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1950-04-17 第7回国会 参議院 農林委員会 第26号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年四月十七日(月曜日)
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
肥料取締法案
(内閣提出衆議院送 付)
—————————————
午後二時九分開会
楠見義男
1
○
委員長
(楠見
義男
君) それでは
只今
から
委員会
を開きます。 本日は
肥料取締法案
を議題に供します。最初に
農林大臣
から
提案理由
の
説明
を伺います。
森幸太郎
2
○国務
大臣
(
森幸太郎
君)
只今
御
審議
願います
肥料取締法案
の
提案理由
を御
説明
申上げます。
現行肥料取締法
は、明治三十二年に制定せられ、同四十一年に
全面改正
が行なわれて今日に至
つて
いる極めて古い
法律
であります。従いまして、時勢の推移に照らし同法には新
憲法下
の
情勢
に副わない点が可なり見受けられ、
解釈運用
でその欠陥を補
つて
いるような現状でありますので、この際その
全面改正
を行なうと共に、
肥料取締
のもう
一つ
の
法規
である
間接肥料販売制限規則
が
臨時物資需給調整法
に基く不安定なものであるので、これを同法に続一して新しい
法律
を制定し、以て
肥料取締
を新
憲法下
の諸
情勢
に副うように改めつつ、その
簡素強化
を図りたいと思うのであります。 このことをもう少し敷衍して申しますと、 第一に、
現行肥料取締法
ではいわゆる直接
肥料
については
製造
、
輸入
、
販売
の各
営業
とも
知事
の
免許制
で、又
間接肥料
については
農林大臣
の
許可制
をと
つて
おりますが、これら
免許可権者
である
農林大臣
や
知事
の
自由裁量
の余地が相当大きくありますので、これを改め、
肥料
の
公定規格
を設定して
生産業
及び
輸入業
については
農林大臣
又は
都道府県知事
への
登録制
とし、
公定規格
の定められていない新
肥料
については仮
登録制
を設けました。又
販売業
については單に
都道府県知事
への
届出制
としました。 第二に、
現行肥料取締法規
には條文化されていない
事項
の中、
業者
の
虚僞
の
宣伝等
を禁止すること、
業者
に
肥料
の施用上の
注意等
を表示せしめること、
農林大臣
や
知事
は收去せしめた
肥料
の
分析検査
の結果を公表すべきことの外、前述しました
肥料
の
登録
や仮
登録
をしたとき又はその
取消
をしたときには、
農林大臣
や
知事
はその
登録番号
、仮
登録番号
、
肥料
の名称、
保証成分量
、
業者
の
住所氏名等
を公表すべきことをも
規定
して
農民
の保護に遺憾なきを期しました。 第三に、
現行肥料取締法
の
罰則
は余りにも軽く、
ひとり体刑
の
規定
がないのみならず
罰金刑
も僅か
最高
二千円と
規定
しているに過ぎないので、これを
強化
する必要があり、
体刑
、
罰金刑
の併科もできるようにいたしますとともに両
罰規定
を設けました。 以上がこの
法律案
を提出しました
理由
の大要でありますが、何とぞ
愼重御審議
の上御賛同あらんことを切望いたします。 尚、この際一言お断わりして置きますが、いつかの
農林委員会
におきまして、食糧対策問題について自由党の諸
委員
に対して、彼らは素人であるということを申しましたことが非常にお気に障
つて
いるようでありますので、その誤まりを訂正いたしたいと思います。
楠見義男
3
○
委員長
(楠見
義男
君)
肥料取締法案
についての
正誤表
がお手許に行
つて
おりますから……。 それからもう
一つ
、
肥料取締法案
に対する
修正案
というのをお配りしてあります。これは先程も申上げましたようなふうに、他の
法律案
につきましても、一々
農林省
の
設置法
の
改正
をや
つて
いるのでありますが、
肥料
につきましても、この
法律
に関連して附則で
修正
するようになり、この
修正案
は衆議院で
修正
をいたしまして、
修正
したものがこちらの方へ原案として本付託される、こういう手配にな
つて
おりますから、御
参考
までに申上げて置きます。 これから質疑に入りたいと思いますが、尚この機会にもう一度申上げて置きますが、明日は
植物防疫法案
と、それから
動植物検疫所
の
出張所設置
に関し承認を求める件が出ておりますが、これと、それから
農林物資規格法案
、この三つを大体御採決頂く
予定
にしております。それから
農業協同組合法
の一部を
改正
する
法律案
の方は明後日にお願いする
予定
でおります。それから本日は
肥料
の方が一応一段落付きましたら、
地方税法案
に関する
修正意見
についてこの
委員会
としての
意向
を取纏めたいと思いますから、これを最後に御相談頂くことに
予定
しておりますから、申上げて置きます。
岡村文四郎
4
○
岡村文四郎
君
肥料取締法案
についてのことではないのでありますが、御
承知
のように、先般から
炭カル
と
石炭
の融資の不公平な
取扱
というので、
大分陳情運動
をや
つて
お
つたの
でありますが、
農林省
の方でいろいろ協議をされて、不公平の
取扱
がないようにして貰うようにや
つて
おるようでありますが、まだそれが片付かないでおるようでありますが、時期を失する憂があると思いますから、丁度
大臣
もお出でにな
つて
おるから、特定の人がどうも頑張
つて
お
つて
は、それじや困るので、
一つ両方
とも同じような
取扱
をすることが公平であり、
炭カル
と
石炭
についてはおのおの
意見
を持
つて
おるようでありますが、決して
差別待遇
をすべきものでないということはよく分
つて
おると思いますから、早速
両方
とも同じ
取扱
いにするようにして貰いたいと思うのですが、その点を……。
藤田巖
5
○
政府委員
(
藤田巖
君)
石炭
も
炭カル
と同じように扱うという問題でございますが、これについてはその後本
委員会
でもいろいろ問題になり、且つ專門家の会合も催し、現在各
方面
との打合せをや
つて
おるわけであります。私共といたしましても従来
炭カル
の指導をや
つて
おる経過があるわけでありますから、
石炭
につきましても、これを認めて行くという方向で研究をいたしております。至急に決定をいたしたいと思います。
岡村文四郎
6
○
岡村文四郎
君
局長
もよくお考えにな
つて
おるようでありますが、何度も引延ばしておるうちに、そのうちに国会を通るという精神ではなくて、そういう話ですから、そうじやないと思いますから、とにかく
一つ局長
の言うように早急に解決して貰うようにお願いいたします。
楠見義男
7
○
委員長
(楠見
義男
君) 今の問題は大体私としては解決付いたと
