまして、総合制でない独立の実業高等
学校
でや
つて
行く方が適当だと
考え
ておりますし、今後も私の意思を聞かれればはつきりそう答えるというつもりでおります。
岩男仁藏
10
○岩男仁藏君 次にもう一点ばかりお尋ねいたしたいと思います。それは六・三制の
建築費
の助成金に関する問題であります。これは国の
財政
の
関係
から一時
政府
は中止されました。ところが前
国会
でいろいろ事情をお
考え
に
なつ
た挙句でありましよう、十五億円だけ追加された、第七
国会
の
予算
の見ますと四十五億ばかり計上しておるようであります。これは誠に結構であると私は敬意を表するものでありますが、ただここに一応六・三制の
補助
を打切るということにな
つて
、その期間に建築をやつた市町村が
相当
あるのであります。これに対してはこの助成の恩典に浴することができないという
文部省
の御
方針
であるようでありますが、これは余りにも政治を知らないところの残酷な
措置
であると思うのでありますが、これに対する
文部大臣
の御所見を伺いたいのであります。
高瀬荘太郎
11
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 六・三制の新制中
学校
建築費
補助
の問題でありますが、原則はやはり現在非常に不足して足りないものを先ず建てるというところに眼目を置かなければならないということは、これはどなたもお認めになるだろうと思うのであります。従いまして
予算
の建前といたしましては、
最小限度
生徒一人当り〇・七坪は教室のために必要である、その〇・七坪さえないようなところに先ず
予算
を出さなければならない、こういう原則は動かせないと思います。これはどうしても是非必要なことでありますからやらなければなりません。ただ併しその〇・七坪に現在達しておりますものにつきましても、いろいろの実際の事情が違
つて
おると思うのであります。例えば〇・坪はあるけれどもほんの急に間に合せのための甚だ不完全なバラックで、それで〇・七坪にな
つて
おるというところもありましようし、
相当
しつかりした建築で〇・七坪にな
つて
おるというところもある。これはやはり違つた
考慮
が必要であります。それから又
お話
にありましたように、現在〇・七坪にな
つて
おるけれども、今までその〇・七坪に達するについて非常ないろいろな
支障
があつたにも拘わらず、その
支障
を越えて何とかそこまで行
つて
おるのだという事情については、やはり特殊な
考慮
も必要であります。ですからすでにでき上
つて
おるというものについては、原則としては、これは
予算
の
補助
の割当はしないのでありますが、それらの実際の事情をよく
考慮
いたしまして、できるだけの調整を図り、又
予算
の
補助金
だけでありませんので、
地方
のそういう建築助成については起債もあるわけでありますから、
補助金
の方でいけなければ起債の方ででも何とかしたいということで、できるだけの調整を図るという
方針
で行
つて
おります。
岩男仁藏
12
○岩男仁藏君
大臣
は今のできるだけの調整というようなことを
一つ
信用をいたしまして、この問題は打切ります。 尚これに
関係
しておりますが、実は私前の
国会
の
予算
委員会における最後の討論のときでありますが、遺憾ながら
賛成
はする、併しそれに対し付けてた
條件
の中に六・三制の
建築費
の問題が入
つて
お
つたの
であります。四十五億出るからこれで満足できるかということは、私の
考え
では絶体承服できないのであります。尚これを継続して来年度もおやりになるおつもりかどうか、それを伺
つて
置きたいのであります。
高瀬荘太郎
13
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 六・三制の
建築費
補助
の計画につきましては、
文部省
は今まで幾度か計画を作りまして、五ケ年計画で以て完成しようというようなことも
考え
てや
つたの
でありますけれども、
日本
の
財政
の
実情
から申しますと、なかなかはつきり現在ではそう長い間の計画が立ちにくいという
実情
にありますので、そこで又今度は計画を立て直すということにいたしまして、とにかく〇・七坪というものを
相当
いい
條件
において完成をする、これを先ず第一の目標としております。そうすれば世の中でいろいろ心配されておりますような馬小屋教室とか、廊下の教室だとか、青空教室とか、これは完全に解消できますし、又二部
教授
、三部
教授
も解消できると、とにかく教室はあるということで行く、先ずこれを第一段階にしよう、これについては二十五年度四十五億で以て完成できると
考え
ておる。併しそれで十分だということでは無論ございません。〇・七坪という
程度
は本当に教室があるというだけでありまして、校長室とか宿直室とか特別教室とか講堂とか或いは雨天体操場というものは一切含まれません。それではやはり
教育
上は甚だ不完全でありますから、今後それらを二十六年度
予算
以後において充実して行こうという
考え
でおりますから、決して
建築費
補助
を打切るという
考え
は持
つて
おりません。ただ併しこれを何年で実際完成できるかということは、今後の
日本
の経済、
財政
の回復して行きます速度と関連して来ます。その速度に応じて毎年
相当
の
補助
を計上する、こういう
方針
であります。
小川友三
14
○小川友三君 この際に
文部大臣
