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1950-02-14 第7回国会 参議院 農林委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年二月十四日(火曜日) 午後一時五十一分開会 ――
―――――――――――
委員
の移動 二月十三日
委員平沼彌太郎
君、
高橋啓
君、星一君及び
岩間正男
君
辞任
につ き、その
補欠
として
北村一男
君、
深水
六郎
君及び
鈴木順一
君を議長において
指名
した。 ――
―――――――――――
本日の会議に付した事件 ○
理事
の
補欠選任
の件 ○小
委員
の
補欠選任
の件、 ○
家畜保健衛生所法案
(
内閣送付
) ――
―――――――――――
楠見義男
1
○
委員長
(楠見
義男
君)
只今
から
委員会
を開会いたします。
最初
に御報告を申上げることがございます。それは、
農林委員
の
異動
がございましたのでそれを御報告申上げます。
民自党
の
委員
の方で、
平沼
さんが今回
農林委員
を御
辞任
になりまして、その代りに
北村
さんがお
入り
になりました。それから
委員
の数の調整によりまして、
民自党
から
深水六郎
さんが新らたに
農林委員
になられました。それから民主党から
高橋
さんと星さんが
委員
を
辞任
になられまして、代
つて鈴木順一
さんと
国井
さんがお
入り
になりました。尤も
国井
さんは、従来
無所属懇談会
から
農林委員
としてお
入り
にな
つて
おりましたが、何と申しますが転籍の
よう
な恰好で……それから共産党の
委員
の方は今回
辞任
になりました。
従つて
現在は
農林委員
は十九名で、一名欠員でございます。 以上の
よう
な
委員
の
異動
が、ございましたので、この
異動
に伴いまして、
理事
の
補欠選挙
と、それから
水稲単作地帯特別調査
の小
委員
及び
公団制度調査
のための小
委員
の補充をいたさなければならんわけでありますが、先例に従いまして、
理事
は
民自党
の
平沼
さんの
後任
でありますが、この
理事
の
指名
及び
水稲
と
公団
の小
委員
の
指名
は
委員長
から御
指名
申上げるということにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
楠見義男
2
○
委員長
(楠見
義男
君) 御
異議
ない
よう
でございまするから
委員長
から
指名
さして頂きます。
平沼
さんの
後任
の
理事
といたしまして、
柴田
さんに
お願い
をいたします。 それから
水稲単作地帯
の
特別調査
のための小
委員
に
北村
さんを追加して
お願い
いたします。と同時に
柴田
さんに
公団
の方の小
委員
に
お願い
をいたします。それから
公団
の方に新らたに
深水
さんと
鈴木
さんを
指名
いたします。それから
民自党
の池田さんは
公団小委員
の方から落します。 ――
―――――――――――
楠見義男
3
○
委員長
(楠見
義男
君) 次に本日の議題でございます
家畜保健衛生所法案
について御
審議
を煩わします。
最初
に
提案理由
を
坂本農林政務次官
から伺うことにいたします。
坂本實
4
○
政府委員
(
坂本實
君)
只今
御
審議
を願います
家畜保健衛生所法案
の
提案理由
を御説明いたします。
畜産
は食糧の
増産
、
農業経営
の改善、食生活の
刷新等
の見地からその
必要性
は益々増大し
振興
を要すること切なるものがあります。
畜産
の
振興
は、
家畜
の
生産
、
育成利用等
が
農業
と相関連して合理的且つ有機的に行われて始めて目的を達しうるものであることは勿論でありまして、現在
種々畜産
の
振興方策
が進めかれておりますが、なかんずく
家畜
の
損耗防止
、
生産率向上
の面から
家畜衛生
に関する学理と
技術
とを積極的に応用することが当面最も
効果
的であることは衆人の認めるところであります。 よ
つて
この施策の
実施
を促進強化するために
地方
における
家畜衛生
の
末端
の
実践機関
として
家畜保健衛生施設
を
設置
することとなり、
昭和
二十三
年度
以降六ケ年
計画
を以て五百個所を
目標
に
設置
に着手し、すでに華々しい活動を開始し各
方面
から多大の
期待
を寄せられるに至
つて
いる次第でありまして、この
施設
の
重要性
に鑑み、且つ片一層
地方
の
末端
における
家畜衛生
の
機構
を確立
整備
し、真に
農民
と直結する
施設
としての
性格
を明確にすると同時に、
家畜防疫行政機関
としての
性格
を持たしめることが必要とな
つて参つたの
であります。 以下本
法案
の主要な
内容
について、その概要を御説明いたしたいと思います。 第一に、今日の
家畜伝染病
の
予防
は
畜産振興
の基盤をなすもので、而もその
内容
は非常に
広汎多岐
に亘り又その
基礎
をなす
獣医学
は日進月歩著るしい進歩を見つつあるので、遺憾なくこの
事業
を
実施
するには絶えず進歩した
技術
の
普及浸透
が図られなければなりません。客観的な状勢を観察しまするに、
我が国
は
各種伝染病
の常在地に囲まれる
地理的関係
にあり、常時大陸からの
伝染病
の侵入の危険に曝されているわけでありまして、一朝侵入しますれば、
我が国
の
畜産
の
基礎
は
根抵
から崩壊されることは明らかな事実でありますので、強力なる
防疫態勢
を整えると同時に、迅速果断にこれを処理することが喫緊の要事なのであります。即ちその
発生
及び伝播の
状況
を確実に掌握し、
発生
の初期に迅速な
防疫処置
も行うがためには、機を失せず情報の
鬼集
、材料の採取、
鑑定等
を必要とするのでありまして、このためには
施設
と組織と
機構
とを確立する必要があるのであります。 第二は、
寄生虫
、
骨軟症
、其の他
家畜
に多発する
疾病
の
予防
のための
検査
の
実施
であります。
寄生虫病
は
一般
に
慢性経過
をとり、その
被害
も
伝染病
のごとく顕著でないがために不注意に看過されやすいのでありますが、
家畜
に於ける
寄生率
は八〇%以上にも及んでおり、殊に
幼畜
は
抵抗力
が弱く栄養を害し、延いては発育を阻害されている実状でありますので、これに対する
根本的対策
を必要とするのであります。又
骨軟症
は北海道、東北、
北陸等米作地帯
、
積雪地帯
の
家畜
特に馬に多発し多大の
被害
を及ぼしている
疾病
でありますが、近年
飼料事情
の悪化から一層その
発生
が激増し、馬のみに止まらず、乳牛にも多発し、又
発生地域
も全国的に拡大される勢にありますので、これらの
疾病
の
検査
を励行して、
発生
を未然に防止することが必要なのであります。 第三は、
生産衛生技術
の
普及向上
によ
つて生産
の
増強
