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1950-02-04 第7回国会 参議院 文部委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月四日(土曜日) 午前十時五十三分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
日本学術会議法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣提出
) ○
派遣議員
の
報告
○
教育文化施設
及び
文化財保護
に関す る
一般調査
の件(
文部省関係予算
の 件) —————————————
田中耕太郎
1
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それでは、今日の
文部委員会
を開会いたします。 先ず
議事日程最初
の
日本学術会議法
の一部を
改正
する
法律案
が、本
委員会
に本付託になりました。以上を
議題
にして頂きます。先ず
政府委員
の
提案理由
の
説明
を求めます。
菅野義丸
2
○
政府委員
(
菅野義丸
君)
提案理由
の御
説明
を申上げます。この
法律案
は、
日本学術会議法
の第
七條
の一部と、第十
七條
の一部を
改正
しようとするものでございます。
日本学術会議
は、
我が国
の
科学者
の内外に対する
代表機関
といたしまして、
科学
の向上を図り、
行政
、産業及び
国民生活
に
科学
を反映浸透させるための
機関
でありまして、直接国権の行使に
参與
する
機関
ではありません。又、その
会員
は、
我が国
の
科学者
の
互選
によ
つて
就任
するものでありまして、
国立
、公立、私立の
研究機関
に属するものばかりでなく、広く
各層各階
の
科学者
から選出されるのであります。かような
日本学術会議
の
特殊性
に鑑みまして、特に
国会議員
の
兼務
を認めることにいたしたい、かように考える次第でございます。又、前回の
選挙
の結果に鑑みまして、
会員
の
選挙権
及び被
選挙権
の
資格
の
基準
を明らかにする必要を認めまして、
改正
を試みたわけでございます。 以上が
本案
を提出する
理由
でございますが、よろしく御
審議
の程をお願いいたします。
田中耕太郎
3
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 次に細目の
説明
といたしまして、
説明員
、
日本学術会議事務局長本田弘人
君の
説明
を求めます。
本田弘人
4
○
説明員
(
本田弘人
君)
只今提案理由
の御
説明
がありましたが、それに多少敷衍しまして私から申上げたいと思いますが、第一の点は、その第
七條
の一部
改正
であります。お手許に
対照表
を差上げてありますが、
学術会議
は
科学者
の
互選
によ
つて
成立つものであります。
各階各層
の
科学者
が集るところにその大きな
意味
があるのでありまして、その点におきまして、他の方面からは大体
互選
されて
就任
することはできるのでありますけれども、
国会
の
関係
におきましては、その点が
はつ
きりしていない。
はつ
きりしていないのみならず、又事実上いろいろな
支障
が起るのでありますからして、このことを
はつ
きりさして、その
兼務
が当然できるようにしたい。これが第一の点であります。 それから第十
七條
の
改正
につきましては、これは極めて機械的なことでありまして、
学校教育法
に短期
大学
というものができましたから、その一部を
はつ
きり附加えて置きたい。それからもう一つは従来
科学者
の
互選
によります際に、その認定につきまして、
学会等
でただそれを認めるだけでなく、それを
科学者
であるということを
はつ
きりさせるために、相当の業績の客観的に判定できるようなものを附加えなければならない、こういうことでありまして、このことは有権者の
資格
を
はつ
きりするために、特に
選挙
の結果に鑑みまして、このことを
附加えたい
、こういうだけであります。
田中耕太郎
5
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それでは
質疑
に入りましてよろしうございますか。別に
簡單
な
改正案
のようですから、
一般的質疑
とか、或いは逐條とか分けないでもいいかと思いますが。
若木勝藏
6
○
若木勝藏
君
政府委員
に
ちよ
つとお伺いしますが、第
七條
の第四項に、「
会員
は、
国会議員
を兼ねることを妨げない。」ということがありますが、入れた場合と入れない場合とどういうふうに違いますか。入れない場合は当然こういうようなこと……、兼ねることを妨げるという解釈ですか。どうしても入れなければならないというのですか。
菅野義丸
7
○
政府委員
(
菅野義丸
君)
只今
のところでは、大体これがない場合には、
国会議員
を兼ねることができないというふうに解釈されているわけでございますが、兼ねることを認める場合には、入れることが
原則
のようでございます。この点いろいろ疑問があ
つた
り、或いは議論が起
つた
りいたしますので、特にこれを
はつ
きりさしたいというのが、今回これを挿入する
趣旨
であります。
山本勇造
8
○
山本勇造
君 これがない場合には入れないというような今御答弁だ
つたの
ですが、現実に、
田中
君を初めとして四人の
議員
が現在入
つて
いるのじやないですか。
本田弘人
9
○
説明員
(
本田弘人
君)
現行法
によりますと、この第四項がない場合になりますと、現在の
国会法
の第三十九條によりますと、「
議員
は、
内閣総理大臣
その他の国務大臣、
内閣官房長官
、
各省次官
及び別に
法律
で定めた場合を除いては、その
任期中国
又は
地方公共団体
の
公務員
と兼ねることができない。但し、
国会
の議決に基き、その
任期
中
内閣行政各部
における各種の
委員
、顧問、
参與
その他これに準ずる職務に就く場合は、この限りでない。」こういうことにな
つて
おります。
参議院議員
で懸ねられておられる方が四人ありますが、それは
国会
の承認を得まして、その
就任
がされておるのであります。ところが
衆議院
の場合におきましては、第一にこういう
原則
が
はつ
きりしておりませんと、立候補すること自体ができないわけであります。
衆議院議員
に……
参議院
でも改選になりますれば、立候補することができないことになります。こういう
原則
が、
就任
の
原則
が認められますというと、
公職選挙法
の中でも、
政令
によりまして
政令
の中に当然謳われることになりまして、それが兼ねることが
はつ
きりできるようになるわけです。こういう次第になります。
田中耕太郎
10
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 他に御
質疑
ございませんか。
若木勝藏
11
○
若木勝藏
君 今の点についてもう一つ伺いたいと思いますが、
学術会議
の
会員
の中には、いわゆる
国家公務員
の方とそうでない方があるようですが、そうするというと兼ねることを妨げないということに対しては、
国家公務員
の場合には、すでに
国家公務員法
によ
つて
決定されておるものであるから、第四項の
国会議員
を兼ねることを妨げないということは別段触れないということになるのですか、その点をお伺いいたします。
本田弘人
12
○
説明員
(
本田弘人
君)
国家公務員
……、今の
趣旨
が私
はつ
きり……少し誤解しておるかも知れませんが、
国家公務員
、例えば
大学
の
教授
、
国立大学
の
教授
である
国家公務員
の場合につきましては、これは
国家公務員法
によりまして、
学術会議
の
会員
は
特別職
に今のところ指定されております。それで
一般国立大学
の
教授
である場合に、それが
学術会議
の
会員
を兼ねることには、今のところ何ら
支障
はございません。ただ
大学
の
教授
がたまたま
学術会議
の
会員
であるが故に、
国会議員
を兼ねるということは、そこまでは考えておりません、この案では。この
程度
でよろしうございますか。
若木勝藏
13
○
若木勝藏
君 そうすると考えておられないというふうなことの根拠ですね。それはやはり
国家公務員法
によ
つて
規定されるから考えないということになりますか。
本田弘人
14
○
説明員
(
本田弘人
君) それは
学術会議
としては、これは
