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1949-12-14 第7回国会 参議院 本会議 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月十四日(水曜日)    午後二時十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二号   昭和二十四年十二月十四日    午前十時開議  第一 最高裁判所裁判官国民審査管理委員の選挙     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 諸般の報告朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りして決定いたしたいことがございます。法務委員長より検察及び裁判の運営等に関する実地調査のため、愛知県、京都府及び大阪府に鬼丸義齊君及び岩木哲夫君を十二月十四日より同月三十一日までのうち八日間、広島県山口県及び長崎県に來馬琢道君及び星野芳樹君を十二月十四日より同月三十一日までのうち十二日間、埼玉県、群馬県及び長野県に宮城タマヨ君及び遠山丙市君を明年一月六日より同月三十一日までのうち八日間、新潟県、富山県及び石川県に伊藤修君及び松井道夫君を明年一月六日より同月三十一日までのうち十日間、地方行政委員長よりシヤウプ報告書趣旨に関連する地方行政の改革につき実地調査のため、山形県及び新潟県に太田敏兄君及び岡田喜久治君を、大阪府及び岡田県に鈴木直人君及び島村軍次君を、それぞれ十二月十八日より明年一月三十日までのうち九日間、福岡県及び宮崎県に三木治朗君及び岡本愛祐君を、徳島県及び高知県に吉川末次郎君及び鈴木順一君を、それぞれ十二月十八日より明年一月三十日までのうち十一日間の日程を以てそれぞれ派遣いたしたいとの要求がございました。これら十六名の議員を派遣することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。  参事をして報告いたさせます。    〔海保参事朗読〕 本日議員栗山良夫君外六名から、委員会審査省略要求書を附し左の議案を提出した。  仲裁裁定に基く給與支給に関する決議案栗山良夫君外六名発議)      ——————————
  5. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) この際、日程に追加して、仲裁裁定に基く給與支給に関する決議案栗山良夫君外六名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。本決議案につきましては、栗山良夫君外六名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案審査に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。栗山良夫君。     —————————————    〔栗山良夫登壇拍手
  8. 栗山良夫

    栗山良夫君 只今議題となりました仲裁裁定に基く給與支給に関する決議案につきまして、発議者を代表いたしましてその提案趣旨を御説明申上げます。本決議案発議に先立ち、各派の間におきまして十分な連絡検討を行いました上、各派共同提案によりまして今日発議に及んだ次第でございます。先ず決議案朗読いたします。    仲裁裁定に基く給與支給に関する決議   政府公共企業体仲裁委員会裁定尊重し、速かに必要な措置を講ずべきである。   右決議する。  寒風をつきまして全国三十六支部百余名に達した国鉄職員ハンストによりまする仲裁委員会裁定即時履行運動は、今や重大な社会問題となりまして、国民の深い関心を高めつつあります。速かなる解決を要望いたしまする世論は、国鉄労働組合へ限りない同情と支援とを送りますと同時に、政府の無誠意を非難いたしております。国鉄職員窮乏を救い、国鉄再建に意を安んじて挺身せしめまするためには、政府も又国会もあらゆる努力を傾注いたしまして、この国民世論に応えなければならないと思うのでございます。然るに政府仲裁委員会裁定をば、予算措置を伴わずして、又何らの意見を付さないでそのまま国会に付議いたしましたために、一昨日以来、衆議院、参議院におきましては異常な物議を釀し、その結果、問題の早期解決を遅延せしめておりますることは、甚だ遺憾であると申さなければなりません。この問題の解決の要点は、法理論を展開いたしまして、法の細部でいろいろと討議を繰返すことでは断じてありません。先ず政府裁定尊重の明確なる意見を表明いたしまして、その上で最善努力を盡すということであろうと存じます。私共も又国民も、政府財政上不可能であるからして国会においてこれをそのまま認めて貰いたいという態度は、何としても了解し得ないのであります。裁定尊重するという基本的態度の上で最善を盡し、その上で不可能であるという国民の納得する理由を明らかにせられなければならないと思うのでございます。又昨日の議院運営委員会におきましては、政府予算上の措置を講ずる暇がなかつたと言われましたけれども、今回の問題は決して急に起つた問題ではないのでございます。すでに仲裁委員会経過或いはその結論に対しましては、大体の推察が付き得ておつたのでございまして、このような政府の言訳は、これ又国民を納得せしめ得るものでは断じてあり得ないと思うのでございます。合法的な労働攻勢が漸く世論を制しまして、且つ俄かに社会問題化しております今日におきまして、尚且つ裁定そのものを葬り去るのではないか、こういう危惧を国鉄職員、否、日本国民全体に抱かせるような政府態度は、根本的に先程私ず申述べましたところの誠意を欠いておるのであります。誠意なしと非難をされてもいたし方ないと存ずるのであります。国鉄労働組合がその民主化運動を通じ合法運動を展開いたしまして、その中で極めて不満ではあつたでありましようが裁定に無條件で服従をいたしておりまするときに、この権威ある裁定政府みずからが無視するように事態が起きますならば、労働組合運動合法的立場は根本から崩れ去りまして、再び非合法下の大きな運動が巻き起ることは必至であろうと思うのであります。このことは労働組合員の不幸であるばかりでなく、又国民全体の不幸ででもあります。又法の権威をみずから失墜させて行くところの政府の恥であるばかりではございません。民主的な再建を急ぎつつあるところの日本国全体の不幸であると言わなければなりません。(「その通り」と呼ぶ者あり)従つて政府は本決議案によりまして速かに問題を解決せられんことを要望するものであります。何とぞ全会一致で民賛同あらんことをお願いたしまして、提案説明を終ります。(拍手
  9. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 本決議案に対し討論通告がございます。順次発言を許します。藤井丙午君。    〔藤井丙午登壇拍手
  10. 藤井丙午