思つて
お
つたの
でありますが、その意味は、問題か
価格
なんだから、
価格
が安ければ勿論その
差別待遇
もしない。
価格
が高ければ、これはもう
農民
に高いものを強いるわけには行かないから、こういうことでこの前
農政局長
からの御
説明
があ
つたの
であります。 それから
肥料取締法
について、一応皆さんも
事前
に御勉強にはな
つて
おりますけれども、尚
参考資料
で
肥料取締関係法規新旧対照表
というのがありますが、こういうものを中心にして御
説明
して頂くと、尚
審議
を進めるのに早いと思いますから、お願いいたします。
藤田巖
8
○
政府委員
(
藤田巖
君) それではこのお配りしてあります
肥料取締関係法規新旧対照法
、これを御覽頂きたいと考えます。今回
提案
いたしております
肥料取締法案
は、
肥料取締法
と、それから物調法に基く命令として出ております
間接肥料販売制限規則
、この二つのものを合わしまして、一本の
法律案
として出しておるわけであります。それで主な点についての差還を表に掲げておりますが、これを御
説明
申上げますと、先ず
肥料
の
定義
、
定義
について変更がございます。それは
肥料取締法
では
植物
の
栄養
に供用するものということがございます。これは
窒素
、燐酸、加里を
対象
にしておるわけであります。それから
間接肥料販売制限規則
では「
植物
の栽培のため
土地
に施用し、又は
有機物
の
醗酵促進
に供用するもの」、こういうふうに書いてございまして、
石灰
、
苦土
、マンガン、硅酸、それから
植物ホルモン
、
細菌肥料
、こういうものが従来
取締
の
対象
にな
つて
お
つた
わけでありますが、今回の
肥料取締法案
では、この
定義
を「
植物
の
栄養
に供し、土じように
化学的変化
をもたらすため
土地
にほどこされるもの」、こういうふうにしたわけであります。
従つて
この
肥料取締法
の
対象
のものは、これは当然でありますが、
間接肥料販売制限規則
では、これは「
有機物
の
醗酵促進
に供用するもの」というものがございますが、その点が今度は変
つて
おります。
従つて
「土じように
化学的変化
をもたらすため貯地にほどこされるもの」ということに相成りました結果、従来の
植物ホルモン
でありますとか、或は
細菌肥料
でありますとか、或いは
根瘤菌
でありますとか、そういうふうなものは今回は
肥料取締法
の
対象外
にした、又
土地
に施されないものは、これも
対象外
にいたしております。それから次に、事業の
資格要件
でありますが、
肥料取締法
では
製造
、
輸入業
は
知事
の
免許
、それかま
売買業
は
知事
の
免許
、かように相成
つて
おります。それから
間接肥料販売制限規則
では、第一次の
販売業
は
農林大臣
の
許可
、それから第二次
販売業
は
知事
に
届出
、こういうふうに相成
つて
おりますが、これは今回の
法案
では
生産業
につきまして、つまり
製造業
につきましては、
化学肥料
、それから
微量要素
及びその
配合肥料
、これは
農林大臣
の今度は
登録
、又は仮
登録
ということに相成ります。それから
有機質肥料
、
石灰質肥料
は、これは
知事
に
登録
するというふうに、その
種類
によ
つて
分けましたわけであります。尚、
輸入業
につきましては、これはやはり統一をして行く
関係
でございますので、
農林大臣
の
登録
又は仮
登録
ということにいたしたわけであります。それから
販売業
につきましては、これは今回は全部
知事
に
届出
ということで、特別の
許可
は要らないということにいたしましたわけであります。それからその次の
資格
の
有効期限
でございますが、これは從来は
許可
又は
免許制度
であ
つた
わけであります。今回は
登録
及び仮
登録
の
制度
に相成りました。
登録
は三年、仮
登録
は一年、こういうふうに変りました。次に、今回は
公定規格
といたものを
はつ
きりさせた。従来は
免許
又は
許可
の
制限條件
といたしまして、これを附してお
つた程度
でありますが、今回は
肥料取締法規
に基きまして、
有効成分
の
最小量
、それから
有害成分
の
最大量
、こういうふうなもの等について
農林大臣
が
規格
を決定いたしまして、これを公表するというたうにいたしましたわけであります。それから
保証票
の
規定
、これは従来と大体その
趣旨
は変
つて
おりませんわけであります。それから次は、
肥料検査官
の
権限
でありますが、従来は臨検、收去、捜索、
差押
というように、
肥料検査官
は
司法警察官吏
の
権限
をも併せて行な
つて
お
つた
わけであります。これが今回の
改正
によりまして、
司法警察官吏
の
権限
は、これは持てないということに相成りました。
検査官
は立入検査或いは收去をいたす。若しもこれが犯罪のたるに必要がありまして、捜査、
差押
をいたしますような場合は、
司法警察官吏
の協力を求めてやるということに変りましたわけであります。それから
行政処分
は、大体従来
免許
の
取消
、
営業
の
制限
又は停止ということがございましたが、今回は
登録
の
取消
、
讓渡
又は引渡の
制限
又は禁止、これに変る
條項
が入
つて
おるわけであります。それから聽問、いわゆる
公聽会制度
でございます。これは従来の
法規
にはございませんでしたが、今回はこれを他の
法律
の
規定
にも倣いまして、
登録
又は仮
登録
の
取消
をいたします場合は、
事前
に聽問会を行う。それから又不
登録
、不
許可
、
行政処分
というような場合は、事後に公開によ
つて聽聞
を行い、その
意見
を聞くというふうに仕組に相成
つて
おるわけであります。それから
適用
の除外でありますが、これは他の用途に供する場合は、一応この
取締法規
の
対象外
にいたしております。例えば
輸出用
にいたしますものでありますとか、これは
必らずし
も国内の
規格
には合致しない、つまり他国の注文と申しますか、あちらの
規格
ということもあるわけでありますが、或いは又
工業用
にこれが使われます場合、或いは
飼料用
に供するような場合というようにいろいろございますので、かような場合は、これは
適用
を除外するのであります。
取締法規
による
適用
は除外して行くということにいたしたわけであります。それから
罰則
につきましては、これは
最高
の
罰金
が
肥料取締法
では二千円でございます。それから
間接肥料販売制限規則
では、これは
物調法関係
の
罰則
がそのまま
適用
されておりますので、
最高懲役
十年、
罰金
十万円であります。これを今回整理いたしまして、他の
刑罰法規
との均衡も考えまして、
最高懲役
三年、
罰金
十万円といふうにこの
罰則
の
強化
をいたしましたということであります。大体主な
改正点
というのは、かような点であります。 それから尚もう一点、今回の
