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1950-02-20 第7回国会 参議院 農林委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月二十日(月曜日)    午後二時十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○新農業政策確立に関する調査の件  (早場米及び超過供出奬励金の  件、芋類及び雑穀統制の件、生産  割当の件)   —————————————
  2. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会を開会いたします。  本日は新農業政策確立に関する調査に関する委員会として、右に関連いたしました諸般の事項につきまして御質疑がございますれば、政府当局に対して御質疑を頂きたいと思います。  大臣は少し遅れるそうでありますが、必ずこちらにお出でになります。それから農政局長官房長はこれ亦少し遅れますが、後程参りますから、食糧庁長官が今見えておりますから、食糧庁長官に対する質疑からお始め頂きたいと思います。
  3. 北村一男

    北村一男君 或いは長官のお手許に新潟県の方から電報でお願い出ておるかも知れませんが、一昨日新潟におきまして、どこから情報が出ましたか、私は單位農業協同組合行つておりましたのではつきりいたしませんが、二十五年度はそういうことはないと信じまするけれども、私に伝えた人は、二十五年から早場米奬励金、それから超過供出の二倍の買上げを中止するんだと、これは大変であるから大会を開いて、協同組合中心大会開きまして、中央に頼まなければならんと、こういうようなことで、中央電報を打つたということを聞いたのでございましたが、そういうような御措置をお採りになるような何物かがあるかどうか。この点一つ明確にお知らせ頂きたいと思います。
  4. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 早場米奬励金につきましては、二十五年産米についても是非継続をしたいとい考え方で、全般の準備をいたしております。只今のようなお話は、何かの間違いではなかろうかと思います。現に予算の上におきましても、六十億の早場米奬励金を計上いたしております。前年度は七十億の予算を計上いたしておつたのでありますが、実績は五十数億であつたかと思います。それで状況によりまして、七十億程度必要である場合もあろうかと想像されまするので、表面的ではありませんが、特別会計予備費の中に、早場米奬励金の六十億に不足する部分を見込みまして、予備費というものをつけておる次第であります。それから超過供出奬励金については、二十四年産米と同様に二倍の価格を似て実行いたしたいということで、これも同様に予算に計上いたしておる次第であります。
  5. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 長官も御承知のように我々委員会は、新らしい農業についての審議を、十分各方面からも知識を得るつもりで審議いたしておりますが、将来の日本農業についても大事でありますが、実は二十五年度の農業をいたしますために、非常に重要な統制品目の区別がまだ十分付いておらんというのがいろいろに聞えて、非常に迷つておるのでありますが、何と申しましても、もう三月に入らんといたしておりますし、三月四月は五月の播付けを前にして、十分農家計画を立てなければならん時期にさしかかつておりますが、現在のどころの食糧庁雑穀その他についての御方針はどこまでお決まりになつておりますか。先程承りますと、まだどうも確定いたしておらんように承りますが、昨日の前橋における治水工事大会農林大臣が御出席になつて雑穀は六月までには統制を全廃する。するかも知れないというのではなしに、はつきりするという言明をされておりますが、六月というのは非常に半端な時期でありまして、二十四年度産の雑穀の残つたものは、六月に全廃をされるというならばそれでもいいのでありますが、二十五年度の播付けは六月にはすでに終つております時期で、この中途で分らんことは、播付けには支障があると思いますので、殊に全部ではありますまいが、日本で畑作で一毛作しか取れない地帯が相当にあるわけでありますが、統制品目によつて農家の作付の計画は大きなものがあるのでありまして、速やかにそのお示しを願いたいと思いますが、前申上げましたように、まだどうもはつきりいたしておらんようで、ここで長官を一人責めても、これは止むを得ないと思いますが、大体これならば違いはなかろうという事柄でもお聞かせを願いたいと思います。沢山お聞きすることはありますが、一応先にそれをお伺いして、然る後にいろいろお聞きしたいと思います。
  6. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 雑穀の問題は、以前からいろいろ論議があつたのでありましで、私共も農家経営の上からもこの点を十分考究いたしまして、適当な措置を講じなければならんのではないかというふうに考えておつたので、只今お話がございましたように、未だ最終的な結論は出ておりません。従つてはつきりしたことを申上げる段階にはないのであります。雑穀統制を撤廃すべしとい議論もございますが、又本年の事前割当状況等から見ますと、やはり統制の中に入れておいて貰わないと非常に困るとい事情も伏在いたすように私共は観察いたしております。主食に関しまする統制が全面的に止めになればこれは格別、そういう事情にはございませんので、そうしますと雑穀統制計画から外した場合には米作農家に対する負担が相当きつくなるということも考えなければならんのでありまして、この点はその事情も十分考慮いたしまして雑穀の問題を解決しなければならんかと考えているわけであります。できるだけ近い機会に概要なりともお話し申上げることができますようにしたいと思います。
  7. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 雑穀と申しましても、例えば落花生のごときものはこれは当然外してもいいと考えますし、又稗だの粟だのというようなものも統制を外しても食糧の自給には支障はないと実は考えておりますが、私大いに聞かんとする、聞きたいことは大豆燕麦その他の色豆類、これがはつきりいたしませんと、実は御承知のように大豆と申しますと、私は大豆日本で油の関係から非常に重要なことはよく承知とておりますし、日本生産では足らないことも承知いたしております。そこで輸入をいたしておりますることを考えて見ますると、現在の日本大豆価格輸入価格を比較して見ますと、アメリカから入つて来ておりますものでも中国から入つ来ておりますものでも、相当開きがあると思いますが、御承知のように中国からは恐らく二十五年度に消費いたしまする油脂の原料になる大豆が入つて来ることは不可能だと思います。そこでアメリカから入つて来ることを予想いたします時分には相当価格開きで、大体去年の末あたりのことを考えて見ますると、日本大豆価格とは相当開きがあります。日本で現在輸入せんといたしております大豆数量と、日本生産数量のその中を輸入によつて求めることになると、恐らく補給金が十七八億は要るのじやないかという気がいたします。そこで外国輸入も結構でありますが、そういうものを日本大豆増産に振向ける。そうして現在は七とか八とか調節つかないということになつております。大豆増産もさしたる面倒はないじやないか。そこで輸入に対する補給金でなければ使わないということになつておるかどうか知りませんが、四百六十七億余りになります補給金の使途については、そうむずかしい原則にはなつておらんと思います。これを振向けて国内増産をすることが一番いいことではあるまいか。一体そういうお考えはあるかどうかということと、その次は雑穀輸出でありますが、輸出雑穀相当に行くと思います。そこで今のところで輸出をする雑穀を作りますのには羊毛が主で、青豌豆その他の色豆類アメリカに行ませんので、今のところ非常に困難があると思います。大体手毛なら相当に行くか知らんと思いますが、雑穀統制割当によつては、その行く輸出原料も拘束するわけにはいかんということに相成ると思いますので、大豆燕麦はどうしても統制は間違いないということが何とか長官の肚からでもお分りにならんかどうか、その他の雑穀はどこまで行くか分りませんが、粟、稗、落花生のようなものを除きますと、大体色豆類で作るようなことになると思いますが、その点どうであるかお聞きしたいと思います。
  8. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 補給金が四百数十億ありまして、これを食糧輸入に使わないで国内増産の施設にその金を使うべきであるとい議論は私共も非常に考慮すべき問題であるとして考えておるわけであります。ただこれは議論になるかと思いまするけれども、本年の需給の推算から申しますと、約三百何万トンかの外国食糧を入れなければ穀類を主といたしまして二合七日ベースの維持は非常に困難であるということで、輸入数量を策定いたしておるのであります。それに必要とする補給金が四百億というようなことに相成つておるのであります。この国内増産の点におきましてはいろいろ施策を講じておるのでありまするが、年年の状況を見ますと、一昨年は非常に豊作でありましたが、昨年は余り香ばしい成績ではない。特に災害等が最近瀕発しておりまするので、実収当時になりますと相当割当を減らさなければならんという強い要望があるのであります。そういたしますとそれによつて基きました穴はどうしても外国食糧を入れざるを得ないという実情もあるのでありまして、一挙に外国食糧を大きく引下げまして、国内増産のみに頼りてしまうということも、受給の面を担当いたしておりまする私共の観察から申しますと、甚だ危険かと思いまするので、その辺は十分調整を取つて考えて参りたいと存じております。それから雑穀輸出の問題でありますが、これは具体的な問題として或いは御相談申上げた方がよかろうかと存じます。一般的にどうこうと申上げますよりも、左様なお取扱いに願えれば幸せであると存じます。それから大豆燕麦統制を外すか、外さないかということでありますが、大豆統制の撤廃は非常に困難であると思つております。これは続ける方向で考えて頂いて結構じやないかと思います。相当外国産の大豆が余計入つて参りますれば、油の需給状況も或る程度緩和するから外してもいいと、こういう議論もあるわけでありますが、現状では中共貿易が殆んどできない状況でありまして、挙げてアメリカ産の大豆を入れる状況であります。先の見通しといたしましては、大豆輸入はなかなか円滑に行かないとい見通しを持つております。そんな事情でもありますので、国内産の大豆事情は急にこれは統制を外すということは困難な状況にあるということを御承知を願いたいと思います。燕麦についても大体私共は同じような見通しを持つております。
  9. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 甘藷馬鈴薯統制も大体外すごとには我々も承知をいたしておりまするし、政府もそのつもりで行つておるようでありますが、希望数量と言いますか、政府買上げます数量を大体お示しになつておるようでありますが、甘藷の方は馬鈴薯と違いまして、九州、四国、中国地方はキユアリングというようなああいう設備もなくても、殆んど十月から翌年の五月六月までは貯蔵ができて、主食の出廻りを睨んで出してもさしたる支障はない。ただ金融の措置がそれについて廻るくらいのところで、決して芋の生産に対しまする増減は、そう考えなくてもよいのではなかろうかと考えますると同時に、西の方の芋は同じ品質でも非常によい芋が穫れるので、そういう面からも需要者が喜んで買つて呉れるような芋が非常に穫れますから、それはそれでよいと思いまするが、関東、それから東北、北信の一部で作つております芋は西の方の芋のようなわけには参りません。そこでその面の転換にも大豆相当に使えると思いまするが、一番困つておりますものは馬鈴薯、即ち北海道馬鈴薯でありまするが、これは聞くところによりますと、非常な差額を拵えて、そうして買入れしやせんかという杞憂を持つておる人があるようでありますが、私実は確たる方面から聞いたのではありませんが、言つた人は確たる人が言つておりまするが、それは冗談事言つたのだろうと思つておりますから、それを信じておるわけではありませんが、内地に出廻ります馬鈴薯と、北海道馬鈴薯と、差額相当に拾えて買わねばならんということを食糧庁でお考えになつておるかどうかということであります。それから三千万貫程度北海道でお買いになるようなことも承りますが、前に聞いた時分には、一億五千万貫の馬鈴薯を買いたいと、そこで、内地で一億貫、北海道で五千万貫程度、何らかの方法によつて買いたいといお話を承つておりましたが、その後変つて参りまして、北海道で買うのは三千万貫になつておるようであります。そこで、それは全部芋そのもの主食買取つて北海道だけに流すお考えか、或る一部は内地にも送らせるお考えか、一応それを伺つて置きたいと思います。
  10. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 甘藷並びに馬鈴薯の買入れ問題は、いろいろ問題を起しましたが、結局お話のように合せまして四億貫を買うことについて了承を得たのでありますが、それの買い方なり、或いはどんな振合にする州ということについて、いろいろ只今研究をして、近く庁県知事等指示をいたしたいと準備をしておる最中であります。北海道馬鈴薯でありますが、今度の芋類買上げは、これは全部総合月に充当すると、工業用には充当しないとい條件になつておるのであります。芋の産地と消費地との関連性をいろいろ検討いたして見ますと、北海道はその点において非常は不利な状況にあるのでありますや北海道において総合用馬鈴薯を使うといたしますれば、私共としてはどの程度ということについて研究いたしましたが、まあ一億五千万か、せいぜい二億程度の応が関の山じやないか、そういたしますと、仮に三年万貫なり五千万貫なり買いますと、その差額というものは内地においてこれを処分せざるを得ないことになります。これを内地において処分しますに当つては、御承知のように、相当輸送力を必要といたしまするし、又価格の面についても、消費地においていろいろ問題を起すのでありましで、その辺の調整をどう取るべきか。併しながら、一面北海道農業事情からいたしますと、ここで政府の買入数量相当引上げることがどうしても必要であるとい事情も、私共としては了承いたしておりますので、その辺の経理の状況と申しますが、芋を買うことにつきましては、食糧管理特別会計に、そのことによつて赤字を生じないということも一つ條件になつておりますので、その辺と北海道事情とを睨み合せまして、どの程度数量にするかということを、只今道庁とも相談をいたしておるのであります。億貫程度じやなく、もつと私共といたしましては、北海道事情も考慮して余計買つて、これが処分方法について何とか工夫して行つたらよかろうではないかという気持で交渉いたしておる次第であります。
  11. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 いろいろ御心配を願つておるようでありまして、我々も共に心配いたしておりますが、問題は、今長官お話北海道馬鈴薯を、自家の消費でなくて、それ以上処分をどうするかの問題で数量が決まつて来ると思うのでありますが、私は今までやつておりませんので、我々は経験を持つておりますがやつておりませんから、その準備と肚組みに困難だとは思いますが、輸送関係がありまして、種芋が專ら出る時分に、同じ時期に相当いたしますので、船積みにして輸送をするならばこれは簡單に参りますが、船賃と汽車賃との開きが非常に大きいので、これもなかなか問題になるのであります。大体ここまで持つて参りました割合豊凶の少い甘藷馬鈴薯主食に組入れることが、最も日本食糧に非常な強味を狩りのでありまして、輸入その他の関係で段々すたれがちになつてつておりますが、私は東京、名古屋、京都、大阪という大消費地に、北海道を十一月の半頃に積み出して内地に持つて来て、そうして立派な倉庫でなくても、普通の倉庫であれば、決して凍らずに済むと考えております。そこで十二月、一月、二月、三月とこれを順次市場に出すならば、これは処分もそう面倒でなくて、喜んで買つて貰えるものと実は考えております。そこで、それには品種が非常に大事でありまするが、澱粉用品種ではいけないので、食糧として十分需要者が喜んで買つて呉れる芋さえ持つて来るならば、これは決してそう悲観する必要はないと実は考えております。その計画を立てるのには、少々なら結構でありまするが、実際にそういうことにするならば、政府の方でも相当の援助をするか、又は政府自体が買つて貰うかするのでなければ、その大きな実現は不可能だと思つております。汽車輸送関係は、大体今までに種芋が二百万俵内地に来ておりますが、これは国鉄の方で早いうちに計画を立てれば、国鉄計画輸送をうまくやるところはないのでありまして、私は相当数量内地に持つて来られる自信を実は持つております。まだ交渉して見ませんが、そんな関係で、俄かに勝手にしなさいというような形にしないで、何とかここまで持つて来た芋を、もう少し活かす方法考えますことが日本の今後の農業に対する実に大きな部面ではないかと私は考えております。そこで、いろいろお話を承つて見ましても、日本程米と芋との差額の大きいところはありません。御承知のように、外国はどこへ行つて馬鈴薯は米より高い価格を持つております。日本は食い方が分らんものですから、非常な安い価格になつておりますが、これは今後日本農業馬鈴薯相当に加味した農業政策を立てるのでなければ発展をしないと考えます。と同時に、今年から折角できたところの芋の格付けその他のことを余り等閑にしないでやつて行く方が一番よいのではあるまいか。外の作物は、御承知のように、非常に天候に支配されがちのものが多いのでありまして、芋のような割合にそういうことのないものは、大いに日本として将来考えて置く必要があると思いまするが、前申上げましたような方法を採る時分に、政府は何ら干渉なしにそれは現地で自由にやればいいということになるか、そういうことで若し計画ができれば大いにそこに立入つてつて行くということになるか。今初めてのお話ではつきりとはできますまいが、長官の今のお考えだけでもお聞かせ願いたいと思います。
  12. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 何か少し見当違いになるかも存じませんが、政府が買入れましたものについては、政府の責任においてこれが処分を大消費地等においてやつて参りたいと考えております。その数量が幾らであるかということについては、先般申上げましたようにいろいろな事情がありますので、道と交渉いたしておるとい事情にあるわけであります。それ以外のものにつきましては、例えば種芋等につきましては、一応これはこの際、従事からも議論がありますように、政府で買入れるという形よりも、むしろ組合形態において需要者と直結して取扱われることが最も生産の面においていいのじやないかとい考え方をいたしておるのでありますが、まあそういうようなことで種芋の方は取扱う。そのあと政府の買うもの以外に相当馬鈴薯が残るわけであります。これは地元におきまする澱粉工業原料として使うとか、それでもどうしでも処分し切れないというものについては十分伺いまして、政府で買入れるという形でなくて、いろいろ御斡旋して、北海道の農民に対して非常に大きな支障を来たさないようにやって参りたいというふうに考えておる次第であります。
  13. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大体芋に対するお考えも分りましたが、種芋についてでありますが、これは今長官お話になりまするような形で行くことになりましようし、大体そういう心組みでやつておるようでありますが、大事なことはその種芋生産をした馬鈴薯をどうふるかという問題で、本州馬鈴薯を耕作する農家の心構えが非常に変つて来るのであります。そこで二十五年に生産をした種芋を二十六年の馬鈴薯生産に使うわけでありますが、価格の問題が非常に関係をいたしておりますので、大体作つた芋価格によつて種芋を考慮されるようで、今のところでは昨年使つたような種芋の大体の数量は大凡そ見込まれると考えております。非常な値段のことで足踏みをしておる所もあるようであります。そこで政府でも内地で作ります馬鈴薯相当数量統制はしなくてもお買上げになる御方針である以上、非常に採算上工合が悪いとかいうことにならんようなお考え示して貰いますと、本州種芋を買います農家のだめにも非常に心強くなるし、北海道種芋もうまくはけて行くわけであります。これは公に指示されるわけに参りますまいが、いろいろそういうことを聞いて来ることが多いものですから、政府の方では成るたけ馬鈴薯生産一つ方針を立てて、統制はしないが買上げて行く方針をお示しになることが一番いいことだと考えておりますから、是非内地生産県に対しましては、今までの方針を持続して行くようなお考えの下に、十分な指示をして貰いますことを御希望申上げて置きます。
  14. 池田恒雄