    藤井丙午君 私は只今上程されました決議案に対しまして、緑風会を代表いたしまして賛成するものであります。  国鉄従業員賃金値上げ問題についての経過は、すでに皆樣方御承知通りでありまして、国鉄従業員諸君生活窮乏に堪えつつ、過去の労働運動の嚴粛なる自己批判の上に立つて、飽くまでも冷靜合法的鬪争を展開し、遂に最終的手段である仲裁委員会裁定を仰ぐに至つたことは、只今提案者説明にあつた通りであります。私はこの国鉄労組の合法的な鬪争方針とその冷靜なる態度は、我が国労働運動の正しい発展の上に高く評価さるべきであると存ずるのであります。(拍手)而して問題は公労法第十六條第二項の規定に基き国会議決を求める段階至つたのでありまするが、政府はこの提案手続等につきまして、幾多の欠陷、問題がありましたことは、別の機会に論ずることといたしまして、少くもと私は国権の最高機関である国会が協賛を與えて制定されました公共企業体労働関係法に基いて設置されました権威ある仲裁委員会の嚴正なる裁定尊重すべきであるということは、恐らく何人も異論のないところであろうと存ずるのであります。要はこの裁定に基いて、国家財政見地から、或いは又一般物価賃金等総合的見地から、如何なる方法により、或いは如何なる限度においてこの裁定財政的に裏付けて行くかという問題であります。  第一に、国鉄従業員諸君給與現状は、一般民間労働者給與水準に比較しまして低位にあるのでありまして、政府の考えるごとく裁定案の実施によりまして一般賃金ベースの引上げを刺激するがごときことは考えられないのであります。のみならず、それが又一般物価の値上りを促進し、インフレを再発せしむるがごとき経済的影響は、懸念するに足らないと私は考えるのであります。問題は、裁定によれば総額四十五億のうち年内に三十億を支拂うべしということでありまするが、この中に、仮に国鉄会計におきまして約十八億程度財源捻出ができるといたしますれば、その残額は十二億の財源捻出という問題になるのでありまするが、これは財政收支の極めて窮屈なる現状におきましては、その財源捻出には相当の困難を伴うことは察せられないではありませんけれども、過般の二十四年度補正予算の際におきましても、百七十億の食管会計への繰入れが不可避の情勢となりました際、所得税自然増收を二百十億でしたか計上した等のいきさつを考えてみますれば、政府財政的努力の余地全くなしとは考えられないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)むしろ私は、権威ある仲裁委員会裁定がこの政府によつて無視され、労働者合法的手段による権利擁護最後のものまでが剥奪されるということになりますれば、先程栗山君がお話になりましたように、勢い労働運動非合法的手段に追込む結果となることは自明の理であると思うのであります。平和的国家再建経済的自立の極めて重大なる現段階におきまして、而も正しい労働運動発展を阻むがごときことは、我々の断じてとらざるところであります。(拍手)  以上のような理由によりまして私は本決議案賛成しますと共に、政府におきましてはこの裁定趣旨を十分尊重されまして、速かに万端の措置を講ぜられまして、国鉄職員のみならず、全勤労大衆を十分納得せしめるような最善努力を拂われんことを私は希望する次第であります。国鉄従業員諸君生活の安定を図り、我々国民の足である国鉄運営が、より合理的、より能率的に改善されんことを我々は切に希望するものであります。(拍手
  11. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 小林英三君。    〔小林英三登壇拍手
  12. 小林英三