法案
の十九條というのを御覧頂きたいと思いますが、これが従来と若干
趣き
が異な
つて
おります。これは「
生産業者
、
輸入業者宣
又は
販売業者
は、
普通肥料
については、
登録
又は仮
登録
を受けており、且つ、
保証票
が附されているものでなけけば、これを讓り渡してはならない。」
つまり登録
又は仮
登録
が済んでお
つて
、
保証票
が附いておらなければ売渡してはならないというふうな
規定
でございますが、特にこれは
関係方面
からの御
意向
があ
つた
わけでありまして、
登録
又は仮
登録
に通らないものであ
つて
も、これを売
つて
はならないということは、これは何と申しますか、
憲法
上
制限
にな
つて
おる。これは
はつ
きりさせて売るべきじやないか、売らして然るべきじやないかというふうな御
意見
があ
つた
わけでありまして、その結果「
生産業者
又は
販売業者
が、第六條の
規定
により
登録
又は仮
登録
の
申請
をした
普通肥料
であ
つて主成分
の
含有量
が
公定規格
に達せず、又は
公定規格
の定がある類以する
種類
の
肥料
の
品質
に達しないものについて、省令で定める手続に従い、
農林大臣
の
許可
を受けた場合は、
生産業者
、
輸入業者
又は
販売業者
は、
前項
の
規定
にかかわらず、
登録
又は仮
登録
を受けていない
普通肥料
であ
つて
も、これを讓り渡すことができる。」こういう
規定
が入
つて
おるわけであります。但しこれはその次に三項がございまして「
農林大臣
は、
前項
の
規定
による
許可
の
申請
があ
つた
ときは、当
核普通肥料
が
植物
に有害である場合又は当
核普通肥料
の
主成分
の
含有量
が
公定規格
の半ばに達せず、若しくは
公定規格
の定がある類似する
種類
の
肥料
の
品質
の半ばに達しない場合を除いて、その
申請
の日から五十日以内に
前項
の
規定
による
許可
をしてはならない。」、つまり
公定規格
の
判分
以下しか
主成分
が含んでいないようなものは、これは当然
許可
しなくてよろしい。それから
植物
に有害である場合は、これは当然
許可
しなくてよろしい。それ以外のものについては一応
許可
をいたしまして、その代りこはれその
趣旨
を
はつ
きりさせる、ちやんとすることを記載をさせまして、売らせるというふうなことが適当じやないかというふうなことで、かようにな
つて
おります。この点が従来と
趣き
が異な
つて
おりますのであります。御
参考
までに申上げます。
楠見義男
9
○
委員長
(楠見
義男
君) それじや
公定規格
の制定についての具体的な内容と言いますか、例えば
窒素
肥料
については、こういうふうにや
つて
行くのだというようなことについて、
肥料課長
から
説明
を聽取いたします。
大谷一太郎
10
○
説明員
(
大谷一太郎
君)
参考資料
の中に例示してあると存じますが、
只今
考えておりますものは、先ず
肥料
の
種別
といたしましては、
窒素質肥料
で申上げますと、
硫酸アンモニア
、或いは副産
硫酸アンモニア
、
硝酸アンモニア
、
塩化アンモニア
等々、個別に掲示いたしまして、その
含有成分
の
最低量
を、例えば
硫安
につきましては
アンモニア性窒素
二〇・六%、硝安につきましては
アンモニア性窒素
一六%、
硝酸性窒素
一六%というように定めて参りたいと存じております。尚例えば
硫安
につきましては、
制限
的な
事項
として
遊離硫酸ポイント
五%以下、
硫青化物
一%以下、全砒素〇・五%以下というような
制限事項
を、個々に必要があります場合は付けて行きたい、こう考えております。ただ全体につきましては、まだ検討中のところがございますので、
資料
としてお配りできなか
つた
わけでありますが、今申上げましたように、
公定規格
としては
肥料
の
種別
、それに含まれる
主要成分
の
最低量
、その外に必要があります場合には
制限的事項
として、
只今
申上げましたようなものを附加えて
公定規格
といたしたい、こう考えております。
楠見義男
11
○
委員長
(楠見
義男
君) それではどうぞ御質問お願いします。
岡村文四郎
12
○
岡村文四郎
君 この
肥料
の仮
登録
をさせることにな
つて
いるようですが、期間が
登録
は三年、仮
登録
は一年、こういうふうにな
つて
お
つて
、仮
登録
したものは一年の間に
肥料試験
をや
つて
、それに適合するものは
登録
する、こういうことにな
つて
いるようですが、
輸入肥料
を主に考えておられるように思われる、仮
登録
をしなければならんかということは、私が考えるのには、それは
価格
によりますが、十分なものとして仮
登録
をして、
買つたあと
の結果において、その価値がなか
つた
ということになると、買
つた
ものはそれに対する損害がありませんかということになると思いますが、どういうものでしようか。
藤田巖
13
○
政府委員
(
藤田巖
君) 従来は、かよか、
許可
とかという
制度
はなか
つたの
でございます。併しながら実際問題にぶつかりますと、我々の立場では、これは必ずしも
肥料
としての効果があるかどうかよく分らない、まだその
試験
の成績も
はつ
きりしておらないという場合に、併しながら一応
申請者
の側では、一応
試験
も済ませて、その結果も有効であるということが出て来ております場合に、必ずしもそれが役所の方の
試験
が済まらないらとて、それをいつまでも延ばすことが果してよいかどうかということに迷うことが沢山あるわけであります。
従つて
そういうようなものにつきまして、これは当然我々としては疑わしいというものについては、却下を直ちにいたすわけでありますが、一応この
事項
についても
相当程度
、
業者
の
試験
によ
つて
信頼し得るというふうな場合には一応仮
登録
として
販売
を認めまして、そうして使わせて見て、
試験
場、
検査所
その他でもその後の結果も調べまして、そうして一年後において、これを本
登録
を認めるかどうかということを決定した方が、これは親切でもあり、又効果的ではなかろうかというふうな
考え方
からいたしまして、この
制度
を設けたのでありまして、やはり
農家
の方々におかれましても、仮
登録
の
肥料
はさような性質のものであろうということをよく理解いたしまして、使われる場合は
注意
して頂くということにして、段々
農家
の今後の何と申しますか、
注意
を喚起してや
つて
行くことにいたしますれば、弊害は防げるし、その方が効果的ではいかと考えております。
岡村文四郎
14
○
岡村文四郎
君
局長
の今の
お話
のようで、
農家
がそこまで理解をされるようであるならば割合楽なんですが、なかなかそういうわけには行かぬと思う。私は実は仮
登録
という
制度
を一体設けることが、余り気に食わぬわけでありますが、と申しますことは、