    池田恒雄君 只今雑穀お話が出ましたから、雑穀についてちょっとお尋ねいたしますが、この間文書で、雑穀統制に関する質問をいたしまして答弁を頂いたのでありますが、その中農林大臣が指定しておる雑穀というものは、相当の数になつておるわけです。その雑穀のうち、つまりグリーンピースのようなものも雑穀に入つておるわけですが、小豆とか……。私はこの場合雑穀については、粟、稗、大豆というようなものと、グリーンピース、それから何か歯で噛めないようなものがあるようですが、ああいうようなもの、小豆、ああいうものとは、この段階に来ては区別してそうして考えるべきことじやないか。こういうふうに思うのでございますが、如何なものでございましようか。
  15. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 雑穀と申しましても、あの中には御指摘のように穀類豆類とあります。それで豆類については、穀類と同等の扱いをしない方がよいのではないかと私共も思つております。但し大豆を除いた豆類グリーンピースでありますとか、豌豆でありますとか、或いは蚕豆でありますとか、そういうものについては、やはり別途の考え方をすることが適当ではなかろうかというふうに実は考えておるわけであります。そういう具体的にどうこうという問題については、まだ結論は出ておりません。観念的にそういうふうな扱いをすることになつております。
  16. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうしますと、私は雑穀というと、穀とい写字がついておりますから穀類というふうに先ず考えておるのです。ですからまあ粟、稗のようなものは、一応雑穀として考えてその生産をやつて行く、統制をするということも考えられますが、豆類の方は、やはり大豆を除いた豆、あれは、食というよりも嗜好品的な性格が非常に強い。それから生産量も実際は非常に少いのではないかと思う。その生産方法というかい作付け方法ですね、これは農家経営から申しまして、米、麦というようなものと同じように基幹作物として作付けられておるのではなくて、畑の補完的な、非常に浮動性のある作付け方法を取つておりますね。そういう点から申しますと、私はあれをどのくらい買付けておるのか知りませんが、買付けるにしても、収穫の上において、政府としては、外の物よりももつとむずかしい努力、或いは精力を費すじやないのかと思うのですね。それからもう一つは、あれを買取ることによつて、一体今日食糧需給は苦しいというが、その苦しい食糧需給に対してどのくらいの役割を果すものか、そのことなんですね。私は非常に疑問なんです。これを御説明願います。
  17. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) お話の点は、需要総量に対しまして、雑穀消費量が何%であるかとい数字を出しますれば一番簡明じやないかと思います。これは計算いたしまして、あとでお答えいたします。
  18. 池田恒雄

    池田恒雄君 只今数字を計算されると申しましたが、その場合、私は本当の主食に適合した雑穀大豆とか或いは粟、稗とい穀類と、嗜好品的な雑穀小豆とかグリーンピースとか「ささげ」というようなもの、こういうのは別にして考えておるのでございますから、そういう嗜好品的なものは、一体どのくらいの役割を果しておるか、そういうものを作付けしたり収穫したりするには、むしろ外のものよりも面倒なのではないかということですね。こういうふうな工合に、若しあとで説明が頂けるならば説明をして頂きたい、こう思うのであります。それからもう一つ雑穀と絡みましてお伺いをいたしで置きたいのでありますが、この間文書による説明でも、芋の政府買上げようとする量は、甘藷馬鈴薯を含めて四億を超えるのですか、四億でしようか。四億と押さえられておつたといたしますと、これは従来の政府の買入数量の三分の一見当になるものでしようか。
  19. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) さつきの雑穀の点は計算をいたしまして資料として差上げたいと思いますが、大豆は実は主食用としては使つておりません。全部搾油原料に廻しております。  それから雑穀の配給は、大体集荷をしましたが、その県において県内消費に充当いたしております。県内を移動いたしまして、雑穀を配給いたしておるというのは非常に例外です。従いまして北海道あたりでは相当雑穀の配給が多い。東北の一部、或いは南の方となつておりまして、県内の移動というものは余りつておりません。もう一つはこれは米の代替として雑穀の供出を認めておりますので、大豆は別でございますが、外のものにつきましては生産者は米を出すか、或いは米が苦しければ雑穀という形において大体の措置を執つておりますので、雑穀としての強制というようなことをいたしておりません。附加えて置きます。それから大体去年は七億でございますからそれ以上でございます。
  20. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 甘藷馬鈴薯両方併せて三分の一位かという……。
  21. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) いやそんなものじやございません。大体半分位であります。
  22. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうしますと雑穀の方が米と代替で、必ずしも雑穀が一定の枠で供出させられておるわけでもないわけですから、この場合は必ずしも作つておるわけでもない。こういうふうに解釈されるかも知れません。ところで今畑作の方の割当を見ますと、実際に作付させるというのではなくて、又実際に作付しておるというのではなくて、一反歩につき何ぼという作付比率が出されておるのですね。やつぱり一反歩の畑を持つておりますと、夏作というと甘藷が五十五%、それから粟、稗のようなああいう雑穀がその内の十何パーセント、こういうふうに……、そして一〇〇%になるわけです。夏作の作付面積一〇〇%、こういうふうになつておるのでございますがね。そうするとこれがそのことさえ問題になるわけですが、それは今ここでお預り七まして、つまり政府が芋の買入数量を昨年の、今までの半分にした、とこういたしますと、そこから必然に、あの流儀で行きますと一反歩の作付比率は甘藷の方が二十五減るわけです。そうすると二十五だけ空くわけですが、それは自由に作付して宜しいということにお取扱いになるのか、或いは又その二十五というふうに空いた所に何か雑穀か何かを入れるのか、こういうことなんですが、これを一つ御説明願いたい。
  23. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 甘藷の買入数量が去年の仮に半分だとすると、作付面積が非常に簡単に言いまして半分減る、というこの前提は私はどうかと思いますけれども、仮定として半分になつて、外のものを全部作るのだという仮定……。それは何を作つてもいいのでしようかという御質問、それからその空いた面積に対しまして、何か外の作物を強制するのか、というのが御議論の要点で、非常に機械的な議論をいたしますれば、それは実情はそうではないと思います。空いたものがあるならばそこは何を作つてもいいということになるわけです。それから二十五年の米、或いは雑穀につきましては、すでに割当中央といたしましては指示いたしております。その範囲内において生産者がそうした土地を利用することは結構だと思います。それ以外に生産割当、或いは供出割当をする考は只今のところはございません。
  24. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうしますと、つまり畑で申しますと、畑作についての供用割当と申しますか、作付割当もそうでございますが、大体において昨年なんかより変化がないと、こういうふうに承知していいわけでございますね。つまり芋が動いたということによつて、他のものは動いて来ない。こういうように考えて宜しいのでございますね。
  25. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 麦その他につきましては前に割当をいたしておりますので、これは動きません。今回の米の割当について、これは大体雑穀を含めて割当をいたしております。この雑穀の点につきましては甘藷の転作事情を多少考慮して雑穀割当をいたしております。
  26. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうすると甘藷が面積が減るであろうということを予想して、そうして雑穀等の面積を拡大されておるということになりますですね。
  27. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) お話のように多少その事情を考慮しております。
  28. 池田恒雄

    池田恒雄君 又聞き直しちや悪いですから、多少という言葉を解釈しまして、つまり芋類が二五%減つたからと言つて、二五%だけ雑穀を拡大した承のではないというふうに承知して宜しいわけですね。
  29. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その通りです。
  30. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうしますとやつぱり芋の方が二五%減りますと、仮に雑穀の方が多少でございますから僅かなパーセントだと思うのですが、そうしますと二五%の空地が出なくても二〇%ぐらいの空地が出る。これには別に統制作物の栽培は割当てられて来ないと、こういう実情になるのではないかと思うのですが、そうしますと、今食糧が非常にですね、窮屈だと申しまして、雑穀統制も続けなければならないと、こういうふうに言われておるわけでございますが、併しこの二〇%の土地が空くというこのことをですね。このことについてはお考えにならないのですか。
  31. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 先程申上げましたように只今の御議論は機械的な議論だと私は了承しております。
  32. 池田恒雄

    池田恒雄君 そうですよ。
  33. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) それで実情はそういうものではなく、やはり甘藷につきましてもこれを外したからと申しまして、政府の買入数量だけが生産されるものであつて、それ以外のものは生産しないのだと、それではこれは大きな間違いであつて、私共は想定では全体の生産量についで約有効需要の面から測定いたしまして、せいぜい減りましでも一割前後のものではないか、それ以外のものは立地條件、或いは有効需要の点からいたしまして、やはり甘藷などの生産というものは続けられて行く。又私といたしましても全体食糧といたしまして、麦の国内供給力に寄與する点が非常に大きいものでありますから、その代りの生産物については各方面からいろいろ施策をいたしまして、その維持を図つて参りたい。こういうふうに考えておりますので、只今の御議論のような結果にはならないと思つておるのであります。
  34. 池田恒雄

