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衆議院法制局参事(
福原忠男君)
只今の
松井委員の御
質問に私からお答えいたします。第一点のこの
司法書士について
認可制度をとり、
国家試験制度をとらなか
つたという点が
憲法の
職業選択の自由に牴触の虞れなきやという点につきましては、もともとこの
司法書士というものは、やはり
人権の
尊重と申しますか、比較的下層の方々を相手にしてその人達の
権利の
尊重を図るという点に、
司法書士の
職務の大半があるように思われるのでありまするが、さような
意味合からいたしますると、その
業務の
適正化を図るということが、非常に必要なことになりまするので、従来からこれは
法務総裁の
監督に属していたのでおります。併しながら時運の進展と共に、そのような全部的な
監督をそのまま続けて行くということが如何かと考えられまして、この度の
改正にな
つたのでございますが、その点から鑑みまして、
全面的監督はともかくも、最終的な形では
法務総裁或いはこの
法務局の長が
懲戒権を持つことによ
つて、その
事務の適正を図るという点で、これは公共の福祉の点から、やはりそのような保障が必要だという点から考えられて、かような形をと
つたのでありますので、
憲法上の問題もないものかとこう考えております。
それから
八條の問題はこれは御尤もな御
質問なのでございますが、従来もこれはありましたが、これに対しては
罰則がなか
つたということと、かたがたこの度外の面については
罰則をつけたということは、多少開きがあるように見えるのでございますが、御存じのようにこちらの方に大変御迷惑をかけまた
弁護士法の
規定で、これに該当いたしますもので、
双方代理の
規定がございますが、その点につきましても、やはり同様に
相当きつい、これよりももつと詳しく
双方代理を禁ずる
規定を置いたのでありますが、それについては
罰則をつけてありました。そのような
関係からいわばその前例を踏襲いたしまして、これはやはり
懲戒事項ということに止めることがよろしいかと考えて、そのようにいたした次第であります。
第三点の十六條に関しましては、これは実際の
運用の面から申しますと、可なり
不都合を生ずるということは十分に考えられるのでございますが、もともとこの
法律は
司法書士の実態が過去三十年間において、
相当に充実して参りまして、或る
程度の能力があるということを認めた上の
立法でございますので、そのような若し
不都合な者がありますならば、それはやはり
懲戒その他の形で適当に善処ができるのじやないかとこう考えております。又第十
八條で
法務府令で多少
業務の執行に関しましては、行き過ぎがありますならば、その点についての多少のチエックはできまするし、その命令に違反した場合にはそれが又
懲戒事項になるということで、結局はやはりこの
司法書士に対する
監督も行き届くことができるのではないかと、こう考えております。