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1950-05-01 第7回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年五月一日(月曜日)    午後一時四十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電気事業再編成案内閣送付) ○公益事業法案内閣送付)   —————————————
  2. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 只今から開会いたします。  大臣が見えますまで私から二、三伺いたいと存じます。最初にお尋ねしたいのは、先だつての御説明ですと、九分割すると六%ばかり不足するというようなお話だつたのですが、六%の不足額はどういう融通方法をやつているときに六%の不足のなるのですか、その点少し詳しく御説明願いたいと思います。どういう融通方法をした場合六%不足するのですか。
  3. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 六%不足と申しますのは、融通は、大体各融通規定で、毎月の想定で、どのくらい融通できるというところは契約によつて融通が分るのであります。で、六%どうしてもできないのは、毎日々々朝は一つ地帶から他の地帶に行く、夕方は逆に行くというような、非常に毎日々々或いは毎時間毎時間の操作によつてやらなければならんというようなものは、どうしてもこれは融通ができないということで、水の多い方で使う、多い方で使つて、ない方では止むを得ずそこで火力を焚かなければならん、そういうことになるのであります。
  4. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) そうしますと、現在配給指令でやつているようなことはやらないで、これだけの不足で済むのですか。
  5. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 大体、現在日発の中央でやるているような配給指令はできないと思いますが、この六%という不足は、六十サイクル系は大体六十サイクル系で全系並列してやる。五十サイクル系は五十サイクル系で並列してやりまして、場合によつては六十サイクル系は、この主たる会社である関西配電会社が、そういう指令を若し必要ならばイニシアテイブというものを取る。五十サイクル系ならば関東の配電会社が、新らしい会社が必要のときにはイニシアテイブを取るというようなことで、各配電会社が協力してやるということでございます。
  6. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 運転方法は、そうすると現在の並列運転の五十サイクル、六十サイクルとも別々にやるわけでございますか。
  7. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) そうでございます。
  8. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 並列運転を現在通りつて六%減るということは、今お話会社が分割したために、不円滑な分があるので、これだけ不足が出るということなんですか。
  9. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 大体そうでございます。非常に短い間の融通或いは一日の融通ができないために、六%不足するということになりますが、これは二十三年度の水力発電の実績においてやりましたから、二十三年は比較的平水よりも水力がよく、沢山出ておりましたので、平年通り、或いは渇水すればそれ程にはならないのであります。
  10. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) ちよつと分らないのですが、並列でやつておれば、使いたいところはどんどん使うと結局指令があつてもなくてもそう違わない結果になるのじやないかと思うのですが、どうなんですか。
  11. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 主としてこれは五十サイクルと六十サイクルの関係になると思います。
  12. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 次に伺いたいのは、六%不足するとこれは非常に大きな電力なんです。水力だけに対して六%というと三十万キロワツト以上の不足ができるわけなんですが、これの何か始末をどうされるつもりなのですか。突然これだけの不足が発生するということになると、産業その他に非常に大きな影響があると思いますが、新らしく開発しない以上は非常な混乱が起るような気がするのですが、何か火力が以て一時これを補うとか何とかいう計画があるのですか。
  13. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) これは一番不足を来すのは渇水期だと思いますが、その分は現在すでに火力が二百万キロくらいの可能供給力がございます。今年は百五十万か百六十万しか出ておりません。分割するようになれば一層火力の補修を急ぎまして、その方で補わざるを得ないと思います。大体その程度のものならば平水ならば補えると思います。
  14. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) もう一つ伺いたいのは融通と言いますか、融通契約電力供給と言いますか、授受をすることになりますと、相当将来送電線や何かの施設が必要になるところが出て来るのじやないかと思いますが、送電線のそういう施設はどこがどういうふうになるのですか、或いは現在あるやつを使うにしても不足送電線を借りるようなことは相当沢山起るのじやないかと思います。例えば北陸あたりでも関西においても讓渡す発電所送電線送電だけが使わないで自分のブロック内だけでも送電が困るのじやないかと思いますが、送電線の保管とか託送とかいうのは一率にどういうことをやるのですか。
  15. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 差当り託送はどうしてもやらなければならんと思います。ここに六%というものは、直ぐ送電線はまだ差当りは建設しないで六%やれますから、若し非常に不都合なところがあれば送電線を建設すれば大体託送で済むと思います。
  16. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) もう一つ伺いたいのは、中国九州不足電力を買わなければならんのですが、その電力はどこから買うことになるのですか。恐らく関西じやないかと思うのですが、今度のように関西の方に発電所が余計できれば別ですが、そうでないと中部方面から買うことになるのですか。
  17. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 一応中国に行きます電力は、関西水力並びに火力プールから行くようになりますが、どの発電ということは決まりませんけれども、量においては、将来できる公益事業委員会で中に立ちまして決めるということになります。
  18. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 九州は、どこから買うのですか。
  19. 豐島嘉造

    説明員豐島嘉造君) 中国プールから買うわけです。
  20. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 昨日、実は午前中は出ておりましたけれども、少し気分が惡くなりまして、家へ帰つておりましたために、この委員会からの御要求に応じ得ないで、大変失礼をいたしました。本日御質問を頂きますれば、お答えをすることにいたしたいと思います。
  21. 門屋盛一

    門屋盛一君 大臣は何時間ぐらいいらつしやいますか。
  22. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 一時間ぐらいです。
  23. 門屋盛一

    門屋盛一君 それでは、逐次やつて行きまして、残りましたら又後程……。  先ず最初通産大臣にお伺いしたいことは、この二つ法律案国会に御提案になつてにつきしまては、これは実質上十日間ぐらいの短時日においてこの両法案両院を通過して成立するというお見通しの下にお出しなつたかどうか、これは先ずお答え願いたいと思います。
  24. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 両法案提出が、大変会期終了の間際になつて、御審議を願う期間が甚だ短くなりましたので、その点は、提案者として甚だ申訳ないと思つております。併し、何故遅れたかということは、何にしても法案が重大で、複雑な問題を含んでおりますので、検討、折衝等相当時間を要じまして、その結果提案が遅れたわけで、甚だ残念に思つております。お話のように、重要な法案でありますから、審議相当期間を要するという御意見は、御尤もであります。提案者といたしましては、その審議期間の短いという点は、申訳ないと思いますけれども、この問題を至急に解決をいたしますということが、電気事業界のため、電気事業の健全な基礎を作り、発展を図つて行くという上から行きまして、是非とも必要であると考えて、審議期日の切迫しておるのに拘わらず、提案をいたしたようなわけであります。従いまして、別に国会審議権をどうこうということは毛頭考えておりませんけれども、議院におかれましても、十分御協力を願いまして、至急法案審議が進み、今国会で以てこれが決定されるということに願えますれば、非常に仕合せであるというつもりで提案をしたわけであります。
  25. 門屋盛一

    門屋盛一君 御答弁によりますと、非常に折衝に暇が要つたが、この国会成立希望して出したと、成力予定して出したと言われるのでありますが、そういたしますと、この国会は、大臣も御承知のように、明五月二日を以て閉会になりまして、当院の半数改選が行われまして後に臨時国会を召集せられると思うのでありますが、両法案との関連性におきまして、臨時国会開会期をいつに御予定になつておりますか。
  26. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) いずれ参議院選挙の後で、適当の機会に臨時国会は開かれると、私も予想いたしております。併し、いつ開かれるかということにつきましては、私にははつきりしたお答えができないわけでありますから、その点御了承願いたいと思います。
  27. 門屋盛一

    門屋盛一君 この法案が大きな修正を見ずる成立するといたしますと、事法業は政令を以て施行期日を定めるということには一応なつておりますが、それは七月二日より遅れてはならないということが規定してありますので、実質上この公益事業法は七月一日から実施に入る。半数改選を終りましてから後に、例えば政府が六月中にでも臨時国会を召集するという確信を持つておるのならば、私はそのときでよいと思うのでありますが、恐らく新聞等連絡会議や或いは官房長官あたりの漏らしておる点から行きましても、臨時国会は当分開かないという予定のように思えるのでありますが、そういたしますと、一応この法案に対する内容的に非常なからくりのある点は、これは後に逐條に審議して行きますが、これは仮に大修正経ずして通るといたしますと、この公益事業委員というのは、非常に重要なウエイトを持つものであります。重要なポイントに立つ委員任命ということが非常に考えられる。これは御承知のことと思うのであります。そういたしますと、法案はこの国会成立しまして、殆んど同時に会期終了となると、そうなりました場合、法第七條にありますところの委員任命は、総理大臣国会承認を得て任命しなければならない、但しそのときに国会が開かれていないときには後からこの承認を得ればよいと、こういうことになつておるわけです、それは委員会というものが、我が国の民主化の線に沿い、この電気事業公益性をよく認識して、非常に調子よく行つておる場合の委員の一人、二人の補欠、差換え等に関しては、それは国会の開かれていない折には、内閣が独自でおやりになつても、後で承認を決めればよいと思うのでありますが、この法に書かれてあるその点だけをお考えになつて、第一歩に踏み出す委員そのものを、国会のわざわざないときに任命するような組立にどういうわけでなつておるか、何が故に国会のない時期にこの委員政府が自由に任命しようとしておるか、これが私には不可解に堪えない。のみならず、仄聞するところによりますと、すでにこの委員は、自由党の政務調査会の方で委員顔触れが決まつておるやにも聞き及んでおる。昨日宮断政務次官にこの点を質しましたら、総理以外に知つておる者はないから分りませんというのでありますが、今日大臣が私がお尋ねするのは、二つ法案が今国会成立して、直ちにそれが実施せられるという覚悟の下に法律案国会にお出しになるのでありましたならば、その事業法の附則第八項の精神によりまして、委員任命は、必要な行為は法律施行前においても行い得ることになつておるのでありますから、この法律は七月一日から施行する、七月一日以前に施行しなければならん、七月一日には国会がないということは、これは想定できておる筈なんですから、国会に重きを置き、そういう世間にいろいろ取沙汰されておるような怪しげな委員任命しないという方針でありましたならばここに今日、国会のあります今日明日の間にその委員候補者名簿を示して貰いたい。そうして予め国会承認を受けて置くべきではないか、これが本当の民主的な行き方ではないか。いろいろな噂が飛んでおらないときならよろしい、噂が飛んでおる。殊に今回私がこれを主張いたしまするのは、この電気事業編成に関しましては大山委員会答申を得て、その大山委員答申内閣変つておつたらどうでもいいということが言えるかも知れません。あなた方が閣僚で閣議で御決定になつて今度の電気事業編成審議会委員閣議で決めて、その審議会答申は尊重するのであるという閣議決定をなさつておる。自分達閣議決定したその答申一つも用いずに、一松永試案に根拠を置いて、而も松永試案に加うるに地域的に猛烈な運動のことをだけ挙げて見ておる。こういうふうな行き方にして名前が幾ら公益事業であつてもそれは政府任命する委員に委せて置いては我々国民の代表としての国会責任が済まないのである。これは両法案が今国会成立するという通産大臣のお見通しであつたならば通産大臣は良心的にその公益事業委員候補者名簿というものはあなたの手許にもはやなくてはならない、ありましたならばこれを出して貰いたい。そういう用意なくしてこれだけの重大なるところの二つ法案国会に投げかけさえすればいいんであるというような考えでお扱いになるとすれば、日本の電気事業をもてあそぶという結果になる、これはいずれにお考えになつておることか、この点について明確にお答え願いたい。
  28. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) この法案が通過いたします場合におきまして、是非とも必要な公益事業委員任命ということは無論考慮いたしております。従いましてその候補者については愼重考慮して国会承認を求めるというつもりでおります。併し法案審議状況と関連する問題でございますので考慮はいたしておりますけれども、本日直ぐ出して御承認を求めるというところまで具体的にはまだ決めておりません。いろいろ考慮はいたしております。法案審議進行状況によりましては直ぐ御承認を求める手続を進めようというつもりでおります。併しお話にありましたように或る方面から何か特別な話なり推薦なりがあつてそれを考慮しておるというようなふうにお話がありましたが、その点は全然ございません。私の手許で適当な人選について考慮しておることは事実でありますけれども、まだ具体的に決定しておらない。法案状況を見まして至急決定をして御承認を求める準備は進めております。その選考につきまして何らかどちらかの方面から話があるとか希望があるとか、申込みがあるとかいうことは全然ございません。
  29. 門屋盛一