国会
と
一般公務員
との
関係
になりますので、
学術会議
の立場からそこまで考えていないということを申したのであります。
田中耕太郎
15
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 第十
七條
の第一項の
改正
については別に御
質疑
ございませんか。
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
田中耕太郎
16
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
速記
を始めて、別に御
質疑
がご
ざいませんければ
今日は
本案
はこの
程度
に止めておきます。 —————・—————
田中耕太郎
17
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 次に
教育文化施設
及び
文化財保護
に関する
一般調査
を
議題
といたします。
ちよ
つと
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕 —————————————
田中耕太郎
18
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
速記
を始めて、それでは御異議がご
ざいませんければ日程
の順序を変更いたしまして、一番最後の
議題
、
派遣議員
の
報告
をお願いいたします。
鈴木憲一
19
○
鈴木憲一
君
四国地方
へ
派遣
されました私達の
状況
を
報告
いたします。
派遣
になりました
議員
は
鈴木
、河崎の両
議員
でありまして、それに
文部委員会
の專門員として石丸氏、
調査主事
として瀧氏、それから
文部省
から一名伊藤君が同行されました。
派遣期間
は一月十二日より二十一日まで十日間であります。
視察
をいたしました
概要
を御
報告
申上げます。
視察
いたしました箇所は、大体
香川
、
愛媛
、
高知
の三県の
文教
、
文化
に関する面であります。 第一に
視察
の
行政当局
との
関係
は、
香川
、
愛媛
、
高知
三県の
県知事
及び
県当局
並びに
教育委員会
、尚丸亀市、
西條
市、
松山
市、
八幡濱
市の市長並びに
市当局
の方とそれぞれ懇談をいたしました。
教育施設
といたしましては、
国立大学
及び県立
大学
併せて四校、
高等学校
六、
中学校
三校、二
学校
四校、
盲聾唖学校
一校、計十八校を
教育施設
として
視察
しました。
文化施設
としては図書館が三、体育館が一、美術館が一、公園が一、計六ケ所。
文化財
としましては、国宝に属する城が三、寺が一、
仏像
が十、
史蹟名勝天然記念物
では、
史蹟
が二、
天然記念物
が二、その他
仏像
一、
庭園
一、神社一というので
合計
十一ケ所の
文化財
を
視察
いたしました。 次に
四国
四県の
教員組合
の
代表
と懇談いたしました。大体そういうような
状況
でありますが、以下これを少しく実際について御
報告
申上げたいと思います。
文教関係
でありますが、
小中学校関係
におきましては、先ずどこでも六・三
予算
の
配分
について、
四国
では非常に強く
要望
が出ました。その一例を見ますると、
愛媛
県のごときは六・三
制実施
による
校舎不足
とこれに加えて、戰災、震災、風水害というようなことで非常に
校舎
の破損破壞が多か
つた
んであります。大分八万坪の
不足
がある。
昭和
二十二年から逐年
整備
に
努力
をして、現在約六万四千坪できて、
不足分
の八〇%をここで定遂したけれども、このため約三億五千万円の
負担
と
なつ
た。そのうちで二億八千万円が借金にな
つて
おる。で
市町村財政
に大打撃が與えられておるので、これを何とかして貰いたい。これはもとより
国庫
の
補助
を
予定
してなされたことであるが、今度の二十四
年度
の
補正予算
の
配分
が
予想額
三千万円ぐらいは貰えるものと
思つて
お
つた
が、約その二割七分の八百万円で打切られた。以上のようなふうで非常に気の毒な運命に
愛媛
県のごときは追込まれておる。
四国
全体を見ましても、この
配分
の割が割合によい県があるという
実情
に鑑みられて、本
年度
の
予算
の
配分
には大いにこれを
考慮
して頂きたいとい
要望
が非常に強くあ
つたの
であります。尚次のような
実情
は本
年度
の
予算
の
配分
の際に相当
考慮
されなければならないんじやないかと私は思うんです。先ず
山間島嶼
の多い
高知
とか
愛媛
とかいう
地方
では非常に強く
要望
されたんですが、例えば一町村に数校乃至十校も
学校
を持
つて
おるという村があるので、こうい
つた
ような所に対して
生徒
一人
当り
〇・七坪の枠を押付けられるというと、実に困ると、であるから何とかして例外を認めて貰いたい。尤もなことだと見て参
つたの
であります。 それから戰災都市の
バラツク建築
には、非常にもう甚しい
老朽
のものやなんかがありまして、
既成建築
とこれを認められるのでは非常に困るだろうと直ちに分るものがあるのであります。例えば
高知
市の
城西中学校
のごときは
生徒
が千四百二十一人もが一
教室
に七十人、八十人入
つて
お
つて
一人
当り
が〇・六坪くらい、
運動場
は全くないのであります。
校舎
は軍隊の使用したひどいバラックで、
老朽
が甚しくて、勿論中から青空が見え、屋根が傾いておる。雨が漏る。一搖れすれば倒れるのではないかというふうに非常に危いように思われました。而もそれに対して市の
当局
は国から
費用
が来るまで、当分
建築
の見込が立たないということを言
つて
おります。又
松山
市の
城東中学
もこれも古い
兵舎
を使用しておるが、
兵舎
で実に薄案くて非健康的で、
教室
に使用する数が少くて、無理な
授業
をしておるようであります。而も塀のすぐ向うには新らしい
競輪場
ができて、
教育
上からもどうかと思われるのであります。これは先生やPTAが
教育
に熱心の
余り
、
授業
を早めようとしてこういうものを使
つて
しま
つた
。そうして今にな
つて
これを
既設校舎
に認められて非常に困
つて
おるというような
状況
であります。 次は
定員
の
関係
でありますが、
養護教員
や或いは
事務職員
が全面的にこれを完全に配置して貰いたいということはどこでも言
つて
おることであります。この
地方
でも同様に非常に強い
要望
がありました。尚
結核性疾患
及び産前産後
休養代員
の
完全配置
、
山間
とか
島嶼地方
の
特殊事情
に鑑みて
定員
の特例を認め、増加を認めて貰いたい。
中学校
の
定員
一学級二名まで
引上げ
て貰いたい。待遇については
給與水準
を
引上げ
て貰いたい。
研修費
の支給を今少し考えて貰えないか。
教育職員免許法施行
により
教員
再
講習
のために、もう少し
予算的措置
を取
つて
貰えないと、事実上実習に困るというのである。
僻陬地手当
を
増額
して貰いたい。
小中学校
では大体以上でありました。
高等学校関係
に行きますと、殊に
高等学校
の再
編成
の結果、非常にあちこちに無理ができておるということが明瞭に分
つたの
で、末端の大
部分
が二つの
学校
か
三つ
の
学校
を統合した結果、
教室
が非常に
不足
を来たしておる。甚しいのになりますと
商業学校
、
農業学校
、
中学校
が一緒にな
つて
、そこに女
学校
が入り込んで、どうにもならないような
赤態
で、
施設
は
中学校
の
校舎
であ
つた
ため、
職業教育
は名目だけで為し得ないというような
状態
で非常に各
県共高等学校
の再
編成
には悲鳴を上げておりました。
男女共学
は
高等学校
では大体結果は概ね良好だということを言
つて
おりました。 次は
大学
でありますが、
大学
の先ず第一は
施設整備
でありますが、これは余程時間と金とをかけなくてはならない
状態
でありまして、そこに
県側
ではどこでも非常に熱心ではあ
つた
が、将来の見透しに対して非常に憂鬱な
状況
を見せておりました、殊に
県立大学松山農業大学
、
高知
女子
大学
、これらを
国立
に移管して貰いたいという
要望
が強くありました。
地方財政
が非常に逼迫しておる
折柄
でありますから、これは考えてやらなければならんことではないかと
思つたの
であります。
地方教育委員会
の
状況
でありますが、いろいろ
教育委員会
としては問題もあるようでありますが、結局はまあ財政的な問題に盡きるようでありまして、これは