にお伺い申上げます。今両先生から六・三制問題が取上げられまして、
大臣
の大体の経綸が分
つたの
でありますが、この六・三制問題に関連をしまして
文部大臣
は、特に明るい問題は、
教育
用品業者に対するところの低利
資金
を出して、いい本を売
つて
行くという御
方針
でありますが、これは
大臣
になられる前に盛に盡力せられたことでありまして、この請願、
陳情
に本議員は
賛成
しまして大いに応援しておりましたのですが、六・三
教育
の
教育
用具用品問題でありますが、これにつきまして、この業者に対するところの低利
資金
なり或いは金融問題につきまして、具体的な案を特に
文部大臣
はお持ちであるという感じを持
つて
おりますが、お漏しを賜わりたい。
高瀬荘太郎
15
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君)
教育
上必要な学用品等の品質の向上、増産等が現在
日本
で必要であるということは全く
同感
でありまして、できるだけその方を推進したいというつもりでおります。それについては物品税その他
税金
の減免、金融上の便宜というような点が非常に重要でありまして、以前には資材の配当
関係
で特殊な
考慮
が必要でありましたが、現在は資材
方面
は割合に豊かになりまして、そこで
税金
関係
の問題になりますが、これも新らしい税法で物品税等が非常に枠を外されまして大変楽にな
つて
来たと思います。金融
関係
は中小企業の問題でありまして、学用品生産等は多くは中小企業でありますから、金融的に現在は最も困
つて
おるのではないか、それについて何らかの特殊な
考え
が必要だという点は
同感
でありますが、特に学用品を造る企業に対する金融ということについてはまだ具体的には何にも進行いたしておりません。
一般
金融についてと同じ
考え
でできるだけ
政府
としては中小金融を
考慮
して行くというつもりでおります。今までは併し学用品の金融について、いろいろ金融統制の上の順位の
関係
から特殊の
考慮
をしたいということで、金融順位を引上げるというようなことは
努力
して参りました。
相当
改善されて来たかと思います。 尚御
承知
のように、前の
国会
でもいろいろ論議がありましたが、
教育
金庫というようなものができますと、
お話
のような金融についても或いは特殊な
考慮
が行われるということになるかも知れませんが、これがまだ具体的に進行しておりませんからその点は直ぐには御期待に副い得ないと
考え
ます。
小川友三
16
○小川友三君
教育
金庫の問題がちよつと出ましたが、特にこの
教育
金庫問題は
大臣
の方から御
提案
を賜わ
つて
、そうしてこれは達成したい。これは
教育
用具の問題とそれに又もう
一つ
私立
大学
の問題がありますが、私立の
大学
は
資金
難で非常に困
つて
おる。国立
大学
は
補助金
がどしどし出るが、私立
大学
は
補助金
がないというので非常に困
つて
おる
学校
が多いのでありますが、殊に私立
大学
を援助する
方面
の
資金
問題につきまして
大臣
の御所見をお伺いいたしたい。
高瀬荘太郎
17
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 私立
大学
が現在
財政
的に非常に苦しい
立場
にあるということは、私もよく存じております。私立
大学
が
日本
の
教育
界で以て非常に重要な役割を果しておるということも事実でありますからして、
文部省
としてはできるだけ私立
大学
の経済的窮境を軽くするというために、
予算
的にも
努力
をいたしておるのであります。御
承知
のように二十五年度
予算
におきましては、私立
学校
の復旧費の
予算
といたしまして、二億七千五百万円計上いたしております。それだけは
補助
できることになります。けれども
日本
全国の私立
学校
というものは非常に沢山ありますから、二億七千五百万円ばかりでは実は甚だ不十分であります。但しこれは官立の
学校
の戰災或いは
災害
から復旧する比率というものと大体調子を合せておるわけであります。官立
学校
の復旧の比率というものと合せて私立
学校
の
災害
補助
費というものを
計算
して、
予算
に計上して行くというような
立場
から二億七千五百万円に
なつ
たわけであります。できるならば無論もつと私立
学校
も戰災等による被害が非常に大きいのでありますから、これはもつと
補助
したいのでありますけれども、今の経済状態からして思うように行きませんで、この
程度
でとにかくそれだけは出せるということにな
つて
おります。 尚先程の
教育
金庫等の計画が具体的に若し実行できるということになりますと、私立
大学
に対する金融的な途も楽に
相当
大きな金額が出るというようなことになりますからして非常に便宜が得られるという結果になるのじやないかと思います。
小川友三
18
○小川友三君 もう
一つ
文部大臣
にお伺いいたしたいのですが、これは埼玉県のことですが、不動岡の高等
学校
が去年燒けまして、そうしてこの前の
国会
のときに本議員は、
予算
委員会で二千万円の起債を許して貰いたいというので許して貰つた。二千万円の起債を
国会
では許してくれたが、ところが今手続をしてもなかなか二千万円の起債を許されないというような出先金融機関の
状況
ですが、高等
学校
が全燒しましてそうしてあとは幾らも金が集まらないで困
つて
いる、バラックで
教育