    門屋盛一君 あるべからざることと思うのでありますが、この答弁が昨日の宮幡政務次官答弁大臣答弁食違いを生じておる。宮幡政務次官はこの私の質問に対しましては総理が一人で何でも知つておる、総理以外にこの委員のことを知るものがないということを御答弁なさつておる。只今通産大臣の御答弁を伺いますと、通産大臣手許において一応選考の上総理並びに閣議に諮つて出しになるというように聞えるのでありますが、このいずれが本当なんでありますか。
  30. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 公益事業委員会総理府管轄でありますから法制的には総理大臣が推薦して決定されるということになると思います。併し今までの関係もありますし、通産省との関係の深い事項でありますから実際問題とすれば、やはり通産大臣はこの選考には考慮をするということになると私は思つております。併し法制的、形式的にはやはり総理府の所管の委員会でありますから総理大臣が直接の監督者ということになります。
  31. 門屋盛一

    門屋盛一君 その行政組織法管轄の問題や、提出責任者を聞いておるのではなくて、今我々はこの法案と並行して審議しなければならない問題は、この法案が実施されるのが七月一日までであつて、そのときには国会がない、でありますから、この国会のある間に公益事業委員候補者名簿出し貰つてそれを睨み合せて審議して行かなければならない。正式の提案総理がやる、総理府がやるということは分るのですけれども、我々が常識的に考えましても通産大臣責任において人選をやつて、それが総理の名において当国会の方に承認を求められるわけであります。でありますから、劈頭に質問申上げましたように、この二つ法案が今国会を通るということを前提とされておりましたならば、その実質上の選考責任のあるところの通産大臣はすでにそこに候補者名簿というものをお持ちでなければならない、又それだけの親切を以て国会審議を進めさせなければならない。この公益事業法が実施されたときにこれを活かすか殺すか、惡用するかうまく使うかということも一に委員に帰する。委員適否に帰するのであります。これが今国会中に法律自主性が発生いたしましたならば、我々はこんなにむずかしい注文は出したくないのであります、国会がないときに実施されるということがはつきり分つている以上、先程通産大臣法案審議と睨み合せまして出すということを言われましたが、そうしますとその言葉の裏を考えますと、この法案が場合によつたら審議未了になつても構わない、成立しそうであつたらそれを出そう、成立しそうでなかつてら出さんということは無論国会審議権を抑えて行く、審議権に容喙することはできないとしても、私が国会議員として、私もこれを今国会で通そうと思つて審議します。その審議過程においてこういうものが必要であるから出して貰いたいということを私が求めておるのに対して、審議と睨み合せてこれを出すということはどういう御解釈でありましようか、これを一つ承わりたい。
  32. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 審議が終り状況を見ましてそれに間に合わないようなことがあつてはならない、この法案だけが通りまして、そして国会委員についての承認が間に合わないということがあつてはならない、こういう意味でありまして、お話のように委員の職責は非常に重要でありますし、その人選については、余程愼重、嚴正にやる必要がありますので、十分これを嚴重に考慮して貰いたいというつもりで考えておるわけであります。併し人が間に合わないということがあつてはならないという意味で申上げたわけであります。
  33. 門屋盛一

    門屋盛一君 参議院の方は、予備審査でございますが、衆議院は本審査にかかつておるので、まあ大臣議員を永らくなさつておられるから議案の通過ということに対しましてはいろいろと実例を御存じの筈であります。これが或る一つ動きに力が加わりますと残念ながら国会法律案が数時間にして通過した実例もございます。通過するとそこで今国会は明五月二日を以て終るので、それで人事に対しましてその委員適否に対しまして、大臣が真から国会承認をお求めになるというお考えがありましたならば、この法案の撤回がない以上、提案理由説明としては速かに成立させて貰いたいということを言つておる。今国会成立を予想しているという私の一番最初の、今国会成立を予想しているかしておらんかという質問に対しては、予想しているというお答えから推しますならば、今日は五月一日でございますから、本日あたり候補者名簿の御提供を願つて、そうして我々各会派に持帰りまして、その候補者が適当であるかどうかを国会議員として審査する期間を與えら貰わなければこの法律案の方は、万々そういうことはないと思いますけれども、万一これに対して或る種の動きが加わりましたならば、これは三十分か一時間でも成立するかも知れない。その場合にどさくさまぎれにその委員顔触れを以て来られてはいけない。そこで私は順序を以てお尋ねしている。大臣がこの法案只今の場合、今国会成立はむずかしいかも知れんというお考えならば、今その名簿を出す必要はないのであります。私の第一の質問に対しては、この国会でこれは成立するという信念を持つて出しになつている。でありましたならば、我々も審議が完全にできますように重要な委員顔触れでございますから、その候補者名簿を本日お出し願いたい。このことは昨日お出でになれば昨日お話するわけであつたんですけれども、昨日お休みになつたから政務次官にもそういうことは申入れた。そうせんとこれは良心的な審議本当国民に無理の行かない法律にはならないのです。この法文には相当の不備な点もあるけれども、仮にこの不備な法律ができ上つても、この運営の衝に当るところの委員国会承認する非常に善良な適正な人がその委員になれば、我我国民に対しては、法は若干不備であつたけれども、委員だけは国会承認した委員任命されておるんだから、まあまあそれで我慢して貰いたいということも言い得るが、このままずるずると明日の会期末に押込んで、そうしてこれが何らかの作用によりまして、一時間か二時間で両院を通過するということになつた場合には、もうすでに委員のこちらの承認ということは、時間的に間に合わなくなる。この点について通産大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  34. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 私が先程申しましたように、この両法案是非ともこの国会成立せしめるように努力し、希望をいたしておるのでありますが、これをどういうふうに処置されるかは国会においてせられることでありまして、私の関與する範囲ではない。そこで門屋委員からもお話がありましたように、審議期間が実は非常に不十分であるというようなところから、各議員からその点についていろいろの御意見がで出ておるわけであります。従つて実際どうなるのかは私にもまだ見通しが実はつかないわけです。希望はいたしますけれども、はつきりした見通しがつかないのであります。そこで併しこれが成立するということを希望しております以上は、それと関連して是非必要である委員承認も無論求めなければならないという考え選考を認めておることはさつき申した通りであります。ですから決して間に合わないようにはいたしませんし、法案進行状況と関連いたしまして御承認を願うという方針で進んでおるということを一つ御了承頂きたいと思います。
  35. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは貴族院とは違うのです。翼賛国会とは違うのです。だから法案審議状況と睨み合せて、通りそうならば出し通りそうでなければ出さんというのでは済まない、通す通さんは国会の権限です。今あなたがたびたび繰返されるように両法案成立希望しておる。その成立希望しておるということに間違いがなかつたならば、今日が五月一日で、今日は五月二日なんだ、だからもう今日あたり候補者名簿をお出しにならなければ我々の方で審議に困る。こう言つておるのであります。あなたが審議状況と睨み合せるということは聊か国会を抑えつけた話なんだ。審議は我々がやつている。我々がその審議をやつて、あなたは両法案成立希望している。成るたけ御希望に副うように、日曜も祭日も休まず審議を続けているこの審議過程において、私国会議員としての良識において、何らかの作用を起した場合に爾余の問題は数時間で通るかも知れない、そういうことも考えられる。でありますから、会期というものを審議計画に入れなければならない。明日終つてしまう会期に今日私がその資料要求をしておるのに、その資料要求に応じられないということは政府が怠慢であありませんか。今日出されぬとすればいつその候補者名簿を御提出になりますか。明日の夜の十一時や十二時頃に持つて来たのでは間に合わない。いつその資料を御提出になりますか。
  36. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 先程申しましたように選考をいたしておるわけなんで、まだ具体的に決定をしたしておりませんから提案ができないというわけでありますから、それを決定すれば提案をいたします。
  37. 門屋盛一

    門屋盛一君 それはいつ御決定になりますか。国会は今日明日しかない。
  38. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) この国会開会中に提出いたします。
  39. 門屋盛一