全国
としても皆同じだろうと思うんでありますが、
教育委員会
は
教育予算獲得
のために、
教育委員会事務局
と
県知事
及び
県会議員
の板挾みにな
つて
おるというような
状態
が認識されたわけであります。 次に
教育委員会
の
要望
でありますが、
学校基本調査
とか、
学校衞
生
統計調査
というようなものは
知事所管
の下にあ
つて
、
教育行政
が
県知事
より
教育委員会
に移
つた
今日、これを直して頂かないと誠に不便だこの際速やかにこの
調査事務
を
県委員会
に移管されるように、
統計法
の
改正
を行な
つて
欲しいという
要望
がありました。
委員会法
には
調査統計
の自課を設けるように指定されとはおりますが、この点をお願いするというような
要望
が強か
つたの
であります。 次は
文化財
でありますが、大体三県に亘りまする
保護
の
状況
は概ね良好のようでありました。併しながら然心な
余り
こういうものもありました。
愛媛
県の
西條
市
郊外
の
保国寺
という
お寺
の
庭園
であります。この
庭園
のごときは
室町時代
を
代表
する名園であるということは何人も知
つて
おるのでありますが、
化定
を受けたくないという希望を持
つて
おるのであります、
お寺
が。それはどういうわけかという、荒らされて困るということであ
つたの
であります。これはやはりそれ相応の
保護
を受けて
永久保存
を図るように、尚公開もしなければならんのだ。すでにこういうものは一寺院の
所有
でなくて、
国民
全体の
文化財
であるというような話をよくしまして、早く手続をするようにということを述べて来たのであります。又その反面に
八幡濱
市の梅之堂という所に
仏像
のよいものが非常に沢山ある。
藤原後期
定
朝系
の名品であるということが発見されておるのでありますが、附近の人々は、まあ
漁村関係
というようなこともありますが、非常に認識が
不足
でして、小さな壊われそうな小屋の中に大仏、大きな像を安置しまして、
番代り
には
疎開者
を入れて
仏像
の前に
寢起きし
て、煮炊きしておるというような
状況
でありまして、これ等なども早く適当の
措置
を取る必要があると
思つて参つたの
であります。 次に
史蹟
でありますが、珍らしい
土居構趾
というのが
史蹟
の中に入
つて西條
市
郊外
にあるのであります。これは
個人
の
住宅
にな
つて
おりますので、
天正年間
から続いたもので、
久門範政
という人の
住宅
及びその
庭園
にな
つて
おるのですけれども、非常によく
保存
されておりますが、
個人所有
のものであるから、その
保護
のためには
地方団体
や
政府
は特別のこういうものに対する
考慮
と協力が必要であろうと特に感じたわけであります。 次に
高知城
でありますが、御
承知
の
通り高知
は非常に雨量が多く降雨が甚だしい。温度、気候の
関係
から
白蟻
の発生が非常に多いのであります。
高知
は特にこの
白蟻
の害は
日本全国
一と言われておるのです。非常な腐朽、損傷をしておるまして、これなどは何か特殊な装置をする必要があるのじやないかとも考えられるのであります。 それから尾長鶏を特に見せて頂いたのですが、これは土佐に二羽きり今残
つて
おりません。
飼育者
は戰争中に非常に
努力
をしまして、よくその
保存
を全うしたのでありますが、これも
個人
の
所有
でありますので、
保存
のために特別な何らかの
考慮
が必要であろうと
思つたの
であります。 そんなふうに
文化財
を見て
廻つた
後の感想としましては、早く
文化財保護法
というものを通過させて、一日も早く
文化財保護
の上に強力な
措置
が取らなければならないということを痛感して参
つた
わけであります。大体私達が十日間に廻りました叶く概略は以上のごときものであります。
報告
を終ります。 —————————————
田中耕太郎
20
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
鈴木委員
の御
報告
につきまして別に御発言がご
ざいませんければ
、
文部関係予算
についての
説明
を聽取いたします。御異議ありませんければ、
寺中作雄
君の
文部関係
の
予算
について
説明
を願います。
寺中作雄
21
○
政府委員
(
寺中作雄
君)
只今文部省
の
昭和
二十五
年度
の
予算
の
簡單
に
集計
をいたしました概計表のような表をお配りしたと思うのでありますが、それによりまして大体の
文部省予算
の
概要
を申上げたいと存じます。
最初
に第一表にありますように、来
年度
の
文部省予算
の
総額
は百四十六億五百三十九万円であります。これは昨
年度
三百五十六億六千七百万円に比しまして二百十億
余り
減
つて
おるのでありますが、これは御
承知
のように従来
義務教育負担金
とな
つて
おりました
文部省予算
の相当重要な
部分
を占める
小学校
、
中学校
の
教員
の
国庫負担
、それが
平衡識金
の
関係
の
予算
に繰入れられた
関係
でございます。そこで
平衡資金関係
、これは
政府予算
としまして千五十億あるのでありますが、そのうちの二百六十一億三千五百万円というものが
文部省関係
として計上されておる
関係
にな
つて
おります。それから
公共事業費
の
関係
は
政府
の安本の
予算
にな
つて
おるのでありますが、これが五十七億五千万円、これは
文部省関係予算
といたしましては総計四百六十四億九千四十三万一千円ということにな
つて
おります。昨
年度
の
文部省関係予算
三百八十六億三千七十一万三千円に
較ベ
まして七十八億、約八十億の
増額
であります。これは
政府予算
六千六百十四億に対しまして
教育予算
が七%を占めるという
関係
にな
つて
おりまして、昨
年度
が五・一%でありましたので、約二%の
増額
に
なつ
たという
関係
になると思うのであります。 そこで
文部予算
といたしましては、そこに詳しくございます
文部本省
と
文部
各庁と
国立学校
と、この
三つ
の
部分
から成立
つて
おるわけでありますが、先ず
文部本省予算
の方から申上げますと、その
総額
は三十八億
余り
であります。その
項目別
のごく
簡單
な
集計
の表を差上げたわけでありますが、それに従いまして眼に止ります主なものについて多少御
説明
申上げたいと思うのでありますが、
大臣官房
の
予算
としましては、いろいろ会計或いは
総務関係
の
事務処理
の外に、ユネスコの
事情
の
調査普及
に要する
経費
というのが五百万円ございます。昨年は四百万円でありましたが、百万円
増額
いたしまして、これは
ユネウコ関係
の
普及
に新する
協議会
或いは
調査費
、或いは
講習会
、
展覽会
というようなものに使われる
経費
でございます。
初等中等局関係
では、
学校教育費基準作成費
というのが七十九万円ありますが、これは例の、
小学校
、
中学校
の
教育費
が
平衡資金
の方に移ります。そのために
教育基準経費
というものを
文部省
で割出しまして、そうして、それを
地方
即ち都道府県或いは
市町村
において、義務的に
基準経費
までは出して貰いたいというふうな
法的措置
を講ずるつもりでおりますので、その
基準経費
を
作成
するための
事務費
でございます。
初等中等教育関係
には、従来や
つて
おりましたいろいろの
事業
が沢山述べてございますが、多少目立つものといたしましては、例えば
観聽覚教育
の
経費
であるとか、或いは
職業教育
の
経費
であるとか、又
実験学校
の
経費
であるとかいうふうなものがあるのでありまして、視
聽覚教育
の
関係
は別に
社会教育局
の方に四百五十万円ぐらい計上されておりますので、それを併せて運営いたしまして能率を上げたいつもりでおります。
職業教育
の
関係
は二百六十五万五千円でありますが、これは
職業教育
の
審議会
或いは
番究集会
、或いは手引の
作成
、
幹部教育
の
選成
というふうなものに使われるのでありますが、ただ私共として非常に残念に
思つて
おりますことは、
実業教育費
の
補助
が落ちたことであります。
実業教育費
は、昨年百八十万円ばかり計上されてお
つた経費
でありますが、これがシャウプ・ミッションの
報告
による方針によりまして、
補助費
はできるだけ整理をして、そうして
地方
の財源を殖やすから、その方で
地方
費的なる
経費
は見て行くのが至当であるというような考えからこれを落されたのでありますが、一面に
職業教育振興費
の方で百万円
余り
、
事業費