価格
を
公定価格
のように決めて、そうして仮
登録
のものは何ぼ何ぼ安いということにな
つて
おる。それはいいかも知れぬが、そうでなければ、買う
農家
が
局長
の今の
お話
のように仮
登録
のものは不十分なものだということを知
つて
買うようであれば、これは討論もないわけで、実はなかなかそこまでは行かぬことで、若し
農家
が知らなくても、
取扱
う方、例えば
協同組合
が扱えば、そういうことくらいは気を付けると思うのです。そうでない
一般業者
になると、むしろ仮
登録
というものは、非常に甘味のあるという時分には、割合に勧めはせんかということを考えるものですから、若しそれを
買つて
、前に申上げたように
取消
になるような
肥料
であ
つた
とするならば、
価格
の点において百姓が損を蒙むることになりはせんかということなんです。本来ならば今までなか
つた
ようですが、私は仮
登録
というものは非常に気に食わぬ
一体施設
じやないかということを考えておる。それはそこまで行
つて
おらぬことはよく
承知
だと思うのですが、そういうわけで
法律
を決める者、又
提案
をする人が、そういう
気持
で、大事な
肥料
ですから、やることは軽率じやないかということ。その次は、
成分
を検査した結果、
規格
の半分の
成分
に足らぬものは、他へ讓つちやならぬ、売買しちやいかぬ。こうな
つて
おるようですが、これは
価格
の問題なんですけれども、何も
価格
さえ安ければ、それ
程度
は、これを造
つて
おるものは投げる必要もないので、使わしていいと思う。ということは、半分なら半分、三分の一なら三分の一しかないということを
はつ
きりしてお
つて
、それを使うならば、場合によ
つて
は
却つて
それを
沢山使つた方
がいいということも一体ありはせぬかということを考えておるのですが、どういうものですか。それは絶対売つちやならぬということになると、
造つた人
は困ると思うのですが、そんな
価格
で売るならば、それを売らせぬということも……。前にはそういうことはあつちやいかぬということで、大分直したようにな
つて
おるが、後じや売つちやいかぬということですから、それは
肥料
というものの施肥の
関係
から
言つて
、それは使
つて
ならぬとか、売
つて
ならぬとかいうことには、少し行過ぎじやないか、こう思うのですが、どうでしようか。
藤田巖
15
○
政府委員
(
藤田巖
君) 仮
登録
の問題は主として新らしい
肥料
、新
肥料
についてそういう問題が起
つて
来ると思います。まだ
農林省
では何らそれについての
肥効
も
試験
しておらない。併し
業者
の方は非常にこれを効くということを
言つて
申請
して来られた場合に、どうするかという問題です。
農林省
の
検査所
に対する
陣答
その他が完備しておりまして、早速にもやれるならば、迷惑もかけずに、てきばきと処理ができると思いますけれども、陣容も非常に不足でございますので、徒らにそれを待たせるということもどうかというような
考え方
もありますので、やはり仮
登録
の
制度
というものを認めて行くことが適当ではないかというふうに
思つたの
です。それから
価格
につきましては、仮に
登録
又は仮
登録
で受付けてございませんでも、受付けることのできない
肥料
でありましても、つまり
保証成分
が足らないというような場合には、併し場合によりますと、それは倍使えば同じ
程度
の
肥効
があるわけで、それから値段が安ければ
農家
として或いはそれは買うかも知れない、こういうこともあるわけでございまして、だから必ずしもそれを抑えるということも如何なものかというような
意見
に基いて、今回のようにいたしたのであります。
従つて
一応決めておりますところの
公定規格
の
判分
以上、例えば
窒素成分
が二〇%といたしますれば、一〇%以上仮にあるような場合に、半分以上に達しておるようなものについては、これま
許可
を認める。それを認める。併し余りに少いものにつきましては、やはりこれは
農家
の方もその点の判断が非常にむずかしいわけでありますから、
農家
に対して迷惑がかか
つて
もいかぬわけでありますから、余りに少い数量の
成分量
しかないものについては、これを認めないというようにいたしまして、大体半分というところで線を引いてや
つた
わけであります。
従つて
かような
建前
になります以上、おのずから
価格等
についても、たれに合せたような措置を講じて行くことは当然であります。自由なものについては、当然そういうふうに経済的の値開きが出ておりますし、それから統制しておるものについては、さような
考慮
を今後
価格
を決める折には考えて行かなければならんというように
思つて
おります。
岡村文四郎
16
○
岡村文四郎
君 先ず第一、根本なんですが、
肥料
の
価格
は当分
政府
の方でお決めになるお考ですが、又これは段段自由の
建前
に進んで行くと思うのですが、どういうお考ですか。
藤田巖
17
○
政府委員
(
藤田巖
君) 我々の
建前
といたしましては、
肥料価格
も相当高くな
つて
おります。
従つて価格自体
を、今後も
需給
の
関係
さえ
調整
がとれて参りますれば、
価格自体
もむしろこれは外して行くべきだというふうに
思つて
おります。ただ現在は
補給金等
の
関係
もございますので、その点の
考慮
は必要かと
思つて
おります。我々の
気持
はできるだけ早く
価格自体
についても、むしろ外して
行つた方
がいいと
思つて
おります。
楠見義男
18
○
委員長
(楠見
義男
君) 今岡村さんの御質問の後の
品質
の半分とか、
規格
の半分という点、十九條、これはこういう場合を除いては必ず
許閣
をしなければならない、こうあるのだが、
品質
半ばに達しない場合は
許可
してはいけないということは、これから逆に出て来るわけなんですか。
藤田巖
19
○
政府委員
(
藤田巖
君) 必ずしもそうは出て来ないと思いますけれども、
我我
の
気持
としては、これに達しないものは
許可
しないということで行きたいと思います。
岡村文四郎
20
○
岡村文四郎
君 どうもちよつと腑に落ちない点があるのですが、これからこういうものを
製造
したいが如何でしようかというて持
つて
来られたものについての
分析
の結果が、
規格
の半分に足らぬものは、それはそれでもいいと思う。ところが、相当に造
つて
おるものならば、
成分
は
規格
の半分以下でも客土をするつもりならばちつとも差支ないので、若し造
つて
おるものならば、その需要によ
つて
は讓ることを許して行
つた
つた
いいんじやないかと思うのですが、どうですか。
藤田巖
21
○
政府委員
(
藤田巖
君) これは五項というのをちよつと御覽頂くと、その
一つ
の場合が書いてあるわけであります。「天災地変により
肥料
が
登録
証又は仮
登録
証に記載された規
規格
を下廻
つた