    門屋盛一君 いつ資料が頂けますか。資料の貰える時間ぐらいのことは、あなたも一国の大臣として来られて、違料提出の時期が分らんというのでは審議にならんじやないですか。資料として要求しておる。念のために申添えますが、委員適否本当承認を求められた場合は、これは当院規則によりまして議院運営委員会審査にかかるのであります。併し我々はこの事業法の適用について、この事業法審査資料として、その候補者名簿要求しておるのであります。若しこれに対して正式に私が要求するのでありましたならば、官房長官を呼んで要求するのです。これは飽くまでも私は通産大臣責任において公益事業ということをお考えになつておつたら、この善良なる委員の顏触れはもう決まつておらなければならない。
  40. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) お答えは実は先程申した通りでありまして、まあ国会承認を得る正式の手続としては、内閣から運営委員会にいたして承認を得るということになるわけであります。それについての資料を予め提出しろと、こういうような御要求だと思いますが、その資料につきまして、先程申しましたように愼重選考をいたしておるわけでありまして、まだはつきり資料として差上げるまでになつておらないようなわけであります。
  41. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうしますと、その選考はいつ頃でき上りますか。
  42. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 無論できるだけ早くいたしたいというつもりでおりますが、非常に愼重を要する問題でありますから、できるだけ嚴重な選考をいたしまして、無論間に合わないようにはしないつもりでありますが、無論明日で終りますから、出すとすれば明日中には無論出さくなちやなりません。
  43. 門屋盛一

    門屋盛一君 出すとすればじやない。私は要求しておる。だから今愼重にやつておるが、これは幾ら遅れましても、まさか明日の午後十一時三十分頃持つて来られたのではこの資料にはならない。私は資料として要求しておるのですが、明日何時頃御資料が頂けますか。
  44. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 資料と申しましても普通の資料とは性質が違うのじやないかと思います。無論法案をお考えになります場合に、この法案で以て規定されている公益事業委員会委員がどうなるかということは御考慮に入るのは当然であります。けれどもその委員人選をして嚴重にしつかりしたものにしなくちやならんということは明らかでありましても、具体最に誰でなければならないと思うようなことは法案と直接には関係がないのじやないかと私は思います。
  45. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは飛んでもないお話です。この法案ができまして、ただ委員任命だけになれば、私が先程申上げましたように、当院議事規則から行きますれば、議院運営委員会でその人間の審査をやる。併し私は最初からもう條理を盡してお話している。この法案が非常に不備な点もあるししますけれども、これが何らかの作用を起して、これが無理矢理に通過するというようなことになりました場合、国民が一番頼りにするところは、その委員が適当であるかないかということによつて、この法律は活かしも殺しもできるわけであります。そういう重要な委員でありますから、この法案審議関係がないというお考えならば、初めからこの法案審議関係がないと何故あなたはお答えにならなかつたか……
  46. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) それは……
  47. 門屋盛一

    門屋盛一君 持つて下さい。まだ発言中です。それはいかん。今の大臣は追詰められてしまうと法案関係がない……法案関係がなかつたら、私が最初にこのことを資料要求をしました場合に、その資料要求に応じられないということは何故だ。併しあなたは、速記を調べれば分るのだが、非常にこの委員は大切な委員でありますから、必ず国会承認を得て任命いたしますということを言つている。それはあなたが強く出られて、この法律ができた上でこの委員考えるのだ、法律が通つた上で考えるというて逃げられたら僕らは取りつく島がなかつた。ところがあなたは流石に良心的に国会承認を得て任命しますということをはつきり言われた以上、国会は明日までしかない。これは議院運営委員会の方から言いましてもそれがあるのです。議運の方ではこの法律が通らなければ議運にはかけられない、そこで議運であろうと電力の特別委員会亭あろうと、国会議員たることに区別もなければ、参議院たるところの間違いもない。要はこの法律を、二つ法律の通つたときに国民の利益を阻害しないようにしなければならんというのが、国会議員としての一番大事な務めだ、でありますからその後補者簿を貰いたい。  もう一つはあなた方のやることに対して、私は国民に代つて信頼が置けない。あなた方の内閣で、閣議決定で拵えたところの電力編成審議会でお決めになつたことは、閣議決定で尊重するという申合せをして置いて、どこが尊重されておりますか。この再編成せられた公共事業法でも審議会答申が用いられているところは一つもない。松永氏案と松永氏案にプラス池田、それにまだ或る地区の特別なる運動によつてタコ上げをした以外の何ものも入つていない。自分閣議決定したのも踏みにじつて顧みないような内閣に、国会のないときに委員任命を委ねるということは、私はできない。であるからこの法案笠議と並行して後補者名簿の、都合が惡かつたら名前は省いてもよろしい。名前のところだけ隠しておつても、大体の経歴とか、その委員の出て来るところのどういうグループから出て来るかというようなことぐらい、この法案審議する上において参考にしなかつたらいけない。あなたは国会審議権を抑えないと言うけれども、まざまざと私の審議権を抑えるじやないか。妨害しているじやありませんか。これ以上の資料は出せませんと、これくらいの資料で我慢して呉れというならいいけれども、最初においては国会承認なしには任命せんと言うて、大きな口をきいている。時間的に問詰められると速かにとか、今愼重にやつているからと言う。幾ら愼重におやりなつてももう日にちがいない。それだからあなたがこの成立希望されておるのであつたら、この法案と同時にそういうことは良心的に持つて来なければならない。官僚である大臣ならば私は見逃すのであります。官僚に抑えられんようにして下さい。官僚は法律の裏をくぐることばかり研究している。せめて大臣でもしつかりしておらなかつたらどうにもならない。併し速記もついておるのだ。国務大臣として、あなたが国会承認ないのは任命しないと言ういてるのですから、その点については私はあなたの言われることをどこまでも突つ張つて行きますよ。そうすると国会承認を得るのだつたら、明日までしかない会期だから、幾ら愼重人選されたとしても、明日の何時に、その資料を出すというくらいお約束ができないことはない。これができないとすれば、あなたは誤魔化しにおいでになつている。誤魔化しは止しましよう。同じ負けた同士の国会です。民主国会というものは政府も野党も同じ国のためを思つて真劍に審議をしておる。私がこの委員顔触れを見て、万一の場合を思つて、万一の場合これが短期間に通過した場合のことを思うと、せめて委員だけでも国会承認する委員任命して置かなければ、我々は夜が眠れない。それがお分りになりませんか、大臣としては……
  48. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 委員につきましては、国会承認を要するのでありますから、こちらから出しました委員が適当でない、こうお考えになりましたならば、そのとき国会としてはこれを可決されるという権限は勿論持つておられるわけであります。
  49. 門屋盛一

    門屋盛一君 知つています。
  50. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) ですから、その点につきましては、こちらからこの承認を求める場合に、十分御検討お願いいたしたいと思つております。
  51. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると、初めの答弁を引つくり返したわけですね。それであなたは恥かしくないですか。それなら私の一番心配している通り国会のない折に委員任命される。国務大臣の発言というものは余り嘘を言わんようにして下さい。たつたこの間、あなたの前任者の池田さんが嘘を言つて、ここで謝まつて行つたばかりだ。これは人のことじやない。  委員長、発言中議事進行に振替えまして、只今の高瀬国務大臣の発言は前言と……同じ質問に対してあと先の食違いがあるのですから、ここでこの委員会を休憩しまして、直ちに速記の飜訳を願います。それによつて質問します。出たらめ言つてからに国会議員を誤魔化そうなんということはよせ。
  52. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 私の申しましたのは、国会承認を求めないで任命して置いて、そうしてあとで以て国会承認を求める。そのときに否決して頂けばいい、こうい意味で申したわけでは決してありません。そうじやないのです。
  53. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうじやなかつたら今出さにやいかん。
  54. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 初めに任命する場合におきまして、国会承認を求めて、その場合に不適当であるという場合には否決して頂くという方法があるのを、こういう意味で申したわけであります。
  55. 門屋盛一

    門屋盛一君 それなら分るのです。そこまで分つていたら時間的に勘定して下さい。この国会は明日の二日の午後十二時で切れてしまう。そのとき明日の何時頃持つて来られるか知らんが、持つて来られてこれは不適当だと否決した場合には今度どうなるのです。国会に持つて行つたら国会が不適当だと否決したから、仕方ないから内閣の思う人間を任命した、実質国会承認を得ない人間になつてしまう。そういうことがいけないのだ。前以てその候補者名簿出して、国会審議権を與えて置く。そこで明日の何時に出るかという問題が起つて来る。
  56. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 国会承認を求めなければならないという点は、私は前から言つておる通りでありますから、承認は求めるわけであります。それでそれじや明日出して全部否決されたら、承認を求める時期がなくなるのじやないか、そういう場合にはどうするか、こういうようなお考えがあるかと思いますが、五人の委員でありまして、その推薦をいたしました場合に、まあこちらとしても十分愼重考慮して嚴選した候補者のつもりでありますから、全部いけないというようなことが起きるかどうか、無論どちらか分りませんが、若しそうでなければ欠員ということで、仕事はして行けるということになるのじやないかと思うのです。今直ぐ資料として出せ、こういうような御要求が根本だと思いますが、これにつきましては先程から申しますように、現在選考はいたしておりますけれども、具体的に決定しておらないので、今直ぐお出しするというところまで行つていない。併し出さなければならんという必要につきましては考えているわけでありますから、間に合わないというようなことは決してしない。こうお答えするより外にないのであります。
  57. 門屋盛一