を図らんとする点であります。このためには、
人工授精
による
優良種畜
の高度の
利用
及び
繁殖障害
の
除去
による
受胎率
の
向上
を行うことが、必要であると同時に、
種付
の
指導
、早期の
妊娠診断
、
妊娠家畜
の
管理衛生
の
指導等
を併行して行わなければならないので、この
施設
を中心にこの
事業
を強力に推進せんとするのであります。 第四には、
地方
における
家畜衛生
の
サービスセンター
として、直接
家畜飼養者
に接触し、
衛生思想
の
普及
を行い、又広く
団体
の
技術者関係獣医師
にこの
施設
を
利用
せしめ、
家畜衛生行政
への
協力
を促進し、真に
効果
を
昂め
ることとしたいのであります。 以上が
家畜保健衛生所法案
の大要であります。何とぞ慎重御
審議
の上、速やかに御可決せられんことを
希望
する次第であります。
楠見義男
5
○
委員長
(楠見
義男
君) この
法案
は公報にも御承知の
よう
に
予備審査
でございますから、それを御了承の上で御
審議
を
お願い
いたします。
山根東明
6
○
政府委員
(
山根東明
君)
只今提案
の
理由
を相当詳細に御説明申上げたのでありますが、この
保健衛生所
につきましては、前回お集りの
機会
に、私から極く簡単にどういう
計画
で、従来どういういきさつを取
つて
今日に及んでおりますかを極く簡単に御説明いたしたのでありますが、更にやや詳しく従来の
経過
並びに今後の私共がこれに対して持
つて
おります
計画
について、主任の
衛生課長
が参
つて
おりますので説明さして頂くことにいたします。
楠見義男
7
○
委員長
(楠見
義男
君) それでは
衛生課長
から御説明頂きます。
齋藤弘義
8
○
説明員
(
齋藤弘義
君) 御説明申上げます。大体の骨子は、この
提案理由
に書いてある次官から
お話
がありました
通り
でありますが、この
経過
を申上げますと、二十二年までは、いろいろの
家畜伝染病予防法
、
畜牛結核予防法
、それから馬の
伝染性貧血
に罹
つた馬
の殺処分に関する
法律
、その外、
奨励方面
としましては、馬の
生産率
の
増進
の
施設
、牛の
繁殖障害
の
除去施設
、
骨軟症
の
防止施設
、こういう
よう
ないろいろの
種類
の
家畜衛生関係
の
施設
があ
つたの
であります。それでそのやり方としましては、いづれも専門的の
学問技術
を要するものでありまして、専任の
技術員
が、
農林省
、
府県
におりまして、その
末端機関
としましては、
畜産組合等
の
団体
に
補助職員
がおりまして、全部の
仕事
をや
つて
おりましたわけであります。それが二十二年になりまして、従来の
農業会
であるとか、そういう
よう
な
団体
の
補助
がなくなりましてそういう
府県庁
以下の
末端
の、従来や
つて
おりましたところが一応なく
なつ
たわけであります。それに対して、我々のこういう
よう
な
法律
に決められました、或いは
農林省
の
国家方策
として奨励しておりまする
家畜衛生業務
を、うまくやりますためには、どうしでも専門的の
技術
を、うまい
機構
で以て、最も能率的な
機構
で以て
末端
まで流して、そうしてこの
農民
に
サービス
をするのでなければ、うまく行かないわけであります。この
最後
のところが、終戦後になりまして非常に混乱に陥
つてしまつたの
であります。従来
農業会
であるとかそういう
よう
な
団体
におりました
技術員
も、その後に変化しました
協同組合
とかそういうところに
行つた者
もありますしへ或はそのままでなくな
つてしまつた事
のもあるわけなんであります。で、この
畜産
の
振興
のためには、どうしてもこの
衛生関係
の
仕事
を
はつきり
として、
家畜
を健康に維持し、そうして能率を一〇〇%に働かさなければ
期待
はできないのでありまして、それがためにはどうしてもそういう
よう
な
技術
が要る。そうしてその
技術
を
現実
に及ぼすのには、どうしてもそれを流す
機構
が必要なんであります。そういう
よう
な
関係
で、如何なる
機構
で以て従来の
末端機構
に代えるべきかということが、非常に問題に
なつ
たわけであります。それで、たまたま二十三年から始まりまして、
畜産
五ケ年
計画
というものが立てられまして、一定の
計画
の下に
増産
をやることになりまして、それに
伴つて
その
末端機構
の
整備
という
よう
な
意味
で以て、この
家畜保健衛生所
になります以前の、いわゆる我々の申しております
保健衛生施設
というものが、二十三年の
予算
で認められまして、五ケ年
計画
にいたしまして、毎年百ケ所ずつ
整備
しまして、
畜産
五ケ年
計画
の
最後
の年には五百ケ所でき上ると、こういう
よう
なことでスタートを切つた次第であります。ところが
畜産
五ケ年
計画
が、
経済復興計画
に合せる
関係
上、一年ずれまして、二十三年から数えますというと、丁度六年目になることになりまして、それで、その
計画
も
初年度
百ケ所すでに
設置
いたしましたが、その後の四年は百ケ所を減らしまして八十ケ所ずつで、
最後
の年に五百ケ所になると、こういうことで
設置
の
計画
が進んでいたわけであります。その後昨年、一昨年からいろいろ
獣医師法
の
改正
であるとか、根本的の
技術関係
の方の
向上
、そういう
よう
な措置を取りましたし、又いろいろその当時まで岐れでおりました
伝染性貧血
であるとか、
畜牛結核予防法
であるとか、個々のいろいろな
法律
で別々にやつでおりましたものも、
伝染病予防法
の下に一括しまして、
整備
をいたしまして、結局
法定伝染病
の
予防
と、それから
法定伝染病
以外の
寄生虫病
であるとか
骨軟症
に類するもの、或は
地方
的の
疾病
とか、そういうものの
予防
と、更に
畜産増殖計画
に入
つて
おります
増殖
をする
意味
におきます
生産率
の
増進
、それを牛、馬と分れておりましたものを合せまして、
家畜
の
生産率向上
どいう
よう
な一節で
家畜
も含めまして全部統合しまして、こういう
よう
な三
種類
の大きな
仕事
を現在
家畜衛生関係
で以てしておるわけであります。その
仕事
の中でも
家畜伝染病予防法
に基きます
伝染病予防
は非常に大きな部分を占めておりますが、その
仕事
の中でも従来の数次の
予防法
の
改正
によりまして
県外
に移出するものの
健康証明書
であるとか、或いは
検診
であるとか、そういう
よう
な
行政事務
も殖えて来たわけであります。それで従来の
保健衛生施設
としましては、そういう
よう
な
検診
の
業務
であるとか、或いは
予防注射
の
業務
であるとか、或いはそういう
よう
な
伝染病
、或いは普通の
法定伝染病弊
の
病気
の
予防
であるとか、或いは
人口受精
であるとか、
繁殖障害
の除外であるとか、そういう
よう