場合及び省令で定めるやむを得ない事由が発生した場合において、命令の定めるところにより、
農林大臣
又は
都道府県知事
の
許可
を受けたときは、
生産業者
、
輸入業者
又は
販売業者
は、第一項の
規定
にかかわらず、
普通肥料
を讓り渡すことができる。」何か
化学肥料
で機械設備に故障があ
つた
とか、何か事故がありまして、このいわゆる
公定規格
を下廻
つた
というような場合には、現実に物ができてしま
つた
わけであります、例えば
硫安
について二〇・六%、こういうふうなものを決めておりましても、何か設備の
関係
その他で一八%というものができて来た、こういうふうなときには、それだけはどうしても売れないということも、無駄にするということも考えものでありますからして、さような場合には、その事情が分りますれば、これは
価格
その他の点についていろいろ考えるとか、措置を講じまして、
許可
をいたしまして、それは売ることができるというふうにいたしておるわけであります。
楠見義男
22
○
委員長
(楠見
義男
君) 二点だけ伺いますが、
一つ
は
販売業者
の
届出
ですが、その他のいろいろな
制限
があるのですが、農業
協同組合
は
販売業者
として
取扱
われるですか、その点
一つ
。もう
一つ
は、特殊
肥料
について、
製造業
者その他のいろいろの
制限
があるのですが、例えば魚肥のように、魚が腐
つた
から
肥料
にする、それまでは食用にするつもりであ
つたの
だが、
肥料
にするというような、そのときの状態によ
つて
変る場合があるのですが、こういう場合の
取扱
は、これは特に二十三條と関連しての問題なんですが、それから前の
販売業者
の
関係
は十八條の
関係
なんですが、この二つを御
説明
して頂きたいと思います。
藤田巖
23
○
政府委員
(
藤田巖
君)
協同組合
も
販売
をいたす場合は、これは
販売業者
として
取扱
つて
おります。それから魚肥等のごときは、第二條の二項に「この
法律
において「特殊
肥料
」とは、
農林大臣
の指定する米ぬか、たい肥その他の
肥料
をいい、」と書いてございますが、
只今
お話
のございました魚肥のごときものも、その他の
肥料
として指定をするつもりでおります。
従つて
いわゆる特殊
肥料
というふうな
取扱
になります。
従つて
それについては
普通肥料
と特殊
肥料
とは條文を変えておりまして、例えば
公定規格
であるとか、いろいろの面倒なことは全部除外されております。
楠見義男
24
○
委員長
(楠見
義男
君) いや、僕の聞くのは、食用にするつもりだ
つた
けれども、腐
つて
肥料
にするという場合には、予め
肥料
にするつもりで
製造
したのじやないのだから、二十二條、二十條三の
関係
なんですけれども、その場合には
販売
する者だけが
届出
するのか、
生産業者
の
届出
は要らないのか、そのことなんです。
藤田巖
25
○
政府委員
(
藤田巖
君) これは
対象
にいたしておるものが、いわゆる業でありますから、
従つて
魚肥でも、やはり魚を
買つて
来て、魚肥として継続的にや
つて
おるというふうなものについては、勿論
対象
になりますが、誰かたまたま
営業
でなく食べるつもりで、魚屋さんなら魚屋さんが
買つて
来たが、腐
つて
食べられないから売る。たまたまそういうふうな特別一時的な事態が発生するというようなものについては、格別この
肥料取締法
で
製造業
者とか、
輸入業者
とか、
販売業者
というふうなものとは見なくていいんじやないかと思います。
楠見義男
26
○
委員長
(楠見
義男
君) 具体的に言うと、例えば東京魚市場で恒久的にや
つて
おるのがおりますね。そういう場合には、魚市場のものは
生産業者
じやないから
届出
ないでいい、そういうふうに腐
つた
ものを常に
肥料
に廻す人間だけか二十三條の
販売業者
として
届出
を要する、こういうことですか。
藤田巖
27
○
政府委員
(
藤田巖
君) さようであります。
岡村文四郎
28
○
岡村文四郎
君
普通肥料
に二種あるのですが、
公定規格
のない
普通肥料
というのは何と何ですか。
楠見義男
29
○
委員長
(楠見
義男
君)
肥料課長
から御
説明
させます。
大谷一太郎
30
○
説明員
(
大谷一太郎
君)
普通肥料
には原則として
公定規格
を設けると書いてありますが、今一般に認められておる
植物
の
栄養
素以外のものが現われることも予想されます。主として新らしい品種を想定しております。そうしてその際に、先程御質問がありました仮
登録
を行い、
従つて
仮
登録
は
公定規格
がない、こういうことになります。
藤野繁雄
31
○藤野繁雄君 第一條によ
つて
見まするというと、公正なる取引を確保するためということで、公正な取引をすることが本
取締
法の目的であ
つて
、農業生産力の維推増進ということは従たるようにこの
法律
では読まれるのでありますが、私らから申上げるというと、農業生産力の維持増進のために
肥料
の取引を確保すると、こういうことにな
つて
来なければいけない、こう考えるが、この
関係
を
一つ
御
説明
をお願いしたいと思います。
藤田巖
32
○
政府委員
(
藤田巖
君) これは農業生産力の維持増進に寄與する、これがつまり最終の目的と私共考えております。
羽生三七
33
○羽生三七君
輸入肥料
については、
輸入業者
が勿論責任を負うことになると思うのですが、今の管理下においては、やはりその
業者
自体が責任を負うことになるのですか。何か特別の処置ができるのですか。その辺どうですか。
藤田巖
34
○
政府委員
(
藤田巖
君) 現在では、御
承知
の通り
肥料
公団というものかございまして、
輸入
いたします加里
肥料
とか、硝安とかは全部この公団で
買つて
おります。
羽生三七
35
○羽生三七君 その場合は責任はどういうことになるのです。公団自体の責任になるのですか。
藤田巖
36
○
政府委員
(
藤田巖
君) 責任は公団が持つことになると思います。
羽生三七
37
○羽生三七君 自由にな
つた
場合も同様に、今の公団が
業者
にな
つた
場合は、
業者
自体の責任でそれを持つわけですか。
藤田巖
38
○
政府委員
(
藤田巖
君) 自由にな
つた
場合は、公団というものはなくなりますわけですから。
羽生三七
39
○羽生三七君 だから
輸入業者
が…。
藤田巖
40
○
政府委員
(
藤田巖
君)
輸入業者
が責任を持つ……。
羽生三七
41
○羽生三七君 責任を持つということになるのですね。
藤野繁雄
42
○藤野繁雄君 今
肥料
公団の問題が出たのでありますが、
肥料
の配給について、近く
肥料
公団はなくなると思うのでありますが、いつ頃廃止して、廃止後におけるところの
肥料
配給の組織及び方法はどういうふうにお考えにな
つて
おるか、この際お尋ねしたいと思います。
藤田巖
43
○
政府委員
(
藤田巖