    門屋盛一君 その間に合わないという見解の相違でありますけれども、ますますおかしなことをおつしやるのですが、内閣でも愼重審議をして出すものであるから五人が五人とも否現になるようなことは万々ないと思う、こう言われるんです。この思想は現在の政府の持つている思想で一番惡い思想で、国会審議権を軽く考えておる。幾ら政府愼重審議なさつて研究して出されても、国会の見方と政府の見る眼とは違う。考え方も違つて来る。そういう思想がありますから本日否決になつたところの地方税法にしましても、政府と司令部との間で長い間折衝を続けて置いて、国会審議期間というものは短くして持つて来た。この点我々の審議しているこの法案政府と司令部との間に折衝に、而もその間においていろいろのことで遅れちやつて、十日間になつて国会に持つて来た。今こんなものを持つて来るなら、答申のあつたときに持つて来れば、国会が司令部と折衝して立派なものを作る。思想的に高瀬通産大臣のお考えになつておるように、政府愼重人選して持つて来るのであるから国会は否決する必要はないという考え方は、言ての翼賛政治で、政府で決めたものを国会は賛成さえすればよいという思想がまだ残つているから、そういう発言が出る。私の言つているのは、政府の持つて来たものは必ずしも否決はいたしません。そこでその候補者名簿出し貰つて、これならいいが、これだけは、これはいけないということを同じに日本の政府と日本の国会とで愼重審議をしてやらなければいけない。あなたは先日のこの委員会においでになつて、ケネデイ会談のことを発表になつておる。そのケネデイ会談の説明などは、我々のぼんくら頭に、率直に言いますと、これは通さなかつたら見返資金も何も使わせない。通さなければならないというような感ばを與えている。その線が発展して行くならば、先程私が憂えて申上げておるように、我々の国会審議権はありますけれども、十分なる審議のできないうちにこれは成立するかも知れない。繰返しますけれども、法律が十分なる審議をせずに通過してこれが実施される場合に、国民のためにその公益を害しないような措置をとり、国民の利益を傷付けないようにするのは、この選ばれた五人の委員に委す以外にないんです。であるからこれは司令部とのOKも何も面倒くさいことのないことで、あれは今日でもお考えになつておられる候補者名簿審議資料として御提供願いたいということは、私は国会議員としてどこに聞いても国民のために恥かしいことはない。又行過ぎた発言でもない、行過ぎた要求でもないと思う。それを今あなたの答弁からいえば、愼重審議をしているから間に合うように持つて来ると言うが、その間に合うという解釈ですよ、私は、本当は別なものが議運にかかつておりますが、それは電波監理委員会委員任命です。これでも議運といたしましては、政府から直ぐかかつて即決はできない。一応各会派に持帰つて審査しなければならない。そうしますと、実際問題で明日の何時頃お出しになるか。明日遅くなつてつて来れば、形は国会審議を得たということになる。委員に対しても国会審議していない。そうすると、両方とも審議しないというもので出たということになる。恐らく日本の国会は不必要になりはしませんか。それは行政を扱つておるところの政府の当局としても、法案に対しては止むを得ないけれども、せめて委員だけは国会が十分納得できる委員を置いて、民意に背かんようにしようというようなお考えはないんですか。それがあれば私はむずかしい問題じやない、むずかしい要求ではない。今直ぐ出せというのじやないんです。明日の何時頃お出しになるか。そうしないと審議計画が立たんじやないか、重ねてお答え願います。
  58. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 無論委員の御承認につきましても国会として十分愼重に御考慮願つて決定を願わなければならんと思つております。それで先程から申しますように、我々としてはこれを選考しておるわけでありますが、法案の御審議過程におきまして、どうしてもその委員顔触れが早く提出されなければ法案審議ができない、こういうような意見であります。併し今までこういう国会承認……
  59. 門屋盛一

    門屋盛一君 法案審議ができないとは言つておりません。
  60. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) まあ、法案審議において非常に差支ができる、こういうのお考えのようであります。  併し今までこういう例における審議の場合におきまして、法案が先ず審議いたしまして、そうしてその法案に基いて委員任命されるわけでありますから、法案決定の後でその法案に基く委員任命承認国会に求めておる。これが順序だと思います。ですから我々もそういう順序で実は考えておるわけでありまして……
  61. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると前言はひつくり返つて来る。
  62. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 別にひつくり返すわけではございません。ただ会期が明日に迫つておるという関係から、普通の場合とは同じような扱いで行きますと、委員国会承認を得る時間がなくなつてしまう。こういうところから今度の場合については特別な考慮が必要になつて来るものであると、こう私は考えておるのであります。ですからその趣旨はよく分つておりまして、できるだけ御趣旨に副うように私の方も取運ぶつもりでおりますので、この点御了承を願いたいと思います。
  63. 門屋盛一

    門屋盛一君 それではいつまで話しても切りのないことですから、一応この辺で……、どういうように誠意を以て国会承認を求められるかということになるのですが、重ねて誤解のないように申上げて置くのは、正式なる承認要求官房長官の方から議長の方に出さして、これは別な委員会審査する。私の要求しておるのは、この両法案審議資料として要求しているのでありますから、通産大臣から出して貰いたい、それを申上げて置きます。外にまだ大臣に対する質疑が沢山残つておりますが、御都合は如何でありますか。
  64. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 三時までよろしうございます。
  65. 門屋盛一

    門屋盛一君 では一点だけ質して置きたいのでありますが、まだあとありますけれどもこの次御出席の折にいたしたい。大体大臣も先日の何で御心配になつておりましたように、この再編成法と公益事業法が今国会で通らないことになれば見返資金に影響して電源開発が非常に遅れるであろうということを、大臣関係方面に行かれたときの直感でそういうふりにお考えなつたというようなふうに、大臣としても電源開発ということについては十分に御留意下さつておるのであります。実際問題といたしまして、日発の機構のいい惡いというのではなしに、この再編成の精神からいつて編成するということはいいことであると私は思います。思いますが、今終戰後五年振りに漸く電源開発に着手したばかりの今日我々の常識から考えますと、機構いじりをやり、いろいろすることによつて、開発を阻害されると思うのですが、それによつて非常に電源の開発が促進されるとは思われないのであります。この点につきまして一つどういうわけで再編成した方が電源開発が促進されるかということの御説明を願いたいと思います。
  66. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) 再編成が電源開発の促進にどういう影響をもたらすかという点だと思いますが、御承知のように、日発は集排法によつて、再編が指定されている会社でありまして、如何にそれが再編成されるかということが懸案になつている会社であります。そういう懸案の状態において、そうして開発を日発を通してやつて行くということにつきましては、いろいろとその促進について困難な事情もあると私は考えております。そうして再編成後はこの法律によりますというと、日発とは別個の新会社が九つできて、それが開発の衝に当るわけであります。現在の日発をそのままにして開発に当るというのと、新会社になつて開発に当るというのとで、開発の意欲、開発計画の実施等について何らか違いができるかという点につきましては、私はやはり再編をいたしまして、はつきりした会社の基礎を作り、そうして発送電、配電を一貫経営にして、責任体制を明らかにし、経営の合理化も十分徹底できる体制にして、そうして開発をするということの方が有効に行くのではなかろうかと考えているわけであります。
  67. 門屋盛一

    門屋盛一君 まあお考え方によつて、そういうふうになる面もあるんでありますけれども、現在は全国が一社化されて開発がされているんでありますから、発電地点の有利、不利ということが、割合に影響しないのでありますけれども、それが地域的に分割されますと、而もそれが地域独占制を取るのでありますから、これは具体問題でお話した方が早いと思うのですが、本道方面においては、キロ当り五万円か六万円、安いところで四万円くらいな地点で開発ができる。一番電力の少い九州に行きますと、どうも安くても八万円、高いところでは十万円くらいかかる。高いところでは十万円くらいかかる。この場合に何らプールするところのない、独立採算でやるところの九州発送、配電会社というものが仮に経営形態がはつきりして来て、その経営意欲を幾ら出しますとしても、これはやはり算盤が合わなければ開発しないです、こういう場合には一つ具体的の問題としては、どうお考えになりますか。現在九州は現在あれ程のアロケーションから行きましても、十万キロの電力不足しておる。電力の余つている地帶ではない、それに対してどういうふうに考えているか、それに対して恐らく当局は、再編成の、折の資産評価とか何とかによりまして、九州地帶は非常に資産のある会社にして置いて、それを見返りとして金を貸りてやればいいと言いますけれども、なかなかそういうことはできない、その資産評価で金ができるのだつたら、私達も商売しておりますが、今日金詰りで社員の給料を拂うのが遅れた方々頭を下げて歩かんでいい、資産評価をやつても、現実の金というものは生れて来ない、而も九州には、今の電力を本道並にやるときには、今後開発費が二百億要る。或いは二百億の開発費を仮に見返資金で借りてやりましても、年間利子だけで十五億拂わなければならない。それが電力料に加算して来るのですから、とても独立採算制をとる会社が損をしないようにやろうとすれば、その配電を受けるところの九州の住民は何よりも先に電気に対する圧力が加わつて来るわけです。こういう点をどういうふうにお考えになりますか。九州も日本の中で、あなたのお治めになつておる国の中ですからね。が損をしないようにやろうとすれば、
  68. 高瀬荘太郎

    国務大臣高瀬荘太郎君) たしかに九州方面の電源開発の問題はいずれにいたしましても、一番困難な状況にあるということはお説の通りであります。併し採算の点から申しまして、現在の火力、又九州の不利な條件の下における水力発電の電源開源と比べて見まして、如何に不利でありましても、水力電源開発による方が採算的に有利な状況にあるということは資源庁ではこれを試算しておる。その数字は多分お話したかと思います。それから又それにいたしましても、無論開発條件は他の本道等に比べて九州が甚だ不利な状況にあるということは事実で、その点から来る開発の困難ということは免れません。その場合におきまして、併しそういう不利な條件の下で尚開発を促進するというためには、公益事業委員会を通してなり、政府の施策を通してなり資金の斡旋その他において十分の対策は考えて行くべきものと私は考えております。それらのことによりまして、開発計画がこの再編成の結果として非常に支障を来すというようなことは避けられると考えております。
  69. 門屋盛一

    門屋盛一君 大臣時間がありますか。
  70. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) 今呼びに来ておるんですがもう五分ぐらいおります。
  71. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは長くなりますが、大体そう言われますけれども、私の聞いておるのは、独立採算制をとるところの地域の電気会社が算盤の合わないのにどこから借金してこれをやりますか。あなた方は自分で事業をなさつておられんから呑気なことを言われるけれども、事業というものはこれが一つの引合つて儲かるという見込が立たなかつたら借金をしない。それを無理に借金しようとしましても、この公益事業法電力編成法では引合わない借金をやつてまで開発せいという命令権もなければ、又その九つの地域の会社に対しても義務付けられてもいない。義務付けられたことでも今日苦しい実業界ですから、何とか逃れよう逃れようと骨折つておるのに、何ら義務付けられてもおらないのに、この公益事業委員会の勧告ぐらいでキロ当も五万円と十万円と違う電力をどこから金を借りて来て、そうして受益者の損にならないような供給ができるのですか。これは手品の説明を聞くようなことじや困るので、これは具体的にもう少し詳しく伺わなければならんが、時間もないようですから、打切りではなしに、保留いたしまして、あと又おいでになつた折に、これは事務当局からいろいろ伺つておるのですけれども、事務当局はいわゆる事務当局であつて大臣としてこの分割された後の資金計画はどうなるとか、いろいろの点が出て来ます。或いは融通の問題とか、調整金の問題とか、これに関連してあるのですが、時間がないようですから保留いたします。
  72. 高瀬荘太郎