    池田恒雄君 私がお伺いしておることはですね。一応機械的にむしろ話を進めたのですが、必しも機械的でないのです。というのは現在或る耕地がですね、作付されない部分が残る、残つておるというのではなくて、統制作物について残るということを申しておるのであります。従つて現実にこれはそうなるのでありまして、つまり今まで一反歩について一〇〇%統制作物を作付割当をしておつた、併し芋が外れることによつて二〇%空く、これは仮定じやなく、仮定でなくて現実にそうである。ですからただ機械論ではないわけです。それからもう一つ、私は統制の面において申しておるのでありまして、だから今までの割当の仕方は、私は議論の通り割当てたわけなんです。決してこれは仮説の話ではなくて、機械的な話ではなくて実際においてそうなんです。つまり農林省の方から地方に一定の食糧作物割当が行く、そうするとその比率によりまして一反歩の畑に対して、そういう比率で作付割当がされるということで、これはちつとも現実にあるがままを長官に御説明申上げておるわけです。従つて政府の方で芋の方を二〇%減らしますと、そうすると二〇%だけ一反歩の畑のうち空くということになるわけですね。これは勿論百姓は統制作物が来なければ、喜んで外の作物を作るわけです。実際において田畑が空くということはないわけです。統制作物が空くと、こういうふうに私は申しておるのです。そうしますと政府としては食糧統制の枠の中でもつと食糧が欲しいわけです。今余つておるわけではないのですから……。従つてそれならば今甘藷統制解除によって空いて来ます二〇%を欲しいのじやないか、こういうことを私は考えておるのです。
  35. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) お話の点は十分私も理解しておるつもりですが、その空きました二〇%、これは統制食糧の植付でやつた面積が統制が解除されましたために、統制食糧という観念から申しますと空いた面積になる、その点は正しくその通りだと思いますが、その所に私共としましては、芋類の有効需要、その他の観点からいたしまして、統制作物に非ざる芋として、そこに相当部分が残るものであろう、こういう見方をしておるのであります。今までは同じ芋が植えられましたが、これは統制作物としての芋であつたが、今度は統制作物でない芋としてそこに植付が行われるのではないか、併しそれはまるまるそのままの形じや残らん。有効需要の点から一割程度の芋は或いは減るかも知れませんが、一割程度のものは外の作物で出て来る。段々議論を進めで見ますと、その一割については、政府食糧需給の現状からいたしまして、統制作物的な穀類をここに普及させるべきではなかろうかというような推論をいたされるのではないかと思いますが、その点は多少二十五年度産米の割当について雑穀の面において織込みました、こういうことを申上げたのであります。
  36. 池田恒雄

    池田恒雄君 そこで明らかになつたわけでございますが、土地は空いておるわけではないのであります。それで私は二五%の数を仮定する品わけですが、統制される芋が二五%作付される、統制されない芋がざつと二〇%作付される、そうして一反歩の畑は一〇〇%利用される、これは一つの仮定であります。或いは大体実際の数にも近いかも知れない、そういうふうになるわけでございます。そうしますとここでは統制されるところのですが約四億貫、統制されない芋が四億貫じやなくて、実際私は五、六億貫になるのじやないかと思いますが、そういうふうに芋が生産された頃は耕地を占拠する、こういうことになるのじやないかと思うのです。そうしますとその雑穀統制の問題と一つ絡んで来るのでございますが、芋の統制を半分程切つてしまつて、併し現実には作付され、生産されておるというわけなんです。それならば今大した役割もない小豆なんかむしろ統制を切つてしまつて、芋の方の五千万貫か、一億貫かですね、それは切つた雑穀に見合うだけ拡充して行く方が実際の問題に合うのじやないかと思うのです。というのは芋の方はいわゆる農業基幹作物として本格的な経営方式が採られておるのであります。それからグリーンピースとかあの小豆とがいうものは、これは基幹作物として栽培されておるのじやないのですね。そういう点から申しますと一統制の現在の状態において統制の外し方から言いますと、どうも転倒しているのじやないかと思うのです。最も農業の上で主として考えられる作物についてはこう切つてしまう。作つても作らなくても、やらなくてもやつてもいいというような作物が、それが儼として統制されておるというのはちよつとおかしいんじやないか。僅かの芋を四億貫ばかり僅かこう殖やせばあの主食に代替できるだけの量が出て来るのじやないか、私はまあそういうふうに計算するのでございますがね。それをちよつとお伺いしたいと思います。
  37. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 芋の点については統制という言葉が適当であるかどうか。今回は任意買入、契約的な任意買入の形で処理いたそうとしております。その点は別としまして四億貫買う。これをもう少し殖やして、それに絡めて雑穀等を外した方が農業経営上なり、或いは食糧需給の観点から適切であるまいかというふうにお話を伺うたのであります。この点は十分研究をして見る必要があると私共も考えております。
  38. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 池田さんの御意見非常に尤もに考えるのであります。つまり簡単に申しますと、小豆グリーンピースやなんというものは破るのならば、何故現在作られている芋を取らないか。四億貫と言わずにその六億貫なら六億貰取うてグリーンピース小豆なんかとめたらと、こういう御意見だと承るのであります。ところがこの雑穀というものを主食の中に加えておりますことは、地域的な一つの主要生産物となつておりまして、これが米、麦だけの供出を全国にやることは非常に困難な事情があるのであります。雑穀の主産地たる北海道もありますので、そういうところは米、麦だけは供出する、後の雑穀は構わないということになれば、北海道等では雑穀が主要生産というような形になつておりますので、供出制度を持つております以上はやはり雑穀も一応主食代替として供出するように考えて行かなければならんと思うのであります。ところがそれなら今まで奬励して来た芋を何故減らしたかというのですが、芋は非常に特別会計に迷惑をかけるものであります。司令部の方におきましても非常に心配いたしております。何故迷惑をかけるがというと、切干であるとかいうようなものを買上げることが非常に赤字の原因になつておるわけであります。それで司令部としましては食糧事情のよくなつて来た関係から、芋を全然除外せいということが昨年の九月出たことは御承知の通力であります。そうしますと芋というのは全然蔬菜として取扱うことになりましては今日まで奬励して来た、又日本農業経営上においても芋というのは重要なる比重を持つておりますので、ここでそれを全然蔬菜扱いするということは農業政策の上からいけないという観点から、折角特別会計に赤字を出さないように、主要食糧以外の切干なんか全然止める、止めるが、とにかく芋というものはやはり主要食糧の一環をなしているということをはつきりさしたいために、特別会計で芋を主要食糧の分だけ買出して呉れ、買うということを承認を求めることに実は一ケ月かかつたのであります。ようよう日本農業状態も了解ができまして、それでは腐るようなものを買つちやいかん。落から一、二等級のものであつて品質のよいものを成るべく買え、又切干であるとか、そういうような加工品、特別会計に赤字を背負わしたようなものは買つちやいかんとい條件の下に、今回この芋の買入れを許されたのであります。それでありますから、お話のようにそんなに芋を十五、六億貫ができるものを四億貫買つてあとつているじやないか、それを買えば雑穀は止めた方がいいじやないかという御議論も成立つわけでありますけれども、今申しましたように雑穀は特別な地域的な事情がありますので、当分これは主食の代替として雑穀買上げということを採つているわけであります。併しながら先程食糧庁長官が申しましたように、雑穀の中では大豆は御承知の油の原料になつております。その外「とうもろこし」であるとかいうようなものは外国から買つて来る関係でありまするから、成るべくなら大豆、「とうもろこし」というような主要のもの以外は、小豆であるとか、或いは蕎麦であるとかいうようなものは外したいという気持を持つているわけでありまして、それを早急に外したい。昨日私が話したことを六七月頃と新聞社が勝手に書いておりますが、主要食糧からできるだけ早く外して、その後の食糧事情はどうなるかということは、この七月にアメリカの国会が開かれて、日本食糧をどういうふうに考えるかといアメリカの原案ができました上において、いよいよ日本食糧も更に好転するということになれば、この雑穀を外すということも考えられるのであります。芋の代替にする雑穀としますと、豆類くらいしかないのであります。植付けの関係から申しまして、それで芋は四億貫買うから後は減らしてもよいだろうがというこの問題でありますが、政府といたしましてはできるだけ芋は同じように作つて貰いたい。折角ここまで芋は奬励して来たんであるから、農家におきましては、農業経営の上から言つてもできるだけ芋の生産を落さんようにして貰いたい。併し無理に勧めないのであるから、無理に作るということは止めにして、できるだけ芋を作つて貰いたい。併し政府が買わんからあとの芋は銘々が食べるだけで、そのあとの芋をどうしてくれるかという問題が起つて来ますから、あとは自由な立場でこれを工業の原料として加工されるように指導して行く。そこで今全国的に芋の加工設備或いは切干等の利用設備等を今調査いたしておるのであります。その利用設備と相マツチするように、各地区的にできまする芋を結び合せまして、そうして十七、八億万貫のできた芋をできるだけ減さないようにして行く。又農家の経済面において、政府が買わなければ芋を作つても駄目だということであつて農業経営も成立ちませんから、できるだけ工業原料とし、又市場に出しても消費者の喜ぶようないい品種を奬励しまして、そうして芋の生産を落さないようにして行きたい。こういう気持で行きたいと、こう思つておるのであります。あなたの御意見としては、そんなに余つているのになんで芋を作るかとそれは不自然ではないか、不合理ではないかという、一応御尤もと思われるのでありますが、今申しましたように、雑穀に対しましては地区的に畑地ばかりある所といたしましては、大豆を非常に作るというような地方もありますので、やはりそれは一つ雑穀として主要食糧の代替供出として認めて行くということが今日まで考えて来たことであり、さような点は継続とて行きたい、かように考えております。
  39. 池田恒雄

    池田恒雄君 余り長くなつて申訳ないのでありますが、只今大臣の一応の抱負をお伺いしまして、見通しというものが分つたわけであります。つまり雑穀等は成るべく早く解除したい。これはまあ将来に向つて統制解除の方向に努力されるとい大臣の肚を話されたと、こう思うのであります。そういうふうに実際問題として動いて来ているわけでありますが、そこで私が、これは大臣又は食糧庁長官なり、農政局長なりにお伺いしたいのでありますが、若しそうであるとするならば、その統制を外すということは、これはいろいろ時期やなんか考えなければなりませんので、そう簡單に行かない場合もあると思うのでありますが、併しこの際ですね。これは畑の作付割当だと、上から何ぼ作れとい割当の方式、並びに先程申しました、一反歩について作付比率はこうだという、あの割当のやり方、これはもう昭和二十四年度を限つて止めるべき時に来ているのではないか、こう思うのであります、私は米と雑穀をごつちやにして割当てるということは、これは甚だしくまずいのじやないかと、こういうふうに思うのでありますが、その点に対する御見解をお願いしたいと思います。
  40. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 現在行なつております食確法の生産供出の割当方法等については、いろいろ御議論のございますように、いろいろ考究を要すべき点もあろうかと思います。一つは、今後の食糧需給見通しにもかかるわけであります。私共といたしましても、食確法は、丁度来年三月を以て一応その期限が来るわけであります。これを今後どういうように直して行くか、併せまして生産割当方式をどういうような考え方で行くかということをいろいろ研究しているわけでありまして、私共といたしましても、もつと合理的な、農家の自主的な経営の意向ができるだけ採入れられて、適地、適作の趣旨もできるだけ採入れられるような割当てを、今年食糧需給事情が許しますならば採つて行きたい。こういうようにして行きたいと、かように考えております。
  41. 池田恒雄