とした
増額
になりました次第でございます。
実験教育
、
実験学校
、これは
小学校
、
中学校
、或いは
実業学校
を通じまして、
実業学校
というのは現在ございませんが、
実業課程
の
高等学校
を通じまして、各府県に
実験学校
を指定して、そこに或る
程度
の
経費
を注ぎ込んで、
実業教育
の
振興
、或いは
小中学校
の
教育
の
振興
を図りたいという
趣旨
でございます。 その次に
大学学術局関係
でありますが、
大学学術局関係
では
現職教育
、即ち
小中学校教員
の
現職
にある者の再
教育
、それに力を入れる
予定
でありまして、そこに挙げてある金額は二千七百二十九万円であります。これは例の
教員免許法
の
改正
によりまして、現在の
小中学校教員
の
資格
を向上いたす必要がありますので、大体二万四千三百人の
教員
を
夏期休暇
中八十一
大学
に委嘱をいたしまして、その
学芸学部
、或いは
教育学部
において六十日間再
教育
をやるという
経費
でございます。再
教育
の
経費
は、
一般計画
としましては、
只今
申上げましたようなことでありますが、その他いろいろの方法で
教員
再
教育
に資するような
計画
が相当ありまして、
予算項目
としましては、二十
項目
に亘
つて
おるのであります。それを合せますと四千四百五十九万円に上るのであります。それから
学徒援議会
の
補助金
が昨年より五百万円
増額
になりました。
育英事業費
でございますが、これは例の
日本育英会
に対する
貸付金
という形で計上される次第でありまして、特に
師範学校制度
の支止に伴う
給費生
というものがなくなりますので、
育英会
でこれを援助する。そういう
意味
でその
大学
の
教育学部
、
学芸学部
の
学生
には五〇%の
育英資金
の
貸付
をやるという
計画
等含めまして、
継続貸付学生
五万三千四百八十四人、
新規採用学生
四万二千二百十七人、
合計
九万五千七本一人に対しまして
育英資金
の
貸付
を実施する
予定
であります。それから
史料館
の
整備
というのがございますが、これは昨年からありまして、昨年よりも充実を必要とするのでありますが、建物の購入、或いは
史料
の
買上げ
、或いは物品の
買上げ等
に五百六十四万九千円の
経費
を出しておるのであります。
科学研究
の
費用
は、これは昨年来いろいろ問題になりました例の五億円でありますが、その内訳はそこに挙げましたように
科学研究費
、
科学研究奬励費
、それから
試験研究費
、
人文科学研究費
、
民間研究機関補助費
、
研究成果刊行費
というような形で
配分
して使用される
予定
にな
つて
おります。
社会教育局
の
関係
では、公民館の設備運営費は千九百万円、大体昨年と同額にな
つて
おります。
国民
体育大会の
経費
は、これは昨年まで日本体育連盟の
補助金
として計上されたのでありますが、団体に
補助
するという形式は
予算
作成
の上から面白くないというので、
政府
が直営する形で八百万円の
経費
をこの
国民
体育大会の運営費に計上した次第でありまして、昨年よりも四百万円近く
増額
に
なつ
たわけであります。それから演劇
教育
指導という金が六百二十二万円ばかりありますが、これは例の芸術祭の実施という形で使われる
予定
でありまして、従来芸術祭というものを実柴したのでありますが、
経費
なしで、実質上
委員会
の運営等でや
つて
おるのでありますが、今度は新らしく
文化
向上の重要性を認識して頂きまして、六百原円
余り
の
経費
を芸術祭の実施に使うことにいたした次第であります。国宝の
経費
は、これは昨年来問題にな
つて
おりましたが、約二億円であります。その内訳はそこに挙げましたように日光であるとか、或いは松本城であるとか、姫路城、法隆寺そういうふうなところを中心に、
文化財
の
保護
を図る
予定
になるわけであります。 調査局の
経費
としましては、
教育
調査等という名目で千二百十二万円ございます。昨年に比べまして相当
増額
に
なつ
たわけでありますが、これは
平衡資金
の移行等によります
教育
行財政の調査の重要性が非常に増して参りましたので、その方に相当強力を調査
事業
の実施を必要とする次第でございます。 管理局の
経費
としましては、公立
小中学校
の設備に必要な
経費
として四千三百十四万三千円がありますが、これは例の六・三制の
建築
に伴いまして、その内部
施設
、即ち椅子、机というようなものを
整備
するための
経費
でございます。それから
学校
給食の
普及
費、これが一千六十五万円ございます。その内訳はユニセフの粉乳を
学校
給食に使うための
経費
五百万円、都道府県の
学校
給食
施設
を
補助
するための
経費
が約五百万円ということにな
つて
おります。それから私立学退の
貸付金
、これは
大学
関係
、中等
学校
関係
、それから福井の震災
関係
等を含めまして二億七千六百六十一万円であります。
貸付金
の形で私立
学校
に援助するわけであります。 本省の
経費
は大体主なものはそんなものでありますが、尚細かい点につきまして御質問がありましたら、後程お答えいたしたいと存じます。 それから次に
文部
各庁でありますが、
文部
各庁は御
承知
のごとく七つの研究所その他の
施設
に対する人件費並びに
事業費
の
経費
でありまして、それは
総額
一億六千九百六十万円でございます。これは極く経常的なものでありまして、格別新らしい
事業
と申す程のものはないのであります。 その次に
国立学校
の
経費
でございますが、
国立学校
の内容は、
学校
の
経費
と附属病院の
経費
と、それから附置研究所の
経費
、
三つ
の
部分
に分れておるのでありまして、研究費が昨年に比しまして、額にして約倍ぐらいに
増額
にな
つて
おります。單価にいたしまして五割くらい
増額
になる
予定
でございます。それから従来は農林省内管でありました水産
講習
所が東京水産
大学
として
文部省
に移管になりますし、又運輸省にありました商船
学校
は東京商船
大学
として
文部省
に移管になります
経費
が、
学校
の
経費
の中に含まれておるのであります。 以上が
文部省予算
の内容でございますが、ここに挙げましたように、
平衡資金
の中に約二百六十二億というものが
文部省関係
として含まれておるのであります。
平衡資金
の
総額
は
只今
申しましたように千五十億でありますが、その中には各省の従来の
補助金
を含めておるという観念でありまして、各省
関係
全部を含めまして三百億くらいになるのでありますが、そのうち二百六十二億が
文部省関係
の
補助金
であるという
関係
になるわけでありまするから、
文部省
としましては、
平衡資金
の配付ということについては重大なる関心を持
つて
おる次第でありまして、これに関しましては別に
法律
によりまして、
基準
教育費
の確保を図りたいということについて御相談を申上げる筈にな
つて
おるのであります。
平衡資金
のうちでの
教育費
の計算は、昨年からいろいろ問題に
なつ
たわけでありますが、業務業教費並びに定時制
高等学校
費として二百五十三億八千七百万円がございまして、
小学校
につきましては三十三万六千九十一人、
中学校
については十八万三千九百九十八人、これだけの
教員
の
経費
を見ておるわけでありまして、それは昨年は
小学校
は五十人について一・三五、
中学校
については一・七というのを、それぞれ一・五と一・八に高めて計算をし、その上に結核療養患者の一・三三%を見たというような計算によ
つた
わけであります。これによりますと、昨年の
教員
数よりも
小中学校
合せまして五万八千九百四十六人の増員ができる
予定
になるわけでありまして、そのうち
補正予算
によ
つて
一万三百五十人を昨年認めて頂きましたので、実質上四晴八千五百九十六人、約五万人の増員が可能になるという計算にな
つて
おるのであります。 それから
平衡資金
の中には、尚公立
学校
の共済組合の
補助金
六億七千六百二十四万三千円が含まれておりまして、これは短期給付四十七万人
余り
、長期給付八万一千人
余り
の共済費が入
つて
おるわけであります。 それから
公共事業費
の
関係
でありますが、
公共事業費
の
関係
は、例の六・三制の
建築
費
補助
としまして四十五億円、それから戰災の復旧費、それから
学校
給食の
施設
費等を合せまして十億円、それから災害復旧の
経費
といたしまして二億五千万円、全部で五十七億五千万円が
文部省関係
の
公共事業費
として
予定
