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政府委員(
藤田巖君) これは、
農業災害補償制度に
関係いたしまして、まだ私日が浅いのでありまして、或いは、いろいろ御批判を仰がなければならん点があるかと思いますが、私の感じておることを率直に申上げて見たいと思います。
本来これは、今
委員長から
お話もございましたように、
保險制度から、
名前も
農業災害補償制度と、こういうふうに改めたわけであります、
従つて、そこに
国家がこの
制度について
相当援助をするという
建前が、当然私はあ
つて然るべきだと
考えております。それで、先程からいろいろ
お話のございますように、
災害補償制度が開かれましてから、毎年々々
不足金が出て来ておる、それを一時の
借入でやりくりやりくりして来ておるわけです。これがどういう原因から来るかということになりますと、
一つは
保險料率の
計算が、
掛金率の
計算が正しか
つたかどうかという問題が
一つと思うのです。これは従来の
農林統計その他によりまして、いわゆる
長期バランスというふうな
考え方から
災害を算定をして、この基礎ができて来ておる。そうして
料率は毎五年毎に
改正して行く。そうして
バランスを又変更して行く。こういう
建前で進んでおるわけであります。ところが御
承知の
通り、最近は非常に
災害が重
つて来たということが
一つの一問題である。同時に又
災害に対するプロバビリテイ、推測の問題もあることであろう。
従つて根本的な問題としては、やはり
保險金、
共済金を
支拂うに必要なものは、確実に
政府がその
資金というものを確保して、
支拂に事欠かないように
制度をやらなければならんのでありますが、やはりこれは
共済掛金率というものについても、或る
程度の
検討を加える必要があると私は思います。そうして
共済掛金制についても或る
程度の
検討を加え、そうして本当に賄えないならば、これを賄い得るような
掛金率に変更して行くべきだ。ただそのときに、その
掛金の半分を
農家が
負担する、こういうことに
なつて来る。ところが
農家は一方
農家経営の面から言いまして、おのずから
負担に耐え得る限度がある。
従つて私共は、
掛金率は当然これは
特別会計の收支の
バランスを取るために上げて行かなければならんが、その
農家から要求するところの
負担というものは、これは一定の限度に止めまして、その残りのものはこれはむしろ国が持つべきである。国がそれに対して
負担する部分を更に大きく持つように、私共としては
考えて行きたいというふうに思
つております。そういうふうなことで、いろいろ
研究はいたしておりまして、その
一つの現れといたしまして
考えましたのは、
特別会計に
一つの基金を持ちたい。
長期バランスを
考えます場合には、最近はこういうふうに
不足金が生じておりますけれども、ずつと長い眼でこれを
考えます場合に、まだそう
不足金が生ずるとも言えない部面があるだろう。
従つてこの基金がここにあるならば、それは仮に或る年度において非常に
災害が大きいという場合にはその基金で拂う。そうして
災害が少い場合には、それが又基金として残るということもできるわけであります。そういう意味から、私共といたしましては、現状におきましては、やはり八十億
程度の基金というものがここにあるならば、これは何とか凌いで行けるだろうというふうな見当を付けまして、やはり八十億
程度の基金を積立てるために、五年間に八十億を積みたいということで、それを年度割にいたしまして十九億、
昭和二十五年度の当初
予算に要求いたしたのであります。併しながらこれは
財政その他の事情によりまして、実現はできなか
つたわけであります。その代り本
予算に九億一千万円の金が、農業共済
保險再
保險特別会計の歳入
不足金が生じます場合に、
一般会計から繰入れすることができる限度額というふうな意味合から、九億一千五百二十万六千円、この金が認められましたわけであります。私共といたしましては、従来の常識から
考えれば、決してこれでは満足いたしておらないのでありまして、将来の問題といたしましては、やはりできる限りこの基金を持ちたいというふうに
考えております。それで先程
一般会計で持つべきか、或いは
消費者に転嫁すべきかということでいろいろ御
意見がございましたが、これはやはり私の感じといたしましては、
国家財政が許しますならば、これは
財政の事情でありますが、
国家財政が許しますならば、これは全部
一般会計で持つこともこれは理想であり、我々もそれについて何ら異存はないわけであります、併しながら果してそういうふうなことが又許されるかということも、
考えてみなければならんわけであります。場合によりますれば、
消費者に転嫁し得る部分はこれを転嫁する、尚足らざる部分はこれをやはり
一般会計で持つと、こういうふうな両建の、
考え方もや
つてみて、
考えられることもあろうかと、要は、基金がはつきりし、それから又
国家の持つところの金というものが相当額できるということが
一つの問題であります。それを作るためには、どういうふうな
方法を講ずることが現在の
財政その他の事情からより容易であるか、より可能であるかというような問題から、私はこの問題を解決した方がよいのではないかと、さような見地で
研究をいたしておるわけであります。
それから二十四年度の
災害に対して
保險金の
支拂をいたします結果、收支においてどれだけの
不足が生じておるかということでございまするが、その点については
保險課長から
説明いたします。