    池田恒雄君 これは今日はもう、他の方にいろいろ質問があるでしようから、今一回だけ申しますけれども、お伺いたいのでありますが、適地適作というような工合に、非常に抽象的な話じやなくですね。今年の……今年じやない。今までの割当は、一反歩についての作付比率というものをきちんと決めまして、そうして割当をやつているわけであります。これが今日のこういうように、我々が農業統制を併して行こうという努力が許される段階に来ておるのでありますが、その際ですね、その統制は外さなくても、そういう作付の割当の仕方、まあ別の言葉で言うならば一生産統制というものを切換える時が来ているのではないかと、今年から切換えるべきじやないかと、こういうように私が考えるのであります。これは農林省の方でもいろいろ御検討になつておられると思うのでございまして、そのことについて、一通り私は御見解をお願いしたいと思います。  もう一つ、それの説明みたいなものになりますが、従来米と雑穀とを一緒にして割当てていると、こういうわけなんです。そうして実際は雑穀はですね。これは全然作つていない場合もあるわけです。その場合は、それだけ米で供出すると、或いは雑穀で作つていると、米の代替で雑穀を出して行くと、こういうような形で供出が取扱われていると、こういうことになつておるのでありますが、これは農林省としては、或いは便利な方法かも知れない。便利な方法かも知れませんが、農業の根本的な問題からこれを見まするというと、大体日本において米を作るのは水田に作つているので、これは御承知のことと思います。雑穀は大体において……水田なんかで作る慣行も若干あるが、大体において雑穀というものは畑に作られる、この土地の性質が耕地の性質が根本的に違う。利用の方法も根本的に違う。私は若し米と雑穀が同じに割当されると、どつちを出してもいいんだというならば、これは同じ一枚の水田に作る作物であつた場合、同一耕地で競合する作物であつた場合は、どちらを作つてどちらを出してもよろしいとい割当は正しいと思います。ところが、完全に耕地の利用方法が分離されており、技術も違つておるという、この場合は私はその利用が同じであるというだけによつてどちらを出してもよろしい、こういう理屈にはならないと思うのです。農林省が一旦買取りまして配給する場合は、これは同じ主食として利用するのでありますから、その場合は一向差支ないでありましようが、まだ農業というその段階にありまする場合は、全然田と畑というものは違つでおるわけなんであります。従つて田で作る物と畑で作る物はこれは分離して取扱うべきものである。畑の中で粟を出すか稗を出すかという場合はどちらでもよいという理屈になるのだと、こう私は思うのであります。この点は今まで非常に食糧が窮迫しておつたときは、供出遂行のためにも或いは農林省が必要であつたかも知れませんが、今日は我々は統制を解除するということを研究し得る段階に来ておるのでありますから、せめて田と畑の区別はこの際する時ではないか、これをお尋ねして置くわけです。
  42. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 農林省から農業計画に基きます生産割当、供出割当をいたします場合でありますが、生産割当をいたします場合は、各作物別にこれを考えております。殊に稻につきましても、水稻と陸稻というものを分けまして、そうして水田面積を算出して、反当收量を算出いたしまして、それを掛合わした数量というものが大体生産数量になつております。それから陸稻も亦別に、今回は二十五年産のものから陸稻を別に計算をいたしております。それから雑穀雑穀で別に面積及び反攻を算出いたしまして出すわけであります。併しながらその供出の面になりますと、先程食糧庁長官お話のございましたように、生産数量から農家保有数量を引きました残りが一応供出数量になるわけでありますが、これは一応米、雑穀を含みましての一本の割当になつておるわけであります。これはその地帶々々でいろいろあろうと思います。先程その耕地の作付比率と申しますか、そういうふうなものでずつと割当てるとおつしやいましたが、これは雑穀地帶としてはつきり分つておりますような所は、雑穀割当がそのまま別になつて下りております。それから水田その地米を作る地帶で畦畔作りでやつておりますような所は、雑穀地帶がなかなか把握ができない場合もございましようから、又浮動性も非常にございますから、これは一本で下している。そういうふうな地帶地帶のやり方があるわけでありまして、必ずしも全部どこも一本ということではございません。ただ供出の面は、生産はそういうふうに分けまして下すわけでありますが、供出のところ心は代替供出が認められております。征つて農家はそこで雑穀割当があつたが、これは一つ雑穀割当は米でカバーしようというふうなことで、米の方で出す計画を立てるのもあります。或いは又、米の割当が重いからむしろ雑穀増産して、雑穀で出そう、こういうふうなことで計画をする所もあります。そこが個々の地方なり或いは個々の農家によつて事情が違つておりますというふうな考え方になつております。私共の方は先程申上げましたように、作物別に計画いたしまして下しておる。供出の方ではそれで自由になつておりますというふうなことでございます。やはり或る程度こういうふうなやり方は、供出制度の現状から申しますと、却つて便利に行くのではなかろうかと考えております。
  43. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 只今大臣が御出席にならぬ前に食料長官からいろいろお伺いいたしておつたわけでありますが、実は今日は二十五年度の作付に際しましていろいろお伺いしようと思つて、委員長の御心配で御出席願つたのでありますが、実は昨夕と今朝の二回、大臣が前橋の大会にお出でになつて、そうしてその席上で六月頃には雑穀統制を全廃すると言つている。それはお聽きすればそれでいいのだが、大分話か進んでおる。六月という時期は一体何によつて六月と言つたのか分らないと思つてつたところが、今聽くと何だか嘘らしい話なんですが、実は去年の暮から四十五年度の統制に対しまする作付の方針をたびたびお伺いしておりますが、なかなか先方との交渉がありまして、日本政府の思うように行かん関係もありまして、決つておらんようでありますし、今長官からいろいろお伺いをいたしましたが、前に大臣お話なつ大豆はしようがない、それから「とうもろこし」もどうもこれも輸入しておる関係で甚だ困難だ、こういうことは大臣からお伺いをいたして、そんなことかと思つておりましたが、やはり長官の話を聽くと、大体統制を撤廃することは非常に困難だ、こういうお話がありましたが、それ以下の、例えば種々雑多な雑穀がありますが、雑穀はお外しになるように努力をされる、そういう方針が決つておれば、それは昨日おつしやつたのは嘘かどうか分らんのでありますが、二回共放送しているので、全国殊に北海道では大分騒いでおります。大臣食糧長官考えが食違つておるようでは困るのですから、一つ大臣がこれからやつて行こうと思う、こうなくてはならぬ、こうやるのだという御指示を願いたいと思います。
  44. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) どんな放送したか聴いておらなかつたのですが、先程申しました通りであります。日本食糧は御承知の通り七月アメリカの国会において、大体その次の会計年度の方針が決まるわけでありまして、食糧の問題につきましていろいろ希望があるのでありますが、この六月までは如何とも仕方がない、現在の情勢で進むわけであります。それで若し食糧の配給の一部が変更されるということは、七月のアメリカの国会の経過後でなければ決定できないとい一つの鉄則があるのであります。六、七月頃になつたら雑穀を大巾に外すということは考えなければならぬと思うので、先程お答えした通りであります。そこで私の雑穀に対しましての考え方は、これは食糧庁の事務的な考え方も同じことと思いますが、余りにも滑稽な物を雑穀として取扱つているのであります。蕎麦というものをやつておりますが、どこにも配給したこともない。「きび」なんか鶏の餌になる、そういうようなものはどこに行つているか。そういうようなもの……、ところが燕麦であるとか、そういうようなものは外国から買つてつております。「とうもろこし」も外国から買つてつております。豆は先程申した通りであります。そういう主要な物は雑穀として又地方的な状況として持続しなければならぬと思うのであります。小豆につきましては、北海道と非常に関係がありますが、これなんかは各府県に生菓子が出てくる、饅頭が出てくる、あの小豆はどこから出てくるのかというような叱言を聞くのであります。大豆なんかは或る一部自由になつておりますから、納豆も豆腐もあるわけでありますが、小豆はそういう処置を採らんに拘わらず、餡ころ餅ができたり生菓子ができたりして、これはやつているのかやつてないのか統制に対する権威にかかるような問題でありますから、成るべく小豆であるとか莢豌豆とか極く生産の少い物は、この際厄介だからやめたい、こういう気持がするのです。併し北海道のような特殊な生産状況にある燕麦であるとか或いは大豆であるとか、或いは北海道の豆とか、そういうふうな、それが非常な地方においての主要生産物とまで考えられるようなものは、これは統制をして雑穀として行く。つまらん蕎麦やつたら、粟やつたらいうようなものは、それはできるだけ早く除外して行きたい、こう考えておるわけであります。
  45. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大体すつきりしかけておるのですが、実はここで大いにお考えを願わなければならんのは、毎年そういうことを繰返しておると実は考えておりましたのに、又そういうことが起きておるのです。それは農家の還元食糧の問題でありますが、実は今朝も私聞いて参りましたが、非常に困つておるようであります。私は裸供出はすべきでないという建前でそういうことを考えておりまするが、未だその跡を絶たんで非常に困つておる所があるようであります。例えば九州の熊本あたりでは、或る一郡などは裸供出をして、そうして還元米を貰わなければならないが、供出によつての所得税が取られて、還元米との差額が六千万円だそうであります。そうなるとますますつまらん百姓が貧乏になり行くことは当然であつて、そういうことがあるのなら、何とか食糧庁の方でもお考えを願つて、裸供出をさすということ自体が間違つておりますが、やつたものはこれは取り直すことはできないことで、今後はそういうことのないような方針でお進め願うと同時に、本年の還元食糧についてどういうお考えを特つておられるか。今熊本の実例のように一郡で六千万円もの供出価格と還元食糧差額があつたのでは、供出価格には前に申しました所得税を取られる、そうして貰うものは六千万円損をする、こういうのでは非常に困ると思うのです。北海道にもぼつぼつあるようであります。そういう単なる数字を上げるために供出をさして、そうして要らん手数をかけて損をする。こういうことは非常に遺憾なことでありますが、現在そうなつております。還元食糧に対しますその六千万円も、これは数量によりましようが、損しなければならんようになつておるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  46. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 還元の問題は毎年の問題でありまして、法律の建前から申しますと、生産数量から保有数料を引いたものを供出をするという建前になつておるわけなのです。これが末端に参りました際に必ずしもその通りにはならない。これは実情だと思います。又その際に個人別のその農家、その農家生産数量というものが完全に把握されない。この事情も絡んで来ております。それから法律の建前ではありませんが、本当に飯米がないという場合に、そういう農家もありましようが、計数上からそういうものが出ましても、持越しの食糧等が相当ありまして、現実に飯米に困らない事実も相当あるわけでありまして、この事情一つ一つ農家について審査をして適正にこれをやつて行くということは、非常に困難な事情でありますが、私共は作報の数字その他から見まして、大局的には、これはどうしてもあの県は非常に苦しい県であるというような認定をいたしますれば、この点については農家用の枠の範囲内におきまして、適宜翌年度の生産支障を来たさないような措置を従来講じて来ておるわけであります。只今熊本県について一部において六千万円ですかの差額が出ておるかという資料を御説明になりましたが、実は熊本県は未だ一〇〇%に達しておらん県であります。従つて、どういう所から如何なる根拠に基いてそういう資料が出ましたかはつきりいたしませんが、結局本当に食込みました農家について考えますと、生産価格消費価格との差から経済的な負担を来たすことはこれは事実であります。この点は従来とも特別の価格を以て処置をいたしたいということで、いろいろ関係方面とも折衝を続けて来ておるのでありますが、未だに解決いたしておりませんが、方向といたしましては、特に農村の経済事態が漸次窮迫しでおりまする今日において、できるだけその点は何とか処置を附けなければならんかというふうに私共は痛切に考えておるわけであります。
  47. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 事務当局は今お聞きのような御返答でありますが、これは何らかの方法によつて、そういう無駄な、迷惑を蒙る、数字だけを揃える方法は大いに改革してやめなければならんと実は思いますが、その数字について大臣はどうお考えになつておるか。今後の還元食糧農家にしないということは、実に私はいいことだ。その無駄は非常に大きいと思う。価格的にも損をし、どつちも供出して助からん。儲からん儲かるは別として、算盤に合わないことを毎年繰返しておりますが、何とか本年から断じてないということにならんもんかどうか……。
  48. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは毎年問題になるところであります。法的から言いますと、そういう裸供出はあろう筈はないのであります。ところが、農村へ帰つて見ますと、あそこは家族が多いし作付反別は少い、だからお前のところは供出せんでもいいというふうに、多く生産しておる人が考えて、そういうような処置が採られれば、この法制通り行くのでありますが、部落の反別に対して割当てるというようなふうに末端ではなつているらしいのであります。それで翌日から足らないものでも、一応供出割当を受けなければならん。六月から足らんものでも一応反別割の供出をしなければならんというようなことが行われるのが、今お話のような裸供出をし、そうして後から還元しなければならんというような問題が起つて来るのだろうと思うのでありますが、これは全く法の精神が徹底しておらないのでありますが、現在の供出制度はいろいろの欠点はあります。まあ私が申上げるまでもなく各委員諸君も御諒察と思いますが、これじやどうも面白くないのであります。何とかして、喜んでということはなくとも、納得して農家が自分の食糧以外のものを自由な意思によつて、これだけ割当てられたけれども、今年はいろいろ雑穀も穫るから、これだけ余計出して売つてやろうというような気持で、日本食糧事情に協力して貰うような態勢を作らなければ嘘だ、かように考えておるのであります。今日の制度も来年の三月で一応打切ることになつておりますが、この間において現在の弊害を矯正して行きたい。或る一面に考えられました米券制度も一つの面白い考え方だと私は思つておるのでありますが、然らばどうするかということをこの問も衆議院で尋ねられました。具体的に申しますと、又いろいろな問題を起しますので、ただ今日の供出制度の欠陥を除く方法考えという抽象的なお答しかいたしておらんのでありますが、今日のやり方はこれは困つたもんです。実に困つたもんでありますが、何とかしていい方法一つ考えて、今日の弊害を除去したいという気持で、今いろいろと研究を進めておるわけでありますから、どうかこの程度一つ御了承をお願いいたしたいし存じます。
  49. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今の還元米に関係がありますが、実收査定委員会を作つて、本当に困つたところの農家には免責する、こういうふうな方針を決めておられるようでありますが、実收査定委員会がどういうふうに設立状況がなつておるか。又実収査定委員会の指導については、各地方ごとに違つておるようなことも考えられるのであります。でありますから、この実收査定委員会の指導方針というようなことを先ず最初にお伺いして、次に質問を続けたいと思うのであります。
  50. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 実收査定委員会なる名称の組織は、本年の補正会議の際に知事側の附帶條件としまして、どうしても一〇〇%出せない、本当にいろいろな点から調査をしても出せない農家について供出を強要することは適当でないのじやないか。そういうものについては責任を免除するとい措置を講ずることが然るべきである、この点について政府はどう考えるかというようなことで、私共もそういうものについては、責任を免除することが適当であろうということで附帶條件になつておるのであります。併しその人が本当に出せないかどうかということの認定は非常にむずかしい問題でありまするので、町村長或いは食糧調整委員、食糧検査所の末端の機関の人というようなもので以て、その認定をしてこれを決めるのが適当であろう、こういうふうに考えておるのであります。全体の方針といたしましては、そういうことで進んでおるわけであります。然らばこれが全面的にその要求をし、或いは認定された数量が、そのままの形において認められるかどうかと申しますと、藤野さんも御承知のように、現在の食糧需給状況並びに現在の環境におきましては、そのままそつくりそのものを認めるということは非常に困難であります。結局この責任を免除すべき数量等について、作報等の計数を基礎としていろいろの事情を判断いたしまして、これを或る程度上から下して行くとい措置を講ずるということになろうかと思うのであります。現に九州につきましては、そういう指示を私共といたしましてはいたしたのであります。それで結局それが県に参りますと、県はこれを県内の各種の状況を判断いたしまして、町村に下すことになる。下したものを各農家について、如何なる農家にどの程度考慮すべきかということについては、この実收査定委員会なるものが関與をいたしまして、これを公正に適切に処置をする機関になろうかと考えております。大体経過並びに私共の一応考えておりますことを申上げました。
  51. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 そういたしますと、先般免責数量を各都道府県ごとにお定めになつたと考えておりますが、その免責数量の範囲内において実收査定委員会で決定する、こういうふうなことになるのでございましようか。
  52. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) お話の通りになろうかと思います。免責ということは、一昨年の知事会議の際にもこの問題があつたのですが、昨年の補正会議におきましては、各般の事情からいたしまして、なかなか作況に対する認識の違いなどもあつて困難をいたしたのでありますが、結論的に申しますと、今回の免責ということは、一種の再補正的な意味を持つているというふうに考えることが、実体的には即応しておるのではないかと思います。
  53. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 若し先般定められた免責数量の範囲内であるというようなことであつたらば、或る農家についてはやはり保有を割つて供出するものがあると考えなくちやいけないのであります。若し保有を割つて供出したといたしましたならば、それに対してはさつき還元するというようなこともお話になつているのでありますが、その還元される場合においてはどのくらいの標準を以て還元されるお考えであるか。その量と価格の点についてお尋ねしたいと思うのであります。
  54. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) その点は先程も申上げましたように、果してその農家に還元する必要があるかどうかというような点については、ここ二、三年来種々やつて来ておるのでありますが、これは非常に困難なことであります。この全体数量を把握いたしますことは非常に困難なことであります。やはり実情を相当考慮いたしまして、尚又県全体のベースから申しますれば、作報の数字その他の資料も十分考慮し、又実情も考え合せましてこれをやつて参らなければならん。仮に申しますならば、水害地帶で、根こそぎ食糧がなくなつたような地帶について考えますれば、これは前年度からの持越しの食糧というものが一応ゼロになつておるということを想定しなければならん。そうすると、この辺の地帶については相当考慮を佛うことが必要であろうと思います。前年度非常に豊作であつたというような地帶について考えますれば、本年の食糧については成る程そういうことがあつたといたしましても、農家食糧の全体の需給という観点からしますと、水害地帶等とは又別途の考慮を拂わなければならんとい事情もありますので、この辺はもう少し県当局とも打合せをいたしまして、この数量は見当を附けて参りたいと考えておるわけであります。  価格につきましても、従来の考え方は、還元というものはあり得ないのだ。さつき岡村さんからお話がありましたように、適正な供出が行われておる以上、これは還元するとい措置考えられないのだということが、これは理論的に言えるのでありますが、併し現実はそうじやないのでありますから、この点についての食違いを還元的措置というようなことで、農家用の枠内において操作して来ておりますので、この価格も、形式論的に言えば消費価格ということになるのであります。ただ農家のいろいろの実情から申しますると、これは非常に苦しい状況に昨今はなつておりますので、この点の解決は何とかいたしたいと考えでおりますが、只今のままのことで申上げますならば、現在の還元的措置を講ずる場合の価格消費価格であるということを申上げざるを得ないと思います。
  55. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 この間の免責措置を決定せられる際の知事会議の模様だということで聞いたところによりますと、食糧庁長官は、還元する場合においては、大体において四合保有というような計算で還元をしたい。値段は生産価格倉庫料であるとか運賃であるとかというようなものを加えた価格で配給したいと思うのだ。結局消費価格より安いのだ、こういうふうなことを聞いて、そういうふうになることだろうと思つて、皆は帰つてそういうふうな対策を練つておるのじやないかと思うのでありますが、そういうふうなことで承知して差支ないのでありますか、更に一つ御説明をお願いしたいと思います。
  56. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 知事会議の際に申上げました四合とそれから価格についての問題は、その通りであります。その数量は、つまり免責的措置を講ずべきものについてはそういう措置を取りたい。そうして九州について申上げますると、先般免責的措置、実体的に申しますれば再補正的措置を講ずべき数量はこの程度のものであるということを実は知事さんには申上げておるのでありますが、そのものについては、只今お話のございましたような価格でやつて参りたいと考えております。  その外にもう一つ、先般来お話がありまする一般の従来と同様の意味においての還元的な措置というものは、別途に残るわけであります。
  57. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 私などは、年々同じことを繰返したくはないのでありますが、こういうふうな補正をやらなくちやいけない、又その補正について、或いは事前割当供出というようなことについて、各地方で最も困難を感じておるのは、最末端まで事前割当行つていないということがその原因になると思うのであります。そういうふうなことで、各県ごとに割当に対しては非常に困つておるのでありますが、できるならば私共は事前割当をされるならば、又供出というようなものも、反別から、その他すべて各町村まで割当てて頂いたならば、非常に混乱を防ぐのに便宜じやなかろうかと思うのでありますが、将来において政府の方で町村まで反別その他を割当てられる意思があるかどうか。若しないとしたならば何故そういうふうなことができないのであるか。こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。
  58. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 御承知の通り現在の割当について一番苦慮いたしますのは、御指摘になりました面積が果して実際どのくらいあるのか、これにつきましての資料が県当局の方から出て来ますもの、或いは作報で取りますもの、その外いろいろの事情で調べますものと、それぞれ食違つておるのであります。果してはつきりと面積がどのくらいあるかということが掴み得ないのが現在の割当をします一番の苦しみであります。又各県のバランスというふうなものを考えます場合にも、そいうふうな点に苦情が起こつて来るのではないかと私共も想像いたしております。段々と作報も機構が整備されまして進んで来ておりますが、将来作報が県別まで面積を確実に把握するというような方向に進みますならば、私共としてはその資料を取ることが一番正しいと考えております。ただ農林省自体が直接市町村別の割当をするわけではありません。やはり農林省の割当は県別割当でありますが、その県別割当をいたします根拠として、各市町村別の面積がこの通りでありますということがはつきり言えれば、県から更に郡別なり、市町村別の割当をされる上に、非常にはつきりしたデーターが使い易いのではないか、将来これは供出制度の改善もございますので、先程申しましたようにいろいろ考えておりますが、尚割当制度が存続いたします場合はそういう方向に進んで貰いたいと思います。
  59. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 昭和二十四年産の米について価格を決定する際に、政府の方では石当り四千二百五十円と決定せられた。又価格差の金を四十四円と決定せられておりますから、裸値段にすれば四千二百九十四円になる、こういうふうな計算のようであります。然るに御承知の通り今年の米は非常に品質が悪かつたために、私の県の実態から計算をして見まするというと、石当りの価格差はプラスでなくて、減の八十五円大銭とい数字になつておりますから、石当りは四千百大十四円九十四銭となつて、一石当りの値段は政府の計算されたのよりも百二十九円六銭廉いというような数字になつているのであります。恐らく九州各県、その他の県においても、いろいろの検査の結果を総合して見まするというと、プラス四十四円ではなくて、マイナスになつているのではなかろうかと、こういうふうに考えるのでありますが、全国についての大体の予想がついておれば、予想を承りたいと思つておるのであります。
  60. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 昨年の産米は品質において悪かつた関係で、検査の基準を上げたわけではありませんが、下等級のものが相当多いことは事実であります。生産価格等を決めます際に、一応予定いたしました等級別の収量に基く等級間価格差を附加すべき金額というものと、本年度の実績というものとの比較の資料でありますが、本年度の等級につきましてはまだ最終的には決つておりませんが、只今までに判明いたしておりまする資料に基きまして、大体の等級別の割合を次の機会に資料としてお出しいたしたいと思います。
  61. 石川準吉