な
仕事
の実務が……いろいろ県の
行政事務
が非常に殖えて来たわけであります。それをやりますのに、どうしても県に従来の
技術員
が全部集結してお
つたの
では非常に工合が悪くなりまして、例えば昨年の牛の
流行性感冒
の場合であるとか、或いは一昨年以来あります
日本腦炎
の
流行
であるとか、そういう
よう
な場合に、その
病気
が起
つて
私共の耳に入
つて
来るのは一月か二
月経つて
からであります。その間に非常に急速な勢で以て伝播してしまう
よう
な、又県の
本部
におきましては、そういう
よう
な話を早く聞いてやはり二十日とが、一月とか経つた後になります。尚五ケ年
計画
を立てる場合におきましても、
実施
する場合におきましても、一々
本部
から遠い所へ
行つて仕事
をするときには非常に不便なんで、どうしても県の更に
出先機関
に従来の
団体
その他に
補助
をしまして置いていた
よう
な
機関
が是非必要なわけであります。そういう
関係
でそういう
機関
がどうしても必要である。そうしてそれが又こういう
よう
な
衛生業務
のいわゆる
行政
の
一つ
の核として動かなければ万全を期せられない。こういうことから、これに
行政機関
の
性格
を与えるために
保健衛生所法
というものができたのであります。それで現在この
法律
ができますというと、それに転換する従来の
家畜保健衛生施設
は百八十ケ所ございます。
初年度
に百ケ所、次
年度
に八十ケ所できまして、二十五年
予算
でもやはり同じく八十ケ所の
増設
が認められて、一応今度の
予算
で御
審議
を願うことにな
つて
おるのであります。そうしてそれによりまして
仕事
をするのでありますけれども、これが
一つ
の根幹となりますもので、勿論これだけで
仕事
をするのではないのであります。勿論この場所は、大体理想としましては、
目標
といたしましては
重要畜産地帯
で一郡一ケ所くらいの
一つ
の
センター
にしたい。その
センター
を
指導
するものが
地方
の
種畜場
或いは国の
種畜牧場
、或いは
県庁
のこの
関係
の課である、こういうことになります。その外に更にこの
衛生所
の
関係
の下の
機関
としましては、
開業獣医師
その他に
家畜伝染病予防法
によりまして、
家畜防疫委員
という
制度
があります。それを任命いたしましてやることにな
つて
おります。現在
家畜防疫
にそういうものは約四千名おります。大体ならしにいたしますと、一郡にこういう
センター
がありまして、その下で大体七、八人の、そういう
よう
な
家畜防疫委員
がその下にある。尚
町村
の
技術員
であるとか、そういう
よう
な
民間
の
技術者
、或いは
開業
の
技術者
、或いは
団体
の
技術者
、そういうものが
協力
をしてくれることになるわけであります。これはこの
衛生所
の狙いとします
仕事
の
種類
は、この
法律
に書いてあります
通り
のことでありますが、大体
地方長官
に委任せられました
家畜伝染予防法
の
よう
なもの、それから
一般
の
病気
の
予防
、
骨軟症
とか、そういうものの
予防
、それから
地方
的ないろいろの
病気
がありますが、それの、その
現場
でできる
試験
或いは
調査
、例えば各
地方
にいろいろ特殊の
疾病
があります。滋賀県
地方
の食はず病と称する、まだ
はつきり
その原因も究明せられておりませんけれども、そういう
よう
な
病気類
であるとか、或いは
梁川病
、或いは
揖宿病
、そういう
よう
な
種類
の
病気
に関して、
現場
でできる
試験調査
、或いは簡単な
病気
の、
現場
でできます
診断鑑定
とか、そういうものをやりまして、急速にすぐにできるものはその場で見当をつけまして、その結果
処置
をする。それから尚もう
一つ
重要な二とは、その
只今
申上げました
よう
な、その下の管内と申しますか、その下でいろいろと
技術員
が、
団体
の
技術員
もありますし、個人的に
開業
している
獣医師
もございます。或いは
町村
の
技術員
もありますけれども、そういう方々が、その
専門業務
をするに際しまして、我々の
よう
な
専門的業務
になりますと、どうしでも多少の
設備
が要るわけであります。全然
町村
だけでは
はつきり
と掴めない場合が多いのであります。例えば顕微鏡も見る必要がありまし
よう
し、或いは検便とか、そういうものもしなければなりません。或いは血液の
検査
をしなければなりません。或いは細菌の培養もしなければならん。そういう
よう
な場合に、そういうものがあれば、一日でも二日でも早くその
病気
の
診断
ができるわけであります。が不幸にして現在の
日本
の
開業獣医師
の大体の多くの基準としましては、そういう
設備
がないわけであります。それでそういう
よう
な場合には、この
施設
を
獣医師
に
利用
させまして行くか、
利用
した結果
現場
でできない場合には、遠くの
県庁
の所在地の研究所とか、或いは
農林省
の
家畜衛生試験場
とか、
動植物検疫所
とか、或いは学校とか、そういう所へ送
つて
、そうしてその結果を待たなければ結果が分らないわけでありますけれども、その場で、この
衛生所
でできる
よう
なものは、そういうふうな遠くまで、遠隔の
地方
まで送らないでも、すぐその場で近くで以て決定ができる。そうしてそれによ
つて農民
の、
開業獣医師
になり、或いは
団体技術員
が
農民
にもつといい
サービス
を早くできる
よう
に、こういう
趣旨
であります。それが四条に書いてありますが、そういう
よう
な
趣旨
でありまして……尚第七項にございます、
地方
における
家畜衛生
の
向上
に関する義務と、こういう
よう
なものも書いてありますが、例えばこの
施設
ができました地区が、たまたま
獣医
の
サービス
を提出する
設備
がない場合、或いは
開業獣医師
がいないという場合、そういう場合には勿論この
施設
で一応の医療なり、
診療
なりはや
つて
いる。併してこれは
建前
ではなくて、飽くまでもこの
衛生所
の
建前
は
予防
的の
衛生
、それから更に積極的な
生産増強
と、
家畜衛生
の
技術
を応用しました
生産
の
増強
とか、こういうのが
主題目
でございまして、勿論
診療
だとか医療というものが、
開業獣医
その他の
診療機関
があればそれに全部任す方針であります。そういう
よう
な
関係
でありますので、
民間
のこういう
よう
な
開業獣医
とか、そういうものの
業務
と競合するという
よう
なことを避けまして、むしろそれに
施設
を
利用
させまして、或いはそれに
技術
を
指導
する。そういう立場に立
つて
動く構想でございます。現在この
施設
は百八十ケ所ございます。又来年八十ケ所は殖えるのでございますけれども、各
府県
共非常にこれに対しまして
設置
の
要望
が多いのでありまして。来年八十ケ所ということを予告しましたにも拘らず、百四、五十の