しておりましてこの〇・七坪どころの騒ぎじやない。〇・一%くらいの狭い廊下で勉強を高等
学校
の生徒がしておるのでありまして、臨時
国会
では通
つて
おるのですが、これは手続上の何かの手落かと思いますけれども、御調査をあとでたまわりたい。 もう
一つ
国宝の保存問題ですが、これには前
大臣
が、法隆寺が燒けまして辞職問題まで起きた大きな問題ですが、国宝が燒けないように
文部大臣
は、
文部大臣
の椅子にまで影響するほどの前例がありますので、国宝保存という点につきまして、夜は監視をつけて置くべきであると私は思う。木造建築物の国宝に対しては特に
大臣
は国宝であるが故に注意をして頂きたいと思いますが、この点につきましてどういう監視をせられておりますか。又保存問題につきまして、極めて重要な国宝でありますからして、高瀬
文部大臣
は手ぬかりはないと思いますけれども、現在木造の国宝建築物を、特に
国家
の所管に属するものに対しまして、どういうような保管方法をと
つて
おられますか、この問題についてお伺いいたします。 もう
一つ
、この六・三制の
学校
の進行のために、全国の
PTA
の
会長
並びに役員さん、会員さんが非常な
努力
をして現在や
つて
おりますが、
文部大臣
は特に優秀な
PTA
の役員に対して表彰をして、いわゆる
PTA
の発展、
学校
の発展を図るべきであると思いますが、
文部大臣
はどういう工合な手を今後お打ちになりますか、御所見をお伺いいたします。
高瀬荘太郎
19
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 第一の御
質問
の、埼玉県の高等
学校
燒失の復旧についての起債の問題でありますが、これは自治庁と県との
関係
の問題でありまして、
文部省
は直接
関係
がありません。それで若し起債が許されておるとすれば、県と自治庁と相談されて、自治庁の方からの指図で許可が得られるということになると思います。この前の
国会
での問題は多分請願ではないかと私は
考え
ますが、
国会
でその問題が具体的に議せられることにはならないのではないかと私共は思います。併し直接
文部省
とは
関係
がない、
地方自治
庁との
関係
であります。 それから国宝の保存についての問題でありますが、
文部省
としても無論
日本
の文化財保存については
責任
を持
つて
おりますから、できるだけ
考慮
を
拂つて
おるわけでありますけれども国宝というものは
国家
の所有ではありません。それぞれの所有者があ
つて
、それの保存について
文部省
は外からこれを
考慮
しているわけです。或いは大部分は、建物なんかでありますとお寺とか神社が持
つて
いる。或いは市が持
つて
いる。或いは県が持
つて
いる。直接の保存についての、火災の予防だとか、その他の
災害
の予防というものの
責任
は、ですから所有をしております市とか県とか寺社が当るということにな
つて
おりまして、
文部省
が人を出してこれを防ぐというようなことにはならない。
文部省
は、ですからそういう点について、県とか市とか寺社に対しましてできるだけの注意をして貰いたい、できるだけの予防を講じて貰いたいということは始終通達その他で以て要望しております。けれども実際直接そういうことをやる
責任
は所有者でありますから、
文部省
が当るというわけではありません。ただ保存について、修理の必要があるというような場合は、これも修理の
責任
者は所有者なんです。県とか市とか寺社なんです。
文部省
は
予算
でこの修理についての必要な金を半額とか三分の二とか
補助
してやる。で、
補助
した場合にその金の使い方、工事の
状況
等を外から監督しているのでありまして、実際その修理の仕事をやる者はやはり
文部省
でなく
つて
、市とか県とか所有者がやるわけであります。それで
文部省
はそういう
立場
からは、できるだけの保存についての注意監督はいたしておりますが、直接のその
責任
はやはり所有者である市或いは県、寺社等が十分に気を付けて貰うというより外ない
状況
でございます。 それから
PTA
の功労者等について、何らかの方法で表彰するというような途を作らないかというようなことでありますが、無論
文部省
として
PTA
は重要視いたしておりますし、十分の
活動
をして頂きたいというつもりでおりますから、
PTA
のために非常に功労のある方々に対しては、
文部省
は感謝しておるわけで、そういうまあ表彰の必要があるというようなことについては尚今後
検討
をいたしてみるつもりであります。
木下源吾
20
○木下源吾君
文部大臣
に二、三お伺いします。学芸
大学
の附属の先生方が、
地方
の
教員
と非常に待遇、
給與
の
関係
が下廻
つて
おる場合がある。これに対する
一つ
何らかの対策を講じなければならんじやないかと、かように
考え
るのですが、当局はこれをどういうようにお
考え
にな
つて
おるか。 次には
給與
の
関係
ですが、昨年の暮に年末
給與
などを出す場合に、
地方
の
大学
などに対して、自賄いで節約してやらせておる場合がある。その当時においては幾らか人件費が剩余があるように見えてお
つて
も、年度末になれば実際はなくなるのであるが、その当時の面でこれを捻出しておるわけであります。
従つて
この年度末は非常に人件費が不足にな
つて
おる所があり、それに対して
文部当局
かどうか知りませんが、物件費の
流用
などでやつたらどうか、やれ、というようなことを言