    ○石川準吉君 大臣一つお願いでございますが、永稻単作地帶の農家経済状況と、二毛作地帶の農家経済状況と比較いたしますと、水稻単作地帶の農家経済状態が非常に逼迫していることは、私から御説明申上げる必要もないと思います。ところがその水稻単作地帶の農家経済に非常に大きな潤いとなつておりますのは例の早場米奬励金であります。この早場米奬励金制度の存廃如何は、従いまして水稻単作地帶の農家の非常に懸念するところでありますが、幸いにいたしまして、先程食糧庁長官からの御説明によりまして、本年も早場米奬励金はやるのだということでございますので、非常に安心しておるわけでありますが、ところが二十四年度の早場米状況を見ますというと、乾燥不十分等の関係からいたしまして、農家が納め得なかつた数量相当数量に上つておるようであります。ところが農家といたしましてはできるだけ完全な乾燥をいたしまして、国家に損失を掛けないようなものを納めたいという念願であるのでありますが、何分にも気候的に恵まれていない単作地帶といたしましては、時間的余裕が極めて少いのであります。従いまして北海道、東北及び北陸各県の水稻単作地帶の農家といたしましては、できるならば九月末、十月半ば、十月末というこの期間をそれぞれ二週間程度延長して貰いたい。そうすればその時間的余裕を以ちまして十分乾燥した良質米を多量に供出したい、こういうような欲望に燃えておるのであります。二十四年産米につきましても大分期間延長については御配慮を煩わしたのでありますが、期間が切迫しておりました関係上遂に駄目だつたのでありますけれども、本年二十五年産米につきましては今から御手配願いまして、是非期間延長ができまするように御配慮願いたい、かように存じますので、お願いと同時に大臣の御意見を伺いたいと思います。
  62. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 早場米奬励金に対する考え方の今日変つていることは、もうすでに再々申上げてあるので御了承のことと存ずる次第でありますが、二十四年度におきましては、二十三年度の実績に懲りまして、検査を適正ならしめ、それから時期も大体あの程度がいいのではなかろうかということを考えたのでありまするが、不幸にして收穫時期に天候が非常に悪くありまして、予定通りの収穫ができ得なかつたのであります。ああいう突発した事情がありましたので、何とかして当初考えておつたことを実現するために期日の延長、変更等を考慮いたしまして、関係方面ども再々交渉いたしたのであります。ところが関係方面では正しい理論で、端境が越えられないからこそ奬励金を出すのじやないか、今年のような食糧事情がいい年に、何を苦しんでありもせん予算から奬励金を出すがために期日を延長するかというような強い反対を受けたのであります。この理論に対しましては、これを打破る理論が表面的に立ちませんので、何とかして便法がないかといろいろ食糧庁におきましても考慮を拂つて、その期限内に検査ができたということの認定によつてこれを買い取るという手段も講じて見たのでありまするが、一部これを剔抉するような立場で表面化し、煽動されたので、折角のことが行われなくなつたようなことが事実であります。二十五年度におきましてはその時期に当りまして、できるだけ早場米奬励金が単作地盤に幾らかでもお助けになるという手段を講ずるように期日等も考えて見たいと存ずるのであります。これは先のことでありますが、今日その気持だけをお答えいたす次第であります。
  63. 石川準吉