    小林英三君 民主自由党を代表いたしまして、只今上程しておりまする決議案に対しまして賛成の意を表明いたしたいと存じます。  公共企業体仲裁委員会がかねて国鉄労働組合の申請にかかりまする賃金ベース改訂その他の問題につきまして去る十二月の二日に下しました裁定は、只今藤井君がちよつと触れられましたように、一、賃金ベース改訂は差当り行わないが、少くとも経理上の都合により職員が受けた待遇に切下げは是正されなくてはならない。二、前項の趣旨によりまして、公社は本年度におきまして総額四十五億円を支拂うものといたしまして、うち三十億円は十二月中にこれを支給し、一月以降はベース改訂のあるまで毎月五億円を支給する。その他三、四の項目がありましたが、大体におきまして以上申上げたのが眼目であると考えられるのであります。  この仲裁委員会裁定は、公共企業体労働関係法によりまするというと、三十五條によりまして最終的決定でありまして、双方の当事者でありまするところの国鉄も又労組もこれに従わなければならないのでありまするが、現在の国鉄予算上又は資金内容といたしましては、国鉄といたしましては直ちにこれに従うことは不可能でありまして、いわゆる公労法の第十六條第一項に該当いたしまするので、この問題を同條第二項の規定によりまして国会に付議せられるようになりましたことは御承知通りでございます。国鉄労組各位が、我が国現在の経済情勢、特に独立採算制によりまして最近立ち上りました国鉄の内部の経理上の都合によりまして、極めて労組方々がお気の毒な状態に置かれておりますることは、国会の党派の如何を論ぜず、ひとしく御同情申上げるところであります。(拍手)この件に関しましては参議院はここに各派共同提案によりまして、只今栗山君の提案理由説明にありましたような趣旨によりまして決議案を提出いたしまして、私も民自党を代表いたしまして本決議案賛成せんとするものでありますが、現在国鉄といたしましては、先般も経理均衡を図るために、国民大衆の少からざる犠牲におきましても万止むを得ず貨物運賃八割値上げを去る臨時国会におきまして認めざるを得なかつた内容であり、又国家財政といたしましても、いわゆる均衡予算堅持建前からいたしましてなかなか容易ならざることは論を待たないのでございます。併しながら我々は今日国鉄五十万の労組方々の誠にお気の毒な状態には深く御同情を申上げざるを得ないのであります。勿論この問題につきましては、政府といたしましても非常なる御心配をしておられるでしよう。併しながら何とぞ公共企業体仲裁委員会裁定趣旨を十分に尊重いたされまして、一時も早くこれが必要なる措置を講ぜられんことを切に政府に要望いたしまして、本決議案賛成をいたすものであります。
  13. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 鈴木順一君。    〔鈴木順一登壇拍手
  14. 鈴木順一

