○
藤野繁雄君 今回の
植物防疫法案は、仔細に検討いたしますれば、尚不十分の点も見出されるのでありますが、国又は都道府県において植物
検疫を行い、病虫害の
防除を行ふ態勢を進めたことは、農業生産の確保に対する一歩前進として、その意義少なからざるものがあるのであります。そこで先ず適切な措置として、
賛成の意を表するものであります。併しながら一方我が国における病虫害の損害は毎年二百億円に達し、食糧生産、国内食糧自給度の向上に重大なる
支障を招いておる実情にあるのであります。
従つてこの病虫害を
防除することができるならば、毎年二百億円に相当する食糧輸入の必要を減ずることになり、我が国財政上に榑益するところ又多大であるのであります。よ
つて政府は今回の
植物防疫法を第一歩とし、更にこれを一般病虫害に及ぼす等、全面的に拡充強化して防疫態勢の遺憾なきを期すべきであるのであります。即ち
政府は現在我が国に蔓延して器る稲熱病、旗虫、「うんか」、黒斑病等の異常発生に当
つても国費を以てこれを
防除する対策を講ぜられたいのであります。又病虫害の異常発生に対処するため、国家施設として異常発生に必要な農薬を常時予備貯蓄するの指導を併せ講じて填かなくてはならないのであります。更に又これに要する資金は備蓄者に低利を以て最低二億円くらいは融資されたいのであります。
次に、以上の農作物防疫に関する行政機構を確立整備せられたいのであります。又防疫に必要なる撒粉機等の農機具の整備に努められたい。今回国家で無償で配付する動力噴霧機が「本法整備に伴い
予算に計上せられましたことは、不満足ながち積極的意義を認めることができるのであります。将来更にこれを拡充し、防疫が国家施設を以て十分にその効果を発揮するように推められたい希望を持
つておるのであります。