    ○石川準吉君 只今大臣の御意思は非常に有難く思いますが、是非ともこれが延長できますように御配慮をお願いいたしたいと思います。ついでにもう一つ單作地帶の問題につきまして、水田が多いのでありますが、併しながらやろうと思えばできる場所が相当あるのでありますけれども、これが果して雪を越えて実が生るものや、生らんものやらといつたような多少の不安があるために、なかなかそれが実行できかねるというような事情がありまして、これは單作地帶の裏作につきましては、例えば麦を植えるというような場合、菜種を植えるというような場合につきましては、或る期間というものは、正確に実がつく期間だけ供出措置を免除するというような特別な措置ができないものかどうかという点につきまして、ちよつとお伺いいたします。
  64. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 單作地帶が二毛作地帶と比べまして経営上非常に不利な点があることは私共十分承知いたしております。この対策を立てたいということで現在いろいろ研究いたしておるわけでありますが、今お話のございましたような水田に対する裏作につきましての供出免除の問題であります。全部供出を免除いたしますことが、果してよいかどうかについて、若干疑問を持つておりますのは、例えば資材その他の配給というものが、供出制度のありますものについて、それに応じて反当幾ら、どういうような出し方をしておりますので、全部免除をいたします場合に、果してそういうふうな資材の確保がやり得るかという点が一つ残ろうかと存じます。それで私共の気持といたしましては、そういうようなところはできるだけ……作る場合には反当收量というものが他の地帶とは違うわけで、例えば開拓地なんかには反当收量は非常に低めております。そういうふうな意味合で、反当收量でもうんと少くして生産割当をいたしますれば甚しい過重にはならない。従つて供出についても亦おのずからそういう面も当然関連して、供用数量についても下つて来るわけであります。そういうふうな考え方で私共としては考慮したいというふうに現在思つておるのであります。それから菜種等につきましても、これは直接食確法に基く供出割当はございません。別の割当でやつておりますわけであります。これについては本年度からいわゆる自家保有数量というものを見まして、自家保有数量についてはこれは自由にして宜しいということで、昨年のように全量供出というようなことでなくなつたわけであります。従つてそういうふうなやり方で自家保有数量を見込んでやつて行きますれば、当然その余分に増産をいたしました部分についでは、農家が自由にこれを操作する数量も多くなるわけであります。それによつて勢い従来作つておりません地帶の菜種の栽培にも刺戟になるようなやり方をして行く、こういうようなことをやつておりますわけで、尚これらの単作地帶の問題については今後とも十分研究をいたしまして、それぞれ又対策も考えて見たい、かように思つております。
  65. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 ちよつと食糧庁長官にお伺いいたしたいと思いますが、最近私ちよつと病気で郷里に帰つてそういう質問に遭いまして、答を出すに苦しむのでありますが、御承知のごとく長野県は昨年日本一と言われるくらいな災害を蒙つて従つて全県下一般の収穫から言えばむしろ収穫減ということに相成つておると見られるのであります。然るに麦において超過供出を予想以上したのは、これは二つの原因かあつたので、ああした山間の地でも気候その他の関係から麦の増収も得られたのでありますけれども、現金が農家に乏しくなつ関係上、他の雑穀等を食糧に取入れまして、節約して供出したようにも聞いておるのであります。その結果かどうか知りませんけれども、米の供出に当りまして、一昨年と比較いたしまして大した増收を得たという所もないのみならず、一方災害を蒙りまして相当減收地帶もあるにも拘らず、これが供出に当りまして一昨年度よりも、二十万石ということを最初聽きましたが、補正によりまして相当これが数量の是正をいたされたとも又聽いておりますけれども、今日作報の報告が余りにも日本全国二、三の増収県であるというような報告をした結果、作報の不必要さえ唱えられておりますところの実情に追込まれております。この点について私共ちよつと不可解の点がありますが、この機会において長官から御説明を承ることを得ますならば甚だ幸せと思います。
  66. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 長野県の二十四年産米事前割当並びにこれに対する補正に絡みまして、二十三年度よりも非常に高かつたというようなお話だと思います。これはその当時の牧量を県について調べて見る必要があると思いますが、全般的に三十三年に比べまして二十四年が生産目標、供出量が低かつたことは事実であります。それで長野だけに特にその点を強くしたということはございません。一定の基礎資料に基きまして、又各府県ごとに事情も十分拝聽いたしまして決定をいたしておりまするので、他の県との調和において長野だけを特に重くいたしたという事実はございませんから、この点御了承願いたいと思います。
  67. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 長官の御答弁で或程度の了承をいたしましたけれども、とかくこういう供出県と移入県において供出程度相当違うというようなことと、長野県のごとき山間の地は、相当小さなあの冷水をかける水田においては、平坦な地よりも收穫量において非常な減收を来たしておるのであります。これがために今年はいわゆる二十四年から二十五年度にかけて供出する農家が苦しんでおるという声が今充ちておりますが、かような県について全国一般に供出を増されたと同様に増されたというのは、一応肯ける点でありますけれども、災害に対しても相当補正をされているように聽きますが、今後も十分に御調査下さいまして、災害及び実情に即した供出割当をするようにお願いしたい、かように申上げるものであります。
  68. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今まで質問されたのを芋の問題について繰返すようでありますけれども、少し私もお尋ねしたいと思つておるものであります。政府買上げられる芋類は、甘藷二億五千万貫、馬鈴薯一億五千万貫、こういうふうに大体において決定しておられるのであるかどうか、最初にこれからお尋ねしたいのであります。
  69. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 大体そういう目安であります。
  70. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 若しそうであるといたしましたならば、生産者からの売渡しの申込は、政府はいつ頃お取りになる予定であるか、又若しも生産者からの申込が、さつき申上げました数量よりも多いというようなことであつたならば、その際にはどういうふうな対策を採られるのであるか、お伺いしたいのであります。
  71. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 今月中に各府県別に買入れ数量を決定したいと思つております。それを従来の食確法に基く割当、これは割当ではございませんが、そういうような方式で以て、県知事が大体においては市町村なりに流しまして、そこで市町村長の下において決めて行くことになるわけだと存じます。この辺の実際の手続につきましては、実際は知事さんにお任せしたいと私は考えております。県別の振合だけは中央において決める、こう考えております。それからそれを超過しで買入申込があつた場合に対する処置でありますが、予算上の関係からいたしましても、この数量は大体最高限になつておりまするので、この範囲内においてその買入数量を是非決めなくてはならん、以上のように思つております。
  72. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 買入価格は、大体この前企画課長からお伺いしたのでありますが、どういうふうなご意見であるか、一つお伺いしたいと思います。
  73. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) まだ買入価格を最後的に決めてもおりません。私のところでいろいろ研究いたしておる段階でございますが、対米価比を前年よりも余り崩さないことに決めて行くことが適当じやなかろうかという気持を持つております。
  74. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 買入される場合においては、検査規格というものを決められなくちやいけないのでありますが、検査規格はできるだけ早く決定されるようにお願いいたいと思うのであります。ただこの際申上げて置きたいのは、同じ甘藷であつても、九州にできるところの沖縄百号と、その他の地方にできるところの沖縄百号とは品質が違つておるのでありますから、政府の方において検査規格を決定せられる場合においては、各地方々々の状況に応じて検査規格を決められるのであるか、ただ沖繩百号は何等だということに決められるのであるか、この点をお伺いしたいと思うのであります。
  75. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 原則といたしましては、沖縄百号であるならば、全国を通じまして一本の規格と言いますか、等級を決めて行くのが適当だろうと思いますが、地域によりまして非常に品質に差があるということをしばしば聞くのでありますし、又そういう実情を私も承知いたしております。県ごとにいろいろに取扱を細分することは困難があるかと思いますけれども、西の方と、東の所においてそういう性質の違いが非常に大きいというよな場合には、或いは地域を限つて特別の考慮をする必要があろうかと存じます。この点は澱粉含有量でありますとか、その他いろいろな基礎資料を整備いたしまして、特別な取扱をする必要があれば、そういうことについても考慮して見たいと思います。
  76. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 さつき大臣から芋類の加工品は赤字が出るから取扱わない、こういうふうなことでありますが、政府が提出されたところの予算書を拝見して見ますと、食糧管理の収入には、芋粉も澱粉もあるのであります。併しこれは、或いは政府が保有しておるところのものを考えて、予算には計上されておるのであるか存じませんが、将来において或る程度のこういうふうな芋、或いは澱粉というようなものは、主食として取扱つた方が、日本食糧の将来から言つたらばいいのじやなかろうかと考えるのでありますが、この点についてお伺いしたいのであります。
  77. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 今回の四億貫の買入は、生甘藷馬鈴薯を買うという建前を取つております。加工品につきましては、これは芋粉、澱粉、いずれにつきましても、昨今においてはいろいろ消費者の方から文句の出ていることは、これは御承知のことだと思います。そのために政府といたしましても、手持をいたしておりまする澱粉なり或いは芋粉を、総合用として配給することについて非常に困難を感じております。一部のものは特別の打合せをいたしまして、工業用に応急的には廻しておりますけれども、現在の状況からいたしますと、こうしたものを消費者がなかなか引取らんという実情にありますので、今回の買入につきましては、生というのを原則としてやつて参るとい考え方でいたしております。従いまして、芋粉、澱粉というような形において、四億貫のうちそういうものを買うということは、只今のところ考えでおりません。
  78. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 四億貫甘藷馬鈴薯をお買いになるとしたならば、大体においてその見当の金額は幾らぐらいになるか、又そういうふうなのは、予算書を拝見しましても明確な数字は出ていないのでありますが、流用によつて買われるのであるか、その点お伺いしたいのであります。
  79. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 大体四億貫、一貫三十円といたしませば八十億見当になるわけであります。それでこれは予算の商品の買入代の中には積算されておりません。併し予算の説明書の方に文句で、この予算の範囲内において余裕があるならば、この甘藷馬鈴薯を買うことができるという説明になつておりますので、この点は買うことについて予算支障がないと考えております。それで、その余裕あるや否やの問題でありますが、これは私共いろいろ検討いたしておりまするが、例えば、超過供出を来年は三百万石ばかし見ておりますが、実情は従来の経験からいたしましても、それ程の買入はできないものと考えておりまするので、只今申上げましたような八十億程度の金額は必ず捻出ができると考えております。
  80. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今度の食糧管理法の一部を改正する法律案を見てみまするというと、芋の加工は主食から外して行こうと、こういうふうなお考えのようであります。併し他方日本食糧の将来を考えて見まするというと、主食として配給は外すといたしましても、芋類増産は徹底的にやつて行かなくちやいけないじやないか、こう考えるのであります。そのためには、芋の加工利用の方法を研究して行かなくちやできない。そして今やこの点については、いろいろ各方面で研究しておられるようでありますけれど、まだ完全なものが、これだというようなことが決定していないようであります。この際日本食糧の将来を考えまして、芋類の加工について積極的に指導し、又これらの仕事をやるのについては、或る一定の奬励金を出して、将来のいざという場合の対策に講ぜられる御準備があるかどうか、この点お伺いしたいのであります。
  81. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 只今お話の通り、芋の統制が撤廃はされましても、日本食糧事情なり、又芋というものが我が国農家経営上非常に必要であるという見地からいたしまして、是非ともこの生産が落ちないように農政的な見地からはいたして参りたいと考えております。その意味におきまして、只今御指摘のございました加工の奬励、或いは加工設備の改善、能率の向上、こういうふうな問題については私共もできるだけの力を注ぎたいとい考えでございまして、それに対しまして現在措置等につきましても考慮いたしまして、大蔵省方面と目下予算の問題について折衝いたしております。
  82. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 どうか只今農政局長さんのお話の通りに、積極的に案を練つて頂きたいと思うのであります。  それから今後の芋のことを考えて来て見まするというと、池田さんからもいろいろ話がありましたが、或る程度の作付転換は予想せられるのであります。作付転換をいたしましたら、この際一番先に出て来るところの問題は、種芋の問題じやなかううかと思うのであります。こういうふうなことを考えて見まするというと、統制を廃止すると同時に、如何なる芋を奬励するかというようなことで種芋のことを考えなくちやできないと思うのでありますが、そうするのには種芋がなかつたならば適当の所から持つて来なくちやできない、こういうふうなことになつて来るのでありますが、種芋の取扱というようなことについて、具体的に如何なる品種のものをどういうふうに利用するというような計画がありますかどうか、この点お伺いしたいのであります。
  83. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 先程食糧庁長官からのお話のございましたように、四億貫を限つて政府が買入れる。従つてその品質についてもやはり條件が附くと考えるわけであります。従つて私共といたしましては、その意味からいたしましても、尚又一般に自由になりましても、品質の悪い芋は消費者に喜ばれない。又価格も非常に叩かれる。こういうことでありますからして、優良品種への転換は極力やつて参りたい。大体政府の買入の数量は別といたしまして、それ以外は農業団体の、或いは興生産地における集荷業者、そういうふうな方達の御助力を得まして、生産方面消費地方面との緊密な関連を付けなければならん。それから又工業用原料につきましては、工場と生産地との結び付きを付けなければならん、さように考えております。そういうふうな計画についても具体的にいろいろ研究はいたしておりますが、又これに対して流通部面の円滑化を図りますための、例えば協議会の開催でございますとか、或いはその他の斡旋につきましての費用につきましても、政府においで若干なりともこれが補助をいたしまして、これが円滑にやるようにしたいということで、それに対する予算も計上いたしまして、先程申しましたように、今交渉をいたしております。
  84. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) 大臣は時間がないようですから、できるだけ大臣に対する質問を先にやつて下さい。
  85. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 大臣にお伺いをいたしますが、これは実に重要なことで、もう少し早くお伺いをしたいと考えておつたのでありますが、私一人でない、殆んど農林委員全体にそういう疑問があると思いますが、実は農村恐慌が来ないということを大臣はお考えになつておられるし、各所でそういうことを言われておりますが、これは全国的に全部の県がさようとは我々も考えておりません。実は昨日、一昨日の二日に愛知と三重の農家の方にお会心いたしまして、非常に農村が金詰りになつているし、年々それが非常に強くなつて来ておるということをお話をしますと、そうですかとさつぱり寝耳に水のような顔付きをしておられますし、実際にそうだと思つております。ところがその半面農村の実情は大体において非常に困つております。そこでインフレかデフレかの問題で、我々は聞いておりますると、非常に疑問を持つのでありますが、デフレとインフレの境は、インフレを制止いたしまするとそれを境に必ずデフレになる兆候にならなければならんのが経済の建前であります。若しそうでなくて、インフレを止めたなりでそのものが持続することがないのであります。必ず物が下り、或いは金詰りが来、いろいろな形においでデフレ傾向が見えるのが当然でありまして、それを何も今頃議論するのではないのでありますが、農村が段々不況に追込まれておるということを農林大臣がよく御認識になつて、今後の農村のあらゆる施策に御協力を願うのでなければ、日本農業は立ち行かんと実は考えておりまするので、農林大臣が閣僚の一人とし、民主自由党の人として、今は変りまして自由党の人として、そういうことを言われん立場にあるから言つておられないのかどうか知りませんが、私の方は実態を掴んでおります。殊に金融関係におります関係でなく分るのでありますが、非常に困つておりますことは、二十二年、三年、四年と年々に高まつてつておりまして、二十三年度あたりには、新年から今頃に無担保貸付の要求は全然なかつたのであります。又去年もぼつぼつ出て参つておりますが、今年になつて貯金の歩留歩合は、これは貯金が一時に殖えたから、或いは農家でその金が止つておるとは考えておりません。金は目標に達しなくてもそれは俄かに抜けなければそれで結果はいいことに相成りまするが、今急に非常に困つて来ておるような部面は、今までそうでなかつた九州方面、裏日本方面に非常にその度が増して来ております。これをこのままで今までのようなお考え大臣がお進みになり、大蔵大臣その他にそういう気持でやつて貰いませんと、大臣が現在言つておられますような気持が本当の気持であるとするなれば、我々は非常に脅威を持ち、変つた考え方でいろいろとやつて行かなければならんことに相成りますし、非常な食い違いが生じますので、大臣は本当にこういう考えをしておられるか、お伺いしたいと思います。
  86. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) これは重大な問題であります。私は今日の農村が決して落着いておるとは考えておりません。併し恐慌という言葉を殊に農民組合の方々がお使いになります。又新聞記者諸君などにお目にかかりましても、農村は恐慌が来ておるということを非常に叫ばれるのであります。どういう程度のことを恐慌と考えておられるのでありますか、私は……、農村が落着くということを目標として政策を立てて行かなければならんのであります。ところが恐慌々々と言うて宣伝というか、余りにやかましく言うことは、農村自体が、これは恐慌が来るのではないかというような取越し苦労と言うか、心配をし過ぎてしまうということを第一私は惧れるのであります。食糧の危機到来するということを叫んだがためにますます食糧を危機に追い込んだ過去の実績がありますが、今日はインフレで参りました日本の経済を、一時これを転換さすというように国の政策をそこに持つて来まして、御承知予算の建前からすべての組織がそこに向いて来たのでありますから、ひとり農村だけではないのであります。これはもう中小工業のものも、或いは労働者も月給取も、今までのようなインフレ時代のふかふかしておつた時代とは現に違つて来ております。で農村恐慌と過去の歴史を考えて見ますると、商売しなければ馬鹿だ、月給取をせなければ馬鹿だ、百姓しておる奴は馬鹿だと、こういうふうに農村を顧みずして段々と商工に走つて行くと、農村は今に荒廃に帰してしまうというような時代が来てはこれは本当の農村恐慌であります。今日はあらゆる階級が経済の切替転換によりまして、相当程度において平均的な苦痛を嘗めているのであります。決して農村だけが苦しい。他のものだけは楽だという時代ではないのであります。それでありますから、これは商工業としては中小工業に対して考えて行かなければなりませんが、農村に対してはここで恐慌だ恐慌だというこの心配を増さずして、落着かすということに考えて行かなければならん。それでありますから、私は恐慌という言葉を使いたくないのであります。然らばどうするか、それは抛って置けばますますその生活が苦しくなつて来るのでありますから、そこに対策を立てて行かなければならん。殊に金融問題のごときは農業協同組合を作りまして漸く二年後であります。殊に農業会の資産を受取るのに金がない。五十億の金がなければこの資産が受取れない。そしてその農業協同組合の実態を調べますと、いろいろな売れもしないような農機具等を非常に抱き込んで到底これを始末しようがないというような農業協同組合もあるのであります。而も農地は担保力がありませんから金融に行詰るのは土台当然であります。従つてこの金融面につきましては、さような浮動担保では仕方がないので、しつかり落着いた担保によつて、できるだけの金融を考えよう。この間もどのぐらいの担保力があるかというと三十五億そこそこだという話でありましたが、何というても金のことであるから、しつかりした担保力を示して、これを中金の方から十分廻すように政府としても金融の方面からそういうふうな方向に行くより途がないと考えますが、この現在の農村といたしましては今まで非常に金がだぶついておつた。だぶついておつて物を買う癖がついておる。ところがもう金がなくなつてしまつて、もう闇の流通が少くなつて参りましたから、金の收入が少くなつて来た。そうして金の使い癖がまだ残つておる。そこでどうも農村はいけないいけないという声が出て来るのであります。そこでどうしてもこれは課税の方面についても勿論税制の方面から考えて行かなければなりません。又農産物の価格につきましても、今後これを或る程度に維持して、そうして再生産のできるように制度を持つて行かなければなりません。又生産方面においてはできるだけこれを増強するように指導力によりまして、技術の改良、滲透を図り、そうして増産を図つて行くという、あらゆる角度からこの農村に対しての政策を持つて行くということは、これは当然の仕事でありまして、恐慌々々と威しつけて見たところが、それに対しての対策を考えなければ駄目でありますから、私はできるだけ農村の気持を落着けさせて、そうして行くことが今日採るべきことでなると思いますので、余り恐慌々々という言葉を使うことは私はいけないことであるとかように考えておるのであります。農村におきましても、今日の金語り等につきまして、今後に対して相当これは自覚をされました。その自覚されたことが協同組合の貯金の面に相れて来ております。殊に東北方面においてその貯金が殖えて来ております。近畿方面がまだ非常に心配せられるようでありまするが、中金の帳簿から眺めて見ましても、今までのように農家が金を粗末にしない。金を大事にしだしておるという形勢が確かに現れて来ましたことは、ここに農村が落着いて来たのではないかということを考えるのでありますが、この体制を助長いたしまして、農村を落着けさすようにあらゆる政策を持つて行きたいと、かように考えておるのでありまして、決して今日農村はいい、楽であるということは毛頭考えておりません。ただいけないいけないと、余り恐慌の念を駆り立てるということは決して農村のためにいいことではないとかように考えるから、私は恐慌々々と言われる程の恐慌は今日農村だけにあるのではないということを申上げておるわけでありまして、決して農村が商工業に比較して楽であるというような安全的な、安心的な考え方は私は持つておるわけではないのであります。何とかここで食い止めて行かなければならんというところに政策を持つておることを御了承を願いたいのであります。
  87. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 親心として、大臣お話も分らんわけではないのでありますが、私は逆に、これは百姓が言うのでなくて、全面的のデフレを目標にして、農村は恐慌だということを言つておると思いますが、私はそういう困つたことになるということは成るたけ言いたくないのであります。併しながら今大臣のおつしやるようなことでなしに、ピントを早くするのには、やつぱり農村恐慌が来やせんかと言うことは悪い事ではないと思います。それはどういうことかと申しますと、それは大都市附近、例えば東京を中心にこの附近の農家は非常に引締つております。そこでそのことはすぐ分りますが、遠い所に行くに従つて、その農村のこれからの行く先も十分に知らないで、余りにも今の日本の現状の見通しがつかないで、相も変らん気持でやつておるのが非常に多いのであります。私は一刻も早くそれではいかんことを知らしめ、例えば恐慌という言葉が悪ければこれを使わんでもいいのでありますが、併しながら不況になることはやつぱりどうしても来るのでありまして、これはどうしても知らせた方がいいと思います。そこで百姓が一人で困るのではないといお話でありますが、それが非常にいけないので、飛んでもないことなんで、そこが一体間違つたことなんだと思います。それならばどうかと申しますと、仮に給料取と農家との実態を比較して見ますと、給料取で一年十五万円の月給取は今日さしたる大月給取ではありません。併しながら農家で十五万の收入を得ますと、今後は多少違いますが、二十四年度あたりは相当の課税をされております。そこで段々逆比例をいたしまして、そうして肥料も上つて参りますし、その計算をして見ますとすぐ分ります。一年十五万の給料取と、僅か十五万しか所得がないという業者と、百姓とを較べますと、その百姓は方法がつきません。本年度の申告、二十四年度の申告あたりは、農産物検査と言つてすつかり調べて、そうして協同組合に行つて調べれば歴然として分りますので……後の闇売は分りませんが、これはさしたるものではなく、大半が全部数字に挙つておりまして、抜き差しできないのであります。給料取もそうでありましようが、商人、一般の商工業者はそれと違つてなかなかやりくりがつくので、やつぱり百姓が歩が悪い。これは百姓の歩の悪いことは徳川時代から承知はいたしておりますが、徳川時代よりは少し歩のいいことは事実であります。併しながら今大臣のおつしやるような気持でなくて、一歩進んで、これでは駄目だから大いに倹約もし貯蓄もして、そうして外国市場を相手にして生産をしなければならん農業になつたのだから、今までのようでは駄目だというつもりで、もう少し困つた方を宣伝した方が私はむしろいいと思う。それを逆にそうではなくて、恐慌ということはいけない。今の政府の政策が悪いと言われるからいけない。そう言わん方がいいということは、これは誠にここを思わんことであろうと思う。それは一々数字も挙げますが、困つていることは事実でありますから、これは他の議員誰に聞いても分りますが、どうも今の政府の言つておりますことと情勢が食い違つておることを遺憾と思います。全く農村は日に日に困つている。今年より来年は又困るというのだから、河等かの方法でこれを救済しなければいかんというつもりで政策を立てることをお願いしたいと思いますが、如何ですか。
  88. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 恐慌と言うと、何か政府が無策のために恐慌になつというような気持から、ただいかんという、そういう気持は私はないのでありまして、私の恐慌という言葉の嫌いなのは先程申した通りであります。今のお話の納税の問題につきましても、さように非常に不公正な静観がされておりましたので、二十五年度におきましては、これをできるだけ公正な立場において課税するという、税の根本的改正をするわけでありますが、私はこういう問題については、特にこの指導連の非常な活動を私はお願いしなければならんと思うのであります。協同組合が、私は、まだ二年しか経ちませんから、これを真正面から批判することは、これは差控えたいと思いますけれども、余りにも私はその協同組合を組織いたしまして二年経つた今日、眺めまして、本当の協同組合が出来たかどうかということを心に疑うくらいな……疑う点もあるのであります。これであつては、折角農家のために、折角自分等が作つた協同組合であるという観念が湧いて来ない。それですから協同組合の実績も上つて来ないわけでありますから、指導連のごときはこういう場合において最も重要な働きをして頂かなければならんと思うのであります。政府におきましても、決して楽に安心しておれ、そのうち何とかしてやるというようなことは毛頭考えておりませんので、できるだけ農業政策の上において、農業経営がうまく行くように、あらゆる角度から智慧を絞つてつておるわけであります。併しこの際恐慌が来るからというので、威して見たところで、これはまあ何にもならんので、ただ農家自体に自覚せしむるということの基礎を作ることは勿論でありますが、これは指導連なんかが、殊にこの際は率先して御活動を願つてやつで頂くべきものであると、私は考えるわけであります。政府におきましても、今後の食糧問題が、国際関係がますます深くなつて参ります以上、日本の農産物に対して、どういうふうな処置を取つて行くかということも、心の中に入れて置かなければなりませんが、又置くわけでありますが、それを農家自体が取越し苦労をして、先はどうなるのだ、こうなるのだというような心配をさせるということは、決して策を得たものではない。併し安心してなさい、何とかしてやる、どんなことがあつても大丈夫という気持にならしめるような政策を採ることは、今日必要だろうが、そうかと申して、又心配さしで行く方が始末しいいし、気張りおるからいいじやないかというような気持で、私は恐慌宣伝をすることはどうかと考えているわけであります。指導連等の活動を促しまして、今日の時局の見通しというようなことにつきましても、これはあらゆる角度から指導して行かなければならん、かように考えておるわけであります。又税金の方面についてもいろいろ御議論もあろうと思いますが、税制の方面から申しますと、相当今度は改正されまして、負担も軽減されるわけであります。月給取なり農業者はガラス張りである、商売人は三重帳簿でごまかすから楽だ、こういうふうなことも言い得られるでありましようけれども、ごまかすことがよいのか、ガラス張りがいいのか、これは考えなければなりませんし、闇取引しておりましたものも、漸次これは課税の対象としてやつて行くのでありまするから、暫くその税制の方面も長い目で見て頂くならば、悪いことをしたから、悪いことをして逃れておる、正直者が馬鹿を見るというようなことでないようになるのではないか、かように考えております。
  89. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 只今農林大臣から、農村恐慌対策としては、指導連が十分活動しなくちやできない、こういうようなお言葉を頂戴したのでありますが、現在の状態からいたしまして、各指導連は、非常に財政的に困難を感じておるような次第であるのであります。これを十分に活動さしたならば、只今大臣からお話の通り、十分働くことができるのであろうと思うのでありますけれども、さつき申上げたように、財政的に困つておるのでありますが、これを十分に活動させるように、政府は何らかの施策を講ぜられる準備があるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
  90. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 独り指導連だけに責任をかけるわけでありません。販購連も事業団体として、又信用組合もやつて頂かなければならんのでありますが、協同組合もやつて頂かければならんわけでありますが、資金の面についてはお話の通り非常に行詰つております。而も担保力のない農業者の集りでありまするから、従来のような金融の面が、市中銀行等においてはつかんのは当然であります。従つて政府におきましては、この指導連と協同組合等に対しましては、その組合の基礎を鞏固にいたしまして、そうしてその組合の信用によりて金融の道を図るということが、ひとり残されたる道と思うのであります。今回協同組合法の一部を改正いたしますのもその意味であります。又の組合の運営におきましては、政令を以てその信用を高めるような方法を考慮いたしまして、そうして健全な協同組合の発達を助長いたしたい。かように考えておるわけであります。
  91. 北村一男