をされておる
関係
にな
つて
おります。尚これ災害復旧の
関係
は二億五千万円と申しましたが、
予算
の上ではそういうことにな
つて
おりますが、大藏省並びに安本
当局
と打合せいたしまして、尚実際の使用についてはもつと
増額
して使えるようにしたいという話合いが成立しておるのであります。それから災害
関係
では別に総
予算
の中に二十五
年度
に予想される災害の復旧費が百億円計上されておるのでありまするので、災害を予想するということはいいことではないのでありますが、そのうち
文部省関係
の災害がありました場合には、一部は
文部省
の方で使われるということになるかと思うのであります。 以上によりまして
文部省
び並に
平衡資金
、共公
事業費
関係
の大体の
予算
の
概要
を申上げました次第でありまして、その
総額
が四百六十五億に上るということになる次第でございます。大変
簡單
でありますが、以上のような
状況
にな
つて
おります。
田中耕太郎
22
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
只今
の
説明
につきまして御
質疑
がございますか。
若木勝藏
23
○
若木勝藏
君 私一つ伺いたいのは、
公共事業費
関係
の方になるのでありますが、二十四
年度
の追加
予算
で六・三制が十五億、それから今度二十五
年度
の
予算
において六・三制が四十五億、合せて六十億、こうな
つて
おるのでありますが、大体一般の考え方は、それらは六・三の
建築
補助費
に向けられるところの
費用
であるというふうに考えておるのでありますけれども、事実とういうふうにな
つて
おるかどうか、その内容につきまして十五億の場合はどうな
つて
おるか、それから二十五
年度
の四十五億についてはどういうふうな内容の
配分
関係
になるか、これについて詳細に伺いたいと考えております。つまり十五億というふうなものは一般に考えられているのは
建築
費の
補助費
であると考えられている。その通り使われているか、また他に使われているかということです。
佐藤薫
24
○
説明員
(佐藤薫君) 飽まで
建築
費に使われております。又四十五億も
建築
費に使われております。それでよろしゆうございますか。
若木勝藏
25
○
若木勝藏
君
建築
補助費
ですな。その他戰災
学校
の方について……
佐藤薫
26
○
説明員
(佐藤薫君) そういう
意味
でございますか。十五億につきましてはいわゆる六・三
建築
費に使
つたの
でありますが、四十五億の中にいろいろ
関係
各省とも折衝したのでありますが、結論的に申上げますならば、外地引揚の問題やら、或いは盲聾唖の
関係
も広い
意味
の六・三制ということになりまして、従来は別額でありましたものが四十五億の中に入
つて
おるという
状況
になります。
若木勝藏
27
○
若木勝藏
君 それで重ねて聞きますが、四十五億というものはいわゆる新制中学の
建築
補助費
ということにならないわけですね。
佐藤薫
28
○
説明員
(佐藤薫君) そうです。
若木勝藏
29
○
若木勝藏
君 今のお話で言うと、非常に広い
意味
の六・三制ということになり易い。引揚とか盲聾唖は狹い
意味
の六・三制でなくて、盲聾唖を含む、或いは外地引揚を含む
予算
……
佐藤薫
30
○
説明員
(佐藤薫君) 但し外地引揚と申しましても、やはり個々ばらばらに入りますのは、当該
市町村
の
学校
に入るわけでありまして、若し集団的に入りますときには
学校
を作るのでありますが、一緒の
学校
と考えているのですが、広い
意味
の六・三制という中には、概念として入ると考えております。
若木勝藏
31
○
若木勝藏
君 そうしますと在来から考えられてお
つた
六・三
建築
費というようなものは、新制中学の増設のためにこれは振り向けられておるというようなことは一般の通念にな
つて
いる。ところが今のお話で見ますと、そうでなしに、外地引揚者或いは盲聾唖、そういうふうな方面を含む六・三制の広い
意味
での四十五億であるというようになりますと、これは非常に通念と食違いがあるようにな
つて
おるが、
最初
から
文部省
としてはそういうようなお考えですか。
佐藤薫
32
○
説明員
(佐藤薫君)
最初
は勿論別額で随分長い間折衝したのでありますが、どうしても別額には取れないで、結果的にその中に含まれてしま
つた
というのです。
若木勝藏
33
○
若木勝藏
君 それでは更にお伺いいたしますが、四十五億の中に一般に考えられているところの新制中学の建設費に廻される分に幾らになるのですか。
佐藤薫
34
○
説明員
(佐藤薫君) お答えいたします。外地引揚の分は六百八十二坪、九百五十七万二千円でございます。それから盲聾唖の
関係
は七千百坪でございまして、金額で申しますと六千二百二十八万一千円でございます。この
合計
を申しますと七千七百八十二坪、七千百八十五万三千円というふうな数字でございます。
若木勝藏
35
○
若木勝藏
君 そうしますと四十五億から今の七千百八十五万円を引いたものは新制中学の
建築
費でありますか。
佐藤薫
36
○
説明員
(佐藤薫君) そうです。
若木勝藏
37
○
若木勝藏
君 それは
補助費
になりますか、設備費も入りますか。
佐藤薫
38
○
説明員
(佐藤薫君) それは
補助費
だけでございます。
三島通陽
39
○三島通陽君 今の若木
委員
の御質問に多少関連するのでありますけれども、この六三・制の
建築
の
補助費
でありますがね。それの分配の御針を伺いたいのでありますけれども、と申しますのは今度
地方
へ廻
つて
見ますと、例えばいわゆる馬小屋
教室
というようなものをなくするということに非常に
努力
しておるということは、非常によく分るのであります。この点は非常にありがたいのでありますけれども、そういういわゆる馬小屋
教室
とか、そういうような非常に気の毒な
建築
をし直すというために
補助金
を與えるということは、我々も始終申しまして、実行されて行くので結構でありますが、今度こういうことが出て来ると非常に真面目に村長とか、土地の人が熱心に
学校
の
建築
をした、非常に血の出るような思いをして、無理をして
学校
の
建築
をした。半分ぐらい出来上
つて
おるとか、八分通り出来上
つて
おるものの
補助
が薄くなるというような傾向も見え、正直者が馬鹿を見た。
教育
に非常に熱心に土地を協力をしたというものが馬鹿を見た。どつちかと言えば馬小屋
教室
で、や
つて
おるということは気の毒でありますけれども、
余り
教育
に熱心でなか
つた
という者が取り残された。取り残された者に多くの
補助金
が行くというような形にな
つて
、主として
教育
に熱心な人々がそういうことに少しく変な心持を持つというような
地方
が現れて来る傾向がある。この
補助金
の分配というようなことについての方針は非常にむずかしいことだと思いますが、若し馬小屋
教室
というようなものを取り残されますれば、我々はやかましく言うでしようし、それをやかましく言えば、先にや
つた
ものはどうするかということで、非常に前のが薄くなる。それでそういうことは痛し痒しでしようけれども、どういう方針ですかということが一つ。もう一つは、県の名前を言
つて
は惡いかも知れませんが、宮崎県のような所でありますが、宮崎県では六・三制の義務
教育
に非常に熱心に、非常に無理をして、これは多くの血の出るような思いをして、義務
教育
の
建築
を急いでや
つた
。これは或る方面の非常に親切過ぎた指導があ
つたの
でありまして、従
つて
非常に無理をして
高等学校
が犠牲に
なつ
たというのであります。その犠牲にな
つて
おる
高等学校
を何とかしてやらなければならんという、そういうような立場の方に、そういうようなときに、義務
教育
の
建築
が一人
当り
非常に多く数の上では出て来るのでありますから、現在の上では、そこでどうしても
高等学校
の方を、犠牲に
なつ
た
学校
を復旧してやろうとそういう
補助金
というものがむずかしくなりはしないかという心配がある。そういうようなことがいろいろあろうと思いますので、この分配にはむずかしい
考慮
を要するのではないかと思いますが、どういう御方針であるかお伺いしたいと思います。 〔
委員長
退席、理事木内キヤウ君
委員長
席に着く〕
佐藤薫
40
○
説明員
(佐藤薫君) 第一の
補助費
割当方針について申上げます。誠に御説御尤もでありまして、我々としましても最もその点を苦心をいたしたのであります。併し十五億乃至は旧十五億
合計
六十億というものは、飽くまで二十四
年度