要望
が出ております。我々の方といたしましては、できるだけ早くこういう
よう
な
機構
を完備しまして、完全な
衛生関係
の
技術
の
サービス
を提供したいのでありますが、何分
予算
その他の
関係
で縛られまして、一応毎年八十ケ所ずつの
増設
ということに決ま
つて
いるわけであります。これの
施設
に対しましては、二十三年から
予算
が決まりまして、その
施設設備費
と、それからその後の
人件費
二人の半額を
予算
の
範囲
内で助成することにな
つて
おります。この
経費
の内訳は差上げております資料の十二表に詳しい金額が出ております。
楠見義男
9
○
委員長
(楠見
義男
君) 御質疑をお始め願います。
岡村文四郎
10
○
岡村文四郎
君 この
事業
は今お始めになるのではなくて、あつたものを増加し
よう
というのでありますが、五百ケ所という
目標
にな
つて
おるが、どんどん申込がある。それを認めるといつも費用があるところが先にな
つて
、ないところが後廻しにな
つて
、数に制限があ
つて
できないということになりやしないか。もう
一つ
は実は
家畜
の
価格
が急激に下るものですから、今までの
価格
は妥当なものではなく
つて
、インフレに呼応して高過ぎたとは言いながら、下れば畜主は下るつもりで悲観的な
考え
を持
つて
、例えば二十五
年度
は相当なものでなければ売れないという
よう
なことを言
つて
いるものもあるし、豚にせよ、綿羊にせよ、牛は又少し殖えておりますが、非常に突き進んでこういう
設備
をし
よう
という心構えは非常に薄らいでいるものが多いと思います。それでどうしても国の方でこういう
施設
を作るとなれば、
人件費
の分はどうでもいいですが、
施設
に対する助成をもう少し出す
よう
にすることが非常に大切なことだと思うが
予算
の
関係
があるという
お話
ですが、それは
考え
よう
、やり
よう
によ
つて
はそう含むところはないと思いますが……
山根東明
11
○
政府委員
(
山根東明
君) 先程
衛生課長
からもちよつと御説明いたしました
よう
に、
施設
が二十三
年度
から開始されたわけであります。
初年度
は新らしい
最初
の試みでもありましたし、必ずしも私共の
計画
全部が、
府県
において受入れたいという
希望
とは必ずしも一致しなかつた面がありまして、
府県側
におけるこの
施設
の認識も足りなかつた点もあると思うのでありますが、或る県では、自分の県では今年はこれはどうも
設置
するわけには行かないという
よう
に、こちらの示した
計画
を返して来た
よう
な県も実はあ
つたの
でありますが、昨
年度
、二
年度
以降からは先程御説明しました
よう
に、非常にこの
施設
の
効果
が各県に亘りまして、私兵の
計画
として県に内示します
計画
とは遥かに上廻
つた希望
を実は
府県
が出して来ている
よう
な実情であります。そこで来
年度
におきましても、やはりすでに各
府県
から公式、非公式に相当な
要望
が参
つて
いるわけでありまして、これを配置いたします場合にには、
お話
の
よう
に
偏つて
これを分布するという
よう
なことでない
よう
に、そのためにはそれぞれの県の
畜産振興計画
、その本とな
つて
おります
家畜
の現在頭数、或いは
飼養農家
の数と、こういう
よう
なものを
基礎
といたしまして、私共といたしましては各
府県
の非常な熱望の中にも、若干の熱心さのありましたものはございますけれども、
府県
の五ケ年
計画
に即応した
計画
で本省の方では
計画
を立てましてそれで以て非常に
要望
の強い県にはまあ遺憾ながら待
つて
貰う。
ゆくゆく特定
な県で
設置
ができなか
つたよう
な場合がありまして、余裕ができました
よう
な場合に、そちらの
要望
の
程度
に応じて優先的に回して行くという
考え
でおりますので、この
施設
の
普及状況
は、御心配になります
よう
に、
特定
の地点にだけや
つて
いるということは、今日までのところそういう
事情
にはな
つて
おりません。 それから
価格
の
値下り
につきましては、これは私共が今日一番頭を惱ましておる問題でありまして、まあ一時の非情な好景気が、これは必ずしも正常なものでなかつたことは、
岡村委員
もお認めにな
つて
お
つたよう
でありますが、今日
急転直下値下り
が招来いたしましたので、これに対しましては、私共も勿論かねてからこういう
事態
に対しましてはいろいろ
対策
について苦心はいたしてお
つたの
でありますが、
現実
にこういう
事態
が
発生
いたしまして、今後私共の
一つ
の大きな課題として
家畜
並びに
畜生物
の消費の面について、私共は
対策
を十分
考え
て行きたいつもりでおるのであります。更に現在の
予算
が
施設費等
において少し低過ぎはしないか、こういう
お話
でございますが、実はこの点は
予算書
を御覧になればお分りになります
よう
に、一ケ所当りの単価は非常に少いのであります。これだけのことで決して十分の
施設
は今日なかなかでき得ないだろうという
意味
で、この
予算
の
増額
については極力大蔵省と折衝を続けたのでありますが、
予算
の
関係
上一応こういうことにな
つたの
であります。ただここで御参考までに申上げて置きたいことは、この保健所に、これは別の
法律
で又御
審議願
ふと思うのでありますが、
人工受精
の
施設
をこれを大体において併置する
計画
でございまして、この方の
経費
もこれも極く少額ではございますけれども、
施設費
、
人件費
がこれに見積られております。この両者を合せまして一応
保険衛生所
、更に
人工受精施設
だという看板に必ずしも十分ふさわしいとは申上げかねますが、この二
つり経費
を合せて用いますならば、不完全ではありますけれども、一応の支障ない
程度
の
設備
はできるのではないかと、か
よう
に
考え
ております。尚
予算
の
増額
につきましては私共も引続いて、
明年度予算
はこういうことでありますけれども、今後
機会
がありますれば、この
施設
を立派にするための
予算
の
増額
については努力をいたしたい、か
よう
に
考え
ております。
岡村文四郎
12
○
岡村文四郎
君 そこでこの
事務
の
範囲
を見ると、熱心にやれば相当掛り切りに二人ぐらいの
職員
が掛らなければできない
仕事
です。そこで
畜産
でも何でもそうなんですが、非常に熱心な、どんどん
発展
をしておる
地方
は、さしたる、余りに手を増さなくてもどうにか曲りなりにもやれるのです。これは余りに
発展
をしない土地に
却つて伝染病
その他の不幸になるものが非常に多いと思うのです。そこでどんどん
希望
を申込んで来るのではなくて、
畜産
局の方でよく検討をして是非ここに作
つて
欲しいということを県の方に
要望
を申入れる。そこで初めて
畜産
の
仕事