つて
おるのでありますが、そのために却
つて
物件費というものが不足いたしまして、それで非常に困
つて
おるという
実情
です。でありますからやはり今後も
一つ
のそういう
給與
をやる場合においては、
地方
の
実情
等を調査せずに、実際見通しもせずに、そういうことをやられたのでは、全く困るではないか、ただ苦しまぎれに
地方
の方に押付けては、そういうことをやつちや困るではないか。こういうふうに
考え
られるので、それらの点について
一つ
方針
などを承わりたいと思うのであります。もう一、二点お伺いしたいのですが、先ずそれから先に
一つ
……
高瀬荘太郎
21
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 学芸
大学
の先生の中で、附属小
学校
の先生の方方中学の先生の方々と
地方
の公務員である小
学校
、中
学校
の先生方との間に、待遇の違いができて、学芸
大学
というような国立
大学
の附属であるために、待遇が悪くな
つて
おるという点をどうするかという御
質問
だと思いますが、この点については無論同じような仕事をしてお
つて
、待遇が一方がよくて、一方が悪いということは確かに
考え
なければならんことだと思
つて
おります。併しただ
制度
の上から行きますと、一方は
国家
公務員であり一方は
地方
公務員であるというような建前からして直ぐさまそれを同じようにするというようなことは、なかなかできないという
状況
であります。今後
教員
につきましての
給與
を他の
一般
公務員とは別個にいろいろ
考え
て行きたいということで、人事院ともいろいろ相談をいたしております。そういうような点と関連して
考慮
して行くより外ないだろうというつもりでおります。 それから年末手当の支給と関連して、各
地方
の
大学
等の物件費等まで非常に節約をさせられて、経営上困るというような
状況
もある、だからそういう点を今後ないようにしなければいかん、こういうような御
質問
であつたと思います。
文部省
として無論年末手当を算出いたしました場合に、そう勝手に独断でやつたわけではございませんので、やはり各
大学
の事務局長の方ともよく相談をいたしまして、そうして非常に無理なところには或る
程度
の
文部省
内での調整を加えてやつたことであります。ですから、そういう独断で無理な事を押付けたわけではございませんけれども、何にしてもこれを
予算
で予定されたものを
相当
無理に捻出して来るということになりますから、いろいろの不便もあつたかと思いますが、今後はあういうやり方でも
つて
手当などを出さないで済むような方法を無論取
つて
行かなければならないことは勿論であります。
山田佐一
22
○委員長(
山田佐一
君) 木下君、余り長いようでございましたら、休憩にしたいと思います。
木下源吾
23
○木下源吾君 短いです。室蘭の工業
大学
が燒失しておりますが、当局はこの復旧に対して、どういうように
考え
ておりますか。 それからもう
一つ
い
教員
の
給與
は、その特殊性があるにも拘らず非常に現在の
給與
ベースでは少い、こういうような事情にあるので、当局もこれに対しては何らかの手を打
つて
いると
考え
ますけれどもが、現
内閣
は
一般
の
給與
ベースを改訂しないとこう言
つて
いるんですが、これに対して
文部当局
は、何か外の方法を
考え
ているのか、或いは
政府
内においてそういうことを具体化している何か事例があるのか、そういうことについて承わりたいのであります。実は新聞等で拜見しますと、
教員
のいわゆる遵法闘争といいますか、時間ぎりぎりであとはやらんというような
一つ
の方法がとられるのでありますが、こういうようなことになると実際
教育
上非常の
支障
があると思うんです。併しよ
つて
来るゆえんは今のベースが非常に安い、現在の
実情
に副わないというところであ
つて
、而も
一般
がこれに対してやはり同情をしているというこの
実情
に対しまして、
政府
はこれを傍観しているときではないではないかということを
考え
て
質問
申上げたいのです。その他
給與
に関しましては、
教員
の場合は特にまだお聞きしたいのでありますが、非常に急いでいるようですから別の機会に讓りますが、
只今
お尋ねした点を
一つ
お答えを願いたいと思います。
高瀬荘太郎
24
○
国務大臣
(
高瀬荘太郎
君) 北海道の室蘭工業
大学
が火災に遭いまして、その復旧が今重要な問題にな
つて
おります。ただ併しこれが最近に起きた事件でありますために、二十五年度の
予算
の中にはこれが含まれておらない。ですから差当り授業の差支がないように応急の何の
措置
をするということで今はや
つて
おります。そうして今後補正
予算
なり或いは二十六年度
予算
なりで、復旧については計画的にこれを計上して行きたい。こういう
方針
でや
つて
おります。 それから
教員
の
給與
ベースの問題でありますが、これは
教員
だけの問題でなく、
一般
的な問題として
考え
て行かなければならない問題であります。
教員
につきましては大体いろいろな事情を
考慮
いたしまして、その
給與
が
一般
の事務職員、事務の公務員よりは二号俸乃至三号俸高くしてある筈であります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)この点は無論今日の経済
状況