    鈴木順一君 私は民主党を代表いたしまして、只今上程されました決議案に対し賛成の意を表するものであります。以下簡單賛成趣旨を申上げます。  このたび国鉄並びに労組の間におきまして協定が成立せずに、仲裁委最終決定となつたのであります。これは今回が最初でありまして、重要なる先例となるために、国会政府も愼重に処理すべき問題であることは御承知通りであります。さもなきときは、公労法の意義も、又この法律により合法的に紛議を解決しようと努力しているところの労組側の善意をも踏みにじられるのであります。今回の裁定の適当であると考えられる点は、今朝のマツコイ公務員課長代理の言辞をかりずとも、次の事由により明らかであります。即ち実質賃金低下補つた程度のものであることであります。即ち被服貸與期間の延長、宿舎料金の値上、各種乘車証の廃止、夜間給食制度有償化医療費の値上、物資部職員の切替え、昇給繰延べによるもの、特別勤務手当超過勤務手当制限等によりまして、一ケ月千円以下の実質賃金低下となつているのであります。これを国鉄五十万人といたしまして一ケ月五億と見ましても、十二月支給の三十億は六、七、八、九、十、十一の六ケ月分であります。裁定は時宜に適しているものであると考えるのであります。給與問題の審議先決條件は、政府としては仲裁委裁定をどこまでも尊重する意思を明白に表明することであります。この態度の上に立つて最善努力をすることであります。然るにこの問題について、政府予算上の措置を講ずるに時日がなかつたと弁明しておりますが、公務員公共企業体職員給與の問題は、今急に起つたことではないのでありまして、労働攻勢が高まり、のつぴきならぬ羽目になつてから、何らの対策も持たず、裁定をも、うやむやに葬り去ろうとするのではないかと怪しまれるような処置をとることは、給與問題に対する誠意を欠いたものと非難されても仕方がないのであります。(拍手)今回の場合は、給與予算を速かに編成して国会審議を求むる以外に外に対策は絶対にないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)然るが故に、政府給與予算を編成し、裁定趣旨を実現し、国鉄労組員の安定を図り、能率の増進により採算を有利に導くよう努力すべきものであると存ずるのであります。以上を以て賛成いたします。
  15. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 星野芳樹君。    〔星野芳樹登壇拍手
  16. 星野芳樹

    星野芳樹君 私は只今上程されました仲裁裁定に基く給與支給に関する決議案に対して、無所属懇談会を代表いたしまして、簡單賛成の意を表したいと思います。  その理由は、この裁定案は、仲裁委員会裁定なるものが公共企業体労働関係法三十五條によつて最終的決定であるということが明記されている法律上の建前のみならず、更にこの仲裁委員会委員内閣総理大臣自己責任を以て任免しているということからしても、当然権威あるものであり、更にこの裁定案には国鉄及び労働組合両方が従うべきものでありますが、一方、国鉄資金資材の面においては政府の監督を受けているのでありますから、当然この裁定案に対する予算措置政府が全面的に責任を負わなければならないものと思うのであります。こういう理由においてこの決議賛成するゆえんでありますが、以上の理由をもつと述べましても前者の論を繰返すことになると思い、何らの新規言葉を附け加える必要はないのであります。この新規言葉を附け加えることのないというところにこそ、この決議案が明々白々で妥当なる理由があると考えられると思うのであります。ただこの際私が特に強調をいたしたいのは、この決議案にある「裁定尊重し」という意味でありますが、「尊重し」というのは、飽くまでも実行伴つたものであることを強調したいのであります。世間常識では、「尊重し」と言つても、あなたのことは尊重するが心に疊んで置くということもあります。法律上の尊重というのは必ず実行伴つて、(「全面的実行だ」と呼ぶ者あり)全面的に実行伴つて、これが尊重されて、而も法律上の最終決定、こういうものでありまするから、最終決定尊重する、そこに一分でも隙があつたら、一分でも実行がなかつた尊重でないと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)その点を特に強調したいと思うのであります。一方、労働組合の方は、むしろこの裁定案社会常識から考えますれば、現在の物価状況などから比べてむしろ低きに失するに拘わらず、裁定委員会裁定に服して、而も鬪争を飽くまでも合法的の枠内に行なつて来た、過般のハンストのごときも、恰かも国鉄労働者の怒りの炎が奔放に燃え盛るのを、肌身を以て子を助けておるようなものである。これをしも又政府が踏みにじつてこれを否認するようなことがあれば、前論者が幾度が繰返したような、政府みずからが労働組合非合法鬪争に追いやることになる。鬪争に追いやる責任があるのみならず、その場合には政府非合法鬪争教唆者責任を負わざるを得ないのであります。併しながら私も、政府の諸公と雖も、その非武裝民族として、世代の十字架を負つた民族の一員として、この普遍妥当なる決議案に対しては文字通り尊重する一片の良心のあることを信じつつ、この裁定案決議賛成するゆえんであります。(拍手
  17. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 小川久義君。    〔小川久義登壇拍手
  18. 小川久義