ができると思うが、どうなんですか。
山根東明
13
○
政府委員
(
山根東明
君) 実は今日までの行き方としましては、私共の方でそれぞれの県に二ケ所なり三ケ所という
よう
なことで、その二ケ所の具体的な
設置
個所につきましては県に一任しておる
よう
な
状況
であります。県側から先程申しました
よう
に評判がいいものですから、県内で引張り凧になりまして、なかなか県では決めかねる、こういう候補地があるが、どつちがいいだろうという御相談を県から受ける場合もありますけれども、こういう
よう
な場合も私共の方で、今
お話
の
よう
に明らかに、何と言いますか、御意見の
よう
な点で非常に
発展
しております場合には、そういう方針で結構だと
考え
るのでありますけれども、今日のととろでは
設置
個所の具体的な個所については、これは県にお任せしておる
よう
な実状であります。尚全体として、
お話
の
よう
に
畜産
が未発達の県にこういう
施設
を置いて、そうしてそれを中心にして
畜産
の発達を図
つて
行く。こういう全体的な問題としてのそういう
考え
方はこの
施設
を今後の運用において御意見の線に沿
つて
考え
て行きたいと、か
よう
に
考え
ております。
藤野繁雄
14
○藤野繁雄君 今の箇所の数ですが、全体を五百ヶ所としましたならば、大体、平均して一
府県
十ケ所になるのでありますが、そうするというと、さつきの説明では、管轄区域は大体において郡の区域による、こういふうなことでありますが、そうしますと、郡が小さい所は二郡或いは三郡、こういうふうな
計画
でありますか。その点一応お伺いしたいと思
つて
おります。
齋藤弘義
15
○
説明員
(
齋藤弘義
君) そういうことになるのであります。これは
重要畜産地帯
ということで、大体私共の方の数字で以てずつと出したのでありますが、頭数にいたしますというと、大体一ヶ所当りの頭数一万五千見当でずつと押えて行きますと、こういうことになるわけで、そうして
生産
頭数一千頭ということになります。もう
一つ
郡の数から言いますと、六百十幾つの郡があるわけですが、そのうちでも大して
畜産
として重要でない郡がございます。そういうものを引きますと、やはり大体五百ヶ所くらいになるのであります。又
地方
事務
所の数から申しますと、四百四十五ケ所北海道の
よう
に一支庁になりますと非常に多いので、そういうものを
考え
ますと、やはり五百くらいの單位になるわけであります。そういう
意味
で以て小さい郡の場合には、やはり一ヶ所で一郡、或いは二郡、或いは三郡というのが管轄区域になる場合はあると思います。又その
家畜
の密度が非常に低い場合……
藤野繁雄
16
○藤野繁雄君
只今
の御説明の
通り
といたしますと、この保健所を作ろうと思
つて
知事の方からこれだけの区域だけ、こういうふうなことで申請したらば、大体において大臣は無条件でお許しになる
考え
でありますか、或いはそれに何とか指示をされるのでありますか。その点を伺いたいと思います。
山根東明
17
○
政府委員
(
山根東明
君) どういう御
趣旨
でありますか分りませんが、先程ちよつど私が
お話
ししました
よう
に、
府県
に本
年度
は三ヶ所なら三ケ所、こういう内示をいたしまして、それによ
つて
府県
に
設置
計画
をさせるわけです。そうしまして
府県
がその内示の
範囲
内で
設置
希望
を申出でますれば、勿論その
事業
計画
は私の方で拜見をいたしますけれども、規模、
設備
の規格等が合致しておれば、勿論私の方で承認を与えると、こういうことに手続上はなるわけでございます。
藤野繁雄
18
○藤野繁雄君 今のはですね、
最初
は百ヶ所、それから八十ケ所、今度八十ケ所とこういうことになれば、全県下に及ばないという
よう
なことになりますから、
最初
の区域は或る
程度
広い区域にして、全部のものを網羅し、段々数が多くなるのに
従つて
区域を狭めて行くという
よう
なことが適切じやないかと
考え
ておりますから、
最初
からの理想の図域である一部一ヶ所という
よう
なことでやられるかどうか、その点はどうですか。
山根東明
19
○
政府委員
(
山根東明
君) その点は今の
お話
の
よう
に
考え
て差支ないと思います。やはり
最初
は数が少いものですから、或る
程度
管轄区域を広くして、貰つた翌
年度
の
計画
でそのうちの半分のところは新らしく
設置
して行くと、こういうことでや
つて
貰
つて
結構だと思います。
藤野繁雄
20
○藤野繁雄君 そうしますと、第一条の第二項に書いてある条例ですね、条例という
よう
なものは、政府の方で模範条例という
よう
なものを示されるのでありますか。或いは各県で自由にやらせられるというお
考え
でありますか。この点お伺いしたいと思います。
山根東明
21
○
政府委員
(
山根東明
君) まだ私の方で案は具体的にできておりませんけれども、私の方で模範的な
計画
条例と申しますか、条例のモデルを必要あれば
考え
たいと思
つて
おります。
藤野繁雄
22
○藤野繁雄君 今提案の
理由
をいろいろ伺
つたの
でありますが、伺
つたの
によりますと、私の解釈ではこの
家畜保健衛生所
の
仕事
というものは、
事務
ではない
よう
な気がいたしますが、やはり
事務
でありますか。これは
事務
と言うとちよつと余り
範囲
が狭過ぎるという
よう
な気がいたしますが、どうも
事務
じやない
よう
な気またしますが……やつぱり
事務
でありますか。’
山根東明
23
○
政府委員
(
山根東明
君)
事務
とおつしやるのはどういう事……
藤野繁雄
24
○藤野繁雄君 第三条の「左に掲げる
事務
を行う」とありますね。
山根東明
25
○
政府委員
(
山根東明
君) 特に
事務
と書いてありまして、
事業
なり、これに対する言葉として事項という言葉があつたと思うのでありますが、
事務
と書いて置けばですね、そうした
事業
を含んで読めると、こういうことの法制局の解釈だと思います。
藤野繁雄
26
○藤野繁雄君 今のは法制局の解釈かあなたの解釈か分りませんが、私なぞの常識的の解釈からすれば、
事務
というのはちよつとおかしい
よう
な気がするか……
山根東明
27
○
政府委員
(
山根東明
君) これは私直接聽かなか
つたの
でありますがね、法制局では
事業
と書くよりは
事務
と書いた方が広くていいじやないか、こういうむしろ好意的な……初めの案は
事業
とか何とかという案だつたそうですけれども、こつちの方が広いんだから、こうして置いた方がいいだろうという
よう
な
趣旨
だつたそうでありますがね。
藤野繁雄
28
○藤野繁雄君 これは
一つ
御検討を要します。
事務
というとどうした
つて
私などは、
範囲
が狭くて、余り保健所が
事務
的に流れてしま
つて
、本当の保健所の目的を達成することができない
よう
なことに陥りはせないかという心配があります。
