○小林英三君 それから
証人にお伺いいたしたいと思いますが、この
五井産業の
事件というものは現在
証人もよく御
承知のごとく、あなた自身が
承知しておられるように、詐欺
事件というよりも現在ではむしろ政治問題化しているように我々は
考え、今それはこの
事件の中に
昭和二十三年春頃か、二十二年でありますか、二十三年、丁度自由党が野党時代でありましたこの当時に、いわゆるあなたの調書の中に、たまたま自由党の総裁である吉田さんがときどきお使いにな
つて、自由党の管理に属しておる荻外莊に対していわゆる事務費とか何とかいう問題が出て来た。或いは当時の代議士である、今官房長官であるが、当時の一代議士に過ぎなか
つたところの増田、現在の官房長官、これの名前が出たと、先程あなたの
委員長からの
調査によりまして大部明らかにな
つておる。名前が出たと、たまたまそういう荻外莊であるとか或いは増田官房長官の名前が出て来たということを先般ジヤーナリストが取上げて、これを新聞に取上げたと、これがたまたま真相を少しも知らないところの、審らかに知らないところの
国民が曾ての
昭和電工
事件におけるその当時の芦田総理であるとか、或いは來栖蔵相であるとかいうような問題を連想して、今度も又何かあ
つたんじやないかというようなことを
国民が詳らかの知らない
国民がこれか連想しておるという今日の現状であると私共は
考えます。私共は先般来法務委員としてこの問題にタツチしており、もう殆んど
世の中の人が問題にしたり、新聞紙が問題にしたような問題ではない。今朝程
委員長があなたに
お尋ねしており、中には可なり詰らんこともあると思う。そこで私はこの詰らん問題を一日も早く明らかにする、
国民に明らかにするということは、これは私は少くとも対外的にも対内的にも我々
日本人として、又
日本の国として大きな利益である。こういう
考え方から
はつきりともう一遍私はあなたにこの問題を明らかにしたいと思う。
証人をめぐ
つておるところの例えば詐欺
事件というようなものは、これはもう我々がここに取立ててどうだ、こうだとい
つて調べるべきものではない。これは
裁判所もある、何もある、我々がただ政治問題としてこの問題を明らかにしたいと思うのは、この警視庁の内部のいろいろな経緯もありましよう。これも明らかにしなければなりませんが、先ず今の
証人に特に私がお伺いしたいと思いますことは、いわゆる福田篤泰さんがあなたから小切手で三十万円貰
つている。その当時は福田篤泰さんに聞きますと、秘書でも何でもなか
つた。ただ自由党の一党員であ
つたと、これが丁度自由党が管理しておるところの荻外莊、この荻外莊の、当時いろいろ支拂の方に困
つてお
つた。それで福田篤泰さんがあなたと知人であ
つたと、非常な知己であ
つたという
関係で、実は非常に困
つておるから、
佐藤君、金廻りがいいようだから貸して呉れというので、あなたが小切手でお拂いに
なつた、こういうわけなんです。これは
はつきりしておりますね。あなたにこの吉田総裁に上げるとかどうかということを聞いたわけじやない。福田個人に、これを友人
関係として困ついおるから上げた、こういうわけですね。