    ○國務大臣高瀬荘太郎君) それでは又来ますから今日はこれで失礼いたします。
  73. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 公益事業法案の第二十八條第三項の関連でありますが、一昨日及び昨日に亘つて、私再三確かめておる分でありまするが、一つの地域に重複して供給事業、配電事業をやるということはできないけれども、区域の区分さえつけば、具体的に言えば、九配電、九つの今度の電力会社の地域内と雖も、それを讓つて独立した区域ができれば、そこで別の電気供給事業ができると、こういう解釈につきまして、電力局長から数回に亘つて、それはできるのであるという御答弁を頂いておるのでありまするが、昨日の午後私いなくなりましてから、何か少し解釈が異つたようであるという話も伺つたのでありますが、この点くどいようでありますけれどももう一度念のために確かめて置きます。
  74. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 只今お話通り、重複しない限り、つまり区域がはつきり分れますれば、別の解釈ができて差支ないという点については、解釈に磯りはございません。
  75. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 よろしうございます。
  76. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると、昨日から私はその点を突いておるのですが、それはこういう場合にできますか、そうすると、昨日も言うた通りですが、速記を見れば分りますが、その九州の発送、発電会社の区域が供給区域になつておる九州一円の……、ところが、大分県は非常に電源地滯のよいところを見付けて、大分県が発電をして大分県内だけに配電しようという場合に、今度できたところの九つの発送配電会社がそれを承諾しないと、協定に応じないというときが想定されるのです。現在の法律解釈だけで今後日本の電気の百年ということを決められる、そのときに、どこがそれをやられるのですか、どこでもよいということになるのではないですか。その場合に、どうなるのですか。この法律では、現在の九州にできたところの今度の会社にこれだけの区域を分けてやれという記令はできない。ところが、昨日電力局長の説明では、三十何條か四十何條かの規定で許可を取消すことができると、許可を取消されるようなへまなことはやらない。コストで言うならば、現在二円五十銭のコストでやつておるが、新らしくできるものが一円五十銭なり二円でやるということを言つておるのに、これを承諾を與えなかつたなら、できる法律にはなつてつても、実際問題としてできないということになれば、どこでそれができる法律があるのかというのです。その場逃れのことを言つては困る。
  77. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) この法律の建前では、新たに電力事業を標めようとする者と現在の電力会社とが相談をいたしまして、その相談の結果によつて事業の讓渡の許可があるということが前提になつておりますので、承諾のございません場合には、法律的に解決することは困難かと思います。
  78. 門屋盛一

    門屋盛一君 困難じやない、できないのだ。
  79. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) できないかと思います。
  80. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 法律の解釈論をやつておるので、協定ができなければできないということはよく分つております。
  81. 門屋盛一

    門屋盛一君 だから結論的に言えば、第三項なんというものは、残して置かん方がよいのです。第三項一つ入れるのだつたならば、昨日からくたびれる程言つておるけれども、義務規定を作つて貰わなければ困るのです。私が大臣に問いかけたのもそのことなんだが、開発に義務なんというものがないのです。百万キロの電気なら百万キロの電気で、会社は儲け放題儲けて、その間の需用者は、いつまでも街燈一つつかずに苦労しなければならんということになる。まあ関連だから止めますが、できないようなことを決めちやいかんよ。
  82. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 何か御質疑ありませんか。
  83. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 もう猛者連が質問されたことだとは思うのですが、繰返して今の二十八條の三項に基く点をお尋ねいたしたいことは、同一地域を供給区域とするということは、この法案電力発送、配電というものを一貫しておるという趣旨なんでありまするが、併し、同一地域を供給区域とするという意味合は、これは配電地区が統合しないと、或る都市と或る都市との間が別個に供給地域が区別されるような場合においとは、公益事業を許可されるという解釈が成立つと我々は考えておる。況んや、これが公共事業としての優先的な考慮を持たせて、営利業業はその次に置かれておるという場合において、殊に昭和十三年、十六年において、各自治団体から統合した、そういつた配電事業を、而も、より高い公共事業的な性格を持つて復元して貰うということは、昨日も私が申上げました通り、私鉄の戰時中における統合の場合でも、復元を原規としておる。その他あらゆる場合でも全部復元といたしておるような事情以上にこれは明確なことであるし、公共事業を優先とする高度の性格の自治体がよりよく高く持つという性格から見ても、当然ここは許可されねばならないと思うわけですが、配電事業においても、政府においては、それに対して何らかの異存を言われるのかどうか、その考え方を承わりたい。
  84. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 供給区域というものの関する関係は、配電事業についての関係でございます。只今お話のように、同じ県の中でございましても、Aという市とBという市とにおきまして、それぞれ別の配電会社ができるということは、この法律の解釈上支障がございません。
  85. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 然らば、この第三項は、今の政府委員お答えのような工合に、より高度の旧自治体が保有しておつた復元配電事業を別個に許可して呉れという申請があつたならば、許可するということに解釈してよろしいか。
  86. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 只今御指摘のありましたような場合が、昨日から非常に問題になつた点でございますが、それは手続といたしましては、両者の間に話合いをいたしまして、その話合いがまとまりました場合には、公益事業委員会の認可を受ける、そういう前提條件がございますればお話のようなことはできる、こういうことに相成ります。
  87. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その話合いというものの政府の指導方針は、私の申上げたような工合に、より自治体が高度な、営利を目的としない公共事業の本旨であるという建前におきましては、その話合いを申請したものが成立つという解釈を持つのでありますが、その話合いは、当然要望したならば、曾て自治体が配電操作事業を持つておつた。それを復元していわゆる供給事業が複合しない地域においては、許可して呉れという申請をしたならば、話合いができるという指導方針を持たれるかどうか。
  88. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 只今お話のございましたような点は、具体的には今度できまする公益事業委員会におきまして、個々の場合の実情に応じまして処理の方針決定すべき筋合いの問題だろうと存じます。
  89. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それはその公共事業委員会において話合うべき筋合いだという立法精神の基本的な動向をどういう構想で、どういう意図で政府がやられるか、それから当然そういつたものは許可さるべきであるという強い確信を持つて言われての話が、五里霧中の話か、不可能を意味している話か、どつちですか。返答をして貰いたい。
  90. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 府県営でありました発電所等の返還と申しますか、そういう問題につきましては、これをどういうふうに処置するかという事柄につきまして、再編成審議会の方の愼重な研究も頼んでございますが、一つにはこの日本全体の電力の再編成という大きい問題を処理いたします場合に、比較的小さい問題も一緒にやるということは非常に扱いにくい、混乱を起し易い事情があるという点が一つと、それから比較的需給の関係が楽でない事態と、それからそれが安定して参り、需給が楽になりました場合とでは、分離することが適当であるかどうかというような問題につきましても、段々考え方が変つて来るべき筈だというような考え方からいたしまして、自家発の返還の問題も同樣でございますが、これらの問題をすべて将来に持越した次第でございます。従いまして、或る地区の発電所、或いはそれに関連いたしまして、一つ供給区域を持ちましたものを別に分けることは適当であるかどうかというような点は、この地区内における電力の需給の調整乃至は区域の調整或いに料金がどうなるかというような具体的な事情によりまして分けた方が非常に望ましいという場合もございましようし、それから必ずしもそんなに小さく分けることが適当でないという場合もあると考えるので、これは具体的な事情に即しまして決定せられるべきものであるというふうに考えております。
  91. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それではもう一点だけ具体的に然らばお尋ねしますがゐ今あなたは自家発電、各府県が県営していた送電の場合も想定されての解釈であつたのでありますが、私の今特に指摘してお尋ねしたいのは、配電操作の場合は、発電の場合ではない、配電事業の場合を指摘してお尋ねしておるのです。発電の場合のことは、又別個にお尋ねいたしますが、配電事業操作についての分離、独立が許されるかどうかということを明確に規定して頂きたいという一点は、具体的に申しますれば、大阪市は御案内の通り昔大阪市営で配電事業をやつていたことは御承知通りでありますが、昭和十三年、十六年の戰時体制に伴う電力統合のことで組合されまして、今日に来ておるのであります。この際大阪市が今日御案内の通りの地方税法に関連して地方経済の独立、こういつたような中央地方の政府の総合的な経済政策の樹立の中にも、地方自治経済体制にも重点的な考慮をされたいという意味において、大阪市内だけにおけるいわゆる需要というものについての大体の電力の割当というものは計画されたものだと思うのであります。その計画の範囲内において、この大阪市の中で需要される電力の配電事業をこの際大阪市が復元を要求した場合には、当然これは許可になるのかどうか、なるべきだという我我確信を持つている。こういうことはより高度の公共事業性を持つて、営利を目的としない、より高度性を持つているというふうな事業であるならば消費過程においても、あらゆる方面においても、直接公共のために利益することが著大であるという観点から、いわゆる委員会で指定されるものの、適当に処理されるものであろうということは、特にこういう場合には大阪市に、許可があることを意味しているかどうかということをお伺いいたしたい。
  92. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 法律的には先程申上げましたような扱いになるわけでございますが、実質的にそれがいいかどうかということは、府県営の場合と只今つております場合とで、料金の点、或いはサービスの点、その他の状況からいたしまして、電気事業が公共事業たる本旨からいたしましてどちらがより望ましいか、どちらがより適当であるかという点を更に具体的に検討いたしました上で結論を出すべきでございまして、お話のように公共事業であるという本旨に鑑みまして、只今申上げましたような点からいたしまして、それの方が更にいいということが明らかになりますれば、お話のような結論になるのではなかろうかというふうに存じております。
  93. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうするとあなたのおつしやるのは、そうしたより高度の公共的な性格を持つもので府県営事業の復元要求があるというような場合には、この委員会は当然許可されるだろうという政府は解釈を持つことに準拠して指導されますかどうか、この委会員に対しての凡その立法精神というものが包蔵されなければならない、或いはその包蔵されるものが色分けされなければならない。一例を挙げればこういうものは許可されるのだ、こういつたものは許可されないということが立法精神に直接包蔵されなければならない。その腸を一つ出して頂きたい、こういうわけであります。
  94. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 市営でやりますということだけの理由を以て、これを市営にすることは望ましいとは言えないと思うのであります。先程申上げましたように市営にするということが料金の点、サービスの点の他その公益事業であるという趣旨に適うような運営ができるという点がはつきりいたしました場合におきましては、そういうふうな扱いにする、そういう考え方が適当である、かように考えております。
  95. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 もう一つだけ……市営であるから公共事業的の性格の強いものだという解釈がならないということになるのでありますが、私は苟くも営利を目的として公共性、営利を目的とせざる公共性というものとは、営利を目的としない公共性においてそのサービスなり運営なりというものが適正ということはもう論ずる余地がない。従つて大阪市がいわゆる社会サービスの、いわゆる政府の経済サービスを以て、より高度な公益性を持つ、況んや戰時中において統合されたものを復元して、親しみを以て、愛情を以て、その配電事業を経営するということであるならば、これはもうこんなものこそ許可さるべきだということはもう論ずる余地はないと私は思うが、もつと政府はそういう場合に許可されるだろうということをはつきり言つたらどうです。言わないということは、いつまで経つても、この論議は盡きない。追掛けごつこだと思うのであります。はつきり言われたらどうですか。
  96. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 公共性の強いものであるから市営でやつた方がよりその趣旨に適うのではないかというお話でございますが、実際果してその通りになるであろうか、どうであろうかという点。それから今お話のような見解に関係者のすべてが賛成するであろうかどうであろうかというような点が問題として残ると思うのでありまして、そういうふうになり得る場合も勿論ございましようけれども、これは個個の場合の実情に即しまして、将来決定せらるべき問題であるというふうに考えております。
  97. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その実情に即するということは何を根拠とするのですか。実情に即するということが、私が重ねてくどく申上げておることが即公平な公共企業体としての重要性が高度に含まれておると思うのであります。賢明な政府委員だから、それはよく分つておるけれども、言えないのか、はつきり目的は分つておるけれどもはつきり言えないのか……
  98. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) これは公益事業委員会が将来独自の権限を以ちまして、只今お話のような点を判断いたすわけでございまして、只今のお説の通りの見解にこの委員会といたしましても相成りますれば、そのような結論になる、こういうふうに存じております。
  99. 門屋盛一