山根東明
29
○
政府委員
(
山根東明
君) これはもう一度当時のあれを研究してみます。
藤野繁雄
30
○藤野繁雄君 それからこれを読んでみますといふとですね、
獣医師
に
利用
させる……これは
利用
させるということは非常にいいことだろうと思いますが、
獣医師
に
利用
させられるのは、無料で
利用
させられるのであるか、或いは有料で
利用
させられるのであるか、
利用
に対する御意見を拝承したいと思
つて
おります。
山根東明
31
○
政府委員
(
山根東明
君) これ私共の気持といたしましても、こういう公共的なものでありますので、できるだけ高い
利用
料は取らせたくないつもりでおります。ただこうした
地方
自治法の規定の
関係
上、こうした
特定
な
施設
を
特定
の人に
利用
させるために、これは自治法の二百二十二条に、「普通
地方
公共
団体
は、
特定
の個人のためにする
事務
につき、手数料を徴收することができる」と、まあ、「ことができる」という規定にはな
つて
おりますけれども、この規定がありまして知事といたしましては恐らく手数料を取ることになると思いますが、
最初
申しました
よう
に、できるだけ廉い手数料、更に極く簡單な
利用
等につきましては、この
設備
をそのために特に損耗する
よう
な問題も余り起さない
よう
な、至極簡単な
利用
については、例えば参考文献をそこへ来て見て行くとか、こういう
よう
なことについてはできるだけ廉いか、更にそういう
特定
のものについては、まあ無料でも
利用
できるという
よう
なふうに
指導
いたして参りたい、か
よう
に
考え
でおります。
藤野繁雄
32
○藤野繁雄君 それからこの
法律
を読んでみまするというと、常時に報告を取るという
よう
な規定は覆いのでありますが、私などはこの
設備
をどのくらいの
程度
に
利用
しているのであるかという
よう
なことを
調査
しなくては、
効果
が政府の方に分らない、又県の方でも分らない、こういうふうに
考え
られるのでありますが、常時の報告を取るという
よう
なことを書かずして、ただ特別の場合において特別な事項に報告を取る、こういうふうなことで、この
設備
利用
の結果を知らずして、更に
仕事
を進めて行くということが適切であるかどうか、この点お伺いしたいと思
つて
おります。
山根東明
33
○
政府委員
(
山根東明
君)
法律
の書き方としましては、必要があると認めるときは必要な報告を求めると、こういうふうにな
つて
おりますが、私共の
考え
は今の
お話
と同じ
考え
でありまして、将来この保健所の運営の改善、或いはそういう
よう
なものの参考に資するためて定期的に
お話
の
よう
な事項の報告はこれを求めたい、か
よう
な
考え
方で、
法律
としてはそういうことにな
つて
おりますけれども、これは私共の方でこの第五条に基いて命令を出し、或いは報告を求めることにつきましては、異は私は先程申しましただけでなく、部内でも大体いろいろどういう事項の命令を出す、或いはどういう事項の報告を求めるとこういう
よう
なことについで
只今
研究をいたしておりまして、大体の
考え
方を申上げますと、私共が命令として
考え
ておりますことは、
職員
の資格に関する事項、建物及び
試験
検査
に関する
設備
の基準でありますとか、こういう
よう
なことをこの五条に塞いで知事に一応私共の方から指示命令をいたしたい、報告を求めたいと
考え
ております事項は、
家畜保健衛生所
に関するどういう条例を作つたか、或いは処理規定はどういうことにな
つて
おるか、庶務細則はどういうことにな
つて
おるかと、こういうことのこれらの諸規定類の制定改廃に関する事項、それから
事業
計画
及び
事業
成績に関する事項、これは随時取るのでなしに、やはり毎年定期的に取
つて
行きたい。か
よう
な
考え
方で研究を進めております。
法律
はこういうことにな
つて
おりますけれども、私共の
考え
方は大体御
趣旨
の
通り
、この
よう
に
考え
ております。
藤野繁雄
34
○藤野繁雄君 今
お話
の
通り
といたしましたならば、そういうふうなことは命令を減てこれを定むとか、何とかいう
よう
なことを書いてあるのが普通の法決の
よう
に
考え
られますが、そういう
よう
な命令を以て定むという
よう
なことを
法律
の中に規定せずして、そういうふうな報告を求めるし命令が出されるのでありまし
よう
か。
山根東明
35
○
政府委員
(
山根東明
君) 命令が出されるか出されないかというこうになりますと、これは命令の
内容
は省令によ
つて
定めると、成程ここに書いてございませんけれども、五条でこういう権限が農林大臣に与えでありますから、これは出されるか出されないかということになれば、これはもう明らかにこの条文で差支えないだろう。ただ政令で以て定めると書きますと、政令を以で命令事項を具体的に列挙しなければならんということになるわけですが、ここではそれが書いてございませんので、或いは政令でそういうことをするという形を取りませんことになるかと思うのでありますが、広い
範囲
でこういう命令ができますので、私共としましてはまあ随時に、例えば省令で以て
特定
の命令事項を定めますと、まあやかましく言えば、その省令でこういうことに限定してあるからできんじやないかと、こういう
よう
なことの起る問題でも、例えば随時に
伝染病
が
発生
したと、その
状況
の報告を求めるとか、こういうことも省令で書いて書けないこともないのですけれども、むしろ広くこうしてあれば、極端に言えば、勿論
家畜衛生
の
向上
を図るための必要という制約はありますけれども、その見地からすれば一々列挙されるよりか、更に私共としては命令なり報告を求めることが自由に広くできると、だからできるかできないかということになりますと、勿論こう書いてありますので、この条文でできる。こういうことになると思います。
藤野繁雄
36
○藤野繁雄君 この
法律
全体として別の
法律
と違
つて
おる点は、禁止の規定がありながら、禁止を犯したところのものに対する
処置
の規定がないのでありますが、禁止を犯したものに対する
処置
を書かれなかつたところの
理由
はどこにあるかお伺いいたしたいと思います。
山根東明
37
○
政府委員
(
山根東明
君) これは私共の方でこの
法律
の、まあ何と言いますか、その
一つ
のモデルになるものが人間の保健所法というものがあるわけで、その人間の保健所法というのは、厚生省の
法律
で、
昭和
二十二年の九月五日に出ております。これはお手元にお配りしてありますが、名称禁止の規定があるわけでありますけれども、この
法律
にもこれを犯したものに対する罰則の規定がないわけです。これはどうして罰則を設けないかということになりますと、
一つ
の
法律
の議論になると思うのでありますが、まああらゆる禁止事項はすべて罰則を