君) これは公団で
審議
の際、衆議院の
農林委員会
でも意がいろいろあ
つた
わけでありますが、我々の現在の
予定
といたしましては、
肥料
公団は七月末を以て、春肥の完了後これを終えたいと考えております。併しながら
肥料
のごとき農業用の生産資材として重要なものについては、これを單に自由に放任するということは、これはやはり問題があるのでありまして、工場生産品であり、各月ごとに生産はできる。而も
農家
の施肥する時期は年に二回であります。その間その
需給
の時期的な、或いは地域的な
調整
をとるところの機構というものが、公団がなくなりました後もやはり必要であろうと
思つて
おります。
従つて
現在衆議院の議員提出
法案
といたしまして、
肥料
の
需給
調整
法でありますとか、或いはこれに伴う特別会計法というものが、現在
関係方面
の方に承認を得るために提出いたしておりますが、私共といたしましても、かような組織によ
つて
一応自由になりましても、何らか国が一定数量を買付けて置いて、そうして時期的な、或いは又場所的な
需給
の
調整
をや
つて
行く。必要なところで若し不足をいたしまする場合は、これをすぐさま出す。或いは
価格
が暴騰いたしますれば一定値段で売出すというようなな、仕組みの面でこの
肥料
の円滑な
輸入
を図りたいと、かような状況で今進んであります。折衝いたしております。
藤野繁雄
44
○藤野繁雄君 現在の農村の金詰りの状況から考えて見ますというと、
肥料
は絶対的に農手でなくてはできない。併しその資金に困るというようなことが当然であるのでありますが、この
肥料
資金に対する具体的の案は、農業手形で全部解決するというお考えであるか。若し農業手形で決済するといたしましたならば、昨年の台風のようなことを考えて来て見ると、供出するところのものは台風前にあ
つた
んだ、然るに台風があ
つた
ために供出するものが
一つ
もなくな
つて
しま
つた
、こういうふうなことにな
つて
来るのでありますが、
肥料
資金を農業手形で出すといたしましても、こういうような天災地変のあ
つた
場合の
肥料
資金はどういうふうに一応考えておるか、又現在農業手形で未決済のものがあると考えるのでありますが、その未決済の農業手形はどう処理するお考であるか、この点お伺いして置きたいと思います。
藤田巖
45
○
政府委員
(
藤田巖
君) 御
承知
の通り農業手形は共済保險金額というものを一応見合にして出しております。
従つて
共済保險、災害補償法による共済
制度
がございますわけでありますからして、たとえ天災がございましても、災害による共済金額というのは当然取れるわけであります。それを担保といたしまして、農業手形を出しておる仕組で参りますれば、これはそれでや
つて
よかろうと思います。それで我々といたしましてはこの
肥料
を購入するに必要な資金は、相当これは多く、今後多くなると考えますが、その必要な資金量は
必らずし
もこれを確保して、やはり
農家
における金融というものは、農業手形
制度
で考えて行く以外に方法はなかろうというふうに
思つて
おります。それから尚昨年度の農業手形がまだ落ちないという問題もあると思います。これはむしろ我々といたしましては、
協同組合
全体の最近の金詰りで貯拂資金等に対する対策も講じております。而も貯拂資金等の対策を講じ、且つ又
農家
の
協同組合
の再建計画というものを
はつ
きり立てさせまして、必要な資金を面倒を見て行く場合に、その点も
考慮
して参りたいと
思つて
おります。
藤野繁雄
46
○藤野繁雄君 九州各県の農業手形の状況を伺
つて
見るというと、今私が申上げた台風のために、災害補償の金では足りずして、現在或る
程度
未決済にな
つて
いるものがあるのじやなかろうかと思うのであります。こういうふうなものに対しては何か特殊の手続きをして頂かなくちやできないのじやなかろうかと、こう考えるのであります。又農業手形の
関係
については、予算
委員会
でも申上げたのでありますが、九州、中国、四国というようなところは、御
承知
の通り十二月末では供出が完了しないのであります。完了しないのに農業手形の期間は十二月だということだ
つた
ならば
肥料
代金の決済ができない、こういうふうなことになるのであります。然るに一方煙草及び桑の手形の方を考えて見ますると、東北の特殊の地帶には、收穫が遅れるからとい
つて
特例を設けて翌年の二月まで延ばしたのであります。煙草や桑は特殊地帶と認め、農業手形に特殊地帶を設けられないところの
理由
はどこにあるか、こういうふうなことをお尋ねしたところが、それは何とか考えるということであ
つたの
でありますが、その農業手形と決済との
関係
を、特殊地帶にあるところの供出が遅れる中国、四国、九州というようなところにも、煙草のように翌年の二月までこれを延期して貰いたいという希望を持
つて
おるのでありますが、これに対するところの、具体的の話を進めておられるならば、どの
程度
進んでおるか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
藤田巖
47
○
政府委員
(
藤田巖
君) これは農業手形全般については官房の方でや
つて
おりますわけでありますが、我々といたしましても、農業手形のうち大部分が、
肥料
代金相当部分が、半分以上だ
つた
と思いますが、
肥料
代金にな
つて
おります。非常に重要な部分を占めておりますので、これは公団機構の改編に伴いまして、金融の対策として農業手形をもつと……何と申しますか、有効適切に利用し得る方法を現在研究をいたしております。それで
只今
御指導の点についても、私共も御尤もな事情であると考えておりますので、今度農業手形を、
肥料
代金についての農業手形
制度
を具体的に実施する場合は、今
お話
のありましたような点も実現するように努力して参りたいと今折衝いたしております。
楠見義男
48
○
委員長
(楠見
義男
君) ちよつと藤野さんに申しますが、先週金融の問題を
取扱
いまして、そこで農業手形の問題については、丁度先程まで官房長がお
つたの
ですが、今帰りましたけれども、官房長、それから金融課長を呼びまして、見返資金の問題と併せて検討したのですが、その際に例えば昨年の農業手形の未決済分についての
取扱
いについては、例えば三月末日で一応締括
つて
、未決済のものの処理はどうするかというようなことだとか、それから見返資金の現在までの経過並びに本年の見通し、こういうようなものが、書き物でできたものが
一つ
届けられたのでありますが、後程お届けいたします。
山崎恒
49
○山崎恒君
只今
藤野さんの質問に引つかかる問題ですが、農業手形の大体見返りが、農業災害の補償金が見返りの
対象
になる仕組みであるというような点ですが、
農林大臣
おいでですから、この点お聞きしたいのですが、最近災害補償金に対して税金をかける、この点はどういうふうなのですか
一つ