    小川久義君 私はこの決議案新政クラブを代表して賛成をするものであります。  最近、汽車に乘つて見ましても、又停車場でいろいろ職員方意見を聞いい見ましても、その勤務振りを見ましても、職員はまじめに働いていることにいつも感謝を続けているのであります。而も給料は安いのであります。この、実直に働きながら、止むに止まれぬ血の叫びを以て、最も穩健に、合法的に、円満裡に、公共企業体仲裁委員会裁定ができ上つたと思うのであります。然るに政府は、十二月の二日に決定した裁定に対する支拂のことは、余り考えていなかつたように思うのであります。最後に十日目の昨日になりまして国会議決を求めて来ましたが、その政府意思の表明がないのであります。この裁定は御承知通り最後的の決定でありまして、国民全般が忠実に守るべき筈であると思うのであります。それを政府財政措置が伴わぬから不承認にして呉れというような含みのことを申入れて、我々に審議要求したのでありますが、その審議の半ばにおきまして、一日も早く、このまじめな、而も低賃金に甘んじて働いておる国鉄職員各位に、この年末を控えて一日の早く政府は、あらゆる予算措置を講じて拂うべきことを熱望いたしまして、本決議賛成するものであります。  特に附け加えて置きますが、本議場におきましていろいろの決議が各国会ごと議決されまして、政府に要望しておりますが、いつもそれがうやむやの形になるのが多いのでありまして、只今決議に対しましては、特に先程から申上げましたまじめな職員を養成し、その苦痛を救う意味からしても、一日も早く、而も押詰つた年末でありますれば、年末に間に合うよう一日も早く支拂いあらんことを熱望いたします。(拍手
  19. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 中野重治君。    〔中野重治登壇拍手
  20. 中野重治

    中野重治君 日本共産党はこの決議案賛成です。その理由を二つだけ申します。  第一は、国鉄人々が今非常に苦しい状態にいるという事実、こういう人人に何としてでも年の瀬を越させなければならぬ、この問題が第一です。これは国鉄の人ばかしではありません。まじめな日本人全体の問題になつておる。それですから、今度の問題がどういう成り行きをとるかということについては、まじめな国民全体が一心になつて、人ごとならずこれを気にかけております。又この問題については組合は、総同盟から産別まで皆同じ歩調をとつている。政党でも、参議院においては、共産党から民自党までが基本的には同一歩調をとつている。(「そうだ」と呼ぶ者あり」笑声)で、苦しい生活をして国を維持している労働者に金を拂うなと、こういう政府のやり方に賛成している者は、まじめな国民の中にはただの一人もありません。今度の給與の問題は、金高にすれば非常に低いものなのであつて、あれだけで解決するものではありませんが、これは最低、一番低い額の問題でありまして、とにかく暮前に受取つてしまわなければならぬ。内金としてでも取るものは取らなければならぬ。これが非常に切実な問題だという意味で、我々はこれに賛成する。それが第一の点です。第二の点では、我々は国法を守らなくちやならん。これは多くの人々が言われましたが、この裁定委員会というものは、吉田政府が提出して国会法律作つて、そうして委員総理大臣が任命しておる。みずから作つた法を破り、みずから任命した判官判定を拒否するというようなことは、極端に堕落した者だけができる。これは全くごろつきのてあいであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)こういうことは歴史上、どういう政府でも、自分作つた法律自分で破り、自分で任命した判官判定を拒否するような、そういうふうな政府や国は、ずつと亡びて来ておる。これが外の場合ならば、例えば犬の場合ならば、狂犬なんかは現に吉田政府の厚生省では、法によつてストリキニーネで処理しております。併し我々はこの場合、現に民自党の中からも、こういう政府のやり口は改めなければならぬという意見が出ておるのでありますから、最後手続によつて政府に重大なる警告を発する、こういう意味で、この決議案賛成いたします。それですから、この中に「尊重し」とある言葉は、あの判定政府が従わなければならぬ、こういう意味になる。(「違う々々」と呼ぶ者あり)こういう意味において我々は賛成いたします。(拍手
  21. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) これにて討論通告者発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本決議案の採決をいたします。本決議案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  22. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 総員起立し認めます。よつて決議案全会一致を以て可決せられました。(拍手)  只今決議に対し運輸大臣より発言を求められました。大屋運輸大臣。    〔国務大臣大屋晋三君登壇拍手
  23. 大屋晋三

    国務大臣大屋晋三君) 只今決議に相成りました件につきましては、政府誠心誠意これが実現を期しておる次第であります。尚且つ本院の決議趣旨に基きまして、万全の措置を講ずるつもりでおります。(拍手
  24. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 議事都合により本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松嶋喜作

    ○副議長松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。次会議事日程決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、実地調査のため議員派遣の件  一、仲裁裁定に基く給與支給に関する決議案