    門屋盛一君 この岩木委員のお尋ねになつておるのは、今の政府がそれを強化するかせんか言われておるけれども、この法律が実施されれば、現在の官庁には電力に関する許可権は何もなくなる。だから私に先程大臣に、この委員は重要であるから、委員人選をする以前に候補者名簿を持つて来いと要求したのでありますが、これはつまり政府当局に対する関連質問としましては、私は大体今度の再編成をやるときの思想としては、そういうものは認めないという線が強く出ておるのです。私の見るところでは……。これは認めておるというならば、その認めておる点を指摘して御説明願いたい。こういうものを再び許可しないという線が強く出ておりますのは、昨日からしばしば問題になつておるのですが、この第三項において供給事業、つまり一番のサービスのあるところに独占禁止を許しておきながら、これに対する義務付けられた法文は一つもないことが一点と、更に編成法第八條を読んで行きますれば分るように、仮に大阪市営の配電会社をやつておられた、それを統合されると、今株を幾らか持たれておるでしようけれども、この株は、三ケ年以内にその株すら公共団体は持つことができないということになつておる。その精神を押し拡げて行きますれば、恐らく岩木委員のお尋ねになつておるのと法の精神とは雲泥の相違がある。公共団体がこういうことをやることはいけないという思想は現われておるけれども、公共団体にやらせるという思想は現われていない。もう一つこれを裏書きしておるものは、今回の別表第三によつて配電区域、供給区域等が決められております中に、一つもそこに保留されていない。元あつた区域を分割する場合にはというようなことは保留されていない。綺麗さつぱりと新らしい会社ができてしまう。だから昨日も佐々木委員宮幡政務次官との応酬にありましたごとく、今度新たにできる会社というものは無から有になつておる、供給権につきましては……。供給権は何もないところを、あれだけの広汎な供給権を貰つてしまう。そうしてその中の供給権の一部を大阪市なら大阪市が分けて貰おうとすれば、今度政府から貰う折にゼロであつたものに対して暖簾とか財産権が認められる。国のものをただ貰つておいて、今度それを分割する裏にはこれだけ分けるにはなんぼの権利金をよこせということを、今度新らしくできた会社から要求されるのでありますから、今まで曾て市がおやりになつたようにうまく財産ができて来ない。而もそのときの讓渡す工作物というものは、戰争後に安く取上げられたものが今度新らしくできた会社から、仮に協定がついてこれは讓ろうということになつて、その讓渡すところの値段についても、ここに何ら規定がない。そういうものが復元をする場合には、元の統合したときの価格なり、或いは今回新設されたときの価格によるとかいう特殊の点が一つも認められていない。これらの点を考えると、先程から資源長官ができる状態になればできるというけれども、今の政府、私は今後発足するであろうところの委員会の権限事項についてまで始關長官にその答弁をせよと言わないけれども、この法案を拵えたときの政府の精神思想としては、公共団体の電気事業は認めない。これははつきり書いてもあるのですが、そういう思想から出発しておるのでありますから、今後この種のことに対しては、委員質問委員を通じて民間が聞く場合には、本当に率直な答弁をしておかないと困ると思う。私は昨日からこの点が一番心配になるから衝いておるのであるが、実際問題で承諾しませんよ、しぶしぶ承諾して分けて貰おうとするところの電気工作物の価格は、現在の時価より高くなる。今の物価がこのままずつとレベルが続いて行つても、供給の権利金が入るだけ高いものを買戻さなければならん。だから、元やつておつた業者、つまり富山県営なら富山県営、宮崎県営なら宮崎県営、大阪市営なら大阪市営でやつておつたものが、これを願い出た場合、協定がついた場合、その電気工作物に対しては元の価格で讓渡するとか、或いは今度の新会社設立のときの評価によつて讓渡するとか、そういう例外規定が一つも設けてない。これから推しましたならば、先程からこれは他の委員からの質問に対しても、法文解釈としてはできると言つておるけれども、実際問題では二進も三進も動かない。実際できませんから……。これは私はそう思うのですが、資源長官はそれでも尚できると思われますか。この法律を拵えた精神は、そういうことを考えていなかつた。むしろそういうものは邪魔になるのであつて、日本の電気の公共性を発達させるためには、一地域一つ会社で、そうして十分に改善発達さした方が公共性があるのであるという思想の下に、この法律はできておると思うのですが、どつちですか。時期を見たならば還元しようということを後日の問題に讓つたと先程あんたが言われたが、後日の問題に讓つたならば後日の事項が譲つてなければならん。何らの事項が後日に讓られていない。讓つてあるというのですが、どの問題が讓つてあるか。後日の問題に讓つてあるのであれば、財産とか、電気工作物、その他の供給権の問題が個々にこの法律に保留さつておらなければならん。保留は一つもされていないですよ。全部やつちまつて問題は後日に讓つてない。ここに私は問題は残つておらん。問題の種は皆やつてしまう。それは輿論は起つて来るけれども、輿論が幾ら起つて来ても、この第二十八條の三項で「許可をしてはならない」となつておるんで、この「許可をしてはならない」というのに、今度新たにできる会社が食い下つて来る。そうしてこの会社を解散してやろうとしても、これには大勢の有識者を雇つておるのですから、法律違反をするようなことは絶対にしない。そうすると、迷惑するのは、この供給権内のものは無競争のままで、今より更に独占が強くなつて来る。そういう説明ははつきりした方がいいのです。後日に残してあるのでなく、今の政府考え方はこの九つの区域の枠で、これは絶対動かない。これは臨時立法だと言つておるけれども、臨時立法でない。恒久立法である。そこに間違いがある。
  100. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 非常に不十分ではございますが、法律的に法律だけの観点から申しますと、そういう余地は、先程来申上げておりますような意味合におきまして、残つております。但し全般の精神といたしましては、これは公共団体の経営の面、或いは自家発、その他御承知のように従前では数百の事業者があつたわけでありますが、そういうような昔の状態に還るということは、原則的には再編成全体の構想といたしまして考えておらないのでございます。その点は只今仰せの通りでございます。
  101. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 それではやんわりお尋ねいたしますが、二十八條の許可の基準というものは、この條文だけでは分らないのですが、具体的に例を挙げて一遍承わりたい、どういつた場合が許可の規準であるか。
  102. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 第二十八條の各号に掲げてございますことは、可なり抽象的な規定でございますから例を挙げて説明せよということでございましたが、只今どこどこにどういう電気事業会社が新らしくできる場合、或いは公営の事業ができる場合、こういうふうな意味での具体的な説明は困難かと思いますけれども、公益事業の許可を受ける場合に、第二十七條によつて目的、供給区域、供給関係供給施設の概要、事業收支の見積、こういうような点について詳細な資料提出を求めておりまするし、又更に同條第二項によりましては必要な書類を委員会提出を求めることができますので、これらの書類から新らしくできる公益事業の内容が第二十八條の各号に適合するかどうかということを仔細に判断いたしまして、その上で以て許可をいたす。こういうことになるかと思います。
  103. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうすると政府はこの委員会の許可條件を二十七條及び二十八條で法律として規定しておるのであつて、その内容、目的等は敢て委員会に、本当の独立権能を持つた委員会委員に一任するのか、或いはその委員の許可の條件なるものを後から糸を引くつもりであるのかどうか、政府は何らかの示唆を常に與えて、許可の上に更に又政府の許可を得なければならないのか、こういうことについての御意見を伺いたい。
  104. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) 公益事業委員会はこの法律の條項に基きまする権限を独自の立場、判断で指示するということに相成ります。
  105. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうすると独自で與えるということであれば、挙げて委員会考え方、措置に一任するということであれば、それで話は分りましたが、然らばその内容なり、方針なり、立法の趣旨、精神というものを、政府はこの委員会及び委員に何ら明示しない、ただ二十七條、二十八條の範囲内で、その良識判断に一任する、こういうことになるわけですか。
  106. 始関伊平