からいいまして大した足しにならない。それで生活上非常に苦しいということは私も認めております。けれども
一般
公務員との関連で、
教員
だけを現在の
制度
の下で以て切離して特別に
給與
ベースをどうするということはできないと私は
考え
ておる。ただ今までも私が述べましたが、
教員
の仕事というものは特殊な性質を持
つて
おります。
従つて
給與
表についても特殊な
考慮
が必要であるということは認めておる。それで人事院も或る
程度
は認めておるのですから、何か特殊な俸給表というようなものを作
つて
、優遇の途を講じて行きたいということは今具体的に相談をしておるという
状況
でありますが、現在の
制度
の下ではやはり
一般
的な問題としてこれは扱うというより外ないと思
つて
おります。
山田佐一
25
○委員長(
山田佐一
君) それではこの際一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 —————・————— 午後二時三十三分開会
山田佐一
26
○委員長(
山田佐一
君)
只今
から
会議
を開きます。先ず
通告順
によ
つて
発言を許します。
藤野繁雄
27
○藤野繁雄君 私は気象問題についてお伺いしたいと思うのであります。 先ず
昭和
二十四年における気象に原因した損害額がどのくらいだつたか、これをお尋ねしたいと思うのであります。私の調査したところによ
つて
見ますると、風水害その他による大きいところの損害の回数が十七回あつたと
考え
るのであります。その外に突風その他によ
つて
の被害は
相当
甚大であると
考え
るのでありますが、この被害額の大体の数字をお示しを願いたいと思うのであります。
大屋晋三
28
○
国務大臣
(大屋晋三君) この台風等によりまする損害は、これは建設省、農林省或いは運輸省と、各省の管轄に跨
つて
おりまして、
只今
私からそらで申上げる準備がございませんので、又いずれ書面に認めまして、私の運輸省の管轄の分は、港湾施設その他に関する分は御報告申上げます。
藤野繁雄
29
○藤野繁雄君 数字はあとで頂戴することにいたしますが、然らばどうすればこの気象に原因したところの
災害
を防除することができるかということについてお尋ねしたいと思うのであります。
土佐林忠夫
30
○説明員(土佐林忠夫君) 私は中央気象台の予報部長でございます。 気象
災害
の防止につきましては、予知し得る気象現像を学問的に常時
研究
し、或いは気象機関、観測所、測候所といつたような観測網を整備いたしまして、それによる資料というものを学問的に予察をして、できるだけ予めこれを広くお知らせいたしまして、万全の手配をするというふうに行くのが至当だろうと思います。
藤野繁雄
31
○藤野繁雄君 然らば現在の中央気象台、管区気象台、海洋気象台の設備は、完備しておると
考え
ておられるかどうか、設備が不完全であつたならば調査はできないのであります。私の知
つて
おる範囲内で申上げたならば、海洋気象台について申上げれば、神戸の気象台の外は殆んど設備が不十分である、こんな不十分な設備では、気象台の調査ということは絶対にできないものと信ずるのでありますが、この点についてお伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
32
○説明員(土佐林忠夫君) お説明の通りまだ開設間がございませんし、十分な設備を持
つて
おることは言えない状態にあるのでございます。併しながら少い設備、乏しい設備、少い人員におきまして、できるだけ最善の
努力
をいたしまして、海難の防止にできるだけ努めたいと思
つて
現在業務を遂行いたしております。長崎を例に取りますれば、先般海難防止に関する審議会が現地において開催いたされたのでありますが、その節長崎の海洋気象台におきましては、漁業をや
つて
おられる方々と懇談をいたしまして、向うから東支那海
方面
に出ております漁船に観測を依頼いたしまして、その資料を長崎漁船局を通じまして入手をいたし、それを総合いたしまして、又無線局から今危險な状態にな
つて
いるぞというようなことを船にお知らせするといつたようなことを計画いたしまして
実施
に着手をいたしているのであります。すでに昨今毎日五、六通の電報も中央までも入
つて
来ておりまして、漁業をや
つて
おられる方々が非常に熱心に御協力を下され、又その知らせを基にして、海難の防止ということに緊密に連絡を取
つて
やるという運びにな
つて
おりまして、これからその
方面
に十分力を入れて行きたいと思
つて
おるのでございます。併しながら
予算
の裏付もございませんために、施設その他に改善の余地がこれから十分まだあるものと
考え
ております。
藤野繁雄
33
○藤野繁雄君 次に
昭和
二十四年度の補正
予算
で、人員を四百四十七人増加されたのでありますが、これだけの増員で完全に気象の観測ができるとお
考え
であるか、この点お伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
34
○説明員(土佐林忠夫君) ちよつとお尋ねいたしますが、二十五年度でございますか。
藤野繁雄
35
○藤野繁雄君 二十四年度の補正
予算
では四百四十七人の増加するということで、
予算
が通過したのであります、これだけで完全であるかどうか。
土佐林忠夫
36
○説明員(土佐林忠夫君) 気象の事業と申しますものは、学問の本当の
研究
面から
災害
防止の非常に細かいところまで、非常に複雑多岐に亘