の五月一日以降の
建築
について
補助
をすべきであるというふうな
関係
方面の強い指示があり、或いはそういう
意味
において
関係
各省と話合をしまして、そういう
予算
でありまして、従
つて
只今
おつしやる過
年度
分の認証の分につきましては、最も申訳ないと存じながら、実際に
原則
としては手をつけることができなか
つたの
であります。但し
昭和
二十二年、三年には非常に御熱心にやられて、而も二十四
年度
以降においても、
学校
建築
を継続しておられるという事実が
はつ
きりいたした場合には、その
予算
成立後
関係
方面と最後の折衝をいたしまして、若干その例外としては、そういう場合には〇・七をオーバーする場合においても
補助
を出すというふうなのが十五億の
配分
でございます。その十五億なり乃至は四十五億を通じましての基本方針は、要するに今申しましたような二十四年の五月一日以降の
建築
ということにな
つて
おりまして、その場合に六十億の具体的な
配分
の内訳というものは、とにかく現実に〇・七にな
つて
いないものをする。そのために
最初
四十億でありましたが、その後
高等学校
の問題が緩和されまして四十四億必要になりましたが、四十四億は〇・七に満たないものに対して
補助
をする、十六億につきましては
原則
として全体的に〇・七に更に若干でも
引上げ
る分にして行こう、こういうふうな話合にな
つて
おるわけであります。ところが十五億の
配分
をいたしましたときに、こちらも、我々としても初めからそういう問題は知
つて
おりながらできなか
つた
面が多か
つたの
でありまするが、非常に
市町村
として一括して〇・七坪という計算にどうしても無理があ
つたの
であります。従
つて
この四十五億におきましては、例えば一つの村でございましても、非常に通学が不可能である、十何里もあるというような村は、やはり
生徒
が最低限度通えるというふうな
程度
にその村を切るということも考えまして、そういうふうに切
つた
場合に〇・七に行くようなことが取敢ずの問題としても妥当なことじやないか。更に組合立を
文部省
は従来奬励して参りましたが、組合立は飽くまで組合立の恰好として〇・七坪であるかどうかというようなのを
基準
にして、認証外では許可をするというようにいろいろ
関係
方面との折衝の後に緩和され、又緩和されつつある。まだ目下継続中でありまするが、そういうふうな
事情
を十分に織込みまして、
予算
の額が十分でございませんけれども、何とか十五億の場合とは違
つた
、もう少し具体的な、実地に即したような割当をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。但し先程申しました認証外工事の問題につきましては、やはり依然として大きな問題が残
つて
おるわけでありまして、私達もいろいろこの面につきまして、事務的な問題におきましては十分研究を重ねまして、又
関係
方面にも絶対いけないという
最初
の段階から、それは非常に気の毒だという段階にまで持
つて
来ておることは事実でございます。何らかの方便を
はつ
きり我我掴みたいと
思つて
おるわけであります。第二の宮崎県の例でお話しされましたのでありますが、確かに宮崎県から再三
事情
を聽きまして、
関係
方面にもこの面は率直に話をいたしました。併しことが
高等学校
の問題に関連いたしますると、
関係
方面は最もこの点は几帳面でございまして、飽くまで六・三は優先的にやるべきもので、多少の無理或いは不合理は当分の間やはり我慢して貰うのが至当ではないか、とにかく六・三だけは何とかしてやれというように、確かにその方針は我々も正しい、その面においては正しいと
思つて
おりまするが、尚この面につきましても十分に折衝したいと考えておりまして、こういう問題が若し緩和されれば、又この面におきましての
予算
の上での
原則
が違
つて
来るわけであります。いろいろ研究もし資料も集めておるわけでございます。
岩本月洲
41
○岩本月洲君
只今
、三島
委員
のおつしや
つた
一の問題ですが、これはこの間私質問の演説でも特別取上げて申上げたのでありますが、
実情
が非常にどこに行
つて
見てもこの問題が
地方
的に言
つて
、大変な問題にな
つて
おるわけでありますから、特に早く手をつけて熱心にや
つた
面についての、遡
つて
の
配分
の問題は殊更に一つ
努力
をして、
地方
の要求を応えて貰うように特別に一つお願いしたいと
思つて
おります。このことを言葉を附加えてお願い申上げて置きます。
若木勝藏
42
○
若木勝藏
君 四十五億の
予算
について重ねてお伺いしたいと思うのでありますが、先般来の新聞では、とにかく二部
教授
或いは三部
教授
、仮
教室
がこれで来
年度
から解消をして行き、非常に明朗な学習ができるというようなことが随分出てお
つたの
であります。一般もそういうふうな新聞を見まして安心をしておる面があろうと思うのであります。果してこの四十五億、その中から更に外地、
盲聾唖学校
、こういうような方面の
経費
を差引かれる現状にありまして、そういう二部
教授
なり、仮
教室
なりというふうなものは、四十四億何がしで以て来
年度
に解消されるでしようかどうか、その
実情
についてお伺いいたしたい。
佐藤薫
43
○
説明員
(佐藤薫君) その問題は計数的には今申上げられないのですが、実は先程御質問に御答えいたしたときは、いろいろ
関係
方面との折衝が緩和されつつある
程度
に応じまして、又必要な金が殖えるわけなんであります。そこで我々としましては、昨年の暮から十五億の割当をする仕事と同時に、こういうふうな緩和されつつあり、又緩和せねばならないというふうな
原則
に応じまして、具体的に
市町村
、或いは都道府県の
実情
に応ずるような割当をするための基礎資料を作
つて
おるわけでございます。この資料がやはり相当大仕事でありまして、今のところではどうしても二月の二十日頃でなければまとまらないのであります。従
つて
その頃でなければ、果して四因五億でどの
程度
現実的に
生徒
が通える範囲内においての、いわゆる修正された〇・七坪に移るかどうかというふうなことは、計数的にまだ申上げられない段階にあるのでありまして、この点は御了承願いたいと思います。
藤田芳雄
44
○藤田芳雄君 平衡交付金の中の大
部分
が
文部省関係
のものというお話でございましたが、
文部省関係
の
教育
の面に関しての平衡交付金の算出の基礎とでも申しますか、それはどんなふうでお出しにな
つたの
ですか。或いはその基礎はどんなふうにな
つて
……
寺中作雄
45
○
政府委員
(
寺中作雄
君)
平衡資金
の中で約二百六十二億が
文部省関係
と申上げたのでありますが、その内訳は
項目
にいたしまして五六
項目
ございますが、第一が公立
学校
共済組合需用費の
補助金
六億七千六百四十二万三千円であります。これは
小学校
、
中学校
教員
の長期給付、短期給付の
経費
でございます。
小学校
の
教育
の
国庫負担
金は百五十三億八千九百四十二万一千円でありまして、これは多少計数的に申上げますと、兒童数千百五万六千人と計算いたしまして、それを五十人につき一・五、それからその上に〇・三三%の結核療養
教員
を加えて計算いたしますと、
教員
数が三十三万九千九十一人でございます。
基準
給與は八万一千百八十円とな
つて
おりますので、それによ
つて
教員
の給與の全額を計算いたします場合に、死亡賜金であるとか、或いは日直、宿直手当であるとか、或いは退官、退職手当であるとか、或いは石炭手当、寒物地手当であるとか、そういう要素を細かい計数によ
つて
計算いたしましたのが、
只今
申上げました百五十三億という数字になるわけであります。
中学校
の
教育費
の
国庫負担
金は九十二億二千四百十四万四千円でありまして、これも
生徒
数五百四万四千人に対しまして、五十人につき一、八人及び結核療養
教員
一、三三%ということで割出しました
教員
数が十八万三千九百九十八人でございます。給與
基準
は八万九千七百七十二円であります。それに
只今
申しました諸手当類を加え、そうしてその二分の一という額を計上いたしましたのが、九十二億二千万円
余り
ということになる次第であります。それから盲聾
教育費
でありますが、盲聾
教育
の
学校
の兒童数は八千四百十人でありまして、
教員
数は千八百五十人、これは
教員
千二百六十二人及び寮母五百八十八人という内訳でございます。その
基準
給與は十万六千四百十六円とな
つて
おりまして、これは一般の
小中学校
の
基準経費