    政府委員(始関伊平君) この立法の趣旨なり或いは意図いたしております点、その他解釈についての権限等につきましては、公益事業委員会ができましたときに、これは政府から引継ぐということに相成つております。併しながらその後の扱い方、考え方、或いは解釈等につきましては委員会が独自の立場でやつて参ると、こういうことになつております。
  107. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 この法律ができたならば、委員会にこの二十七條、八條の問題も挙げて引継ぐというのでありますが、引継の基本條件なりその内容をお聞きしたい。然らば二十七條に設けられておりまする目的とはどういうことを目的とするのですか。一例を挙げなければ委員会も、初め誰も生れてからこの委員会委員になるということを予想しないので、政府任命するのですから、この目的の内容を恐らく政府に聞かれるだろうと思う。その聞かれる目的を挙げてからその内容について具体的な説明を伺いたい。
  108. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) ここで目的と申しております点は、第二條の各号で以て定めておりますように、一般の需要に応じて、電気の場合でありますれば電気を供給する事業であるとか、或いは又これに電気を供給することを主たる目的とする、つまり卸売の事業を営むものである。或いは小売事業を営むものである。そういうような公益事業の主たる性格と申しますか、その点を主として捉えておるわけでございます。
  109. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 第二條に掲げてある卸売が、即ち公益事業の主たる理由という点は、公益事業だということであります。公皆事業の主たる利益が……公益事業にでも営利が伴う公益事業もあれば、公益事業であつてもいわゆる社会奉仕で、利益を目的としない公益事業の方が優先だと思いますが、そういう解釈はとりませんか。
  110. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 公益事業は公共の利益を目的とする点におきましては公害でありましようが、私営でありましようが、同じような性格であろうかと思います。従いまして第二十八條の審査の基準、許可の基準によりまして第一号、第二号の、その公益事業の開始が一般の需要に適合するものであるかどうか、公益事業の開始が公共の福祉を増進するものであるかどうかということを、一件々々につきまして具体的に検討した上で以て判断を下したらよかろうと思います。
  111. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 只今お話のような場合に、一般の需要に適合しておるかどうか、公共の利益の増進に資する問題であるかどうかということであるならば、この目的の趣旨の第一條件として整備されるということでありますか。今お話のような工合に、その業務が公益の利益を増進するのを第一とし、公共の利益のための、需要者のためにそれを主たる営業種目として、配電操作をするということが明確であるならば、これは誰が判断しても同じであると思いますが、明確であるならばそれを許可する、こういうことになるわけでありますね。
  112. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 大体一般的に申上げればそういうことになるかと思います。
  113. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その場合に今私が一例を、大阪市の例を引きましたが、大阪市に限つたことを申しておるのではありません。大阪市の例を以て申上げるのでありますが、大阪市が例えば今度できる会社より、よりよく一般需要者のために親切であり、需要者のために利益が増進され、而も公共性が非常に濃化されておる、こういうことが大衆判断、若し委員会においてできないならば大衆判断でもいいが、大衆判断が仮にとられた場合には、それはその委員会はお説のような工合にこれを優先する、許可條件の優先目的、内容であると、かようにとつていいかどうかをお聞きしたい。
  114. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 第六十條の規定を御覽頂きますると、その第一項の第二号におきまして、第二十六條の規定による公益事業の許可をいたします際には、公益事業委員会は第八章の定めるところに従いまして聽聞を行わなければならない。利益関係者並びに一般の意見を聞かなければならない、こういうことになつておりますので、一般の輿論の支持の方向に従いまして、公共事業委員会としては更に各般の事情を勘案した上で以て適正なる判断を下すことと考えております。
  115. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 今私が申上げたことの判断が、委員会でつかない場合には、聽聞を行わなければならんということは分りました。然らばその聽聞の方法、範囲、それはどういうふうな場所、及び規定によつてやるのでありますか。又その聽聞なるものの意見の量でありますとか、或いは真実性、量と真実性という問題についてはどういう判断をしますか。
  116. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 只今の御質問の中で以て、公益事業委員会自分で判断をできないときに聽聞をいたすとこういうふうにおつしやられたかと思いますけれども、公益事業委員会自分の判断をまとめるに、一つの重要な材料といたしまして利害関係者の意見を聞くと、こういう意味で聽聞の手続をとるわけでございます。尚聽聞開始の手続等につきましては、第六十三條、第六十四條等に詳細に定めてございまするが、要するに委員会が予め聽聞の日時及び場所を定めまして、利害関係者にこれを通知いたしまして、更に同時に公にこれを公告、つまり公表いたしまして、更に又この公告に基いて聽聞に際して意見を述べようとする者には参加する途を開いております。こういうようなわけで利害関係者は広く聽聞において自分意見を述べる機会を與えられております。又自分意見の裏付となるべき証拠を提出する自由も與えられておるわけでございます。これは第六十六條にございます。こういうちよつと裁判類似のごとき愼重な手続によりまして、利害関係者に十分その意見を申立てる機会を與えておるわけでございます。
  117. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その聽聞に対して意見を述ぶる人の参加範囲は、これによりますれば利害、利と害と関係者が同一数を持つておるのか。或いは特に希望する者は自由にその委員会に申出ることができるのでありますか。
  118. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) これは参加の申出は自由でございます。聽聞に際して意見を述べたいということを申述べることは自由でございます。
  119. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 この前にその聽聞の実状というものが、多数がこれは許可すべきだという意見があつた場合、或いは反対が多数であつた場合には、常に多数決によつて民主的に決めるのでありますか。その聽聞の成果を決定するものはどういう方法によるのでありますか。
  120. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 聽聞と申しますものは、一般の会議の議決などと趣きを異にいたしまして、参加者の多数が仮に反対いたしました場合でも、委員会においてその聽聞の趣旨をよく酌み取りまして、どうも聽聞の参加者は多数が反対であつたけれども、少数の意見の方がむしろ妥当である。こういうふうに判断いたしました場合には、これは恐らく例外であろうと思いますけれども、聽聞の機会に反対者の多く参加するということも稀にはあり得ることだと思います。そういうような場合には委員会は独自の判断によつて決定を下してちつとも差支ない、こういうことを申上げたわけであります。
  121. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 その決定する前に、事前に聽聞会を開く、その聽聞に参加した意見者が多数、而も公共の事業として整然たる理論と実際を披瀝するならば、それは少数の場合であつてももとよりでありますが、況んやその意見が多数であつた場合には、当然これはその多数の意見委員会決定すべき筋合いであろうと私は思うのでありますが、如何に多数であつても、もとより間違つた意見ならいざ知らずでありますが、併し苟くも公共事業性を最も高度に発揮し、一般需要家の利益を増進すめ目的に明瞭なる理論が展開したならば、これはこの委員会は況んやそれが多数であつた場合には、それは許可の條件に合致する大きな基礎資料となるというふうに判断してよろしうございますか。
  122. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 一般的に見てそう考えて差支ないと思いますが、公益事業委員会はかくのごとき重要な決定をいたします委員会でありますから、特に両院の同意を得て内閣総理大臣任命する。こういう愼重な手続をとつておるのでございます。
  123. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 そうしてこの委員会において聽聞によつて民主的に正しい議論があつたならば、それを尊重して委員会は態度を決めるということを今明確にしておりながら、何故第二十八條の三項を説けたのか。これがちよつと分らないのですが、その理由をちよつと……
  124. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) これは一般論といたしましてすでに大臣並びに他の政府委員の方から御説明があつたと思いますけれども、電気事業並びにガス事業の自然独占的な性格に鑑みまして、一つ供給区域を対象にいたしまして一般の需要に応じて小売をやる事業が二つできますと、二重投資、二重設備の弊害のよつて来るたところは一般の消費者の利益がむしろ害される。消費者の負担が増加する。こういうことになると思いますので、これは戰前の五大電力が競争いたしました際に随分無茶な競争をやつた結果においては、資産の内容を惡化した例もございますので、この点は有易に御了解頂けるのじやないか、こういうように考えられております。公益事業においては自由競争によつて経営の合理化、能率の増進を図つて、これによつて消費者の利益を増進するということは一般には期待が困難でないか、こういう立場でございます。
  125. 岩木哲夫

    ○岩木哲夫君 自然独占的なこういう事業に対してこそ特に需要者がこれを要望し、電力事業が公共のために利益が増進するということであつて、いわゆる聽聞の会において多数がそれが適切だということであつたならば、一層自然独占的なそういう事業に一つの制肘を與えて、社会公共の利益のために図るということこそいわゆる本旨でなくちやならんのであつて、今おつしやることは極めて私は矛盾と思うのであつて、当然聽聞の各委員の発言の実体に鑑みても、且つ自然独占的の業務を無益な競争でなく、これが一般需要者にも利益を増進し、公共の福祉のために利益するのだということであるならば、当然許可の條件がこれで全く完備したものだと私は思うのですが、御説の点は極めて矛盾するではないかと思うのですが、如何でしよう。
  126. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 大体今まで御説明申上げたことで盡きておりますが、或いは最後になると、見解の相違ということに相成るのじやないかと思います。
  127. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今聽聞の問題が出ておりまして、終いは意見は相違になるのじやないかということで鳧になりそうですからちよつと申上げます。先ずこの聽聞の規定はこれは非常に進歩的の規定です。提案理由説明の中で、公益事業委員会はその例をアメリカのレギユラトリー・ボディーに探つたと言われたが、アメリカのレギユラトリー・ボディーに内容を採つた例は恐らくこの聽聞だけだと思います。従つてそういう意味では聽聞は非常に手続から見ればよくできておる。併しながらその結論が尊重されるかどうかということについては、今岩木さんとそれから政府委員との方で話があつた通りでありますが、本当にこれを今聽聞制度で相当な改善が、或いは需用家の利益が本格的な擁護され得ると思われますか。
  128. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) 需用家のみならず一般投資家、その他利害関係者の利益が擁護されるというふうに考えております。
  129. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 先程から話があつたように、日本にはまだこういう制度は始めてです。今似たような制度のあるのは国会の公聽会、その中で出た意見がどれ程実質的の効果を持つたか、或いは地方的に見るとP・T・Aという組織がある。これに出ている意見がどれ程尊重されておるか。P・T・A自身が現在どういう勢力によつて動かされているかということを見ても、その効果は大体見当が付かれるだろうと思う。併しながらそれによつて効果を挙げられるというお話でありますが、一体この公聽会が、これは公益委員が当然やるでしよう。公益委員が、五人の中央の公益委員だけが中心になつて……それで大体どれくらいな回数を予想されているのですか。
  130. 小室恒夫