つて
いるのでございます。従いまして嚴密に幾ら幾らあれば気象事業を完全に遂行できるかという
計算
はなかなかむずかしいのございまして、現在與えられた人数で最善の
努力
をしているのでございますが、我々実際仕事をや
つて
おります者から見ますれば、もう少し余裕があればもつともつとよく行くのじやなかろうかと
考え
ております。
藤野繁雄
37
○藤野繁雄君 気象台を拡充するといたしましたならば、どんな点に主力をおいて拡充する必要があるのであるか。又
日本
の気象台の最も欠点であるというところは、どこの点にあるのであるか、この点お伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
38
○説明員(土佐林忠夫君) これもなかなかむずかしい問題でございますが、現在一番遅れております点は、
日本
の気象機関というものがその業務を運営いたします場合におきまして、
アメリカ
等に比べますと機械化の点が非常に遅れておるのでございます。例えて申しますれば、或る測候所で予報を出す、そこには予報者が三人おる、監督気象台には何人おる、
地方
気象台には百人もおるといつたような状態でございます。併しながらその連繋が非常にうまく取れないと、三人は三人だけ、百人は百人だけのことしかできないといつた結果になるのでございまして、私達の理想としいたますところは、中央気象台が
地方
の優秀な技術と大勢のスタッフでや
つて
おります仕事が、機械的な操作によりまして幾ら少い人数の測候所にもその結果が直ぐに到達して、そうしてそれが予報その他に役に立たなければいけないと思います。そのためにはどうしても機械化が必要だと思
つて
おります。
藤野繁雄
39
○藤野繁雄君 天気は西の方から段々と移動して来るのでありますから、私の
考え
としては現在の
日本
の気象状態から
考え
ると、中共その他の気象
状況
を入手することが困難であるのでありますから、この
方面
の気象を入手するということを最も速かにやらなくちやできないところの問題であると
考え
るのであります。さつき過日の長崎の会の模樣を
お話
にな
つたの
でありますが、そういうようなことを更に拡充しなければできないと思うのでございますが、この点について更に
一つ
御説明を願いたいと思うのであります。
土佐林忠夫
40
○説明員(土佐林忠夫君) お説の通りでございます。
只今
それに代るものといたしまして、代ると申上げますと語弊があるのでございますが、更に
研究
しておるのでございまして、それはずつと西はヨーロッパの端の方に至るまでの資料を全力を挙げて蒐集しておるのでございます。大体集
つて
おる区域はヨーロッパ全部、シベリア、それから南の方は印度その他まで全部集めております。それを総合いたしまして一週間乃至十日先の変化の
状況
、今中共地区とおつしやいましたが、更にヨーロッパ辺りからも変化をずつと追求をして参りまして、そうして先の見通しを立てるという方法を全力を盡して
研究
をいたしておりまして、着々と
効果
を挙げて、中共地区がなく
なつ
た困難性を補うということに
努力
をいたしております。それからもう
一つ
は確かに中共地区その他が要るのでございまして、気象の問題は非常に国際性を持
つて
おりますので国際
会議
がございますが、その国際
会議
を通じまして成るべく向うの資料がこちらに手入できるようにという申入れも、国際
会議
の方に出しております。あらゆる
努力
をいたしたいと思
つて
おります。
藤野繁雄
41
○藤野繁雄君 今あらゆる
努力
で欧洲
方面
の気象現象まで入手しておるということでありますが、最も必要なのは中共
方面
の気象であるのでありますから、これをできるだけ得るためには観測船を送りまして、その観測船によ
つて
得られるだけの気象現象を把握するのが最も簡單でないかと
考え
るのであります。この点からいえば西
日本
の海洋気象台に適当なるところの観測船が必要であると
考え
るのであります。然るに現在西
日本
の観測気象台には、六十余トンのものと二十余トンの小さい船だけでこの理想の観測をすることが困難であるのであります。
従つて
お尋ねしたいのは、そういうふうに西の方の気象を把握することが必要であるといたしたならば、西
日本
の海洋気象台に
相当
な観測船を備うる必要があると思うのでありますが、これに対してどんなお
考え
を持
つて
おられるか、お伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
42
○説明員(土佐林忠夫君) 全くお説の通りでございまして、国の
予算
が許しまするものならば是非そういたしたいと
考え
ております。
藤野繁雄
43
○藤野繁雄君 更に気象を調査するのについては、高層気象の観測が必要であると信ずるのであります。現在
日本
全国に九ケ所あ
つて
、九州には鹿兒島と福岡とあるのでありますが、西の果てであるところの長崎県において高層気象の観測をすることが最も必要であると感ずるのでありますが、この点についてお伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
44
○説明員(土佐林忠夫君) 確かにそうでございます。併しながら実際のところ高層気象の観測につきましては、現在
日本
の内地でや
つて
おりまするのは気象台の手でや
つて
おりますものと、
アメリカ
自身がや
つて