よりも多少高いのであります。で、いろいろの手当類を入れまして、そして二分の一にいたしましたのが、一億七百二十一万七千円であります。それから定時制高校の
教員
費、これは
生徒
数が四十四万七千百九十五人でありまして、それに対して
教員
数を一万四千四百人と見たわけであります。この方は四割
補助
として計算をいたしております。以上がいわゆる従来の義務
教育費
負担
金のような形で見られてお
つた経費
でありますが、その外に中等
学校
教育
の委託費、例の私立
学校
に
中学校
の
教育
を委託する
経費
、これが五千五百九十九万六千円、それから同じく盲聾唖
教育
に関しまして、私立
学校
に委託する
経費
が百九十四万六千円、それから
教員
保養所の
事業費
補助
、これは三十ケ所にあります
教員
保護
所の
事業費
を三分の「
補助
するのでありまして、それが七百五十五万円、その外に交教物資取扱
事務費
というのがありますが、これは従来自治庁の
経費
に一括計上されてお
つたの
を、
文部省
の
経費
として一応取出して計算の基礎に入れたのでありますが、これが五百三十四万八千円、これは指定生産資材割当事務等を担当する府県の事務員の給與であります。そういうような七八
項目
に亘りますものについて細かく計算をいたしまして、二百六十一億という
文部省関係
の平衡交付金の
負担
が計上されておる次第であります。
藤田芳雄
46
○藤田芳雄君 これは今
ちよ
つとお聞きしたのですけれども、いづれあとでその内容の印刷でも頂けるでしようか。
寺中作雄
47
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 御希望がございましたら……
藤田芳雄
48
○藤田芳雄君 できましたら、是非頂きたいと思います。
寺中作雄
49
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 昨年のやはりこの
委員会
で、義務
教育
関係
だけ計数の基礎を印刷してお配りしたのでありますが、あれは例の一・五並びに一・八にな
つて
いない前の数字で確か計算してあると思いますから、修正したものを資料にいたしましてお配りいたしましよう。
藤田芳雄
50
○藤田芳雄君 先程の
説明
の中に、
学校
給食の方にユニセフ
補助
というものがありましたが、ユニセフのものを給食される
学校
というものは、各都道府県で指定してやらしておるようでありますね。その指定したものに対して、中を開いて見ますと、指定された
学校
の
負担
というものは非常に大きなものになり、そうしてそれを受ける子供も、その実費か何か取られて随分大きな額にな
つて
おるらしいのでありますが、一体
補助
というものはどういうふうなことにな
つて
おるのでありますか。
寺中作雄
51
○
政府委員
(
寺中作雄
君) ユニセフの粉乳を、連合軍の好意によりまして、日本の兒童に配給するということにな
つて
おるわけでありますが、ここに
予算
として計上いたしましたのは、その
学校
給食費の中で約五百十万円、約半分を占めるわけでありまして、これはユニセフの粉乳が実はただで呉れるというのでありますが、これを各
学校
に運搬をいたしますために相当の運搬費がかかるので、それはどうしても
予算
として
政府
で計上する必要があるということで、運搬費並びに保管料があります。それから多少の
事務費
であります。それが五百十万円に上るわけであります。
只今
お話がありましたように、ユニセフの粉乳を配給を受けますと、むしろ指定をされたのを迷惑に
思つて
、非常に
市町村
で
経費
がかかるというようなことも、ときどき耳にするのでありますが、これは従来はやはり
個人
で、兒童の方で金を出して配給を受けたのでありますが、このユニセフの粉乳の方は、
経費
はただでありまして、運搬費その他も国費で持ちますから、ユニセフに関する限りは、兒童の
負担
というものはかからないという
関係
になります。ただそれ以外のいろいろの罐詰類であるとか、或いは野菜類であるとかいうふうなものについて、多少の兒童の
負担
というものがかかることになることと思いますが、そういうことで、一般にユニセフを含めまして、給食に関しましては、給食
学校
として指定をされた
学校
が、兒童も多少の
負担
になりますし、その
市町村
にも
負担
になるということは、大変迷惑な場合も多いと思うのですが、何しろまあ食事のことでありますから、生活費の一部を持つ
関係
になりますので、それを全額国で
負担
するということになりますと、相当厖大な
予算
を必要とするのでありまして、何十億という
予算
を必要とするのでありまして、これについても、
関係
方面においては、成るべく
政府予算
として全部見ろということも示唆を受けるのでありますが、財政
当局
との
関係
からいたしまして、生活費の一部そのものを国費で見るということについては多少の異論もあるので、どうしても或る
程度
の
負担
をおかけすることは止むを得ないという
事情
にな
つて
いるのであります。来
年度
のユニセフの
関係
については、まあ金は要らないということは言えるのでありますが、一般的に給食については多少の
負担
は止むを得ないであろうということを見込んでおるのであります。
藤田芳雄
52
○藤田芳雄君 そうしますと、ユニセフから来る粉乳そのものは無料なんですね。
寺中作雄
53
○
政府委員
(
寺中作雄
君) そうです。
藤田芳雄
54
○藤田芳雄君 末端に行きましても無料なんですね。
寺中作雄
55
○
政府委員
(
寺中作雄
君) そうです。
藤田芳雄
56
○藤田芳雄君 実はそれにかか
つて
来ているので、何とか今のお話のような運搬費とか、或いはそれを作るための人件費だとか、或いは倉庫の保管料とか何とかというものがかかるので、相当高いものについて来る。どうもおかしいと
思つて
いたのですが、これは無料なのですか。
寺中作雄
57
○
政府委員
(
寺中作雄
君) はい、来
年度
は無料になります。
藤田芳雄
58
○藤田芳雄君 そうすると今まではそれは各自の
負担
にな
つて
いたのですか。
寺中作雄
59
○
政府委員
(
寺中作雄
君) そうですね。本
年度
一部実施いたしておりますものは、多少の
経費
がかかるかと
思つて
おります。
藤田芳雄
60
○藤田芳雄君 多少でなしに随分高いものについているというので、大分いろいろな声が出ているのであります。
寺中作雄
61
○
政府委員
(
寺中作雄
君) それは給食
事業
全般について、まあそういうふうな声があるのじやないでしようか。
藤田芳雄
62
○藤田芳雄君 いやそうじやない、例えば設備費とかいろいろなもの、特に指定を受けたのだから立派にしなければならんというのでかかるのでしよう。これは異議がない。そうじやなしに、その頂く粉乳そのものの
経費
、要するに兒童からも月々徴收しなければならん。これが非常に大きくな
つて
いる。
木内キヤウ
63
○理事(木内キヤウ君) いいですか。
藤田芳雄
64
○藤田芳雄君 まだ一つ、そうすると二十五
年度
からは無理になるということは確実なのですね。
寺中作雄
65
○
政府委員
(
寺中作雄
君) ユニセフに関しては無料になりますが、その他に来
年度
は相当いろいろなものを給食としてあちらから給與を受けるような
計画
がございますので、それについてもやはりその輸送費であるとか、保管費であるとかというようなものを全部国で見ろという話があるのであります。これについてはいろいろ折衝いたしました結果、今のところどうしても財政の都合上
負担
できないという形に
なつ
とおりますので、やはりその面については多少の
負担
をおかけせざるを得ないようなことになるのではないかと
思つて
おります。
藤田芳雄
66
○藤田芳雄君
国立学校
の方なのですが、この
国立学校
のうちに芸術
大学
或いは総合
大学
の中の
教育学部
には、
小学校
或いは
中学校
というような附設の附属
学校
があるわけなのでありますが、これは
国立学校
のうちの附属
施設
の
経費
に入るものですか、或いは
研究機関
として、或いは一般
経費
として入
つて
おるものなのか、或いは全然そういうものは
考慮
に入
つて
おらないのか、その点一つお聽きしたいと思います。
寺中作雄
67
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 附属
学校
は一般の
学校
の
予算
の中でありまして、附属
施設
、ここにあります附属研究所等の
施設
ではございません。人件費等に含まれておるわけであります。