    政府委員(小室恒夫君) これは聽聞を必要とする場合というのは、第六十條にいろいろ書いてございますが、これは委員会においていたしまする重要な処分、まあ先程例を挙げました公益事業の許可を初め徳いたしまして、事業の讓渡、讓受けの認可でありますとか、ここに揚げておりますいろいろな処分をいたします際に、これはどうしても聽聞をいたさなければならん。従つてこういう事案がどれだけの回数を生ずるのであろうかということと、もう一つ委員会の処分に何しまして異議の申立があつた場合に、聽聞を開くということになりますから、異議がどれだけ出るであろうかということとも関連しておるのでありまして、予め何件ということは申上げにくいのでありますが、アメリカの例なんかでは、一つ委員会で一年に九十回くらいの聽聞をやつておるというような委員会もございます。尚五人の委員が全部出席して、聽聞の各種の意見を聽かなければならないということはございませんで、それは記録にとりまして、あとで十分各委員が検討されればいいわけでございます。丁度国会の公聽会におけるがごとく、少数の委員しかおいでにならなくても、あとで十分御検討が願う機会があるわけでございます。結局において委員会が適当に判断をすることができるかどうかということは、委員にその人を得るかどうかということにまあかかつて参ると思いますので、聽聞の手続を活用できるかどうかということは、国会の御同意によつて適当な人を選べるかどうかということにかかつて来るかと思います。
  131. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それはですね。それは言い逃れだと思う。そんなにですね、五人の委員が神樣じやあるまいし、今出て来ておる電気の問題の国会に対する請願と政府に対する請願だけだつて相当なものでしよう。第一あなた自身があれを皆目を通していますか、或いは商工大臣自身が目を通されるか。而もこれは今九十回くらいと言われましたけれども、カリフォルニヤカどこかの公益事業委員会では、年に千三百回もやつておるそうです。そういうふうに発達した聽聞会であつて初めて効果が期待できると思う。今みたいに聞きつ放しみたいなことでは僕はやれつこないと思う。又聽聞会で相当な効果を若し期待されるならば、いつかの委員会にもありましたように、地方にもどんどん同じような公益事業委員会を作るかなんかしなければ、今のところ到底これは事務量として不可能なんです。意見の相違じやなくて、予定される……ここに規定されておる聽聞にかけなければいかん事項と、それから現在発生しつつあるそれに対する異議なり、それから文句の言いたい数なんかから検討してみても、若しその意見を本格間に尊重しようと思つたら、不可能に近くはありませんか。この五人で本当に可能と思われるわけですか。
  132. 武内征平

    政府委員(武内征平君) 実は先般私九十日程アメリカに参つて来たのでありますが、このレギュラトリー・ボディーの組織及び運用につきまして、私研究をいたしておるわけでありますが、只今佐々木委員のお尋ねがありましたから、実情を少しお話申上げたいと思いますが、たしか五人の委員で、非常に沢山出て来るであろうと思われる申出に対しましてやるということは、場合によつては困難かと思います。そのやり方といたしましては、聽聞の方法につきましては委員会規定ができるのでありますが、アメリカにおきましては、大体州におきまして五人乃至は三人の委員がおります。それで一つの申請ができますと、それに対しましてエクザミナーと申しておりますが、不審査をする人が任命されます。殊に法律問題等に関連いたしました聽聞でありますと、その前に……エクザミナーというのは大体法律家が多いのであります。一つ委員会に七人乃至十人、或いは五人のところもありますが、專門のこのエクザミナーを使用しておるところもあります、雇つておるところもありますが、そうでない、今お話のありましたカリフォルニアあたりでは、その委員会のうちの或るポストに就いておる者を、この事件について、エクザミナーは誰、それから主任のコミッショナーは誰というふうに任命になります。そうして法律問題その他の個々の複雑いたしました事実審査はエクザミナーが一応いたしまして、問題の整理をいたしまして、そうしてそれを委員会に報告いたしまして、そうしてその整理ができたところで正式の聽聞をやる、こういうようなやり方でありまして、委員は午前午後殆んどヒアリングに出ることで非常に忙しいのでありますが、そようなわけで不審査という制度を非常に活用いたしまして、最後には正式の聽聞にかけますけれども、さような方法で処理しておるというのが実情であります。併しながら或る委員会におきましては、非常に沢山ヒアリングがありまして、委員は寧日これなしというような状況にあります。果して日本の公益事業委員会でさように沢山のあれが出て来るかどすかは疑問でありますが、少くともアメリカの実情におきましては、ヒアリングが非常に多い、殊にスポツトのヒアリングと申しまして、現地に行きまして……現地に行つた方がいろいろ証人とかその他の人に出て来て貰つて話を聽くに適当である、或いは現場の実情等を見るのに適当であるというような場合におきましては、現場に出て行きまして、現場の一定の場所を指定しまして、ヒアリングの日時を指定いたしましてこれを行なうというようなことで、非常に活溌にやつておるというのが実情でございます。
  133. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 アメリカの実情よく分りました。アメリカの実情が分れば分る程日本の場合には僕はできんだろうと思う。第一にアメリカのレギュラトリー・ボディーは、先程言いましたように大体においてこれが仕事になつている筈です。丁度陪審員制度の最も発達している裁判と同じような意味でのこれが中心になつておるわけです。日本のレギュラトリー・ボディーは、それより前の、ここに書いてあるむしろ国家的の仕事が中心になつておる、その片手間でこんなことができるわけがない、これが第一点。  それからもう一つ、アメリカで千三百回開かれたと称せられる、或いは千回でもいいですけれども、それんらい開かれて消費者の利益が守られておる裏には、今度は事業者の方の数が、相当な複数がある筈です。今度の場合は、日本に一つのレギュラトリー・ボディーが、五人の委員がおつて、事業者は九つで、需要者は全部、そうして今のようにこう回数が出た場合は殆んど何もできん、或いはできにくい状態にある。そういうような場合、而もそれ程レギュラトリー・ボディーを拘束する権限もないとした場合には、法律的な問題はいざ知らず、大抵落着く先というものは当見が付く筈です。実質的にこの聽聞会の制度によつて本当に消費者の、国民大衆の利益が擁護され得るか得ないかということは、大体見当が付く筈だと思うのです。若し役所の方で、これで消費者の利益が擁護できる、少くとも事業者に対応した消費者の利益が守れるというふうに言い切られるならば、相当のこれは現状と照らしての各地方の地方通産局で起きておる事例、それに対して或いは今いろいろおのおのの国家管理の体制を以てこれに臨んでおつて、どのような解決が一つ一つなされておるかということを全部聞かんというと收まらんことになつて来ると思うのです。まあこうなつて来ると又問題が非常に広範囲になりますから、一応そこまでは行きませんけれども、僕は本当に立法者として事務局で案を立てられた場合、この聽聞の制度に本当に大きな期待をかけられておつたかどうか、僕は念のために一つ聞いて置きたいと思う。
  134. 武内征平

    政府委員(武内征平君) 当然に聽聞を開かなければならない事項は、御承知のように六十條で規定してあるのですが、それ以外の特例といたしまして果して聽聞を開いて決定すべきか、或いはそうでなくして書面で、書面と申しますか、決定するかということにつきましては、委員会はこれを判断するのでありますが、先程のカリフォルニアの例は非常に沢山開いておりますけれども、カリフォルニア州におきましては、單に電気、ガスばかりでございませんので、或いは水道関係、或いはバス関係、或いはトラックの関係、或いは艀船の関係といつたような関係で、州のコミッションは電気、ガスばかりでなく、あらゆる公共事業を総括いたしておるのであります。カリフォルニアニは大体五百人のコミッションの使用人がおりますが、その中の約百名ぐらいが電気の方をやつておるのでありまして、従いまして事務量の範囲と思しますか、仕事の種類の範囲が多少違うのであります。フェデラル・パワー・コミッションにおきましては、大体一日に一回平均くらいのヒヤリングが行われておるというのが実情であるように承知いたしております。
  135. 門屋盛一

    門屋盛一君 議事進行ですが、今本会議では地方税法が委員長説明で討論に入ります。適当なところで散会して……休憩したつて六時頃までかかる。本会議は八時頃までずつとありますから、今日は適当なところでお諮りの上散会願いたいと思います。
  136. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 本日はこの程度で質疑を終ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その諮りの方はちよつと困る。この訪度で質疑を終られたら困るのです。
  138. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 今日はですよ。
  139. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今日……これで散会するのですか。
  140. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 ちよつと、卸売は二十八條第三項のあれには関係ございませんね。
  141. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) お諮りしたいことがありますが、会期末になりましたので調査報告を提出したいと思います。報告書をお廻ししますから御署名を願います。   —————————————
  142. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) それから法案の取扱は別としまして電力問題の調査は閉会中も継続して置く必要があると思いますので、継続調査要求書を議長の手許にまで提出することにしたいと思いますが、如何でございますか。
  143. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 それはまだ議運でも一般に形式的には委員会は継続し、従つて継続審議ができることになつておりますが、実際問題としては殆んど不可能だということになつておるわけです。従つてその要求を出されることは結構だと思いますが、その際には一般的に議運の方向に従うことを前提として置いて貰わないと困るのじやないかと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 飯田精太郎

    委員長飯田精太郎君) 外の御意見ありませんか。今お話通りの案で出すつもりでおります。それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時五十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     飯田精太郎君    理事            栗山 良夫君            石坂 豊一君            門屋 盛一君            結城 安次君            水橋 藤作君            佐々木良作君    委員            下條 恭兵君            島   清君            吉田 法晴君            石原幹市郎君            廣瀬與兵衞君            岩木 哲夫君            境野 清雄君            赤木 正雄君            油井賢太郎君            玉置吉之丞君            田村 文吉君            村上 義一君   国務大臣    文部大臣通商産    業大臣     高瀬荘太郎君   政府委員    資源庁長官   始関 伊平君    通商産業事務官    (資源庁電力局    長)      武内 征平君    通商産業事務官    (資源庁電力局    電政課長)   小室 恒夫君   説明員    通商産業技官    (資源庁電力局    電力開発部長) 豐島 嘉造君