伴つて
おるということでもありませんし、
従つて
この名称禁止の規定を私共も必ずしも軽く見ているわけではありませんけれども、この性質上そういう保健所の前例もありまして、私共としてこれを犯したものに対する法的な罰則をこれは
考え
なか
つたよう
ないきさつだと思います。
小川久義
38
○小川久義君 これは御説明にありました
通り
、是非やらなければなりませんし、現在
効果
を挙げておる
よう
なことなんですが、七条を読んでみると、国は
経費
の二分の一以内の
補助
金を交付するとありますが、僕は
地方
行政
の
委員会
に一年半程おりまして、
地方
行政
関係
の
法律
を
審議
したのですが、あそこで作つた
法律
は
補助
金だとか、以内とかいうことをむしりまして、国が
はつきり
と責任を負担する、二分の一の負担をする。以内とか
補助
金とかいうことを皆むしりましたが、国としてやるべき
事業
であれば、国の負担を
はつきり
とここに決め置く方がよい。
只今
申上げました
通り
、他の
地方
行政
に関する
法律
は皆国が三分の一負担する、二分の一負担すると
はつきり
法文に書いてある。この以内といふ二字をよく
地方
ではこれによりまして、二分の一貰えると思
つて
仕事
をしたが、
予算
が少く
なつ
たからということで少くなる。叱言を言うと、何を言う、二分の一以内じやないかということで、どうも
地方
で困る場合が多々あるので、これは
一つ
是非二分の一国が負担すると、こういう責任を
はつきり
した
よう
に
一つ
改めて貰いたいと思いますが……
山根東明
39
○
政府委員
(
山根東明
君)
法律
としましては、
経費
の負担区分に対する
一つ
の原則を決めるという
よう
な
法律
が、今
お話
の
地方
自治
関係
の
法律
であると思うのですが、そういうところでは、ことができるという条文が恐らく通用しないと言いますか、おかしいことになるだろう、こう思うわけですが、まあこれも
お話
の
よう
に書くことについては、これは結構な話だと実は思うのですが、実はこの
法律
の書き方としては、或いはちよつとごたごたしましたけれども、
お話
の
法律
は或いはこういうことを書き得ん
よう
な書き方の性質のものと、或いは
お話
の
よう
に二分の一を政府は
補助
すると言い切る書き方と二つ書き方があるわけで、実は私共もそういうふうに
はつきり
将来も保証されれば非常に私共も安心できるわけで、その方が非常に結構だと思いますけれども、まあ来
年度
予算
が
はつきり
いたしておりますので、あと三年間でありますが、この間にそう
はつきり
書き切
つて
、新らたにもう三年間保証された
よう
な形にな
つて
、そういう
意味
では若干不安もありますが、この
施設
に対して
地方
のそうした
要望
が強いこと、更にこの
法律
が
効果
を挙げでいるという
よう
な点から、大蔵省も係は変り、大臣が変れば、又話がどうなるかという問題はありますけれども、現状では、問題なく認めてくれるという
よう
な実状にありますので、大蔵省も、まあそう必ず交付するという書き方でなしに、こういうことにしておいてくれ……こういう書き方も他の
法律
にもあるわけで、こういう
よう
ないきさつもありまして、私共も現在の情勢というか、空気を前提にして、
法律
で「以内」だから
補助
金が途中で三分の一に減らすとか、今年はやらんとかというよろなことは、今の見通しではないという前提で、
法案
としては一応こういうことに落着いているわけです。
小川久義
40
○小川久義君 それはあなたの
お話
を聞いて、それがずつと
法律
の裏附になればいいのですが、いろいろの変遷があ
つて
、猫の目の変る
よう
なものであ
つて
、いろいろ同じ国会の会期中に又変更する
よう
な
法律
が出る
よう
な時機ですから、尚更
はつきり
して置く必要がある。 もう
一つ
は、
地方
から
要望
があるということも事実でし
よう
が、国が
法律
を決めて、
法律
で制定してこの
仕事
を政府にやらせるには、国が責任を負うべきである。こういう
仕事
をやらして貰いたい、だから幾らか
補助
は貰えんか、こういう
仕事
と違う。
法律
を制定してこの
事業
をやるからには、政府も
はつきり
とした責任を背負わにやならん、僕はそういうふうに
考え
るのですが、これは途中で押付けられで困つた問題が沢山ある。土地改良あたりでも手を付けて全部遂行して貰いたい問題、災害復旧にしてもそういう問題が沢山あ
つて
困
つて
いる問題がある。政府がやりたいということでやるのでなしに、国が
法律
を制定してやるからには、
はつきり
した責任を国が持つべきである。
石川準吉
41
○石川準吉君 関連して……今小川さんの質問しているモデルの保健所法は
はつきり
と書いであるのだが、「以内」というのはどういうわけですか。
楠見義男
42
○
委員長
(楠見
義男
君) それはこういうことじやないですか。
家畜伝染病予防法
は、殺処分とかいろいろなことを必ず
府県
がやらなければならんということにな
つて
いる。そこで手当金を都道
府県
知事は交付しとあ
つて
、
従つて
この国会で、我々
委員会
でや
つて
いる二分の一としと、こういうふうに必ずやらなければならんものは
はつ
きしりとしている。それは義務を命令しているからで、や
つて
もやらなくてもいい
よう
な、いわゆる昔の省令
施設
ですね、省令
施設
は大体こういうふうな書き方にな
つて
いるのじやないですか。今の人間の保健所なんかも必ず置かなければならん。
従つて
義務費だから、それの二分の一は必ず出す。
石川準吉
43
○石川準吉君 「以内」と書いてある。
楠見義男
44
○
委員長
(楠見
義男
君) そうするとやはり義務じやないのだ。人間も……義務的の場合とそうでないものと違いますよ。同時に僕は今の小川さんの議論は
趣旨
において非常に賛成なんだ。同時にそれは不徹底で、その議論はむしろ我々の、食糧
増産
確保基本法のごとく、毎
年度
予算
とかいう字句を全部削らなければ不徹底だと思う。
小川久義
45
○小川久義君 一歩々々進めて行けばいい。
石川準吉
46
○石川準吉君 これは或いは形式の問題かも知れませんが、先程藤野さんから保健所の
利用
につきまして、使用料はどうかという問題があ
つたの
ですが、モデル保健所法を見ると
はつきり
と「命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴收してはならない。」と書いてある。これはどうしてそういうものを採入れなかつたか、御
趣旨
から行けば入れていいのじやないかと思いますが……
山根東明
47
○
政府委員
(
山根東明
君) 保健所法の九条と、私の方の
利用
は、その保健所を
一般
の
農民
が
利用
して、例えば土地の医師の
診断
を請うとかいうことでなしに、私共の方の
法律
の
