○
委員外議員(
千葉信君)
只今の新谷
委員の御
質問に関連するところでございますが、新谷
委員の御
質問は第六條の中の後段の方「広い
経験と
知識を有する者のうちから、両
議院の
同意を得て、
内閣総理大臣が任命する」というところに力点が置かれていたとように私は承わ
つておりましたが、私の御
質問申上げたいのは前段の方「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ」というこの
條項に当嵌まる問題についてでございます。立案
当局の立場からいたしましても公共の福祉に関して公正な判断をすることができる、そういう者が果してあるかどうか、勿論これは公正な判断をする者がなかなか容易に得られないから、ここにこういう
條文があり半断をするという言葉があるとは思うのでありますが、御承知のように現在のようなこういうはつきりとした資本主義機構の中にあ
つて階級的に分れて、例えば役所の機構からいたしましても管理するのと管理される方、それから又社会的には搾取する者と搾取される者、或いは又支配する者と支配される者と、こういうふうな形で明確に出て来ておるということについては、これはもう誰も
異議がないところと私は思うのであります。その場合にその中間的な立場に立つ者が或いは比較的に公正な判断をするということができるというふうにも言われるかもしれませんけれども、そういう場合にな
つてもやはり公共の福祉というものに対する絶対な判断というものはあり得ない。おのおのの立場々々によ
つて例えば具体的に言うならば、のんびり暮しておる諸君の社会公共の福祉に関する判断というものと、その日暮しの生活をしておる人達の公共の福祉ということに関する判断とはおのずから私は違うのではないかと思うのでございます。その問題の政治的な解釈はとにかくといたしまして、おのおのの公共の福祉という問題に関する判断が違うということは、そういう立場からこれはどうしても必然的に止むを得ない状態においてできているということについては、これはもう私が申上げるまでもなくお分りのことと思うのでございます。そういたしますとこの
電波監理行政の公平を期するために
委員長並びに
委員を
選任する場合に、本当に公共の福祉に対して公正な判断をするように
委員会を構成しなければならない。そういう立場からいいますと、どうしてもその人々の置かれておる立場なり或いは又環境なりというところから生じて来る判断というものを、総合的に公平なものに持
つて行くというためには、やはりこれはそのおのおのの属しておる立場々々を
考えてこの
委員の
選任ということをやらなければならない。そういうふうに持
つて行くのでなければどうしても一方的な公共の福祉という問題を判断する立場の人だけを集めてしま
つては、これは非常に大きな問題が残るのではないかという点について、
只今新谷
委員からも御
発言がありましたが第二
国会に提出せられました当時にはもつと具体的な
委員の
選任の分野というものが出ておりましたが、こういうふうに抽象的に表現せられましたということにつきましては、できるだけこの抽象的に表現の中から正確に事を運びたいというお
考えがあ
つてのこととは思いますけれども、併しながら往々にしてこういう抽象的な表現は後の非常に惡用される虞れがありますので、
只今私が御
質問申上げた点について
大臣からこの際具体的な方針を承わ
つて置きたい。かように思うわけでございます。