    北村一男君 先刻大臣が岡村議員に対する御答弁で、農産物の価格維持もその一つであるというような御答弁がございましたが、最近御承知のように、この価格維持制度の確立ということは、各方面から要望されて参つておるのでございますが、大臣がすでにその必要をお認めになつておりまするならば、定めし御構想もあると思いまするが、その一端をお洩し願いたいと思うのであります。私は供出制度による、つまり買上げ価格が従来ともすれば低物価、低賃金の中心の推進力になるために低米価に置かれておる。これを今度は逆に適正の価格を維持する制度に御活用下されば、農産物価格維持の一つ方法になるのじやないか、こういうふうに考えるものでございます。  それからこれはやはり新聞発表で丁度大臣お話を誤解して伝えたように、或いは誤りかも知れませんが、新潟で地方新聞を見ますると、安孫子長官の談として、本年度の産米についてはパリテイ計算により買上げ価格を計算するが、来年からは生産費による買上げ価格に持つて行きたいものであるというような意味合の記事が載つておりましたが、これは農産物価格維持の制度を併せて来年考慮する、こういう意味のお言葉であつたのかどうか、大臣食糧長官の御答弁を頂きたいと思います。
  92. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) 米価の問題につきましては、たびたび繰返される問題であります。どの程度が適正な価格であるかということにつきましては、これは随分議論もあろうと存じます。米価審議会におきましても、なかなか理論的な米価というものは定め得られなかつたように思うのでありまして、これは相当議論が立つと思うのであります。一株に生産費と申しましても、これは個々別々でありますので、生産費を見つけるということも、やはりその中庸を取らなければならんと思うのであります。今日の米価が低米価に決めておるというのでなくして、この米を生産するについての必要な資材と、どういうふうな指数によつて上がり下がりしておるかということを採入れまして計算するのがパリテイ指数の考え方であります。決して完全とは申せません。併し今日は物価の体系の上から申しまして、米価と賃金というようなものの関係によりまして、一応この生産に要する資材の、購入する資材の上がり下がりということを勘案して作つておるわけであります。今後心配いたしますことは、自由な貿易になりまして、そうしてどんどん政府がこういう制度を設けない場合には、自由に入つて来るというときに、安い米が入つて来る、こういたしますならば、日本農業は非常な圧迫を受けるわけであります。その場合に関税政等を用いることが許されるならば問題はないのでありまするが、今日外国食糧は割高になつておりますので、これが日本に入つて来ましても補給金によつてこれを処理しておるわけでありますが、将来におきましてはこの食糧につきましては全部を管理するかどうか分りませんが、国家の強き力によつて食糧を管理するということによつて価格操作を行うということも一つ考え方と思うのでありますが、それはまだ今年明年にやり得るとも考えられません。一月の十五日でありましたか、朝日新聞に、何だか農林省の案のごとくに、この米の管理法について具体的に出ておつたのを記憶するのでありますが、現在アメリカにおきましては食糧が非常に余つておるために、いろいろと食糧管理の方策を考えておりますのでいそれを若し日本の立場として考えるならば、こうこうこういうふうなものになるだろうというような、或る一人のものがこれを考えたのでありまして、決して農林省といたしましては研究はいたしておりまするが、今ここで申上げるような具体的な問題を掴まえておるわけではありません。で一月十五日の新聞に出ましたことは全然食糧庁も農政局も周知したことではないのでありまして、あれには全然責任は持たないのであります。併しああいう方法一つの将来に対する考え方と私は思うのでありますが、政府といたしましては、今さようなことを具体的に申上げる段階に入つておらないのでありますが、決して米を自由に放任して外国からどんなことになつて来ても仕方がないというようなことは許されないのでありまして、飽くまでも保護政策として農村の経営の成り行くような政策を、処置をやつて行かなくちやならんということは当然考えるべきだと存じております。
  93. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 新潟の新聞に出たのは私の大体想像では、二、三日前大蔵委員会におきまして米価に関する質疑があつたのでありますが、その際に本年度の、昨年産米の米価を決めるについてパリテイ計算方式によるのだと、併しこのパリテイ計算方式によつて出ました数字というものは、生産費の計算の上から見ましても、そう大きな食い違いのないものであるから、大体両者は適正米価と言いますが、これは算出の方法はいろいろありますが、そう大きな食い違いはないということを応答いたしたわけであります。それからもう一つその際に私の私見といたしまして、パリテイ計算方寸におきましては、豊凶の差というものが価格の面に余り現れない方式である。生産費式の方式でありますと、それが端的に現れるのでありますので、豊産物のように非常に豊凶の差によつて違うようなものについては、来年度パリテイ計算方式を採るにいたしましても、その価格生産費的なそういう要素も加味して、もう少し方式についても研究して見る必要があるのじやなかろうかというようなことを、速記録を御覧願えばはつきりするのでありますが、そういうことを説明しておるのであります。そういうことが新聞にそういう形になつて出たのではなかろうかと思います。
  94. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 私は大臣よりむしろ農政局長にじつくりその点をお考え置き願い、又基礎付けある御答弁を頂きたいと思います。先程大臣のお言葉の中に、農業団体いわゆる農協の指導連ができても、二ケ年に垂んとして指導の徹底がなされていないというようなお言葉がございましたが、この農業の団体の再編成に当りまして、農林省といたしましては指導の方針に対して、大臣は、農業改良助長法の趣旨から申しましても非常にこの点に重きを置かれるというふうに承り、且つ私はそれを信じております。併しながら実際は供出面において技術員をこの方面に使うのみならず、一例を申しますならば、団体再編成に当りまして、私の長野県等は総連と申し、更に最近において文化指導というような名前に変つて来たのであります。本来ならば指導連は毅然として町村まで指導連の系統が強力に滲透してこそ、その農村の建実なる経営と安定策が生ずることは言を俟たないのであります。然るにあの農業団体の再編成に当るに際しまして、指導農場の廃止と同時に、各都道府県市町村がそれぞれ技術員に補助政策を以ちまして、優秀な技術員を抱えて、これを指導の実際に使用したのが、団体再編成に当りましてこの方法がなくなつてしまつて、優秀な技術員はどこへ行つたか、作物報告事務所もいわゆる報告に重点を置いて、本来ならば試験所と相提携いたしまして指導の方針に重点を置かなければならないのにも拘らず、その方面にも手薄になり、各市町村の団体は事業方面に重点を置きまして、殆んど経営という、各団体の健全経営を志す結果、指導方面の技術方面に対するところの助成策がなくなつ関係上、優秀な高級な技術員を抱えて置くことが段々少くなつたのであります。ここに農村の経営状態と申しますか、今日のごとくややともすれば現金收入の少い時代に追込まれまして、本当に健実なる、健全なる農村の経営をなさなければならないのにも拘らず、指導陣において非常な欠陷を来たしていることは論を俟たないのでございます。若し指導方面におけるところの団体再編成を行うならば、町村まで徹底するところの指導方策を建てなければならないと思います。一面各町村に政府の技術員を洩れなく配置すると同時に、市町村自らが団体に助成して、それぞれ指導陣の強化を図つてこそ今日の農業不況に対し、又時代に適するところのそれぞれの地方の特産、或いは生産、或いはあらゆる角度におきますところの安全近代的農業の実現ができると思います。かような意味におきまして、農政局は十分に研究いたしまして、大臣が申されるその趣旨を徹底して実現するだけの方策が建つておるかどうか。若し建つていないというようなことに相成りまするならば、如何に指導連を作つても、ただ仏作つて魂が入らなかつた結果に陷ることを憾むのでありまして、この点を今日研究になり、この方策をお建てになつているかどうかということの、若しお建てになつておりますならば、この際御答弁を煩わしたい。若し答弁ができなかつたら、この方策に基いて十分に研究と調査と徹底的な方策を建てて頂きたい、かように冀うものであります。
  95. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 只今の御意見は、若しも指導を徹底せしむるならば、指導連系統の団体を末端の市町村組織にまで確立する、それによつてやるべきだ、かような御意見でありましたが、御承知の通り現在末端におきましては、従来の農業会及び産業組合、こういうふうな系統ではございませんので、いわゆる総合的な農業協同組合というようなものが一つになつてつておる。勿論お話のように、いろいろの仕事を経済事業も合せて行う。又指導もやるということでありますと、どうしても経済事業に重点が置かれて、指導が徹底しない、こういう御意見もあるのでありますが、これは一長一短あると考えます。例えばこの指導をいたしまして、それを全部農家の負担に、農家からの経費の納入によつてつて行くというような形にいたします方がよいか、或いは事業は行いながらその事業によつて得たところの収益を以て、一方指導的な仕事の経費を使うと、こういうふうにするのがいいか、これは私は一長一短があると思うのであります。従来いろいろの経過で或いは分裂をしており、或いは又それが統合されており、或いは又それが分裂すると、こういうふうな経過を繰返しているのであります。私は率直に申せば、末端の組織においてはやはり一本がよいと思います。それでただ上になりました場合はそれはやはり指導と経済というものが或る程度分裂をいたしまして、それぞれやることがその時その時の情勢があるわけでありまするが、現状においてはそれが指導事業をより積極的にやる方法ではないかと考えておるのでありまして、今回国会に提案をして御審議を得たいと考えておりますものも大体そういうふうな考え方で進んでおるわけであります。ただ問題になつております改良局の関係の改良普及員と農業団体の技術員との関係が非常に面倒な問題だと思います。これは私はいわゆるエクステンシヨンの仕事、これは改良普及員によつてやるべきであつて農業団体のものは、それは唇歯輔車の関係によつて農業団体の扱います、例えば資材とか、資金とか、それの裏付によつて指導普及を図ると、こういうふうに両者がお互いに協力しながら、利用しながら進んで行く。そういうような態勢で進むことが現在としては一番よかろう、今後もそういうふうな方向に進んで行きたいと思います。
  96. 池田宇右衞門