藤田芳雄
68
○藤田芳雄君 実はそれの方の
経費
というものがやはりそれぞれ、まあ普通にすれば、
小学校
なり
中学校
という一つの
学校
があると同じだけの
経費
が要るわけですが、やはりそうしたものもこの各附設の
学校
の学級数なり何なりは、一応今まで通り決められてあ
つて
、そうしてその範囲内でや
つて
いるのですか。それともそういうところまでは正確な数字でや
つて
おらないで割当ててあるのか、この点をもう少し伺いたい。
寺中作雄
69
○
政府委員
(
寺中作雄
君)
ちよ
つと御質問の
趣旨
が
はつ
きりしなか
つたの
でありますが……
藤田芳雄
70
○藤田芳雄君 もう少し失礼しますが、例えば学級数にしましても、その附属の
小学校
及び
中学校
の学級数をどの
大学
には何学級までよい、或いは他の
学校
には何学級まで附設するのだということを決定して、それを基礎にして計算しているのか、或いはそういうことは決定されないで、適当に一般経津の中に織込んであるのかということなんです。
寺中作雄
71
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 勿論細かく学級数並びに
学生
の
定員
は決定をして、そうしてその人間の
定員
等も計算してあるわけであります。
藤田芳雄
72
○藤田芳雄君 そういたしますというと、例えば冬季間なんかになりますと、暖房装置というようなものがあるという場合に、石炭を買うとかいうふうな、まあ細かい話ですけれども、そうした消耗品費ですね、そういうものも庁費としてやはり計上されてあるのかどうかということが
ちよ
つと分らないのですが。
寺中作雄
73
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 暖房費その他の消耗品費は庁費といたしまして計上いたしております。ただいわゆる光熱費というようなものは庁費として計上されたのでは足らない場合が多いのでありまして、
大学
のことでありますから、研究方面に相当光熱費或いは水道というようなものを使いますので、研究費の中から相当そういうふうな
費用
を出しておるという
関係
にな
つて
おります。
藤田芳雄
74
○藤田芳雄君 研究費の中へ、そうしますとそうしたものもみんな含まれるわけなんですか。
寺中作雄
75
○
政府委員
(
寺中作雄
君) いわゆる暖房の
経費
等は庁費として計上しております。一応の
経費
は……、それ以上に研究用に必要なものは研究費から相当支出するという
関係
に
なつ
たおるのです。
木内キヤウ
76
○理事(木内キヤウ君) 外にもう御
質疑
はありませんか。
山本勇造
77
○
山本勇造
君 大分時間が遅くなりましたし、それから又これは二十五
年度
の総
予算
ですから、質問はもう幾らでも盡きないだろうと思いますが、引続いてこの
文化財保護法
の問題をここでやらなければならないので、その点についてだけ
ちよ
つとお尋ねしたいと思います。 この五頁のところに国宝その他
文化財
の
保存
修理に必要な
経費
として二億三百四十七万円計上されておりますが、このうちの人に伴う
経費
というのが三十五万円ありますが、これはどういうのであるかということと、それからここにあるのが大体
文化財保護
委員会
というのができれば、そこへ大
部分
、殆んど全部行
つて
しまうのだと思いますが、この外に尚博物館のものも大分あるだろうと思うのですが、博物館はここでは博物館として
ちよ
つと私見たところでは
経費
は出ていないでありますが、博物館がどのくらいにな
つて
おるのか、これをお伺いしたい。 それから今の人に伴う
経費
というのが、これは即ち
社会教育局
の
文化
課のもの或いは芸術課のものなのであるか、或いは
文化
課としてはどれくらいにな
つて
おるのか、或いは又
文化財保護法
の方に芸術課の一部が割かれるだろうと思いますが、そういうものはどんなふうになるのであるか、或いはそれ以外に
文化財保護
委員会
の方にどんなものが分れるのか分りましたらそれらの点を、差迫
つて
我々必要と思いますので、
ちよ
つとそれをお尋ねしたいと思います。
寺中作雄
78
○
政府委員
(
寺中作雄
君) ここに挙げました人に伴う
経費
と申しますのは、いわゆる
文部省
の
文化
課に勤務しておる人間等は含まないのでありまして、これは国閉の
保存
修理のために、姫路城でありますとか……、姫路城がそうでありますが、そういう所に直営で
事業
をやりますので、純の
関係
の人に伴う
経費
でございます。 それから博物館の方はこれは直轄各部の中で、博物館の
費用
がありますが、その中の人件費の中に、その人々の
費用
が入
つて
おるわけであります。
只今
御質問の
文化財保護法
との
関係
でありますが、私共
承知
しておりますところでは、
文化財保護
委員会
ができました際には、大体現在
文化財
関係
で勤務しております人間のうち七十五名くらいこの
委員会
の組織として入
つて
来るだろうという見込みを持
つて
おります。
文化
で十七名、博物館で二十三名、それから保真修理の
関係
で二十九名、管理
関係
で六名、そういうことにしておるわけでございます。それで
文化財保護法
が施行されました場合には、その七十五名で以て用を足すかどうかという問題でありますが、いろいろ
事業
の拡張、その他
事業
の円滑な運営のためには尚相当の増員を必要とするという見込を持
つて
おるのであります。その増員の
経費
はどういうところから確保するかということについても、いろいろ研究いたしておるのでありますが、
予算
の追加獲得によりまして、その増員が新らしく純増として認められるということが第一の目標でありますが、若しそれができなければ、既定吏員の中からその方に或る
程度
廻すというようなことを考えましても、この
文化財保護
委員会
の充実を期して行くということをしなければならんというつもりであります。
山本勇造
79
○
山本勇造
君 関連してお尋ねしますが、そうしますと、ここの二億三百何万円というものの外に、博物館の九千いくらという金がありますか、この二つの金の外に、
保存
課の金、並びに今の話だと、芸術課の一部から分れて来るものが入
つて
いないように
ちよ
つと聞き取れましたが、それはそこから分れて来るものはないのでありますか。
寺中作雄
80
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 芸術課ですか、
文化
課でなくて……
山本勇造
81
○
山本勇造
君
文化
のは全部入るのだろうと私は思うが、それから芸術課の一部からも入りませんか。例えば古典芸術
保存
という問題で、芸術課の一部が入
つて
来わしませんか。
寺中作雄
82
○
政府委員
(
寺中作雄
君) 芸術課からは今のところ入らない見込にな
つて
おりますが、古典芸術の
保存
ということは、一応現在
予算
に計上されておりますところの
経費
は、
文化財
委員会
でやります仕事と多少方向を異にするというつもりでおるのであります。
山本勇造
83
○
山本勇造
君 さつき言
つた
七十五名というは、追加
予算
を取らないで、今まであるものの中からやり繰りの
意味
ですね。あなたの言う七十五名というのは……
寺中作雄
84
○
政府委員
(
寺中作雄
君) そうであります。
木内キヤウ
85
○理事(木内キヤウ君) まだ御質問があるかも知れませんが、
予算
の方はこれで打切
つて
、又次の機会にしたいと思いますが、如何でございましようか。
河野正夫
86
○河野正夫君 私遅れて来たので質問が重複するといけませんので、
只今
質問は保留いたしますが、出席された
委員
から承わるところによると、本日突然
説明
されたので、まだ研究の時間も必要だろうと思います。これなんかの
審議
は又後刻に保留させて頂きたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
木内キヤウ
87
○理事(木内キヤウ君)
予算
関係
の方はこれで打切ります。散会いたします。 午後零時三十六分散会 出席者は左の通り。
委員長
田中耕太郎
君 理事 若木 勝藏君 木内キヤウ君 藤田 芳雄君
委員
河野 正夫君 岩本 月洲君 大隈 信幸君 梅原 眞隆君 三島 通陽君 山本 勇造君
鈴木
憲一君
政府委員
内閣官房副長官 菅野 義丸君
文部
事務官 (官房会計課 長) 寺中 作雄君
説明員
日本学術会議
事 務局長 本田 弘人君
文部
事務官 (管理局
教育
施 設部
施設
課長) 佐藤 薫君