おりますものと両方を勘案して配置されておるのでございまして、
アメリカ
側とよく打合せないとそれができないような現状にな
つて
おるのでございます。
藤野繁雄
45
○藤野繁雄君 次に西
日本
の海洋気象台が必要であるということは、今申上げた通りであるのでありますが、対島の嚴原であるとか五島の富江であるというような所に測候所があるものの、これとの連絡が十分につかないために、予報は完全に出すことができない、こういうふうな不備の点があるのでありますが、これらのすべての
方面
に、有線、無線の連絡を完備して行く必要があると思うのでありますが、急速にこういうふうな設備を完備される
考え
であるかどうか、お伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
46
○説明員(土佐林忠夫君) 確かに富江その他に通信設備を完備する必要がありますことを痛感しておりますので、
予算
その他は確か通つたと思
つて
おるわけであります。併しながら通信につきましてはこれCCSもの許可が要るのでございまして、昨年実は無線の申請をいたしましたところ、実際にそれじや現在の有線
関係
の疏通
状況
がどんなであるかテストをすると申しまして、一週間向うでテストしたのであります。その結果つける必要なしという判定を受けまして、非常に遺憾に思
つて
更に再三向うに折衝中でございます。
藤野繁雄
47
○藤野繁雄君 今西
日本
の海洋気象台の
状況
を拜見してみますると、気象台の主なる建物は大蔵省の職員の住宅にな
つて
おるのであります。
従つて
気象の観測に非常に
支障
を来たしておるのであります。これは海洋気象台でありますから大蔵省の所管から運輸省の所管に移管される
考え
があるかどうか、この点お伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
48
○説明員(土佐林忠夫君) 大蔵省の方の都合もあることでありますので、できるだけ円満に気象台の方で全部早急に使わさして頂くように折衝いたしたいと思
つて
おります。
藤野繁雄
49
○藤野繁雄君 今、西
日本
の海洋気象台の
状況
を更に拜見してみますると、海洋気象台としては現在の所が必要であるのであります。然るに一方
一般
の気象を観測するためには、元の測候所の所が必要であるのであります。
従つて
同じ海洋気象台の中に
二つ
の建物があ
つて
二つ
の連絡をとらなくてはいけないのであります。この連絡をできるだけ密接にするのが必要であるのでありますが、現在はその設備がないために完全なる連絡がとれていない。
従つて
職員その他が非常に苦しむ状態に落込んでいる、こういうふうな状態であるのであります。でありますからこの
二つ
の建物の連絡を十分にとるためには、何らかの設備がなくてはいけないと思うのであります。そういうふうな設備を速かにせられる計画があるかどうかお伺いしたいのであります。
土佐林忠夫
50
○説明員(土佐林忠夫君) その事情も重々
承知
いたしております。それで長崎だけでありませんで、現在庁舎のある所と観測する所と非常に都合の悪いという所があるのでございますが、それも機械化することによりまして、必ず山の上で観測したものが、そのまま下の庁舎に、その資料が目の前に現われるといつたような設備をやりたいと
考え
ておりまして、これは中央気象台の気象
研究所
の方でその機械を
研究
いたしまして早急につけたいというので、
研究
にはもう着手いたしておるのでありまして今試験をや
つて
おりますので、できるだけ早くそういう設備をやりたいと
考え
ております。
藤野繁雄
51
○藤野繁雄君 私の知り得た範囲によ
つて
見ますると、熊本県の牛深に臨時の観測所を作つたために、台風その他の被害が毎年々々あ
つたの
が皆無に
なつ
たというような
状況
であるのでありますが、私は気象観測の完備によ
つて
日本
の絶えざる
災害
を防止することができると思うのであります。現在
政府
のや
つて
いるのは
災害
が起つたならば復旧すると、こういうふうなことであるのでありますが、
災害
を未然に防止するために気象官署を十分に拡張して、積極的な
予算
を組んで
災害
の損害を未然に防止されるところの計画があるかどうか、又こうしなくては
日本
は毎年々々
予算
として
災害
復旧費を出さなくてはいけないという
状況
にあると、こう思うのであります。この点について
責任
ある
大臣
の御答弁をお願いいたします。
大屋晋三
52
○
国務大臣
(大屋晋三君)
只今
の御
質問
の御
趣旨
は私においても全く
同感
でございますので、二十五年度の
予算
は一応出しておりまするが、その
趣旨
に副いまして将来は進みたいと存じます。
藤野繁雄
53
○藤野繁雄君 二十五年度の
予算
はいたし方はないといたしまして、近く選挙があつたならば臨時
国会
も開かれることであるのでありますが、その際においては思い切つた
予算
を作
つて
頂きたい、こういうふうな希望を述べて私の
質問
を打切ります。
堀越儀郎
54
○
堀越儀郎
君 私は運輸
大臣
にこの前の
国会
から関連したことについて、もう一度御答弁を得たいと思います。 鉄道のパスの問題で以前に非常に濫発をされているということで、これが非常に論議の的にな
つたの
であります。その後十分整理をせられたという
お話
を承わ
つて
いたのでありますが、その後も引続き種々のパスが何らかの名目において発行されているということについて、私は運輸