    ○池田宇右衞門君 只今農政局長の御答弁によりますれば、現在の日本農業においては、市町村は総合でいいと、ここに非常な私は矛盾があると思う。今経済事情相当行詰つておる。岡村さんの説にもある通り、金融方面において行詰つた農村が優秀な技術員を頼むのにどこから経費が捻出いたされますか。以前は町村がその農業会なり、或いはその他の団体に助成をして優秀なる技術員を置いた。又県においても相当指導方面に優秀なる県の嘱託の技術員があつた。然るに町村の農業協同組合が経営難に陷つているこの際において、尚且つ指導連の方にその割くところの経費に苦しむ。一体日本農業組織は申上げるまでもなく、細農組織でありまして、農家が負担をして技術員を抱えて農業経営をする程の、まだ日本農家におけるところの余裕は段々生じて来ないのであります。日本農業は申上げるまでもなく、県も国も町村も補助政策によつてそれぞれ団体の経営が確実、現実化されたのは御趣旨の通りである。然るに町村は総合である。町村の総合の農協が非常に行詰つて、行詰つておるところの指導を強化すると、それは理想であつて、絵に描いたぼた餅のような結果になり終つてしまう。ここに私共は日本農業を近代農業化するだけの決意と、又国土計画によつて地方産業の進展を図りながら、市町村こそ指導陣の強化と、十分に各農家の安全経営をさせるところに日本農業を今日近代化する最も強い方針だろうと、かように信ずるのであります。これをなさなかつたならば恐らくこれも空想空論に終るような虞れなしとしないのでありまして、今一段と十分に御研究を煩わしたいと、かように希うものであります。
  97. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 段々時間がなくなつて来ますので簡單に……、実は大臣の話も承りまして、農村が困つておる、困りかけておるということは御承知の通りであります。そこで今までにない農村の困り方になるということをよく御承知になてて置いて貰いたいと思います。そこで普通のとき、普通の状態で行くうちは結構でありますが、私が今言つて置きますことは必ず実現をすることによつて非常に困つて参ります。それは何と言つておりましても、二十五年、六年と農村は必ず一年ごとに困つて来るということを確言しております。そこで担保力がないので、信用を担保にすることは非常に困難でありますから、大臣はここで一つ大英断を以て方針を立てられて、私の希望は、日本の現田畑、耕地を担保にいたしまして、国家が少くとも八百億の金を準備して、そうしてそれを十分に検討して農家に貸付けるとい方針でも立てなければ、何にも担保力がなくて、そうして今土地改良をやりましたが、今まで土地を持つことができなかつた人が土地を持つておりましても、もう少し行詰つた方法がつかない。それを協同組合に持つて来られても協同組合が担保力がないので困るのが事実である。そういうことがあることを予期いたしまして、当然国で田畑を担保にして、八百億は無理な金とは思いません。現在の日本の田畑を担保にすれば八百億の金は出ると思います。それを出さなくても結構ですから、出す準備をするようにお考えを願つて進めて頂くことをお願いいたします。  それから食糧長官にお伺いいたしますが、甘藷馬鈴薯の買上数量は決つたのでありますが、馬鈴薯一億三千万貫の中で北海道で幾らお買いになるつもりであるか。それから生産者の価格内地北海道も同じ価格でお買いになる計画であるかということをお聽きしたい。それから追加割当雑穀八十万石殖やして割当てられておつたが、それは何を目標として八十万石とされておられるか。それから雑穀も米と同じように、歩合な違いましても超過供出に対する奬励金を出すお見込があるかどうか。それらをお聽きいたします。
  98. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 馬鈴薯北海道における買上数量は、北海道農業事情も考慮いたしまして、私共の方としては相当無理な数字でありますが、或る程度余計なものを買いたいとこう考えております。北海道庁では七千万貫といお話を私共は受けておりますが、そこまではとても行かないと思いますが、できるだけ農業事情も考慮いたしまして多く買いたいと思つておりますが、最終的には決めておりまません。  それから価格の問題でありますが、これは対米価比の関係でやるわけでありますが、これは考え方といたしまして相当大量に北海道から買上げにやならんということになりますと、これは処分内地において処分する外はない。そうしますと途中の輸送費が相当大きなものがかかる。そうしますとやはり産地における価格を或る程度低めなければ、そこで赤字ということはあり得ると思う。薪炭その他においても出しのいい所と悪い所では価格が違う、或いは原木の価格が違う、これは経済の一つの原則だと思う。完全統制をやつておりますならば全面的にプール計算をやりますが、その事情が崩れて参りますれば、そういうことに場合によれば追込まれざるを得ないのじやないかと考えます。一にかかつて数量の問題と絡合つて来ると思います。只今研究中であります。  それから雑穀超過供出奬励金については大体御趣旨の線によつて考えて行こうと思います。
  99. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 八十万石の割当の目標は……。
  100. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 八十万石とお話でございますが、北海道に対して昭和二十四年度に比べまして、生産割当の増加いたしております分はたしか三十万石くらいであります。八十万石とお話になりましたが、全国の……。
  101. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 全国で……。
  102. 藤田巖

    政府委員(藤田巖君) 雑穀生産割当の増加であります。それでこれは地帶地帶によつていろいろ違うわけでありまして、これはその外今度の生産割当雑穀の種類別にそれぞれ指示いたしておりますが、大体の目標でありまして、それは代替して構わないわけですが、それの内訳は私ちよつと記憶いたしておりませんが、やはり北海道で作つて頂きたいと考えておりますものは、恐らく大豆及び「とうもろこし」で、こういうふうなものが相当多い数量を占めるのじやなかつたというふうに思つております。
  103. 楠見義男

    ○委員長(楠見義男君) それでは時間が来ましたから、本日はこれで散会いたしたいと思います。    午後五時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     楠見 義男君    理事            羽生 三七君            柴田 政次君            石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員           池田宇右衞門君            北村 一男君            徳川 宗敬君            池田 恒雄君            岡村文四郎君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    農林事務官    (農政局長)  藤田  巖君    食糧庁長官   安孫子藤吉