利用
というのは、先程説明しました
よう
に、
獣医師
がちよつと顕微鏡を借りたいとか、或いは「かんかん」を借りたい、こういう
よう
なことでや
つて
来るその
利用
であ
つて
、保健所法の九条とこれはちよつと違うのじやないかと思います。
石川準吉
48
○石川準吉君 第九条の方の
施設
の
利用
の中には、保健所法の第五条の医師、歯科医師、薬剤師その他のものがここに入
つて
来ると思う。その点から行けば今度の
法律
案の第四条と同じだ。勿論或いはあなたの今おつしや
つたよう
なことで命令で除くかも知れませんが……
山根東明
49
○
政府委員
(
山根東明
君) ちよつと調べてあとでお知らせします。
石川準吉
50
○石川準吉君 今度
家畜保健衛生所
ができますれば、今もできつつあるのですが、
家畜伝染病予防法
との
関係
はどういう
よう
に噛み合せて行つたらいいのですか。ここですべての
事務
が扱われるのですか。
齋藤弘義
51
○
説明員
(
齋藤弘義
君)
家畜伝染病予防法
の
事務
は
県庁
の
本部
が統制をしまして、年間の
事業
計画
を立てまして、
予防
計画
、
検診
計画
を
衛生所
長が管内の様子を見るわけです。それからこれでく間が足りませんから、その場合には
家畜防疫委員
でその
地方
の者でやらさして、それから
本部
からも手伝いに行く、或いは突発事項につきましては、その管内から
伝染病
、或いは
伝染病
の疑いのあるものが出たならすぐとその
衛生所
において
処置
をして、知事の権限がありますから、知事の名においてできるわけです。
石川準吉
52
○石川準吉君 そうすると簡單に
考え
れば、
衛生
試験
所で
家畜
伝染病予防
の
事務
を一緒に扱
つて
貰うのだ、こういうふうに
考え
ていいわけですね。
齋藤弘義
53
○
説明員
(
齋藤弘義
君) そうです。
岡村文四郎
54
○
岡村文四郎
君 これは今できないという御返事があるかも知れないが、実は水田の單作地帯、秋田、富山、新潟という所に行
つて
見ますと、非常に
骨軟症
が多い。それから
衛生
施設
も不完備であります。こういう所には
一つ
、何らか
府県
知事の名において防疫ができる
よう
に思うのでありますが、
補助
金を増すとか、或は個所を多く置いてやるとかして貰いたい。行
つて
見ると駄馬は多く
骨軟症
にな
つて
おる。
施設
を見ると二十三
年度
はさつぱりそういう点の考慮がない。富山、新潟はそういうわけで、こういう所は何がしか手を伸ばしてやるのでなければ、あすこの
家畜
の
衛生
といろもりは全く改善できないと思うが、どうですか。
齋藤弘義
55
○
説明員
(
齋藤弘義
君) この
仕事
は二十三
年度
に始めまして、復旧がしなかつた
関係
か、或いは尚二十三年の
予算
関係
は、御承知の
よう
に、
予算
が決まりましたのは十月頃だつたと思います。ずつと臨時国会であつたものでありますから……それで二十三
年度
のやつは非常に
設置
が遅れまして、そうして富山の
よう
な所はできなかつたわけであります。それで二十四年、それから二十五年は勿論富山も
計画
がございます。それから尚この
骨軟症
関係
の方では、特にそういう
よう
な重要地帯には我々の方でもできるだけ
設置
する
よう
に県の方にも慫慂いたしますし、又
只今
、そういう
よう
な特殊の地帯、例えば新潟県はこれは
現実
にや
つて
おりますけれども、こういう
補助
の二ケ所分を一ケ所に打込んでや
つて
おる所もあります。その
重要性
に応じまして、それは県の方と実情を相談しましてその配付をや
つて
おります。
小川久義
56
○小川久義君 僕は富山ですが、岡村さんの言われた
通り
なんで、この
積雪地帯
ですから、冬は厩に馬を置き放しにする習慣が多い。
従つて
骨軟症
が多い。春の時分になるとひよろひよろの馬を借りていまして、今まで造らなんだ
理由
も、今
お話
の点もあると思いますが、これは本省からも
一つ
強力に言
つて
下さ
つて
、僕も冨山へ帰りますれば強く県の方へ
要望
したいと思
つて
おりますが、特に先程
お話
のありました一万五千頭の飼育、又
生産
が千頭だという
よう
な標準で一ケ所ということになると、僕は富山県一ケ所というのは、大体、そんな数じやないかと思うのですが、こういう所は特に頭数にこだわらないで
施設
さして頂く
よう
に
お願い
したいと思います。
山根東明
57
○
政府委員
(
山根東明
君) 石川さんにちよつとお答えしますが、この保健所法の命令で定める場合以外には取つちやいかんと、こういうことで施行規則が、これはお配りしてございませんから何ですが、十三条でそれに関する心のがあるわけです。更に十三条と十四条がそれに関する命令事項の
よう
でありまして、保健所法の九条には使用料手数料、又は治療料を徴してはならないということにな
つて
おりますが、但しX光線を使つたり、或いは疾患で入歯して貰つたりした。こういうものは、これは治療料をまあ取ると、こういうことで、それ以外のものは取つちやいかんということが十三条に書いてあるところを見ますと、この使用料、治療料を取
つて
はいかんというのは、大体さつき私がちよつと申上げました
よう
に、これは
診断
、治療を受ける場合、これは無料でなければいかんと、こういう規定の
よう
であ
つて
、施行規則の十四条で、
地方
のお医者さんがこれを
利用
することについては、この第九条で徴收してはならないという規定は、まあこの規則を読んでの感じですけれども、その問題とは別に規則で扱
つて
おる
よう
でありますので、結論は私共の方の
法律
も、六体先程申上げました
よう
な方針で運用して行きたいと思いますし、保健所法も、お医者さんがいろんな
設備
を
利用
した場合には、やはり第九条の規定はこうな
つて
おりますけれども、手数料は、そのために特に費用を要する
よう
な場合には、これは取
つて
行くと、こういう
よう
なことにまあな
つて
いるんじやないかというふうに読めます。まあもう一度ここは研究はして見ますけれども……
石川準吉
58
○石川準吉君 よく
地方
庁では自由にや
つて
しまいますからね。
岡村文四郎
59
○
岡村文四郎
君 こちらは
予備審査
だから、余りやると何だから、今日はもうどうですか。
楠見義男
60
○
委員長
(楠見
義男
君) 同感です。それでは本日はこの
程度
で散会いたします。 午後三時十五分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
楠見
義男
君
理事
羽生 三七君 石川 準吉君 藤野 繁雄君
委員
北村
一男君
柴田
政次君 徳川 宗敬君 山崎 恒君
岡村文四郎
君 小川 久義君
政府委員
農林政務官 坂本 實君 農林
事務
官 (
畜産
局長) 山根 東明君
説明員
農林
事務
官 (
畜産
局
衛生
課 長) 齋藤 弘義君