お聞きして置きたいと思うのですが。
藤田巖
50
○
政府委員
(
藤田巖
君) あれは、この災害の起りましたときの共済金額につきましては、これは本来やはり所得と見るべきものであるという観念であります。それで但し必要なる経費はこれを見合いにして十分計上いたして置くわけであるからして、その所得と見合
つた
必要経費を操作いたしまして、大体において災害についてはかからないような
建前
で、大蔵省
方面
でも考究をされ、通牒が出ておるわけであります。併し尚その点について各税務署の実際の扱い方について相当いろいろ一律でない点もあると思います。場所によりますと、共済金額と見合いにした必要経費として、実質にかからないように措置いたしておるところもあるわけであります。我々といたしましても、その点について尚
はつ
きりして頂きたいのであります。殊に米麦についての共済金額というものは、これは所得の代りだということは一応言えるわけでありますが、家畜保險なんかについて考えますと、これはちよつと同じ考えではいけないわけであります。損害保險の保險金については所得税はかけないという原則があるのであるから、家畜保險についても当然同じ扱いをしても然るべきじやないか、そういうことを交渉しております。尚この点については更に折衝を重ねて、不当な課税の起らないようにや
つて
行きたいと
思つて
おります。
山崎恒
51
○山崎恒君 この問題は
肥料
の問題と別でありまするが、折角この補償法ができて、保險金をとる目的で
農家
は作物を作
つて
おるのではなくて、とにかく一ケ年間粒々辛苦して生産して、ぱつと災害のためにそれを無にしてしまう、そのためにとられる保險
制度
でありますので、折角保險
制度
が一反歩千円かそこらの金が来ましたところが、それに対してぼかつと税金を取られるということにな
つて
しま
つて
は、全く百姓も辛苦が泡にな
つて
しまうので、
只今
農政局長
の話されましたように、事実本年度そういう実例が各地にあるのです。それから、これらも大蔵省と特に緻密に折衝して、
局長
名なり或いは次官名なりで、一応通知を出して頂くような方法でもと
つて
貰いたいと、こう思うのですが、尚この問題は
一つ
本
委員会
等でも、
委員長
に要望するのですが、できれば大蔵省等とも
一つ
この
委員会
等で
はつ
きりして頂きたいと、こう思いますが、希望を申上げます。
楠見義男
52
○
委員長
(楠見
義男
君)
承知
しました。
山崎恒
53
○山崎恒君 次に、
只今
審議
されている
肥料取締法
でありますが、この十二條に、
登録
の有効期間を三ケ年とし、仮
登録
の期間を一年という期限を法制化してあるのでございますが、勿論これは仮
登録
というものは、いわゆる本
登録
になるまでの仮
登録
の
制度
であ
つて
、
肥効
の
程度
がどうであるか、或いは
肥料
の
成分
がどうであるかというようなものが
はつ
きりしないため、仮
登録制
を暫定期間として設けるというような
考え方
に私は考えるのでありますが、これについて一応三年と一年という期間を設けた
理由
をお聞かせ願いたい。それから次に、更新の
制度
をと
つて
あるのでございますが、この更新
制度
は、單にこうした点については余り煩雑じやないか、こういうような点でありまするが、その点も
一つ
お聞かせ願いたいのであります。
藤田巖
54
○
政府委員
(
藤田巖
君) この三年、一年にいたしました
理由
は、一応決めて……、現在の事情から一応各
肥料
ごとに
公定規格
は決めるわけでありますが、
公定規格
自体もその後の研究進歩によ
つて
、時代の推移と共に当然変るべきものだと考えます。
従つて
さような意味合で、これをいつまでも長くそのままの
公定規格
で置くことも適当でございませんので、一応の
規格
といたしまして、これを三年としたというわけであります。それから仮
登録
につきましては、これは
お話
のございましたように、本
登録
に移すべき間の仮の期間であります。できるだけ早くそれは結論を出して処理することが適当でありますために、一年と、そういうふうに短くしたのであります。それから最後の点についてちよつと御質問の
趣旨
を聞き洩らしましたので、もう一度ちよつと……。
楠見義男
55
○
委員長
(楠見
義男
君) 更新の手続についてです。
藤田巖
56
○
政府委員
(
藤田巖
君) これはやはり期間とも
関係
するわけでありまして、三年の一応の区切りといたしまして、その間に何ら
公定規格
その他を変える必要もないなら、そのまま更新して行
つて
差支えないことだと
思つて
おります。ですから更新の手続というものは、そう煩雑にすることも考えておりません。極く簡單に処理して行きたいと
思つて
おります。一応の期間を置くわけでありますから、期間の済みますものにつきましては、併しながらもう一度審査しまして、そうして必要ないものは再びこれを更新するというふうな手続をとる。
岡村文四郎
57
○
岡村文四郎
君 特殊
肥料
についてでありますが、外のものは特殊
肥料
としてここにあるようなことができると思うのですが、魚粕の
取締
も何もない、
規定
も何にもないのですが、これはどういうふうに扱
つて
行かれるのか、これは御
承知
のように非常に甲乙があり、若し惡い人であ
つて
一番腐り易いもの、そんなものを入れて売
つたの
ではしようがないので、どういうことにせられるのか、
一つ
お聞きして置きたいと思います。それから腐
つて
おるものでも何でも、腐れば
成分
も減りますけれども、そういうものはどういうことになるか、お聞かせ願いたいと思います。
大谷一太郎
58
○
説明員
(
大谷一太郎
君) 魚粕の点は非常にむずかしいのでありますが、従来通りと申しますが、今度の新らしい農産物
規格
検査法が成立いたしますれば、それに基きまして検査を行な
つて
参りますということになります。ただ魚粕の粉末につきましては、我々の方はこれをなかなか
品質
の識別が困難でありますから、
普通肥料
の中に入れたい、かように考えております。
従つて
普通肥料
の中に入れて
公定規格
を設定いたして、これに
従つて
検査をする、こういうわけであります。
山崎恒
59
○山崎恒君 仮
登録
という意義については、先程大体
説明
で分
つたの
ですが、仮
登録
の
肥料
も
登録
した
肥料
も同様に、これはもう同等に
取扱
つて
自由に
販売
することができるのかどうか、その点
一つ
お伺いしたいと思います。
藤田巖
60
○
政府委員
(
藤田巖
君) 仮
登録
のものも本
登録
のものも、その期間中には
販売
については同じように扱われる。自由であります。
山崎恒
61
○山崎恒君 期間中と申しますのは、
登録
肥料
は三年、この仮
登録
は一年ということで
承知
してよろしいのですか。
藤田巖
62
○
政府委員
(
藤田巖
君) その通りであります。
山崎恒
63
○山崎恒君 そうしますと、この
