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松井道夫君
朝鮮人の
国籍の問題についてはこれは現在に始まつだのではなく夙に問題にな
つておることです。私も第六回の国会で施政方針における
質疑においてその点に触れておるのであります。現在一番問題にな
つておることは
大韓民国並びに三十八度以北の何と申しますか、北鮮と申しますか忘れましたが、その国と二国が
成立しておりまして、そうして例えば
大韓民国の
政府の見解といたしましては、要するに
朝鮮人は
朝鮮に住むと
日本内地に住むとを問わずこれは
大韓民国の
国民である、さような見解を堅持しているのであります。たまたま私の質問に対しまして、
法務総裁から
朝鮮人はすべて
日本国民であるという
答弁をされました結果、
大韓民国のたしか国会であ
つたと思いますが、相当な問題を起しまして議長が声明を発しておるのであります。その後そういうことがありますのでますます対日感情というものはよくなくな
つて来ておる、最近李大統領が渡日せられたりいろいろ貿易の話などもございますのでどうか知りませんが、相当
国民感情としては悪化いたしておるのであります。これは将来にと
つても重大な問題であるので、
政府におかれても十分その間
日本と
大韓民国の
関係その両国の
国民感情の融和ということには努力して参らねばならないと思います。それで私も実は鬼丸
委員の
只今疑問を提出せられたそうい
つたような感じを持
つてお
つたのであります。
只今の話ではそうではありません。それで私は
講和條約のときに
日本在留の
朝鮮人については、その
志望によ
つて直ちに
日本人になり得るというような簡易な
方法を認めたらどうかということを提案いたしたのでありますが、
政府の方ではもともと
日本人であり且つ
講和條約によ
つてはつきりするのであるから、そういう点は必ずしも
考えてはおらないという
趣旨の
答弁であ
つたのであります。
政府委員の御
答弁の中に
内地においての
朝鮮人と
朝鮮本土においての
朝鮮人と別個に
考える
考え方もあるということを言われたので、実は私はそうい
つた考え方ができないものかと以前
考えておりましたのでその点をお聞きしたいのでありますが、
朝鮮におりまする
朝鮮人これはすでに
国際上の既成事実といたしまして
大韓民国ができている。それでその
国民は
大韓民国に住んでその
国民として生活いたす、それを認めておるのであります。而も
内地におります
朝鮮人の中には
大韓民国の代表部が今しきりに
国民の登録をいたしておる。現在は済んだかどうか知りませんがそれに積極的に登録した人も沢山あると思うのであります。そういう人達はこれは
一つの既成事実として認めて大韓
国民として、その他のものはこれは
日本人として取扱う、そうい
つたような區別ができないことはないと私
考えておるのでありまするが、併しまだ
はつきりした論拠を持
つておるわけでありませんし、それで
只今言われた
内地に住んでおる
朝鮮人と、韓国におるところの
朝鮮人との
国籍を
日本の
立場といたしまして分けて
考えるという議論はどういう方面にあるのか、又その
根拠はどういうところであるかその点をお伺いしたいのであります。