大臣
に御
意見
を伺
つたの
であります。ところが
大臣
としては、そのようなことは絶対にない、はつきりと整理をしてそのことは公表しているのであるから、そういう筈は決してないと言明されたのでありまするが、私は重ねて、そういう話が随分方々に出ているのでお取調をして頂く必要があろうとこう申上げておいたのでありますが、その後何らの
措置
をせられたように承わ
つて
おりませんが、最近に又そういうような話をたびたび聞くのであります。これは運輸
大臣
が直接認めて発行されておらないかも分りませんし、或いは運輸
大臣
は最初に声明された通り励行しておられるかも分りませんが、運輸省内に不正と思われるパスが盛んに発行されているということが新聞でも盛んに書き立てられたことを御記憶と思うのであります。二等、三等というパスの代りに二級、三級というような名称で用いられている、それが公然と通用しているのであります。事些細なような問題に
考え
られまするが、この前の
国会
で私が強く御
意見
を伺い、又反省を求めたのでありまするが、断然そういう事実はないと押切られた、その運輸
大臣
の管内において、すでにそういう事実が横行しているということは、運輸省の綱紀紊乱にも
関係
がある。もう
一つ
は又そういうようなことをさせるということは、職員の待遇の問題に私は関連して来るのでやないかと思う。前の国鉄裁定の
一つ
の
意見
としても、従業員が実質的には
給與
を引下げられているというようなことが裁定の
理由
にな
つて
いたように思うのであります。つまりこのパスの問題はかか
つて
運輸省の
一つ
の綱紀の問題であり、又
一つ
にはかか
つて
給與
裁定に関する大きな示唆をなすものではないかと思うのであります。毎日自分の
関係
している仕事に関連してそういうことがありがちだ、よく世間でいう役得というようなことが認められるとするならば、これは運輸省だけでなしに他の省において、或いは他の
民間
企業においても、非常に大きな影響を及ぼすことになるのでありますから、この点運輸
大臣
として、前にはつきりと私の
質問
に対してそういう事実なしと押切られた、その運輸
大臣
から直接今度の
事態
に対して御答弁を伺いたい。更に又どういう善処をされるかということをば併せてお聽きしたいと思うのであります。
大屋晋三
55
○
国務大臣
(大屋晋三君)
只今
堀越君の御
質問
でありまするが、昨年の議会でも正にさような答弁を申上げたのですが、現在の
状況
は基本的には何ら変
つて
いないのであります。即ち昨年の五月一杯で既発のパスの大整理をいたしまして、一部国鉄の従業員に関する分だけが残されまして、あとは全部廃止をいたしたのであります。ところが、その既発の分で実は十一月一杯まで有効の分が沢山ございましたので、従いまして、昨年の十一月が過ぎて十二月一日からはもう殆んど五月三十日限りで整理いたしましたものは全部無効に相成りまして、それ以来はつまり有効なものは結局六月一日からは
一つ
も発行しておりませんし、既発のもので十一月まで有効であつたものがそこで切れましたから、即ち十二月一日以降は、国鉄の従業員が貰
つて
おるパス以外にはパスは絶対に出しておらんのであります。
只今
でもさようなんであります。さよう御了承を願いたいのであります。 然るに御
指摘
の事実が遺憾ながら、この国鉄のいわゆるコーポレーションで、発行は勿論しておらんのでございますが、この運輸省
関係
のいわゆる
地方
にそれぞれ陸運局、或いは港湾局、工務局というようなところにその組合がありますのですが、その組合でいわゆるパス類似の証券を発行いたして、それを携帶して汽車に乘
つて
おる者がありました事実がありまして、それを嚴重に取締
つて
現在おる次第でありまして、
只今
堀越君の御
指摘
になりました分は多分そういう事実があつたことをおつしやるのではないかと思うのでありまするが、又その事柄は新聞にも載つたことがございます。併しさような事実を発見しまして以来はその根源を突き止めて、一切さようなことはさせないことにいたしておりますので、それを差止めました以前即ち現在においては、私の従来報告を得ておりまする範囲内においてはもう出しておる事実はないと、さように信じておる次第であることを
承知
を願います。
山田佐一
56
○委員長(
山田佐一
君) そういたしますと運輸
大臣
はちよつと退席せられますが、本日はどうですか、この
程度
で散会いたしまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
山田佐一
57
○委員長(
山田佐一
君) それでは本日はこの
程度
にて散会いたします。 午後三時三分散会 出席者は左の通り。 委員長 山田 佐一君 理事 岩木 哲夫君 田村 文吉君 寺尾 博君 堀越 儀郎君 岩間 正男君 岩男 仁藏君 委員 木下 源吾君 羽生 三七君 池田宇右衞門君 岡崎 真一君 小林米三郎君 平岡 市三君 深水 六郎君 堀 末治君 小林 勝馬君 前之園喜一郎君 赤木 正雄君 飯田精太郎君 藤野 繁雄君 帆足 計君 松村眞一郎君 川上 嘉君 小川 友三君
国務大臣
文 部 大 臣
高瀬荘太郎
君 運 輸 大 臣 大屋 晋三君
政府
委員 文部事務官 (
大学
学術局 長) 剱木 亨弘君 運輸事務官 (
大臣
官房会計 課長) 粟澤 一男君 運輸事務官 (鉄道監督局国 有鉄道部長) 石井 昭正君 説明員 運 輸 技 官 (中央気象台予 報部長) 土佐林忠夫君