肥料
の
取締
法案
は、もう当初
大臣
の
提案理由
の
説明
にもありましたように、農業保護上、これはこうした
取締
法をとるのだということでありまするが、仮
登録
は
肥効
の
はつ
きりしないものを、
はつ
きりしておるのは本
登録
になるのですが、
肥効
の
はつ
きりしていないものを一年間仮
登録
にしてやらせようというのですから、それならば当然農業保護上、
農家
のための保護上とするならば、
はつ
きりしないものならば、これは抑圧して売らせない。
はつ
きりするまで抑圧して売らせないというのが農業保護上の
一つ
の政策ではなかろうかと思いまするが、その点如何なものですか。
藤田巖
64
○
政府委員
(
藤田巖
君)
お話
の通り、これが
植物
に害があるとかというようなものについては、これは絶対に売らせないということは言えると思います。ただ果して
肥効
がどうであろうかというような、こういうことになります場合に、完全な
試験
の成績はないけれども、害はないというような場合に、絶対にこれをいかぬというふうには、相当の何と申しますか、
試験
もして確信がなければ言えないと思うのです。その点について従来の陣容で考えますと、徒らにまだ
肥効
が
はつ
きりしないからとい
つて
抑えておるばかりでも、これはやはりいけないのじやないか、そういうふうな
考え方
もあるわけでありまして、
従つて
一応の
業者
の
試験
成績によ
つて
、或る
程度
の
肥効
はあるということの見究めが付くならば、それは一応仮
登録
という
制度
で使わして見る、そうした又
試験
場その他でも
試験
をして見る、そうしてこれを決めて行くという態度をとることが
却つて
合理的でもあ
つて
よいのじやないか、徒らに抑えるよりもよいのじやないかというような
考え方
です。
羽生三七
65
○羽生三七君
只今
お話
の
試験
をする場合の、特に栽培
試験
の場合には、
試験
する場所は国なり県なりの
試験
場ですか。
藤田巖
66
○
政府委員
(
藤田巖
君) 大体においてさような場合が多いと思います。国の
試験
場によ
つて
それを
試験
して貰うということが通常だと思います。
羽生三七
67
○羽生三七君 別に
肥料
検査所
に附属した場所というものを作るのではなく、県なり国に委託をするわけですね。
藤田巖
68
○
政府委員
(
藤田巖
君) 仮
登録
をいたしました
肥料
を我々の方で審査をいたします場合には、
肥料
検査所
においてやうして行くというような
考え方
でおるわけであります。
従つて
先程の点は訂正いたします。
羽生三七
69
○羽生三七君
肥料試験
所で栽培
試験
をやるのですが、私の言うのは
成分
の
試験
ではなく栽培
試験
の場合です。
大谷一太郎
70
○
説明員
(
大谷一太郎
君)
肥料
検査所
は各地の
肥料
検査所
で栽培
試験
をする施設を持
つて
おりませんけれども、東京の
肥料
検査所
で栽培
試験
を行う
予定
にしております。
只今
の圃場
試験
は農事
試験
場等を借りておりますけれども、
肥料
検査所
で圃場
肥効
試験
まで行な
つて
おります。附加えて申しますと、仮
登録
の
申請
をする場合の
申請者
が付けて来る
試験
の成績は、成るべく公的な機関のものを要求いたしますけれども、必ずしも国又は地方公共団体の
試験
場における成績でなくてもよろしい、こう考えております。
羽生三七
71
○羽生三七君 それ以外の場合ですと、プライベートにどこかの
農家
の証明でもあれば、それでいいということになりますか。
大谷一太郎
72
○
説明員
(
大谷一太郎
君) それは客観的に見て信用がおけると考えられる研究所乃至は
試験
所の成績と、こう考えておりますが、それは施行規則等で明示したいと考えております。
山崎恒
73
○山崎恒君 十九條の第二項の
規格
外
肥料
の
制度
を設ける事由は……どういうわけでこの
規格
外の
肥料
の
制度
を設けるかということを
一つ
お聞かせ願いたいと思います。それと関連して、
規格
外
肥料
は
農家
では
肥料
の選択を誤まる虞れがある、非常に危險が多いので、
保証票
に
規格
外と記入するばかりでなく、
肥料
の名称にも
規格
別なることを明瞭に表示を行わせたらどうかというようなことで、そうしたことによ
つて
農家
を十分に指導すべきであると、こう思うけれども、これはどうかという点をお聞きしたいと思います。
藤田巖
74
○
政府委員
(
藤田巖
君) この点は率直に申上げますと、非常に疑問があ
つた
点でありまして、私共の当初の考えは、本
登録
又は仮
登録
、いずれにしても
登録
をしたもの以外き売らせないというふうな、従来のような
考え方
で行くようなことで考えてお
つた
んです。ところが一方別に
憲法
上、一応できておる製品を、それが仮に仮
登録
ができないものであ
つて
も
販売
を禁止するということは、そういうことは
憲法
上違反ではないかというふうな有力な
意見
が出て来たわけであります。先程も
お話
のございましたように、たとえ
成分量
が足りなくても、
はつ
きりそれを表わす、表示をする、それから
規格
外
肥料
であることも明示をし、
農林省
は何故これを
規格
外
肥料
にしたかというようなことを
はつ
きりすれば、あとは
農家
がそれをよく認めて、そのつもりにな
つて
貰えばいいじやないか、買う買わぬについては
農家
の自由意思に任せることが穏当である。
政府
が徒らに一定のもの以外は売らせないということは
憲法
上おかしいという
意見
が出ました結果、いろいろ交渉をいたしました結果、最終的には、それではこの
主成分
の
含有量
が
公定価格
の半分だ。又はそれに類したような場合は、これは認めなくてもいい。半分以下の場合は認めなくてもいい。併し半分以上はやはり
許可
をして、その
趣旨
を明かにして売らせるということがいいじやないかということで、かような案に落着いたと、こういうわけであります。
楠見義男
75
○
委員長
(楠見
義男
君) ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
楠見義男
76
○
委員長
(楠見
義男
君) 速記を始めて下さい。それでは本日は、この
程度
にいたしまして、あとで打合会の形式で以て、
地方税法案
に関する
修正意見
について御協議を申上げることにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会 出席者は左の通り。
委員長
楠見
義男
君 理事 羽生 三七君 石川 準吉君 藤野 繁雄君
委員
門田 定藏君 深水 六郎君 柴田 政次君 加賀 操君 山崎 恒君
岡村文四郎
君 国務
大臣
農 林 大 臣 森 幸太郎君
政府委員
農林事務官 (
農政局長
) 藤田 巖君
説明員
農林事務官 (農政局
肥料
課 長)
大谷一太郎
君