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岩間正男君 これと連関したいろいろの
政策の点について問題があるのでありますが、これはまあ先の問題としまして、次に税の問題でありまするが、これも我々は
桐生でその実態を見て来たのであります。
池田蔵相の
新聞談によりますというと、どうも部下を責めるわけではないが、事務当局が私に附いて来ないと、事務当局のやり方について非難をされておるのです。併し我々は、最も典型的な税務署長を実は
桐生において発見した。
桐生に参りますというと、我々の
ところに
業者の代表が何人か参りまして、そうして
徴税の樣子についていろいろ訴えられた。併しこの
人達が帰り際に何と
言つたかというと、我々がここに来たということについては、これは絶対言わないで呉れ。若しもこれが知れた日には大変なことになる。実におどおどとしておる。その中には
桐生市の市
会議員をや
つておるという
ような地位の人もありますけれども、併し現在の情勢におきましては、この税務署の署長の持
つておる権限というものは実に莫大なものにな
つているわけです。そういう
ような形でありまして、いわば恐怖政治である。もう税務署とそれから
銀行ぐらい怖いものはない。警察なんかとても問題にならん。(笑声)警察の何十倍今日においては税務署が怖い。この
業者の戰々兢々たる有樣を見まして、これが民主主義を口にする
ところの
日本の、そして
吉田内閣の治下にある
ところの政治の
状態かということを我々は実に痛感したのです。更に後になりまして、この税務署長に会
つて実情を聞いた。どの
ように民主的に運営されておるか、この
ような実情が把握されておるか。
ところが
現状の把握については丁度今
蔵相の言われた
ような
程度であります。幾分最近の
状態では苦しい目に遭
つておる
ようであるけれども、併しそういうのには起
つていない。これはまるで
現状と違
つたことを言
つておる。これは恐らく知
つていないのか、或いは知
つていても頬被りをしておるのです。そうでなければ、あの苛酷な税金を取り立てることはできない。そういう形でありますからして、そういう
ようなつんぼ棧敷に入
つて頬被りでや
つておる。而もその税務署長が曰くには、私は今の
日本の官吏として飽くまでこの業務を遂行する、仮にこれによ
つて戰犯として追放されても敢えて悔ゆる
ところはない、この
ように申しておるのであります。この
ような苛烈な態勢におきまして、
桐生においてはものすごい恐怖が行われておる。例えば今まで申告に対して更正決定が来る、これに対して
異議の申立をする、そうしますというと、反対にこれに対する懲罰的な
意味か何か知りませんが、却
つて苛酷な多い
ところの税金が来る、こういう形でありますからして、今の
政府が言
つておる
ところの税金を緩和するなどということは末端まで行われていない。そうして私は又そのとき言
つてたのでありますけれども、一体これは税務署長が悪いのであるか、
政府が悪いのであるか、この点をはつきり我々は
考えなければならない。今のごまかしに乘
つて、口先で、国会で、そうして
政府の声明におきまして、そういう立場におきましては税金を緩和する、
中小企業に対する
対策はと
つておる。併しながら果して末端でそれが行われておる
ような情勢にな
つておるかどうか。
金融の面についてもこれは言いたい。担保の問題、それからいろいろな操作の問題、手続が煩雑だという
ようなことで、
政府の
融資した金がなかなか直ぐには渡らん、急場には間に合わないという情勢にな
つておる。その他同じ
ような形で
政府の中央において声明したものが末端まで何ら行
つていない。そうして末端におきましては、これはどういう
関係にな
つておるか
分りませんが、相関
関係はここで審かにしないのでありますけれども、口先では緩和しろと言
つておりながら、一方では飽くまでも公務員法による
ところの官吏の業務は遂行しろと、つまりこの二重の板挟みにな
つておるのが税務署長ではないかと、こういうふうに
考えられる節があるのであります。果してこの問題の
原因は
政府にあるのか、税務署長にあるのか。私は一地方の税務署長を吊し上げてみてもこの問題の解決はないということを見て来たのであります。併しながら本当に緩和するならば、この
ような方策が末端まで遂行されて、そうしてそれについてどの
ような
対策がとられておるか。実に
現状において見ますと、
桐生においては税務署長は悪代官の役割をしておる。今までの古い封建時代のあの
ような恐怖が起
つておるということを見て来たのでありますが、これについて
蔵相は末端まで即時
滲透し得る、即時使える
ような方策について弁明が願いたい。